(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、実施形態を詳細に参照するが、このような実施形態の実施例が添付の図面に示されており、図中、全てではなく、幾つかの実施形態が示されている。確かに、本発明の技術的思想は、多くの種々の形態で具体化でき、本発明を限定するものと解されてはならず、これら実施形態は、本明細書における開示が該当する法上の要件を満たすように提供されている。可能な限り、同一の参照符号は、同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられる。
【0014】
詳細な説明において開示される実施形態は、光ファイバの端のところに設けられた複数個の劈開された面又はファセットを有する少なくとも1本の光ファイバを含む。複数個の劈開面のうちの上方の面は、光ファイバの長手方向軸線に関し、複数の劈開面のうちの下方の面とは異なる角度で設けられ又は形成される。光ファイバは、光ビームから光を光ファイバのコアと検出器に分配する上方及び下方劈開面を備えた傾斜フェースを有する。光ファイバの端の傾斜フェースの劈開面のうちの第1の面は、第1の面に当たった光学コンポーネントからの光が全反射されて光ファイバコア中に向けられるよう第1の角度で設けられ又は形成されている。第2の劈開面は、光ファイバの長手方向軸線に対して第1の角度よりも小さな第2の角度で設けられ又は形成され、その結果、光コンポーネントからの光の一部分が第2の面を通って再屈折して検出器に当たるようになっている。
【0015】
一端に上方及び下方劈開面を備えた傾斜フェースを有する光ファイバを多面付き角度劈開光ファイバと呼ぶ場合がある。多面付き角度劈開光ファイバを用いると、光学光源からの光の一部分を取り出すことにより、光学光源、例えばレーザからの光の一部分を取り出すことにより、光学光源、例えばレーザからの光をモニタするのを助けることができる。一実施形態では、光学光源は、垂直共振器表面発光ダイオードレーザ(VCSEL)から成るレーザ源であるのが良い。光学システム中を伝搬する光の量をモニタするため、光学光源から来た光をモニタするための検出器が光学光源の近くに位置決めされる。レーザの寿命全体にわたって出力パワーレベルをモニタするために光パワーの何分の一かを検出器に差し向ける。多面付き角度劈開光ファイバは、光学光源により発射された光ビームからの光を2つの部分に分配するよう機能し、この場合、一方の部分は、光ファイバの内部コア中に差し向けられ、もう一方の部分は、検出器に差し向けられる。光ファイバの端の傾斜フェースの面のうちの1つは、光学コンポーネントからの光が光ファイバコア中に全反射されるよう第1の角度で設けられ又は形成される。第2の面は、光ファイバの長手方向軸線に対して第1の角度よりも小さな第2の角度で設けられ又は形成され、その結果、光学コンポーネントからの光の一部分がこの面を通って再屈折して検出器に当たるようになっている。
【0016】
図1は、レーザ角度劈開された光ファイバの一実施形態の断面側面図であり、基板上に設けられた光学光源からの光がレーザ角度劈開光ファイバ中に発射され又は差し向けられる。この点に関し、基板10上には光学光源16が設けられている。光学光源16は、VCSELであっても良く、他の光学源であっても良い。内部コア14、クラッド15及び端18を備えた光ファイバ12が用意される。光ファイバ12の端18は、傾斜しているのが良い。一実施形態では、端18は、レーザにより角度をなして劈開されている(例えば、レーザ劈開されている)(以下、端18、劈開ファイバ端18又は角度劈開ファイバ端18又はレーザ劈開ファイバ端18と呼ぶ)。光ファイバ12は、劈開ファイバ端18が光学光源16からの光を受け取るよう光学光源16と位置合わせされるよう位置決めされている。劈開ファイバ端18の角度は、光学光源16から差し向けられた光100Lを劈開光ファイバ端18のところでの全反射(TIR)により反射されて光100Rとして光ファイバ12の内部コア14を下るよう向け直すよう設定されているのが良い。一実施形態では、劈開ファイバ端18の角度は、約45°であるのが良く又は光ファイバ10の軸線に対し、光学性能の構造(例えば、後方反射の減少、マルチモードファイバにおける帯域幅の増大等)を可能にする他の角度であるのが良い。光100Rは、一般に、これが光ファイバ12に沿って伝搬しているとき、内部コア14内に留まる。
【0017】
公知の方法によるレーザ処理を用いて光ファイバ端に傾斜面を形成するのが良い。可変ビームエキスパンダ(ビーム拡大器)及び25ミリメートル焦点距離集束レンズを備えた二酸化炭素(CO
2)レーザから成るレーザ劈開ステーションを用いるのが良い。レーザを用いて光ファイバを劈開した場合、光ファイバ又は光ファイバの端をレーザ劈開ファイバ又はレーザ劈開端とも呼ぶ場合がある。レーザプロセスを用いると、単一の光ファイバ又は1次元(1‐D)又は2次元(2‐D)アレイの状態に配列された一群の光ファイバに傾斜面を形成することができる。角度を持つレーザ劈開端を備えた光ファイバを多くの目的に用いることができる。例えば、VSCELは、光ビームを垂直に放出するので、或る特定の用途に関し、コンパクトさを考慮せず方向転換が必要な場合が多い。角度を持つレーザ劈開端を備えた光ファイバを用いると、
図1の上方に示されているようにVCSELからの光の必要な直角の方向転換を達成することができる。
【0018】
レーザ劈開法の代替手段として、光ファイバ端に設けた傾斜面を高精度研磨作業により個々の光ファイバ又は光ファイバアレイに形成することができる。
【0019】
光ファイバ端に設けられている傾斜面が光を反射することができるようすることによっても、光学光源からの光の一部分を分割し、この分割部分を検出器に差し向けて光学光源から来た光をモニタすることができる。一実施形態では、これは、
図2A及び
図2Bに示されているように光ファイバの端への多くの劈開面を形成することにより光スプリッタを光ファイバ端中に組み込むことにより達成される。
【0020】
図2Aは、2つの角度劈開面を備えた光ファイバの例示の実施形態の断面側面図である。一端に複数の劈開面を備えた傾斜フェースを有する光ファイバ12は、光学光源からの光ビームから光を検出器に分配して光学光源からの光をモニタリング目的のために取り出すことができるように使用できる。
図2Aは、基板10上に設けられた光学光源16の上で位置合わせされた内部コア14を有する光ファイバ12を示している。光ファイバ12は、光ファイバ12が上方及び下方劈開面20U,20Lを有するよう一端18が劈開されている。一実施形態では、上方及び下方劈開面20U,20Lは、上述したようにCO
2レーザを用いて1対のレーザ劈開切れ目を光ファイバ12の端18上の1箇所に入れることにより形成される。この実施形態では、上方劈開面20Uを形成するために第1のレーザ劈開切れ目が光ファイバ12の長手方向軸線A1に対して第1の角度αをなすのが良い。次に、第2のレーザ劈開切れ目を第2の角度βをなして入れて下方劈開面20Lを形成する。理解されるべきこととして、切れ目の順序は、重要ではなく、第1のレーザ劈開切れ目を長手方向軸線A1に対して角度βをなして入れて下方劈開面20Lを形成しても良い。
図2Aの実施形態では、下方劈開面20Lの角度βは、長手方向軸線A1に対して比較的急(例えば、45°以上)である。上方劈開面20Uの角度αは、角度βよりも小さい。角度αは、15°〜30°であるのが良い。加うるに、上方及び下方劈開面20U,20Lを形成するための他の方法を用いることができる。劈開プロセスの終わりに、
図2Aに示されている実施形態の光ファイバ12は、上方及び下方劈開面20U,20Lを有し、したがって、箇所20の下の光ファイバ12の端は、長手方向軸線A1に対して角度βをなし、箇所20の上方の光ファイバ12の端は、長手方向軸線A1に対して角度αをなすようになっている。
【0021】
図2Bは、基板上に設けられた光学光源からの光を分割する
図2Aの光ファイバ12の例示の実施形態を示す断面側面図である。一端に複数の劈開面を備えた傾斜フェースを有する光ファイバ12は、
図2Bに示されているように、光学光源からの光ビームから光を検出器に分配して光学光源からの光をモニタリング目的のために取り出すことができるように使用できる。内部コア14を備えた光ファイバ12は、基板10上に設けられた光学光源16の上に位置決めされている。光ファイバ12の端18に設けられた上方及び下方劈開面20U,20Lは、光学光源16から発射された光のビーム100Lに対して互いに異なる角度をなして向けられている。光100Lは、一実施形態では末広がりの光ビームであるのが良い。上方及び下方劈開面20U,20Lは、光ビーム100Lからの光を光ファイバ12の内部コア14と検出器22、例えば光検出器に分配するのに役立つ。
図2Bに示された実施形態では、検出器22は、光ファイバ12の上方に配置されている。下方劈開面20Lは、光ファイバ12の下方に配置された光学光源16からの光100Lが光100Rとして光ファイバ12の内部コア14中に全反射されるよう比較的急な角度(例えば、
図2Aにおいて角度βにより示されているように45°以上)をなして設けられ又は形成されている。上側劈開面20Uは、光100Lの一部分が上方劈開面20Uを通って再屈折して光ファイバ12の上方に配置された検出器22に当たるよう角度βよりも小さな角度(例えば、
図2Aにおいて角度αにより示されているように15°〜30°)をなして設けられ又は形成されている。下方劈開面20Lは、下方劈開面20Lに当たった光学光源16からの光100Lが全反射されて光ファイバ12の長手方向軸線にほぼ平行な角度で光100Rとして内部コア14中に差し向けられるよう傾斜している。上方劈開面20Uは、上方劈開面20Uに当たった光100Lが光100Tとして再屈折して光ファイバから出るよう下方劈開面20Lに対して僅かに異なる角度で傾斜している。この光100Tは、光ファイバ12の上方に位置決めされた検出器22に向かって伝搬する。このように、光学光源16からの光100Lの一部分は、光100Tとして取り出されて検出器22に向かい、その結果、この光の一部分を用いて光学光源16からの光をモニタすることができるようになっている。
【0022】
一実施形態では、上方劈開面20Uは、できるだけ広幅に設けられ又は形成されている。これにより、検出器22に向かう光100Tとしてできるだけ少ない量の光100Lを取り出し、依然として、光学光源16からの光を正確にモニタすることができるようになっている。下方劈開面20Lの角度は、光100Lの大部分が光ファイバ12の内部コア14内に閉じ込められるよう選択されるのが良い。上方及び下方劈開面20U,20Lの特定の角度は、ブルースター角を用いて決定されるのが良く、このブルースター角は、特定の偏光状態を持つ光を反射なしで表面を通って完全に透過させる入射角である。表面に垂直な角度で当たる光についてはブルースター角は存在しない。
【0023】
簡単な三角法により、この条件をθ
1+θ
2=90として表すことができ、ここで、θ
1は、入射角であり、θ
2は、屈折角である。
【0024】
スネルの法則によれば、入射角の正弦と屈折角の正弦の比は、一定であり、媒質で決まる。特に、スネルの法則によれば、入射角の正弦と屈折角の正弦の比は、2種類の媒質の速度の比に等しく又は屈折角の逆比に等しい。スネルの法則を用いると、屈折される光が存在しない入射角θ
1=θ
Bを計算すると、θ
B=逆正接(n
1/n
2)となり、この式において、n
1及びn
2は、2種類の媒質の屈折率である。
【0025】
加うるに、一実施形態では、レーザ劈開面20U,20Lのコーナ部(即ち、箇所20のところ)は、劈開プロセス中、できるだけ鋭利に作られる。
【0026】
図2Bの実施形態では、個々の光ファイバ12が示されている。しかしながら、レーザ角度劈開ファイバ端を個々のファイバ又はファイバのアレイに設けることができ又は形成することができる。他の実施形態では、単一又は複数の面を個々の光ファイバに加えてアレイ状に配列された光ファイバの端に設けることができ又は形成することができる。
【0027】
他の実施形態では、一端に多数の劈開面を備えた光ファイバ12、例えば
図2A及び
図2Bの光ファイバ12も又、組み立て中、光学光源16に対する光ファイバ12の位置合わせを単純化するために使用できる。検出器での光学光源16からの光のパワーの測定により、光ファイバ12の端がどの時点で光学光源16に対して正しく位置決めされたかの局所的指標を提供することができる。
【0028】
他の実施形態では、検出器22は、光ファイバ12の端に設けられた劈開面の特定の形態並びに光学光源16のサイズ及び出力に応じて他の場所に位置決め可能である。一般に、光学光源16が小さければ小さいほど、検出器22をそれだけ一層反射光100Tに近づける必要がある。
【0029】
図3Aは、2つの角度劈開面を備えた光ファイバの別の例示の実施形態の断面側面図である。一端に複数の劈開面を備えた傾斜フェースを有する光ファイバ12を用いると、光学光源からの光ビームから光を検出器に分配して光学光源からの光をモニタリング目的のために取り出すことができるようになる。内部コア14を有する光ファイバ12が基板10上に設けられた光学光源16の上で位置合わせされている。光ファイバ12は、光ファイバ12が上方劈開面320U及び下方劈開面320Lを有するよう一端18が劈開されている。上方及び下方劈開面320U,320Lは、上述したようにCO
2レーザを用いて1対のレーザ劈開切れ目を光ファイバ12の端18上の1箇所に入れることにより設けられ又は形成されるのが良い。この実施形態では、上方劈開面320Uを形成するために第1のレーザ劈開切れ目が光ファイバ12の長手方向軸線A2に対して第1の角度γをなすのが良い。次に、第2のレーザ劈開切れ目を第1の切れ目とは逆の方向に軸線A3に対して第2の角度ψをなして入れて下方劈開面320Lを形成するのが良い。軸線A2と軸線A3は、互いに平行であり且つ光ファイバ12の長手方向軸線に平行である。理解されるべきこととして、切れ目の順序付けは不要である。第1のレーザ劈開面を角度ψをなして形成して下方劈開面320Lを形成しても良い。加うるに、上方及び下方劈開面320U,320Lを形成するための他の方法を用いることができる。劈開プロセスの終わりに、
図3Aに示されている実施形態の光ファイバ12は、上方及び下方劈開面320U,320Lを有し、したがって、箇所320の下の光ファイバ12の端は、一方向において長手方向軸線A3に対して角度ψをなし、箇所320の上方の光ファイバ12の端は、逆方向において長手方向軸線A2に対して角度γをなすようになっている。
【0030】
図3Bは、基板上に設けられた光学光源からの光を分割する
図3Aの光ファイバ12の例示の実施形態を示す断面側面図である。一端に複数の劈開面を備えた傾斜フェースを有する光ファイバ12は、光学光源からの光ビームから光を検出器に分配して光学光源からの光をモニタリング目的のために取り出すことができるように使用できる。内部コア14を備えた光ファイバ12は、基板10上に設けられた光学光源16の上に位置決めされている。
図3Bで理解されるように、上方劈開面320Uは、光学光源16からの光100Lが光100Rとして全反射されて光ファイバ12の内部コア14内に向けられるよう傾斜している(
図3Aに示されているように軸線A2に対して角度γをなして)。下方劈開面320Lは、上方劈開面320Uとは異なる方向に傾斜している(
図3Aに示されているように軸線A3に対して角度ψをなして)。このように、光学光源16からの光100Lは、下方劈開面320Lに当たり、光ファイバ12の端から光100Tとして反射して遠ざかる。
図3Bの実施形態では、検出器22を
図2Bの実施形態に提供されているように光ファイバ12の上方ではなく、光ファイバ12の端のところに位置決めするのが良い。検出器22を反射光100Tの経路に沿う任意の箇所に位置決めすることができる。この場合、反射光100Tを光学タップ信号として用いて光学光源16からの光をモニタすることができる。
【0031】
また、光検出器を光学光源と同一の基板上に取り付けることが望ましい場合がある。この構成は、光学装置の包装及び組み立てを単純化することができる。加うるに、この構成により、ありふれた能動型光学装置ワイヤボンディング法の実施を可能にすることができると共に電子コンポーネント相互間の電気コネクタの設置を単純化することができる。
図4は、検出器が光学光源と同一の基板上に取り付けられたこのようなタップ検出器方式を提供している。
【0032】
図4は、成形キャップの内面の反射により基板上の光学光源からの光を分配する光ファイバの端に設けられた2つの角度劈開面を有する光ファイバの例示の実施形態の断面側面図である。内部コア14を備えた光ファイバ12は、基板10上に設けられた光学光源16の上に位置決めされている。
図4の光ファイバ12の端は、
図13A及び
図13Bの光ファイバ12と同様にレーザ角度劈開されている。
図4では、光ファイバ12は、光ファイバ12が上方及び下方劈開面420U,420Lを有するよう一端が劈開されている。上方及び下方劈開面420U,420Lは、上述したようにCO
2レーザを用いて1対のレーザ劈開切れ目を光ファイバ12の端18上の1箇所に入れることにより設けられ又は形成されるのが良い。劈開プロセスの終わりでは、
図4に示された実施形態の光ファイバ12は、上方及び下方劈開面420U,420Lを有し、箇所420の下に位置する光ファイバ12の端は、軸線A3に対して一方向に傾斜し、箇所420の上に位置した光ファイバ12の端は、軸線A2に対して異なる角度をなして逆方向に傾斜している。軸線A2と軸線A3は、互いに平行であり、且つ
図3A及び
図3Bの場合と同様光ファイバ12の長手方向軸線に平行である。
【0033】
図4で理解されるように、上方劈開面420Uは、
図3Bを参照して上述したのと同様な仕方で、光学光源16からの光100Lが光100Rとして全反射されて光ファイバ12の内部コア14内に向けられるよう傾斜している。下方劈開面420Lは、光学光源16からの光100Lが下方劈開面420Lに当たり、
図3Bを参照して上述したのと同様な仕方で光100Tとして光ファイバ12の端から反射して遠ざかるよう上方劈開面420Uとは異なる方向に且つ異なる角度で傾斜している。
【0034】
しかしながら、
図4の実施形態では、成形キャップ24が光ファイバ12を定位置に保持するよう光ファイバ12(又は光ファイバアレイ)上に位置決めされている。一実施形態では、成形キャップ24は、同日出願の国際出願第PCT/US2010/050088(発明の名称:SUBSTRATES AND GRIPPERS FOR OPTICAL FIBER ALIGNMENT WITH OPTICAL ELEMENT(S) AND RELATED METHODS)(国際公開2011/041206号パンフレットとして公開されている)に開示されている形式のグリッパ構造体であるのが良く、この出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。成形キャップ24は、プラスチック又はポリマー材料で構成されるのが良い。成形キャップ24は又、反射内面25を備えるのが良い。光100Tは、下方劈開面で反射され、成形キャップ24に向けられる。成形キャップ24の反射内面25は、反射光100Tを検出器422中に案内する。成形キャップ24の反射内面25は、光110Tを検出器422に案内するよう金属化されるのが良く、又は他の何らかの反射又は散乱材料で被覆されるのが良い。検出器422は、光学光源16と同一の基板10上に位置決めされても良く、成形キャップ24からの反射光100Tの経路内で基板10上の任意の箇所に位置決めされても良く、光学光源16の近くに位置決めされても良い。この場合、光100Tを光学タップ信号として用いて光学光源16からの光をモニタすることができる。
【0035】
別の実施形態では、レーザ劈開面は、レーザ劈開面がフレネル反射及び屈折により光学光源からの光を反射すると共に屈折させるよう更に傾斜しているのが良い。
図5Aは、光ファイバの端に設けられた2つの角度劈開面を有する光ファイバの例示の実施形態の断面側面図であり、別の検出器の形態を示す図である。
図5Aに示されているように一端に複数個の劈開面を備えた傾斜フェースを有する光ファイバ12も又、光学光源から検出器への光ビームから光を分配して光学光源からの光をモニタリング目的のために取り出すことができるよう使用可能である。内部コア14を備えた光ファイバ12が基板10上に設けられた光学光源16の上に位置決めされている。光ファイバ12の端18は、
図5Aの光ファイバ12のレーザ劈開面が鋭い角度で(即ち、長手方向軸線A1に対してより鋭角をなして)劈開されていることを除き
図3A、
図3B及び
図4の光ファイバ12と同様にレーザ角度劈開されている。
【0036】
図5Aの実施形態では、光ファイバ12は、光ファイバ12が上方及び下方劈開面520U,520Lを有するよう一端18が劈開されている。上方及び下方劈開面520U,520Lは、上述したようにCO
2レーザを用いて1対のレーザ劈開切れ目を光ファイバ12の端18上の1箇所に入れることにより設けられ又は形成されるのが良い。この実施形態では、上方劈開面520Uを形成するために第1のレーザ劈開切れ目が光ファイバ12の長手方向軸線A4に対して第1の角度Θをなすのが良い。次に、第2のレーザ劈開切れ目を第1の切れ目とは逆の方向に軸線A5に対して第2の角度Ωをなして入れて下方劈開面520Lを形成するのが良い。軸線A4と軸線A5は、互いに平行であり且つ光ファイバ12の長手方向軸線に平行である。
【0037】
角度Ωと角度Θは、
図2Aの角度α及び角度β又は
図3Aの角度γ及び角度ψよりも鋭い角度(即ち、より鋭角)であるよう選択されている。理解されるべきこととして、切れ目の順序は重要ではなく、第1のレーザ劈開切れ目が下方劈開面520Lを形成するよう角度Ωをなしていても良い。加うるに、上方及び下方劈開面520U,520Lを形成する他の方法を用いることができる。劈開プロセスの終わりに、
図5Aに示されている実施形態の光ファイバ12は、上方及び下方劈開面520U,520Lを有し、したがって、箇所520の下の光ファイバ12の端は、一方向において長手方向軸線A5に対して角度Ωをなし、箇所520の上方の光ファイバ12の端は、逆方向において長手方向軸線A4に対して角度Θをなすようになっている。
図5Aにおいて光ファイバ12の端18を劈開する鋭い角度(即ち、より鋭角)Ω及びΘの結果として、光ファイバ12の端18は、一層尖った状態になる。加うるに、上方及び下方劈開面520U,520Lは、長くなる(即ち、上方及び下方劈開面520U,520Lの面積がより広くなる)。これにより、レーザ劈開面520U,520Lをこれら両方が
図5Bで理解されるように且つ以下に更に説明するようにフレネル反射及び屈折により光学光源からの光を反射すると共に屈折させるよう設け又は形成することができる。
【0038】
図5Bは、光学光源からの光を光学光源が設けられている基板上の検出器に分配する
図5Aの光ファイバの例示の実施形態を示す断面側面図である。内部コア14を備えた光ファイバ12が基板10上に設けられた光学光源16の上に位置決めされ、この基板は又、検出器522を有している。
図5Bでは、光学光源16からの光100Lの一部分は、光ファイバ12のレーザ劈開端に向かって上方に差し向けられる。光100Lが下方劈開面520Lに当たると、光100Lの第1の部分は、下方劈開面520Lを通って屈折して上方劈開面520Uに向かう。光100Lの第1の部分が上方劈開面520Uに当たると、この第1の部分は、次に、上方劈開面520Uによって全反射されて光100Rとして光ファイバ12の内部コア14中に向けられる。光100Lの残りの又は第2の部分は、下方劈開面520Lで反射されて検出器522の方へ差し向けられる。
図5Bの実施形態では、検出器522は、光学光源16と同一の基板10上に配置され、この検出器は、光学光源16の近くに位置決めされるのが良い。検出器522は、下方劈開面520Lからの反射光100Tの経路内で基板10上の任意の箇所に位置決め可能である。この場合、光100Tを光学タップ信号として用いて光学光源16からの光をモニタすることができる。
【0039】
図2A〜
図5Bにおいて上記において提供された形態では、検出器に案内される光の量は、1つには、光学光源16に対する光ファイバ端18の軸方向位置で決まる。例えば、
図5Bでは、光ファイバ12をほんの僅か右側に動かすと、光学光源16からの光100Lの一部分は、下方劈開面520Lに全く当たらないで上方に伝搬することになる。光ファイバ12が右側にあまりにも遠く位置決めされると、光学光源16からの光100Lは、下方劈開面520Lではなく、光ファイバの湾曲底面に当たり、それにより、光は、検出器522に当たらない経路に沿って反射される。また、この反射光は又、光ファイバ12が位置合わせの際、側方に(図面の紙面に入り又はこれから出る方向に)変位された場合、検出器522に当たらないようになる。したがって、光学光源16に対する光ファイバ12の端の適正な位置決めは、光学光源16を作動させたときに検出器522からの閉ループフィードバックを用いて位置合わせ中に決定されるのが良い。
【0040】
この閉ループフィードバック位置合わせ法を実施するため、光ファイバ12を光ファイバ12のレーザ劈開端が光学光源16に位置合わせされるまで右側から挿入する。このプロセスにおいて、光学光源16は、能動光学コンポーネント、例えばVCSELの形態をしているのが良い。位置合わせ法では、光学光源16を作動させ、光ファイバ12の位置を出力が検出器522のところで最大になるまで調節する。
【0041】
幾つかのレーザ結合用途では、レーザ源と光ファイバとの間に固定光学減衰手段を設けることが望ましい。上述したのと同一の光ファイバ位置合わせ法を用いると、光ファイバ中に結合されるパワー又は出力を制限することができる。例えば、光ファイバ12を
図5Bにおいて左側又は右側に動かすと、全反射されて内部コア14に向かう光ファイバ100Rの量は、変化することが見込まれる。したがって、光学光源16からの光のための特定の光学減衰量が製造時点で容易に設定され、その手段として、光学光源16に対する光ファイバ12の端の最終位置を調節する。
【0042】
別の実施形態、例えば
図6に示されている実施形態では、光学光源の出力は、光ファイバの底面から反射する光を検出することによってモニタできる。検出器は、VCSEL装置と同一の基板に取り付けられている。光は、底面に対するVCSEL光の入射角に応じて、光ファイバの底面で全反射される場合があり又はフレネル反射される場合がある。上述したように、閉ループファイバ位置合わせ(少なくとも、側方における)が組み立ての際、ファイバの底面で散乱された出力又はパワーをモニタすることにより採用可能である。
【0043】
図6は、光が光ファイバの底面で反射される例示の実施形態の断面側面図である。内部コア14を備えた光ファイバ12が基板10上に設けられた光学光源16の上に位置決めされている。一実施形態では、光ファイバ12は、
図6に示されていると共に
図1に関して上述した劈開ファイバ端18を有するのが良い。別の実施形態では、公知の研磨法を用いてファイバ端18を研磨しても良い。別の実施形態では、光ファイバ12は、
図2A〜
図5Bに示されているように多数個の劈開面を有しても良い。1つ又は2つ以上の検出器が基板10上に配置されている。
図6の実施形態では、2つの検出器、即ち、第1の検出器622‐1及び第2の検出器622‐2が基板10上に配置されている。
【0044】
光100Lが光学光源16から発射される。光100Lの一部分は、劈開ファイバ端18で全反射されて光100Rとして光ファイバ12の内部コア14に向けられる。光100Lの他の部分は、光100Tとして光ファイバ12の底面で全反射される場合がある。光100Lの更に別の部分は、光100Fとして光ファイバ12の底面でフレネル反射される場合がある。光100Lが光ファイバ12の底面で全反射されるかフレネル反射されるかは光100Lが光ファイバ12の底面に当たったときの光100Lの入射角で決まると共にスネルの法則で定められる。或る特定の臨界角よりも大きな角度で光ファイバ12の底部に当たった光100Lの部分は、光100Tとして全反射される。光100Lの残部は、光100Fとしてフレネル反射される。光ファイバ12の底面で全反射された光100Tは、検出器622‐1の方に差し向けられるのが良い。光ファイバ12の底面でフレネル反射された光100Fは、検出器622‐2の方に差し向けられるのが良い。
【0045】
図6の実施形態では、検出器622‐1,622‐2は、光学光源16と同一の基板10上に配置されるのが良い。検出器622‐1,622‐2は、光ファイバ12の底面で全反射された反射光100Tの経路中で又は光ファイバ12の底面でフレネル反射された反射光100Fの経路中で基板10上の任意の箇所に位置決め可能である。検出器622‐1,622‐2は、光学光源16の近くに位置決めされるのが良い。この場合、光100T及び/又は光100Fを光学タップ信号として用いて光学光源16からの光をモニタすることができる。
【0046】
上述したように、
図6の実施形態は又、光ファイバ12の底面で反射された光の散乱パワーをモニタすることにより組み立ての際、少なくとも側方の方向において閉ループ光ファイバ位置合わせを実施するよう使用できる。
【0047】
上述したように、本明細書において開示したレーザ劈開ファイバ端は、個々のファイバ又はファイバのアレイに設けられ又は形成できる。単一又は多数のレーザ劈開面は、個々の光ファイバに加えてアレイ状に配列された光ファイバの端に設けることができ又は形成することができる。光ファイバアレイは、各々が外面、内部コア及び本明細書において開示した形式の1つ又は2つ以上のレーザ劈開面を備えた劈開(例えば、レーザ劈開)ファイバ端を有する光ファイバで構成可能である。加うるに、本明細書において開示した基板10は、チャネル付き基板であるのが良く、レーザ劈開ファイバをチャネル付き基板のチャネル中に挿入することができるようになっている。例示の実施形態では、光ファイバアレイは、光ファイバケーブル、例えばリボン型ファイバケーブルから成っていても良い。レーザ劈開ファイバ端の尖った又は傾斜した形状により、基板のチャネル中への光ファイバの挿入が容易になる。
【0048】
或る特定の光学光源、例えばVCSEL利用型送信器の形態をした光源の場合、コンポーネントを高い光出力パワーレベルで作動させることが望ましい場合が多い。目の保護に関する要件により、光リンクで運ばれる最大光パワーに制限が置かれているので、光ファイバ中に発射される光出力を減衰させることが必要な場合がある。光パワーの制御は、一実施例では、光学光源16と光ファイバ12との間に公知の光減衰手段を提供することにより又は光ファイバ12が光学光源16により出力された光の何分の一かだけを捕捉するよう光ファイバ12を位置決めすることにより(即ち、選択的に位置合わせすることにより)達成される。
【0049】
以上要約すると、光学光源からの光の一部分が2つ又は3つ以上の角度劈開ファイバ端面のうちの1つにより検出器中に屈折し又は反射される形態の光学組立体が開示されている。多数の劈開面を備えた光ファイバを用いることにより、光ファイバの端を被覆する必要なく、光学光源からの光をモニタするタップモニタの実現が達成される。加うるに、光学光源に対する光ファイバの能動的位置合わせのための種々の技術が記載されている。本明細書において記載した一技術では、光ファイバの一端内に結合されるパワーの量を測定し、受け取ったパワーが最大になるまで光学光源に対する光ファイバの位置を調節する。
【0050】
多数の劈開面を備えた光ファイバを用いて光学光源からの光をモニタするために光を取り出すやり方は、他の利点を有する。タップ比(即ち、タップのところで分配して取り出される光のパワーと光学光源から光ファイバ中に発射される光の全量の比)は、適当なファイバ端面角度を選択することにより組み立て時点で設定可能である。モニタリング目的のために光を取り出す際、タップ比は、一般に、できるだけ小さいことが望ましい。本明細書において開示した角度劈開光ファイバを用いると、タップ比を一実施形態では、1%〜5%に設定できる。加うるに、タップ比は、光学光源に対する光ファイバの端の位置を調節することにより組み立て時点で微調整可能である。
【0051】
また、光学組立体内に光ファイバの位置決め中の取り出しパワーの能動的モニタを利用すると、組み立て中において位置に関するフィードバックを提供することができる。さらに、光ファイバの端の劈開面の角度及び位置を調節し又は光学光源に対する光ファイバの端の位置を調節することによっても、光学光源の出力を可変的に減衰させることができる。
【0052】
光学光源からの光をモニタするために劈開光ファイバを用いた場合のもう1つの利点は、低コストである。というのは、タップモニタのために光を分配して取り出すために必要な装置は光ファイバの劈開端中に組み込まれることに起因した追加の部品が不要だからである。
【0053】
さらに、本明細書で用いられている「光ファイバケーブル」及び/又は「光ファイバ」は、あらゆる形式のシングルモード及びマルチモード光導波路を含み、このような光導波路としては、1本又は2本以上の裸光ファイバ、ルーブチューブ型光ファイバ、タイトバッファー型光ファイバ、リボン型光ファイバ、曲げ不敏感性光ファイバ又は光信号を伝送する任意他の媒体手段が挙げられる。曲げ不敏感性光ファイバの一例は、コーニング・インコーポレイテッド(Corning Incorporated)により製造されたClearCurve(登録商標)光ファイバである。
【0054】
本明細書において説明した多くの改造例及び他の実施形態は、上述の実施形態の関連する技術分野において上述の説明及び関連の図面に提供された教示の恩恵を受ける当業者に想到されよう。したがって、上記説明及び特許請求の範囲の記載は、開示した特定の実施形態には限定されず、改造例及び他の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものであることが理解されるべきである。上述の実施形態は、これら実施形態の改造例及び変形例が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属することを条件として、これら改造例及び変形例を含むものである。本明細書において特定の用語が用いられているが、これら用語は、一般的な意味で且つ説明の目的上用いられているに過ぎず、本発明を限定する目的では用いられていない。