【実施例】
【0098】
1.
分散剤の調製
1.1
分散剤(1)の調製
1.1.1
プレポリマー溶液(1)の調製
N−メチルピロリドン(200部)、2,2−ジメチロールプロピオン酸(57.37部)およびイソホロンジイソシアネート(142.63部)を、25℃の温度において反応容器に入れた。
【0099】
反応器内容物を攪拌しながら50℃に加熱し、オクタン酸スズを2滴加えた。その後、反応器内容物を95℃に加熱し、その温度で2.5時間維持した。反応器内容物をサンプリングし、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は4.2%w/wであることが見いだされた。さらにN−メチルピロリドン(262.9部)を反応器に加えた後、25℃に冷却した。
【0100】
これをプレポリマー溶液(1)とした。
1.1.2
連鎖延長および分散剤溶液(1)の調製
N−メチルピロリドン(640部)およびヒドラジン(11.05部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を25℃で攪拌した。段階1.1.1で形成したプレポリマー溶液(1)(640部)を、70℃において10分間かけて加えた。第2の反応器の内容物(1)の温度は、プレポリマー溶液(1)の添加中そのまま上昇させた。添加終了後、攪拌をさらに1時間継続し、反応器内容物をそのまま25℃に冷却した。
【0101】
これを分散剤溶液(1)とした。
1.1.3
透析による分散剤溶液(1)からのN−メチルピロリドンの除去
段階1.1.2で調製した分散剤溶液(1)の一部をとり、透析してN−メチルピロリドンを除去し、透析した材料を70℃のオーブンで乾燥した。
【0102】
これを分散剤(1)とした。
分散剤(1)は、22518の数平均分子量および42178の重量平均分子量を有していた。
【0103】
該分散剤の計算酸価は2.0mmol/gであった。
1.2
分散剤(2)の調製
1.2.1
プレポリマー溶液(2)の調製
N−メチルピロリドン(107.69部)、2,2−ジメチロールプロピオン酸(40.2部)、エチレングリコール(9.39部)およびイソホロンジイソシアネート(150.41部)を、25℃の温度において反応容器に入れた。
【0104】
反応器内容物を攪拌しながら50℃に加熱し、オクタン酸スズを2滴加えた。その後、反応器内容物を95℃に加熱し、その温度で1.5時間維持した。反応器内容物をサンプリングし、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は6.0%w/wであることが見いだされた。さらにN−メチルピロリドン(354.9部)を反応器に加えた後、25℃に冷却した。
【0105】
これをプレポリマー溶液(2)とした。
1.2.2
連鎖延長および分散剤溶液(2)の調製
N−メチルピロリドン(320部)およびヒドラジン(6.07部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を25℃で攪拌した。段階1.2.1で形成したプレポリマー溶液(2)(320部)を、70℃において10分間かけて加えた。第2の反応器の温度は、プレポリマー溶液(2)の添加中そのまま上昇させた。添加終了後、攪拌を1時間継続し、反応器をそのまま25℃に冷却した。
【0106】
これを分散剤溶液(2)とした。
1.2.3
透析による分散剤溶液(2)からのN−メチルピロリドンの除去
段階1.2.2で調製した分散剤溶液(2)の一部をとり、透析してN−メチルピロリドンを除去し、透析した材料を70℃のオーブンで乾燥した。
【0107】
これを分散剤(2)とした。
分散剤(2)は、22104の数平均分子量および40366の重量平均分子量を有していた。
【0108】
該分散剤の計算酸価は1.41mmol/gであった。
1.3
分散剤(3)の調製
1.3.1
プレポリマー溶液(3)の調製
N−メチルピロリドン(107.69部)、2,2−ジメチロールプロピオン酸(33.50部)、エチレングリコール(13.06部)およびイソホロンジイソシアネート(153.44部)を、25℃の温度において反応容器に入れた。
【0109】
反応器内容物を攪拌しながら50℃に加熱し、オクタン酸スズを2滴加えた。その後、反応器内容物を95℃に加熱し、その温度で1.5時間維持した。反応器内容物をサンプリングし、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は6.1%w/wであることが見いだされた。さらにN−メチルピロリドン(353.96部)を反応器に加えた後、25℃に冷却した。
【0110】
これをプレポリマー溶液(3)とした。
1.3.2
連鎖延長および分散剤溶液(3)の調製
N−メチルピロリドン(320部)およびヒドラジン(6.182部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を25℃で攪拌し、上記段階1.3.1で形成したプレポリマー溶液(3)(320部)を、70℃において10分間かけて加えた。第2の反応器の温度は、プレポリマー溶液(3)の添加中そのまま上昇させた。添加終了後、攪拌を1時間継続し、反応物をそのまま25℃に冷却した。
【0111】
これを分散剤溶液(3)とした。
1.3.3
透析による分散剤溶液(3)からのN−メチルピロリドンの除去
段階1.3.2で調製した分散剤溶液(3)の一部をとり、透析してN−メチルピロリドンを除去し、透析した材料を70℃のオーブンで乾燥した。
【0112】
これを分散剤(3)とした。
分散剤(3)は、22674の数平均分子量および41524の重量平均分子量を有していた。
【0113】
該分散剤の計算酸価は1.17mmol/gであった。
1.4
分散剤(4)および分散剤水溶液(4)の調製
1.4.1
分散剤(4)の調製
ジメチロールプロピオン酸(53.54部)、エチレングリコール(13.5部)、スルホラン(300部)およびオクタン酸スズ(0.02部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を100℃に加熱し、イソホロンジイソシアネート(132.96部)を約1.5時間かけて反応器に加えた。反応器を約100℃でさらに15時間維持して、スルホラン中の分散剤(4)の溶液を生産した。
1.4.2
分散剤水溶液(4)の調製
1.4.1で調製した分散剤(4)の溶液を80℃で攪拌し、これに、脱イオン水(292.46部)および水酸化カリウム水溶液45%w/w(37.71部)を含む供給物を加えた。得られた溶液のpHを、水酸化カリウム水溶液10%w/wを用いて9の値に調整した。
【0114】
これを分散剤水溶液(4)とした。該水溶液は、約23.8重量%の分散剤(4)を含有していた。
分散剤(4)は、20206の数平均分子量および49058の重量平均分子量を有していた。
【0115】
分散剤(4)の計算酸価は2.0mmol/gであった。
1.5
分散剤(5)および分散剤水溶液(5)の調製
1.5.1
プレポリマー溶液(5)の調製
ジメチロールプロピオン酸(32.99部)、スルホラン(172.5部)およびイソホロンジイソシアネート(82.01部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.0107部)を反応器に加えた。
【0116】
反応器を約95℃に加熱してその温度で1.5時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.4%w/wであることが見いだされた。
【0117】
これをプレポリマー溶液(5)とした。
1.5.2
連鎖延長および分散剤水溶液(5)の調製
脱イオン水(217.66部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(100.61部)およびヒドラジン(2.653部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(5)(262部)を30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(5)の温度は約70℃で維持した。プレポリマー溶液(5)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を2時間継続し、その間に反応物をそのまま25℃に冷却した。
【0118】
これを分散剤水溶液(5)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(5)を含有していた。
分散剤(5)は、17055の数平均分子量および46853の重量平均分子量を有していた。
【0119】
分散剤(5)の計算酸価は2.10mmol/gであった。
1.6
分散剤(6)および分散剤水溶液(6)の調製
1.6.1
プレポリマー溶液(6)の調製
ジメチロールプロピオン酸(30.94部)、エチレングリコール(19.17部)、スルホラン(345部)およびイソホロンジイソシアネート(179.89部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.0233部)を反応器に加えた。
【0120】
反応器を約95℃に加熱してその温度で2時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.8%w/wであることが見いだされた。
【0121】
これをプレポリマー溶液(6)とした。
1.6.2
連鎖延長および分散剤水溶液(6)の調製
脱イオン水(251.2部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(5.97部)およびヒドラジン一水和物(7.203部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(6)(265.2部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(53.71部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(6)の温度は約70℃で維持した。プレポリマー溶液(6)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。
【0122】
これを分散剤水溶液(6)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(6)を含有していた。
分散剤(6)は、17348の数平均分子量および66224の重量平均分子量を有していた。
【0123】
分散剤(6)の計算酸価は0.96mmol/gであった。
1.7
分散剤(7)および分散剤水溶液(7)の調製
1.7.1
プレポリマー溶液(7)の調製
ジメチロールプロピオン酸(26.9部)、エチレングリコール(16.67部)、スルホラン(300部)およびイソホロンジイソシアネート(156.43部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.0233部)を反応器に加えた。
【0124】
反応器を約95℃に加熱してその温度で1.5時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.9%w/wであることが見いだされた。
【0125】
これをプレポリマー溶液(7)とした。
1.7.2
連鎖延長および分散剤水溶液(7)の調製
脱イオン水(210.7部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(4.98部)およびヒドラジン一水和物(6.43部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(7)(221.5部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(44.86部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(7)の温度は約70℃で維持した。プレポリマー溶液(7)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。
【0126】
これを分散剤水溶液(7)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(7)を含有していた。
分散剤(7)は、14780の数平均分子量および35864の重量平均分子量を有していた。
【0127】
分散剤(7)の計算酸価は0.96mmol/gであった。
1.8
分散剤(8)および分散剤水溶液(8)の調製
1.8.1
プレポリマー溶液(8)の調製
ジメチロールプロピオン酸(30.94部)、エチレングリコール(19.17部)、スルホラン(345部)およびイソホロンジイソシアネート(179.89部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.0234部)を反応器に加えた。
【0128】
反応器を約95℃に加熱してその温度で2時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.8%w/wであることが見いだされた。
【0129】
これをプレポリマー溶液(8)とした。
1.8.2
連鎖延長および分散剤水溶液(8)の調製
脱イオン水(177.6部)、スルホラン(85.71部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(4.92部)およびエチレンジアミン(7.7部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(8)(257.1部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(44.27部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(8)の温度は約70℃で維持した。プレポリマー溶液(8)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。
【0130】
これを分散剤水溶液(8)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(8)を含有していた。
分散剤(8)は、11893の数平均分子量および43508の重量平均分子量を有していた。
【0131】
分散剤(8)の計算酸価は0.93mmol/gであった。
1.9
分散剤(9)および分散剤水溶液(9)の調製
1.9.1
プレポリマー溶液(9)の調製
ジメチロールプロピオン酸(50.44部)、エチレングリコール(31.26部)、スルホラン(563部)およびイソホロンジイソシアネート(293.3部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.0493部)を反応器に加えた。
【0132】
反応器を約95℃に加熱してその温度で2時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.9%w/wであることが見いだされた。
【0133】
これをプレポリマー溶液(9)とした。
1.9.2
連鎖延長および分散剤水溶液(9)の調製
脱イオン水(226部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(5部)、ブチルアミン(2.152部)およびエチレンジアミン(5部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(9)(222部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(45部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(9)の温度は約70℃で維持した。プレポリマー溶液(8)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。これを分散剤水溶液(9)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(9)を含有していた。
【0134】
分散剤(9)は、19134の数平均分子量および52740の重量平均分子量を有していた。
分散剤(9)の計算酸価は0.93mmol/gであった。
1.10
分散剤(10)および分散剤水溶液(10)の調製
1.10.1
プレポリマー溶液(10)の調製
ジメチロールプロピオン酸(40.35部)、エチレングリコール(25部)、スルホラン(450部)およびイソホロンジイソシアネート(234.6部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.0427部)を反応器に加えた。
【0135】
反応器を約95℃に加熱してその温度で2時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.7%w/wであることが見いだされた。
【0136】
これをプレポリマー溶液(10)とした。
1.10.2
連鎖延長および分散剤水溶液10の調製
脱イオン水(234部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(5.24部)、エタノールアミン(1.88部)およびエチレンジアミン(5.243部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(10)(233部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(47.12部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(10)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。
【0137】
これを分散剤水溶液(10)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(10)を含有していた。
分散剤(10)は、20774の数平均分子量および53172の重量平均分子量を有していた。
【0138】
分散剤(10)の計算酸価は0.93mmol/gであった。
1.11
分散剤(11)および分散剤水溶液(11)の調製
1.11.1
プレポリマー溶液(11)の調製
ジメチロールプロピオン酸(62.81部)、エチレングリコール(24.5部)、スルホラン(563部)およびイソホロンジイソシアネート(287.7部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(0.04部)を反応器に加えた。
【0139】
反応器を約95℃に加熱してその温度で2時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.8%w/wであることが見いだされた。
【0140】
これをプレポリマー溶液(11)とした。
1.11.2
連鎖延長および分散剤水溶液(11)の調製
脱イオン水(228部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(6.47部)、ブチルアミン(2.233部)およびエチレンジアミン(5.19部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(11)(230.8部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(58.22部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(11)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。
【0141】
これを分散剤水溶液(11)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(11)を含有していた。
分散剤(11)は、19328の数平均分子量および64203の重量平均分子量を有していた。
【0142】
分散剤(11)の計算酸価は1.16mmol/gであった。
1.12
分散剤(12)および分散剤水溶液(12)の調製
1.12.1
プレポリマー溶液(12)の調製
ジメチロールプロピオン酸(70.46部)、スルホラン(524部)、エチレングリコール(16.5部)およびイソホロンジイソシアネート(236.2部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(2滴)を反応器に加えた。
【0143】
反応器を約95℃に加熱してその温度で3時間維持し、この時点で加熱装置を取り外し、反応器内容物をサンプリングして、滴定によりイソシアネート含有率を決定した。イソシアネート含有率は3.3%w/wであることが見いだされた。
【0144】
これをプレポリマー溶液(12)とした。
1.12.2
連鎖延長および分散剤水溶液(12)の調製
脱イオン水(254部)、水酸化カリウム水溶液10%w/w(9部)およびエチレンジアミン(5.04部)を第2の反応器に加えた。第2の反応器の内容物を40℃で攪拌し、プレポリマー溶液(12)(267部)と、水酸化カリウム水溶液10%w/w(80.8部)の別個の供給物とを、30分間かけて加えた。プレポリマー溶液(12)を添加し始めてから終わるまで、第2の反応器の温度は約40℃で維持した。添加終了後、攪拌を1時間継続し、その間に反応物をそのまま冷却した。
【0145】
これを分散剤水溶液(12)とした。該水溶液は、約20重量%の分散剤(12)を含有していた。
分散剤(12)は、18037の数平均分子量および52585の重量平均分子量を有していた。
【0146】
分散剤(12)の計算酸価は1.55mmol/gであった。
1.13
比較分散剤溶液(1)の調製
モノマー供給組成物を、メタクリル酸ベンジル(785部)、メタクリル酸(215部)、3−メルカプトプロピオン酸ブチル(5.97部)およびジプロピレングリコール(375部)を混合することにより調製した。
【0147】
開始剤供給組成物を、ペルオキシ−2−エチキルヘキサン酸tert−ブチル(17.60部)およびジプロピレングリコール(187.5部)を混合することにより調製した。
【0148】
ジプロピレングリコール(187.5部)を反応容器内で80℃に加熱し、継続的に攪拌し、窒素ガス雰囲気でパージした。モノマー供給組成物および開始剤供給組成物を反応容器に徐々に供給する一方、内容物を攪拌し、温度を80℃で維持し、窒素雰囲気を維持した。モノマー供給物および開始剤供給物の両方を、4時間かけて反応器に供給した。反応容器の内容物をさらに6時間にわたり80℃で維持した後、25℃に冷却した。最終的な固体含有率は40%であった。これを比較分散剤溶液(1)とした。
【0149】
比較分散剤(1)は、51154の数平均分子量、86797の重量平均分子量、およびGPCにより測定して1.7の多分散性を有するアクリルコポリマーであった。比較分散剤(1)は、2.5ミリモルの酸基/分散剤1gに相当する酸価を有していた。比較分散剤(1)は、メタクリル酸ベンジルおよびメタクリル酸からの反復単位を、それぞれ重量に基づき78.5:21.5の割合で含有していた。
1.14
比較分散剤(2)の調製
1.14.1
比較プレポリマー溶液(2)の調製
ジメチロールプロピオン酸(51.6部)、ポリカプロラクトン1250ジオール(208.4部)、メチルエチルケトン(360部)およびイソホロンジイソシアネート(140部)を、25℃において反応器に入れた。反応器を攪拌し、オクタン酸スズ(2滴)を反応器に加えた。
【0150】
反応器を81〜83℃に加熱し、その温度で7.5時間維持した。反応器内容物をサンプリングし、イソシアネート含有率を滴定により決定した。イソシアネート含有率は0.82%w/wであることが見いだされた。
【0151】
これを比較プレポリマー溶液(2)とした。この比較例は、特開平09−104834号、[0120]、合成例7に基づいている。
1.14.2
連鎖延長および比較分散剤水溶液(2)の調製
比較プレポリマー溶液(2)をメチルエチルケトン(450部)で希釈した。メチルエチルケトン(53.14部)およびエチレンジアミン(2.648部)からなる溶液を調製した。反応器内容物を室温で攪拌し、エチレンジアミン溶液を迅速に加えた。添加終了後、攪拌を1時間継続した。この溶液の一部(480部)をとり、回転蒸発により溶媒を除去した。脱イオン水(141.78部)、水酸化カリウム水溶液45%w/w(10.19部)およびスルホラン(247.6g)をフラスコに加え、これを、均質溶液が得られるまで80℃で加熱した。
【0152】
これを比較分散剤水溶液(2)とした。該水溶液は、約20重量%の比較分散剤(2)を含有していた。
比較分散剤(2)は、28046の数平均分子量および67146の重量平均分子量を有していた。
【0153】
比較分散剤(2)の計算酸価は0.96mmol/gであった。
2.
分散剤水溶液の調製
2.1
分散剤水溶液(1)
1.1.3で調製した分散剤(1)(100部)、水酸化カリウム溶液(45%w/w)(20.6部)および脱イオン水(607.8部)を、70℃の反応器で1時間加熱した。水酸化カリウム溶液(45%w/w)を、約9のpHに達するまで滴下して加えた。
【0154】
これを、分散剤水溶液(1)とした。該水溶液は、約15重量%の分散剤(1)を含有していた。
2.2
分散剤水溶液(2)
1.2.3で調製した分散剤(2)(100部)、水酸化カリウム溶液(45%w/w)(14.4部)および脱イオン水(595.4部)を、70℃の反応器で1時間加熱した。水酸化カリウム溶液(45%w/w)を、約9のpHに達するまで滴下して加えた。
【0155】
これを、分散剤水溶液(2)とした。該水溶液は、約15重量%の分散剤(2)を含有していた。
2.3
分散剤水溶液(3)
1.3.3で調製した分散剤(3)(100部)、水酸化カリウム溶液(45%w/w)(12部)および脱イオン水(590.6部)を、70℃の反応器で1時間加熱した。水酸化カリウム溶液(45%w/w)を、約9のpHに達するまで滴下して加えた。
【0156】
これを、分散剤水溶液(3)とした。該水溶液は、約15重量%の分散剤(3)を含有していた。
2.4
比較分散剤水溶液(1)
1.13で調製した比較分散剤溶液(1)(100部)を水酸化カリウム水溶液で中和して、約9のpHを有する水溶液を得た。これにより、約29重量%の比較分散剤(1)を含有する比較分散剤水溶液(1)が得られた。
3.
微粉砕によるミルベースの調製
3.1
黒色ミルベース(1)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、2.1で調製した分散剤水溶液(1)(100部)および水(325部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0157】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて1時間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.2mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を7時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0158】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(1)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、93nmのZ−平均粒径を有していた。Z−平均粒径は、Malvernから得たZetasizer
RTM 3000を用いて、すべての分散物について確定した。
3.2
黒色ミルベース(2)
黒色ミルベース(2)は、2.2で調製した分散剤水溶液(2)を分散剤水溶液(1)の代わりに用いた点を除き、黒色ミルベース(1)と同様に調製した。得られたミルベース中の顔料粒子は、99nmのZ−平均粒径を有していた。
3.3
黒色ミルベース(3)
黒色ミルベース(3)は、2.3で調製した分散剤水溶液(3)を分散剤水溶液(1)の代わりに用い、ミル粉砕時間を7時間から8時間に延ばした点を除き、黒色ミルベース(1)と同様に調製した。得られたミルベース中の顔料粒子は、106nmのZ−平均粒径を有していた。
3.4
黒色ミルベース(4)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.4.2で調製した分散剤水溶液(4)(47部)および水(378部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0159】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて0.5時間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を8時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0160】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(4)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、106nmのZ−平均粒径を有していた。
3.5
黒色ミルベース(5)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、165部)、1.5.2で調製した分散剤水溶液(5)(165部)および水(770部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0161】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて1時間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を1.1時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0162】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(5)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、142nmのZ−平均粒径を有していた。
3.6
黒色ミルベース(6)
黒色ミルベース(6)は、ミル粉砕時間を1.1時間から1.4時間に延ばした点を除き、黒色ミルベース(5)と同様に調製した。得られたミルベース中の顔料粒子は、134nmのZ−平均粒径を有していた。
3.7
黒色ミルベース(7)
黒色ミルベース(7)は、ミル粉砕時間を1.1時間から5時間に延ばした点を除き、黒色ミルベース(5)と同様に調製した。得られたミルベース中の顔料粒子は、110nmのZ−平均粒径を有していた。
3.8
黒色ミルベース(8)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.5.2で調製した分散剤水溶液(5)(37.5部)および水(387.5部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0163】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて5分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を7時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0164】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(8)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、98nmのZ−平均粒径を有していた。
3.9
黒色ミルベース(9)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.6.2で調製した分散剤水溶液(6)(75部)、水(308部)およびスルホラン(42部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0165】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて45分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を5.5時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0166】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(9)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、147nmのZ−平均粒径を有していた。
3.10
黒色ミルベース(10)
黒色ミルベース(10)は、ミル粉砕時間を5.5時間から11時間に延ばした点を除き、黒色ミルベース(9)と同様に調製した。得られたミルベース中の顔料粒子は、126nmのZ−平均粒径を有していた。
3.11
黒色ミルベース(11)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.6.2で調製した分散剤水溶液(6)(75部)、水(240部)およびスルホラン(110部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0167】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて45分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を10時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0168】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(11)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、133nmのZ−平均粒径を有していた。
3.12
黒色ミルベース(12)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 70カーボンブラック顔料、75部)、1.7.2で調製した分散剤水溶液(7)(75部)および水(350部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0169】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて10分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を6時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0170】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(12)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、140nmのZ−平均粒径を有していた。
3.13
黒色ミルベース(13)
黒色ミルベース(13)は、顔料としてNIPex
RTM 70の代わりにNIPex
RTM 160IQ(Evonik degussaから、75部)を用いた点を除き、黒色ミルベース(12)と同様に調製した。得られたミルベース中の顔料粒子は、108nmのZ−平均粒径を有していた。
3.14
黒色ミルベース(14)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.7.2で調製した分散剤水溶液(7)(113部)、水(240部)およびスルホラン(60部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0171】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて1時間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を13時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0172】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(14)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、123nmのZ−平均粒径を有していた。
3.15
黒色ミルベース(15)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.7.2で調製した分散剤水溶液(7)(150部)および水(275部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0173】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて30分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を4時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0174】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(15)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、113nmのZ−平均粒径を有していた。
3.16
黒色ミルベース(16)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.8.2で調製した分散剤水溶液(8)(113部)および水(312部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0175】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて10分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を9時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0176】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(16)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、116nmのZ−平均粒径を有していた。
3.17
黒色ミルベース(17)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.9.2で調製した分散剤水溶液(9)(75部)および水(350部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0177】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて45分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を12時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0178】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(17)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、110nmのZ−平均粒径を有していた。
3.18
黒色ミルベース(18)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.9.2で調製した分散剤水溶液(9)(75部)、水(175部)およびジプロピレングリコール(175部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0179】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて1時間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を6.5時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0180】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(18)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、96nmのZ−平均粒径を有していた。
3.19
黒色ミルベース(19)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.9.2で調製した分散剤水溶液(9)(113部)および水(312部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0181】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて15分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を8時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0182】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(19)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、114nmのZ−平均粒径を有していた。
3.20
黒色ミルベース(20)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.10.2で調製した分散剤水溶液(10)(75部)および水(350部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0183】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて45分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を7.5時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0184】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(20)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、104nmのZ−平均粒径を有していた。
3.21
黒色ミルベース(21)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.11.2で調製した分散剤水溶液(11)(113部)および水(312部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0185】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて15分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を7時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0186】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(21)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、104nmのZ−平均粒径を有していた。
3.22
黒色ミルベース(22)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、75部)、1.12.2で調製した分散剤水溶液(12)(75部)および水(350部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0187】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて10分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を8時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0188】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(22)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、88nmのZ−平均粒径を有していた。
3.23
比較黒色ミルベース(1)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、60部)、2.4で調製した比較分散剤水溶液(1)(140部)および水(200部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。該予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて15分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.5mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を6.5時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0189】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを濾過した。これにより比較黒色ミルベース(1)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、104nmのZ−平均粒径を有していた。
3.25
比較黒色ミルベース(2)
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料、30部)、1.14.2で調製した比較分散剤水溶液(2)(45部)および水(175部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
【0190】
予備混合物を、Silverson
RTMミキサーを用いて10分間にわたり一緒に完全に混合した。混合後、混合物を0.38mmのビーズが入っている水平型ビーズミルに移した。その後、混合物を19時間にわたり微粉砕(ミル粉砕)した。
【0191】
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより比較黒色ミルベース(2)が得られた。得られたミルベース中の顔料粒子は、112nmのZ−平均粒径を有していた。
4.
封入顔料分散物を調製するためのポリウレタン分散剤の架橋
4.1
ポリウレタン分散剤の架橋
上記項目3.1〜3.24で調製したすべてのミルベースを、水を加えることにより、重量に基づき約5%または10%の顔料含有率に調整した。
【0192】
その後、各ミルベール中の分散剤を、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(Nagase ChemteXから得たDenacol
RTM EX−521、エポキシあたりの重量=181、以後EX−521と略す)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(Nagase ChemteXから得たDenacol EX−321
RTM、エポキシあたりの重量=140、以後EX−321と略す)またはソルビトールポリグリシジルエーテル(Nagase ChemteXから得たDenacol
RTM EX−614B、エポキシあたりの重量=173、以後EX−614Bと略す)のいずれかの架橋剤を用いて架橋した。これにより分散剤中のカルボン酸基の一部が架橋され、それにより顔料が封入された。架橋反応は、ホウ酸(Aldrichから得た)の存在下で実施した。各場合において、表1に明記した成分の量を含有する混合物を調製した。架橋反応は、上記混合物を約65℃の温度に5時間加熱することにより生じさせた。これにより、表1の第1列に示した参照名を有するさまざまな封入顔料分散物を調製した。
【0193】
【表1】
【0194】
【表2】
【0195】
【表3】
【0196】
5.
限外濾過
上記4.1で調製した封入顔料分散物を、50kDの分子量カットオフを有する膜を用いて限外濾過によりそれぞれ精製した。封入顔料分散物を、封入顔料分散物1体積あたり約6洗浄体積(wash volume)の純粋な脱イオン水を用いて透析濾過した(diafiltered)。その後、限外濾過膜を用いて、封入分散物を約10〜15重量%の固形分に再び濃縮した。
【0197】
6.
比較自己分散性顔料分散物の調製
6.1
比較自己分散性黒色顔料分散物(1)
表面がカルボン酸基で官能基化されている自己分散性顔料を含む比較顔料分散物を、以下のように調製した。
【0198】
水(5mL)中のNaNO
2(2.3g、33.3mmol)の溶液を、水(45mL)と濃HCl(8.5mL)の混合物中の4−アミノ安息香酸(4.5g、33mmol)の冷却した(5℃)攪拌懸濁液に、5分間かけて加えた。該混合物を0〜5℃で1時間攪拌した後、NIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料(50g)の冷却した(<5℃)攪拌懸濁液に一度に加えた。反応混合物を、徐々に室温まで温めながら攪拌した。水性KOHを用いて反応混合物をpH9.6に調整し、懸濁液を均質化した(Ultraturrax
RTM)。
【0199】
該反応混合物を50マイクロScm
−1未満の導電率まで透析し、5℃において1時間にわたり超音波処理(Branson Digital Sonifier)した。該分散物を60℃のオーブンで濃縮して、約10〜15重量%の顔料含有率を得た。得られた分散物を、比較自己分散性黒色顔料分散物(1)とした。
【0200】
得られた分散物中の顔料粒子は、150nmのMv平均粒径を有していた。Mv平均粒径は、Honeywell−Microtracから得たNanotrac 150を用いて、すべての分散物について確定した。
6.2
比較自己分散性黒色顔料分散物(2)
表面酸化により自己分散性にした顔料を含む比較顔料分散物を、以下のように調製した。
【0201】
NIPex
RTM 170IQカーボンブラック顔料(20g)と水(90mL)のスラリーを、水(90mL)中の過硫酸カリウム(33g)の攪拌懸濁液に加えた。該混合物を43℃まで加温し、30分間激しく攪拌した。濃硫酸(11.5g)を反応混合物の表面下に20秒かけて加えた。すぐにガスが発生し、混合物を攪拌しながら55℃で一晩加熱した。反応混合物を放置して25℃に冷却し、濃水酸化カリウムを用いてpHを9.5に調整した。反応混合物を50マイクロScm
−1未満の導電率まで透析し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、約10〜15重量%の顔料含有率を得た。得られた分散剤の粒径を、5℃において1時間にわたり超音波処理(Branson Digital Sonifier)することにより、さらに小さくした。該分散物を、比較自己分散性黒色顔料分散物(2)とした。
【0202】
得られた分散物中の顔料粒子は、107nmのMv平均粒径を有していた。
7.
インクおよび比較インクの調製
5.および6.で調製した上記各顔料分散物を用いて、以下の組成を有するインクまたは比較インクを調製した。
インクビヒクル
顔料分散物 X部
2−ピロリドン 3.00部
グリセロール 15.00部
1,2ヘキサンジオール 4.00部
エチレングリコール 5.00部
Surfynol
TM 465 0.50部
純水 100部にするのに十分な量
Surfynol
RTM 465は、Airproductsから入手可能な界面活性剤である。
X部の封入顔料分散物
活性または固形分ベースで6部の黒色顔料を、すべての場合で用いた(固形分が10重量%である場合、約60部の封入顔料分散物)。
【0203】
上記インク組成を用い、例えば、封入黒色分散物(1)を用いて黒色インク(1)を調製した。参照名の正確な対応の概略を表2に完全に挙げる。
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】
8.
プリントの作製
項目7で上記したインクおよび比較インクのそれぞれを、普通(未加工)紙、すなわちCanon GF500紙上に印刷した。印刷は、Epson SX100 シリーズのインクジェット印刷機により黒色のブロックを100%印刷して実施した。印刷直後に、湿潤摩擦試験を、湿った手袋をはめた指または水に浸した未使用の蛍光ペンのペン先のいずれかを、1つのブロックの中心から紙の印刷していない部分を横切ってこすりつけることにより実施した。
9.
光学濃度および湿潤摩擦の測定
各プリントについて、反射率光学濃度(reflectance optical density)(ROD)を、D65光源を観測視野2°でフィルターを取り付けずに用いて照明したGretag Macbeth key wizard V2.5 Spectrolino光濃度計(photodensitometer)を用いて測定した。測定をプリントに沿って少なくとも2点で行った後、平均化した。
【0207】
湿潤摩擦(WR)測定は、印刷していない紙の上においてWR試験で形成した汚れのRODを、印刷されたブロックに直接隣接する位置で測定することにより、実施した。WR試験での高い値は、紙の印刷されている部分から印刷されていない部分へのインクの望ましくない移動を示している。
10.
光学濃度測定の結果
RODおよびWR測定の結果を、以下の表3にまとめる。
【0208】
【表6】
【0209】
【表7】
【0210】
表3から、本発明の第1の観点に従った方法により調製した封入固体分散物を用いると、普通紙上に印刷したときに特に良好な反射率光学濃度(ROD)および湿潤摩擦堅牢度(WR)を一緒にもたらすインクジェット印刷用インクを調製することができることが、容易にわかる。対照的に、比較インクは、良好なRODまたは良好なWRのいずれかを有するが、両方ではない。
11.
さらなるインク
表IおよびIIに記載したさらなるインクを調製することができる。ここにおいて、黒色ミルベース(1)、(2)および(3)は先に定義したとおりであり、インク添加剤は以下に定義するとおりである。第2段以降に示した数字は、関連する構成成分の部数をさし、部はすべて重量に基づく。インクは、サーマル式、圧電式またはMemjetインクジェット印刷により紙に施用することができる。
【0211】
以下の略語を表IおよびIIに用いる:
PG=プロピレングリコール
DEG=ジエチレングリコール
NMP=N−メチルピロリドン
DMK=ジメチルケトン
IPA=イソプロパノール
MEOH=メタノール
2P=2−ピロリドン
MIBK=メチルイソブチルケトン
P12=プロパン−1,2−ジオール
BDL=ブタン−2,3−ジオール
Surf=AirproductsからのSurfynol
TM 465
PHO=Na
2HPO
4および
TBT=第三ブタノール
TDG=チオジグリコール
GLY=グリセロール
nBDPG=ジプロピレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
nBDEG=ジエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
nBTEG=トリエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
【0212】
【表8】
【0213】
【表9】
本発明は以下の態様を含む。
[1] 液体媒体中の封入固体粒子の分散物を調製するための方法であって、以下を含む方法:
i)固体、液体媒体、および分散剤1gあたり0.55〜3.5ミリモルの酸価を有するポリウレタン分散剤を含む組成物を微粉砕し、
これに関し、前記組成物は、固体100部あたり5〜40部のポリウレタン分散剤を含み、部は重量に基づく;そして
ii)固体および液体媒体の存在下でポリウレタン分散剤を架橋して、固体粒子を封入する;
ここにおいて、ポリウレタン分散剤は、ポリマーアルコールからの反復単位を10重量%未満含有し、各ポリマーアルコールは、500ダルトンを超える数平均分子量を有する。
[2] ポリウレタン分散剤の酸価が1.0〜3.5ミリモルである、[1]に記載の方法。
[3] 段階i)における微粉砕組成物が、固体100部あたり10〜30部のポリウレタン分散剤を含む、[1]〜[2]のいずれか一項に記載の方法。
[4] 段階i)において組成物がポリウレタン分散剤以外のポリマー分散剤をポリウレタン分散剤10部あたり1部未満含み、ここにおいて、部はすべて重量に基づく、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 段階i)において組成物がポリウレタン分散剤以外のポリマー分散剤をポリウレタン分散剤10部あたり0.1部未満含み、ここにおいて、部はすべて重量に基づく、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 段階i)の間に、液体媒体が、水と、全液体媒体に基づき10重量%未満の1以上の水混和性有機液体とを含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7] ポリウレタン分散剤が、
i)エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル−メタンジイソシアネートおよびその水素化誘導体、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素化誘導体、ならびに1,5−ナフチレンジイソシアネートから選択される少なくとも1つのジイソシアネート;
iia)トリメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジアメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、パラキシリレンジオール、グリセロールモノエステル、シクロヘキサンジメタノール、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドで延長された水素化ビスフェノールA、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ならびにポリカーボネートジオールから選択される少なくとも1つのジオール;ならびに
iib)少なくとも1つのジヒドロキシアルカン酸;
iii)所望により連鎖延長剤;ならびに
iv)所望により末端キャッピング剤、
を反応させることにより得られる、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 架橋前に、ポリウレタン分散剤が10000〜50000の数平均分子量を有する、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] 固体が顔料である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10] さらに、粘度調整剤、pH緩衝剤、腐食抑制剤、殺生物剤、染料、他の顔料、コゲーション低減剤、キレート化剤、バインダーおよび水混和性有機液体から選択される1以上のインク添加剤を加える段階を含む、インクを調製するための[9]に記載の方法。
[11] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の方法により得た、または得ることができる、分散物。
[12] [11]に記載の分散物を含む、インクジェット印刷機用インク。
[13] チャンバーおよび[12]に記載のインクを含むインクジェット印刷機用カートリッジであって、該インクが該チャンバー内にある、前記カートリッジ。
[14] [13]に記載のインクジェット印刷機用カートリッジを含むインクジェット印刷機。
[15] [12]に記載のインクジェット印刷機用インクが印刷される基材。