(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876169
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ホームネットワークの品質を決定するための方法およびサーバ
(51)【国際特許分類】
H04L 12/70 20130101AFI20160218BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
H04L12/70 100Z
H04L12/28 200M
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-561394(P2014-561394)
(86)(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公表番号】特表2015-515779(P2015-515779A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】EP2013054848
(87)【国際公開番号】WO2013135616
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2014年10月15日
(31)【優先権主張番号】12305302.7
(32)【優先日】2012年3月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガチャニン,ハリス
【審査官】
宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−312145(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/146048(WO,A2)
【文献】
国際公開第2012/104150(WO,A1)
【文献】
特表2014−504116(JP,A)
【文献】
国際公開第02/015481(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0103941(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/28,12/44−12/955,29/14
H04M3/00−3/00,3/16−3/20,3/38−3/58,7/00−7/16,11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートサーバからホームネットワークのユーザサービス品質(QoS)クラスを決定するための方法であって、インターネットを介してホームネットワークに接続されたリモートサーバで実行される以下の、
−リモート管理用のアプリケーション層プロトコルを使用して、ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータのホームネットワーク測定データを取得するステップであって、前記キャパシティが、ホームネットワークが一時に対処することができるトラフィック量に対する尺度である、取得するステップと、
−ホームネットワークのキャパシティまたはそれに関係するパラメータを推定するために前記ホームネットワーク測定データを処理するステップと、
−推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータに基づいて、ユーザQoSクラスで前記ホームネットワークをクラス分類するステップとを含み、
前記少なくとも1つのホームネットワークパラメータが、好ましくは周波数依存性ベクトルの形で、以下の、チャネル周波数応答(CFR)と、信号対ノイズ比(SNR)と、ビットエラーレート(BER)と、巡回冗長検査(CRC)と、再送信カウンタと、ノイズレベルのうち少なくとも1つを含む、方法。
【請求項2】
前記リモート管理用のアプリケーション層プロトコルが、TR−069プロトコルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホームネットワークが、ホームゲートウェイを介してインターネットに接続され、前記ネットワーク測定値が、前記ホームゲートウェイを介して取得される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ホームネットワーク測定データを前記取得するステップが、ホームネットワーク用に測定した少なくとも第1および第2のCFRベクトルを取得するステップを含み、
前記ホームネットワーク測定データを前記処理するステップが、少なくとも前記第1および第2のCFRベクトルの関数として、少なくとも1つのキャパシティベクトルを計算するステップと、前記少なくとも1つのキャパシティベクトルに基づいて平均キャパシティ値を計算するステップとを含み、
前記クラス分類するステップが、少なくとも前記平均キャパシティ値に基づいて、ユーザQoSクラスで前記ホームネットワークをクラス分類するステップを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ホームネットワーク測定データを前記取得するステップが、ホームネットワークのノイズを表す少なくとも一連の測定データを取得するステップを含み、
前記クラス分類するステップが、さらに、ノイズを表す前記一連の測定データに基づく、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
クラス分類情報が、データベースに格納され、ホームネットワークのクラス分類が、前記クラス分類情報と、推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータに基づいてなされる、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
推定したキャパシティまたはそれに関係する値が、基準値としてデータベースに格納され、
請求項1に記載のステップが、さらなる推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータを取得するために繰り返され、
このさらなる推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータが、基準値と比較される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ホームネットワークのユーザサービス品質(QoS)クラスを決定するように構成されたサーバであって、
−リモート管理用のアプリケーション層プロトコルを使用して、インターネットを介して、ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータのホームネットワーク測定データを取得するように構成されたデータコレクタであって、前記キャパシティが、ホームネットワークが一時に対処することができるトラフィック量に対する尺度である、データコレクタと、
−ホームネットワークのキャパシティまたはそれに関係するパラメータを推定するために前記ホームネットワーク測定データを処理するように構成されたプロセッサと、
−推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータに基づいて、ユーザQoSクラスで前記ホームネットワークをクラス分類するように構成されたクラス分類器とを備え、
前記少なくとも1つのホームネットワークパラメータが、好ましくは周波数依存性ベクトルの形で、以下の、チャネル周波数応答(CFR)と、信号対ノイズ比(SNR)と、ビットエラーレート(BER)と、巡回冗長検査(CRC)と、再送信カウンタと、ノイズレベルのうち少なくとも1つを含む、サーバ。
【請求項9】
前記データコレクタが、TR−069使用可能デバイスである、請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記データコレクタが、ホームネットワーク用に測定された少なくとも第1および第2のCFRベクトルを取得するように構成され、
前記プロセッサが、少なくとも前記第1および第2のCFRベクトルの関数として、少なくとも1つのキャパシティベクトルを計算し、前記少なくとも1つのキャパシティベクトルに基づいて平均キャパシティ値を計算するように構成され、
前記クラス分類器が、少なくとも前記平均キャパシティ値に基づいて、ユーザQoSクラスで前記ホームネットワークをクラス分類するように構成された、請求項8又は9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記データコレクタが、ホームネットワークのノイズを表す少なくとも一連の測定データを取得するように構成され、
前記クラス分類器が、ノイズを表す前記一連の測定データに基づいて、前記ホームネットワークをクラス分類するように構成された、請求項8から10のいずれかに記載のサーバ。
【請求項12】
請求項8から11のいずれかに記載のサーバとホームゲートウェイとを備えるシステムであって、前記サーバが、インターネットを介してホームゲートウェイに接続され、前記ホームゲートウェイが、ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータの前記ネットワーク測定データのためのリクエストを前記サーバから受信し、前記少なくとも1つのホームネットワークパラメータの測定データを取得し、前記ネットワーク測定データをサーバに送信するように構成されたTR−069使用可能デバイスである、システム。
【請求項13】
クラス分類情報を格納するデータベースをさらに備え、前記クラス分類器が、クラス分類情報に基づいて、ユーザQoSクラスで前記ホームネットワークをクラス分類するように構成された、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームネットワークのサービス品質のクラス分類の分野に関する。より詳細には、本発明は、ホームネットワークのユーザサービス品質(QoS)クラスを決定するための方法、サーバおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットアクセスを必要とする、デジタルテレビ、オンラインゲームおよびホームオートメーションなどの、利用可能な新たなサービスおよび技術が増大すると、セットアップボックス、ゲームコンソール、ホームオートメーションシステム、複数のデスクトップまたはラップトップなどのホームデバイスの増加につながる。これらのホームデバイスは、通常、銅ツイストペア、同軸ケーブル、電力線ケーブルなどの異なる媒体を備えうる複合ホームネットワークアーキテクチャを用いて相互接続される。
【0003】
ユーザがネットワークキャパシティの問題を抱えており、サービスオペレータが、この問題はホームネットワークに起因している可能性があると考えるとき、サービスオペレータは、ホームネットワークを検査するために技術者を派遣することができる。次いで、技術者は、ホームネットワークのユーザサービス品質(QoS)が、所望のキャパシティに対して低すぎると決定するかもしれない。こうした技術者の派遣は、時間がかかり、費用がかかる。さらに、ユーザが、特定のサービスを購入する前にユーザのホームネットワークの品質が不十分であることを知ることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、よりプロアクティブなホームネットワークQoSのクラス分類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、リモートサーバからホームネットワークのユーザQoSクラスを決定するための方法が提供される。以下のステップが、インターネットを介してホームネットワークに接続されたリモートサーバで実行される。ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータのホームネットワーク測定データは、リモート管理用のアプリケーション層プロトコルを使用して、インターネットを介して取得される。キャパシティは、ホームネットワークが一時に対処することができるトラフィック量に対する尺度である。取得したホームネットワーク測定データは、ホームネットワークのキャパシティまたはそれに関係するパラメータを推定するために処理される。推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータに基づいて、ホームネットワークは、ユーザQoSクラスにクラス分類される。
【0006】
こうした方法により、ホームネットワークがどのサービスを対処することができるかリモートで決定することが可能となる。さらにこの方法は、トラブルシューティング用に使用され、ホームネットワークQoSの能力についてサービスオペレータに情報を提供することができる。さらにこうした方法は、ユーザの住居を訪れる技術者を伴わず、リモートで実行されうるという利点を有する。
【0007】
好ましい一実施形態によれば、リモート管理用のアプリケーション層プロトコルは、TR−069プロトコルである。TR−181は、TR−069用のデバイスデータモデルを開示しており、http://www.broadband−forum.org/technical/download/TR−181_Issue−2.pdfを参照されたい。この文書は、引用により本明細書に含まれている。データモデル定義も参照されたく、このモデル定義については、http://www.broadband−forum.org/cwmp/tr−181−2−4−0.htmlで見つけることができ、チャネル周波数応答(CFR)、信号対ノイズ比(SNR)などのネットワークパラメータのネットワーク測定データを取得するために、ポート管理テストを遂行することが示されうることが、セクション「device.upa.diagnostics」で開示される。この開示も、引用により組み込まれている。
【0008】
好ましい一実施形態によれば、ホームネットワークは、ホームゲートウェイを介してインターネットに接続され、ネットワーク測定値は、そのホームゲートウェイを介して取得される。ホームゲートウェイは、ホームネットワーク通信デバイスに少なくとも1つのホームネットワークパラメータの測定の実行をリクエストするように構成されたTR−069使用可能デバイスとすることができる。ただし、リモートサーバは、ホームゲートウェイの代わりに、例えば電力線アダプタなどのホームネットワークの通信デバイスと直接通信してもよい。
【0009】
典型的には、ホームネットワークパラメータは、物理層のパラメータである。
【0010】
好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つのホームネットワークパラメータが、好ましくは周波数依存性ベクトルの形で、以下の、チャネル周波数応答(CFR)と、信号対ノイズ比(SNR)と、ビットエラーレート(BER)と、巡回冗長検査(CRC)と、再送信カウンタと、ノイズレベルのうち少なくとも1つを含む。サービスオペレータに必要な情報のタイプに応じて、1つまたは複数の前記ホームネットワークパラメータが、リモートサーバのリクエストで測定されうる。
【0011】
好ましい一実施形態によれば、ホームネットワーク測定データを取得するステップが、複数の測定したCFRベクトルを取得するステップを含む。各ベクトルが、一連の異なる周波数に対する値を含む。次いで、ホームネットワーク測定データを処理するステップが、好ましくは、前記複数のCFRベクトルの関数として、少なくとも1つのキャパシティベクトルを計算するステップと、前記少なくとも1つのキャパシティベクトルに基づいて平均値を計算するステップとを含む。クラス分類をするステップが、平均キャパシティ値に基づくことが好ましい。
【0012】
さらに発展した一実施形態によれば、取得したホームネットワーク測定データが、ホームネットワークのノイズを表す測定データを含む。クラス分類をするステップおよび/または処理するステップも、ノイズを表す測定データに基づくことが好ましい。
【0013】
好ましい一実施形態によれば、関連する基準をもつ複数のユーザQoSクラスを含むQoSクラス分類データが、データベースに格納され、測定されたホームネットワークのユーザQoSクラスを決定するために、データベースに格納されたQoSクラス分類データと、推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータを比較することによって、ホームネットワークのクラス分類がなされる。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、ホームネットワークのユーザQoSを決定するように構成されたサーバが提供される。サーバは、インターネットを介して複数のホームネットワークに接続されたリモートサーバとして機能するものである。サーバが、データコレクタと、プロセッサと、クラス分類器とを備える。データコレクタは、リモート管理用のアプリケーション層プロトコルを使用して、ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータのホームネットワーク測定データを取得するように構成される。プロセッサは、ホームネットワークのキャパシティまたはそれに関係するパラメータを推定するためにホームネットワーク管理データを処理するように構成される。クラス分類器は、推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータに基づいて、ユーザQoSクラスでホームネットワークをクラス分類するように構成される。
【0015】
データコレクタが、好ましくはTR−069使用可能デバイスとする。こうしたデバイスにより、適したTR−069リクエストメッセージを送信することによってインターネットを介してホームネットワーク測定データを収集することが可能となる。好ましくは、データコレクタが、好ましくは周波数依存性ベクトルの形で、以下の、チャネル周波数応答(CFR)と、信号対ノイズ比(SNR)と、ビットエラーレート(BER)と、巡回冗長検査(CRC)と、再送信カウンタと、ノイズレベルのうち少なくとも1つを収集するように構成される。
【0016】
好ましい一実施形態によれば、データコレクタが、ホームネットワーク用に測定された複数のCFRベクトルを取得するように構成される。次いで、プロセッサが、好ましくは前記複数のCFRベクトルの関数として少なくとも1つのキャパシティベクトルを計算し、前記少なくとも1つのキャパシティベクトルに基づいて平均キャパシティ値を計算するように構成される。クラス分類器が、好ましくは少なくとも平均キャパシティ値に基づいて、ユーザQoSクラスでホームネットワークをクラス分類するように構成される。
【0017】
好ましい一実施形態によれば、データコレクタが、ホームネットワークのノイズを表す測定データを取得するように構成される。クラス分類器は、好ましくはノイズを表す測定データに基づいて、ホームネットワークをクラス分類するように構成される。より好ましくは、クラス分類器が、CFRを表す測定データとノイズを表す測定データの双方に基づいてホームネットワークをクラス分類するように構成される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、先に開示したサーバならびにホームゲートウェイの一実施形態を備えるシステムが提供される。サーバが、インターネットを介してホームゲートウェイに接続され、そのホームゲートウェイが、ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータのネットワーク測定データのためのリクエストをサーバから受信し、少なくとも1つのホームネットワークパラメータの測定データを取得し、ネットワーク測定データをサーバに送信するように構成されたTR−069使用可能デバイスとする。
【0019】
システムが、推定したキャパシティを使用してホームネットワークをクラス分類するためのクラス分類情報を格納するデータベースをさらに備えることができる。こうしたクラス分類情報が、推定したキャパシティに基づいてユーザQoSクラスを決定するための基準および規則を含むことができる。クラス分類器は、決定したユーザQoSクラスをサービスオペレータへ向けたサービスレコメンデーションに変換するようにさらに構成される。
【0020】
添付の図面は、本発明の方法、サーバおよびシステムの、限定するものではなく現在好ましい例示的実施形態を示すために使用される。本発明は、添付の図面と併せて以下の説明を閲読することで、本発明の特徴および目的の上記および他の利点が、より明確になり、より深く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】3つの異なるホームネットワークトポロジの周波数の関数で、ビット/秒単位のエルゴードキャパシティのグラフの図である。
【
図2】本発明の方法の一実施形態を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の方法の一実施形態を概略的に示す図である。
【
図4】本発明によるリモートサーバの一実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上記の背景技術の段落で説明したように、ホームデバイスは、通常、銅ツイストペア、同軸ケーブル、電力線ケーブルなどの異なる媒体に基づく複合的なホームネットワークアーキテクチャを用いて相互接続される。一般に、これらのネットワークアーキテクチャの異なるサイズおよび分岐により、これらの対応する転送機能すなわちチャネルシグネチャは、達成可能なネットワークキャパシティにとって制限因子となる。出願人は、この制限因子が対応するホームネットワークにわたってユーザQoSに影響を及ぼすことについて観察してきた。
【0023】
本発明の実施形態は、ユーザQoSクラスの異なるホームネットワークタイプをクラス分類することが可能であるという洞察に基づく。これは、
図1で示される。一例として、100MHzの周波数帯域が、使用され、ITU G.hn規格の事例の1つとして、1.024サブキャリアに分割されている。
図1に、異なる数の分岐をもつ3つのタイプのホームネットワークトポロジを示す。この例では、3分岐をもつ第1のトポロジ、6分岐をもつ第2のトポロジおよびその次の分岐をもつ第3のトポロジが使用されている。トポロジのタイプごとに、ランダムに発生したスタートトポロジの数が、伝送線路理論に基づく電力線チャネル発生器を使用して、100となっている。ノードの終端インピーダンスが50オームに設定されているが、分岐は未終端、すなわち開回路となっている。
図1の結果は、これら3つのネットワークタイプごとのQoSが、キャパシティを介してすなわち対応するチャネル測定を介して、区別されうることを示す。
【0024】
実際には、これは、異なるタイプのホームネットワーク、例えば、住居ビル、住宅、オフィスビルなどがこれらの異なるサイズおよび分岐の複合により異なるキャパシティを有する可能性があることを意味する。サービスオペレータが、特定のサービスをユーザに提示する以前に、ユーザホームネットワークの利用可能なQoSを決定することが望ましいことを踏まえて、本発明の実施形態がさらに開発されてきた。実際に、いくつかのホームネットワークは、全てのタイプのサービスをサポートすることができないであろうし、特定のサービスをサポートできない場合に、事前にユーザに知らせることが望ましい。
【0025】
ここで、本発明の一実施形態について、
図2および
図3を参照して説明する。本発明の一実施形態で使用するネットワークアーキテクチャが、
図2に示される。ネットワークアーキテクチャは、インターネット4およびホームゲートウェイ2を介して、一連のホームネットワーク3に接続されるリモートサーバ1を備える。リモートサーバ1は、TR−069などのリモート管理用のアプリケーション層プロトコルを使用して、少なくとも1つのホームネットワークパラメータのホームネットワーク測定データを送信するように、ホームゲートウェイ2にリクエストする。このホームネットワーク測定データは、ホームゲートウェイ2によって収集され、リモート管理用のアプリケーション層プロトコルを再度使用してリモートサーバ1に送信される。これは
図2の矢印5および6を参照されたい。
図2に、ホームゲートウェイ2を介してホームネットワーク測定データを収集することを示すが、ホームネットワーク3のデバイスからホームネットワーク測定データを直接取得することも可能であることが、当業者には理解されよう。
【0026】
リモートサーバ1で実行される次のステップについて、
図3で詳細に示す。ホームネットワーク測定データを取得した後、矢印34および35ならびにステップ31を参照されたいが、取得したホームネットワーク測定データは、ステップ32でホームネットワークのキャパシティを推定するために処理される。収集したホームネットワーク測定データは、好ましくは、CFRベクトル、SNRベクトル、BERベクトル、CRCベクトル、再送信カウンタベクトルなどの周波数依存性ベクトルXの形をとる。以下の例では、CFRベクトルが検討されるが、本発明の方法は、ホームネットワークのキャパシティに関連する別のベクトルを使用して、応用可能でもあることが当業者には理解されよう。
【0027】
ステップ32では、最初に推定メトリックが選択される。これは、ホームネットワークのキャパシティまたはホームネットワークのキャパシティに関係するパラメータを表すメトリックである。この例では、最も理解しやすく、直接QoS要求に関係するので、ホームネットワークキャパシティが、推定メトリックとして使用される。ただし、キャパシティに関係する他の推定メトリックも使用されうることが当業者には理解されよう。ステップ32では、以下のステップが、行われる:
−測定したCFRベクトルに基づいて、ノイズ効果を考慮しないでホームネットワークキャパシティを計算する:
C=f(X
1,...,X
j...,X
m)
各CFRベクトルX
jが、複数のCFR測定値を含むことができることに留意されたい:
X
j=(X
1,...,X
n)
j、式中1≦j≦m。mは、測定の数を表し、nは、測定が実行される異なる周波数の数を表す。
−推定キャパシティベクトルCに基づいて、対応するネットワークキャパシティベクトルCについて、最小キャパシティ値C
min、最大キャパシティ値C
max、および平均キャパシティ値C
aveを導くことができる。
【0028】
次のステップ33では、ネットワークは、決定したC
min、C
maxおよびC
ave値を使用してクラス分類される。さらに、任意選択で、ノイズシグネチャが考慮されうる。一例によれば、クラス分類は以下のようになされうる。
−C
minおよびC
maxに基づいて、類似度値が決定される。
−推定平均キャパシティ値C
aveは、サービスオペレータによって設定されたデータベース37中の基準QoSクラスの基準キャパシティ値と比較される。
−類似度値および平均キャパシティ値C
aveに基づいて、ホームネットワークは、既定のQoSクラスでクラス分類される。このように「類似の」ホームネットワークが、クラスタクラスにグループ化されうる。
−サービスリクエストを受信するとき、次いで、ホームネットワークがクラス分類されたクラスタクラスが、そのリクエストをサポートしているかどうかが決定されうる。ノイズ推定は、その劣化作用が、ネットワークの推定キャパシティにどれほど影響を及ぼすかを検査するためにも使用されうる。
【0029】
上記の例では、単一の平均キャパシティ値C
ave、最小キャパシティ値C
minおよび最大キャパシティ値C
maxが検討された。ただし、一連の異なる周波数または既定の周波数帯域の平均値、最大値および最小値を検討することも可能である。
【0030】
最後のステップ39では、特定のホームネットワークのホームネットワークQoSクラスまたはサービスレコメンデーションが、サービスオペレータ38に与えられる。このQoSクラスまたはサービスレコメンデーションは、新規顧客のホームネットワークの評価または既存の顧客のホームネットワークのメンテナンスについてサービスオペレータを支援する。これに関して、
図3に示す方法が、異なる時間に実行されうること、決定されたユーザQoSクラスが以後の参照のために格納されうることに留意されたい。次いで、ユーザQoSの変化を検出し、適切に作動することが可能である。次いで潜在的アラームが、顧客の苦情の前にサービスオペレータ側で発動されうる。
【0031】
本発明の方法の実施形態によれば、測定データは、ホームネットワークのユーザQoSのどんな変化にも精密に追従するために、複数のホームネットワークから連続的に収集されうる。別の実行可能な形態によれば、測定データが、サービスオペレータのリクエストでのみ収集および/または処理される。
【0032】
図4に、リモートサーバ1の一実施形態をより詳細に示す。サーバ1が、リモート管理用のアプリケーション層プロトコルを使用して、インターネットを介して、ホームネットワークのキャパシティに関連する少なくとも1つのホームネットワークパラメータのホームネットワーク測定データを取得するように構成されたデータコレクタ41と、ホームネットワークのキャパシティまたはそれに関係するパラメータを推定するために、受信したホームネットワーク測定データを処理するように構成されたプロセッサ42と、推定したキャパシティまたはそれに関係するパラメータに基づいて、ユーザQoSクラスで前記ホームネットワークをクラス分類するように構成されたクラス分類器43とを備える。リモートサーバが、方法に関して先に検討した実施形態のいずれかに従ってさらに構成されうる。
【0033】
ほとんどのホームネットワークデバイスが、TR−069使用可能デバイスなので、本発明の実施形態は、典型的に、エンドユーザのホームネットワークデバイスでハードウェアの改変を全く必要としない。本発明のサーバの実施形態は、サービスオペレータの管理センタ内で実施され、より高度なモニタリングツールの一部として使用されうる。
【0034】
発明の原理について、具体的な実施形態に関して先に述べてきたが、この説明は、単に例としてなされたものであり、付属の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲を限定するものではないことを理解されたい。