【実施例】
【0095】
上記の開示は本発明を一般的に記述している。下記の特定の実施例を参照することにより本発明をより完全に理解できる。これらの実施例は、単に説明の目的のために記述され、本発明の範囲を限定することを目的としない。状況により判断して、または便宜上、形態の変化および均等物の代用を考慮する。特定の用語を本明細書で使用したが、それらの用語は説明のための使用を目的とし、限定を目的としない。使用される分子遺伝学、タンパク質生化学および免疫学の方法は、本開示および実施例に明確に記載されていないが、科学的な文献において広く報告されており、当業者の能力の範囲内にある。
【0096】
実施例1:ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)のゲノムマイニング
この実施例は、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)の免疫原性のポリペプチドを同定するために実施したゲノムマイニングについて記述する。ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)株W83のゲノムにはおよそ2200のオープンリーディングフレームがある。コンピューターの支援を利用して、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W83ゲノム(http://cmr.jcvi.org/cgi−bin/CMR/GenomePage.cgi?org=gpg)を含むタンパク質を、下記のパラメータを使用して評価し、さらなる評価のため(クローニング、発現および精製による)、これらのタンパク質に優先順位をつけた:
1.C末端領域(CTD)を有する候補についてさらに評価するため優先順位をつけた。CTDは、その本来の成熟化、正しい分泌および細胞表面に対する付着に必要とされることが、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質分解酵素、RgpBにおいて示された(Nguyenら、J.of Bacteriology,2007、189,833−843)。
2.PSORTbによる局在、優先度が高い順に:(外膜または細胞外)>(未知)>((周辺質かまたは細胞質)。Psortb(バージョン2.0)はウェブベースの細菌タンパク質細胞内局在予測ツールである[www.psort.orgで利用可能;J.L.Gardy,M.R.Laird,F.Chen,S.Rey,C.J.Walsh,M.Ester,およびF.S.L.Brinkman(2005)PSORTb v.2.0:expanded prediction of bacterial protein subcellular localization and insights gained from comparative proteome analysis、Bioinformatics 21(5):617−623]
3.タンパク質の優先度をさらに上げる、他のパラメータ:
i. シグナル配列の存在;
ii.優勢株(すなわちポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50株、W83株およびATCC33277株に存在);
iii.公表されている配列決定されたゲノムを有する株(例えばW83、ATCC33277)間での高度な(75%)配列保存;
iv.タンパク質が外膜に局在し、および/または潜在的な病原因子であることを示すデータを開示する公表されている記事;
4.タンパク質の優先度をさらに下げる、他のパラメータ:
i.ヒト配列との検出可能な類似性;
ii.予測される膜貫通ヘリックス;
iii.分子量が>100kDaまたは<20kDa
iv.予測される細胞内局在
これらの優先パラメータを使用して、およそ131のタンパク質候補を評価対象として同定した。その後、実施例2に詳細に説明したように、各候補をポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50株(ATCC53978として委託)からクローニングし、大腸菌(Escherichia coli)内で組換えで発現した。溶解性として発現されたもの(すなわち約40のタンパク質)はさらなる評価のために選抜された。
【0097】
実施例2:ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質の組み換えクローニング、発現および精製
ポルフィロモナス・ジンジバリスW50株(例えばPG 0495、 PG 2172、 PG 1326、 PG 1374、 PG 0654、 PG 0613、 PG 1798、 PG 0186、 PG 1795、 PG 0616)から選抜された遺伝子を、組換えでクローニングし、発現させて精製した。
下記表4に記載のプライマーはポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50株の適切な遺伝子(全長だがシグナル配列を欠く)を増幅するために設計した。増幅遺伝子産物を、pET−30 Ek/LICベクターキットでpET−30 Ek/LIC(Novagen(登録商標)、Merck、Germany)にクローニングした。このベクターを使用して発現された産物は、発現分析を促進するベクターにコードされるSタグ、およびベクターにコードされるN末端タグ(mhhhhhhssglvprgsgmketaaakferqhmdspdlgtddddk配列番号51)を有する。ベクターのクローニング要件に基づくと、次のアミノ酸はMet(m)またはIle(i)のいずれかでなくてはならない。したがって、それらの残基のいずれかを、それがクローニングされる所望のフラグメントの第1のネイティブアミノ酸でない場合に付加した。エンテロキナーゼでの消化により、標的タンパク質のベクターにコードされた全配列が除去できるが、初期のスクリーニングのために、タグは除去しなかった。
【0098】
各遺伝子のシグナルペプチド配列をSignalIP(http://www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)を使用して予測し、または、先に記述し同定したように、典型的なポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)I型シグナル切断部位の一致に基づき割り当てた。(J.Bacteriol.2006 Sept.:188(17):6376−6386)。結果として生じるクローニングされた核酸配列がシグナルペプチド配列を欠くように、遺伝子をクローニングした。当技術分野において知られているように、シグナルペプチド配列は、いくつかの方法、例えばhttp://www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/で利用可能な予測ソフトウエア(TargetP、SignalPおよび関連ツールを使用して細胞内タンパク質の位置決めを行う、O.Emanuelsson,S.Brunak,G.von Heijne,H.Nielsen,Nature Protocols 2,953−971(2007))を使用して予測できる。
【0099】
結果として生じたベクターはそれぞれ、NovaBlueコンピテント細胞へサブクローニングされ、続いて、生じたプラスミドを、Overnight Express(商標)Autoinduction System 1(Novagen)を使用して、それぞれタンパク質産生用大腸菌(E.coli)BL21(DE3)株を形質転換させた。IPTGを導入し、組み換えポリペプチドを発現させた。
【0100】
発現後に、発現したポリペプチドの溶解性を、SDS−PAGEおよび/またはFRETWorks(商標)S−Tag(商標)assay kit(Novagen、製造者の推奨による)を使用して評価した。この分析の原理は、あらゆる溶解性の組換えタンパク質のSタグ融合ペプチドにより、Sタンパク質の外因的に付加され精製された変異体バージョンにトランス相補性を提供でき、RNA分解酵素活性を回復する、ということである。再構成されたRNA分解酵素により切断された場合、基質FRET ArUAAが蛍光を発し、蛍光読み出し情報が与えられる。
【0101】
溶解性発現ポリペプチドを、市販のキット(Qiagen(登録商標))を使用して、天然条件下、Ni
2+−NTAアガロースを使用したアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。続いてSDS−PAGE分析をクーマシーブルー染色を用いて、各組換えでクローニングされたポリペプチドに関して実施した。また、各ケースの単一バンドを、近似の分子量とともに、下の表3に示した。
【表3】
【表4】
【0102】
当業者は、シグナルペプチド配列とともに核酸配列をクローニングできることを認識するだろう。同様に、ポリペプチドはそれぞれ、ベクターにコードされたSタグおよびHisタグを使用せず、異なるプラスミドクローニングベクターの使用により組換えで発現できることを当業者は認識するだろう。しかしながら、PG0616に関しては、ポリペプチドは、シグナルペプチド配列なしで、pET−30 Ek/LICへ遺伝子をクローニングすることにより溶解性発現が可能であるが、シグナルペプチドとともに発現した場合、ポリペプチドは溶解性ではなかったことは、注意するべきである。
【0103】
rPG0495
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号41として記載した配列)。発現されたタンパク質の配列は、配列番号21として記載した。クローン化した遺伝子の核酸配列(配列番号22として記載)は、以下の変化以外はW83の配列と同一である:
i)塩基対130はクローン化した遺伝子で「T」であるが、これは公表されたW83配列の「A」である。これによりこのコドンにおいてMETがLEUに置換される。
【0104】
ii)塩基対861はクローン化した遺伝子で「G」であるが、これは公表されたW83配列の「A」である。GCGおよびGCAの両方がアラニンをコードするためこれはサイレント変異となる。
【0105】
iii)「A」が塩基対1440の後に欠失しているため、以下の事象を有するフレームシフトが起こる:C末端の7つのアミノ酸はTERVIVQ*であるべきであるが、クローン化した遺伝子によりコードされたタンパク質においてはQKE*で置換される。このフレームシフトはクローニングによる人為産物である。下記は、クローニングされ発現されたrPG0495タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0106】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKLQTMAPNYFHADPQQFKHRIVKEKSFSSYSNYEYGVDNRLQRIYSVDESSGEIEHERRFFFNEGGYMIREEEYDGTVQIPVRKWEFVRDDKGYITHFSRYSPKDGSQELIEDIRIDFSYDADMKLIKADIDFFDIMANVWGDLRTTKLVYNENGLLKEMIQTDPGSGQEFNREELTYNNLNKIVAIRFIPGPASTGLNEFELIYEYDSEGMDIVKAGRDDFWYYYEYDKEMLASETFFPKPSIADLVYFGLKDYVDFSGLPFKNSYTHVVVKESTNEVEAIYEPISVYSVVVIQPENGEIKLTADGQPLNSGSTLVAGRRIKIHPIPAEGYEVDKVMVNGENIEAPYEFLLEKDTEVTALMKKSNAVGEVDTKGFHVYPIPTSKDLTIEIPAEMVGKVASLIDMNGQIVYRVTLNNIFQQIDISHLKGVFLLQIGDIQKE(配列番号21)
rPG2172
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号47として記載した配列)。発現されたタンパク質の配列は、配列番号29として記載した。W50クローン化遺伝子の核酸配列(配列番号30に記載)は、公表されたゲノムの対応するW83の配列と同一である:下記は、クローニングされ発現されたrPG2172タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0107】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQVVIKVGDAILENNATVDITAFTTEDGTEEMKFEGMVINQSATPINVIGKITKQEMIGDGHFALCFGQCMGPNVSVSPIVEALDGEGEYVSLHYKFPVSNEGHTGAFTFSCFPESGAPGTELATVNINFKYKGGGTGLTNIGLGRIALIQSGNTCTLQYNSNGKRLALEVYNLLGVKVFTSQLPAGSGSYTLPVRLQRGVHIFRITEGGKPAFVQKYLIK(配列番号29)
rPG1326
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。発現されたタンパク質の配列は、配列番号39として記載した。W50クローン化遺伝子の配列(配列番号40として記載)は、公表されたゲノムの対応するW83の配列と同一である:下記は、クローニングされ発現されたrPG1326タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0108】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMLCENTLAQQKTEEFAPVSDLRAEAYGSTVFLHWTPPYDNPMIPLSESFESGIPAIWKTIDADGDGYNWMHLTNFTGQSGLCVSSASYIGGVGALTPDNYLITPELKLPTDALVEIIYWVCTQDLTAPSEHYAVYSSSTGNNAADFVNLLYEETLTAKRIQSPELIRGNRTQGVWYQRKVVLPNDTKYVAFRHFNSTDNFWLNLDEVSILYTPLPRRAPCPHPGGYTYSVFRDGQKIASGLSALAYIDTDVPYGTQDYCVQVNYLQGDSYKVCKNIVVANSANIYGADKPFALTVVGKTIVASAFKGEITLYDIRGRLIASGCDTLRYKAENGFYLIKIQVNGTVYTEKIQIQ(配列番号39)
rPG0654
遺伝子は、W50株からクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号43として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号25として記載した。W50クローン化遺伝子の配列(配列番号26として記載)は、公表されたゲノムの対応するW83の配列と同一である:下記は、クローニングされ発現されたrPG0654タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0109】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQSPRIPQVDVHTRIARNARYRLDKISVPDSRQIFDYFYKEETIPTKIQTTTGGAITSIDSLFYEDDRLVQVRYFDNNLELKQAEKYVYDGSKLVLREIRKSPTDETPIKKVSYHYLCGSDMPFEITTEMSDGYFESHTLNYLNGKIARIDIMTQQNPSAELIETGRMVYEFDANNDAVLLRDSVFLPLQNKWVEMFTHRYTYDNKHNCIRWEQDEFGTLTLANNFEYDTTIPLSSVLFPTHEEFFRPLLPNFMKHMRTKQTYFNNSGEGLSEVCDYNYFYTDMQGNALTDVAVNESIKIYPRPATDFLRIEGSQLLRLSLFDMNGKLIRATELTGDLAIIGVASLPRGTYIAEITAANSKTIRAKVSLR(配列番号25)
rPG1374
遺伝子は、W50株からクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号44として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号27として記載した。クローン化した遺伝子の配列(配列番号28として記載)は、以下の点以外はW83の対応する配列と同一である:
i)塩基対481はクローン化した遺伝子の「T」であるが、これは公表されたW83配列の「C」である。CTGおよびTTGの両方がロイシンをコードするためこれはサイレント変異となる。(すなわち、タンパク質は100%同一である)。下記は、クローニングされ発現されたrPG1374タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0110】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQFVPAPTTGIRMSVTTTKAVGEKIELLVHSIEKKGIWIDLNGDATYQQGEEITVFDEAYHEYTIGTQTLTIYGNTTRLGCRSTGATAVDVTKNPNLTYLACPKNNLKSLDLTQNPKLLRVWCDSNEIESLDLSGNPALIILGCDRNKLTELKTDNNPKLASLWCSDNNLTELELSANPRLNDLWCFGNRITKLDLSANPLLVTLWCSDNELSTLDLSKNSDVAYLWCSSNKLTSLNLSGVKGLSVLVCHSNQIAGEEMTKVVNALPTLSPGAGAQSKFVVVDLKDTDEKNICTVKDVEKAKSKNWRVFDFNGDSDNMLPYEGSPTSNLAVDAPTVRIYPNPVGRYALVEIPESLLGQEAALYDMNGVKVYSFAVESLRQNIDLTHLPDGTYFFRLDNYTTKLIKQ(配列番号27)
rPG1795
遺伝子は、W50株からクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号48として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号31として記載した。W50クローン化遺伝子の配列(配列番号32として記載)は、公表されたゲノムの対応するW83の配列と同一である:下記は、クローニングされ発現されたrPG1795タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0111】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQSLSTIKVQNNSVQQPREEATIQVCGELAEQVDCIGTGNSAIIAAAAKFESDDLESYVGWEIMSVDFFPGYKACKYTSAVWADDMTILGQSEDSDPEMQTINNLALKTSVKIEAGKNYIVGYIANTAGGHPIGCDQGPAVDGYGDLVSISEDGGATFPPFESLHQAVPTLNYNIYVVVHLKKGEGVEAVLTNDKANAYVQNGVIYVAGANGRQVSLFDMNGKVVYTGVSETIAAPQKGMYILRVGAKSIKLAI(配列番号31)
rPG0613
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号49として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号33として記載した。W50クローン化遺伝子の配列(配列番号34として記載)は、公表されたゲノムの対応するW83の配列と同一である:下記は、クローニングされ発現されたrPG0613タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0112】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQTTTNSSRSYFTGRIEKVSLNLGVPPVSTEVWGMTHDANGLPFEIPISFSRFNSQGDIATTYYIANSEATLNEWCDYAHPGGIVRVEGRFWKMTYNIPTYNAVCTRITFENQEIEGTIVLIPKPKVSLPHVSESVPCIRTEAGREFILCEEDDTFVSHDGNEVTIGGKPFLLNTNVKIVGDVSQKYAVGVGEIRFLQICAQTVSQQK(配列番号33)
rPG1798
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号46として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号35として記載した。クローン化した遺伝子の配列(配列番号36として記載)は、以下の変化を除きW83の配列と同一である:
i)エラーをPCR増幅の間に遺伝子の3’末端に導入した(プライマー内)。最終結果は、発現されたタンパク質が欠損しているということである、その最後の2つの天然のアミノ酸および追加の約56のアミノ酸が付加された(ベクターからコードされた)。プラスミドの予測された正しい配列は、配列番号45として記載する。下記は、クローニングされ発現されたrPG1798タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0113】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQTKDNSSYKPFSKEDIAGGVYSLPTQNRAQKDNAEWLLTATVSTNQSADTHFIFDENNRYIARDIKANGVRKSTDSIYYDANGRISHVDLYISFSGGEPALDTRFKYTYDDEGKMTVREVFMLVMDPNTPISRLEYHYDAQGRLTHWISFAFGAESQKNTYHYNEKGLLVSEVLSNAMGTTYSDTGKTEYSYDDADNMVKAEYFVVQQGKAWQVLKREEYTYEDNICIQYLAINGTDTKVYKRDIESDKSISANVIDIPSMPEQTWPNMYGFNAKRLKETYSSYEGDVATPIFDYIYTYKALTSMATPSTEAQVAVYLNPSTDRLVILANGITHLSMYDLQGKLIRDCALSGDKVEMGVGSLTKGTYLLKVNTDQGAFVRKVVFDDRASPQPWRYRIRIRAPSTSLRPHSSTTTTTTEIRLLTKPERKLSWLLPPLSNN(配列番号35)
rPG0186
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号50として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号37として記載した。W83配列から予測されるように、プラスミドpEAG037(クローニングされた遺伝子;配列番号38として記載)の挿入配列は100%正確であった。下記は、クローニングされ発現されたrPG0186タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0114】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMCELDRDPEGKDFQQPYTSFVQTKQNRDGLYALLRNTENPRMHFYQELQSDMYCTTITDGNSLAPFVNWDLGILNDHGRADEDEVSGIAGYYFVYNRLNQQANAFVNNTEAALQNQVYKNSTEIANAKSFLAEGKVLQALAIWRLMDRFSFHESVTEVNSGAKDLGVILLKEYNPGYIGPRATKAQCYDYILSRLSEAIEVLPENRESVLYVSRDYAYALRARIYLALGEYGKAAADAKMVVDKYPLIGAADASEFENIYRSDANNPEIIFRGFASATLGSFTATTLNGAAPAGKDIKYNPSAVPFQWVVDLYENEDFRKSVYIAKVVKKDKGYLVNKFLEDKAYRDVQDKPNLKVGARYFSVAEVYLILVESALQTGDTPTAEKYLKALSKARGAEVSVVNMEALQAERTRELIGEGSRLRDMVRWSIPNNHDAFETQPGLEGFANTTPLKAQAPVGFYAYTWEFPQRDRQTNPQLIKNWPI(配列番号37)。
【0115】
rPG0616(40kDaOMP)
遺伝子は、W50株から上述のようにクローニングされた。プラスミドDNAを単離し、配列決定した(配列番号42として記載した配列)。発現したタンパク質の配列を配列番号23として記載した。W50クローン化遺伝子の配列(配列番号24に記載)は、公表されたゲノムの対応するW83の配列と同一である:下記は、クローニングされ発現されたrPG0616タンパク質のアミノ酸配列である(ベクター由来の配列に下線を引く)。
【0116】
MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKMQELKTSADMKGSFKKNVVLEVFTAEWCGYCPGGKERIAKAIEMLDDEYKERVFQTFVHYNDGISKKWPRVGQLFIALDQTLGIPGFPTFSVCRMEKKGENLSIGAPIAIKNKIMKGFGDGTAPAEVNLKLTKGATPEDVCTATFTGKVDADLIGKPLMLTAYVLKNNMKPINPQNGAGDGYLHQHTVLMILSTDVKGDALNIAADGSFTIKKEFKLDGFEIKDTDVLAFVHHPMSNAENHSIINAGQESLDKAEPTATEQIVATPSVKAYVQNGKIVVEEEYSKMEVFNATGQLVKNESLVPGVYVVRITANGVMYFLKVLVP(配列番号23)
実施例3:タンパク質特異的な抗血清の調製
実施例2で記載した方法にしたがって調製した、ある組換えタンパク質(例えばrPG0495、rPG2172、rPG1326、rPG1374、rPG0654、rPG0613、rPG1798、rPG0186、rPG1795、rPG0616)に対する抗体を、マウスで産生した。マウス(Balb/c)は、精製した組換えタンパク質50μgの50μl(50mm
3)容積とTiterMax(登録商標)Gold adjuvant(CytRx Corporation, California,U.S.)を1/1(容積/容積)で混合した総注入容積100μl(100mm
3)を筋肉内投与して免疫化し、抗組み換えポリクローナル血清を得た。TiterMax(登録商標)Gold adjuvantは、ブロック共重合体CRL−8300を含む油中水乳剤である。使用される免疫化プロトコルは以下の通りであった:
(i)精製した各組換えタンパク質について、3匹のマウスの1群を使用した;
(ii)3日目に、採血前試料を各ネズミから得た。
【0117】
(iii)0日目に、マウスを、精製組換えタンパク質50μg用量でTiterMax(商標)Goldと共に一緒に(各肢の四頭筋に25μl(25mm
3)ずつ注入)筋肉内投与して免疫化した。
【0118】
(iv)28日目に、マウスを、同じ精製組換えタンパク質25μg用量でTiterMax(登録商標)Goldと共に(各後肢の四頭筋に25μl(25mm
3)ずつ注入)筋肉内投与して免疫化した。
【0119】
(v)2週間後にマウスの血液試料を得た。各群からの血清を貯蔵した。
【0120】
各組換えタンパク質により生じたポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)特異的抗体応答を、ELISAにより評価した。3つの別々の調査から得られた結果を、
図1aおよび1b内に概説する。
図1aおよび1bからわかるように、TiterMax(登録商標)Goldの存在下、各組換えタンパク質50μgで免疫化すると、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)に特異的なIgG応答が誘発される。
【0121】
実施例4:ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)の外膜におけるタンパク質の検出
選択されたタンパク質がポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)の外膜に存在するかどうか(つまり抗体が入手可能かどうか)を評価するために、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)(W50)外膜分画のウエスタンブロットを、組換えタンパク質に対して生じた抗血清(実施例3において概説した調査の1つから得た)をプローブにして実施した。
【0122】
全細胞可溶化物および外膜分画を得るために使用された一プロトコルを示す。一般的に、ウエスタンブロットにおいて使用される外膜分画は、嫌気的に増殖させたポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50株の液体培養を使用して得た。細胞を回収し、(選択的に内膜を可溶化する)界面活性剤サルコシルを使用して分画した。サルコシルによる処理で、サルコシルに不溶性な物質は外膜分画となる。
【0123】
ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)を、BHI培地(システインおよびヘミンを添加した)で、約5〜6日間(培養物が混濁するまで)、嫌気性容器内で37℃で増殖させた。培養物1.5ml(1.5cm
3)の試料2つを、2つに分かれたチューブ2つに入れた。試料の1つを遠心分離し、ペレットを−20℃で貯蔵した(全細胞可溶化物の調製に使用するため)。第2の試料も遠心分離し、生じたペレットを50mMリン酸ナトリウム(NaP)(5mL(5cm
3)のNaP/1g細胞ペースト)に再懸濁し、−20℃で貯蔵した。ペレットを解凍し、4xUMSの50mMのNaP+300μL(300mm
3)の各300μL(300mm
3)に再懸濁し、その後およそ10分間試料を沸騰して、全細胞可溶化物を調製した。50mMのNaPで再懸濁したペレットのうちの1つを解凍して、最小量20mL(20cm
3)(または超音波処理器具に必要な最小量)に50mMのNaPを付加し、リゾチームを付加して1mg/mL(cm
3)の最終濃度とし、外膜分画を調製した。懸濁液にプロテアーゼ阻害剤の錠剤を付加し、その後氷上で超音波処理し、次に遠心分離して、非溶解細胞をペレットとした。上澄部を除去した。1%のサルコシル溶液でペレットを再懸濁し、回転混合器を使用して室温で約30分間インキュベートし、次いで遠心分離した。内膜フラグメントを含む生成した上澄部を除去し、ペレットを0.5%サルコシル溶液に再懸濁し、再度遠心分離した。上澄部を抜き取り、ペレットを50mMのNaP+UMSで再懸濁し、沸騰した。試料をゲル上で泳動する前に沸騰させた。試料をゲル上で泳動させた。各ゲルにはそれぞれ計4つのレーンがある:(i)対照レーン(精製されたタンパク質)、(ii)分子量基準、(iii)全細胞可溶化物の試料および(iv)外膜分画の試料。ゲルをPVDF膜上に転写し、適用可能な抗血清でプローブした。
各PG0495、PG0654、PG1374、PG1795、PG2172、PG0613、PG1326、PG1798、PG0186およびPG0616が、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50の外膜分画内で検出された。結果を
図2に要約する。
【0124】
実施例5:フローサイトメトリーに基づいた表面接近性分析による表面露出評価
フローサイトメトリーに基づいた表面接近性分析(SASSY)を使用して、無傷のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)細胞上の各タンパク質の抗体結合への接近性を計測した。実施例3に記述したように、この分析で使用したタンパク質に特異的な抗血清を得た。SASSY実験をいくつか実施したが、各実験は下記のプロトコルに従って実施された:
ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)株(W50、W83、332277)は実質的に実施例4の記述のように培養した;つまり、菌株を、BHI培地(システインおよびヘミンを添加)で、嫌気性容器内で37℃で増殖させた。ある実験において、初期対数増殖期、対数増殖期、または定常期の様々な増殖工程で細胞を回収し、分光測定でOD600で計測した。
【0125】
各分析調査を行うために、培養物の試料をマイクロチューブに等分し遠心分離した。上澄部をピペット吸引し、ペレットを10%FBS添加培地500μL(500mm
3)/1mL(1cm
3)に再懸濁し、攪拌した。チューブを再び遠心分離し、上澄部を吸引し、ペレットを10%FBSで再懸濁し、添加培地の推定CFU/mL(cm
3)に基づいて約5E9CFU/mL(cm
3)の懸濁液を産生した。一次抗体は、約5E9CFU/mL(cm
3)の洗浄細菌190μL(190mm
3)/試料を等分してインキュベートし、その後テストする試料の1つの各10μL(10mm
3)に添加した。各試料を攪拌し、次に37℃で約30分間インキュベートした。その後、各チューブに790μL(790mm
3)10%FBSを付加して洗浄し、次に遠心チューブを転倒混和し、上澄部をピペット吸引した。
【0126】
以下のように二次抗体をインキュベートした:二次抗体の5μL(mm
3)をDPBSで希釈した[典型的には1:1000比で];希釈した二次抗体の200μL(mm
3)を各一次抗体結合試料のチューブに付加した;その後、各ペレットをシングルチャンネルピペッタで移して再懸濁し攪拌した。対照として、二次抗体の代わりに10%FBSをチューブに入れた。チューブを遮光下に置き、およそ30分間室温でインキュベートした。その後、各チューブに10%FBSを付加して試料を洗浄し、転倒混和した。チューブを遠心分離し、上澄部をピペット吸引した。各試料を、%PFAを付加して固定した。試料を遮光下に置き、2〜8℃で貯蔵した。
【0127】
ホルマリンで死滅させたW50全細胞(FKWC)に対して生じた抗血清を、陽性対照として使用した(実施例6にこの血清の生成をより詳細に記述する)。AF488標識ヤギ抗マウスIgGを使用して結合する抗血清を検出した。
【0128】
試料をFACS Caliburフローサイトメーター(Becton Dickison)で分析した。フローサイトメーターでは、アルゴンイオンレーザーから生成した488nmの波長域を使用した。放出シグナル(SASSYにはAlexaFluor−488およびOPA取込みにはCFSE)を10,000のゲートイベントからなる各分析において収集した。ゲートイベントはCELLQuest Proソフトウエア(Becton Dickinson)を使用して大きさおよび粒度に基づいて収集された。FlowJo7.2.5ソフトウエアを使用して、試料を解析した。
【0129】
図2は、各タンパク質で実施した個別の実験のいくつかから得られた結果の概要を示す。Y軸に沿って示した各点は、SASSY実験の1つでそのタンパク質のタンパク質特異的抗血清を使用して得られた結果を表す。Y軸に沿って示した水平方向の各ダッシュは、そのタンパク質のタンパク質特異的抗血清を使用して実施された全SASSY実験で得られた結果の平均を表す。PG0495、PG0654、PG1374、PG1795、PG2172、PG0613、PG1326、PG1798、PG0186およびPG0616各々は、定常期のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50株上で表面露出し、SASSYにより検出された。
【0130】
2つの他のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)株(W83およびATCC33277)上の、および異なる増殖相のW50株上の各タンパク質(PG0495、PG0654、PG1374、PG1795、PG2172、PG0613、PG1326、PG1798、PG0186およびPG0616)の表面接近性を調べた。ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50株を、初期対数増殖期、対数増殖期、または定常期まで増殖させ、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W83株およびATCC33277株を定常期まで増殖させた。上で記述した、フローサイトメトリーに基づいた分析を使用して、表面接近性を評価した。
【0131】
図6は、各タンパク質で実施された様々な実験から得た結果の概要を示す。Y軸上に示した各点(●)は、適用可能なタンパク質のタンパク質特異的抗血清を使用して、1つの分析で得られた結果を表す。Y軸に沿って示した水平方向の各ダッシュ(―)は、タンパク質のタンパク質特異的抗血清を使用して実施した全実験で得られた結果の平均を表す。PG0186、PG0495、PG0613、PG0616、PG0654、PG1326、PG1374、PG1795、PG1798およびPG2172はそれぞれ、3つのポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)株上で表面を露出して検出された。ほとんどのタンパク質は、2つ以上の株間で露出の程度が異なっていた。抗原露出はさらにW50株で評価した異なる増殖相(すなわち、初期対数増殖期、対数増殖期、または定常期)で変動し、対数増殖期で露出は最大となった。
【0132】
実施例6:SEタンパク質候補の免疫原性の評価
Th2−抗体偏向反応は歯槽骨退縮予防モデルでの疾病予防に関連している(J Immunol.2008 Sep 15;181(6):4150−8)。歯周炎感染モデルマウスにおいて、Th1応答に偏向した免疫化マウスは、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)に感染後、歯周組織炎症および歯槽骨退縮を高レベルで発症したが、Th2応答に偏向したマウスは歯槽骨退縮を発症しなかった。(Am.J.Pathol。2007;170:203−213)。マウスのIgG1はFcに関連したエフェクター機能を制限した。FcγRIIIのみに結合し、古典経路により補体を活性化しなかった(Klaus、1979)。
【0133】
組み換えポリペプチドにより誘発された応答のタイプの評価するため、マウス(BALB/c)を、精製した組み換えポリペプチド(アジュバントと一緒に、またはアジュバント無しで)を筋肉内投与して免疫化した。
使用される免疫化プロトコルは以下の通りである:
(i)採血前試料をプロトコルの開始に先立って採取した(0日目)。7日目に最初の免疫化を行った。
【0134】
(ii)精製した組換えタンパク質それぞれについて、8匹のマウスの2群を使用した。第1群は、0.56mg/ml(cm
3)アジュバント(すなわちAlhydrogel‘85’2%(オキシ水酸化アルミニウム))中タンパク質(5μg)、総容積50μl(50mm
3)を1部位から筋肉内投与して免疫化し、第2群はタンパク質(5μg)単独を(総容積50μl(50mm
3))1部位から筋肉内投与して免疫化した
(iii)対照として、ホルマリンで死滅させたポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50全細胞(FKWC)でマウスを免疫化し、実質的にRajapakseら、2002に記述されたように調製した。第1群の8匹のマウスを10
10cfuのFKWC単独で(総容積50μl(50mm
3))で免疫化し、第2群の8匹のマウスを、総容積50μl(50mm
3)中10
10cfuのFKWCと0.56mg/ml(cm
3)のアジュバント(すなわちAlhydrogel‘85’2%)で免疫化した。
【0135】
(iv)20日目に血液試料を各ネズミから得た。
【0136】
(v)21日目にマウスに追加免疫化した(すなわち第1と同じものを二次注入した)。
【0137】
(vi)2週間後に、マウスを失血させた。各群からの血清は
貯蔵しなかった。
【0138】
ELISAにより、IgG、IgG1およびIgG2aの終点力価を測定した(つまり、FKWCをコートしたマイクロタイタープレートと反応するFKWC抗体の既知濃度で観察されるODを標準として使用)。IgG1/IgG2aの比も測定した。当業者は、慣例的にIgG1対IgG2aの比を、免疫応答でのTh2およびTh1要素の相対的な規模を間接的に表す尺度として使用する。比が高い、および低い場合はそれぞれ、免疫応答においてTh2、およびTh1要素が優勢であることを示す。
【0139】
図3および表5に、得られた結果を記載する。FKWC抗血清はポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)に特異的な高いIgG終点力価を示した。FKWCをコートしたマイクロタイタープレートを使用したELISASにより、FKWCが単独で(すなわちアジュバント無しで)投与されると、Th1偏向応答を引き起こすことが示された。AlOOHを注入した場合、各組み換えポリペプチドは、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)に特異的なTh2−偏向抗体応答を誘発することが示され、rPG0495とrPG2172による誘発が最も高かった。
【表5】
【0140】
実施例6b:タンパク質の抗原特異的免疫原性の評価
各タンパク質により誘発された免疫応答を、第二調査で評価した。この第二調査において、ELISAを個々の特異的抗原でコートしたマイクロタイタープレートを使用して実施した。これにより、個々のタンパク質の抗原特異的免疫原性を評価できた。
【0141】
BALB/cマウス群は、上述の免疫化プロトコルに実質的に従って、精製組み換えポリペプチド(アジュバントと一緒に、またはアジュバント無しで)を筋肉内投与して免疫化した。マウスは、総容積50μl(50mm
3)中0.56mg/ml(cm
3)のアジュバント(すなわちAlhydrogel‘85’2%)中タンパク質(5または25μg/用量のいずれか)を1部位で筋肉内投与して免疫化するか、または総容積50μl(50mm
3)中タンパク質単独(5または25μg/用量のいずれか)を1部位で筋肉内投与して免疫化した。採血前試料はプロトコルの開始に先立って採取し(0日目)、7日目に最初の免疫化を行った。先の調査と同様、21日目にマウスを追加免疫化し(すなわち最初と同じものを二次注入した)、2週間後に、マウスを失血させて、血清サンプルを調製した。テストした個々の組み換えポリペプチドに対して、使用した群の数および1群当たりのマウスの数は下の表7に記載した。
【表6】
【0142】
個々のマウスの血清のIgG、IgG1、IgG2aの終点力価をタンパク質特異的なELISAにより測定し、IgG1:IgG2a比を算定した。使用したELISAプロトコルの一例をここに記載する。
【0143】
マイクロタイタープレート(Nunc−Immuno MaxiSorp、平底ポリスチレン)を、0.05M炭酸−重炭酸塩緩衝液、pH9.6中、特定の組換えタンパク質0.5μg/mL(cm
3)(50ng/ウェル)を100μl(100mm
3)使用して室温で一晩コートした。プレートは、洗浄緩衝液(1XPBS+0.1%Tween−20)200μL(200mm
3)/ウェルで2回洗浄し、その後、PBS中1%BSA150μL(150mm
3)/ウェルで室温で60分ブロックした。
【0144】
その後、個々のマウスの2倍系列希釈した血清サンプルを付加し、プレートを室温で60分インキュベートした。プレートを、洗浄緩衝液200μL(200mm
3)/ウェルで4回洗浄した。HRP標識二次抗体の100μL(100mm
3)/ウェルを(F(ab’)2ヤギ抗ネズミIgG(H+L):HRPを1:10’000希釈、F(ab’)2ヤギ抗ネズミIgG1(H+L):HRPを1:20’000希釈、またはF(ab’)2ヤギ抗ネズミIgG2a(H+L):HRPを1:20’000希釈)その後、室温で60分インキュベートした。プレートを、洗浄緩衝液200μL(200mm
3)/ウェルで4回洗浄した。TMB(HRP基質)の100μL(100mm
3)/ウェルをプレートに付加し、室温で15分間インキュベートし、1MH2S04を50μL(50mm
3)/ウェル付加して反応を止めた。SOFTmaxPro v5.2で用意したテンプレートを使用して、分光光度計で波長450nmでプレート読みOD値を決定した。
【0145】
終点力価はカットオフ値を上回るODを示す血清の最高希釈度の逆数として定義される。終点力価の定量はカットオフ値に基づく。終点力価を確立するために、カットオフ値は一段階毎に選ばれる。また、全希釈系列の全希釈のODはそれぞれのカットオフ値と比較される。選ばれたカットオフOD450値は0.100である。
【0146】
稀釈がカットオフ値以下のODに到達したときが終点となる。先の希釈の逆数は終点力価として報告される。
【0147】
得られた結果を表8に概説する。表に示すように、各タンパク質は両用量(5および25μg)で免疫原性であり、高用量(25μg)でより高い総IgG応答が誘発された。タンパク質がアジュバント(水酸化アルミニウム)存在下で投与された場合、より高い総IgG応答が誘発された。特に、アジュバント存在下のタンパク質はTh2に偏向したタンパク質特異的IgG反応を誘発した。これらの結果により、評価された各タンパク質は免疫原性であり、適切なアジュバント(アルミニウム化合物、例えば水酸化アルミニウム等)が存在する場合、望ましいTh2に偏向したタンパク質特異的なIgG応答を誘発できることが示された。当業者は、他のアジュバントが使用されてもよいことを認識するだろう。特に適切なアジュバントは、本発明のタンパク質と一緒に投与された場合、Th2偏向応答を引き起こすアジュバントである。
【表7】
【0148】
実施例7:血清殺菌力
実質的に実施例6での記述のように生成された抗血清について、2つの別々の調査で血清殺菌力(SBA)評価した。そのような分析は当業者には有名である。抗原特異的血清の正のSBA活性は、特定の抗原が、対応する細菌による感染症に対する防御的免疫応答を引き起こすであろうことを示す。
【0149】
使用された方法の一例をここで記載する。手短に言えば、菌体(ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis))の既知量を、活性または不活性な補体の存在下、対照または抗血清でインキュベートする。血清殺菌力による細菌の死滅のレベルを、1時間後に生存細菌を培養しカウントすることにより評価する。具体的には、各試料および対照については、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)(株W50)を約1.26×10
7cfuを含む214μL(214mm
3)を、嫌気性の容器内にある氷上の無菌のマイクロタイタープレートの別々のウェルへ等分した。各試験試料および対照に対して、活性または不活性の補体の10μL(10mm
3)を別々のウェルに等分した。適用可能な血清のうちの1つ12.52μL(12.52mm
3)を適用可能なウェルに付加し、ピペットで混ぜた(結果はSBA反応での血清の20倍稀釈だった)。各試料および対照については、細菌+血清混合物の90μL(90mm
3)を活性または不活性の補体を含む両ウェルに等分した。各ウェルの中身をピペットで混ぜた。チューブを嫌気性の容器で約60分間室温でインキュベートした。
【0150】
希釈法
各試験サンプルおよび対照に対して、10倍希釈の3系列を以下のように調製した:180μL(180mm
3)のBHI+ブロス中20μL(20mm
3)SBA反応、1系列6.25倍希釈168μL(168mm
3)のBHI+ブロス中32μL(32mm
3)SBA反応および3系列2.5倍希釈120μL(120mm
3)のBHI+ブロス中80μL(80mm
3)SBA反応。累積的に、結果として生ずる希釈係数は、10、100、1000、6250、15625、3.90625E4および9.765625E4である。
【0151】
平板培養
各試料および対照の平板培養に関しては、3つの最高希釈の各々3×10μL(3×10mm
3)を、BHI+血液寒天培地上に播種した。これは100の平板培養因数を生じる。一度、播種したプレートを乾燥させた後、裏返して、4−7日間嫌気性の容器内で室温でインキュベートした。
【0152】
図4は、活性または不活性の補体と共に、各組換えタンパク質に対して得られたSBA結果の概要を記載する。テストした血清のある希釈において、PG0495、PG613、およびPG1326はそれぞれ、わずかに殺菌活性を示した。他のタンパク質は、検出可能なSBA活性をほとんどまたは全く示さなかったが、異なる免疫メカニズムを利用して、感染症に対する防御免疫応答を引き起こし得る。
【0153】
実施例8:オプソニン化貪食作用分析
あるポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質(すなわちrPG0495、rPG2172、rPG1326、rPG654、rPG1374、rPG1795、rPG0613およびrPG0616)のポリクローナル血清のオプソニン活性を評価するために分析を実施した。実施例6において記述するように実質的に生成された抗血清を評価した。採血前血清、および希釈剤(血清なし)の試料は実験上の対照として使用された。
【0154】
ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W50の細胞培養はおよそ5.0x10
9cfu/mL(cm
3)まで増殖させた。細胞を遠心分離によりペレットにして、次に1%PBSで2度を洗浄し、CFSEで標識した。CFSEの溶液をDDAO−SEにIF緩衝液を付加して調製した。溶液を遮光下に置き、37℃で15分間インキュベートした。試料をPBSで2回洗浄した。その後、試料にOPA緩衝液を付加した。
【0155】
血清サンプルをオプソニン化ステップのため最終的に1/50で調製し(最終容積200μl(200mm
3)、50μl(50mm
3)/ウェル付加)およびOPA緩衝液で1/12.5に希釈した。試料を56℃で30分間熱失活させた。不活性なまたは活性な補体をOPA緩衝液(最終の反応の1%)において希釈し、次に、試料に付加した。氷上で、オプソニン化反応を、培地、血清、補体および細菌の順に付加して、開始した。その後試料を、振盪培養器(700振動/分)で室温で30分間インキュベートした。
【0156】
分化HL−60細胞株(ATCC CCL−240)を貪食細胞として使用した。4x10
5細胞密度でDMF100mMで6日間分化させたHL60細胞懸濁液を回収し、1XHBSSで洗浄し、次に、5x10
6細胞/ml(cm
3)となるようOPA緩衝液で再懸濁した。HL−60細胞懸濁液200μl(200mm
3)をオプソニン化細菌に加え、振盪培養器(700振動/分)で37℃で30分間インキュベートした。オプソニン化貪食作用を氷上で止めた。試料を氷上に置き、反応終了後2時間以内にFACS Caliburフローサイトメーター(Becton Dickison)で調査した。CELLQuest Proソフトウエア(Becton Dickinson)を使用して大きさおよび粒度に基づいて収集された、HL−60の10,000のゲートイベントからなる各分析において、CSFE放出シグナルを収集した。試料はFlowJo7.2.5ソフトウエアを使用して解析した。
【0157】
得られた結果を、
図5に概説する。所与の希釈でテストしたPG1374およびPG0613は、それぞれわずかなにOPA活性を示した。他のタンパク質は検出可能なOPA活性をほとんどまたは全く示さなかったが、
異なる免疫メカニズムを利用して、感染症に対する防御免疫応答を引き起こり得る。
実施例9:血球凝集活性
細菌(または細菌上清液)により引き起こされた血球凝集活性(HAI)を抑制するある種のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質に対して生じた抗血清の能力が評価された。抗血球凝集活性は、いくつかの病原体に対して誘発された防御免疫血清に関連する特性である。ある場合には、HAIは疾病(例えばインフルエンザ)の防御に対する関する既知の相関分析である。実質的に、実施例6の記載のように生成した抗血清をHAIに対してテストした。血球凝集活性の評価に対して使用された方法を下に記述する。
【0158】
ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)W83株およびW50株を増殖相まで生育した。培養試料を遠心分離し、上澄部(媒体分画)をペレット分画(全細胞)から分離した。ペレットをダルベッコPBS(Gibco)を使用し洗浄し、約1OD/mL(cm
3)に再懸濁した。ダルベッコPBSを使用して、ヒツジ赤血球(RBC)も洗浄し、ペレットを使用して1%のヒツジ血液混合物を調製した。各株の上澄部およびペレット(1OD/mL(cm
3))の試料はダルベッコのPBSを使用して、2倍系列希釈し、1ウェル当たり最終容積100μl(100mm
3)とした。1%ヒツジ血液100μl(100mm
3)を試料を含むウェルに付加し、最終濃度0.5%RBCとした。これらの血球凝集素分析は少なくとも3時間好気条件下、室温または4℃で静置インキュベートした。3時間後、プレートを観察し完全なHAを有する最後のウェルに近いウェルを血球凝集反応阻害測定のため選んだ。
【0159】
血清試料(RBCに対するポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)の赤血球凝集を阻止できるかテストするために)を、Melon Gel IgG精製キット(Thermo Fisher)を使用して精製するか、「未精製の」のまま、精製しない血清試料とした。
【0160】
血清試料はダルベッコPBSで2倍系列希釈した。ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)試料を、完全なHAを有する最後のウェルに近い選抜したウェルの濃縮に希釈した(上のHA分析を参照)。ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)試料50μl(50mm
3)+血清50μl(50mm
3)は96穴プレートで混合した。抗体がない対照=ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)50ul+ダルベッコPBS。他の対照は血清50μl(50mm
3)+PBS50μl(50mm
3)またはBHI培地、およびPBS100μl(100mm
3)またはBHI培地を単独で含む。プレートは37℃で1時間穏やかに振動させた。1%ヒツジ血液100μl(100mm
3)を、試料を含むウェルに付加し最終濃度0.5%ヒツジRBCとした。プレートは、4℃で好気条件下、一晩(約16〜20時間)静置インキュベートした。HAI力価は血清の最大希釈試料の可視化により定義したが、これでも、細菌のペレット、または上清の血球凝集活性を抑制できた。重要なことは、免疫血清のHAI力価は、採血前血清サンプルのHAI力価の少なくとも2倍を上回るべきである。HAI力価を表9に示す。
【表8】
【0161】
記号「*」を付けたHAI力価は採血前血清バックグラウンドの2倍であった。これは、これらの抗原の抗体がポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)のHAを抑制することを示す。
【0162】
実施例10:ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染を防御する、組換えタンパク質の効果
各精製されたタンパク質単独での、または併用での予防効果を、十分に確立されたマウス歯槽骨退縮予防モデルで、(5)の記述のように評価した。そのようなモデルを使用する調査で、Th2−偏向応答(IgGサブクラスの分布変化に関連)はポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)が引き起こす骨減少症に対する防御と関連することが証明された。マウス(BALB/c(6〜8週齡))を、適切なTh2−偏向応答(例えば、水酸化アルミニウムまたはアルハイドロゲル等)をもたらす様々なアジュバントの存在および非存在下、各組換えタンパク質(10〜50μg/用量)、またはPG0186、PG0495、PG0613、PG0616、PG0654、PG1326、PG1374、PG1795、PG1798およびPG2172からなる群から選択された精製組換えタンパク質(10〜50μg/用量/タンパク質)の組み合わせを皮下投与して免疫化し、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)による感染に対する防御を評価した。組換えタンパク質またはタンパク質は既知の方法により、例えば実施例2に記載のように、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)株W50(またはW83)から、誘導される。1〜3の追加免疫を1〜2週の間隔(またはより長い間隔で)で投与できる。また、約12日後にマウスの延髄後の神経叢から採血した。採血後、マウスに脱イオン水中1mg/ml(cm
3)のカナマイシンを任意で7日間投与する。抗菌処理の3日後に、マウスを、2日違いで、1x10
10ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)株W50生存細胞で経口で感染させ、対照群は、2g/100ml(100cm
3)のカルボキシメチルセルロース単独を含むPG緩衝液で偽感染させる((5)に記述したように)。感染の28日後にマウスを屠殺し上顎骨を除去し調製する。(5)で記述したように水平方向の骨減少症を評価する。血清を収集し、ELISAで抗体価を測定する。
【0163】
本発明を好ましい実施形態の点から記述したが、例えば、本明細書に記述された化合物、組成物および方法の変形および改変を当業者が考慮することは理解されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、請求された本発明の範囲内で生じるそのような均等的改変をすべて包含することが意図される。
他の実施態様
1.少なくとも1つの単離ポリペプチドおよび薬剤的に許容される担体を含む免疫原性組成物であって、前記少なくとも1つのポリペプチドは、
a.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0495、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;
b.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0654、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
c.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1374、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
d.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1795、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
e.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0613、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
f.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG2172、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
g.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1326、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
h.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1798、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
i.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0186、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;および
j.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0616、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体、
よりなる群から選択されることを特徴とする、組成物。
2.少なくとも1つの単離ポリペプチドおよび薬剤的に許容される担体を含む免疫原性組成物であって、前記少なくとも1つのポリペプチドは、
a.配列番号1に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
b.配列番号3に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
c.配列番号5に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
d.配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
e.配列番号9に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
f.配列番号11に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
g.配列番号13に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
h.配列番号15に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
i.配列番号17に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;および
j.配列番号19に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
よりなる群から選択されることを特徴とする、組成物。
3.前記組成物がさらにアジュバントを含むことを特徴とする実施態様1または2記載の組成物。
4.対象に実施態様1または2記載の組成物の治療上有効量を投与することを含むことを特徴とする、前記対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を治療するまたは予防する方法。
5.対象に実施態様3記載の組成物の治療上有効量を投与することを含むことを特徴とする、前記対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を治療するまたは予防する方法。
6.実施態様1または2記載の組成物を対象に投与するステップを含むことを特徴とする、前記対象において免疫応答を誘導する方法。
7.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症の予防または治療のための免疫原性組成物における単離ポリペプチドの使用であって、前記単離ポリペプチドは、
a.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0495、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;
b.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0654、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
c.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1374、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
d.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1795、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
e.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0613、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
f.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG2172、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
g.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1326、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
h.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1798、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
i.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0186、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;および
j.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0616、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体、
よりなる群から選択されることを特徴とする、使用。
8.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症の予防または治療のための免疫原性組成物における単離ポリペプチドの使用であって、前記単離ポリペプチドは、
a.配列番号1に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
b.配列番号3に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
c.配列番号5に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
d.配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
e.配列番号9に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
f.配列番号11に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
g.配列番号13に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
h.配列番号15に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
i.配列番号17に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;および
j.配列番号19に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド。
よりなる群から選択されることを特徴とする、使用。
9.対象に少なくとも1つの単離核酸を含む組成物の治療上有効量を投与することを含む、前記対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を治療、または予防する方法であって、前記単離核酸は、
a.配列番号1に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
b.配列番号3に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
c.配列番号5に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
d.配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
e.配列番号9に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
f.配列番号11に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
g.配列番号13に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
h.配列番号15に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;
i.配列番号17に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸;および
j.配列番号19に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸、
よりなる群から選択されることを特徴とする、方法。
10.前記組成物がさらにアジュバントを含むことを特徴とする実施態様9記載の方法。
11.ポリペプチドに特異的に結合する抗体であって、前記ポリペプチドが、
a.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0495、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;
b.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0654、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
c.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1374、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
d.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1795、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
e.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0613、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
f.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG2172、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
g.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1326、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
h.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1798、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
i.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0186、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;および
j.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0616、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体、
よりなる群から選択されることを特徴とする、抗体。
12.ポリペプチドに特異的に結合する抗体であって、前記ポリペプチドが、
a.配列番号1に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
b.配列番号3に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
c.配列番号5に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
d.配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
e.配列番号9に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
f.配列番号11に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
g.配列番号13に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
h.配列番号15に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
i.配列番号17に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;および
j.配列番号19に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
よりなる群から選択されることを特徴とする、抗体。
13.対象に実施態様11の抗体を投与することにより、前記対象を治療することを特徴とする方法。
14.対象に実施態様12の抗体を投与することにより、前記対象を治療することを特徴とする方法。
15.対象に実施態様11の抗体を投与することを含むことを特徴とする前記対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を治療する方法。
16.対象に実施態様12の前記抗体を投与することを含むことを特徴とする対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を治療する方法。
17.少なくとも1つの単離ポリペプチドを含む対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症の存在を検出するためのキットであって、前記ポリペプチドが、
a.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0495、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;
b.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0654、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
c.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1374、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
d.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1795、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
e.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0613、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
f.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG2172、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
g.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1326、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
h.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG1798、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体
i.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0186、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体;および
j.ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)タンパク質PG0616、またはその免疫原性フラグメントもしくは変異体、
よりなる群から選択されることを特徴とする、キット。
18.少なくとも1つの単離ポリペプチドを含む対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症の存在を検出するためのキットであって、前記ポリペプチドが、
a.配列番号1に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
b.配列番号3に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
c.配列番号5に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
d.配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
e.配列番号9に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
f.配列番号11に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
g.配列番号13に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
h.配列番号15に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
i.配列番号17に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;および
j.配列番号19に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
よりなる群から選択されることを特徴とする、キット。
19.対象のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染のリスクを減少させる方法であって、前記対象に実施態様1または2記載の組成物の治療上有効量を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
20.前記対象が、症候性のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を発症する危険性がある、または症候性のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を有することを特徴とする、実施態様4または5記載の方法。
21.前記対象が、症候性のポルフィロモナス・ジンジバリス(P.gingivalis)感染症を有することを特徴とする、実施態様20記載の方法。
【0164】
参考文献
以下の文献の内容は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0165】
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