(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876429
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ケーブル保護具
(51)【国際特許分類】
H02G 7/00 20060101AFI20160218BHJP
【FI】
H02G7/00
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-44954(P2013-44954)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2014-176149(P2014-176149A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】加賀 雄悦
(72)【発明者】
【氏名】家塚 哲生
(72)【発明者】
【氏名】細田 誠
(72)【発明者】
【氏名】高谷 雅昭
【審査官】
木村 励
(56)【参考文献】
【文献】
実開平4−54426(JP,U)
【文献】
特開平9−248118(JP,A)
【文献】
特開2007−202239(JP,A)
【文献】
実公昭9−8127(JP,Y1)
【文献】
特開2007−166926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に布設されたケーブルに位置を固定される基礎部材と、該基礎部材に予め植毛される複数の毛材とを備え、
前記基礎部材は、シート状であり、その一方面に前記毛材が植毛され、前記毛材に絡んむことで当該毛材に張り付く第2の毛材が他方面に植毛され、前記基礎部材を前記一方面を外側にして前記ケーブルに巻き付け、且つ、前記基礎部材を巻き終わりで重複させ、重複する部分の前記毛材と前記第2の毛材を張り合わせることで、前記基礎部材の位置を固定させることを特徴とするケーブル保護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上に布設されたケーブルを保護するケーブル保護具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、
図8に示すように、街路樹付近に布設されるケーブルが、樹木から降りてくる蟻により故障となる事象が頻発している。ケーブルには保護カバーが被せられるが、蟻は隙間から中に入り、ケーブルを齧り、これにより、故障が発生する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「会社概要」、[online]、株式会社 能一産業、[平成25年2月26日検索]、インターネット<URL:http://www.noichi.co.jp/profile.html>
【非特許文献2】「鳥封じ」、[online]、ヨツギ株式会社、[平成25年2月26日検索]、インターネット<URL:http://www.yotsugi.co.jp/news/img/torifuji.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、地上に布設されたケーブルを保護するケーブル保護具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明のケーブル保護具は、地上に布設されたケーブルに位置を固定される基礎部材と、該基礎部材に予め植毛さ
れる複数の毛材とを備え、
前記基礎部材は、シート状であり、その一方面に前記毛材が植毛され、前記毛材に絡んむことで当該毛材に張り付く第2の毛材が他方面に植毛され、前記基礎部材を前記一方面を外側にして前記ケーブルに巻き付け、且つ、前記基礎部材を巻き終わりで重複させ、重複する部分の前記毛材と前記第2の毛材を張り合わせることで、前記基礎部材の位置を固定させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のケーブル保護具によれば、地上に布設されたケーブルを蟻などの被害から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態に係るケーブル保護具の利用形態を示す図である。
【
図3】ケーブル保護具1の中を蟻がどの程度の時間でどの程度進むかを調査するのに用いたケーブル保護具を示す図である。
【
図5】蟻の当初の位置をCとして一定の時間内に蟻が達する位置の確率分布を示す図である。
【
図6】第2の実施の形態に係るケーブル保護具を示す斜視図である。
【
図7】第3の実施の形態に係るケーブル保護具を示す斜視図である。
【
図8】従来における蟻によるケーブルへの被害の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るケーブル保護具の利用形態を示す図である。
【0014】
ケーブル保護具1は、地上に布設されたケーブル2を保護するもので、例えば、ケーブル2における樹木近くの部分に被せられた旧来の保護カバー3の各端部を被うように配置される。
【0015】
樹木から保護カバー3の上に降りた蟻は保護カバー3のない箇所へ移動しようとし、ケーブル保護具1に達するが、ケーブル保護具1により、保護カバー3に被われていないケーブル2の部分への移動が防止される。これにより、蟻はケーブル2を齧れず、ケーブル2を蟻の被害から保護できる。もちろん、ケーブル保護具1により、蟻は保護カバー3の中にも進入できない。
【0016】
なお、地下においては、蟻は土の中などを移動できるので、ケーブル保護具1は、地上のケーブルの保護に適している。
【0017】
図2は、ケーブル保護具1の構成を示す図であり、
図2(a)は側面からの図、
図2(b)は正面からの図である。なお、
図2では保護カバー3の図示は省略する。
【0018】
ケーブル保護具1は、ケーブル2に位置を固定される基礎部材11と、基礎部材11に予め植毛された複数の毛材12とを備える。基礎部材11は、金属の編み線などであり、その端部を除いた中央部に線状の毛材12が植毛される。中央部の毛材12は、基礎部材11から一様に且つ周囲方向に向かうように植毛されており、つまり、容器を洗うブラシのような形状をなしている。中央部、すなわち、ブラシ部の長さは、例えば、200〜300mm程度である。各端部の長さは、例えば、50〜100mm程度である。毛材12の長さは、例えば、30〜50mm程度である。
【0019】
各端部は、ケーブル2に巻き付けられ、これにより、ケーブル2に対する基礎部材11の位置が固定される。なお、ケーブル2にブラシ部を螺旋状に巻き付けて位置固定することも可能である。
【0020】
こうして毛材12は、ケーブル2から一様に且つ周囲方向に向かうように配置される。
【0021】
次に、ケーブル保護具1の作用を説明する。
【0022】
ケーブル保護具1に進入した蟻は、毛材12に遮られ、毛材12のない箇所に移動しようとすると思われるが、毛材12はケーブル2の周囲一様に配置されるので、移動困難であり、よって、ケーブル2の剥き出しの部分(保護カバー3のない部分)への移動が困難となる。
【0023】
また、蟻は、上方向への移動を好む性質を有し、これにより、毛材12の先端方向へ移動する(登る)ことが期待できる。このような作用によっても、移動を困難にする効果がある。
【0024】
図3は、ケーブル保護具1の中を蟻がどの程度の時間でどの程度進むかを調査するのに用いたケーブル保護具を示す図である。
【0025】
ブラシ部の長さは160mmとし、その中央点に蟻を置くこととした。毛材の長さdを変えた2種類のケーブル保護具1を使用した。
【0026】
図4は、上記調査の結果を示す図である。
【0027】
毛材の長さdを30mmとして、5回の調査を行ったが、1回目から4回目までにおいては、蟻は30分以内に端部に達せず、図示の距離だけ移動した。5回目においては、蟻は10分14秒で端部に達した。
【0028】
また、毛材の長さdを50mmとして、5回の調査を行ったが、2回目と3回目においては、蟻は30分以内に端部に達せず、図示の距離だけ移動した。1回目と4回目と5回目においては、蟻は図示の時間(30分以内)を要し端部に達した。
【0029】
よって、ケーブル保護具1は、蟻の移動を防止する効果を有することがわかる。
【0030】
図5に示すように、上記調査における蟻の当初の位置をCとすると、一定の時間内に蟻が達する位置の確率分布は正規分布となる。よって、例えば、蟻の数や種類や季節などにより蟻の移動距離が長くなることが懸念される場合には、単純にブラシ部を長くすれよく、こうして、効果向上が簡単に行える。
【0031】
[第2の実施の形態]
図6は、第2の実施の形態に係るケーブル保護具を示す斜視図である。
【0032】
基礎部材11は、ケーブルを内包可能なチューブであり、毛材12はチューブの外側に植毛される。チューブは、円周方向の1箇所で開き、且つ、開いた部分の各端部が互いに引っかかって閉じるように構成される。よって、ケーブル保護具の取り付けが短時間で容易に行え、設置の自由度を向上できる。また、ケーブルが多少曲がってもケーブル保護具は簡単には外れず、風で揺れるようなケーブルにも設置でき、保護できる。また、ケーブルが内包されるので、ケーブル保護具は、保護カバーの役割を兼ね、ケーブルが木に擦れることも防止できる。
【0033】
なお、開いた部分の各端部を引っかけるのでなく、粘着テープなどによって互いに固定することとしてもよい。
【0034】
[第3の実施の形態]
図7は、第3の実施の形態に係るケーブル保護具を示す斜視図である。
【0035】
基礎部材11は、シート状であり、その一方面に毛材12が植毛され、毛材12に絡んむことで毛材12に張り付く第2の毛材(図示せず。以下、毛材12Aという)が他方面に植毛される。ケーブル保護具は、ベロクロテープやマジックテープと称されるものと同様のものであり、毛材12はモヘヤまたはループ状である。
【0036】
基礎部材11を一方面を外側にしてケーブル(図示せず)に巻き付け、且つ、基礎部材11を巻き終わりで重複させ、重複する部分の毛材12と毛材12Aを互いに張り合わせることで、基礎部材11の位置が固定される。
【0037】
毛材12は、モヘヤまたはループ状であるが、蟻の移動を毛材12で防ぐ作用は同じであり、同様の移動防止効果を得ることができる。
【0038】
また、ケーブル保護具の取り付けが短時間で容易に行え、設置の自由度を向上できる。 また、ケーブルが多少曲がってもケーブル保護具は簡単には外れず、風で揺れるようなケーブルにも設置し、保護できる。また、ケーブルが内包されるので、ケーブル保護具は、保護カバーの役割を兼ね、ケーブルが木に擦れることも防止できる。
【0039】
なお、このようなモヘヤまたはループ状の毛材12を第1の実施の形態や第2の実施の形態のケーブル保護具に使用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…ケーブル保護具
2…ケーブル
3…保護カバー
11…基礎部材
12…毛材