(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記縦壁部を有し当該縦壁部に通気孔を形成したハニカム構造成形体若しくは前記縦壁部を有し当該縦壁部に通気孔を形成した格子状構造成形体として、合成樹脂素材、合成樹脂発泡素材、金属素材、または紙素材のうちのいずれかが用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層板。
前記縦壁部を有し当該縦壁部に通気孔を形成したハニカム構造成形体若しくは前記縦壁部を有し当該縦壁部に通気孔を形成した格子状構造成形体として、プレス抜き成形された合成樹脂素材または合成樹脂発泡素材、射出成形された合成樹脂素材または合成樹脂発泡素材のうちのいずれかが用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層板。
前記補強部材として、金属製の異形押出し成形品、合成樹脂製の異形押出し成形品若しくはプレス成形品のうちの少なくとも1つが用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層板。
前記2枚の板部は、ポリプロピレン樹脂に充填材とガラス長繊維の少なくとも一方を配合した素材で形成されており、2枚の板部は、前記充填材の種類、充填材の配合分量、ガラス長繊維の長さ、ガラス長繊維の配合分量のうちの少なくとも1つが異なっていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の積層板。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、積層板として車両用デッキボードを例示する。
【0012】
図1は、本実施形態にかかる車両用デッキボードを示す側面図、
図2は、車両用デッキボードの断面図、
図3は、裏面側シート素材を下型に真空吸引させた状態を示す断面図、
図4は、一対の金型を型締めして表裏面側シート素材をブロー成形している状態を示す断面図、
図5は、裏面側シート素材上に発泡樹脂とリインフォースを配置した状態を示す平面図である。
【0013】
本実施形態にかかる車両用デッキボード(積層板)1は、自動車2のラゲッジルーム3の床4に配されており、ラゲッジルーム3の床4を覆っている。そして、この車両用デッキボード1は、車両前後方向前方の端部に設けられた回動軸(図示せず)を中心に全体を上方へ回動させることで、床4の下側の荷室8内の荷物の出し入れを行うことができるようになっている。なお、ラゲッジルーム3は、ラゲッジルーム3の前壁としての後席9、後壁としてのバックドア10および上壁としてのルーフパネル11によって仕切られている。
【0014】
車両用デッキボード1は、熱可塑性樹脂製の表面側シート(板部)12aと、熱可塑性樹脂製の裏面側シート(板部)12bと、これら表面側シート12aおよび裏面側シート12bとの間に介在して、当該表面側シート12aおよび裏面側シート12bを支持するポリプロピレン製の板状の発泡樹脂(嵩上げ架橋材:熱可塑性樹脂発泡成形体)13と、表面側シート12aおよび裏面側シート12bとの間に介在して、車両用デッキボード1の剛性を高めるアルミニウム製の断面略H状のリインフォース(補強部材:金属製の異形押出し成形品)20と、を備えている。
【0015】
本実施形態では、表面側シート12aおよび裏面側シート12bとして、ポリプロピレンにフィラー(充填材とガラス長繊維の少なくとも一方)を配合したフィラー強化ポリプロピレンがそれぞれ用いられており、それぞれの板厚が同一になっている。さらに、本実施形態では、表面側シート12aおよび裏面側シート12bとして、フィラーの配合比率が同一のものを用いている。なお、フィラーとしては、シリカ、炭酸カルシウム、木質粉体、炭素繊維、ガラス長繊維等種々のものを用いることができる。
【0016】
そして、発泡樹脂13およびリインフォース20を間に介在させた状態で、表面側シート12aおよび裏面側シート12bの端部6,7同士を溶着させることで、嵩上げ架橋材入り中空成形体(嵩上げ架橋材入り中空積層板)12が形成されている。
【0017】
また、表面側シート12aの表面(外面)側は、不織布(被覆材)14で被覆されている。すなわち、表面側シート12aの表面に、不織布(被覆材)14で覆われた被覆部25が形成されている。なお、被覆部は、裏面側シート12bの裏面(外面)側に設けてもよいし、表裏面側シート12a,12bそれぞれに設けてもよい。また、被覆部を設けなくてもよい。そして、被覆材としてオレフィン系樹脂、プラスチック製段ボール、ハードボードなど様々なものを用いることができる。
【0018】
さらに、本実施形態では、表面側シート12aおよび裏面側シート12bの端部6,7同士を溶着させる際に、段部12cを形成するとともに、当該段部12cに不織布14の端部14aを溶着させて端部14aに作業者や乗員等が触れるなどして、当該端部14aがめくれてしまわないようにしている。
【0019】
また、車両用デッキボード1には、車両前後方向両端部と中央部にリインフォース20が車幅方向に沿って配置されるとともに、リインフォース20,20の間には、発泡樹脂13がそれぞれ配置されている。すなわち、
図2に示すように、発泡樹脂13とリインフォース20とが、車両前後方向に交互に配置されている。
【0020】
次に、車両用デッキボード1の成形方法について説明する。
【0021】
(第1の工程)
まず、予め所定の厚さに均一に成形してある熱可塑性樹脂製の表面側シート素材(他方の熱可塑性樹脂板)15と裏面側シート素材(一方の熱可塑性樹脂板)16とを加熱軟化させる。
【0022】
(第2の工程)
次に、裏面側シート素材(一方の熱可塑性樹脂板)16を、下型(下方の金型)21の上方に配置させる。この下型21には、裏面側シート素材(一方の熱可塑性樹脂板)16を真空賦形するための真空吸引孔18が多数形成されている。そして、裏面側シート素材16を、下型21に真空吸引させながら下型21の内面21aの形状に真空賦形させる。なお、下型21と裏面側シート素材(一方の熱可塑性樹脂板)16との間に不織布等の一方側被覆素材を介在させるようにしてもよい。
【0023】
(第3の工程)
次に、下型21の内面21aの形状に真空賦形させた裏面側シート素材16の上方の所定位置に、発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13およびリインフォース(補強部材)20を配置する。
【0024】
また、本実施形態では、発泡樹脂13は、
図5に示すように、車幅方向両端を前後方向にそれぞれ突出させた形状、すなわち、平面視で略I状をしているとともに、リインフォース20は、平面視で、車幅方向に長い長方形状をしている。本実施形態では、発泡樹脂13を、前後に2つ並べるとともに、これら2つの発泡樹脂13,13の両端および中間部にリインフォース20が配置させている。このとき、発泡樹脂13は、リインフォース20の車幅方向両端の少なくとも一部を覆うように配置されている。さらに、本実施形態では、発泡樹脂13とリインフォース20との間に隙間が形成されるように、発泡樹脂13とリインフォース20とを配置させている。このように、発泡樹脂13とリインフォース20との間に隙間が形成されていても、成形時に裏面側シート素材16および表面側シート素材15が熱収縮することにより、発泡樹脂13とリインフォース20とが当接し、リインフォース20が移動したりバタついたりして異音が発生してしまうのを抑制することができる。
【0025】
なお、発泡樹脂を、その輪郭形状が車両用デッキボード1の輪郭形状に沿うように形成したものを、嵩上げ架橋材として用いてもよい。そして、かかる発泡樹脂を用いる際に、車両用デッキボード1をリインフォース20で補強する必要がある場合には、発泡樹脂のリインフォース20が配置される部位を切り欠いたり、当該部位に溝部や貫通孔を設けたりするのが好適である。
【0026】
また、発泡樹脂として様々な形状のものを採用することができる。例えば、車両用デッキボード1の一部分(例えば前方側半分)のみに発泡樹脂を配置させて、その他(例えば後方側半分)には中空部が設けられるようにしてもよい。
【0027】
(第4の工程)
次に、裏面側シート素材16の上方に配置した発泡樹脂13およびリインフォース20の上方(発泡樹脂13およびリインフォース20の上面)に表面側シート素材(他方の熱可塑性樹脂板)15を配置する。すなわち、裏面側シート素材16と表面側シート素材15との間に、発泡樹脂13およびリインフォース20を介在させている。このとき、表面側シート素材15の上方には、上型(他方の金型)22が配置されることとなる。この上型22にも、表面側シート素材(他方の熱可塑性樹脂素材)15を真空賦形するための真空吸引孔18が多数形成されている。なお、裏面側シート素材16と表面側シート素材15との間に、発泡樹脂13を介在させた後に、表面側シート素材15の上方に上型22を配置するようにしてもよい。
【0028】
そして、不織布素材(他方側被覆素材)17を、表面側シート素材15と上型22との間に介在するように配置する。
【0029】
(第5の工程)
次に、上型22および下型21をそれぞれ真空吸引させながら型締めすることで、発泡樹脂13およびリインフォース20の上方に配置した不織布素材17および表面側シート素材15を上型22に真空吸引させながら上型22の内面22aの形状に真空賦形させる。同時に、上型22と下型21との間に配置した表面側シート素材15および裏面側シート素材16と、これら表面側シート素材15と裏面側シート素材16との間に介在するように配置した発泡樹脂13およびリインフォース20と、を溶着固定し、かつ表面側シート素材15および裏面側シート素材16の周縁部同士を溶着しながら、上型22に設けられた切断刃22bによって当該溶着した周縁部の外周を切り離し、嵩上げ架橋材入り積層部材26を形成する。さらに、本実施形態では、裏面側シート素材16および表面側シート素材15の溶着部に不織布素材17の周縁部も溶着させると同時に上型22に設けられた切断刃22bによって不織布素材17の周縁部外周も切り離される。
【0030】
なお、このとき、不織布素材17は、いわゆるアンカー効果により表面側シート素材15の表面に貼り合わされる。
【0031】
(第6の工程)
そして、型締めした上下型(一対の金型)22,21内を真空吸引しながら、すなわち、裏面側シート素材16および表面側シート素材15を下型21および上型22にそれぞれ真空吸引させながら、上型22および下型21の型締めにより溶着させた嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部にエアブローピン23を挿入して、当該嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形することで嵩上げ架橋材入り中空成形体(嵩上げ架橋材入り中空積層板)12が形成される。
【0032】
(第7の工程)
最後に、形成された嵩上げ架橋材入り中空成形体12を上型22と下型21との間で予備冷却して上下型22,21から取り出す。さらに、取り出された嵩上げ架橋材入り中空成形体12を矯正治具等で固定した状態で強制冷却すれば、熱収縮を停止させて歪みが発生してしまうのを抑制することが可能である。
【0033】
こうして、車両用デッキボード1が形成される。
【0034】
なお、裏面側シート素材16を上型22に真空吸引させるとともに、表面側シート素材15を下型21に真空吸引させるようにしてもよい。
【0035】
以上の本実施形態によれば、予め均一の厚さに成形された裏面側シート素材16および表面側シート素材15を水平方向に配置した状態で下型21および上型22にそれぞれ真空吸引させながら、裏面側シート素材16の周縁部と表面側シート素材15の周縁部とを溶着して形成した嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形することで、車両用デッキボード1の形状をより正確に下型21および上型22の内面21a,22aの形状に合わせることができる。また、裏面側シート素材16および表面側シート素材15を予め均一の厚さに成形し、それらを水平方向に配置した状態で車両用デッキボード1を成形しているため、車両用デッキボード1の表裏面の部位によってシートの厚さが偏ってしまうのを抑制することができ、シートの厚さが偏ることに起因した歪みが生じてしまったり、車両用デッキボード1の表面や裏面が局部的に凹んだりしてしまうのを抑制することができる。このように、金型内面の形状をより良好に再現できるようになると、車両用デッキボード1の表裏面をともにフラット状に成形することも可能となり、リバーシブル仕様の車両用デッキボード1を得ることが可能になる。 また、本実施形態によれば、裏面側シート素材16と表面側シート素材15との間に、発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13を介在させることにより、裏面側シート素材16と表面側シート素材15とを発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13によって支持させることができ、車両用デッキボード1の剛性を高めることができるとともに、車両用デッキボード1成形時に、当該車両用デッキボード1が局部的に凹んでしまうのをより一層抑制することができる。さらに、発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13を介在させない場合と比べ裏面側シート素材16および表面側シート素材15の肉厚を薄くすることができるため、発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13を介在させた分、車両用デッキボード1の重量が増加してしまったとしても、裏面側シート素材16および表面側シート素材15の肉厚を薄くして軽量化させた分、車両用デッキボード1の重量増加を抑制することができる。このとき、発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13の構成を適宜設計すれば、車両用デッキボードを従来よりも軽量化させることも可能である。
【0036】
さらに、本実施形態によれば、発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13とともにリインフォース(補強部材)20を裏面側シート素材16と表面側シート素材15との間に介在させているため、車両用デッキボード1の剛性をより一層高めることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、上型22と表面側シート素材15との間に不織布素材17を介在させることで、車両用デッキボード1の表面を不織布素材17で覆うことができ、車両用デッキボード1の意匠性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、車両用デッキボード1は、剛性の高い発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13を用いて、表面側シート12aおよび裏面側シート12bとを発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13によって支持させた構造をしているため、車両用デッキボード1の剛性を高めることができるとともに、車両用デッキボード1が局部的に凹んでしまうのを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、車両用デッキボード1は、表面側シート12aと裏面側シート12bとの間にリインフォース(補強部材)20を介在させた構造をしているため、車両用デッキボード1の剛性をより一層高めることができる。
【0040】
さらに、本実施形態によれば、平面視で略I状の発泡樹脂(嵩上げ架橋材)13を用い、発泡樹脂13の突出部が、リインフォース20の長手方向の両端側の少なくとも一部分を覆うように配置しているため、車両用デッキボード1の内部でリインフォース20が移動したり、バタついたりして異音が発生するのを抑制することができる。加えてリインフォース20の長手方向の両端部分が発泡樹脂13で完全に囲まれてしまわないため、嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形する際に、リインフォース20の周囲にも圧縮空気が行き渡らせることができ、車両用デッキボード1に部分的な成形不良が発生してしまうのを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、車両用デッキボード1は、表面側シート12aの表面が不織布14で被覆された被覆部が形成された構造をしているため、車両用デッキボード1の意匠性を向上させることができる。
【0042】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0043】
(第1変形例)
図6は、本実施形態の第1変形例にかかる裏面側シート素材上に格子状構造成形体とリインフォースを配置した状態を示す平面図、
図7は、格子状構造成形体の斜視図、
図8は、車両用デッキボードの断面図である。なお、本変形例は、上記第1実施形態と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【0044】
本変形例にかかる車両用デッキボード1Aでは、上記実施形態の発泡樹脂13の替わりに、
図7に示すような縦壁部27aを有する格子状構造成形体27を嵩上げ架橋材として用いている。この格子状構造成形体27は、平面視で略I状をしており、格子状構造成形体27の各縦壁部27aには、格子状に仕切られた各部屋を連通するように通気孔27bが形成されている。
【0045】
そして、本実施形態では、ポリプロピレン樹脂(合成樹脂素材)にフィラーを配合したフィラー強化ポリプロピレンを用いて格子状構造成形体27を形成している。なお、その他の合成樹脂素材、合成樹脂発泡素材、金属素材、または紙素材を用いて格子状構造成形体を形成することも可能である。
【0046】
また、この格子状構造成形体27は、プレス抜き成形や射出成形することで形成されるものである。
【0047】
そして、上記第1実施形態と同様に、格子状構造成形体27とリインフォース20とを、
図6に示すように交互に配置し、表面側シート素材15と裏面側シート素材16との間に介在させるとともに、表面側シート素材15の上方に不織布素材(他方側被覆素材)17を配置させた状態で、表面側シート素材15および不織布素材17と裏面側シート素材16とを、上型22と下型21とにそれぞれ真空吸引させながら型締めし、型締めにより形成された嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形することで、
図8に示すような嵩上げ架橋材入り中空成形体(嵩上げ架橋材入り中空積層板)12Aが形成されている。
【0048】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、本変形例によれば、合成樹脂素材で成形された格子状構造成形体27を嵩上げ架橋材として用いることで、車両用デッキボード1Aの剛性を高めることができるとともに車両用デッキボード1Aの軽量化を図ることができる。なお、その他の合成樹脂素材、合成樹脂発泡素材、金属素材、または紙素材等を用いて格子状構造成形体を成形しても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0050】
さらに、格子状構造成形体27の縦壁部27aに通気孔を形成することにより、嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入した際に、格子状構造成形体27の縦壁部27aで囲まれた各室内にも圧縮空気が行き渡り、車両用デッキボード1Aに部分的な成形不良が発生してしまうのを抑制することができる。
【0051】
また、本変形例によれば、合成樹脂素材をプレス抜き成形や射出成形することにより、縦壁部27aを有し当該縦壁部27aに通気孔27bを形成した格子状構造成形体27を容易に成形することができる。
【0052】
(第2変形例)
図9は、本実施形態の第2変形例にかかる裏面側シート素材上にハニカム構造成形体とリインフォースを配置した状態を示す平面図、
図10は、ハニカム構造成形体の斜視図、
図11は、車両用デッキボードの断面図である。なお、本変形例は、上記第1実施形態と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【0053】
本変形例にかかる車両用デッキボード1Bでは、上記実施形態の発泡樹脂13の替わりに、
図10に示すような縦壁部28aを有する六角形状のハニカム構造成形体28を嵩上げ架橋材として用いている。このハニカム構造成形体28は、平面視で略I状をしており、ハニカム構造成形体28の各縦壁部28aには、六角形状に仕切られた各部屋を連通するように通気孔28bが形成されている。なお、ハニカム構造は六角形状のものに限られるものではなく、八角形状のもの等を用いることも可能である。
【0054】
そして、本実施形態では、上記第1変形例と同様、ポリプロピレン樹脂(合成樹脂素材)にフィラーを配合したフィラー強化ポリプロピレンを用いてハニカム構造成形体28を形成している。なお、その他の合成樹脂素材、合成樹脂発泡素材、金属素材、または紙素材を用いてハニカム構造成形体を形成することも可能である。
【0055】
また、このハニカム構造成形体28は、プレス抜き成形や射出成形することで形成されるものである。
【0056】
そして、上記第1実施形態と同様に、ハニカム構造成形体28とリインフォース20とを、
図9に示すように交互に配置し、表面側シート素材15と裏面側シート素材16との間に介在させるとともに、表面側シート素材15の上方に不織布素材(他方側被覆素材)17を配置させた状態で、表面側シート素材15および不織布素材17と裏面側シート素材16とを、上型22と下型21とにそれぞれ真空吸引させながら型締めし、型締めにより形成された嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形することで、
図11に示すような嵩上げ架橋材入り中空成形体(嵩上げ架橋材入り中空積層板)12Bが形成されている。
【0057】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態および第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0058】
(第3変形例)
図12は、本実施形態の第3変形例にかかる裏面側シート素材上にエンボス形状成形体とリインフォースを配置した状態を示す平面図、
図13は、エンボス形状成形体の斜視図、
図14は、車両用デッキボードの断面図である。なお、本変形例は、上記第1実施形態と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【0059】
本変形例にかかる車両用デッキボード1Cでは、上記実施形態の発泡樹脂13の替わりに、
図13に示すような縦壁部29aを有するエンボス形状成形体29すなわち、円柱状のエンボスを有する断面凹凸形状のエンボス形状成形体29を嵩上げ架橋材として用いている。このエンボス形状成形体29は、平面視で略I状をしている。
【0060】
そして、本実施形態では、上記第1変形例と同様、ポリプロピレン樹脂(合成樹脂素材)にフィラーを配合したフィラー強化ポリプロピレンを用いてエンボス形状成形体29を形成している。なお、その他の合成樹脂素材、合成樹脂発泡素材または金属素材を用いてエンボス形状成形体を形成することも可能である。
【0061】
そして、上記第1実施形態と同様に、エンボス形状成形体29とリインフォース20とを、
図12に示すように交互に配置し、表面側シート素材15と裏面側シート素材16との間に介在させるとともに、表面側シート素材15の上方に不織布素材(他方側被覆素材)17を配置させた状態で、表面側シート素材15および不織布素材17と裏面側シート素材16とを、上型22と下型21とにそれぞれ真空吸引させながら型締めし、型締めにより形成された嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形することで、
図14に示すような嵩上げ架橋材入り中空成形体(嵩上げ架橋材入り中空積層板)12Cが形成されている。
【0062】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、本変形例によれば、嵩上げ架橋材として従来から建築用断熱パネルや自動車内装部品として利用されている合成樹脂素材で成形されたエンボス形状成形体29を利用することで、車両用デッキボード1Cの剛性を高めることができるとともに車両用デッキボード1Cの厚さを従来よりも薄くすることができ、車両用デッキボード1Cの軽量化を図ることができる。なお、その他の合成樹脂素材、合成樹脂発泡素材または金属素材を用いてエンボス形状成形体を成形しても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、本変形例のように、エンボス形状成形体29を用いれば、上記第1および第2変形例のように、圧縮空気を行き渡らせるための通気孔を設けなくても、圧縮空気を嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に行き渡らせることができる。
【0065】
(第4変形例)
図15は、本実施形態の第4変形例にかかる車両用デッキボードの断面図である。なお、本変形例は、上記第1実施形態と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【0066】
本変形例にかかる車両用デッキボード1Dでは、上記実施形態の発泡樹脂13の替わりに、ポリプロピレン製の板状の発泡樹脂(合成樹脂発泡シート)13Dの上下に2枚の金属板30,30を積層した成形体(上下2枚の金属板の間に合成樹脂シートまたは合成樹脂発泡シートを積層した成形体)を嵩上げ架橋材として用いている。なお、ポリプロピレン製の発泡樹脂の替わりに、その他の合成樹脂発泡シートまたは合成樹脂シートを用いることも可能である。
【0067】
また、本変形例では、リインフォース20は用いられていない。
【0068】
そして、発泡樹脂13Dの上下に2枚の金属板30,30を積層した成形体を、表面側シート素材15と裏面側シート素材16との間に介在させるとともに、上記第1実施形態と同様に、表面側シート素材15の上方に不織布素材(他方側被覆素材)17を配置させた状態で、表面側シート素材15および不織布素材17と裏面側シート素材16とを、上型22と下型21とにそれぞれ真空吸引させながら型締めし、型締めにより形成された嵩上げ架橋材入り積層部材26の内部に圧縮空気を注入してブロー成形することで、
図15に示すような嵩上げ架橋材入り中空成形体(嵩上げ架橋材入り中空積層板)12Dが形成されている。
【0069】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、本変形例によれば、発泡樹脂13Dの上下に2枚の金属板30,30を積層した成形体を用いているため、補強部材を用いなくても車両用デッキボード1Dの剛性を高めることができる。なお、その他の合成樹脂発泡シートまたは合成樹脂シートを用いても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態および第1〜第4変形例では、嵩上げ架橋材として熱可塑性樹脂発泡成形体、上下2枚の金属板の間に合成樹脂シートまたは合成樹脂発泡シートを積層した成形体、縦壁部を有するエンボス形状成形体、縦壁部を有し当該縦壁部に通気孔を形成したハニカム構造成形体、縦壁部を有し当該縦壁部に通気孔を形成した格子状構造成形体を例示したが、チップウレタン樹脂成形体、チップフェルト成形体、ダンボール成形体等を用いても本発明を実施することができる。なお、ダンボール成形体を用いる際には、耐熱性を有するものを用いるのが好適である。
【0073】
また、上記実施形態および第1〜第4変形例では、2枚の板部の厚さが同一のものを用いているが、2枚の板部の厚さをそれぞれ異ならせるようにしてもよい。
【0074】
こうすれば、2枚の板部の強度を必要に応じて変更でき、例えば表面側の強度は必要であるが、裏面側にはそれほど強度を要求されない場合に、裏面側に使用する板部を薄くでき、軽量化することができる。
【0075】
また、上記実施形態および第1〜第4変形例では、2枚の板部として、ポリプロピレンに配合される充填材の配合分量が同一のものを用いたが、2枚の板部として、充填材とガラス長繊維の種類または充填材とガラス長繊維の配合分量がそれぞれ異なるものを用いてもよい。
【0076】
こうすれば、耐熱性や耐衝撃性を高めることができる。また、2枚の板部をより薄くすることができるようになり、中空積層板の軽量化を図ることができる。さらに、ポリプロピレン樹脂に充填材とガラス長繊維の少なくとも一方を配合することにより、中空積層板の成形時に起きるポリプロピレン樹脂の収縮を小さくすることができるようになり、中空積層板の歪みなどの変形を抑制することができる。
【0077】
また、補強部材の断面はH状に限定されず、真円、楕円、四角形などでも良い。そして、補強部材は、金属製の異形押出し成形品だけでなく、合成樹脂製の異形押出し成形品若しくはプレス成形品を用いることも可能である。
【0078】
また、上記第1および第2変形例では、通気孔を縦壁部の中央部に設けているが、通気孔の設置位置はこれに限定されるものではなく、様々な位置に設けることができる。例えば、縦壁部の上端部の一部をスリット状に切り欠いて通気孔を形成するようにしてもよい。
【0079】
また、上記第3変形例のエンボス形状成形体として、厚さが3mm〜12mmのものを用いるのが好適である。
【0080】
こうすれば、車両用デッキボードのさらなる軽量化を図ることができる。
【0081】
また、上記実施形態および変形例では、1枚の板状の車両用デッキボードを例示したが、例えば、一対の金型を用い、車両用デッキボードを形成する際に予め金型に設けられた押圧部材にて、2枚の熱可塑性樹脂素材を押圧することで熱溶着してヒンジ部を形成する等して、複数枚のボードをヒンジ部を介して一体的に連設させた車両用デッキボードを用いても本発明を実施することができる。
【0082】
なお、上記実施形態では、積層板として車両用デッキボードを例示したが、他の車両用や建築用の内装材や外装材を用いても本発明を実施できる。