特許第5876467号(P5876467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876467
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ポリマー界面活性剤
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/08 20060101AFI20160218BHJP
   C08B 37/00 20060101ALI20160218BHJP
   B01F 17/44 20060101ALI20160218BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   C07H15/08CSP
   C08B37/00 G
   B01F17/44
   C11D1/74
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-500168(P2013-500168)
(86)(22)【出願日】2011年3月16日
(65)【公表番号】特表2013-525272(P2013-525272A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2011028601
(87)【国際公開番号】WO2011116049
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2014年2月19日
(31)【優先権主張番号】61/282,689
(32)【優先日】2010年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508276992
【氏名又は名称】クローダ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(72)【発明者】
【氏名】シン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン マーク チャンドラー
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−018898(JP,A)
【文献】 特開2005−041819(JP,A)
【文献】 特開2000−210504(JP,A)
【文献】 特開平06−340598(JP,A)
【文献】 特開平11−012125(JP,A)
【文献】 特開昭49−108012(JP,A)
【文献】 特開平08−245527(JP,A)
【文献】 特表2003−500368(JP,A)
【文献】 特表2000−502743(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/059042(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 15/08
B01F 17/44
C08B 37/00
C11D 1/74
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I):
[(AO)−A−OR] (I)
式中、
は、〜Cの直鎖を有し、少なくともm個の活性水素原子を有する基の残基であり、mは4〜8の範囲である;
AOは、アルキレンオキシド残基である;
それぞれのnは、独立して0〜100であり、添え字nの合計、すなわち、n×mは、20〜100である;そして
それぞれのRは、独立してHまたはアシル基COR、それぞれのRは、独立してポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基、ヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基および/またはヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーの残基であり、該ポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸中のヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸単位の数は、平均で2〜10の範囲であり、平均で少なくとも2つのRは、アシル基である、
で表される化合物。
【請求項2】
が、少なくとも個の遊離のヒドロキシルおよび/またはアミノ基を有する基の残基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、糖の残基である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
3000〜8000の分子量を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
1.3〜15のHLBを有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物の、油中水乳化剤、湿潤剤、水中油乳化剤、洗剤、分散剤および/または可溶化剤としての使用方法。
【請求項7】
下記の式(I):
[(AO)−A−OR] (I)
式中、
は、〜Cの直鎖を有し、少なくともm個の活性水素原子を有する基の残基であり、mは4〜8の範囲である;
AOは、アルキレンオキシド残基である;
それぞれのnは、独立して0〜100であり、添え字nの合計、すなわち、n×mは、20〜100である;そして
それぞれのRは、独立してHまたはアシル基COR、それぞれのRは、独立してポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基、ヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基および/またはヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーの残基であり、該ポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸中のヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸単位の数は、平均で2〜10の範囲であり、平均で少なくとも2つのRは、アシル基である、
で表される化合物の製造方法であって、基Rを、アルキレンオキシドと反応させ、次いで、該反応のアルコキシル化された生成物を、ポリヒドロキシアルキルもしくはアルケニルカルボン酸および/またはヒドロキシアルキルもしくはアルケニルカルボン酸でエステル化することを含む、方法。
【請求項8】
前記アルコキシル化された生成品の、ポリヒドロキシアルキルもしくはアルケニルカルボン酸および/またはヒドロキシアルキルもしくはアルケニルカルボン酸に対するモル比が、1:2〜1:40の範囲である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
下記の式(I):
[(AO)−A−OR] (I)
式中、
は、〜Cの直鎖を有し、少なくともm個の活性水素原子を有する基の残基であり、mは4〜8の範囲である;
AOは、アルキレンオキシド残基である;
それぞれのnは、独立して0〜100であり、添え字nの合計、すなわち、n×mは、20〜100である;そして
それぞれのRは、独立してHまたはアシル基COR、それぞれのRは、独立してポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基、ヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基および/またはヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーの残基であり、該ポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸中のヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸単位の数は、平均で2〜10の範囲であり、平均で少なくとも2つのRは、アシル基である、
を有する界面活性剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2010年3月17日に出願された米国特許仮出願第61/282,689号からの優先権の利益を主張するものである。前記の関連出願を参照することにより本明細書の内容とする。
【0002】
本発明は、星型ポリマーから誘導された新規な液体ポリマー界面活性剤、およびそれらの乳化剤および/または分散剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー界面活性剤は、特に油中水エマルジョン、水中油エマルジョンおよび分散液において、オイルと水の界面を安定させるために用いられることが知られている。そのような界面活性剤としては、А−B−Aブロック共重合体界面活性剤が挙げられ、ここではAブロックはポリエステルブロックであり、特にヒドロキシル脂肪酸、例えばヒドロキシステアリン酸、のポリエステルであり、ポリヒドロキシステアレート(PHS)ブロックを与え、そしてBブロックはポリアルキレングリコールブロック、特にはポリエチレングリコール(PEG)ブロックである。そのようなポリマーブロック界面活性剤が、欧州特許第0000424号明細書中に記載されており、そして逆エマルジョンアクリルアミド重合において用いられたエマルジョンを安定させるためのその使用が、英国特許第2157744号明細書および米国特許第4776966号明細書中に記載されている。これらの界面活性剤の分子は、油中水分散液およびエマルジョンを安定させるのに、これらを特に有用とさせる形状を有している。オイル/水界面では、この分子は、親水性のPEGブロックが水相中に、そして2つの疎水性のPHSブロックが油相中にあるように、存在していると信じられる。この配置は、界面において良好な充填を与え、そしてこれらの材料の有効性に寄与していると信じられる。これらの界面活性剤は、工業的な用途に用いられてきている。より最近では、これらの界面活性剤は、油中水分散液およびエマルジョンを安定化させるために、パーソナルケア用途に用いられてきており、製造プロセスが、キシレンを溶媒として用いないように変化した。最終製品界面活性剤中の残留キシレンの存在の可能性が、皮膚に接触する用途における界面活性剤の使用をこれまでは排除してきた。例えば、国際公開第98/55088号には、分散剤および/または乳化剤として、式A−B−Aのブロック共重合体界面活性剤を含む、油中親水性物質エマルジョンもしくは分散液である、または、を含むパーソナルケア組成物が記載されている。
【0004】
上記の工業的およびパーソナルケア用途の多くでは、PEGブロックの分子量は、1000超である必要がある。そのような場合には、ポリマー界面活性剤は、典型的にはろう状の固体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ろう状の固体は、非常に効果的な乳化剤および/または分散剤であるが、同じ性質を有する液体ポリマー界面活性剤が、より望ましい。このような液体ポリマー界面活性剤は、取扱いおよび処理がより容易である。パーソナルケア製剤中の揮発性および/または熱感受性の成分、例えば香料にとっては、冷間加工が有利である。更に、冷間加工は、実施するのがより容易であり、より経済的であり、そしてエネルギー効率がよい。
【0006】
典型的には、A−B−Aポリマー界面活性剤のAブロックは、ステアリン酸が末端をなす鎖であったPHSの残基である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
我々は、ここに驚くべきことに、液体であり、かつ効果的な乳化剤および/または分散剤である、星型ポリマーから誘導された新規なポリマー界面活性剤を見出した。
【発明を実施するための形態】
【0008】
従って、本発明は、下記の式(I)の化合物を提供する。
[(AO)−A−OR] (I)
式中、
は、少なくともm個の活性水素原子を有する基の残基であり、mは少なくとも2である;
AOは、アルキレンオキシド残基である;
それぞれのnは、独立して0〜100である;そして
それぞれのRは、独立してHまたはアシル基COR、ここでそれぞれのRは、独立してポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基、ヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基および/またはヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーの残基であり、平均して少なくとも2つのRは、アシル基である。
【0009】
また、本発明は、ここで規定した式(I)の化合物の形成方法を提供し、それは、ポリヒドロキシアルキル酸および/またはヒドロキシアルキル酸をアルコキシル化されたR基と反応することを含んでいる。
【0010】
本発明の化合物は、少なくとも名目上は、基Rから構成されており、Rは、この化合物の「コア基」であると考えることができる。このコア基は、好ましくはヒドロキシルおよび/またはアミノ基中に存在する、そしてより好ましくはヒドロキシル基のみの中に存在する、少なくともm個の活性水素原子を含む化合物の残基(m個の活性水素原子の除去の後)である。好ましくは、コア基は、置換されたヒドロカルビル基、特にはC〜C30の置換されたヒドロカルビル化合物の残基である。
【0011】
コア基の例としては、以下の化合物の、m個の活性水素原子の除去後の残基が挙げられる:
1)グリセロールおよびポリグリセロール、特にジグリセロールおよびトリグリセロール、それらの部分エステル、またはいずれかの複数のヒドロキシル基を含むトリグリセリド、例えばひまし油;
2)トリおよび更に高級なポリメチロールアルカン、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール、およびそれらの部分エステル;
3)糖、特には非還元糖、例えばソルビトール、マンニトール、およびラクチトール、糖のエーテル化誘導体、例えばソルビタン(ソルビトールの環式デヒドロ−エーテル)、糖の部分的アルキルアセタール、例えばメチルグルコースおよびアルキル(ポリ)サッカリド、および他の糖のオリゴマー/ポリマー、例えばデキストリン、糖の部分エステル化誘導体、例えば、脂肪酸エステル、例えばラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸およびベヘン酸のエステル、ソルビタンのエステル、ソルビトール、およびスクロース、アミノサッカリド、例えば、N−アルキルグルカミンおよびそれらのそれぞれのN−アルキル−N−アルケノイルグルカミド;
4)ポリヒドロキシカルボン酸、特にはクエン酸および酒石酸;
5)アミン、例えばジ−および多官能性アミン、特にはアルキルアミン、例えばアルキルジアミン、例えばエチレンジアミン(1,2−ジアミノエタン);
6)アミノ−アルコール、特にはエタノールアミン、2−アミノエタノール、ジ−エタノールアミンおよびトリエタノールアミン;
7)カルボン酸アミド、例えば尿素、マロンアミドおよびスクシンアミド;ならびに
8)アミドカルボン酸、例えばスクシナミン酸。
【0012】
好ましいRコア基は、少なくとも3個、より好ましくは4〜10個、更に好ましくは5〜8個の範囲、そして特には6個の遊離のヒドロキシルおよび/またはアミノ基を有する基の残基である。このR基は、好ましくは直鎖のC〜C、より好ましくはCの鎖を有している。ヒドロキシルまたはアミノ基は、好ましくは主鎖の炭素原子に直接に結合している。ヒドロキシル基が好ましい。Rは、好ましくは、開鎖テトラトール、ペンチトール、ヘキシトール、もしくはヘプチトール基、または無水物、例えばシクロエーテルアンヒドロ、これらの基の誘導体、の残基である。特に好ましい態様では、Rは、糖、より好ましくは単糖、例えばグルコース、フルクトース、もしくはソルビトール、二糖、例えばマルトース、パリトース、ラクチトールもしくはラクトースまたはより高級なオリゴ糖の残基、またはそれらから誘導された残基である。Rは、好ましくは単糖、より好ましくはグルコース、フルクトースまたはソルビトール、そして特にはソルビトールの残基である。
【0013】
基の開鎖形態が好ましいが、しかしながら内部環状エーテル官能性を含む基を、用いることができ、そして合成経路で、この基が比較的に高温または他の条件に暴露されて、それが、そのような環化を促進する場合には、偶発的に得られる可能性がある。
【0014】
添え字mは、Rコア基の官能価の尺度であり、そしてアルコキシル化反応で、コア基がそれから誘導される分子中の幾つか、もしくは全ての活性水素原子(アルコキシル化基に対するコア基のモル比に応じて)を置換する。特定の位置における反応を、立体障害または好適な保護によって制限もしくは防止することができる。結果として得られる化合物中のポリアルキレンオキシド鎖の末端のヒドロキシル基は、次いで上記で規定したアシル化合物との反応に利用可能である。添え字mは、好ましくは少なくとも3、より好ましくは4〜10、更に好ましくは5〜8、そして特には5〜6の範囲である。混合物を用いてもよく、そして通常は混合物が用いられ、そして従ってmは、平均値であり、そして整数でなくともよい。
【0015】
基Rは、(ポリ)アルキレンオキシド鎖の「末端基」である。末端基は、水素またはアシル基CORであり、ここでそれぞれのRは、独立してポリヒドロキシアルキルもしくはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基、ヒドロキシアルキルカルボン酸もしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸の残基および/またはヒドロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーの残基である。
【0016】
ヒドロキシルアルキルおよびヒドロキシアルケニルカルボン酸は、式HO−X−COOHで表され、ここでXは、二価の飽和もしくは不飽和、好ましくは飽和の、脂肪族基であり、少なくとも8個の炭素原子そして20個以下の炭素原子、典型的には11〜17個の炭素を含んでおり、この中で、少なくとも4個の炭素原子が、ヒドロキシル基とカルボン酸基の間に直接に存在している。
【0017】
望ましくは、ヒドロキシアルキルカルボン酸は、12−ヒドロキシステアリン酸である。実際に、そのようなヒドロキシアルキルカルボン酸は、ヒドロキシル酸と対応する非置換脂肪酸との混合物として商業的に入手可能である。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸は、典型的には、C18不飽和ヒドロキシル酸と非置換の脂肪酸(オレイン酸およびリノール酸)を含むひまし油脂肪酸の水素化によって製造され、これは水素化によって、12−ヒドロキシステアリン酸とステアリン酸との混合物を与える。商業的に入手可能な12−ヒドロキシステアリン酸は、典型的には約5〜8%の不飽和ステアリン酸を含んでいる。
【0018】
ポリヒドロキシアルキルまたはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸は、上記のヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアルケニルカルボン酸を重合することによって作られる。対応する非置換脂肪酸の存在は、停止剤として作用し、そして従って、このポリマーの鎖長を制限する。望ましくは、ヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアルケニル単位の数は、平均で2〜10、好ましくは約4〜8、そして特には約7である。このポリ酸の分子量は、典型的には600〜3000、好ましくは900〜2700、より好ましくは1500〜2400、そして特には約2100である。
【0019】
ポリヒドロキシアルキルまたはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸の残りの酸価は、典型的には50mgKOH/g未満であり、そして好ましくは30〜35mgKOH/gの範囲である。典型的には、ポリヒドロキシアルキルまたはポリヒドロキシアルケニルカルボン酸のヒドロキシル価は、最大で40mgKOH/gであり、そして好ましくは20〜30mgKOH/gの範囲である。
【0020】
ヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーは、停止が、非置換の対応する脂肪酸によるのではない点で、ポリマーとは異なる。望ましくは、ヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアルケニルカルボン酸のオリゴマーは、ヒドロキシアルキルまたはヒドロキシアルケニルカルボン酸の二量体である。
【0021】
アルキレンオキシド基AOは、典型的には、式−(C2rO)−の基であり、ここで、rは2、3もしくは4、好ましくは2もしくは3であり、すなわち、エチレンオキシ(−CO−)またはプロピレンオキシ(−CO−)基であり、そしてそれは、アルキレンオキシド鎖に沿って異なる基を表していてもよい。一般的には、この鎖は、ホモポリマー型のエチレンオキシド鎖であることが望ましい。しかしながら、この鎖は、ポリプロピレングリコール残基のホモポリマー鎖、あるいはエチレングリコールとプロピレングリコールの残基の両方を含むブロックまたはランダムコポリマー鎖であってもよい。通常は、エチレンおよびプロピレンオキシド単位のコポリマー鎖が用いられる場合には、用いられるエチレンオキシド単位のモル比は、少なくとも50%、そしてより好ましくは少なくとも70%である。
【0022】
(ポリ)アルキレンオキシド鎖中のアルキレンオキシド残基の数、すなわちそれぞれのパラメータnの値は、好ましくは2〜50、より好ましくは3〜20、そして特には5〜10の範囲である。添え字nの合計(すなわち、n×m)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜100、更に好ましくは25〜70、そして特には30〜50の範囲である。添え字nの値は、平均値であり、鎖長の統計的変動を含んでいる。
【0023】
分子中のアシル残基の数が、mよりも有意に小さい場合には、これらの基の分布は、コア基の性質、およびコア基のアルコキシル化の程度および効果に依存する。従って、コア基が、ペンタエリスリトールから誘導された場合には、コア残基のアルコキシル化は、そこから活性水素を取り除くことができる、4つの利用可能な位置にわたって均等に分布することができ、そして末端ヒドロキシル官能基のエステル化では、アシル基の分布は、予期されたランダム分布に近くなる。しかしながら、コア基が、ソルビトールのような化合物から誘導された場合には、活性水素原子は、等価ではなく、アルコキシル化は、典型的にはポリアルキレンオキシ鎖に対して等しくない鎖長を与える。このことは、幾つかの鎖は短く、そのため他の(長い)鎖は、有意の立体効果を及ぼして、「短鎖」の末端ヒドロキシル基のエステル化を比較的に困難にする。次いで、エステル化が、一般的には、優先的に「長鎖」の末端ヒドロキシル基で起こる。
【0024】
本発明の化合物は、m個の活性水素原子を含むRコア基を、当技術分野において知られている技術によって、例えば、必要な量のアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させることによって、最初にアルコキシル化することによって作ることができる。幾つかの好適なアルコキシル化された製品が、商業的に入手可能であり、例えば、ソルビトール30エトキシレート(Atlas(登録商標)G-2330)、ソルビトール40エトキシレート(Atlas(登録商標)G-2004)、ソルビトール50エトキシレート(Atlas(登録商標)G-2005)、およびトリメチロールプロパン40エトキシレート10プロポキシレート(Emkarox(登録商標)VG-305W)がある。全ては、Crodaから入手可能である。他のアルコキシル化製品としては、ソルビトール12エトキシレートおよびソルビトール100エトキシレートが挙げられる。
【0025】
本プロセスの第2の工程は、好ましくは前記のアルコキシル化種を、ポリヒドロキシアルキル(アルケニル)カルボン酸および/またはヒドロキシアルキル(アルケニル)カルボン酸と、標準的な触媒を用いたエステル化条件の下で、250℃以下の温度で、反応させることを含んでいる。
【0026】
本発明は、従って、ここに記載された化合物(I)の製造のプロセスを含んでおり、このプロセスは、基Rを、アルキレンオキシドと反応させること、ならびに次いでこの反応のアルコキシル化生成物を、ポリヒドロキシアルキル(アルケニル)カルボン酸および/またはヒドロキシアルキル(アルケニル)カルボン酸でエステル化すること、を含んでいる。
【0027】
アルコキシル化生成品の、ポリヒドロキシアルキル(アルケニル)カルボン酸および/またはヒドロキシアルキル(アルケニル)カルボン酸に対するモル比は、好ましくは1:2〜1:40の範囲である。
【0028】
化合物(I)は、3000〜8000の範囲の分子量を備えた液体である。化合物(I)は、好ましくは星型共重合体である。
【0029】
化合物(I)の重要な利益の1つは、これが、R基が、ポリヒドロキシアルキルカルボン酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸のオリゴマー、またはそれらの混合物の残基であるか否かによって、またこれらの成分のそれぞれの比率によって、広い範囲のHLBを有することができることである。典型的なHLBの範囲は、1.3〜15.0である。従って、化合物(I)は、広範囲の界面活性、例えば油中水乳化剤、湿潤剤、水中油乳化剤、洗剤、可溶化剤、を有することができる。
【0030】
従って、本発明はまた、ここに記載された化合物(I)の油中水乳化剤、湿潤剤、水中油乳化剤、洗剤、分散剤および/または可溶化剤としての使用を指向している。
【0031】
本発明の1つの好ましい態様では、化合物(I)は、アルコキシル化コア基Rを、ヒドロキシルアルキルカルボン酸と、1:14〜1:19のモル比での反応によって調製される。好ましくは、この経路で調製された化合物(I)は、6〜9の範囲のHLB、および6500〜8000の範囲の分子量を有している。
【0032】
本発明の更なる好ましい態様では、化合物(I)は、好ましくは、アルコキシル化コア基Rと、ポリヒドロキシアルキルカルボン酸およびヒドロキシルアルキルカルボン酸の混合物との反応によって調製され、ここでアルコキシル化コア基の酸混合物に対するモル比は、好ましくは1:1〜1:6の範囲である。好ましくは、この経路によって調製される化合物(I)は、12〜15の範囲のHLB、および3000〜4000の範囲の分子量を有している。
【0033】
本発明の更に好ましい態様では、化合物(I)は、アルコキシル化コア基Rと、ポリヒドロキシルアルキルカルボン酸との反応によって調製され、ここでアルコキシル化コア基の酸に対するモル比は、好ましくは1:14〜1:19の範囲である。好ましくは、この経路で調製される化合物(I)は、6〜9の範囲のHLBおよび6500〜8000の範囲の分子量を有している。
【0034】
水系のシステム中で用いられる化合物(I)のような界面活性剤は、一般には水溶性であり、7超のHLBを有している。そのような材料は、特には、パーソナルケア用途において水中油乳化剤として;顔料の分散剤として;乳化重合における乳化剤として;水系において湿潤剤として;家庭用洗剤の界面活性剤として;特に洗濯用製剤中で;作物保護製剤中で、特に農芸化学製剤中の補助剤、分散剤および/または乳化剤;ならびに他の用途に用いることができる。
【0035】
また、本発明の界面活性剤の性質は、これらを、特には水中油エマルジョン、例えばパーソナルケア用途において、乳化剤として好適なものとする。パーソナルケアエマルジョン製品は、クリームおよび乳液の形態をとることができ、望ましくは、そして典型的には、エマルジョンの形成および安定を援けるために乳化剤を含んでいる。典型的には、パーソナルケアエマルジョン製品は、エマルジョンの約3〜約5質量%の量の乳化剤(エマルジョン安定剤を含めて)を用いる。
【0036】
このようなエマルジョンのオイル相は、典型的には、パーソナルケアまたは化粧品に用いられる種類の皮膚軟化剤オイルであり、これはオイル状の材料であって、周囲温度で液体であるか、または周囲温度で固体であり、全体では通常はろう状の固体であり、高温、典型的には100℃以下、より好ましくは約80℃で液体であるとすると、このような固体皮膚軟化剤は、望ましくは100℃未満、そして通常は70℃未満の融点を有しており、この温度で、組成物中に包含され、そして乳化されることができる。
【0037】
オイル相の濃度は、広範囲に変えることができ、そしてオイルの量は、全体のエマルジョンの、典型的には1〜90質量%、通常は3〜60質量%、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは8〜20質量%、そして特には10〜15質量%である。エマルジョン中に存在する水(またはポリオール、例えばグリセリン)の量は、全体の組成物の、典型的には5質量%超、通常は30〜90質量%、より好ましくは50〜90質量%、更に好ましくは70〜85質量%、そして特には75〜80質量%である。このようなエマルジョンに用いられる界面活性剤の量は、そのエマルジョンの、典型的には0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜7質量%、更に好ましくは1.5〜6質量%、そして特には2〜5.5質量%である。
【0038】
このようなエマルジョンの最終用途製剤としては、モイスチャーライザー、日焼け止め剤、アフターサン製品、ボディーバター、ゲルクリーム、高香料含有製品、香料クリーム、ベビーケア製品、ヘアコンディショナー、化粧および美白製品、水分のない製品、制汗および防臭製品、日焼け製品、クレンザー、2-in-1泡立ちエマルジョン、多層乳剤、保存料なしの製品、乳化剤なしの製品、マイルド製剤、スクラブ製剤、例えば固体ビーズを含むもの、水中シリコーン製剤、顔料含有製品、噴霧可能エマルジョン、カラー化粧品、コンディショナー、シャワー製品、泡立ち製品、メイクアップリムーバー、アイメイクアップリムーバー、およびワイプ、が挙げられる。好ましい製剤の種類は、1種もしくは2種以上の有機日焼け止めおよび/または無機日焼け止め、例えば金属酸化物を含む日焼け止めであるが、しかしながら望ましくは少なくとも1種の粒子状二酸化チタンおよび/または酸価亜鉛を含んでいる。
【0039】
本発明の界面活性剤は、エマルジョン重合において、乳化剤として用いることができる。典型にはエマルジョン重合は、水中のエチレン性不飽和モノマーのエマルジョンで行なわれる。好適なモノマーとしては、不飽和カルボン酸およびそれらのアルキルエステル、アミド、N−置換アミドおよびニトリル、芳香族ビニル化合物、ジエン化合物(これらはモノマーとして、または特には架橋剤として含むことができる)、ビニルエーテル、ビニルエステル、オレフィンおよび疎水性アリル化合物が挙げられる。
【0040】
このようなエマルジョン重合法は、特にアクリル共重合体、例えば、モノマーの少なくとも50質量%、より好ましくは少なくとも60質量%、更に好ましくは少なくとも80質量%、例えば90質量%以上、100質量%以下がアクリルモノマーであるものの製造に適用可能である。このアクリルポリマーは、混合アルキルアクリレートを基にしたもの、特には主なモノマーが、メチルメタクリレートであるものであることができ、そしてアニオン性単位、例えば(メタ)アクリル酸単位またはカチオン性単位、例えばアミノ置換エチレン性不飽和モノマーを含んでいてもよい。
【0041】
用いられる界面活性剤の量は、具体的なモノマーおよび用いられる重合系、必要なコロイド安定性の程度および製品ラテックス中のポリマーの所望の粒子径に依存する。さもなければ慣用の水中油エマルジョン重合では、80〜500nmの粒子径を有するラテックスを与えるためには、用いられる界面活性剤の量は、典型的には全モノマーの100質量部当たりに、界面活性剤が0.25〜5質量部(phm)である。より好ましくは、この量は、0.5〜2.5phm、特には1〜2phmである。
【0042】
マイクロエマルジョン重合系では、モノマーの濃度は、典型的には慣用のエマルジョンまたは他の分散重合系よりも実質的に低く、例えば3〜10質量%である。また、モノマーの量に対する界面活性剤の比率は、比較的に高い、何故ならば、マイクロエマルジョンは、より小さなエマルジョン粒子径に対応して、モノマーの単位質量当たりにより大きな界面面積を有しており、そして典型的な水準は10〜150phmであることができる。マイクロエマルジョン系の総固形分含有量は、通常は全エマルジョンの15〜30質量%の範囲である。
【0043】
本発明の界面活性剤は、水性媒体中の固体、特に、顔料、例えば無機顔料、例えば二酸化チタン、顔料の酸化鉄、および有機顔料、例えばフタロシアニン顔料、カーボンブラックおよび同様の材料、の分散剤として用いることができる。そのような分散剤用途において用いられる界面活性剤の量は、用いられる材料および必要とされる分散濃度に依存するが、しかしながら、通常は、固体、例えば分散される顔料の、0.2〜10質量%である。水性分散液では、無機顔料では、用いられる量は、典型的には、分散される固体の0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2.5質量%であり、そして有機顔料では、用いられる量は、典型的には、分散される固体の3〜10質量%である。典型的には、このような分散液は、約70質量%以下、しばしば約65質量%以下の無機顔料、および約35質量%以下の有機顔料を含んでいるが、しかしながら、これは、顔料ペーストでは、50質量%以下であることができる。最終的な製品、例えば塗料中に混合される場合には、最終的な製品中の典型的な顔料の水準は、無機顔料では、約3〜約30%、特には約20〜約25%、有機顔料では約1〜約15%、特にフタロシアニン型の有機顔料では、特に約10〜約12%、そしてカーボンブラックでは、約0.5〜約5%、特には約3〜約3%である。このような分散液中の連続相は、通常は水系である。
【0044】
また、この界面活性剤は、家庭用洗剤として、例えば洗濯用途に用いることができ、そして単独で、または他の、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性および/または両性イオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。本発明の界面活性剤を含んだ洗濯用の製剤はまた、典型的には、通常粉末製剤中に用いられている他の成分、例えば1種もしくは2種以上のビルダー、例えばリン酸塩、特にトリポリリン酸ナトリウム;有機化合物、例えばクエン酸塩および/または酒石酸塩;および/またはゼオライト;流動助剤および/またはろ過助剤;を含んでおり、コビルダー、例えば炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウム、特にビルダーがゼオライトである場合には粉末で(コビルダーは典型的にはアルカリであるために、それらは通常は手洗い用製剤中には用いられないが);腐食防止剤;再付着防止助剤、例えばカルボキシメチルセルロース;ならびに蛍光増白剤、を含んでいてもよい。更なる成分としては、香料;酵素;例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、セルロースおよび/またはアミラーゼ;漂白剤、典型的には過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムもしくは同様の材料を基にしたものであり、典型的には、漂白活性剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)と共に用いられる;ならびに安定剤、例えばホスホン酸塩またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を通常はナトリウム塩として;石鹸;泡調整剤(しばしば石鹸)および衣類仕上げ剤(柔軟剤)、例えば第四級アンモニウム塩およびアミンオキシド、これはベントナイト型のクレイ上にコーティングされていてもよい、を挙げることができる。
【0045】
本発明の化合物は、農芸化学製剤中で界面活性剤として、特には補助剤、例えば、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤および植物成長調整剤製剤、分散剤および/または乳化剤として、用いることができる。農薬を分散するのに用いられる界面活性剤の量は、典型的には、製剤を基準として1〜30%の濃度であり、そして補助剤としては、濃縮製剤を基準として5〜60%の濃度、そしてタンク混合への添加のための成分中に、もしくは成分として、1〜100%の濃度で用いられる。他の慣用の成分、例えば、オイル、例えば鉱油、植物油およびアルキル化植物油;溶剤および/または希釈剤;ならびに他の界面活性剤(これはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤もしくはノニオン性界面活性剤であることができる)、をこれらの製剤中に含むことができる。このような他の成分は、純粋に慣用の界面活性剤を用いる製剤でのように、所望の効果に基づく量で用いられる。
【0046】
また、本発明の界面活性剤は、油田用途において、例えば泡沫穿孔における起泡剤として、動力学的ガスハイドレート抑制剤として、そして水系穿孔流体潤滑剤として、用いることができる。
【0047】
泡沫穿孔流体は、水系掘削流体であり、水相が、例えば水に敏感な層の層損傷を最小化するために、泡立てられている。泡沫穿孔流体中の起泡剤としては、用いられる界面活性剤の量は、穿孔流体の、典型的には1〜3質量%、より好ましくは1〜2質量%である。
【0048】
動力学的ガスハイドレート抑制剤は、炭化水素を含む水、特にはC1〜C4炭化水素アルカンを含む流れに、ガスハイドレート形成を減速させるために、またはガスハイドレートの結晶形を変更させて、さもなければパイプなどの閉塞を招く可能性がある結晶凝集を低減させるように、加えられる材料である。ガスハイドレート抑制剤中では、界面活性剤は、典型的には、処理される流れの水相を基準として、0.05〜5質量%で用いられる。
【0049】
本発明の界面活性剤化合物は、水系穿孔流体に高められた潤滑性を与えるために用いることができる。この用途における使用では、用いられる界面活性剤の量は、典型的には流体の0.05〜10質量%である。
【0050】
オイル系システム中で用いられる界面活性剤は、通常は油溶性で、そして通常は水に不溶性であり、そして特には7未満、より好ましくは4〜6のHLBを有している。そのような材料は、油中水エマルジョンの乳化剤および/または安定剤として;あるいは非水性液体中の固体の分散剤として用いることができる。そのようにして、オイル系中で用いられる界面活性剤は、広範囲の用途、例えば、(油中水)エマルジョン重合、特には、ポリアクリルアミド(PAM)または関連したポリマーを遊離ラジカル逆エマルジョン重合(i−PAM)によって作るために;エマルジョン爆薬;油中水化粧用エマルジョン中で;農芸化学、特には植物生長調節剤、除草剤、および/または農薬、エマルジョン分散液およびサスポエマルション;ならびに乳化剤および/または分散剤として;固体、例えば顔料および/または不活性無機金属塩の、特に有機媒質中の分散液;油田穿孔流体添加剤、特には掘穿泥水用および逆エマルジョン穿孔流体の分散剤および/または乳化剤として;金属加工用途、特には圧延油エマルジョンおよび切削流体に用いることができる。
【0051】
本発明の界面活性剤は、i−PAM重合で、乳化剤として用いることができ、そこではアクリルアミドおよびいずれかのコモノマーが水に溶解されており、この溶液が、界面活性剤を乳化剤と安定剤として用いてオイル中に乳化されており、そして重合が開始される。この結果は、溶解されたPAMを含む水滴の、オイル中の分散液である。PAM水溶液の粘度は高いが、このエマルジョンの有効粘度は、主に、適切に低く選択されたオイル連続相によって決まる。例えば水処理における使用では、このエマルジョンは、通常は水中への希釈による反転によって、破壊されなければならない。この界面活性剤系は、重合の前、間および後(貯蔵のための)に十分なエマルジョン安定性を与えなければならないが、しかしながら、水中への希釈での反転の間にエマルジョンが容易に破壊することを許容して、ポリアクリルアミドポリマーの水相への迅速な解放を促進し、水相中でポリアクリルアミドポリマーが作用する。反転は、通常は、重合の後の、親水性界面活性剤の添加によって促進される。本発明の比較的に親油性の界面活性剤は、この種類の重合プロセスにおいて用いられる油中水エマルジョンを乳化および/または安定化させるために用いることができる。
【0052】
i−PAMでは、オイル相は、典型的には鉱油、特にはパラフィン油、またはエステル油であり、そして用いられる乳化剤界面活性剤の量は、重合エマルジョンの、典型的には2.5〜7質量%、通常は3〜4質量%である。乳化剤系は、典型的には、ポリマー界面活性剤(特には本発明の、特には式(I)の界面活性剤を含む)と、低分子量の低HLB界面活性剤(エマルジョン安定剤としては比較的に効果的でなく、そのためにエマルジョンの安定性は良好ではないので、反転が困難である)を併用しており、低分子量が、反転の間に、それが相界面から容易に拡散することを可能にする。通常は、この低分子量界面活性剤は、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ソルビタンエステルまたは同様の界面活性剤である。ポリマー界面活性剤の、低HLBの低分子量界面活性剤に対する質量基準での相対的な比率は、典型的には5:95〜50:50、より好ましくは10:90〜40:60、そして通常は約15:85〜30:70である。
【0053】
また、本発明の界面活性剤の疎水性型も、固体、特には、例えば上記したような顔料を、非水性媒質、例えばホワイトスピリットまたは芳香族媒質中に分散するのに用いることができる。このような用途では、用いられる界面活性剤の量は、典型的には、分散液の0.5〜7.5質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
【0054】
また、本発明の化合物は、エマルジョン爆薬中の乳化剤またはエマルジョン安定剤として有用であり、そこでは、酸化剤、典型的には酸化剤塩、通常は硝酸塩、の水溶液が、液体燃料、典型的には炭化水素燃料、例えば鉱油および/またはパラフィン油中に乳化されており、それはまた、他の石油成分、例えば微結晶性ワックス、パラフィンワックス、スラックワックスおよび/または石油精製蒸留残渣を含むことができる。この酸化剤溶液は、通常は、所望による少ない比率の他の塩、例えばNHCl含んだ、硝酸塩、特にはNHNO、アルカリ金属硝酸塩またはアルカリ土類金属硝酸塩の飽和もしくは不飽和水溶液であり、そして典型的には40〜70質量%の硝酸アンモニウムと20質量%の他の硝酸塩を含んでいる。内部の酸化剤相は、典型的には、エマルジョン爆薬の、少なくとも75体積%、より好ましくは90体積%超、例えば約95体積%である。使用に当たっては、エマルジョン爆薬はまた、典型的には、その組成物を爆発に敏感にさせるための添加剤を含んでいる。通常は、このことは、固体表面を与える材料、例えば固体NHNOを、特にはプリル、あるいはガスを充填された空隙として加えることによって、例えば、亜硝酸ナトリウム(これが化学反応によってガスを発生させる)、またはガラスミクロスフェア(これが物理的な空隙を与える)を含むことによって、成し遂げられる。
【実施例】
【0055】
本発明が、以下の制限するものではない例によって説明される。
【0056】
例1
<アルコキシル化R基の調製>
<PEG−50ソルビトール>
ステンレス鋼製反応容器中で、ソルビトール70(33.09質量%)を95%まで乾燥し、そしてエチレンオキシド(66.50質量%)と、水酸化カリウムの存在下で反応させた。生成品(27.2質量%)を、次いで水酸化カリウムの存在下で、更なるエチレンオキシド(72.8質量%)と反応させて、PEG−50ソルビトールを生成させた。
【0057】
例2
<化合物(I)の調製>
12−ヒドロキシステアリン酸(16.5質量%)、Hypermer LP1(15.7質量%、Crodaから販売)、PEG−50ソルビトール(67.7質量%)および蓚酸スズ触媒(Tegokat 160、Goldschmidtから販売)を、ガラス製反応器へと加え、そして窒素圧の下で、190℃にゆっくりと加熱した。反応を、12〜24時間継続し、次いで100℃未満に冷却し、そして生成品を排出した。この化合物は、化合物Aと標示し、そして13.5のHLBを備えた液体であった。
【0058】
例3
<化合物(I)の調製>
12−ヒドロキシステアリン酸(68.7質量%)、PEG−50ソルビトール(31.3質量%)および蓚酸スズ触媒(Tegokat 160、Goldschmidtから販売)を、ガラス製反応器へと加え、そして窒素圧の下で、190℃にゆっくりと加熱した。反応を、12〜24時間継続し、次いで100℃未満に冷却し、そして生成品を排出した。この化合物は、化合物Bと標示し、そして6.3のHLBを備えた液体であった。
【0059】
例4
例3の化合物Bの3.2gを、共乳化剤(Crodaから入手可能なTween(登録商標)80)0.8gと混合し、そして2オンスのガラス製ネジ蓋付きの広口ビン中に容れた。40gの軽質鉱油を加え、そしてこの混合物を均一になるまで振とうした。56gの水を加えて、そしてこの混合物を20回振とうした。水中油エマルジョンが形成され、これは、室温で48時間安定であった。
【0060】
例5
乳化剤混合物を、例2の化合物Aを2.8gと共乳化剤(Crodaから入手可能なSpan(登録商標)80)を1.2gに置き換えて、例4を繰り返した。水中油エマルジョンが形成され、これは、室温で21日間安定であった。