特許第5876636号(P5876636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5876636-ねじボルト 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876636
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ねじボルト
(51)【国際特許分類】
   F16B 35/04 20060101AFI20160218BHJP
   F16B 15/00 20060101ALI20160218BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   F16B35/04 R
   F16B15/00 M
   F16B35/00 N
   F16B35/00 R
【請求項の数】5
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2009-252288(P2009-252288)
(22)【出願日】2009年11月2日
(65)【公開番号】特開2010-112556(P2010-112556A)
(43)【公開日】2010年5月20日
【審査請求日】2012年10月19日
【審判番号】不服2015-555(P2015-555/J1)
【審判請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】10 2008 043 435.3
(32)【優先日】2008年11月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト ブーリー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ベーニヒ
【合議体】
【審判長】 小柳 健悟
【審判官】 森川 元嗣
【審判官】 内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−107(JP,U)
【文献】 実開昭63−36711(JP,U)
【文献】 実開平3−75306(JP,U)
【文献】 特開平1−310941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00 - 43/02
F16B 15/00 - 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部(13)と、ねじ山(15)を有する荷重係合部(12)と、打込み用のヘッド(11)と、を備えるねじボルトにおいて、
前記荷重係合部(12)にピン状のコア領域(17)を設け、このコア領域(17)、前記固定部(13)、および前記ヘッド(11)を金属により一体に構成し、前記コア領域(17)の半径方向外側に、前記ねじ山(15)を設けた、合成樹脂材料製のねじ付きスリーブ(16)を固定したことを特徴とするねじボルト。
【請求項2】
請求項1記載のねじボルトにおいて、前記ねじ付きスリーブ(16)、前記コア領域(17)上に射出成形されたものであることを特徴とするねじボルト。
【請求項3】
請求項1または2記載のねじボルトにおいて、前記コア領域(17)に、前記ねじ付きスリーブ(16)を回転不能に固定する固定手段(19)を設けたことを特徴とするねじボルト。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項記載のねじボルトにおいて、前記ねじ付きスリーブ(16)をガラス繊維強化合成樹脂により構成したことを特徴とするねじボルト。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項記載のねじボルトにおいて、前記コア領域(17)、前記固定部(13)、および前記ヘッド(11)をステンレス鋼により構成したことを特徴とするねじボルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1前段に記載される種類のねじボルトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(独国実用新案第20209675号)には、ヘッド、外ねじを設けた荷重係合部、および固定部を有するねじボルト記載されている。このねじボルトは、ステンレス(不銹特殊)鋼から形成するため、製造コストが高価なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国実用新案第20209675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、安価に製造可能であり、既知のねじボルトと同様に、手持ち打込み装置(鋲打ち機)によって加工材に問題無く打込むことができるねじボルトを得るにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載する特徴により解決される。本発明によれば、荷重係合部にピン状のコア領域を設け、このコア領域を固定部およびヘッドと一体に形成し、コア領域、固定部、およびヘッドを金属により形成し、コア領域の半径方向外側に、ねじ山を設けた合成樹脂材料製のねじ付きスリーブを固定する。
【発明の効果】
【0006】
この構成により、ねじボルトの堅牢さを保ちながら製造コストを大幅に減少させることができる。手持ち打込み装置、例えば、80ジュールを超える高い打込みエネルギーを備えた燃焼力駆動の鋲打ち機に本発明ねじボルトを使用する際に、打込みエネルギーはねじボルトのヘッドに伝達され、ここからコア領域を介して直接固定部に伝達されるので、打込みエネルギーがねじ付きスリーブに伝わることが無い。
【0007】
好適には、ねじ付きスリーブは、コア領域上に射出成形することにより形成する。この構成により、嵌め込み式のねじ付きスリーブに比べて組立コストを減らせるので、製造コストを低減することができる。
またさらに、コア領域に、ねじ付きスリーブを回転不能に固定するための固定手段を設けるとさらに好適である。この構成により、ねじ付きスリーブがコア領域上で回転する危険性が無くなり、雌ねじをねじ山にねじ付けることができる。この固定手段は、例えば、突起、コブ、窪み等により構成することができる。
【0008】
とくに好適な実施形態において、ねじ付きスリーブは、GRP(ガラス繊維強化合成樹脂)製とする。GRPは強度が高いため、本発明ねじボルトは高い耐久性を備えることができる。
【0009】
また、コア領域、固定部、およびヘッドを、ステンレス(不銹特殊)鋼で形成するとすると更に好適である。この構成により、高い耐食性が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態におけるねじボルト10を、その半分のみ縦断面で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ねじボルト10は荷重係合部12を有し、この荷重支持部12には合成樹脂製のねじ付きスリーブ16に形成したねじ山15を設ける。このねじ付きスリーブ16は、荷重係合部12におけるピン状のコア領域17に回転不能に取付ける。ねじ付きスリーブ16は、例えばGRP(ガラス繊維強化合成樹脂)製とし、合成樹脂の射出成形によって、コア領域17の周囲に成形する。ねじ付きスリーブ16が回転しないようロックするために、コア領域17から、複数個の突起として構成した突起手段19を半径方向外方に突出させる。これは、ねじ付きスリーブ16を回転不能に固定するためのもので、ねじ付きスリーブ16とコア領域17との一体結合が喪失するのを、周囲のスリーブ材料との形状規制に基づくロックを生ずることにより回避する。
【0012】
荷重係合部12の打込み方向20側には固定部13を設け、この固定部13の遊端には尖端14を形成する。ただし、尖端の替わりに、平坦な端部、平坦化した端部、または丸い端部を設けることもできる。ねじボルト10の尖端14とは反対側の端部であって荷重係合部12に隣接する領域には、ヘッド11を形成する。このヘッド11は、荷重係合部12、特にねじ付きスリーブ16から、ねじボルト10の軸線方向または長手方向に突出させ、打込みエネルギーが、打込み装置(鋲打ち機)の打込みピストンから直接ねじ付きスリーブ16に伝達されないようにする。
【0013】
荷重係合部12、固定部13、およびヘッド11のコア領域17は、硬質で耐食性の金属、特にステンレス(不銹特殊)鋼により形成する。
【0014】
固定部13には、有孔座金の形態とした補強ワッシャ21を嵌合する、または圧入する。さらに、この補強ワッシャ21の打込み方向20側には、合成樹脂製のリング状のシール素子22、例えばネオプレン製の封止ワッシャを設ける。この実施形態において、補強ワッシャ21は、打込み方向に円錐状にテーパーを付け、打込み完了後のシール素子22の良好なプリストレスを生ずるようにする。固定素子10を加工材に打込むと、シール素子22は、荷重係合部12と固定部13との間における周方向の止め部18に連行される補強ワッシャ21によって、加工材に押し付けられ、接触ゾーンに対するいかなる媒体の侵入をも封止する。
【符号の説明】
【0015】
10 ねじボルト
11 ヘッド
12 荷重係合部
13 固定部
14 尖端
15 ねじ山
16 ねじ付きスリーブ
17 コア領域
18 止め部
19 突起手段
20 打込み方向
21 補強ワッシャ
22 シール素子
図1