特許第5876667号(P5876667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876667
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】タイヤに作用する力の推定方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20160218BHJP
   G01L 5/16 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   B60C19/00 H
   G01L5/16
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-101692(P2011-101692)
(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公開番号】特開2012-232645(P2012-232645A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】各務 紀一郎
(72)【発明者】
【氏名】久保田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 五郎
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−131284(JP,A)
【文献】 特開2010−215178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
G01L 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力を用いて、タイヤに作用する前後力、横力および上下力のうち少なくとも上下力を推定する推定方法であって、
タイヤの一方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上で等間隔を隔てて取り付くとともに、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線がタイヤ半径方向線に対して30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上のn個の第1の歪センサからなる第1の歪センサ群と、
タイヤの他方側のサイドウォール部に、前記第1の歪センサとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付くとともに、ゲイン最大線が前記第1の歪センサの角度θ1と等しい角度θ2で、しかも第1の歪センサのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2のセンサからなる第2の歪センサ群と、
タイヤの回転角度位置を測定する角度センサを用いるとともに、
所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1の歪センサ群と他方側の歪センサ群とによってタイヤ歪を同時に測定することによりセンサ出力をうる歪測定ステップ、
及び、前記歪測定ステップによって得たセンサ出力に基づいてタイヤに作用する力の推定値を求める演算ステップとを含むとともに、
前記演算ステップは、無負荷状態のタイヤにおける第1の歪センサの基準センサ出力をVA0(i=1、2、・・・n)、第2の歪センサの基準センサ出力をVB0(i=1、2、・・・n)としたとき、
(ウ) 前記第1の歪センサによるセンサ出力VAと前記基準センサ出力VA0との差の絶対値|VA−VA0|の総和Σ|VA−VA0|と、前記第2の歪センサによるセンサ出力VBと前記基準センサ出力VB0との差の絶対値|VB−VB0|の総和Σ|VB−VB0|との和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求めることを特徴とするタイヤに作用する力の推定方法。
Fz=Kz・(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)+Az −−−(3)
(式中のKz、Azは定数)
【請求項2】
前記演算ステップは、
(ア) 前後力Fxの推定値を求める場合、前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの和(ΣVA+ΣVB)を変数とした次の推定式(1)を用い、
(イ) 横力Fyの推定値を求める場合、前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの差(ΣVA−ΣVB)を変数とした次の推定式(2)を用いることを特徴とする請求項1記載のタイヤに作用する力の推定方法。
Fx=Kx・(ΣVA+ΣVB)+Ax −−−(1)
Fy=Ky・(ΣVA−ΣVB)+Ay −−−(2)
(式中のKx、Ky、Ax、Ayは定数)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドウォール部におけるタイヤ歪を歪センサにより測定することにより、タイヤに作用する前後力、横力および上下力のうち少なくとも上下力を推定する推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば図8に示すように、タイヤの一方側のサイドウォール部にn個の歪センサaを周方向の異なる位置に取り付け、所定のタイヤ回転角度位置Qにてタイヤ歪を同時に測定するとともに、これによって得たn個の同時のセンサ出力VA〜Vnによって、タイヤに作用する前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fz(以下、これらを総称して3分力という場合がある。)をそれぞれ推定する技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。同図にはn=4の場合が示されている。
【0003】
各歪センサaが計測するタイヤ歪εは、前後力Fxによる歪みεxと、横力Fyによる歪みεyと、上下力Fzによる歪みεzとの和としてしか現れない。しかし、異なる周方向位置においては、前後力Fxとその歪みεxとの関係、横力Fyとその歪みεyとの関係、及び上下力Fzとその歪みεzとの関係が、周方向の位置毎に、それぞれ異なって現れるという特性を有する。従ってこの特性を利用し、異なる周方向位置で同時に測定したn個のセンサ出力VA〜Vnを説明変数、前記三分力Fx、Fy、Fzをそれぞれ目的変数として重回帰分析を行うことで、回帰式である下記の推定式を得ることができる。
Fx=fx(VA、VB、・・・、Vn)
Ff=fy(VA、VB、・・・、Vn)
Fz=fz(VA、VB、・・・、Vn)
【0004】
しかしながら、従来の方法では、前記三分力Fx、Fy、Fzの推定精度を充分に高めることが難しいという問題がある。その理由として、前後力Fxによる歪センサの出力形態と、横力Fyによる歪センサの出力形態とが似ているため、三分力Fx、Fy、Fzを分離させることが難しくなり、前述の推定式の精度が低下するためと推測される。
【0005】
例えば、従来の歪センサの配置の場合、タイヤに前後力Fxが作用した時、図9(A)に概念的に示すように、各歪センサa1〜a4では、それぞれ引張歪を検出する。又タイヤに横力Fyが作用した時、図9(B)に概念的に示すように、各歪センサa1〜a4では、それぞれ引張歪を検出する。又タイヤに上下力Fzが作用した時、図9(C)に概念的に示すように、歪センサa2、a3では引張歪を検出し、かつ歪センサa1、a4では圧縮歪を検出する。即ち、前後力Fxおよび横力Fyでは、それぞれ各歪センサa1〜a4が引張歪を検出するという似た出力形態を示している。その結果、荷重付加試験データを重回帰分析して推定式(回帰式)を求める際に、歪みが前後力由来のものか横力由来のものか不明瞭となって誤差が大きくなり、前記推定式の精度を低下させると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−126008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、説明変数の数を1つとして推定式を簡潔化しながら推定精度を向上させうるタイヤに作用する力の推定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力を用いて、タイヤに作用する前後力、横力および上下力のうち少なくとも上下力を推定する推定方法であって、
タイヤの一方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上で等間隔を隔てて取り付くとともに、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線がタイヤ半径方向線に対して30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上のn個の第1の歪センサからなる第1の歪センサ群と、
タイヤの他方側のサイドウォール部に、前記第1の歪センサとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付くとともに、ゲイン最大線が前記第1の歪センサの角度θ1と等しい角度θ2で、しかも第1の歪センサのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2のセンサからなる第2の歪センサ群と、
タイヤの回転角度位置を測定する角度センサを用いるとともに、
所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1の歪センサ群と他方側の歪センサ群とによってタイヤ歪を同時に測定することによりセンサ出力をうる歪測定ステップ、
及び、前記歪測定ステップによって得たセンサ出力に基づいてタイヤに作用する力の推定値を求める演算ステップとを含むとともに、
前記演算ステップは、無負荷状態のタイヤにおける第1の歪センサの基準センサ出力をVA0(i=1、2、・・・n)、第2の歪センサの基準センサ出力をVB0(i=1、2、・・・n)としたとき、
(ウ) 前記第1の歪センサによるセンサ出力VAと前記基準センサ出力VA0との差の絶対値|VA−VA0|の総和Σ|VA−VA0|と、前記第2の歪センサによるセンサ出力VBと前記基準センサ出力VB0との差の絶対値|VB−VB0|の総和Σ|VB−VB0|との和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求めることを特徴としている。
Fz=Kz・(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)+Az −−−(3)
(式中のKz、Azは定数)
【0009】
又請求項2の発明では、前記演算ステップは、
(ア) 前後力Fxの推定値を求める場合、前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの和(ΣVA+ΣVB)を変数とした次の推定式(1)を用い、
(イ) 横力Fyの推定値を求める場合、前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの差(ΣVA−ΣVB)を変数とした次の推定式(2)を用いることを特徴としている。
Fx=Kx・(ΣVA+ΣVB)+Ax −−−(1)
Fy=Ky・(ΣVA−ΣVB)+Ay −−−(2)
(式中のKx、Ky、Ax、Ayは定数)
【発明の効果】
【0010】
本発明は、後述する「発明を実施するための形態」の欄で説明する如く、第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの和(ΣVA+ΣVB)により、横力と上下力とによる影響を相殺できる。又前記総和ΣVAと総和ΣVBとの差(ΣVA−ΣVB)により、前後力と上下力とによる影響を相殺できる。第1の歪センサによるセンサ出力VAと基準センサ出力VA0との差の絶対値|VA−VA0|の総和Σ|VA−VA0|と、第2の歪センサによるセンサ出力VBと前記基準センサ出力VB0との差の絶対値|VB−VB0|の総和Σ|VB−VB0|との和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)により前後力と横力とによる影響を相殺できる。
【0011】
従って、前記和(ΣVA+ΣVB)を変数とした場合、横力と上下力との影響が互いに相殺されて除去されるため、前後力Fxを高精度で推定することが可能となる。又前記差(ΣVA−ΣVB)を変数とした場合、前後力と上下力との影響が互いに相殺されて除去されるため、横力Fyを高精度で推定することが可能となる。又前記和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)を変数とした場合、前後力と横力との影響が互いに相殺されて除去されるため、上下力Fzを高精度で推定することが可能となる。
【0012】
しかも、前後力、横力、上下力ともに、それぞれ説明変数の数が1つと少なくて済むため、この前後力、横力、上下力の推定式をそれぞれ簡潔化することができ、演算時間を短縮してタイムラグを減じうるとともに、演算処理能力の小さい安価な演算器を使用しうるためコストの低減を図ることができる。
【0013】
又演算量が小となるため、例えば、演算器をタイヤ或いはリムに取り付け、タイヤ側で演算した前後力、横力、上下力を車体側に送信することが可能となる。この場合、送信のチャンネル数が3ですむなど、各センサ出力を車体側に送信する従来のシステムに比してチャンネル数を大幅に削減でき、送信装置の小型化やバッテリーの消耗時間の延長等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の力の推定方法に用いる空気入りタイヤを示す断面図である。
図2】(A)は歪センサの一実施例を示す平面図、(B)はそのゲイン最大線の傾斜の向きを示す側面図である。
図3】歪センサの配置を説明する略図である。
図4】タイヤが一回転したときの前後力によるセンサ出力の変化を示すグラフである。
図5】タイヤが一回転したときの横力によるセンサ出力の変化を示すグラフである。
図6】タイヤが一回転したときの上下力によるセンサ出力の変化を示すグラフである。
図7】(A)〜(C)は、センサ出力の波形の特徴を概念的に示すグラフである。
図8】従来技術を説明する歪センサの配置図である。
図9】(A)〜(C)は、前後力、横力、上下力がそれぞれ作用したときのタイヤの歪みを誇張して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に、本発明の力の推定方法に用いる空気入りタイヤの一実施例の断面図を示す。図1において、本例の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
【0016】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびる断面三角形状のビード補強用のビードエーペックスゴム8が配設される。
【0017】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。なお該ベルト層7の半径方向外側には、本例では、高速走行性能および高速耐久性等を高める目的で、バンドコードを周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けている。
【0018】
又前記空気入りタイヤ1は、図3に示すように、一方側のサイドウォール部3Aに、タイヤ軸心を中心とした同一円周線jA上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く6個以上のn個の第1の歪センサ10Aからなる第1の歪センサ群が配されるとともに、他方側のサイドウォール部3Bには、タイヤ軸心を中心とした同一円周線jB上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付くn個の第2の歪センサ10Bからなる第2の歪センサ群が配される。又車軸には、タイヤ1の回転位相角度を検出する例えばレゾルバ、エンコーダ等のタイヤ角度歪センサ(図示しない)を設けている。前記図3には、n=6の場合が例示される。
【0019】
ここで、第1、第2の歪センサ10A、10Bを取り付ける領域Y(図1に示す)は、タイヤ断面高さhの中間高さ位置Mを中心として、該タイヤ断面高さhの25%の距離h1を半径方向内外に隔てる領域範囲が好ましく、特には、前記距離h1をタイヤ断面高さhの20%、さらには15%とし、前記中間高さ位置Mにより近い領域範囲が好ましい。なお前記タイヤ断面高さhは、ビードベースラインBLからタイヤ赤道上のトレッド面までの半径方向高さを意味する。
【0020】
次に、前記第1、第2の歪センサ10A、10Bは、図2(A)に示すように、1つの磁石11と、この磁石11のN極側に間隔を有して向き合う1つの磁気センサ素子12とを具え、本例では前記磁石11と磁気センサ素子12とを弾性材13を介して一体化したブロック状のモールド体20として形成されている。なお図中の符号iは、前記第1、第2の歪センサ10A、10Bにおいて、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線iを意味する。前記磁気センサ素子12としては、ホール素子、及びMR素子(磁気抵抗効果素子)、TMF−MI素子、TMF−FG素子、アモルファス歪センサ等が採用でき、特にコンパクトさ、感度、取り扱い易さ等の観点からホール素子が好適に採用できる。又前記第1、第2の歪センサ10A、10Bでは、サイドウォール部3の動きに追従して柔軟に弾性変形しうることが重要であり、そのために、前記弾性材13として各種のゴム弾性材料が採用される。特に、熱可塑性エラストマ(TPE)は、注型成形や射出成形等のプラスチック成形が可能であり、モールド体20を製造するという観点から好適に採用できる。
【0021】
又前記第1、第2の歪センサ10A、10Bでは、図2(B)に示すように、各ゲイン最大線iのタイヤ半径方向線に対する角度θ1、θ2は、30〜60°の範囲で互いに等しく(θ1=θ2)、しかも各ゲイン最大線iは、タイヤ周方向に対して同方向に傾斜している。本例では前記図3の如く、タイヤの回転方向をSとしたとき、第1の歪センサ10Aのゲイン最大線i、および第2の歪センサ10Bのゲイン最大線iは、共にタイヤ半径方向外側に向かってタイヤ回転方向S側に傾斜している。しかし、共に反タイヤ回転方向側に傾斜させることもできる。
【0022】
又第1、第2の歪センサ10A、10Bは、タイヤ赤道面Coを挟んで向かい合う対称位置に取り付く。ここで、前記「対称位置に取り付く」とは、前記円周線jAと円周線jBとが同径であり、かつ前記第1、第2の歪センサ10A、10Bが実質的に同じ位相角度位置に設けられることを意味する。又「実質的に同じ位相角度位置」とは、下記のように説明される。まず、タイヤ軸芯を通って接地面に向かって垂直に下した垂直線を0°とするタイヤ軸芯廻りの座標系(ただしタイヤ回転方向の一方側、本例ではタイヤ回転方向をプラス(+)とする)において、0°の基準線X0からプラス側に順次並ぶ1番目〜n番目の第1の歪センサ10A〜10Aにおける位相角度をα1〜αn、第2の歪センサ10B〜10Bにおける位相角度をβ1〜βnとする。このとき、第1、第2の歪センサ10A、10Bにおける同一番目同士の位相角度の差、すなわち|α1−β1|、|α2−β2|・・・|αn−βn|がそれぞれ5°以下の場合を、実質的に同じ位相角度位置にあるという。
【0023】
又車軸には、タイヤ1の回転位相角度を検出する例えばレゾルバ、エンコーダ等のタイヤ角度歪センサ(図示しない)を設けている。
【0024】
次に前記空気入りタイヤ1を用い、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzのうち少なくとも上下力Fzを含む力の推定方法を説明する。
前記推定方法は、
(A) 所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1の歪センサ群と他方側の歪センサ群とによってタイヤ歪を同時に測定することによりセンサ出力をうる歪測定ステップ、及び、
(B) 前記歪測定ステップによって得たセンサ出力Vに基づいて前後力Fx、横力Fy、上下力Fzのうち少なくとも上下力Fzの推定値を演算して求める演算ステップを含んで構成される。本例では、演算ステップにより、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzの各推定値をそれぞれ演算して求める場合が示される。
【0025】
前記歪測定ステップでは、予め、タイヤ歪を測定するためのタイヤ回転角度位置Qを設定しておき、走行中のタイヤ1が、このタイヤ回転角度位置Qとなったとき、各前記第1、第2の歪センサ10A、10Bによってタイヤ歪を同時に測定する。これにより、第1の歪センサ10A〜10Aによるセンサ出力VA〜VA、及び第2の歪センサ10B〜10Bによるセンサ出力VB〜VBをうることができる。なお本例では、図3に例示する如く、前記座標系において、1つの基準歪センサ10R(2n個の歪センサ10から任意に選ぶことができる。)が所定角度γ位置、例えば+45°の角度位置Pを通過する時のタイヤの回転位置を、前記タイヤ回転角度位置Qとして設定している。なお、例えば前記角度γが0°の時、+15°の時、或いは+30°の時など、タイヤ回転角度位置Qを適宜設定できる。又角度位置Pを1度毎に違えることにより360個のタイヤ回転角度位置Qを設定することができ、かかる場合には、1度毎に歪測定ステップが行われる。
【0026】
次に、前記演算ステップでは、無負荷状態のタイヤにおける第1の歪センサ10Aの基準センサ出力をVA0(i=1、2、・・・n)、第2の歪センサ10Bの基準センサ出力をVB0(i=1、2、・・・n)としたとき、
(ア) 前記第1の歪センサ10Aによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、前記第2の歪センサ10Bによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの和(ΣVA+ΣVB)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
(イ) 前記第1の歪センサ10Aによるn個のセンサ出力VAの総和ΣVAと、前記第2の歪センサ10Bによるn個のセンサ出力VBの総和ΣVBとの差(ΣVA−ΣVB)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
(ウ) 前記第1の歪センサ10Aによるセンサ出力VAと前記基準センサ出力VA0との差の絶対値|VA−VA0|の総和Σ|VA−VA0|と、前記第2の歪センサ10Bによるセンサ出力VBと前記基準センサ出力VB0との差の絶対値|VB−VB0|の総和Σ|VB−VB0|との和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求める。
Fx=Kx・(ΣVA+ΣVB)+Ax −−−(1)
Fy=Ky・(ΣVA−ΣVB)+Ay −−−(2)
Fz=Kz・(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)+Az −−−(3)
(式中のKx、Ky、Kz、Ax、Ay、Azは定数)
【0027】
そして、上記式(1)〜(3)を用いることにより、三分力Fx、Fy、Fzを分離でき、推定精度を向上することができる。
【0028】
ここで、図4に、タイヤを一回転したときの前後力Fxによるセンサ出力Vの変化を示し、図5に、タイヤを一回転したときの横力Fyによるセンサ出力Vの変化を示し、図6に、タイヤを一回転したときの上下力Fzによるセンサ出力Vの変化を示す。
【0029】
具体的には、前記図4では、一方側のサイドウォール部3Aに、一つの第1の歪センサ10Aを取付けたタイヤを、ドラム上で、横力Fy=0(スリップ角0°)、上下力Fz=一定、の条件下で回転させたときのセンサ出力Vの波形(出力波形)が示されている。なお前後力Fxのみ、0N(Nはニュートン)、−1200N、−2400N、−3600Nに変化させている。前後力Fxのマイナス表示は、制動力を意味する。同図4から明らかなように、前後力Fxが変動したとき、出力波形全体が、上方側、或いは下方側に移行している。又他方側のサイドウォール部3Bに、第2の歪センサ10Bを設けた場合にも、同図4と同様の出力波形が得られる。
【0030】
図5では、前記タイヤを、ドラム上で、前後力Fx=0、上下力Fz一定の条件下で回転させたときのセンサ出力Vの波形(出力波形)が示されている。横力Fyとして、スリップ角のみ、0°、左1°、左2°、右1°、右2°に変化させている。同図5から明らかなように、右へのスリップ角が大きくなるにつれ出力波形全体が上方側に移行し、逆に左へのスリップ角が大きくなるにつれ、出力波形全体が下方側に移行している。なお例えば左2°のスリップ角における出力波形は、他方側のサイドウォール部に第2の歪センサ10Bを設けた場合において、この第2の歪センサ10Bが出力する右2°のスリップ角における出力波形に相当する。
【0031】
図6では、前記タイヤを、ドラム上で、前後力Fx=0、横力Fy=0(スリップ角0°)の条件下で回転させたときのセンサ出力Vの波形(出力波形)が示されている。上下力Fzのみ、4000N、6000N、8000Nに変化させている。同図6から明らかなように、出力波形のうち、接地中心よりも前方側では出力波形は、上下力Fzが大きくなるにつれ上方側に移行し、接地中心よりも後方側では出力波形は、上下力Fzが大きくなるにつれ下方側に移行している。なお他方側のサイドウォール部に、第2の歪センサ10Bを設けた場合にも、同図6と同様の出力波形が得られる。
【0032】
上記の特徴を概念的に示すと図7(A)〜(C)のようになる。例えば一定速度で直進走行している際の第1、第2の歪センサ10A、10Bの出力波形(基準の出力波形)をWA、WBとした場合、図7(A)の如く、タイヤに前後力Fxが負荷されたときの出力波形WAx、WBxは、それぞれ基準の出力波形WA0、WB0から、例えば下方側(又が上方側)に移行する。即ち、走行中、タイヤの前後力がFxからFx+ΔFxに変化した時、任意のi番目(i=1、・・・、n)の第1の歪センサ10Aのセンサ出力は、VAからVA+ΔVに変化し、他方側の第2の歪センサ10Bのセンサ出力も、VBからVB+ΔVに変化する。
【0033】
図7(B)の如く、タイヤに横力Fyが負荷されたとき、一方の出力波形WAyは、前記基準の出力波形WA0から上方側(又が下方側)に移行し、逆に、他方の出力波形WByは、前記基準の出力波形WB0から下方側(又が上方側)に移行する。即ち、走行中、タイヤの横力がFyからFy+ΔFyに変化した時、任意のi番目(i=1、・・・、n)の第1の歪センサ10Aのセンサ出力は、VAからVA+ΔVに変化し、他方側の第2の歪センサ10Bのセンサ出力も、VBからVB+ΔVに変化する。
【0034】
図7(C)の如く、タイヤに上下力Fzが負荷されたとき、接地中心よりも前方側(原点側)では、双方の出力波形WAz、WBzが、それぞれ前記基準の出力波形WA0、WB0から上方側に移行し、逆に、接地中心よりも後方側では、双方の出力波形WAz、WBzが、それぞれ前記基準の出力波形WA0、WB0から下方側に移行する。即ち、走行中、タイヤの上下力がFzからFz+ΔFzに変化した時、任意のi番目(i=1、・・・、n)の第1の歪センサ10Aのセンサ出力は、|VA|から|VA+ΔV|に変化し、第2の歪センサ10Bのセンサ出力は、|VB|から|VB+ΔV|に変化する。
【0035】
次に、上記式(1)〜(3)を用いることにより、三分力Fx、Fy、Fzを分離しうることを以下に検証する。前述の如く、走行中にタイヤの前後力がFxからFx+ΔFxに変化した時、第1の歪センサ10Aのセンサ出力は、VAからVA+ΔVに変化し、他方側の第2の歪センサ10Bのセンサ出力は、VBからVB+ΔVに変化する。
これを、式(1)に代入すると、
Fx+ΔFx=Kx・{Σ(VA+ΔV)+Σ(VB+ΔV)}+Ax
=Kx・2ΣΔV+Fx
即ち、ΔFx=Kx・2ΣΔV となる。
又式(2)に代入すると、
Fy+ΔFy=Ky・{Σ(VA+ΔV)−Σ(VB+ΔV)}+Ay
=Ky・Σ(ΔV−ΔV)+Fy
=Fy
即ち、ΔFy=0 となる。
又式(3)に代入すると、
Fz+ΔFz=Kz・(Σ|VA+ΔV−VA0|+Σ|VB+ΔV−VB0|)+Az
=Kz・[Σ{|VA−VA0|+ΔV+(−ΔV)}+Σ{|VB−VB0|+ΔV+(−ΔV)}+Az
=Kz・2Σ{ΔV+(−ΔV)}+Fz
=Fz
即ち、ΔFz=0 となる。なお上下力Fzでは、ΔVは、接地中心よりも前側(原点側)では+表示、後側では−表示となる。
【0036】
このように上記式(1)〜(3)では、前後力の変化ΔFxは、横力、上下力には影響を与えず、従って前後力を高精度で推定することができる。
【0037】
又走行中、タイヤの横力がFyからFy+ΔFyに変化した時、第1の歪センサ10Aiのセンサ出力は、VAからVA+ΔVに変化し、第2の歪センサ10Bのセンサ出力は、VBからVB−ΔVに変化する。
これを、式(1)に代入すると、
Fx+ΔFx=Kx・{Σ(VA+ΔV)+Σ(VB−ΔV)}+Ax
=Kx・{Σ(ΔV−ΔV)}+Fx
=Fx
即ち、ΔFx=0 となる。
又式(2)に代入すると、
Fy+ΔFy=Ky・{Σ(VA+ΔV)−Σ(VB−ΔV)}+Ay
=Ky・2ΣΔV+Fy
即ち、ΔFy=Ky・2ΣΔV となる。
又式(3)に代入すると、
Fz+ΔFz=Kz・(Σ|VA+ΔV−VA0|+Σ|VB−ΔV−VB0|)+Az
=Kz・[Σ{|VA−VA0|+ΔV+(−ΔV)}+Σ{|VB−VB0|−ΔV−(−ΔV)}+Az
=Kz・2Σ{ΔV+(−ΔV)}+Fz
=Fz
即ち、ΔFz=0 となる。なお上下力Fzでは、ΔVは、接地中心よりも前側(原点側)では+表示、後側では−表示となる。
【0038】
このように上記式(1)〜(3)では、横力の変化ΔFyは、前後力、上下力には影響を与えず、従って横力を高精度で推定することができる。
【0039】
又走行中、タイヤの上下力がFzからFz+ΔFzに変化した時、第1の歪センサ10Aのセンサ出力は、|VA|から|VA+ΔV|に変化し、第2の歪センサ10Bのセンサ出力は、|VB|から|VB+ΔV|に変化する。
これを、式(1)に代入すると、
Fx+ΔFx=Kx・[Σ{VA+ΔV+(−ΔV)}+Σ{VB+ΔV+(−ΔV)}+Ax
=Kx・2Σ{ΔV+(−ΔV)}+Fx
=Fx
即ち、ΔFx=0 となる。
又式(2)に代入すると、
Fy+ΔFy=Ky・[Σ{(VA+ΔV+(−ΔV)}−Σ{(VB+ΔV+(−ΔV)}+Ay
=Ky・[Σ{ΔV+(−ΔV)}−Σ{ΔV+(−ΔV)}]+Fy
=Fy
即ち、ΔFy=0 となる。
又式(3)に代入すると、
Fz+ΔFz=Kz・(Σ|VA+ΔV−VA0|+Σ|VB+ΔV−VB0|)+Az
=Kz・(ΣΔV+ΣΔV)+Fz
=Kz・2ΣΔV+Fz
即ち、ΔFz=Kz・2ΣΔV となる。
【0040】
このように上記式(1)〜(3)では、上下力の変化ΔFzは、前後力、横力には影響を与えず、従って上下力を高精度で推定することができる。
【0041】
なお前記式(1)〜(3)の定数Kx、Ky、Kz、Ax、Ay、Azは、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzをそれぞれ違えた事前の荷重付加試験によって求めることができる。例えばタイヤが所定のタイヤ回転角度位置Qとなったときのタイヤ歪εを、異なる種々の荷重付加条件毎に各n個の歪センサ10A、10Bによって同時に測定し、これによって得たセンサ出力VA、VBから、和(ΣVA+ΣVB)、差(ΣVA−ΣVB)、和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)を求める。そして、事前の荷重付加試験の入力であるFx、Fy、Fzを目的変数とし、前記和(ΣVA+ΣVB)、差(ΣVA−ΣVB)、和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)をそれぞれ説明変数として、重回帰分析することで求めることができる。
【0042】
なお、各歪センサ10A、10Bがそれぞれ6個以上とする理由は、以下のとうりである。前記図4〜6から明らかなように、各出力波形における最大最小のピークPa、Pb間の角度γは、約60°であるが、3方力Fx、Fy、Fzを精度良く推定するためには、この出力波形のピークPa、Pbをとらえることが必要である。そのために、周上に6個以上の第1、第2の歪センサ10A、10Bを、それぞれ配し、隣り合う歪センサ10A、10A間、及び歪センサ10B、10B間に、2つのピークPa、Pbが現れないようにしている。
【0043】
又このように本発明では、前記和(ΣVA+ΣVB)を説明変数とすることで、横力と上下力との影響が互いに相殺されて除去されるため、前後力Fxを高精度で推定することが可能となる。又前記差(ΣVA−ΣVB)を説明変数とすることで、前後力と上下力との影響が互いに相殺されて除去されるため、横力Fyを高精度で推定することが可能となる。又前記和(Σ|VA−VA0|+Σ|VB−VB0|)を説明変数とすることで、前後力と横力との影響が互いに相殺されて除去されるため、上下力Fzを高精度で推定することが可能となる。
【0044】
しかも、前後力、横力、上下力ともに、それぞれ説明変数の数が1つで済むため、この前後力、横力、上下力の推定式を前記式(1)〜(3)の如く簡潔化することができ、演算時間を短縮してタイムラグを減じうるとともに、演算処理能力の小さい安価な演算器を使用しうるためコストの低減を図ることができる。又演算量が小となるため、例えば、演算器をタイヤ或いはリムに取り付け、タイヤ側で演算した前後力、横力、上下力を車体側に送信することが可能となる。この場合、送信のチャンネル数が3ですむなど、各センサ出力を車体側に送信する従来のシステムに比してチャンネル数を大幅に削減でき、送信装置の小型化やバッテリーの消耗時間の延長等を図ることができる。
【0045】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0046】
図3に示すように、一方側のサイドウォール部に第1の歪センサ10A、他方側のサイドウォール部に第2の歪センサ10Bを、それぞれ6個(n=6)づつ同一円周線上で等間隔を隔てて取り付けた空気入りタイヤ(サイズ245/40ZR18)を試作した。第1の歪センサ10Aと第2の歪センサ10Bとは、タイヤ赤道面を挟んだ対称位置に配される。又各歪センサ10A、10Bは、1つの磁石と1つの磁気センサ素子(ホール素子−−Melxis社製のホールIC:MLX90251)とをゴム弾性材で一体化したモールド体を使用し、歪センサ10A、10Bのゲイン最大線Nのタイヤ半径方向線に対する角度θ1、θ2は45°、しかも半径方向外側に向かってタイヤ回転方向S側に傾斜している。
【0047】
そしてフラットベルト上を時速20km/hで走行するタイヤに対し、タイヤの回転角度1°毎(タイヤ回転角度位置が1°毎に360個設定されている)に、各歪センサ10A、10Bによってタイヤ歪を同時に測定し、それによって得たセンサ出力VA1〜VA6、VB1〜VB6から、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzを推定式を用いてタイヤの回転角度1°毎に求め、6分力計を用いて実際に測定した実測値との差のバラツキを3σ(σ:標準偏差)で評価した。3σが小さいほど、実測値とのバラツキが少なく良好である。なお標準偏差は、力を45水準に振り、各水準で1秒間計測した45000点の標本で構成されたデータから求めている。
【0048】
なお比較例1では、センサ出力VA1〜VA6、VB1〜VB6を説明変数とした一次式(推定式)を用いて、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzを推定している。
【0049】
【表1】
【0050】
表に示すように、実施例の推定方法は、推定精度を向上しうるのが確認できる。
【符号の説明】
【0051】
1 空気入りタイヤ
3A 一方側のサイドウォール部
3B 他方側のサイドウォール部
10A 第1の歪センサ
10B 第2の歪センサ
Coタイヤ赤道面
jA、jB円周線
N ゲイン最大線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9