(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、検体投入者から取得した識別情報と前記認証情報とに基づいて、検体投入者が前記搬送装置に検体ラックを搬送させる権限を有するか否かを判断し、権限を有すると判断した場合に、前記搬送装置による検体ラックの搬送を許可する、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の検体分析装置。
前記記憶部に記憶された検体の分析結果、及び、前記分析結果と対応付けて記憶された識別情報又は前記識別情報によって特定される検体投入者の氏名を表示する表示部をさらに備える、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検体分析装置。
前記搬送装置は、前記貯留部に投入された検体ラックを前記貯留部から前記測定装置に至る搬送経路の途中の所定位置まで搬送し、前記指示者識別情報取得部が、測定指示者の識別情報を取得すると、前記所定位置から前記搬送装置へ検体ラックを搬送する、
請求項7に記載の検体分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
[検体分析装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る検体分析装置1の構成を示す斜視図である。検体分析装置1は、検体(血液)に含まれる成分を光学的に測定する測定ユニット2と、測定ユニット2による測定データを処理して検体の分析結果を得るとともに、測定ユニット2に操作指示を与える情報処理ユニット3と、検体ラックを搬送する搬送ユニット4とで構成されている。
【0024】
<測定ユニット2の構成>
図2は、測定ユニット2の概略構成を示す平面図である。測定ユニット2は、第1試薬テーブル11と、第2試薬テーブル12と、第1容器ラック13と、第2容器ラック14と、キュベットテーブル15と、加温テーブル16と、テーブルカバー17と、第1検体分注ユニット21と、第2検体分注ユニット22と、第1試薬分注ユニット23と、第2試薬分注ユニット24と、第3試薬分注ユニット25と、第1キャッチャユニット26と、第2キャッチャユニット27と、第3キャッチャユニット28と、キュベット搬送器32と、希釈液搬送器33と、キュベット口34と、廃棄口35,36と、検出ユニット40とを備えている。
【0025】
第1試薬テーブル11、第2試薬テーブル12、キュベットテーブル15、及び加温テーブル16のそれぞれは、円形状のテーブルであり、時計回り及び反時計回りの両方向に、独立して回転駆動される。これらのテーブルの回転駆動は、それぞれ、下面裏側に配された複数のステッピングモータ(図示せず)により行われる。
【0026】
第1試薬テーブル11と第2試薬テーブル12の上面には、図示の如く、それぞれ、5つの第1容器ラック13と5つの第2容器ラック14が着脱可能に配置されている。第1容器ラック13と第2容器ラック14には、試薬容器を保持するための保持部が形成されている。
【0027】
検体分析装置1では、複数の分析項目について検体分析が可能である。第1試薬テーブル11及び第2試薬テーブル12には、分析項目に対応する種類の試薬がセットされる。試薬には使用期限が設定されており、残料が切れるか、使用期限が経過した場合には、オペレータによって試薬が交換される。第1試薬テーブル11及び第2試薬テーブル12に保持されている各試薬の種別及び保持位置の情報が、後述する測定ユニット2の制御部300に設けられたハードディスク304に記憶されている。これにより、検体の測定が行われるときに、検体の測定に使用する試薬がどの保持位置に配置されているかを特定することができる。
【0028】
キュベットテーブル15と加温テーブル16には、図示の如く、それぞれ、円周に沿って複数のキュベット保持孔15a,16aが形成されている。キュベット保持孔15a,16aにキュベットがセットされると、かかるキュベットは、それぞれ、キュベットテーブル15と加温テーブル16の回転に合わせて、円周位置を移動することとなる。また、加温テーブル16は、保持孔16aにセットされたキュベットを、所定の温度にて加温する。
【0029】
第1試薬テーブル11、第2試薬テーブル12、及びキュベットテーブル15の上面を覆うように、テーブルカバー17が設けられている。かかるテーブルカバー17は、試薬を交換するとき等に開放することができるようになっている。また、テーブルカバー17には、複数の孔(図示せず)が設けられている。第1検体分注ユニット21と、第2検体分注ユニット22と、第1試薬分注ユニット23、第2試薬分注ユニット24、及び第3試薬分注ユニット25は、これら複数の孔を介して検体及び試薬の分注を行う。
【0030】
第1検体分注ユニット21は、図示の如く、支持部21aと、アーム21bと、分注部21cとを備えている。支持部21aは、その基端部に接続されたステッピングモータ(図示せず)により回転駆動される。また、支持部21aは、アーム21bを支持しており、アーム21bは、ステッピングモータにより上下方向に駆動される。分注部21cは、アーム21bの先端に取り付けられており、ピペットを有する。かかるピペットを用いて検体が吸引され吐出される。
【0031】
支持部21aが回転駆動されると、分注部21cが支持部21aを中心とした円周上を移動する。分注部21cは、検体吸引位置において、真下位置にある検体を吸引し、検体吐出位置において、真下位置にあるキュベットに検体を吐出する。なお、第2検体分注ユニット22、第1試薬分注ユニット23、第2試薬分注ユニット24、及び第3試薬分注ユニット25についても、第1検体分注ユニット21と同様の構成となっている。すなわち、第2検体分注ユニット22は支持部22aを備え、支持部22aは、その基端部に接続されたステッピングモータ(図示せず)により回転駆動される。また、第1試薬分注ユニット23、第2試薬分注ユニット24、第3試薬分注ユニット25は、それぞれ、支持部23a、支持部24a、支持部25aを備え、支持部23a、支持部24a、支持部25aは、それぞれ、基端部に配された複数のステッピングモータ(図示せず)により回転駆動される。
【0032】
第1キャッチャユニット26は、アーム26bを支持する支持部26aと、伸縮可能なアーム26bと、把持部26cとで構成されている。支持部26aは、下面裏側に配されたステッピングモータ(図示せず)により回転駆動される。把持部26cは、アーム26bの先端に取り付けられており、キュベットを把持することができる。なお、第2キャッチャユニット27についても、第1キャッチャユニット26と同様の構成となっており、ステッピングモータ(図示せず)により回転される。
【0033】
第3キャッチャユニット28は、図示の如く、アーム28bを支持する支持部28aと、伸縮可能なアーム28bと、アーム28bの先端に取り付けられた把持部28cとで構成されている。支持部28aは、左右方向に配されたレールに沿って駆動される。把持部28cは、キュベットを把持することができる。
【0034】
キュベット搬送器32及び希釈液搬送器33は、レール上を左右方向に駆動する。また、キュベット搬送器32と希釈液搬送器33には、それぞれ、キュベット及び希釈液容器を保持するための孔が設けられている。
【0035】
キュベット口34には、常に新しいキュベットが供給される。新しいキュベットは、第1キャッチャユニット26及び第2キャッチャユニット27により、キュベット搬送器32のキュベットを保持する孔及びキュベットテーブル15のキュベット保持孔15aにセットされる。廃棄口35、36は、分析が終了し不要となったキュベットを廃棄するための孔である。
【0036】
検出ユニット40は、上面にキュベットを収容する20個の保持孔41が設けられており、下面裏側に検出部(図示せず)が配されている。保持孔41にキュベットがセットされると、検出部により、キュベット中の測定試料から光学的情報が検出される。
【0037】
図3は、測定ユニット2の回路構成を示すブロック図である。
【0038】
測定ユニット2は、制御部300を有している。制御部300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、通信インターフェース305と、I/Oインターフェース306とを有する。
【0039】
CPU301は、ROM302に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM303にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM303は、ROM302及びハードディスク304に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM303は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU301の作業領域としても利用される。ハードディスク304には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU301に実行させるための種々のコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。つまり、かかるハードディスク404には、CPU301に測定ユニット2の各部を制御するための制御プログラムがインストールされている。また、通信インターフェース305により、情報処理ユニット3に対してデータの送受信が可能となる。
【0040】
また、CPU301は、I/Oインターフェースを介して、ステッピングモータ411と、ロータリーエンコーダ412と、バーコード読取部44と、マイクロスイッチ45と、スタートスイッチ46と、ICカードリーダ47とに接続されている。ステッピングモータ411、ロータリーエンコーダ412、マイクロスイッチ45、スタートスイッチ46、及びICカードリーダ47のそれぞれは搬送ユニット4に設けられている。なお、ステッピングモータ411、ロータリーエンコーダ412、マイクロスイッチ45、スタートスイッチ46、及びICカードリーダ47の構成については後述する。
【0041】
ROM302には、ロータリーエンコーダ412の出力データを、後述するラック送込部41bにより移送された検体ラックの数に変換するためのラック数変換テーブル302aが設けられている。かかるラック数変換テーブル302aについては後述する。
【0042】
<搬送ユニットの構成>
次に、搬送ユニット4の構成について説明する。
図1に示すように、検体分析装置1の測定ユニット2の前方には、搬送ユニット4が配置されている。かかる搬送ユニット4は、測定ユニット2へ検体を供給するために、検体ラックLを搬送することが可能である。
【0043】
図4は、搬送ユニット4の構成を示す平面図である。
図4に示すように、搬送ユニット4は、分析が行われる前の検体を収容する検体容器Tを保持する複数の検体ラックLを一時的に保持することが可能な分析前ラック貯留部41と、測定ユニット2によって検体が吸引された検体容器Tを保持する複数の検体ラックLを一時的に保持することが可能な分析後ラック貯留部42と、検体を測定ユニット2に供給するために、検体ラックLを図中矢印X方向へ水平に直線移動させ、分析前ラック貯留部41から受け付けた検体ラックLを分析後ラック貯留部42へ搬送するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、検体ラックLの有無を検知するマイクロスイッチ45とを備えている。
【0044】
分析前ラック貯留部41は、平面視において四角形をなしており、その幅は検体ラックLの幅より若干大きくなっている。この分析前ラック貯留部41は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析前の検体を収容した検体ラックLが載置される。また、分析前ラック貯留部41の両側面からは、内側へ向けてラック送込部41bが突出可能に設けられている。このラック送込部41bが突出することにより検体ラックLと係合し、この状態で後方(ラック搬送部43に近接する方向)へ移動することにより、検体ラックLが後方へと移送される。かかるラック送込部41bは、分析前ラック貯留部41の下方に設けられたステッピングモータ411によって駆動可能に構成されている。また、ステッピングモータ413の出力軸にはロータリーエンコーダ412が取り付けられている。このロータリーエンコーダ412は、ステッピングモータ411の回転方向及び回転量を各別に検出可能であり、当該ロータリーエンコーダ412の出力信号によりラック送込部41bの位置を検出することが可能となっている。かかるステッピングモータ411及びロータリーエンコーダ412は、測定ユニット2の制御部300に接続されており、搬送ユニット4の制御は当該制御部300により行われる。
【0045】
また、搬送ユニット4には、検体ラックLの搬送開始を指示するためのスタートスイッチ46と、オペレータの認証に使用されるICカードリーダ47とが設けられている。オペレータは、検体ラックLの搬送の開始を指示する場合には、スタートスイッチ46を押下する。かかるスタートスイッチ46の押下が行われると、測定ユニット2の制御部300に検体ラックLの搬送開始の指示信号が与えられる。検体ラックLの搬送開始の指示が与えられると、ICカードリーダ47が駆動され、ICカードの読み取り準備状態となる。検体分析装置1の各オペレータには、ユーザ認証用の識別情報が割り当てられており、各オペレータは、割り当てられた識別情報を記憶した携帯型記憶媒体としてICカードを携帯している。ICカードには、認証用の鍵情報、オペレータのユーザID及びパスワードが記憶されている。オペレータは、ICカードリーダ47がICカード読取準備状態であるときに、自分が保有するICカードをICカードリーダ47に載置して、ICカードに記録されている情報をICカードリーダ47に読み取らせる。ICカードリーダ47によって情報が読み取られると、ユーザ認証が実行される。ユーザ認証が成功し、検体分析の権限が認められると、検体ラックLの搬送が開始される。スタートスイッチ46及びICカードリーダ47は、上述したように測定ユニット2の制御部300に接続されている。
【0046】
検体ラックLの搬送開始が指示されると、分析前ラック貯留部41に載置された検体ラックLは、ラック送込部41bによって図中Y1方向(後方)に移送される。ラック送込部41bは、検体ラックLの搬送が指示された後、分析前ラック貯留部41の前端部から内側へ突出し、Y1方向へ移動する。これにより、ラック送込部41bの後方への移動の途中において、分析前ラック貯留部41に載置されている検体ラックLにラック送込部41bが係合し、検体ラックLがY1方向へ移送されることとなる。このため、複数の検体ラックLが分析前ラック貯留部41に載置された場合には、これらの検体ラックLのうち最も前方(Y2方向)に位置する検体ラックLにラック送込部41bが係合し、複数の検体ラックLが一度にY1方向へ移送される。
【0047】
図5A及び
図5Bは、ラック送込部41bにより検体ラックLが移送された状態の搬送ユニット4の一部を示す部分拡大平面図である。
図5Aには、1つの検体ラックLがラック送込部41bに移送された場合の例を示しており、
図5Aには、3つの検体ラックLがラック送込部41bに移送された場合の例を示している。
図5Aに示す例の場合、上記のようにラック送込部41bにより検体ラックLがY1方向へ移送されると、当該検体ラックLが分析前ラック貯留部41を越え、さらに後方(Y1方向)に設けられたラック搬送部43に到達する。ラック搬送部43は、分析前ラック貯留部41から移送された検体ラックLを、左方(X1方向)へと移送するベルトコンベヤであり、左右方向(図中X1−X2方向)に直線状に延びている。ラック搬送部43は、その右端が分析前ラック貯留部41の右端と揃えられている。つまり、ラック送込部41bによりY1方向へ移送された検体ラックLは、ラック搬送部43の右端部(図中Y2方向端部)に到達する。
【0048】
また、
図5Bに示す例の場合、ラック送込部41bにより検体ラックLがY1方向へ移送されると、最も前方(Y2方向側)の検体ラックLにラック送込部41bが係合し、当該検体ラックLが後方へ移動する。このとき、ラック送込部41bが係合した検体ラックLよりも後方にある他の検体ラックLは、ラック送込部41bが係合した検体ラックLに押されて後方へ移動する。そして、最も後方(Y1方向側)の検体ラックLが分析前ラック貯留部41を越え、ラック搬送部43の右端部に到達する。
【0049】
このように検体ラックLは、ラック送込部41bによりラック搬送部43の右端部を含む領域(以下、「搬送対象確定領域」という。)に到達するまで移送される。この搬送対象確定領域は、ラック送込部41bにより移送される検体ラックL(複数の検体ラックLが移送される場合には、最も後方(Y1方向側)の検体ラックL)がラック搬送部43の右端部に到達したときにおけるラック送込部41bよりもY1方向側の領域であり、且つ、ラック搬送部43の右端部よりもY2方向側の領域である。つまり、
図5Aに示す場合の搬送対象確定領域A1は、ラック搬送部43の右端部の検体ラック1つ分の領域であり、
図5Bに示す場合の搬送対象確定領域A2は、ラック搬送部43の右端部から分析前ラック貯留部41のY1方向側部分に至る検体ラック3つ分の領域である。このように、搬送対象確定領域は、ラック送込部41bにより移送される検体ラックの数に応じて大きさが変化する。
【0050】
このように、ラック送込部41bにより搬送対象確定領域に検体ラックLが移送されると、移送された検体ラックの数が、ロータリエンコーダ412の出力信号から、ラック数変換テーブル302aによって取得される。つまり、ラック送込部41bが検体ラックLを搬送対象確定領域に移送すると、ラック送込部41bは移送された検体ラックLの数に応じた位置で停止する。ロータリエンコーダ412の出力信号は、このラック送込部41bの位置に対応している。一方、ラック数変換テーブル302aには、ロータリエンコーダ412の出力信号(パルス数)と、移送された検体ラックLの数との対応関係が記憶されている。したがって、かかるラック数変換テーブル302aが使用されることで、ロータリエンコーダ412の出力信号から移送された検体ラックの数が変換される。
【0051】
こうして計数された検体ラックLは、搬送対象として決定される。なお、ここでいう「搬送対象」とは、搬送ユニット4のラック搬送部43による搬送が許諾された検体ラックのことである。つまり、
図5Aに示す例では、ラック送込部41bによって移送された1つの検体ラックLが搬送対象として決定され、
図5Bに示す例では、ラック送込部41bによって移送された3つの検体ラックLが搬送対象として決定される。
【0052】
ラック搬送部43の右端には、検体ラックLを検出するためのマイクロスイッチ45が設けられている。上述したようにラック送込部41bにより検体ラックLが移送され、検体ラックLが搬送対象確定領域に到達したときには、ラック搬送部43の右端部に位置する検体ラックLがマイクロスイッチ45に当接し、マイクロスイッチ45により検体ラックLが検出される。このように、ラック搬送部43の右端部に移送された検体ラックLは、ラック搬送部43によりX1方向へ搬送される。検体ラックLには、検体容器Tを保持するための保持位置が10個並設されている。ラック搬送部43により検体ラックLがX1方向へ搬送されるとき、検体ラックLは、隣り合う保持位置の間隔を1ピッチとして間欠的に移送される。即ち、検体ラックLが10ピッチ分X1方向へ移送されることで、1つの検体ラックLの長さと同じ長さだけ検体ラックLが移動することとなる。かかるマイクロスイッチ45は、上述したように測定ユニット2の制御部300に接続されている。
【0053】
このようにしてラック搬送部43により検体ラックLが1つの検体ラックLの長さと同じ長さだけ移動されると、ラック搬送部43の右端には、1つの検体ラックLを収容可能な空間が確保される。したがって、搬送対象確定領域に複数の検体ラックLが存在する場合には、上記のラック搬送部43の右端に空間ができたときに、ラック送込部41bが駆動されてこれらの検体ラックLがY1方向へ移送され、最も後方(Y1方向側)の検体ラックLがラック搬送部43の右端部に到達する。かかる動作が繰り返されることで、搬送対象として決定された検体ラックLの全てがラック搬送部43により搬送される。
【0054】
ラック搬送部43による検体ラックLの搬送経路上には、
図4に示す測定ユニット2により検体を吸引するための検体吸引位置43a及び43b、並びに、バーコード読取部44が検体容器Tのバーコードラベルに印刷されたバーコードを読み取るための読取位置43dが存在する。搬送ユニット4は、測定ユニット2の制御部によって制御され、読取位置43dに検体を搬送した場合には、バーコード読取部44により検体容器Tのバーコード(検体ID)が読み取られ、検体吸引位置43a又は43bに検体を搬送した場合には、検体分注ユニット21又は検体分注ユニット22により検体容器Tから検体が吸引される。
【0055】
バーコード読取部44は、検体容器Tのバーコードラベルに印刷されたバーコードを読み取り、また検体ラックLに貼付されたバーコードラベルに印刷されたバーコードを読み取るように構成されている。検体ラックLのバーコードラベルに印刷されたバーコードは、各ラックに固有に付されたラックIDを示すものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。
【0056】
ラック搬送部43の搬送方向下流側端には、後述する分析後ラック貯留部42が設けられており、この分析後ラック貯留部42の後方にラック送出部48が設けられている。かかるラック送出部48は、図示しないステッピングモータの駆動力により矢印Y2方向に水平に直線移動するように構成されている。これにより、分析後ラック貯留部42とラック送出部48との間の位置451(以下、「分析後ラック送出位置」という。)に検体ラックLが搬送された場合に、ラック送出部48を分析後ラック貯留部42側に移動することによって、検体ラックLを押動させて分析後ラック貯留部42内に移動することが可能である。
【0057】
分析後ラック貯留部42は、平面視において四角形をなしており、その幅は検体ラックLの幅より若干大きくなっている。この分析後ラック貯留部42は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析が完了した検体ラックLが載置される。分析後ラック貯留部42は、上記のラック搬送部43に連なっており、上述したように、ラック送出部48によって、ラック搬送部43から検体ラックLが送り込まれるようになっている。
【0058】
上記のような構成とすることにより、搬送ユニット4は、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLをラック搬送部43へと移送し、さらにラック搬送部43によって搬送することにより、検体を測定ユニット2へと供給することができる。また、吸引が完了した検体を収容する検体ラックLは、ラック搬送部43により、ラック搬送部の搬送方向の最も下流の位置まで移送され、ラック送出部48により分析後ラック貯留部42へ送出される。複数の検体ラックLが分析前ラック貯留部41に載置された場合では、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLは順次ラック搬送部43によって搬送され、検体の吸引が完了した検体容器Tを保持する検体ラックLが次々にラック送出部48により分析後ラック貯留部42へと送出され、これらの複数の検体ラックLが分析後ラック貯留部42に貯留されることとなる。
【0059】
<情報処理ユニット3の構成>
図6は、情報処理ユニット3の構成を示すブロック図である。
【0060】
情報処理ユニット3は、パーソナルコンピュータからなっており、本体400と、入力部408と、表示部409とから構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース410とを有する。
【0061】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM402にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402及びハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0062】
ハードディスク404には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。つまり、かかるハードディスク404には、コンピュータを本実施の形態に係る情報処理装置として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。
【0063】
またハードディスク404には、ユーザ認証に使用されるユーザデータベースDB1及び分析結果を格納するための分析結果データベースDB2が設けられている。ユーザデータベースDB1には、各オペレータに割り当てられたユーザID、パスワード、オペレータの氏名、及び権限情報等が登録される。権限情報は、検体ラックの搬送、検体の測定、測定条件の設定等、オペレータに認められた検体分析装置1の使用権限を示している。また、分析結果データベースDB2には、分析された検体の検体ID、検体を分析した日時(測定日時)、測定項目、測定した結果、検体ラックを投入したオペレータ(以下、検体投入者ともいう)のユーザID、及び検体の測定開始を指示したオペレータ(以下、測定指示者ともいう)のユーザID等の情報が格納される。
【0064】
図7Aは、ユーザデータベースDB1の構造を模式的に示す図である。ユーザデータベースDB1には、ユーザIDが格納されるユーザID領域F61と、ユーザIDと対になって設定されているパスワードが格納されるパスワード領域F62と、オペレータの氏名が格納される氏名領域F63と、検体ラックの搬送開始を指示する権限(搬送権限ともいう)の有無の情報を格納する搬送権限領域F64と、検体の測定開始を指示する権限(測定権限ともいう)の有無の情報を格納する測定権限領域F65とが設けられている。
CPU401は、後述するユーザ認証処理によってオペレータのユーザIDを取得すると、ユーザIDをキーとしてユーザデータベースDB1を参照し、そのオペレータの搬送権限および測定権限の有無を判断することができる。また、CPU401は、分析結果データベースDB2に格納された情報の表示指示を受け付けると、分析結果とともに格納されているユーザIDをキーとしてユーザデータベースDB1を参照し、そのユーザIDによって特定されるオペレータの氏名を決定し、分析結果とともに表示させることができる。
【0065】
図7Bは、分析結果データベースDB2の構造を模式的に示す図である。分析結果データベースDB2は、検体IDが格納される検体ID領域F66と、検体測定の日時が格納される日時領域F67と、測定項目が格納される測定項目領域F68と、測定項目を測定して得られた分析結果が格納される結果領域F69と、検体投入者のユーザIDが格納される検体投入者ID領域F70と、測定指示者のユーザIDが格納される測定指示者ID領域F71と、測定によって得られた測定データ(生データ)等の情報が格納される領域F72とを備えている。この分析結果データベースDB2では、1つの測定項目の結果につき、1つの行(レコード)が割り当てられている。
【0066】
読出装置405は、CDドライブ又はDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラム及びデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウス及びキーボードからなる入力部408が接続されており、ユーザが入力部408を使用することにより、情報処理ユニット3にデータが入力される。画像出力インターフェース407は、CRT又は液晶パネル等で構成された表示部409に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部409に出力する。表示部409は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。また情報処理ユニット3は、通信インターフェース410により測定ユニット2に対してデータの送受信が可能となる。
【0067】
[検体分析装置の動作]
以下、本実施の形態に係る検体分析装置1の動作について説明する。
【0068】
<検体ラック送り込み動作>
まず、検体ラックの送り込み動作について説明する。検体ラックの送り込み動作は、後述の検体測定動作に先だって実行される。検体ラックの送り込み作を開始する前に、検体ラックに保持された検体毎に測定項目(PT,APTT等)を指示しておく必要がある。検体の測定項目は、測定オーダにより指定される。検体分析装置1では、ユーザによる測定オーダの登録が可能であり、また図示しないサーバ装置から測定オーダを受け付けることも可能である。
【0069】
オペレータは、検体ラック送り込み動作及び検体測定動作を実行する前に、検体分析装置1にログオンを行う。具体的には、検体分析装置1を起動し、ICカードリーダ47にオペレータのICカードを近づけることで、ICカードリーダに記録されているユーザID及びパスワードが読み出され、情報処理ユニット3のCPU401がこのユーザID及びパスワードによりユーザ認証処理を実行し、ユーザ認証が成功すると、ログオンが完了する。検体分析装置1にオペレータがログオン状態で、検体分析装置1に各種の動作を実行させることが可能となる。
【0070】
図8は、検体ラック送り込み動作の手順を示すフローチャートである。まず、複数の検体容器Tを収容した検体ラックLが、オペレータによって搬送ユニット4の分析前ラック貯留部41に投入される。このオペレータを以下では検体投入者として説明する。この状態で、検体投入者は検体ラックの搬送開始を指示するスタートスイッチ46を押下する。制御部300のCPU301は、搬送開始の指示を受け付けると(ステップS101)、ICカードリーダ47を駆動して、検体ラック搬送についてのユーザ認証を要求する(ステップS102)。ICカードリーダには、LEDが内蔵されており、ICカードリーダ47が駆動されると当該LEDが点灯し、ICカードを読取可能な状態となる。このようにICカード読取可能状態となり、LEDが点灯することにより、検体投入者にICカードによるユーザ認証が促される。
【0071】
検体投入者は、自分のICカードをICカードリーダ47に近づけることで、ICカードに記録されているユーザID及びパスワードをICカードリーダに読み取らせる。ICカードリーダ47により、検体投入者のユーザID及びパスワードが読み取られると、このユーザID及びパスワードが情報処理ユニット3に送信され、CPU401がこのユーザID及びパスワードをユーザデータベースDB1に登録されているユーザ情報と照合することで、ユーザ認証を実行する(ステップS103)。具体的には、ICカードから得られたユーザIDをユーザデータベースDB1のユーザID領域F61から検索する。得られたユーザIDと同じユーザIDがユーザデータベースDB1に登録されていれば、そのレコードの領域F62に格納されているパスワードと、ICカードから得られたパスワードを比較する。両者が一致すれば、そのレコードの領域F64に格納されている搬送権限が「あり」であるか否かを判断し、「あり」であればユーザ認証成功とする。ユーザIDがユーザデータベースDB1に登録されていない場合、パスワードが一致しない場合、搬送権限が「なし」である場合は、いずれもユーザ認証は失敗とされる。
【0072】
ユーザ認証が失敗すると(ステップS103においてNO)、CPU401は、ユーザ認証が失敗したことを示すエラー画面を表示部409に表示させる(ステップS104)。この後、ステップS102に処理が戻る。
【0073】
一方、ステップS103においてユーザ認証が成功すると(ステップS103においてYES)、CPU301がステッピングモータ411を駆動して、分析前ラック貯留部41に貯留されている検体ラックLをY1方向へラック送込部41bによって移送する(ステップS105)。検体ラックLの移送が開始されると、CPU301は、マイクロスイッチ45がオンであるか否かを判定する(ステップS106)。ラック搬送部43の右端部に検体ラックLが到達しなければ、マイクロスイッチ45はオンにならない。そこで、マイクロスイッチ45がオフの場合には(ステップS106においてNO)、CPU301はステップS106の処理を再度実行する。マイクロスイッチ45がオンの場合には(ステップS106においてYES)、CPU301は、ステッピングモータ411を停止する(ステップS107)。このようにして、検体ラックLは搬送対象確定領域に到達する。
【0074】
次にCPU301は、ラック数変換テーブル302aを参照し、ロータリエンコーダ412の出力信号から検体ラックLの数を取得する(ステップS108)。さらにCPU301は、計数された数の検体ラックLを搬送対象として決定し、搬送対象として決定された検体ラックLの数と、検体投入者のユーザIDとを対応付けてRAM303に設けられた搬送対象テーブルに記憶する(ステップS109)。これにより、検体ラック送り込み動作が終了する。
【0075】
図9は、搬送対象テーブルの構成を模式的に示す図である。
図9に示すように、搬送対象テーブルは、検体投入者のユーザIDが格納される検体投入者ID領域F11と、測定開始指示者のユーザIDが格納される測定開始指示者ID領域F12と、上述の搬送対象として決定された検体ラックLの数が格納されるラック数領域F13とを備える。CPU301は、ステップS108において検体ラックLの数を取得すると、取得したラック数を領域F13に格納し、ステップS102で取得した検体投入者のユーザIDを領域F11に格納する。なお、この時点では測定開始指示は行われていないので、領域F12はブランクとされ、後述の測定開始が指示されたときに、測定指示者のユーザIDが格納される。
【0076】
一度検体ラック送り込み動作が実行された後は、検体測定動作が実行され、搬送対象確定領域から全ての検体ラックLが搬送されるまで、次の検体ラック送り込み動作を実行することはできない。即ち、マイクロスイッチ45により検体ラックLが検出されている間は、検体ラック送り込み動作を実行することはできないようになっている。一方、搬送対象確定領域から全ての検体ラックLが搬送され、マイクロスイッチ45によって検体ラックLが検出されなくなった後は、オペレータは再度検体ラックLを分析前ラック貯留部41に投入し、検体ラック送り込み動作を開始させることができる。
【0077】
<検体測定動作>
図10Aは、検体測定動作の手順を示すフローチャートである。上述した検体ラック送り込み動作を実行すると、検体ラックLが搬送対象確定領域に移送される。オペレータは検体の測定を開始する場合、この状態で検体測定の開始の指示を検体分析装置1に与える。オペレータがログオンしている状態では、情報処理ユニット3の表示部409に表示中の画面において、測定開始ボタンが表示される。この測定開始ボタンをマウスのクリック動作等によって選択すると、検体分析装置1に検体測定の開始指示が与えられる。オペレータがこのような検体測定開始指示を検体分析装置1に与えると、CPU401が検体測定の開始指示を受け付ける(ステップS201)。かかる検体測定の開始指示が検体分析装置1に与えられると、制御部300のCPU301は、ICカードリーダ47を駆動して、検体測定についてのユーザ認証を要求する(ステップS202)。ICカードリーダ47が駆動されるとLEDが点灯し、ICカードを読取可能な状態となり、オペレータにICカードによるユーザ認証が促される。
【0078】
オペレータは、自分のICカードをICカードリーダ47に近づけることで、ICカードに記録されている情報をICカードリーダに読み取らせる。ICカードリーダ47により、オペレータのユーザID及びパスワードが読み取られると、このユーザID及びパスワードが情報処理ユニット3に送信され、CPU401がこのユーザID及びパスワードをユーザデータベースDB1に登録されているユーザ情報と照合することで、ユーザ認証を実行する(ステップS203)。ユーザ認証の具体的な処理は、ユーザデータベースDB1の領域F64に格納された搬送権限の有無に代えて、領域F65に格納された測定権限の有無を判断すること以外は、検体投入者のユーザ認証と同じ処理であるので、詳細な説明は省略する。ユーザ認証が失敗すると(ステップS203においてNO)、CPU401は、ユーザ認証が失敗したことを示すエラー画面を表示部409に表示させる(ステップS204)。この後、ステップS202に処理が戻る。
【0079】
一方、ステップS203においてユーザ認証が成功すると(ステップS203においてYES)、CPU301は、RAM303の搬送対象テーブル(
図9参照)の領域F12に、ステップS203で取得した測定指示者のユーザIDを格納する(ステップS205)。ついでCPU301は、ラック搬送部43を駆動して、搬送対象領域に位置づけられている検体ラックLの先頭の検体容器Tをバーコード読取部44による読取位置43dまで搬送させる(ステップS206)。検体ラックLの搬送が開始され、ラック搬送部43の右端に設けられたマイクロスイッチ45がOFFになると、CPU301は、搬送対象テーブルの最上段の行の領域F11に格納されている検体投入者のユーザIDと、領域F12に格納されている測定指示者のユーザIDとを情報処理ユニット3へ送信し、搬送対象テーブルのラック数を1デクリメントする(ステップS207)。情報処理ユニット3のCPU401は、検体投入者のユーザIDと測定指示者のユーザIDとを受信すると、これらをRAM403に格納する。
【0080】
検体ラックLに保持されている1つの検体容器Tが読取位置43dに位置すると、CPU301は、当該検体容器Tに貼付されたバーコードラベルのバーコードを、バーコード読取部44に読み取らせる(ステップS208)。検体容器Tのバーコードには検体IDが記録されている。CPU301は、得られた検体IDを情報処理ユニット3に送信する。情報処理ユニット3のCPU401は、受信した検体IDをキーにして当該検体の測定オーダを取得する(ステップS209)。情報処理ユニット3のCPU401は、ハードディスク404に格納されている分析結果データベースDB2(
図7B参照)の最下行に、取得した測定オーダに含まれる測定項目の数だけ新規レコードを追加する(ステップS210)。測定オーダに含まれる測定項目が1つであれば1つの新規レコードが追加され、測定項目が2つであれば2つの新規レコードが追加される。追加された新規レコードの検体番号領域F66には、読み取られた検体IDが格納される。測定項目領域F68には、取得した測定オーダに含まれる測定項目の一つが格納される。新規レコードの検体投入者領域F70には、ステップS207においてRAM403に記憶した検体投入者のユーザIDが格納される。新規レコードの測定指示者領域F71には、ステップS207においてRAM403に格納した測定指示者のユーザIDが格納される。
なお、この時点では、追加された新規レコードの日付領域F67、及び結果領域F69はブランクとされる。
【0081】
CPU301は、検体ラックLに保持された全ての検体容器Tについてバーコード読取が完了したか否かを判断する(ステップS211)。具体的には、検体ラックLに保持された10本目の検体容器Tまでバーコード読取が完了しているか否かを判断する。全ての検体容器Tのバーコード読取が完了していなければ(ステップS211においてNO)、検体ラックLを1ピッチだけ左方向に搬送し、次の検体容器Tを読取位置43dに位置づけ(ステップS212)、ステップS208へ処理を戻す。この処理によって、検体ラックLに保持された1〜10本目の検体容器Tの全てについてバーコード読取とオーダ取得が行われ、10本の検体容器Tの各検体の各測定項目について、測定日時と分析結果がブランクとされた新規レコードが作成される。
【0082】
全ての検体容器Tのバーコード読取が完了していれば(ステップS211においてYES)、CPU301は、検体ラックLを左方向に搬送し、検体ラックLに保持された検体容器Tを検体吸引位置43aに搬送する(ステップS213)。検体容器Tが検体吸引位置に43aに搬送されると、測定ユニット2の第1検体分注ユニット21によって検体容器Tから検体が吸引され(ステップS214)、後述する検体測定処理が実行される。
【0083】
次にCPU301は、搬送されている検体ラックLの全ての検体容器Tから検体が吸引されたか否かを判別し(ステップS215)、まだ吸引されていない検体が残っている場合には(ステップS215においてNO)、検体ラックLを1ピッチだけ左方向に搬送し、次の検体容器Tを検体吸引位置43aに位置づける(ステップS216)。この処理によって、検体ラックLに保持された10本の全ての検体容器Tについて吸引が実行される。
【0084】
搬送されている検体ラックLの全ての検体が吸引された場合には(ステップS215においてYES)、CPU301は、ラック搬送部43において搬送されている検体ラックL(全検体が吸引された検体ラックL)をさらに左方向へ搬送し、当該検体ラックLがラック搬送部43の左端部に到達した後に、ラック送出部48により検体ラックLを分析後ラック貯留部42へ移送する(ステップS217)。
【0085】
CPU301は、搬送対象テーブルのラック数領域F13を参照し、搬送対象の検体ラックLが残っているか否かを判断する(ステップS218)。搬送対象の検体ラックLが残っている場合(すなわち、ラック数領域F13に格納されているデータ(整数)が1以上である場合)には(ステップS218においてYES)、CPU301は、ラック送込部41bを駆動して搬送対象領域に残っている検体ラックLを、マイクロスイッチ45がONになるまでY2方向に移送し(ステップS219)、ステップS206へ処理を戻す。
【0086】
ステップS206に処理が戻ると、次の検体ラックLの搬送が開始され、ステップS207において、再び搬送対象テーブルの最上段の行に格納されている検体投入者のユーザIDおよび測定指示者のユーザIDが読み出され、情報処理ユニット3のRAM403に上書きして格納される。したがって、RAM403には、搬送対象テーブルの最上段の行に格納されている検体投入者のユーザIDが記憶され、RAM403に記憶されたユーザIDが1つの検体ラックLに保持された10本の検体容器Tの分析結果と対応付けられることになる。また、搬送対象テーブルのラック数がデクリメントされた結果、ラック数が0になると、その行は搬送対象テーブルから削除される。
このような構成により、検体ラックLを投入した検体投入者のユーザIDと、その検体ラックLの測定開始を指示した測定指示者のユーザIDと、その検体ラックLに保持された検体容器Tの検体のIDとが正確に対応づけられて分析結果データベースDB2に格納される。
【0087】
搬送対象の検体ラックLが残っていない場合(すなわち、ラック数領域F13が0である場合)には(ステップS218においてNO)、CPU301は、処理を終了する。
【0088】
検体吸引・測定処理
次に、ステップS214において検体が吸引されたのち実行される検体測定処理の詳細を説明する。
まず、第2キャッチャユニット27が、キュベット口34に供給されたキュベットを、キュベットテーブル15のキュベット保持孔15aにセットする。第1検体分注ユニット21は、ラック搬送部43の検体吸引位置43aに位置づけられた検体容器Tの検体を吸引する。第1検体分注ユニット21によって吸引された検体は、キュベットテーブル15の前方位置にある検体吐出位置18に位置づけられたキュベット保持孔15aにセットされたキュベットに吐出される。検体吐出後、第1検体分注ユニット21の分注部21cの洗浄が行われる。
【0089】
第1キャッチャユニット26は、キュベット口34に供給されたキュベットを、キュベット搬送器32のキュベット保持孔にセットする。第2検体分注ユニット22は、検体吸引位置19にあるキュベットに収容されている検体を吸引する。第2検体分注ユニット22よって吸引された検体は、キュベット搬送器32にセットされたキュベットに吐出される。なお、第2検体分注ユニット22は、希釈液搬送器33にセットされた希釈液を吸入することができる。この場合、第2検体分注ユニット22は、検体の吸引前に希釈液吸引位置37にて希釈液を吸引した後、検体吸引位置19又は54にて検体を吸引する。
【0090】
吸引された検体について複数の測定項目が指定されている場合、キュベットテーブル15のキュベット保持孔15aにセットされたキュベットから、測定項目数分のキュベットに検体が小分けされる(二次分注)。各キュベットは1つずつ測定項目に対応しており、キュベットに小分けされた検体は、当該キュベットに対応する測定項目について測定される。
【0091】
キュベット搬送器32は、収容したキュベットに検体が吐出(二次分注)されると、所定のタイミングにて、レール上を右方向に駆動される。続いて、第1キャッチャユニット26により、キュベット搬送器32にセットされた検体を収容しているキュベットが把持され、加温テーブル16のキュベット保持孔16aにセットされる。
【0092】
キュベットに収容された検体は、加温テーブル16において測定項目に応じた時間加温される。例えば、測定項目がPTの場合には、検体が3分間加温され、測定項目がAPTTの場合には、検体が1分間加温される。
【0093】
検体が加温された後、検体にトリガ試薬が混和される。測定項目によっては、所定時間検体が加温された後、中間試薬がキュベット内に分注され、再度キュベットが所定時間加温された後、トリガ試薬が分注されるものもある。例えば、測定項目がPTの場合、加温された検体を収容するキュベットにPT試薬(トリガ試薬)が分注され、その後検出ユニット40において光学測定される。
【0094】
この場合、加温テーブル16のキュベット保持孔16aに保持されているキュベットは、第3キャッチャユニット28により把持され、試薬吐出位置39a又は39bに位置づけられる。ここで、第2試薬分注ユニット24又は第3試薬分注ユニット25により、第1試薬テーブル11又は第2試薬テーブル12に配置されている所定の試薬容器200内のトリガ試薬が吸引され、試薬吐出位置39a又は39bにてトリガ試薬が吐出される。
【0095】
次に、加温された検体に中間試薬が混和された後、再度加温される場合について説明する。例えば、測定項目がAPTTの場合、加温された検体を収容するキュベットにAPTT試薬(中間試薬)が分注され、再度加温テーブル16において2分間加温される。その後、当該キュベット内に塩化カルシウム溶液(トリガ試薬)が分注され、検出ユニット40において光学測定される。このように検体を2回加温する測定項目の場合、加温テーブル16において検体が所定時間加温された後、第2キャッチャユニット27が、保持孔16aにセットされた当該検体を収容しているキュベットを把持し、試薬吐出位置38まで移動させる。ここで、第1試薬分注ユニット23は、第1試薬テーブル11又は第2試薬テーブル12に配置されている所定の試薬容器200内の中間試薬を吸引し、試薬吐出位置38にて中間試薬を吐出する。こうして、中間試薬が吐出されると、第2キャッチャユニット27は、かかるキュベットを攪拌した上で、再び加温テーブルのキュベット保持孔16aにセットする。
【0096】
加温テーブル16のキュベット保持孔16aに保持されているキュベットは、次に、第3キャッチャユニット28により把持され、試薬吐出位置39a又は39bに位置づけられる。ここで、第2試薬分注ユニット24又は第3試薬分注ユニット25は、第1試薬テーブル11又は第2試薬テーブル12に配置されている所定の試薬容器200内のトリガ試薬を吸引し、試薬吐出位置39a又は39bにてトリガ試薬を吐出する。
【0097】
上記のようにトリガ試薬が吐出された後には、第3キャッチャユニット28は、試薬が吐出されたキュベットを検出ユニット40の保持孔41にセットする。その後、検出ユニット40においてキュベットに収容された測定試料から光学的情報が検出される。検出ユニット40によって光学的情報が検出されると、測定装置2のCPU301は、光学的情報を測定データとして、その測定データが得られた検体の検体IDとともに情報処理ユニット3のCPU401に送信する。
【0098】
検出ユニット40による光学測定が終了し不要となったキュベットは、第3キャッチャユニット28によって、把持されたまま、廃棄口35の真上まで移動させられ、廃棄口35に廃棄される。以上で、検体測定処理が終了する。
【0099】
<分析結果記憶動作>
上記のようにして検体測定処理が行われると、
図10Bに示す分析結果記憶動作が行われる。情報処理ユニット3のCPU401は、検出ユニット40によって得られた光学的情報(測定データ)を受信したか否かを判断する(ステップS220)。CPU401は、測定データを受信していなければ(ステップS220においてNO)、処理をループさせる。なお、この分析結果記憶動作は、測定データを受信したときに割り込み的に実行される処理であり、処理がループしている間にも他の処理は並行して実行されている。
【0100】
CPU401は、測定データを受信すると(ステップS220においてYES)、その取得した測定データを、予め記憶されている検量線に適用することにより、測定データを解析し、検体の分析結果を生成する(ステップ221)。CPU401は、測定オーダとともに受信した検体IDに対応するレコードを分析結果データベースDB2から特定し、そのレコードのブランク領域F67に、測定データを取得した日時を格納し、ブランク領域F69に、得られた分析結果を格納する(ステップS222)。領域F72には、光学的情報(測定データ)の生データが格納される。
この処理によって、検体ラックLを投入した検体投入者のユーザIDと、その検体ラックLについて測定を指示した測定指示者のユーザIDと、その検体ラックLに保持された検体の分析結果とが、対応付けて分析結果データベースDB2に格納される。
【0101】
<検体分析結果表示動作>
上記のようにして得られた検体分析結果は、以下に説明する検体分析結果表示動作によって表示される。
図11は、検体分析結果表示動作の手順を示すフローチャートである。オペレータは、検体分析装置1に対して、情報処理ユニット3の入力部408を操作することで、検体分析結果の表示指示を与えることが可能である。CPU401は、検体分析結果の表示指示を受け付けると(ステップS301)、分析結果データベースDB2から複数の検体分析結果のレコードを読み出し、ユーザデータベースDB1からオペレータ氏名を読み出す(ステップS302)。分析結果データベースDB2では、領域F70および領域F71に、オペレータを特定する情報としてユーザIDが格納されている。そこで、CPU401は、領域F70及びF71に格納されているユーザIDに対応するオペレータ氏名を、ユーザデータベースDB1を参照して取得する。CPU401は、読み出された検体分析結果のレコードを一覧表示する分析結果一覧画面を表示部409に表示させる(ステップS303)。
【0102】
図12は、分析結果一覧画面の一例を示す図である。分析結果一覧画面D101には、分析結果領域A101が設けられており、この分析結果領域A101に分析結果情報が一覧表示されるようになっている。分析結果領域A101は、検体IDが表示される検体ID欄F101と、検体を測定した日時が表示される日時欄F102と、測定項目が表示される測定項目欄F103、分析結果が表示される分析結果欄F104、検体投入者の氏名が表示される検体投入者欄F105、及び測定指示者の氏名が表示される測定指示者欄F106が設けられている。また、分析結果領域A101のそれぞれの行は1つずつ分析結果に対応している。
表示欄F101、F102、F103、F104には、分析結果データベースDB2の領域F66、F67、F68、F69に格納されている情報が表示される。表示欄F105には、分析結果データベースDB2の領域F70に格納されている検体投入者のユーザIDに対応するオペレータ氏名が、ユーザデータベースDB1から読み出されて表示される。表示欄F106には、分析結果データベースDB2の領域F71に格納されている測定指示者のユーザIDに対応するオペレータ氏名が、ユーザデータベースDB1から読み出されて表示される。
【0103】
上述した分析結果一覧画面D101において、ユーザは分析結果を確認するとともに、検体ラックLを投入した検体投入者及び測定開始を指示した測定指示者を確認することができる。ここで、分析結果が一覧で表示されることで、ユーザは各分析結果を比較して、特徴的な分析結果を容易に判断することができる。例えば、ある分析結果が他の分析結果に比べて突出して高い又は低い場合、その分析結果は特徴的であるといえる。このようにある分析結果が他の分析結果と顕著に異なるような場合、その検体を搭載した検体ラックLを投入した検体投入者が誰であるか、また、その測定開始を指示した測定指示者が誰であるのか等、詳細な検討を行うことが必要となる。本実施の形態に係る検体分析装置1にあっては、各分析結果に対応して、検体ラックLを投入した検体投入者の氏名及び測定開始を指示した測定指示者の氏名が表示されるため、検体ラックLを投入した検体投入者が誰であるか、測定開始を指示した測定指示者が誰であるかを調べる必要がある場合に、これらのオペレータを容易に追跡して調べることができる。
【0104】
また、分析結果一覧画面D101においては、分析結果領域A101における任意の行(分析結果)をユーザのマウスでのダブルクリック操作により選択し、選択された行に対応する分析結果詳細画面を呼び出すことが可能である。この分析結果詳細画面では、各分析結果の詳細な情報が表示される。分析結果詳細画面には、分析結果データベースDB2の領域F72に格納された生データを基に生成された光学的情報の経時変化を時系列で示した凝固曲線が表示される。これにより、ユーザは特定の検体の分析結果を詳細に把握することが可能となる。また、分析結果詳細画面には、検体投入者のユーザID及び測定指示者のユーザIDの氏名が表示される。分析結果詳細画面では、分析結果の詳細な情報が表示されるため、ユーザは分析結果を詳しく検討することができる。この結果、分析結果に異常が発見される場合等がある。このような場合に、その検体を搭載した検体ラックLを投入した検体投入者が誰であるか、また、その測定開始を指示した測定指示者が誰であるのか等、オペレータを追跡して調べることが必要となることがある。本実施の形態に係る検体分析装置1にあっては、分析結果詳細画面において、検体投入者の氏名及び測定指示者の氏名が表示されるため、これらのオペレータの確認を容易に行うことが可能となる。
【0105】
ユーザは、分析結果一覧画面の表示を終了させる場合には、入力部408を操作して、画面表示の終了指示を情報処理ユニット3に与える。CPU401は、終了指示を受け付けたか否かを判別し(ステップS307)、終了指示を受け付けていない場合には(ステップS307においてNO)、再度ステップS307の処理を実行する。一方、ステップS307において終了指示を受け付けた場合には(ステップS307においてYES)、CPU401は、表示画面を閉じ(ステップS308)、処理を終了する。
【0106】
上記のような構成とすることにより、本実施の形態にかかる検体分析装置を使用して検体分析を行う場合、オペレータは、ICカードをICカードリーダ47にかざすだけで、オペレータの識別情報を入力することができる。そして、オペレータが検体ラックLを分析前ラック貯留部41に投入し、その検体ラックLに保持された検体が分析された場合、その検体分析の結果と、オペレータの情報とが対応づけて記憶される。したがって、検体分析装置が複数のオペレータによって使用される運用にあっても、誰がどの検体の分析を行ったかを記録するために、それぞれのオペレータが、ログインおよびログオフを検体分析の都度行うといった煩雑な運用は要求されない。さらに、ある検体について分析を行ったオペレータが誰であるかを追跡して調べる必要が生じた場合には、検体の分析結果を表示させれば同時に検体投入者も表示されるため、ログインの記録と分析結果の日時とを照合してオペレータを特定するといった煩雑な作業も要求されない。
【0107】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態においては、検体ラック搬送準備動作を一旦実行した後は、検体測定動作を実行し、搬送対象とされた検体ラックLがラック搬送部43によって搬送されなければ、新たな検体ラックLを投入しても検体ラック送り込み動作を実行することができない構成について述べたが、これに限定されるものではない。検体ラック搬送準備動作を、検体測定動作を実行していなくても、複数回実行することが可能な構成としてもよい。つまり、検体測定動作が実行されなければ、ラック搬送部43による検体ラックLの搬送処理は実行されず、搬送対象確定領域に検体ラックLが留まるが、この状態でも再度オペレータ(先の検体ラック搬送指示を行ったオペレータと同一人であっても、非同一人であってもよい。)が分析前ラック貯留部41に新たな検体ラックLをセットし、スタートスイッチ46を押下すれば、ICカードによるユーザ認証処理が実行される構成とすることができる。この場合、ユーザ認証が成功すれば、分析前ラック貯留部41に新たに投入された検体ラックLがラック送込部41bによりY1方向へ移送される。これにより、当該検体ラックLは、前回の検体ラック送り込み動作によって搬送対象確定領域に移送された検体ラックLの末尾まで移動される。この状態でさらにラック送込部41bがY1方向に向かって移動しようとすると、検体ラックLはそれ以上Y1方向には移動できず、ステッピングモータ411が脱調する。ステッピングモータ411には、脱調を検知する機構が設けられており、脱調が検知されると、ステッピングモータは駆動を停止するようになっている。ロータリーエンコーダ412は、駆動が停止するまでにステッピングモータ411に印加されたパルス数を計数しており、このパルス数に基づいて、分析前ラック貯留部41に貯留されている合計のラック数が計数されるようになっている。例えば、前回の検体ラック送り込み動作によって搬送対象確定領域に移送された検体ラックLの数が3であり、今回の検体ラック送り込み動作において新たに2つの検体ラックLが投入された場合には、上記のラック送込部41bの動作によって、これらの5つの検体ラックLが、連なって配置され、ラック数は5と計数される。また、後の検体ラック送り込み動作においては、新たに投入された検体ラックLの数が計数され(つまり、上記の例では2つの検体ラックLが計数され)、この数の検体ラックが搬送対象として決定される。RAM303の搬送対象テーブルには、新たに計数された検体ラックLの数と、当該検体ラックLを投入した検体投入者についてユーザ認証を行って得られた検体投入者のユーザIDとが対応付けて記憶される。
【0108】
この例について、
図13A〜
図13Eを参照して説明する。
図13A〜
図13Eは、搬送対象テーブルに格納される情報を時系列で模式的に表した図である。
例えば、オペレータAが3つの検体ラックLを投入し、ユーザ認証を行って搬送指示したとする。CPU301は、1回目の検体送り込み動作を実行する。これにより、搬送対象テーブルには、
図13Aに示されるように情報が記憶される。これら3つの検体ラックLについて検体測定動作が実行される前に、オペレータBが2つの検体ラックLを投入し、ユーザ認証を行って搬送指示したとする。CPU401は、2回目の検体ラック送り込み動作を実行し、ラック数を計数する。このとき、オペレータAが投入した3つの検体ラックLとあわせて合計5つの検体ラックLが計数される。
【0109】
CPU401は、オペレータBによって追加投入された検体ラックの数を、2回目の検体ラック送り込み動作によって計数される合計の検体ラック数から、残りの搬送対象の検体ラック数(搬送対象テーブルの領域F13に格納されている数の合計)を差し引くことにより計数する。この例では、合計のラック数が5であり、既に搬送対象として決定されているラック数が3であるから、オペレータBによって追加投入されたラック数は、5−3=2(個)となる。CPU401は、
図13Bに示すように、搬送対象テーブルの最下行に行を追加し、領域F11に検体投入者としてオペレータBのユーザIDを格納し、領域F13に、ラック数として“2”を格納する。
【0110】
その後、オペレータCがユーザ認証をして測定開始を指示すると、搬送対象として決定されている5つの検体ラックの搬送対象テーブルに、オペレータCのユーザIDが記憶される。具体的には、
図13Cのように、ブランクにされていた領域F12にオペレータCのユーザIDが格納される。なお、入力部408を操作することによって測定開始を指示する対象を選択的に指定する構成とすることもできるが、ここでは説明を簡略化するために、搬送対象確定領域にある検体ラックL全てを測定開始指示の対象とすることとして説明する。
【0111】
測定が開始されると、先行して投入された3つの検体ラックLが順次搬送されていき、これら3つの検体ラックLに保持されている合計30本(10×3=30本)の検体容器Tの検体の分析結果のレコードには、検体投入者としてオペレータAのユーザIDが格納され、測定指示者としてオペレータCのユーザIDが格納される。なお、検体ラックLの測定が開始される都度、最上段のレコードのラック数が1つずつデクリメントされていく。先行して投入された3つの検体ラックLの搬送が開始され、最上段のレコードのラック数が0になると、最上段のレコードが削除される(
図13D)。
【0112】
ついで、先行の3つの検体ラックと同様にして、後続して投入された2つの検体ラックLが順次搬送されていき、これら2つの検体ラックLに保持されている合計20本(10×2=20本)の検体容器Tの検体の測定結果のレコードには、検体投入者としてオペレータBのユーザIDが格納され、測定指示者としてオペレータCのユーザIDが格納される。後続の検体ラックLの搬送が開始される都度、最上段のレコードのラック数が1つずつデクリメントされていく。後続して投入された2つの検体ラックLの搬送が開始され、最上段のレコードのラック数が0になると、最上段のレコードが削除される(
図13E)。
【0113】
また、1回目の検体ラック送り込み動作が実行され、その後に検体測定動作が実行された場合にも、その検体測定動作の途中で2回目の検体ラック送り込み動作を実行することができるようにしてもよい。つまり、検体測定動作において、1回目の検体ラック送り込み動作によって搬送対象とされた検体ラックLの搬送処理(ラック搬送部43による搬送処理)が終了していなくても、2回目の検体ラック送り込み動作の実行が可能であり、この2回目の検体ラック送り込み動作によって新たに投入された検体ラックが搬送対象に追加されるようにしてもよい。例えば、1回目の検体ラック送り込み動作において、3つの検体ラックが搬送対象とされ、そのうちの1つの検体ラックLが検体測定動作においてラック搬送部43により搬送され、残りの2つの検体ラックLが搬送対象確定領域に位置している場合に、2回目の検体ラック搬送準備動作において2つの検体ラックを追加投入すると、1回目の検体ラック送り込み動作において搬送対象とされた2つの検体ラックLに加え、2回目の検体ラック送り込み動作において投入された2つの検体ラックLが搬送対象として決定される。この新たに搬送対象とされた2つの検体ラックLは、先に搬送対象とされていた3つの検体ラックLに引き続き、検体測定動作においてラック搬送部43により搬送される。
【0114】
なお、この形態では、後続して投入された検体ラックの計数方法は、2回目の検体ラック送り込み動作を実行したときのマイクロスイッチ45の検知結果によって異なる。具体的には、2回目の検体ラック送り込み動作を実行した結果、マイクロスイッチ45の検知結果がONになれば、新たに投入された検体ラックLの数は、下記A式によって求められる。
式A:
(分析前ラック貯留部にある合計のラック数)−(残りの搬送対象ラック数)
【0115】
一方、2回目の検体ラック送り込み動作を実行したときにマイクロスイッチ45がONにならなければ(OFFのままであれば)、新たに投入された検体ラックLの数は、下記B式によって求められる。
式B:
(分析前ラック貯留部にある合計のラック数)−(残りの搬送対象ラック数)+(−1)
【0116】
この処理について、
図14A〜
図14Cを参照して説明する。
図14A〜
図14Cは、検体ラックLの位置関係と、図示の状態における搬送対象テーブルを示している。なお、
図14A〜
図14Cでは、オペレータAが先行して3つの検体ラックL(網掛けで示している)を投入し、これをオペレータCが測定開始を指示し、続いてオペレータBが2つの検体ラックLを投入し、検体ラック送り込み動作を実行した状態を示している。
【0117】
図14Aに示す状態で2回目の検体ラック送り込み動作が実行された場合、マイクロスイッチ45は先頭の検体ラックLによって押されてONになり、分析前ラック貯留部41の検体ラックLは5個となる。このとき、搬送対象テーブルには、残りの搬送対象ラック数として3が記憶されている。したがって、式Aを適用すると、5−3=2(個)となり、新たに投入された検体ラック数を正確に計数できる。
【0118】
図14Bに示す状態で2回目の検体ラック送り込み動作が実行された場合、先頭の検体ラックLの搬送は既に開始されており、マイクロスイッチ45がOFFになっているため、
図14Aに示す状態から残ラック数が1デクリメントされ、残りの搬送対象ラック数は2になっている。
この場合、先頭の検体ラックLの一部が搬送対象確定領域に重複しているため、分析前ラック保持部41にある検体ラックLをY1方向に搬送しても、2個目の検体ラックLが先頭の検体ラックLに衝突し、搬送対象領域まで移送されない。そのため、ラック送込部41bはラック5個分の位置で停止し、合計のラック数は5個として計数される。
この場合、式Aを適用してラック数を計数すると、5−2=3となり、新たに投入された検体ラック数(2個)と一致しない。
そこで、このように、先頭の検体ラックLの一部が搬送対象確定領域に重複している場合には、検体ラック送り込み動作によってもマイクロスイッチ45がONにならないことに着目し、マイクロスイッチ45がONになれば式Aを、マイクロスイッチ45がONにならなければ式Bを適用することとする。この場合、式Bを適用すれば、5−2+(−1)=2となり、正確なラック数が計数される。
【0119】
図14Cに示す状態で検体ラック送り込み動作が実行された場合、先頭の検体ラックLの搬送が開始されており、マイクロスイッチ45がOFFになっており、
図14Aに示す状態から残ラック数が1デクリメントされ、残りの搬送対象ラック数は2になっている。
図14Cに示した状態では、先頭の検体ラックLの一部は搬送対象確定領域から完全に外に出ているから、2回目の検体ラック送り込み動作が実行された場合、ラック送込部41bはラック4個分の位置で停止し、合計のラック数は4個として計数される。また、2個目の検体ラックLが搬送対象領域に到達するから、マイクロスイッチ45はONになる。そこで、この場合は式Aを適用することにより、4−2=2となり、正確なラック数が計数される。
【0120】
このようにして1回目の検体ラック送り込み動作によって搬送対象とされた検体ラックLのラック搬送部43により搬送が完了する前に、再度検体ラック送り込み動作が実行されて搬送対象の検体ラックLが追加された場合、1回の検体測定動作によって全ての搬送対象の検体ラックLをラック搬送部43により搬送し、これらの検体ラックLに保持されている検体を測定ユニット2により測定する構成とすることができる。
【0121】
また、上記の実施の形態においては、検体ラック送り込み動作において、ユーザ認証を実行するまでに分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLを搬送対象確定領域まで移送し、搬送対象として決定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。検体ラック送り込み動作において、ユーザ認証を実行した後所定時間(例えば30秒)経過するまでに分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLを搬送対象確定領域まで移送し、搬送対象として決定する構成賭してもよい。この場合、ユーザ認証を実行した後所定時間経過するまではラック送込部41bがY1方向へ移動せず、ユーザ認証を実行した後所定時間経過後に、ラック送込部41bが検体ラックLを搬送対象確定領域に移送する構成とする。つまり、ユーザ認証を実行した後所定時間が経過し、ラック送込部41bが移動した後に、分析前ラック貯留部41に新たな検体ラックLがセットされても、この新たな検体ラックLはラック送込部41bによって搬送対象確定領域に移送されず、搬送対象とされない。
【0122】
また、検体ラックの搬送の途中において、ユーザ認証を実行し、認証されたオペレータのユーザIDと、検体IDとを対応付けて記憶する構成としてもよい。例えば、オペレータによりスタートスイッチ46が押下されれば、ユーザ認証を行うことなく、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLをラック送込部41bによりY1方向へ移送する。この検体ラックLの移送によりマイクロスイッチ45がオンになった場合に、ICカードリーダ47によりICカードに記録されているユーザID及びパスワードを読み出してユーザ認証を実行し、ユーザ認証に成功したときに、ラック搬送部45の右端においてマイクロスイッチ45に当接している1つの検体ラックLをラック搬送部45により搬送し、当該検体ラックLに保持されている検体の検体IDと、当該検体ラックの搬送に関してユーザ認証が行われたオペレータのユーザIDとを対応付けて記憶する構成としてもよい。
【0123】
また、上記の実施の形態においては、検体ラックの搬送についてのユーザ認証と、検体測定実行についてのユーザ認証とを個別に実行する構成について述べたが、これに限定されるものではない。1度のユーザ認証によって、検体ラックの搬送及び検体測定の両方を実行する構成としてもよい。この場合、ユーザ認証を行うオペレータは検体ラックの搬送及び検体測定の両方の権限を有している必要がある。さらに詳しく説明すると、オペレータが検体分析装置に検体測定の開始を指示すると、ICカードによるユーザ認証が要求される。オペレータが自分のICカードをICカードリーダ47に近づけ、ICカードによるユーザ認証が成功すると、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLがラック送込部41bにより搬送対象確定領域に移送され、当該検体ラックLが搬送対象として決定される。これに引き続き、搬送対象の検体ラックLがラック搬送部43により搬送され、搬送された検体ラックLに保持されている検体が測定ユニット2により測定される。
【0124】
また、上記の実施の形態においては、ユーザ認証においてオペレータの権限の認証を行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。ユーザ認証においてオペレータの特定を行うことができれば、権限の認証を行う構成でなくともよい。この場合、オペレータのユーザIDとパスワードとを用いて、ユーザデータベースDB2に登録されているユーザ情報との照合が行われ、照合が成功すれば、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLが搬送ユニット4により搬送される。
【0125】
また、上記の実施の形態においては、分析結果表示画面D101において、検体投入者および測定指示者のオペレータ氏名を表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、検体投入者および測定指示者のユーザIDを表示する構成であってもよいし、ユーザIDとオペレータ氏名の両方を表示する構成でもよい。
【0126】
また、上記の実施の形態においては、ICカードを用いたユーザ認証を行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。携帯型記憶媒体としては、ICカード以外にも、情報を記録でき且つ携帯できるものであれば適用することができ、例えばUSBメモリであってもよい。また、オペレータがキーボード等の入力手段を用いて、自分のユーザID及びパスワードを検体分析装置に入力し、入力されたユーザID及びパスワードと、ユーザデータベースに登録されているユーザID及びパスワードに一致するか否かを検体分析装置が判断することで、ユーザ認証を行う構成とすることもできる。また、指紋、虹彩、網膜、静脈パターン等の生体情報を用いた生体認証により、オペレータの個人認証を行う構成としてもよい。
【0127】
また、パスワードによるユーザ認証を行う構成ではなく、オペレータからユーザIDのみの入力を受け付けた場合に検体ラックを搬送し、入力されたユーザIDにより特定されるオペレータの情報(オペレータの氏名、ユーザID、社員番号等)を、搬送される検体の検体IDと対応付けて記憶する構成としてもよい。また、ユーザIDを受け付けるのは、検体の搬送開始前に限られず、搬送の途中において、当該検体の搬送指示を行ったオペレータのユーザIDの入力を受け付ける構成であってもよい。
【0128】
また、次のような構成とすることも可能である。オペレータが分析前ラック貯留部41に検体ラックを投入するときに、検体を保持した検体ラックLの前又後若しくは前後に、オペレータ特定用のラックを配置する。スタートスイッチ46がオペレータにより押下されると、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックL及びオペレータ特定用のラックの搬送を開始する。オペレータ特定用のラックには、オペレータのユーザIDが記録されたバーコードラベルが貼付されており、ラック搬送部43により当該ラックが搬送される途中で、バーコード読取部44がバーコードラベルからオペレータのユーザIDを読み取る。読み取られたユーザIDは、当該オペレータ特定用のラックと共に投入された検体ラックLが保持する検体の検体IDと対応付けて記憶される。
【0129】
さらに、次のような構成とすることも可能である。各検体ラックLをオペレータ個人用にし、ラックIDと共にオペレータのユーザIDを記録したRFID等の情報記録媒体を各検体ラックLに取り付けておく。ラック搬送部43の近傍に当該情報記録媒体から情報を読み出し可能な情報読取装置を設ける。スタートスイッチ46がオペレータにより押下されると、分析前ラック貯留部41に貯留された検体ラックLの搬送を開始する。ラック搬送部43により検体ラックLが搬送される途中で、情報読取装置が検体ラックLに取り付けられた情報記録媒体からオペレータのユーザIDを読み取る。読み取られたユーザIDは、当該検体ラックLが保持する検体の検体IDと対応付けて記憶される。
【0130】
また、上述した実施の形態においては、検体分析装置1を血液凝固測定装置とする構成について述べたが、これに限定されるものではない。検体分析装置を、血球計数装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、又は尿定性分析装置のような血液凝固測定装置以外の検体分析装置とし、検体ラックが搬送される複数の搬送処理のそれぞれの前に、ユーザ認証を実行し、分析結果を表示する画面において、検体の分析結果と認証されたオペレータの情報とを表示する構成とすることもできる。