特許第5876695号(P5876695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5876695-シームレスカプセルおよびその製造方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876695
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】シームレスカプセルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/48 20060101AFI20160218BHJP
   A61K 47/42 20060101ALI20160218BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20160218BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   A61K9/48
   A61K47/42
   A61K47/10
   A61K47/26
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-214543(P2011-214543)
(22)【出願日】2011年9月29日
(65)【公開番号】特開2013-71934(P2013-71934A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191755
【氏名又は名称】森下仁丹株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100126789
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 裕子
(72)【発明者】
【氏名】釜口 良誠
(72)【発明者】
【氏名】中野 修身
(72)【発明者】
【氏名】畑中 久明
【審査官】 澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−502912(JP,A)
【文献】 特開昭55−091358(JP,A)
【文献】 国際公開第00/051574(WO,A1)
【文献】 特表2005−529128(JP,A)
【文献】 特開昭59−131355(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/004999(WO,A1)
【文献】 特表2006−512944(JP,A)
【文献】 特開平09−302379(JP,A)
【文献】 国際公開第03/043609(WO,A1)
【文献】 特表2010−501632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K9/00−9/72,47/00−47/48
CAplus (STN),
MEDLINE (STN),
BIOSIS (STN),
JSTPlus (JDreamIII),
JMEDPlus(JDreamIII),
JST7580 (JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次増大する半径を有する第1ノズルおよび第2ノズルから構成される多重ノズルを用いて、該第1ノズルからカプセル充填液を、該第2ノズルからカプセル皮膜調製液を同時に押出して複合ジェットを形成し、該複合ジェットを冷却液中に放出させる工程を包含する、シームレスカプセルの製造方法であって、
該多重ノズルは、第1ノズルの外周部に第2ノズルが設けられたノズルであり、
該カプセル皮膜調製液は、50〜190のブルーム値を有するゼラチン、水およびエタノールを含み、
該カプセル皮膜調製液における水とエタノールとの質量比が水/エタノール=40/60〜95/5の範囲である、
シームレスカプセルの製造方法。
【請求項2】
前記カプセル皮膜調製液中に含まれるゼラチンの質量濃度は15〜40質量%である、請求項記載のシームレスカプセルの製造方法。
【請求項3】
試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下であるシームレスカプセルを製造するための、請求項または記載のシームレスカプセルの製造方法。
【請求項4】
前記カプセル皮膜調製液はさらに、多価アルコール化合物を、カプセル皮膜の総質量に対して5〜50質量%となる量で含む、請求項1〜3いずれかに記載のシームレスカプセルの製造方法。
【請求項5】
前記カプセル皮膜調製液はさらに、糖化合物を、カプセル皮膜の総質量に対して1〜60質量%となる量で含む、請求項1〜4いずれかに記載のシームレスカプセルの製造方法。
【請求項6】
直径は0.3〜10mmであり、シームレスカプセルの総質量に対するカプセル皮膜の質量は2〜30%であるシームレスカプセルを製造するための、請求項1〜5いずれかに記載のシームレスカプセルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内などで容易に可溶するシームレスカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセル化された種々の薬品、食品、嗜好品などは、それらの摂取の手軽さから現在広く用いられている。これらの中で、液状の充填物を内包するカプセルとしては、シームレスカプセルが、生産性の高さなどから広く用いられている。このようなシームレスカプセルの一例として、例えば、嗜好品またはオーラルケアとして用いられるシームレスカプセルが挙げられる。
【0003】
シームレスカプセルにおいて、カプセル皮膜は、カプセル充填液を保持する容器として機能する。そのため、カプセル皮膜は、シームレスカプセル製造時においては、カプセル充填液の保持を維持するのに必要とされる十分な強度が必要とされる。その一方で、例えば嗜好品またはオーラルケアなどにおいて用いられるシームレスカプセルにおいては、摂取する際には、口腔内でのカプセル皮膜の良好な可溶性が求められる。カプセル皮膜が口腔内で容易に可溶しない場合は、カプセル皮膜が口腔内に残存してしまい、この残存物がゴムを食するような不快な感触をもたらしたりする不具合が生じる。
【0004】
このため、上記のようなシームレスカプセルにおいては、製造時においては、カプセル皮膜が十分な強度を有することが求められる一方で、摂取時においては口腔内における良好な可溶性が求められるという、相反する性能が必要とされる。そしてこれらの相反する性能を高度に両立することは困難であった。
【0005】
特表2006−512944号公報(特許文献1)には、液体コアとこのコアを包囲しているシームレス固体シェルを有する球状カプセルであって、カプセルの直径が4〜8mmの範囲にあり、シェルの厚みが20〜200μmの範囲にあり、シェル厚とカプセル径との比が0.004〜0.04の範囲にあり、シェルがシェルの固形分に基づいて70〜90質量%のゼラチンと10〜30質量%の可塑剤を含有し、コアの香味剤含量がコアの全質量に基づいて1〜100質量%の範囲にある、カプセルが記載されている(請求項1)。そしてこの球状カプセルは、(a)ブルーム値が少なくとも200、好ましくはブルーム値が240〜300の範囲にあるゼラチンをシェルの調製に用いることを特徴としている(請求項4)。しかしながらこのようにブルーム値が高いゼラチンを用いると、口腔内での可溶性が劣ることとなるという不具合があることが判明した。
【0006】
特表平10−512141号公報(特許文献2)には、カプセル化する食品又はフレーバの粒子を供給し;水性媒体中で、温水魚類ゼラチンおよび前記の食品又はフレーバ粒子の混合物を形成し;そして、前記の粒子を前記のゼラチンで高温における複合コアセルベーションによりマイクロカプセル化して、マイクロカプセル化したカプセルを形成する工程を包含する、マイクロカプセル化した食品又はフレーバのカプセルを形成する方法が記載されている(請求項1)。そしてこの方法では、魚類ゼラチンは約150〜300ブルーム、さらには約250〜300ブルームのブルームを有する、と記載されている(請求項4、5)。このように、この特許文献2もまた、ブルーム値が高いゼラチンが用いられている。なおこの特許文献2のマイクロカプセルは、複合コアセルベーションにより製造されているため、製造方法もまた本発明とは異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2006−512944号公報
【特許文献2】特表平10−512141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、口腔内などで容易に可溶するシームレスカプセルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
カプセル充填液、および
このカプセル充填液を内包するカプセル皮膜、
を有するシームレスカプセルであって、
このカプセル皮膜はゼラチンを含み、このゼラチンは、50〜190のブルーム値を有するゼラチンであり、
このシームレスカプセルは、試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下である、
シームレスカプセル、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
【0010】
上記シームレスカプセルは、順次増大する半径を有する第1ノズルおよび第2ノズルから構成される多重ノズルを用いて、この第1ノズルからカプセル充填液を、この第2ノズルからカプセル皮膜調製液を同時に押出して複合ジェットを形成し、この複合ジェットを冷却液中に放出させることによって得られた、カプセル充填液、およびこのカプセル充填液を内包するカプセル皮膜を有するシームレスカプセルであって、
この多重ノズルは、第1ノズルの外周部に第2ノズルが設けられたノズルであり、
このカプセル皮膜調製液は、50〜190のブルーム値を有するゼラチン、水およびエタノールを含み、
このカプセル皮膜調製液における水とエタノールとの質量比が水/エタノール=40/60〜95/5の範囲である、のが好ましい。
【0011】
上記カプセル皮膜中に含まれるゼラチンの量はカプセル皮膜の総質量に対して30〜60質量%であり、そして上記カプセル皮膜はさらに、多価アルコール化合物を、カプセル皮膜の総質量に対して5〜50質量%含むのが好ましい。
【0012】
上記カプセル皮膜はさらに、糖化合物を、カプセル皮膜の総質量に対して1〜60質量%含むのが好ましい。
【0013】
上記シームレスカプセルの直径は0.3〜10mmであり、シームレスカプセルの総質量に対するカプセル皮膜の質量は2〜30%であるのが好ましい。
【0014】
上記カプセル皮膜調製液中に含まれるゼラチンの質量濃度は15〜40質量%であるのが好ましい。
【0015】
本発明はさらに、
順次増大する半径を有する第1ノズルおよび第2ノズルから構成される多重ノズルを用いて、この第1ノズルからカプセル充填液を、この第2ノズルからカプセル皮膜調製液を同時に押出して複合ジェットを形成し、この複合ジェットを冷却液中に放出させる工程を包含する、シームレスカプセルの製造方法であって、
この多重ノズルは、第1ノズルの外周部に第2ノズルが設けられたノズルであり、
このカプセル皮膜調製液は、50〜190のブルーム値を有するゼラチン、水およびエタノールを含み、
このカプセル皮膜調製液における水とエタノールとの質量比が水/エタノール=40/60〜95/5の範囲である、
シームレスカプセルの製造方法、も提供する。
【0016】
上記方法において、カプセル皮膜調製液中に含まれるゼラチンの質量濃度は15〜40質量%であるのが好ましい。
【0017】
本発明はまた、試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下であるシームレスカプセルを製造するためのシームレスカプセルの製造方法も提供する。
【0018】
本発明はまた、上記シームレスカプセルの製造方法によって得られたシームレスカプセルも提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明のシームレスカプセルは、試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下と短く、口腔内などで容易に可溶するシームレスカプセルであることを特徴とする。本発明のシームレスカプセルは、このように水中での崩壊時間が極めて短いため、摂取時にカプセル皮膜が口腔中で心地よい状態ですーっと消失し、カプセル皮膜の残存による不快な感触を伴わないという特徴がある。
本発明のシームレスカプセルは、内包物がカプセル充填液という液状物であっても内容物を良好に保持し、そして多重ノズルを用いた滴下法によって良好に製造することができ、その一方で、口腔内においてカプセル皮膜が素速く溶解するという、形状保持性およびカプセル皮膜可溶性という相反する性能が高度に両立されているという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のシームレスカプセルを製造する装置のノズル部の1態様を示す模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
シームレスカプセル
まず本発明のシームレスカプセルを、図を用いて説明する。図1に記載されるシームレスカプセル(10)は、本発明のシームレスカプセルの1態様の模式的断面図である。シームレスカプセル(10)は、カプセル皮膜(11)およびその中に内包されたカプセル充填液(12)からなる。
【0022】
カプセル皮膜
本発明においては、シームレスカプセルのカプセル皮膜を形成する基材として、50〜190のブルーム値を有するゼラチンが用いられる。「ブルーム値」はゼリー強度を示す値である。このブルーム値は、ゼラチンの品質規格指標として一般的に用いられている基準であり、ブルーム(Bloom)法と呼ばれる国際的に統一された測定方法に準拠して測定される。ブルーム値は、JIS K 6503に準じて測定される。具体的には、6.67質量%ゼラチン溶液を用いて調製したゼリーに対して、12.7mm径のプランジャーを用いて荷重をかけ、ゼリー表面が4mm押し下げられた時点の荷重値として測定される。
【0023】
ゼラチンにおいて、ブルーム値が大きい程、ゼリー強度が高くなり、カプセルの製造において必要とされる強度を確保することができる。一方で、口腔内における良好な可溶性を達成するためには、ゼリー強度が小さい方が有利となる。例えば特許文献1である特表2006−512944号公報には「口中でのカプセルシェルの溶解性を改善するための低ブルーム値と中間ブルーム値を有するゼラチンの混合物は既知である。」([0017]段落)と記載されている。しかしながらシームレスカプセルの分野においては、カプセル皮膜基材としてブルーム値200未満のゼラチンのみを用いてシームレスカプセルを調製することは、これまで行われていない。これについては、特表2006−512944号公報の[0019]段落にも「一般に、シェル中の唯一の種類のゼラチンとしてブルーム値が200未満の魚ゼラチンを用いることによりカプセルの十分なプロセス安定性を達成することは不可能である。」と明記されている。ブルーム値200未満のゼラチンのみを用いて、通常の方法によりシームレスカプセルのカプセル皮膜調製を試みると、皮膜形成に必要とされる強度が得られず、良好なカプセル皮膜が得られないためである。
【0024】
本発明においては、カプセル皮膜中に含まれるゼラチンとして、従来技術においては困難であった、ブルーム値50〜190の範囲のゼラチンのみが用いられていることを特徴とする。そしてこのようなカプセル皮膜は、シームレスカプセルを調製する際におけるカプセル皮膜調製液において、水とエタノールとを併用してゼラチンを溶解させたことによって、初めて達成されることとなった。
【0025】
ゼラチンのブルーム値は、80〜150ブルームであるのが好ましく、100〜140ブルームであるのがより好ましい。カプセル皮膜の形成に用いられるゼラチンのブルーム値が190を超える場合は、得られるシームレスカプセルのカプセル皮膜の可溶性が劣ることとなる。またゼラチンのブルーム値が50未満である場合は、カプセル充填液の良好な保持を確保することができないという不具合がある。
【0026】
本発明において用いられるゼラチンは、50〜190のブルーム値を有するゼラチンであれば特に制限なく用いることができる。このようなゼラチンとして、例えば、酸処理ゼラチン(A型ゼラチン)またはアルカリ処理ゼラチン(B型ゼラチン)である、ブタ由来ゼラチン(豚皮・豚骨ゼラチン)、魚由来ゼラチン(魚鱗・魚皮ゼラチン)またはウシ由来ゼラチン(牛骨・牛皮ゼラチン)などが挙げられる。これらの中でも、A型ゼラチンが好ましく用いられる。また、魚由来ゼラチンが、本発明において特に好ましく用いられる。
【0027】
ゼラチンとして、融点が26℃以下であるゼラチンを用いるのが好ましく、融点が15〜25℃であるゼラチンを用いるのがより好ましく、融点が19〜24℃であるゼラチンを用いるのがさらに好ましい。ここで、ゼラチンの融点は、JIS K6503の「にかわ及びゼラチン」試験法に準拠して測定される。より詳しくは、10質量%濃度のゼラチン溶液を、直径10mmのガラス管中で、末端5mmの位置から45mmの高さのゲルを作る。末端5mmが下に来るように水槽に入れて昇温したとき、ゲルが融けて末端の気泡の上端が10mm上昇した温度を融点とする。融点が19〜24℃であるゼラチンとして、例えば魚由来ゼラチンが挙げられる。魚由来ゼラチンは、ブタ由来ゼラチンおよびウシ由来ゼラチンなどのほ乳類由来ゼラチンと比較して、プロリンおよびヒドロキシプロリンなどのイミノ酸成分の含有量が低い。そのため、ほ乳類由来ゼラチンの一般的な融点(27〜30℃)と比べて融点が低いという特徴がある。
【0028】
カプセル皮膜中に含まれるゼラチンの質量は、カプセル皮膜の総質量に対して30〜60質量%であるのが好ましく、35〜55質量%であるのがより好ましく、40〜55質量%であるのがさらに好ましい。
【0029】
本発明のシームレスカプセルのカプセル皮膜は、上記ゼラチンに加えて、水溶性多価アルコールまたはその水溶性誘導体(本明細書において、これらをまとめて「多価アルコール化合物」と記載する。)を含んでもよい。多価アルコール化合物である、水溶性多価アルコールまたはその水溶性誘導体の具体例としては、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、酸化エチレン−酸化プロピレン共重合体、シュガーエステル、グリセリド、ソルビタンエステル類などが挙げられる。これらの中でも、グリセリンがより好ましく用いられる。
【0030】
多価アルコール化合物がカプセル皮膜中に含まれることによって、口腔内での可溶速度がより早くなるという利点がある。また、カプセル皮膜の柔軟性が向上するという利点もある。多価アルコール化合物が含まれる場合は、カプセル皮膜の総質量に対して5〜50質量%含まれるのが好ましく、10〜45質量%含まれるのがより好ましく、15〜40質量%含まれるのがさらに好ましい。
【0031】
カプセル皮膜は、カプセル皮膜を形成する50〜190のブルーム値を有するゼラチンに加えて、必要に応じて糖化合物を含んでもよい。糖化合物として、例えば単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール、多糖類などが挙げられる。単糖類として、例えば、グルコースなどが挙げられる。オリゴ糖類として、例えば、スクロース(ショ糖)、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、これらの二糖類の脱水縮合物、ラフィノース、パノース、マルトトリオース、メレジトース、ゲンチアノースなどが挙げられる。
糖アルコールとして、例えば、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトールなどが挙げられる。
多糖類として、例えば、海藻由来多糖類、植物および植物種子由来多糖類、微生物由来多糖類、デンプン、デンプン変性物などが挙げられる。海藻由来多糖類の具体例としては、アルギン酸およびその誘導体、寒天、カラギーナンなどを挙げることができる。植物および植物種子由来多糖類の具体例としては、ペクチン、グルコマンナン、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、サイリュームシードガムなどを挙げることができる。微生物由来多糖類の具体例としては、キサンタンガム、プルラン、ジェランガム、カードランなどを挙げることができる。デンプンとして、通常用いられる各種デンプンが挙げられる。デンプン変性物として、例えばデンプン加水分解物などが挙げられる。これらの糖化合物の中でも、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール、スクロース、トレハロース、デンプン、デンプン変性物などがより好ましく用いられる。
【0032】
カプセル皮膜中に糖化合物が含まれることによって、皮膜のゲル化力が向上し、これによりカプセル皮膜の成膜性が向上するという利点がある。糖化合物が含まれる場合は、カプセル皮膜の総質量に対して1〜60質量%含まれるのが好ましく、5〜40質量%含まれるのがより好ましく、10〜30質量%含まれるのがさらに好ましい。
【0033】
カプセル皮膜はさらに、必要に応じて、色素、呈味成分(甘味料、酸味料または苦味料など)、防腐剤および香料などの添加物を含んでもよい。
【0034】
カプセル充填液
本発明において、シームレスカプセル中に封入される充填液は特に限定されず、親油性または親水性の液状物、これらの液状物とこれに不溶の粉末との懸濁液、またはこれら液状物の混合液が挙げられる。これらの充填液は、例えば、通常の機能性食品や機能性飲料に含まれる種々の親油性または親水性有効成分、例えば各種ビタミン、ミネラル、香料、エキス類などを含むことができる。親水性液状物として、例えば、水(精製水、イオン交換水等も含まれる)、水溶性アルコール、多価アルコール(グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)およびこれらの混合物などが含まれる。親油性液状物として、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、植物油脂(ヤシ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ゴマ油、ナタネ油、グレープ種子油、およびこれらの混合物など)およびこれらの混合物などが含まれる。
【0035】
カプセル充填液が親油性液状物または親油性液状物とこれに不溶の粉末との懸濁液である場合は、シームレスカプセルの構造を、図1に示すような、カプセル充填液(12)およびカプセル皮膜(11)からなる2層構造のシームレスカプセル(10)とすることができる。
【0036】
また、カプセル充填液が親水性液状物または親水性液状物とこれに不溶の粉末との懸濁液である場合は、シームレスカプセルの構造を、カプセル充填液、カプセル充填液とカプセル皮膜とを隔離する液状物およびカプセル皮膜からなる3層構造のシームレスカプセルとすることができる。
【0037】
シームレスカプセル
本発明のシームレスカプセルは、試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下と短く、口腔内などで容易に可溶するシームレスカプセルであることを特徴とする。本発明のシームレスカプセルは、このように水中での崩壊時間が極めて短いため、摂取時にカプセル皮膜が口腔中で心地よい状態ですーっと消失し、カプセル皮膜の残存による不快な感触を伴わないという特徴がある。
【0038】
崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間は、第16改正日本薬局方に定める崩壊試験法(試験液:水)によって測定される。より具体的には、日本薬局方の「崩壊試験法」に定める崩壊試験装置を用いて、37℃の水中にカプセルを入れて試験機を作動させた場合において、カプセルが目視で確認されなくなった状態(残留物を視認できなくなった状態)となるまでに要した時間を意味する。
【0039】
シームレスカプセルの大きさ、カプセル充填液の種類等は、使用目的や用途に応じて適宜選択することができる。シームレスカプセルの直径は、例えば0.3〜10mm程であるのが好ましく、0.5〜8mm程であるのがより好ましく、1〜6mm程であるのがさらに好ましい。シームレスカプセルの総質量に対するカプセル皮膜の質量は、例えば2〜30%であるのが好ましく、5〜20%であるのがより好ましい。
【0040】
シームレスカプセルにおけるカプセル皮膜の厚さは10〜150μmであるのが好ましく、30〜100μmであるのがより好ましく、40〜80μmであるのがさらに好ましい。カプセル皮膜の厚さが上記範囲であることによって、カプセル皮膜の良好な可溶性と、カプセル充填液の良好な保持とを両立することができるという利点がある。
【0041】
カプセルの製造方法
本発明のシームレスカプセルの製造方法としては、例えば、特開昭58−22062号公報および特開昭59−131355号公報に開示される、多重ノズルを用いる方法(滴下法)が挙げられる。
【0042】
シームレスカプセルの製造において、予め、カプセル皮膜調製液およびカプセル充填液を調製する。本発明のシームレスカプセルのカプセル皮膜の調製に使用されるカプセル皮膜調製液は、カプセル皮膜を形成する、50〜190のブルーム値を有するゼラチン、そして必要に応じた多価アルコール化合物、糖化合物および他の添加剤を、媒体中に分散させて調製する。そして本発明においては、これらの成分を分散させる媒体として、水およびエタノールの混合物を用いることを特徴とする。なお、水としては、精製水、イオン交換水などを用いるのが好ましい。
【0043】
本発明においては、口腔内における良好な溶解性を達成するため、カプセル皮膜に含まれるゼラチンとして、50〜190のブルーム値を有するゼラチンのみを用いて、シームレスカプセルを調製することとした。従来、シームレスカプセルの調製において、カプセル皮膜基材としてゼラチンを用いる場合は、200以上のブルーム値を有するゼラチンが一般的に用いられていた。そして200未満のブルーム値を有するゼラチンのみを用いてシームレスカプセルを調製することはなされていなかった。その理由は、200未満のブルーム値を有するゼラチンのみでは、シームレスカプセルの調製においてカプセル皮膜に必要とされる強度を発現させることができなかったためである。シームレスカプセルの調製においては、ノズルから滴下された直後の状態(複合ジェット)である、カプセル皮膜調製液が固化し皮膜となる前の状態が、一番強度が低く、最も破損が生じやすい状態である。そしてこの複合ジェットの状態で破損が生じないようにするためには、200以上のブルーム値を有するゼラチンを用いることが、従来技術においては必須とされていた。
【0044】
しかしながら200以上のブルーム値を有するゼラチンを用いると、口腔内における迅速かつ良好な溶解性を得ることができないという不具合がある。そこで、本発明者らは、口腔内における良好な溶解性を達成するため、カプセル皮膜に含まれるゼラチンとして、50〜190のブルーム値を有するゼラチンのみを用いたシームレスカプセルの調製を試みた。そしてシームレスカプセルの調製において、ノズルから滴下された直後の状態(複合ジェット)の強度を向上させるために、水の含有量を減らしてカプセル皮膜調製液中に含まれるゼラチン濃度を高くしたところ、カプセル皮膜調製液の粘度が上昇しすぎてしまい、シームレスカプセルを調製することができなかった。シームレスカプセルは滴下法によって製造されるため、カプセル皮膜調製液の粘度がカプセルの生産性に大きく影響してしまう。そしてカプセル皮膜調製液の粘度が適切な範囲を超える場合は、液滴として滴下することができなくなり、ひも状に連続的に排出されてしまう。
【0045】
本発明者らは、これらの問題を解決することを試みて種々の実験を行ったところ、ゼラチンとして50〜190のブルーム値を有するゼラチンを用いる場合において、水およびエタノールの混合溶媒中にゼラチンを溶解させることによって、カプセル皮膜調製液の粘度を、滴下法によるシームレスカプセルの製造が可能な範囲に低く設定しつつ、シームレスカプセルの調製が可能となる程度に複合ジェットの強度を向上させることができることを見出した。カプセル皮膜調製液の溶媒として水に加えてエタノールを用いることによって、水の含有量を少なくすることができる。これにより、ゼラチンとして、50〜190のブルーム値を有するゼラチンのみを用いる場合であっても、水の含有量が少ないことによって複合ジェットの状態において形態を維持するのに十分な強度を確保することが可能となった。また、カプセル皮膜調製液中にエタノールが含まれることによって、カプセル皮膜調製液の粘度が顕著に低下するという利点がある。
【0046】
なお、従来のシームレスカプセルの製造において、カプセル皮膜基材としてゼラチンを用いる場合は、カプセル調製液の媒体としてエタノールを用いることはなかった。その理由は、エタノールは、ゼラチンを構成するタンパク質を変性してしまい、媒体から析出させる作用を有するためである。例えばマイクロカプセルの調製方法の1手段であるコアセルベーション法(相分離法)では、ゼラチン水溶液中にエタノールを加えることによって、相分離を生じさせて、コアセルベートを生成させる方法である。このコアセルベーション法(相分離法)からも、エタノール添加がゼラチンを析出させてしまうことが理解できる。
【0047】
本発明においては、ゼラチンとして、50〜190のブルーム値を有するゼラチンを用いて、これを水およびエタノールの混合溶媒中に溶解させる。カプセル皮膜調製液における水とエタノールとの質量比は、水/エタノール=40/60〜95/5の範囲であるのが好ましく、水/エタノール=50/50〜90/10の範囲であるのがさらに好ましい。これにより、50〜190のブルーム値を有するゼラチンの析出などを伴うことなく、カプセル皮膜調製液を得ることができるという利点がある。50〜190のブルーム値を有するゼラチンは一般にα鎖の含量が少ないため、上記範囲でエタノールを用いても相分離析出しないという利点がある。
【0048】
また、カプセル皮膜調製液中に含まれるエタノールの含有量は、5〜60質量%であるのが好ましく、10〜50質量%であるのがより好ましく、20〜40質量%であるのがさらに好ましい。本発明において、カプセル皮膜調製液中にエタノールが含まれることによって、カプセル皮膜調製液内における微生物の繁殖を抑制することができるという利点もある。
【0049】
カプセル皮膜調製液は、カプセル皮膜を形成する基材である、50〜190のブルーム値を有するゼラチンを、カプセル皮膜調製液の総質量に対して15〜40質量%の量で含むのが好ましい。ゼラチンの含有量は18〜35質量%であるのがより好ましく、20〜30質量%であるのがさらに好ましい。基材が40質量%を超える量で含まれると、カプセル皮膜調製液が高粘度となり、カプセルの形成が困難となるおそれがある。また、15質量%より少ない量で含まれると、シームレスカプセルにおけるカプセル皮膜の物理的強度が低くなり、使用に困難が生じるおそれがある。
【0050】
カプセル皮膜調製液の粘度は、60℃で30〜350mPa・sであるのが好ましく、50〜300mPa・sであるのがより好ましく、100〜250mPa・sであるのがさらに好ましい。カプセル皮膜調製液の粘度が上記範囲であることによって、滴下法によるシームレスカプセル調製が良好に行うことができるという利点がある。
【0051】
カプセル充填液の粘度は、60℃で20〜350mPa・sであるのが好ましく、50〜300mPa・sであるのがより好ましく、100〜250mPa・sであるのがさらに好ましい。
【0052】
本発明の1態様であるシームレスカプセルの製造方法としては、図1に示すように、二重ノズルを用いて、カプセル皮膜調製液を第1ノズル(120)へ、カプセル充填液を第2ノズル(110)へそれぞれ供給する。そして、各環状孔先端からこれらの液を同時に押出し、得られた2相の複合ジェットを、流下する冷却液中へ放出することにより、本発明によるシームレスカプセル(10)を得ることができる。
【0053】
この冷却液は、典型的には20℃以下であり、好ましくは1〜18℃である。また、ノズルから押出される各液の温度は、特に限定されるものではないが、典型的には15〜70℃、好ましくは20〜65℃である。
【0054】
冷却液として、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、植物油脂(ヤシ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ゴマ油、ナタネ油、グレープ種子油、およびこれらの混合物など)、流動パラフィンおよびこれらの混合物を使用することができる。
【0055】
上記の製造方法において、振動手段を用いて複合ジェット流に適度な振動を与えて複合ジェットの切れを良くして、粒径を均一にし、カプセル化を容易とすることもできる。また上記の多重ノズルとして、同心多重ノズルを用いるのがより好ましい。
【0056】
シームレスカプセルが3層構造である場合、カプセル充填液とカプセル皮膜とを隔離する液状物として、例えば、上記した親油性液状物などが含まれる。この隔離する液状物に、上記のような有効成分や香料等が含まれてもよい。3層構造のシームレスカプセルを調製する場合は、図1に記載される第1ノズル(120)(内側ノズル)のさらに内側に、新たにノズルを設けた同心三重ノズルを用いること以外は、上記および図1に示される方法と同様の方法を用いて調製することができる。なお、同様の手法を用いて、4層構造のシームレスカプセルを調製することもできる。
【0057】
本発明のシームレスカプセルは、使用条件により、必要に応じて水洗、加熱殺菌、加熱滅菌をすることができる。また、この本発明のカプセルを常套の乾燥方法で乾燥させて、耐熱性乾燥カプセルを得ることもできる。なお、下記の実施例においては、本発明のシームレスカプセルとして、常套の乾燥方法を用いて乾燥させたシームレスカプセルについて記載している。しかしながら、調製したシームレスカプセルについて乾燥させることは必ずしも必要ではなく、用途などによっては、必要に応じて、皮膜に水分が多く含む状態を維持してもよい。このような場合において、得られるシームレスカプセルの形状は、球状、半球状、ボタン状または不定形状となることがある。
【0058】
なお、カプセル皮膜調製液に水およびエタノールが含まれることによって、製造されるシームレスカプセルのカプセル皮膜中に含まれる水分量が少なくなり、シームレスカプセルの乾燥が早くなるという利点もある。
【0059】
このようにして製造される本発明のシームレスカプセルは、カプセル皮膜中に含まれるゼラチンのブルーム値が50〜190と低いため、口腔内において極めて容易に可溶する。本発明のシームレスカプセルはまた、試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下と非常に短い。本発明のシームレスカプセルは、このように水中での崩壊時間が極めて短いため、摂取時にカプセル皮膜が口腔中で心地よい状態ですーっと消失し、カプセル皮膜の残存による不快な感触を伴わないという特徴がある。
【実施例】
【0060】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
【0061】
実施例1
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)70部およびストロベリーフレーバー10部を均一になるまで混合して、さらにイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)20部を加えて比重および粘度調整を行い、カプセル充填液を得た。カプセル充填液の粘度は32mPa・s(25℃)であった。
ゼラチン(ゼリー強度130ブルーム、ニッピ社製)25部、グリセリン15部、マンニトール10部および精製水25部を均一になるまで混合した後、60℃で加熱溶解した。次いでエタノール25部を加えて均一になるまで撹拌混合を行い、カプセル皮膜調製液を調製した。カプセル皮膜調製液の粘度は240mPa・s(60℃)であった。
次に、図1に例示されるような構造を有するシームレスカプセル製造機(森下仁丹製)を用いて、同心二重ノズルの第2ノズル(110)からカプセル充填液を、そして第1ノズル(120)からカプセル皮膜調製液を同時に10℃の冷却油中に放出し、2層構造のシームレスカプセルを形成した。次いで、形成されたカプセルを、通気乾燥(20〜30℃)させ、皮膜中に含まれる水分およびエタノールを蒸発させた。
得られたシームレスカプセルの乾燥後の直径は5mmであり、シームレスカプセルの総質量に対するカプセル皮膜の質量は10%であった。
【0062】
比較例1
ゼラチンを、ゼリー強度280ブルーム、ニッピ社製のものに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスカプセルを調製した。
【0063】
比較例2
カプセル皮膜調製液の調製において、精製水の量を50部に変更して、かつ、エタノールを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、カプセル皮膜調製液を調製した。得られたカプセル皮膜調製液の粘度は180mPa・s(60℃)であった。
このカプセル皮膜調製液を用いて、実施例1と同様にシームレスカプセルを製造しようと試みたところ、カプセル皮膜調製液のゲル強度が低すぎたため、シームレスカプセルを形成することができなかった。
【0064】
実施例および比較例によって得られたシームレスカプセルを用いて、以下の評価を行った。
【0065】
カプセル皮膜溶解時間の測定
シームレスカプセルのカプセル皮膜の溶解時間を、第16改正日本薬局方に定める崩壊試験法(試験液:水)に準拠して測定した。日本薬局方の「崩壊試験法」に定める崩壊試験装置(富山産業社製、NT−2)を用いて、37℃の水中にシームレスカプセルを入れて試験機を作動させ、
カプセルが目視で確認されなくなった状態(残留物を視認できなくなった状態)となるまでに要した時間を測定した。
【0066】
シームレスカプセル摂取時の評価
シームレスカプセルを口腔中に入れて静置させ、口腔中で消失したという認識に至るまで要した時間を測定した。この評価は5回行い、これらの平均値を算出した。
【0067】
シームレスカプセルの外観評価
得られたシームレスカプセルの外観を、下記基準に従い目視評価した。
評価基準
○:球型形状を維持しており、良好な形状である。
×:シームレスカプセルとしての形状を維持できていない。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例で得られたシームレスカプセルは、カプセル皮膜溶解時間が短く、口腔内で素速く可溶するものであることが確認された。
一方、比較例1で得られたシームレスカプセルは、カプセル皮膜溶解時間が長く、カプセル皮膜がなかなか溶解しなかった。
比較例2では、シームレスカプセルを形成することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のシームレスカプセルは、試験液として水を用いた崩壊試験法によるカプセル皮膜の溶解時間が60秒以下と短く、口腔内などで容易に可溶するシームレスカプセルであることを特徴とする。本発明のシームレスカプセルは、内包物がカプセル充填液という液状物であっても内容物を良好に保持し、そして多重ノズルを用いた滴下法によって良好に製造することができ、その一方で、口腔内においてカプセル皮膜が素速く溶解するという、形状保持性およびカプセル皮膜可溶性という相反する性能が高度に両立されているという特徴を有する。
【符号の説明】
【0071】
10:シームレスカプセル、
11:カプセル皮膜、
12:カプセル充填液、
110:第2ノズル、
120:第1ノズル。
図1