特許第5876730号(P5876730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876730
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】燃料の劣化予測装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/22 20060101AFI20160218BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20160218BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   G01N33/22 B
   F02D45/00 364K
   E02F9/00 D
   F02D45/00 364Q
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-7328(P2012-7328)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-148389(P2013-148389A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】賀集 拓
【審査官】 草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−164004(JP,A)
【文献】 特開昭56−133658(JP,A)
【文献】 特開昭63−263209(JP,A)
【文献】 特開2010−181348(JP,A)
【文献】 特開2010−065637(JP,A)
【文献】 実開昭63−023645(JP,U)
【文献】 特開2010−242692(JP,A)
【文献】 特開2010−208700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/22
E02F 9/00
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を貯蔵する燃料タンクと、この燃料タンクに貯蔵された前記燃料の温度を検出する温度検出手段とを備えた作業機械に設けられ、前記燃料タンクに貯蔵された前記燃料の酸化劣化度を予測する燃料の劣化予測装置において、
前記燃料タンクに貯蔵された前記燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、
前記温度検出手段が前記燃料の温度毎の計測時間を計測する計時手段と、
前記燃料が酸化劣化する速度と前記燃料の温度との関係が予め設定された第1設定手段と、
この第1設定手段で設定された前記燃料が酸化劣化する速度と前記燃料の温度との関係と、前記温度検出手段によって検出された前記燃料の温度とに基づいて前記燃料が酸化劣化する速度を演算する酸化劣化速度演算手段と、
前記燃料の酸化劣化度、前記燃料が酸化劣化する速度、及び前記燃料の温度毎の計測時間の関係が予め設定された第2設定手段と、
この第2設定手段で設定された前記燃料の酸化劣化度、前記燃料が酸化劣化する速度、及び前記燃料の温度毎の計測時間の関係と、前記酸化劣化速度演算手段によって演算された速度、及び前記計時手段によって計測された前記燃料の温度毎の計測時間とに基づいて前記燃料の酸化劣化度を演算する酸化劣化度演算手段とを備え
前記燃料残量検出手段によって検出された前記燃料の残量に基づいて、前記燃料タンクに前記燃料が補充されたかどうかを判断し、
前記酸化劣化度演算手段は、
前記燃料が補充されていないと判断した場合には、前記第2設定手段、前記酸化劣化速度演算手段、及び前記計時手段を用いて前記燃料の酸化劣化度を演算し、
前記燃料が補充されたと判断した場合には、過去に前記燃料残量検出手段によって検出された補充前の前記燃料の残量、前記燃料残量検出手段によって検出された補充後の前記燃料の残量、過去に前記酸化劣化度演算手段によって演算された補充前の前記燃料の酸化劣化度、及び補充時の前記燃料の酸化劣化度として予め設定された初期燃料の酸化劣化度から前記燃料の酸化劣化度を演算することを特徴とする燃料の劣化予測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料の劣化予測装置において、
前記第1設定手段は、前記燃料の温度が所定の温度を超えたときの前記燃料が酸化劣化する速度が所定の速度に設定されたものから成り、
前記計時手段は、前記燃料の温度毎の計測時間のうち前記温度検出手段によって検出された前記燃料の温度が所定の温度を超えている間の時間を計測するものから成ることを特徴とする燃料の劣化予測装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料の劣化予測装置において、
前記酸化劣化度演算手段によって演算された前記燃料の酸化劣化度が所定の値を超えたときに警報を発する警告手段を備えたことを特徴とする燃料の劣化予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクに貯蔵された燃料の酸化劣化度を予測する燃料の劣化予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、エンジンや油圧機器等が設置された作業機械は、燃料を貯蔵する燃料タンクを備えており、燃料タンクから燃料をエンジンへ供給することにより、エンジンを駆動させている。このような作業機械として例えば油圧ショベルがあり、油圧ショベルは、履帯等を有して走行する走行体と、走行体の上方に旋回フレームを介して連結されて左右方向に旋回する旋回体と、この旋回体の前方に設けられ、各アクチュエータを有して掘削等の作業を行うフロント作業機とを備えている。
【0003】
そして、旋回体は、燃料を貯蔵する燃料タンクと、この燃料タンクに貯蔵された燃料の温度を検出する温度検出手段と、内部に設けられた上述したエンジンと、このエンジンにより駆動される油圧ポンプと、フロント作業機を操作する運転室とを有しており、作業者がこの運転室に乗車してエンジンを始動させることにより、エンジンによって油圧ポンプが駆動し、油圧ポンプから吐出される作動油がフロント作業機へ供給されてフロント作業機を自在に動かせるようになっている。
【0004】
ここで、エンジンに供給される燃料タンク内の燃料は、例えばバイオディーゼル燃料が使用されている。このバイオディーゼル燃料のような酸素を含む燃料は、時間の経過とともに酸化劣化することにより、燃料タンクや燃料が循環する配管等の錆又は腐食を引き起こすことが問題となっている。特に、作業機械が高温条件下で使用された場合には、酸化劣化した燃料から熱によって小さい固まりであるスラッジが形成されることにより、エンジンのピストンリングが固着したり、フィルタの目詰まりが発生し、エンジンの出力性能が低下する虞がある。そこで、燃料タンクに貯蔵された燃料の酸化劣化の程度を予測し、燃料の酸化劣化が進行していることが判明した場合には、燃料を新しいものに交換する等の管理を定期的に行う必要がある。
【0005】
そこで、燃料タンク内の燃料の酸化劣化の程度を予測する装置の従来技術の1つとして、含酸素燃料を含む燃料の性状を判定する燃料性状判定装置であって、予め定められた所定の波長帯の光が燃料を透過する透過率を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて燃料の性状が適正であるか否かを判定する判定手段とを備えた燃料性状判定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この燃料性状判定装置では、検出手段は、所定の波長帯の光を発光する発光素子と、この発光素子から発行された光を受光する受光素子と、燃料タンクの底部に固定されて発光素子及び受光素子を収納するケースと、発光素子から発光された光を燃料に透過させて受光素子に導く一対の導光体とから構成されており、受光素子に電気的に接続された判定手段は、受光素子が出力する電圧に基づいて燃料の性状が適正であるか否かを判定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−181348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示された従来技術の燃料性状判定装置では、上述したように検出手段が燃料タンクの底部に一体型に形成されており、発光素子から発光した光を燃料に透過し、透過した光を受光素子に受光させる必要があるので、発光素子と受光素子は、一対の導光体と、これらの導光体の間に充填された燃料とを挟んで互いに対向して配置される。このように、燃料タンクの構造が検出手段を組込むことで大きな変更を伴って複雑となり、燃料タンクの製造に多くの労力を要することが問題となっている。また、燃料タンク内の燃料の透過率を検出する検出手段自体が高価なものであるので、燃料タンクを含めた装置の製造にかかる費用がかさむことも問題となっている。
【0009】
さらに、上述した検出手段における発光素子、受光素子、及び一対の導光体の配置構造では、これらの発光素子、受光素子、及び一対の導光体が収納されるケースに導光体を保持する一対の突出片を設ける必要があり、これらの一対の突出片は、燃料が各導光体の間に充填されるように燃料タンクの内側に向かって形成されるので、燃料タンクに貯蔵される燃料の容積が減少する。特に、油圧ショベル等の作業機械では、旋回体の内部に設置された熱交換器等の冷却効率や配管等の配設の都合上、旋回体内における燃料タンクの配置が制限されるので、燃料タンクの容量を確保することが難しく、燃料タンク内の燃料の容積が減少することによって燃料の補充作業等の頻度が高くなる虞がある。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、燃料タンクの構造を複雑にすることなく、燃料タンク内の燃料の酸化劣化度を予測することができる燃料の劣化予測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の燃料の劣化予測装置は、燃料を貯蔵する燃料タンクと、この燃料タンクに貯蔵された前記燃料の温度を検出する温度検出手段とを備えた作業機械に設けられ、前記燃料タンクに貯蔵された前記燃料の酸化劣化度を予測する燃料の劣化予測装置において、前記燃料タンクに貯蔵された前記燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、前記温度検出手段前記燃料の温度毎の計測時間を計測する計時手段と、前記燃料が酸化劣化する速度と前記燃料の温度との関係が予め設定された第1設定手段と、この第1設定手段で設定された前記燃料が酸化劣化する速度と前記燃料の温度との関係と、前記温度検出手段によって検出された前記燃料の温度とに基づいて前記燃料が酸化劣化する速度を演算する酸化劣化速度演算手段と、前記燃料の酸化劣化度、前記燃料が酸化劣化する速度、及び前記燃料の温度毎の計測時間の関係が予め設定された第2設定手段と、この第2設定手段で設定された前記燃料の酸化劣化度、前記燃料が酸化劣化する速度、及び前記燃料の温度毎の計測時間の関係と、前記酸化劣化速度演算手段によって演算された速度、及び前記計時手段によって計測された前記燃料の温度毎の計測時間とに基づいて前記燃料の酸化劣化度を演算する酸化劣化度演算手段とを備え、前記燃料残量検出手段によって検出された前記燃料の残量に基づいて、前記燃料タンクに前記燃料が補充されたかどうかを判断し、前記酸化劣化度演算手段は、前記燃料が補充されていないと判断した場合には、前記第2設定手段、前記酸化劣化速度演算手段、及び前記計時手段を用いて前記燃料の酸化劣化度を演算し、前記燃料が補充されたと判断した場合には、過去に前記燃料残量検出手段によって検出された補充前の前記燃料の残量、前記燃料残量検出手段によって検出された補充後の前記燃料の残量、過去に前記酸化劣化度演算手段によって演算された補充前の前記燃料の酸化劣化度、及び補充時の前記燃料の酸化劣化度として予め設定された初期燃料の酸化劣化度から前記燃料の酸化劣化度を演算することを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明は、第2設定手段によって燃料の酸化劣化度、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間の関係が予め設定されているので、酸化劣化度演算手段が燃料の酸化劣化度を演算するために、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間を求める必要がある。ここで、燃料が酸化劣化する速度は、第1設定手段で設定された燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係と、温度検出手段で検出された燃料の温度に基づいて酸化劣化速度演算手段によって求められる。一方、燃料の温度毎の計測時間は、計時手段が温度検出手段で燃料の温度が検出されている間の時間を計測することによって求められる。
【0013】
従って、酸化劣化度演算手段は、第2設定手段で設定された燃料の酸化劣化度、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間の関係と、求められた燃料が酸化劣化する速度及び燃料の温度毎の計測時間とに基づいて燃料の酸化劣化度を演算することにより、燃料タンクの構造を大きく変更しなくても、燃料タンクを備えた作業機械に設けられる温度検出手段を有効に活用することで燃料の酸化劣化度を容易に求めることができる。このように、燃料タンクの構造を複雑にすることなく、燃料タンク内の燃料の酸化劣化度を予測することができる。
【0014】
また、本発明に係る燃料の劣化予測装置は、前記発明において、前記第1設定手段は、前記燃料の温度が所定の温度を超えたときの前記燃料が酸化劣化する速度が所定の速度に設定されたものから成り、前記計時手段は、前記燃料の温度毎の計測時間のうち前記温度検出手段によって検出された前記燃料の温度が所定の温度を超えている間の時間を計測するものから成ることを特徴としている。
【0015】
このように構成した本発明は、第1設定手段が、燃料の温度が所定の温度を超えたときの燃料の酸化劣化する速度を所定の速度に設定することにより、酸化劣化速度演算手段は、温度検出手段によって検出された燃料の温度が所定の温度を超えたときには、燃料が酸化劣化する速度を所定の速度に演算するので、酸化劣化度演算手段によって演算される燃料の酸化劣化度は、温度検出手段によって検出された燃料の温度が所定の温度を超えている間の時間に比例する。そのため、計時手段が、温度検出手段によって検出された燃料の温度が所定の温度を超えている間の時間を計測することにより、計測された時間から燃料タンク内の燃料の酸化劣化度を簡潔に予測することができる。
【0016】
また、本発明に係る燃料の劣化予測装置は、前記発明において、前記酸化劣化度演算手段によって演算された前記燃料の酸化劣化度が所定の値を超えたときに警報を発する警告手段を備えたことを特徴としている。このように構成すると、警告手段が発する警報によって作業者が燃料タンクに貯蔵された燃料の酸化劣化が進行していることを知ることができるので、作業者に燃料タンク内の燃料を交換する等の注意を喚起することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の燃料の劣化予測装置は、燃料タンクに貯蔵された燃料の温度を検出する温度検出手段を備えた作業機械に設けられ、酸化劣化度演算手段によって燃料タンク内の燃料の酸化劣化度が予測される。すなわち、本発明の燃料の劣化予測装置は、酸化劣化速度演算手段が第1設定手段で設定された燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係と、温度検出手段で検出された燃料の温度とに基づいて燃料が酸化劣化する速度を演算すると共に、計時手段によって温度検出手段が燃料の温度毎の計測時間を計測する。そして、酸化劣化度演算手段は、第2設定手段で設定された燃料の酸化劣化度、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間の関係と、酸化劣化速度演算手段で演算された速度、及び計時手段で計測された燃料の温度毎の計測時間とに基づいて燃料の酸化劣化度を演算することにより、燃料タンクの構造を大きく変更しなくても、燃料タンクを備えた作業機械に設けられる温度検出手段を有効に活用することで燃料の酸化劣化度を容易に求めることができる。このように、燃料タンクの構造を複雑にすることなく、燃料タンク内の燃料の酸化劣化度を予測することができるので、従来よりも燃料タンクの高い製造効率を確保することができ、燃料タンク内の燃料の品質を判断する装置の製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る燃料の劣化予測装置の第1実施形態が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
図2図1に示す油圧ショベルの旋回体の構成を説明する図である。
図3】本発明の第1実施形態の構成を示す図である。
図4図3に示す燃料タンクに蓄えられた燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態の動作を説明するフローチャートである。
図6図3に示す燃料タンクに蓄えられた燃料の酸化劣化の推移を説明する図である。
図7】本発明の第2実施形態における燃料タンクに蓄えられた燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る燃料の劣化予測装置を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
本発明に係る燃料の劣化予測装置の第1実施形態は、燃料を貯蔵する後述の燃料タンクと、この燃料タンクに貯蔵された燃料の温度を検出する後述の温度検出手段とを備えた作業機械、例えば図1に示すように油圧ショベル1に設けられる。この油圧ショベル1は、走行体2と、この走行体2の上側に配置され、旋回フレーム3aを有する旋回体3と、この旋回体3の前方に取り付けられて上下方向に回動するフロント作業機4とを備えている。このフロント作業機4は、旋回体4に取り付けられるブーム4aと、このブーム4aの先端に取り付けられるアーム4bと、このアーム4bの先端に取り付けられるバケット4cとを含んでいる。
【0021】
また、旋回体3は、図2に示すように前方左側に作業者が乗車する運転室7を備え、後方にカウンタウェイト6を備え、また、これら運転室7及びカウンタウェイト6の間にエンジンルーム5と、このエンジンルーム5の上部に設けられた車体カバー15とを備えている。さらに、旋回体3は、エンジンルーム5内に設置されたエンジン5aと、このエンジン5aの右側に配置され、エンジン5aにより駆動される油圧ポンプ23と、この油圧ポンプ23の前方に配置され、油圧ポンプ23と図示しない配管によって接続される作動油タンク22と、この作動油タンク22の前方に配置され、燃料を貯蔵する前述した燃料タンク21とを有し、この燃料タンク21内の燃料には例えばバイオディーゼル燃料が用いられている。なお、運転室7内には、エンジン5aの回転数等の油圧ショベル1の動作に関する各種の情報を表示するモニタ10が設置されている。
【0022】
また、旋回体3は、油圧ポンプ23の右側に配置され、エンジン5aから排出される排ガスを処理する排ガス後処理装置19と、この排ガス後処理装置19とエンジン5aとを接続し、エンジン5aの熱効率を高める過給機16と、エンジン5aを挟んで油圧ポンプ23と反対側に設けられ、エンジン5a等のエンジンルーム5内の機器の冷却を行う熱交換器14とを有している。この熱交換器14は、例えば図示されないが、エンジン5aの冷却水を冷却するラジエータと、作動油を冷却するオイルクーラと、エンジン5aの吸気を冷却するインタクーラとから構成されている。
【0023】
旋回体3は、運転室7に設けられ、運転室7内に設置された図示しない操作レバーの操作に応じてフロント作業機4の動作を制御するコントローラ8を有している。本発明の第1実施形態では、燃料タンク21には、貯蔵された燃料の温度を検出する前述の温度検出手段と、燃料の残量を検出する燃料残量検出手段とが設けられており、温度検出手段は、例えば燃料タンク21内の燃料を測定する温度センサ11から成り、燃料残量検出手段は、例えばフロート等を用いた液面検出により燃料タンク21内の燃料液面位置を検出することによって残量を検出する残量センサ12から成っている。なお、これらの温度センサ11及び残量センサ12は、コントローラ8に接続されており、温度センサ11によって検出した燃料の温度及び残量センサ12によって測定された燃料の残量の情報はコントローラ8に送信されるようになっている。
【0024】
上述したコントローラ8は、温度センサ11が燃料の温度毎の計測時間を計測する計時手段、例えばタイマー部8aと、燃料タンク21内の燃料の性質に関する情報を予め記録すると共に、温度センサ11及び残量センサ12から受信した情報を記録する記録部8cと、この記録部8cに記録された情報及びタイマー部8aによって計測された燃料の温度毎の計測時間とに基づいて、後述する燃料の酸化劣化度を予測するのに必要なものを演算する演算部8bとから構成されている。なお、計測手段は、温度センサ11によって検出される燃料温度がどの程度の時間継続したものかを計測するものであって、検出される温度毎の累積時間として計測されるものである。
【0025】
本発明の第1実施形態では、記録部8cは、燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係が予め設定された図示しない第1設定手段と、燃料の酸化劣化度、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間の関係が予め設定された図示しない第2設定手段とを含んでいる。具体的には、第1設定手段で設定された燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係は、例えば図4に示すように燃料の温度が増大するにつれて燃料が酸化劣化する速度も増大する関係にある。なお、この燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係は、実験等によって予め設定されている。
【0026】
一方、第2設定手段で設定された燃料の酸化劣化度、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間の関係は、例えば図示されないが関数によって表される関係にあり、後述するように燃料の温度毎の計測時間が短ければ、燃料の酸化劣化度は、その燃料温度における酸化劣化する速度に、その温度状態にあった累積時間を乗じることによって近似される。
【0027】
また、演算部8bは、第1設定手段で設定された燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係と、温度センサ11によって検出された燃料の温度とに基づいて燃料が酸化劣化する速度を演算する図示しない酸化劣化速度演算手段と、第2設定手段で設定された燃料の酸化劣化度、燃料が酸化劣化する速度、及び燃料の温度毎の計測時間の関係と、酸化劣化速度演算手段によって演算された速度、及びタイマー部8aによって計測された燃料の温度毎の計測時間とに基づいて燃料の酸化劣化度を演算する図示しない酸化劣化度演算手段とを含んでいる。なお、酸化劣化速度演算手段によって演算された燃料が酸化劣化する速度、及び酸化劣化度演算手段によって演算された燃料の酸化劣化度は、記録部8cに記録されるようになっている。
【0028】
本発明の第1実施形態は、酸化劣化度演算手段によって演算された燃料の酸化劣化度が所定の値を超えたときに警報を発する警告手段を備え、この警告手段は、例えばモニタ10に表示する表示手段から成っている。すなわち、コントローラ8とモニタ10は互いに接続されており、警告手段は、酸化劣化度演算手段によって演算された燃料の酸化劣化度が所定の値を超えたとき、表示手段によってモニタ10に燃料タンク21内の燃料の交換を促す警報を表示し、酸化劣化度演算手段によって演算された燃料の酸化劣化度が所定の値を超えていないとき、モニタ10に燃料タンク21内の燃料の交換を促す警報を表示しないようにしている。
【0029】
次に、本発明の第1実施形態の動作を図5のフローチャートに基づいて説明し、特に演算部における酸化劣化速度演算手段及び酸化劣化度演算手段の演算について詳細に説明する。なお、演算部における酸化劣化速度演算手段及び酸化劣化度演算手段の演算は、例えばエンジンが動作している間だけでなく、エンジンが停止している間にも行われ、予め設定された短い計算周期Δtで行われる。
【0030】
図5は本発明の第1実施形態の動作を説明するフローチャート、図6図3に示す燃料タンクに蓄えられた燃料の酸化劣化の推移を説明する図である。
【0031】
本発明の第1実施形態では、図5に示すようにコントローラ8の演算部8bは、まず過去に演算された燃料の酸化劣化度Hn−1及び過去に検出された燃料の残量Vn−1を記録部8cから呼び出し(S0)、圧力センサ12から受信した情報を参照して燃料の残量Vnを取得する(S1)。次に、演算部8bは、燃料タンク21に燃料が補充されたかどうかを判断する(S2)。すなわち、演算部8bは、例えば手順S1において取得された燃料の残量Vnと手順S0において呼び出された燃料の残量Vn−1とを比較することにより、燃料の残量Vnが過去に検出された燃料の残量Vn−1よりも大きい場合には燃料が補充されたと判断し、燃料の残量Vnが過去に検出された燃料の残量Vn−1と同じ又は同程度である場合には燃料が補充されていないと判断する。
【0032】
手順S2において演算部8bは、燃料タンク21に燃料が補充されていないと判断した場合には、温度センサ11から受信した情報を参照して燃料タンク21内の燃料の温度を取得し(S4)、演算部8bの酸化劣化速度演算手段が、図4に示す燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係と、手順S4において取得した燃料の温度とに基づいて燃料が酸化劣化する速度を演算する(S5)。
【0033】
そして、演算部8bの酸化劣化度演算手段が、計算周期Δtにおける燃料の酸化劣化が進行した酸化劣化進行量ΔH、すなわち計算周期Δtにおける燃料の酸化劣化度の変化量ΔHを、手順S5において演算された燃料が酸化劣化する速度hsに計算周期Δtを乗じることによって演算し(S6)、演算された酸化劣化進行量ΔHに手順S0において呼び出されたHn−1を加算することによって燃料の酸化劣化度Hnを演算する(S7)。
【0034】
ここで、手順S2において演算部8bは、燃料タンク21に燃料が補充されたと判断した場合には、酸化劣化度演算手段は、例えば過去に検出された補充前の燃料の残量Vn−1、補充後の燃料の残量Vn、過去に演算された補充前の燃料の酸化劣化度Hn−1、補充時の燃料の酸化劣化度として予め設定された初期燃料の酸化劣化度H0を下記の計算式(1)に代入して燃料の酸化劣化度Hnを演算する(S3)。
【0035】
次に、記録部8cは、手順S3又はS7において演算された燃料の酸化劣化度Hn及び燃料の残量Vnを記録し(S8)、表示手段は、酸化劣化度演算手段によって演算された燃料の酸化劣化度Hnが所定の値Hlを超えているかどうかを判断する(S9)。このとき、表示手段が、燃料の酸化劣化度Hnが所定の値Hlを超えていると判断した場合には、運転室7のモニタ10に燃料タンク21内の燃料の交換を促す警報を表示し(S10)、上述した手順S0〜S10の動作を繰り返す。従って、表示手段の警報を受けて作業者が燃料タンク21に燃料を補充した場合には、図6に示すように燃料の酸化劣化度が減少する。一方、手順S9において表示手段が、燃料の酸化劣化度Hnが所定の値Hlを超えていないと判断した場合には、運転室7のモニタ10に警報を表示しないで上述した手順S0〜S10の動作を繰り返す。
【0036】
このように構成した本発明の第1実施形態によれば、燃料タンク21は、燃料の温度を検出する温度センサ11を備えており、この温度センサ11が燃料の温度毎の計測時間がコントローラ8のタイマー部8aによって計測されているので、手順S2において演算部8bの酸化劣化度演算手段によって燃料が補充されていないと判断された場合には、手順S5において演算部8bの酸化劣化速度演算手段が第1設定手段で設定された図4に示す燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係と、温度センサ11で検出された燃料の温度とに基づいて燃料が酸化劣化する速度を演算して迅速に求めることができる。
【0037】
本発明の第1実施形態では、酸化劣化速度演算手段及び酸化劣化度演算手段の演算は、予め設定された短い計算周期Δtで行われているので、演算部8bの酸化劣化度演算手段は、手順S6において計算周期Δtにおける燃料の酸化劣化進行量、すなわち燃料の酸化劣化度の変化量ΔHを演算し、この燃料の酸化劣化度の変化量ΔHに過去に演算された燃料の酸化劣化度Hn−1を加算して燃料の酸化劣化度Hnを演算することにより、燃料タンク21の構造を大きく変更しなくても、燃料タンク21を備えた油圧ショベル1に設けられる温度センサ11を有効に活用することで燃料の酸化劣化度Hnを容易に求めることができる。
【0038】
また、燃料タンク21は、燃料の圧力を測定する圧力センサ12を備えており、この圧力センサ12で測定された燃料の圧力から燃料タンク21内の燃料の残量Vnを検出しているので、手順S2において演算部8bによって燃料が補充されたと判断された場合にも、酸化劣化度演算手段は、補充前の燃料の残量Vn−1、補充後の燃料の残量Vn、補充前の燃料の酸化劣化度Hn−1、及び初期燃料の酸化劣化度H0と計算式(1)から燃料の酸化劣化度Hnを演算して容易に求めることができる。このように、燃料タンク21の構造を複雑にすることなく、燃料タンク21内の燃料の酸化劣化度Hnを予測することができるので、燃料タンク21の高い製造効率を確保することができ、燃料タンク21内の燃料の品質を判断する装置の製造コストを抑えることができる。
【0039】
また、本発明の第1実施形態は、手順S9において表示手段が、酸化劣化度演算手段によって演算された燃料の酸化劣化度Hnが所定の値Hlを超えているかどうかを判断し、燃料の酸化劣化度Hnが所定の値Hlを超えていると判断した場合には、手順S10において運転室7のモニタ10に警報を表示することにより、表示手段の警報によって作業者が燃料タンク21に貯蔵された燃料の酸化劣化が進行していることを知ることができるので、作業者に燃料タンク21内の燃料を交換する等の注意を喚起することができる。このように、作業者に対して利便性に優れた装置を提供することができる。
【0040】
また、本発明の第1実施形態は、手順S10において表示手段が運転室7内に設けられたモニタ10に燃料タンク21内の燃料の交換を促す警報を表示することにより、運転室7内に乗車して作業している作業者が視覚によって警報を確認し易くなるので、モニタ10から燃料の酸化劣化の状況を容易に把握することができる。これにより、作業者が燃料の酸化劣化の状況を早期に知ることができるので、燃料タンク21内の燃料の交換を効果的に促すことができる。
【0041】
また、本発明の第1実施形態は、燃料タンク21に貯蔵された燃料に温度センサ11を浸すことにより、エンジン5aが動作している間だけでなく、エンジン5aが停止している間も燃料の温度を正確に測定できるので、酸化劣化速度演算手段によって演算される燃料が酸化劣化する速度、及び酸化劣化度演算手段によって演算される燃料の酸化劣化度Hnの精度を向上させることができ、燃料の酸化劣化度Hnの予測に対する信頼性を高めることができる。
【0042】
[第2実施形態]
図7は本発明の第2実施形態における燃料タンクに蓄えられた燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係を示す図である。
【0043】
本発明の第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、第1設定手段によって設定された燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係が、図4に示すように燃料の温度が増大するにつれて燃料が酸化劣化する速度も増大する関係にあったのに対して、第2実施形態は、第1設定手段は、例えば燃料の温度が所定の温度を超えたときの燃料が酸化劣化する速度が所定の速度に設定されたものから成ることである。従って、第1設定手段によって設定された燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係は、図7に示すように燃料の温度が所定の温度Tlより高い場合に燃料が酸化劣化する速度が所定の速度となり、燃料の温度が所定の温度Tl以下の場合に燃料が酸化劣化する速度が0となる。
【0044】
また、本発明の第2実施形態では、コントローラ8のタイマー部8aは、燃料の温度毎の計測時間のうち温度センサ11によって検出された燃料の温度が所定の温度Tlを超えている間の時間、すなわち燃料の温度設定値オーバー時間を計測するものから成っている。ここで、タイマー部8aで計測される燃料の温度が所定の温度Tlより高い場合に、酸化劣化速度演算手段によって燃料が酸化劣化する速度が所定の速度に演算されるので、酸化劣化度演算手段によって演算される燃料の酸化劣化度は、タイマー部8aによって計測される燃料の温度設定値オーバー時間に比例する。従って、表示手段は、タイマー部8aによって計測された燃料の温度設定値オーバー時間が所定の値を超えたとき、モニタ10に燃料タンク21内の燃料の交換を促す警報を表示し、タイマー部8aによって計測された燃料の温度設定値オーバー時間が所定の値を超えていないとき、モニタ10に燃料の温度設定値オーバー時間を数値やグラフ等で表示するようにしている。その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態の動作を図8のフローチャートに基づいて説明し、特にタイマー部における燃料の温度設定値オーバー時間の計測について詳細に説明する。なお、タイマー部における燃料の温度設定値オーバー時間の計測は、例えば第1実施形態と同様にエンジンが動作している間だけでなく、エンジンが停止している間にも行われ、予め設定された短い計算周期Δtで行われる。
【0046】
図8は本発明の第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【0047】
本発明の第2実施形態では、図8に示すようにコントローラ8の演算部8bは、まず過去に計測された燃料の温度設定値オーバー時間Mn−1及び過去に検出された燃料の残量Vn−1を記録部8cから呼び出し(S0)、圧力センサ12から受信した情報を参照して燃料の残量Vnを取得する(S1)。次に、演算部8bは、燃料タンク21に燃料が補充されたかどうかを判断する(S2)。すなわち、演算部8bは、例えば手順S1において取得された燃料の残量Vnと手順S0において呼び出された燃料の残量Vn−1とを比較することにより、燃料の残量Vnが過去に検出された燃料の残量Vn−1よりも大きい場合には燃料が補充されたと判断し、燃料の残量Vnが過去に検出された燃料の残量Vn−1と同じ又は同程度である場合には燃料が補充されていないと判断する。
【0048】
手順S2において演算部8bは、燃料タンク21に燃料が補充されていないと判断した場合には、温度センサ11から受信した情報を参照して燃料タンク21内の燃料の温度を取得し(S4)、タイマー部8aが、図7に示す燃料が酸化劣化する速度と燃料の温度との関係と、手順S4において取得した燃料の温度とに基づいて燃料の温度設定値オーバー時間Mnを計測する(S5)。すなわち、タイマー部8aは、手順S4において取得した燃料の温度が所定の温度Tlより高い場合に計測した時間Δtを過去に計測された燃料の温度設定値オーバー時間Mn−1に加算して燃料の温度設定値オーバー時間Mnを計測し(S6)、燃料の温度が所定の温度Tl以下の場合に過去に計測された燃料の温度設定値オーバー時間Mn−1を燃料の温度設定値オーバー時間Mnに設定する(S7)。
【0049】
ここで、手順S2において演算部8bは、燃料タンク21に燃料が補充されたと判断した場合には、タイマー部8aは、例えば過去に検出された補充前の燃料の残量Vn−1、補充後の燃料の残量Vn、過去に計測された補充前の燃料の温度設定値オーバー時間Mn−1、補充時の燃料の温度設定値オーバー時間として予め設定された初期燃料の温度設定値オーバー時間M0を下記の計算式(2)に代入して燃料の温度設定値オーバー時間Mnを計測する(S3)。
【0050】
次に、記録部8cは、手順S2又はS6、S7において演算された燃料の温度設定値オーバー時間Mn及び燃料の残量Vnを記録し(S8)、表示手段は、タイマー部8aによって計測された燃料の温度設定値オーバー時間Mnが所定の値Mlを超えているかどうかを判断する(S9)。このとき、表示手段が、燃料の温度設定値オーバー時間Mnが所定の値Mlを超えていると判断した場合には、運転室7のモニタ10に燃料タンク21内の燃料の交換を促す警報を表示し(S10)、上述した手順S0〜S10の動作を繰り返す。一方、手順S9において表示手段が、燃料の温度設定値オーバー時間Mnが所定の値Mlを超えていないと判断した場合には、運転室7のモニタ10に警報を表示しないで現在の燃料の温度設定値オーバー時間Mnを表示し、上述した手順S0〜S10の動作を繰り返す。
【0051】
このように構成した本発明の第2実施形態によれば、図7に示すように第1設定手段が、燃料の温度が所定の温度Tlを超えたときの燃料が酸化劣化する速度を所定の速度に設定することにより、タイマー部8aで計測される燃料の温度が所定の温度Tlより高い場合に、酸化劣化速度演算手段によって燃料が酸化劣化する速度が所定の速度に演算されるので、酸化劣化度演算手段によって演算される燃料の酸化劣化度は、手順S6、S7においてタイマー部8aで計測される燃料の温度設定値オーバー時間Mnに比例する。そのため、手順S6、S7においてタイマー部8aが燃料の温度設定値オーバー時間Mnを計測することにより、計測された時間Mnから燃料タンク21内の燃料の酸化劣化度を簡潔に予測することができる。このように、タイマー部8aによって計測された燃料の温度設定値オーバー時間Mnを目安に燃料の酸化劣化度を判断できるので、運転室7内の作業者がモニタ10に表示された燃料の温度設定値オーバー時間Mnを確認することにより、燃料タンク21内の燃料の交換時期を前もって把握することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 油圧ショベル(建設機械)
3 旋回体
4 フロント作業機
5 エンジンルーム
5a エンジン
7 運転室
8 コントローラ
8a タイマー部
8b 演算部
8c 記録部
10 モニタ
11 温度センサ(温度検出手段)
12 圧力センサ(燃料残量検出手段)
14 熱交換器
16 過給機
19 排ガス処理装置
21 燃料タンク
22 作動油タンク
23 油圧ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8