(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876955
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】研磨用固形成型部材および該成型部材を形成する方法
(51)【国際特許分類】
B24D 3/00 20060101AFI20160218BHJP
B24D 99/00 20100101ALI20160218BHJP
【FI】
B24D3/00 320Z
B24D3/00 340
B24D99/00 E
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-81764(P2015-81764)
(22)【出願日】2015年4月13日
(62)【分割の表示】特願2011-553461(P2011-553461)の分割
【原出願日】2010年3月11日
(65)【公開番号】特開2015-180520(P2015-180520A)
(43)【公開日】2015年10月15日
【審査請求日】2015年5月12日
(31)【優先権主張番号】0904202.9
(32)【優先日】2009年3月11日
(33)【優先権主張国】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511222157
【氏名又は名称】ヴァイブラグラズ・(ユーケイ・)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーン,スティーヴン・ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,フィリップ・ジェイムズ
【審査官】
村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−516523(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/078914(WO,A1)
【文献】
国際公開第2007/047261(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 3/00
B24D 99/00
B24B 31/14
C09K 3/14
C03C 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研削または研磨用砥石車に用いられる研磨用固形成型部材であって、
部分的に失透しているシリカガラス単体で形成されており、
前記シリカガラス単体は、非晶質シリカガラスおよび失透した結晶化シリカガラスから本質的になり、かつ、前記失透した結晶化シリカガラス部分が、前記非晶質シリカガラス部分内に分散した粒子の形態で存在している、研磨用固形成型部材。
【請求項2】
複数の空隙を備えていることを特徴とする請求項1に記載の成型部材。
【請求項3】
前記空隙が内部に実質的に均一に分散していることを特徴とする請求項2に記載の成型部材。
【請求項4】
前記空隙が少なくとも表面層内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の成型部材。
【請求項5】
前記空隙が前記表面層に露出し、これによって、前記表面に鋭利な縁がもたらされていることを特徴とする請求項4に記載の成型部材。
【請求項6】
前記失透している結晶化シリカガラス部分の体積は、約20%から約80%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の成型部材。
【請求項7】
前記成形部材の自由面に複数の結晶化シリカガラスの領域を備えていることを特徴とする請求項1に記載の成型部材。
【請求項8】
前記失透している結晶化シリカガラス部分は、針状形態を有する少なくとも一部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の成型部材。
【請求項9】
前記シリカガラス単体は、研削砥石または研磨砥石として用いられるのに適する円板の形状にあることを特徴とする請求項1に記載の成型部材。
【請求項10】
前記円板の破砕を防ぐために配置された少なくとも1つの支持部材を備えていることを特徴とする請求項9に記載の成型部材。
【請求項11】
前記支持部材は、前記円板に埋設された少なくとも一部を有していることを特徴とする請求項10に記載の成型部材。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の成型部材を備えている研削または研磨用砥石車。
【請求項13】
各々が円板または円板状構造のセグメントの形状にある複数の成型部材を備え、前記セグメントが相互に連結され形成されていることを特徴とする請求項12に記載の砥石車。
【請求項14】
前記セグメントは、ハブ部材によって相互に連結されていることを特徴とする請求項13に記載の砥石車。
【請求項15】
円板の形状にあることを特徴とする請求項13に記載の砥石車。
【請求項16】
研削または研磨用砥石車に用いられる研磨用固形成型部材を形成する方法において、
複数の破砕されたシリカガラスカレットを用意するステップと、
前記シリカガラスカレットを熱処理することによって、前記シリカガラスカレットの少なくとも一部を融解させるステップと、それに続いて、
前記シリカガラスカレットを冷却することによって、前記シリカガラスカレットに部分的な失透をもたらし、失透した結晶化シリカガラス部分が、非晶質シリカガラス部分内に分散した粒子の形態で存在している固形成型部材を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
複数の前記シリカガラスカレットを用意する前記ステップは、前記熱処理中の熱分解によって気泡を生じ前記固形成型部材に複数の空隙をもたらす複数の充填材料の破片を用意することをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シリカガラスカレットの破片は、約4mm以下、約4mmから約2mm、約3mmから約1mm、約1.5mmから0.75mm、約1.5mmから500μm、および約100μm以下から選択される範囲内の平均的な大きさを有していることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記熱処理は、約700℃から約1100℃の範囲内の温度に加熱するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記シリカガラスカレットの破片を型内に入れるステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記シリカガラスカレットの破片を前記型内において圧密するステップを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記充填材料は、植物材料の殻、砕かれた卵殻、およびポリマー材料から選択される少なくとも1つを含み、前記シリカガラスカレットの破片と前記複数の充填材料の破片を混合して型内に入れるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料処理媒体、および処理媒体を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大量生産された物品のバリを除去し、それらの物品の表面を滑らかにするために、材料処理媒体を用いることが知られている。バリは、種々の理由から、物品に存在していることがある。特に、金属の鋳造、機械加工、および一般的な加工によって作製された部品の表面は、最終製品では許容されないバリおよび粗さを有していることが多い。
【0003】
物品の仕上げ処理として、該物品のバリの除去および該物品の表面粗さの低減が挙げられる。
【0004】
場合によっては、仕上げ処理されるべき物品が、仕上げ処理媒体の要素と一緒に、バレル研磨装置または転がし研磨装置、振動樋または振動ボウル、遠心分離仕上げ機またはドラグ仕上げ機のような振動仕上げ処理装置内に入れられることもある。研磨剤または脱脂剤が添加されることもある。
【0005】
物品をバリ取りする場合、仕上げ処理媒体は、典型的には、比較的粗い面を有しているが、物品を研磨する場合、仕上げ処理媒体は、典型的には、比較的滑らかな面を有している。
【0006】
前述した仕上げ処理プロセス中、仕上げ処理媒体は、撹拌され、該媒体の要素が仕上げ処理されるべき物品に衝突することになる。一種以上のコンパウンド、例えば、液状せっけん、脱脂剤、艶出し剤、などが、仕上げ媒体と一緒に供給されることもある。
【0007】
多くの異なる形式の仕上げ処理装置が知られている。このような1つの形式として、タンブリングミルが挙げられる。タンブリングミルは、物品上における仕上げ処理媒体の要素の「転がし(tumbling)」作用によって、物品を仕上げ処理するように構成されている。
【0008】
仕上げ処理媒体自体が、鋭利な尖端または鋭利な隅部を有している場合がある。代替的または追加的に、媒体が埋設された研磨材料の粒子を有していることもある。一部の仕上げ処理材料は、酸化アルミニウム粒子が埋設された焼成陶土の形態にある。プラスチック材料の形態にある仕上げ処理材料の場合、石英粒子が含まれていることもある。
【0009】
仕上げ処理プロセス中、媒体の表面に露出している鋭利な尖端または鋭利な隅部および/または埋設粒子は、物品の溝および隙間内に入り込み、これによって、物品を平滑化することになる。場合によっては、仕上げ処理媒体は、平滑化効果に代わってまたは加えて、清浄化効果を有することもある。
【0010】
仕上げ処理プロセス中に、仕上げ処理媒体の要素の鋭利な尖端、鋭利な縁、または鋭利な隅部が急速に磨滅かつ摩耗するという問題が存在する。その結果として、これらの要素は、もはや、物品を効率的に仕上げ処理するために、溝および隙間内に達することができないことになる。
【0011】
特許文献1は、貫通して形成された開口を有する三角形状または星形状の板の形態にある仕上げ処理用タンブリング媒体を開示している。開口は、板の頂点近くに形成されている。仕上げ処理を促進するために、鋭利な縁が、媒体の頂点に設けられている。仕上げ処理媒体の有用寿命を延ばすために、該媒体は、使用中、所定の程度まで摩耗したときに破砕するように構成されている。媒体は、開口の領域において破砕し、これによって、仕上げ処理用の新たな鋭利な縁をもたらすように、構成されている。
【0012】
実質的に100%の無機セラミック、またはセラミック研磨粒子と該粒子を一緒に結合するガラス質結合剤または可塑性樹脂結合剤との組合せ、のいずれかから形成された媒体が開示されている。
【0013】
セラミック媒体は、製造コストが高く、切削作用をもたらすために研磨剤を添加する必要があるという欠点を有している。
【0014】
特許文献2は、星形状断面および該星形状断面の最大直径よりも大きい長さを有する物品の形態にある仕上げ処理媒体を開示している。この媒体は、亜鉛基ダイカスト材料、鋼、アルミニウム、真鍮、またはセラミック材料のいずれかから形成されている、と開示されている。
【0015】
セラミック材料は、いったん摩耗すると、このような材料を再利用することが容易ではないので、廃棄されねばならないという欠点を有している。一方、金属材料は、多くの場合、溶解または再鋳造によって再形成されることが可能である。
【0016】
しかし、金属製仕上げ処理媒体が金属加工品を仕上げ処理するのに用いられると、この媒体は、その鋭利な縁をセラミックのようなより硬質の材料と比べて比較的早く失いがちである。その結果、金属製振動仕上げ処理媒体は、炭化物基とされる傾向がある。炭化物基材料は、製造コストが比較的高いという欠点を有している。
【0017】
金属製仕上げ処理媒体のさらなる欠点として、このような媒体は、機械加工によって大量生産することが比較的困難であるという事実が挙げられる。また、これらの材料は、湿式処理環境において、特に、酸化合物が用いられる環境において、急速に腐食する傾向にある。
【0018】
その結果、場合によっては、仕上げ処理媒体が全く役に立たないことがある。むしろ、部品は、「自己処理(self-processing)」状態下に置かれることになる。換言すれば、これらの部品は、振動仕上げ処理環境において、どのような仕上げ処理媒体も添加されていない状態で、それら自体が互いに対して運動することになる。このような状態は、通常、デフラッシュ(deflashing)、すなわち、バリ取りを殆ど必要としない大量の低品質部品の場合にのみ利用されている。自己仕上げ処理プロセスは、その仕上げ処理プロセス中に、部品を損傷させることがある。
【0019】
特許文献3は、微細に分割された金属が充填されている熱可塑加工可能なポリマー粒からなるブラスト加工媒体を開示している。金属粒子は、付着促進剤によって被覆されている。ポリマー製振動媒体は、無視できない「カーボンフットプリント(carbon footprint)」をもたらし、製造が比較的困難であり、かつリサイクルが容易ではないという欠点を有している。
【0020】
特許文献4は、Al
2O
3およびSiO
2を含んでなる、ガラスおよびガラス―セラミックを製造する方法を開示しており、ガラス−セラミック粒子が研磨粒子として有用であることを開示している。この文献は、ガラス−セラミック粒子を母材に埋設させ、研磨砥石のような研磨物品を形成する方法を開示している。一実施形態では、粒子は、結合剤によって、基板上に設けられた繊維マットに結合されている。
【0021】
さらに、仕上げ媒体要素は、(前述の)特許文献4の繊維マットのような素地によって支持される必要のない個別の構成要素として形成されていてもよい。
【0022】
物品を仕上げ処理するために、研磨砥石を用いることも知られている。場合によっては、物品が、回転している研磨砥石に押し付けられることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第3,375,615号明細書
【特許文献2】英国特許第1130923号明細書
【特許文献3】米国特許第5,373,047号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0148966号明細書
【発明の概要】
【0024】
本発明の第1の態様では、少なくとも部分的に失透しているガラス材料から本質的になる研磨要素が提供されている。
【0025】
「ガラス材料」という用語は、非晶質材料またはガラス質材料から形成された部分を意味している。
【0026】
要素が本質的または排他的にガラス材料から形成されている実施形態は、特に、酸化アルミニウムなどのような研磨粒子が埋設されている素地要素からなる従来技術の媒体を上回る利点を有している。これは、先行技術による要素は、使用中にそれらの研磨粒子が脱落し、研磨粒子、素地要素、および仕上げ処理されるべき物品からの削り屑からなるスラリーを形成する傾向にあるからである。このスラリーは、一部の研磨粒子の場合、環境問題を引き起こすことがあり、このスラリーを廃棄する前に、さらなる高価な処理を必要とする場合がある。対照的に、本発明の実施形態は、ガラス粒子のみが脱落し、これらのガラス粒子は、容易に廃棄またはリサイクルされることが可能である。
【0027】
「失透(devitrified)」という用語は、結晶組織を有している材料であって、元は非晶質(ガラス質)組織を有していた材料を意味している。「非晶質組織」という用語は、X線回折によって測定されるような長領域の結晶組織を有していない材料を意味している。「ガラスまたはガラス質」という用語は、ガラス遷移温度を示す非晶質材料を意味している。
【0028】
本発明による(本明細書では、「仕上げ処理媒体」とも呼ばれる)「研磨媒体」は、比較的低コストの出発材料から比較的低コストの方法によって製造することができるという利点を有している。本発明の1つまたは複数の実施形態による(「仕上げ処理媒体要素」と呼ばれることもある)「研磨要素」は、リサイクルされたガラス材料から製造することもできる。
【0029】
(陶土のような)セラミックを得るための原材料は、通常、採掘作業によって得られ、その結果、この材料の使用に関して、環境問題が存在する。しかし、リサイクルされた材料の使用は、採掘作業による景観の破壊を必要としないという利点がある。
【0030】
特に、緑色(または灰色)ガラスは、通常、リサイクルされない。従って、本発明の実施形態は、埋立地または他の投棄施設に廃棄されるこの材料の優れた利用をもたらすことになる。
【0031】
要素は、実質的に非晶質材料を含む部分を有していてもよい。
【0032】
非晶質ガラスの存在は、要素の靱性を高める効果を有することになる。換言すれば、非晶質ガラス材料の存在は、材料が破砕する傾向を減少させることができる。
【0033】
好ましくは、要素は、例えば、気泡、好ましくは、空気の泡によって生じた複数の空隙を含んでいるかまたは取り込んでいる。
【0034】
空隙は、要素の表面領域上に露出していると、切断、バリ取り、および仕上げ処理にとって良好な大きさを有する鋭利な縁をもたらすことになる。露出した空隙は、振動仕上げ処理プロセスに用いられる流体仕上げ処理媒体のためのリザーバとしても機能することができる。
【0035】
空隙は、好ましくは、要素内に実質的に均一に分散している。
【0036】
さらに好ましくは、空隙は、少なくとも要素の表面内に設けられている。
【0037】
さらに一層好ましくは、空隙は、表面層に露出し、これによって、表面に鋭利な縁をもたらすようになっている。
【0038】
空隙は、表面に露出し、これによって、仕上げ処理プロセスに用いられる流体仕上げ処理媒体のためのリザーバをもたらすようになっていてもよい。
【0039】
好ましくは、空隙は、約50nmから約5mm、好ましくは、約1μmから約1mm、さらに好ましくは、約10μmから約500μm、さらに一層好ましくは、約100μmから約500μmの範囲内の公称直径を有している。
【0040】
失透材料の形態にある要素の体積は、約1%から約100%の範囲内にあってもよい。
【0041】
失透材料の形態にある要素の体積は、約20%から約80%の範囲内、任意選択的に、約50%であってもよい。
【0042】
好ましくは、要素は、約5mmから約80mmの範囲内の最長寸法を有している。
【0043】
要素は、約5mmから約50mmの範囲内の最長寸法を有していてもよい。
【0044】
これらの範囲内の寸法を有する要素は、種々の大きさの範囲にわたる物品を仕上げ処理するのに特に適していることが見出されている。さらに、要素の大きさは、該要素が、物品の凹部、隙間、または他の特徴部内にとどまることなく、物品の全ての必要な表面に衝突することができるように選択されていてもよい。
【0045】
好ましくは、要素は、約10mmから約40mmの範囲内の最小寸法を有している。
【0046】
要素は、要素の自由面において複数の結晶材料の領域を備えていてもよい。
【0047】
要素は、好ましくは、非晶質ガラス材料および結晶化ガラス材料から本質的になる。
【0048】
要素は、非晶質ガラス材料および結晶化ガラス材料から本質的になっていてもよい。
【0049】
結晶化ガラス材料は、非晶質ガラス材料内に分散した粒子の形態で設けられていてもよい。
【0050】
非晶質ガラス材料は、結晶化ガラス材料内に分散した粒子の形態で設けられていてもよい。
【0051】
好ましくは、要素は、少なくとも部分的に失透した材料、好ましくは、失透ガラス材料から本質的になる。
【0052】
失透材料は、針状形態を有する少なくとも一部を備えていてもよい。
【0054】
要素は、モースケールで約5.5の硬度値を有していてもよい。
【0055】
もし硬度が高すぎる場合、仕上げ処理要素は、使用中に破砕するおそれがある。もし柔らかすぎた場合、要素は、該要素の縁が丸められることによって、その有効性を失うおそれがある。
【0056】
要素の形状は、立方体、楕円体、角柱、円錐、4面体、角錐、多面体、球、三角構造、円板または円板状構造、および円板および円板状構造のセグメントから選択される少なくとも1つであってもよい。
【0057】
要素は、研削砥石または研磨砥石として用いられるのに適する円板の形状で設けられていてもよい。
【0058】
要素は、円板の破砕を防ぐように配置された少なくとも1つの支持要素を備えていてもよい。
【0059】
支持要素は、円板内に埋設された少なくとも一部を有していてもよい。
【0060】
本発明の第
2の態様では、本発明の第1の態様による要素を備えている研削砥石または研磨砥石が提供されている。
【0061】
好ましくは、砥石は、複数の要素であって、各々が円板または円板状構造のセグメントの形状にある、複数の要素を有しており、これらの要素は、一緒に連結され、これによって、砥石を形成するようになっている。
【0062】
これらの要素は、ハブ要素によって、一緒に連結されていてもよい。
【0063】
本発明の第
3の態様では、研磨要素を形成する方法において、複数のガラス材料の破片を設けるステップと、複数のガラス材料の破片に熱処理を施し、これによって、失透材料を含む少なくとも一部を有する固形成型部材を形成するステップと、を含む、方法が提供されている。
【0064】
好ましくは、成型部材は、複数の空隙を含むように形成されている。
【0065】
本方法は、ガラス材料の破片を型内に入れるステップを含んでいてもよい。
【0066】
本方法は、ガラス材料の破片を型内に注入するステップをさらに含んでいてもよい。
【0067】
本方法は、ガラス材料の破片を型内において圧密するステップを含んでいてもよい。
【0068】
複数のガラス材料の破片を設けるステップは、前記熱処理中に熱分解し、これによって、複数の空隙をもたらすように配置された複数の充填材料の破片を設けることをさらに含んでいてもよい。
【0069】
好ましくは、充填剤は、植物材料の殻、砕かれた卵殻、およびポリマー材料から選択される少なくとも1つを含む。
【0070】
充填剤の破片は、約500μm以下、任意選択的に、約250μm以下の範囲内の大きさを有していてもよい。
【0071】
本方法は、複数のガラス材料の破片と複数の充填材料の破片とを混合するステップを含んでいてもよい。
【0072】
本方法は、ガラス材料の破片および充填材料を型内に入れるステップをさらに含んでいてもよい。
【0073】
好ましくは、ガラス材料の破片は、ガラス屑であるかまたはガラス屑を含む。
【0074】
好ましくは、複数の材料の破片は、約4mm以下、約4mmから約2mm、約3mmから約1mm、約1.5mmから約0.75mm、約1.5mmから約500μm、および約100μm以下から選択される範囲内の平均寸法を有している。
【0075】
一般的に、仕上げ処理要素が作製される破片の平均的な大きさが小さいほど、仕上げ処理された物品の表面がより滑らかになることが分かっている。上記の範囲の下端における平均値を有する破片から作製された要素は、仕上げ処理された物品が比較的低い表面粗さを有するように物品を仕上げ処理するのに特に適している。
【0076】
成型部材は、好ましくは、非晶質ガラス材料を含む。
【0077】
本方法は、成型部材を切断し、これによって、複数の仕上げ処理媒体要素を形成するステップをさらに含んでいてもよい。
【0078】
本発明は、立方体、楕円体、角柱、円錐、4面体、角錐、多面体、球、および円板または円板状の形状から選択される少なくとも1つである形状を有するように、成型部材を形成するステップを含んでいてもよい。
【0079】
好ましくは、研磨要素は、約30°から120°の範囲内の円錐角を有する円錐の形状に形成されている。
【0080】
好ましくは、研磨要素は、30°,60°,90°,120°から選択される1つの円錐角を有するように形成されている。
【0081】
研磨要素は、円板または円板状形状を有するように形成されていてもよく、該要素内に埋設された少なくとも一部を有する支持部材を備えていてもよい。
【0082】
支持部材は、円板が破砕されるのを防ぐように配置されていてもよい。
【0083】
熱処理は、約700℃から約1100℃、任意選択的に、約750℃から約950℃の範囲内の温度に加熱するステップを含んでいてもよい。
【0084】
熱処理は、約800℃から約1000℃の範囲内の温度、任意選択的に、約975℃に加熱するステップをさらに含んでいてもよい。
【0085】
好ましくは、熱処理は、約850℃から約950℃、好ましくは、約900℃から約920℃の範囲内の温度、さらに好ましくは、約900℃に加熱するステップを含む。
【0086】
熱処理は、約1時間から約3時間の間、約700℃から約1100℃、好ましくは、約700℃から約950℃、さらに好ましくは、約900℃から約920℃の範囲内の温度、さらに一層好ましくは、約900℃に加熱するステップを含んでいてもよい。
【0087】
熱処理は、約2時間の間、約700℃から約1100℃、好ましくは、約700℃から約950℃、さらに好ましくは、約900℃から約920℃の範囲内の温度、さらに一層好ましくは、約900℃に加熱するステップを含んでいてもよい。
【0088】
熱処理は、少なくとも1つの破片を熱処理し、これによって、前記少なくとも1つの破片の少なくとも一部を融解し、続いて、失透材料を含む少なくとも一部を有する固形成型部材を形成するために冷却するステップを含んでいてもよい。
【0089】
本方法は、約5.5モースの硬度値を有する研磨要素をもたらすように構成されていてもよい。
【0090】
本発明の第
5の態様では、少なくとも1つの研磨要素を再形成する方法において、第1の態様による少なくとも1つの研磨要素を設けるステップと、熱処理を行うステップと、続いて、失透材料を含む固形成型部材を形成するために冷却するステップと、を含む、方法が提供されている。
【0091】
これは、使い尽くされた仕上げ処理要素が再形成され、新しい仕上げ処理要素を作製することができるという利点を有している。従って、使い尽くされた仕上げ処理要素を埋立地または他の投棄施設に廃棄する必要がない。
【0092】
少なくとも1つの研磨要素を設けるステップは、少なくとも1つの研磨要素を破砕し、これによって、複数の材料の破片を形成するステップをさらに含む。
【0093】
好ましくは、少なくとも1つの研磨要素を破砕するステップに続いて、破砕された要素の複数の破片を型内に入れるステップが行われるようになっている。
【0094】
本発明の第7の態様では、脱脂剤および/または研磨剤と組み合わされた本発明の第1の態様による研磨要素が提供されている。
【0095】
本発明の第8の態様では、物品を仕上げ処理する方法において、第1の態様による複数の仕上げ処理媒体を設けるステップと、該研磨要素を物品に衝突させ、これによって、物品の表面粗さを低減させるステップと、を含む、方法が提供されている。
【0096】
本方法は、脱脂剤、洗浄剤、または研磨剤から選択される少なくとも1つを設け、これによって、物品の表面粗さの低減を高めるステップをさらに含んでいてもよい。
【0097】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】本発明の第1の実施形態および第2の実施形態による熱処理のための時間の関数としての温度のプロットである。
【
図2】本発明の第1の実施形態による角柱形状の仕上げ処理媒体要素を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態による実質的に円錐形状の仕上げ処理媒体要素を示す図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態による複数の仕上げ処理媒体要素を形成するのに適する型を示す図である。
【
図5】約15°から約90°の範囲内の円錐角を有する円錐形状の複数の仕上げ処理媒体を示す図である。
【
図6】気泡構造を有する仕上げ処理要素の断面図である。
【
図7】要素の自由表面における結晶質材料(失透材料)の存在を示す仕上げ処理要素の断面図である。
【
図8】本発明の実施形態による研削砥石または研磨砥石の斜視図(8a)、および正面図(i)および側面図(ii)によって研磨砥石のコアに設けられるように構成されたハブ要素を示す図(8b)である。
【
図9】円板形状の研磨要素内に埋設された支持要素を有する本発明の実施形態による研削砥石または研磨砥石を示す図である。
【
図10】円板のセグメントの形態にある研磨材料を有する本発明の実施形態による研削砥石または研磨砥石を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
本発明の第1の実施形態によれば、研磨要素(または「仕上げ処理媒体要素」)は、部分的に再結晶化されたシリカガラス材料から形成されている。他のガラス材料も、有用である。
【0100】
非晶質シリカガラスは、金属材料と比較して比較的安価な日用品材料として広く利用されている。例えば、非晶質シリカガラスは、リサイクル飲料ボトルおよび他のリサイクル物品の形態で利用されている。
【0101】
本発明の一実施形態では、非晶質シリカガラスの形態にある出発原料は、細片に破砕されるようになっている。本発明のいくつかの実施形態では、これらの破片は、約4mmの直径を有している。「直径」という用語は、材料の破片の最大直径を意味している。他の大きさも、有用である。
【0102】
いくつかの実施形態では、約4mmの最大直径の破片を含む勾配混合ガラス屑(cullet)が用いられている。
【0103】
いくつかの実施形態では、より大きい直径を有する破片が用いられている。例えば、約5mmまでの直径を有する破片が用いられていてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、数μmから約5mmの直径を有する破片が用いられている。
【0105】
第1の実施形態によれば、破片は、型内に入れられ、熱処理が施される。熱処理は、破片を少なくとも部分的に融解し、その後、失透シリカ材料を含む少なくとも一部を有する(「成型部材(cast member)」とも呼ばれる)材料を形成するために冷却される。失透シリカは、比較的硬く、擦過による摩耗に対して耐性があるという特性を有している。
【0106】
破片には、成型部材の空隙率を低下させるために、型内において圧密プロセスが施されるとよい。空隙率の低下によって、成型部材内の空隙の数および/または大きさが低減されることになる。
【0107】
圧密の例として、型の動揺および/または破片への圧力の印加が挙げられる。他の圧密プロセスも、有用である。
【0108】
冷却された材料は、非晶質材料の領域と、失透した、すなわち、結晶化したシリカ材料の領域と、の両方の領域を有している。一方、出発原料の破砕ガラスは、典型的には、殆ど全てが非晶質シリカ材料から構成されている。
【0109】
本発明の実施形態による熱処理プロセスのための時間の関数としての温度のプロットが、
図1に概略的に示されている。
【0110】
破片は、約700°から1400°の温度T1に加熱される。破片は、この温度で、約1時間から6時間の範囲内にある時間t1の間保持される。
【0111】
本発明の好ましい実施形態では、破片は、約900℃の温度T1で約2時間の期間t1にわたって加熱されている。いくつかの実施形態では、破片は、約925℃の温度T1に加熱されている。
【0112】
高温T1からの冷却中にガラス材料に生じる再結晶化の程度によって、得られる仕上げ処理媒体の硬度の実質的な範囲が決定されることになる。用いられる時間t1および温度T1が、仕上げ処理媒体内に含まれる結晶質材料の比率に影響を与えることになる。より高比率の結晶質材料は、通常、より高硬度の仕上げ処理媒体をもたらすことが見出されている。
【0113】
また、より高比率の結晶質材料を含む研磨媒体は、より高い脆弱性を示し、使用中に破砕を生じることがある。従って、仕上げ処理プロセス中に過度に高率の摩耗を生じさせないのに十分な硬度を有すると共に過度に容易な破砕を生じさせないのに十分な靱性を有する研磨要素を得るために、非晶質材料と結晶質材料との相対的な配合比の間に許容される均衡が達成されねばならない。
【0114】
いくつかの実施形態では、要素は、約75−80体積%までの結晶質材料を含む。
【0115】
いったん部分的に再結晶化したガラス材料が、室温に冷却されると、該材料は、切断され、仕上げ処理媒体として用いられるのに適する形状および大きさの要素が形成されることになる。切断は、一般的に、従来のダイヤモンドチップ付き丸鋸刃を用いて行われる。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態では、切断は、水噴射またはレーザによって行われている。他の切断手段も、有用である。
【0117】
本発明の一実施形態によれば、材料は、
図2において110で総称的に示されているような振動仕上げ処理プロセスに用いられるのに適する角柱形状の仕上げ処理媒体を形成するように、切断されている。一実施形態によれば、各角柱の基部の側辺の長さは、約5mmから約50mmの範囲内にある。いくつかの実施形態では、この範囲は、約10■から
約40mmの間である。
【0118】
媒体の大きさは、仕上げ処理されるべき物品の大きさおよび形状によって選択される。大きさは、仕上げ処理されるべき物品の凹部または他の構造内に仕上げ処理媒体要素が詰まる問題を避けるように、選択されている。
【0119】
本発明の一実施形態によれば、仕上げ処理媒体は、部分的に失透した材料のブロックから切断することによって形成された固形角柱片の形態にある。
【0120】
代替的実施形態では、材料は、種々の形状、例えば、立方体、平行六面体、楕円体、星型形状の形態にある断面または他の部分を有する形状体、または任意の他の適切な形状を形成するように、切断されている。
【0121】
本発明のさらに他の実施形態によれば、仕上げ処理媒体は、実質的に必要な最終形状の仕上げ処理媒体を直接形成するために、個々の型内において破砕されたシリカガラスの粒子を融解することによって、形成されている。従って、仕上げ処理媒体要素を形成するために、凝固した融解物を切断する必要がない。
【0122】
図3は、型から直接形成された実質的に円錐形状を有する仕上げ処理媒体要素210の概略図である。このような要素210を形成するための適切な型が、
図4に示されている。型には、円錐形状の仕上げ処理媒体要素210の形状に対応する形状を有する複数の井戸要素310が設けられている。
【0123】
円錐形状の仕上げ処理媒体は、いったん成型材料が冷却されると、容易に離型可能であるという利点を有している。従って、これらの仕上げ処理媒体要素は、迅速かつ便利に作製可能である。
【0124】
いくつかの実施形態では、型は、型材料の中実ブロックから材料の一部を除去することによって、形成されている。
【0125】
型を用いることによって、種々の複雑な形状の研磨要素を比較的迅速かつ効率的に形成することができる。この理由の少なくとも一部として、融解物が冷却された後に切断作業を行なう必要がないことが挙げられる。
【0126】
本発明の実施形態による仕上げ処理媒体要素が使い尽くされた時点で、例えば、有効性がもはや許容できない程度まで、該媒体要素の大きさが摩耗または減少した時点で、これらの媒体要素は、新しい仕上げ処理媒体要素を形成するために、リサイクルされることが可能であることを理解されたい。
【0127】
このようにして、使い尽くされた要素は、加熱および冷却され、新しい研磨要素を形成することができる。いくつかの実施形態では、使い尽くされた要素は、破砕されて粒子を形成し、これらの粒子が熱処理されるようになっている。いくつかの実施形態では、これらの粒子は、
図4に示されているような型内に入れられ、前述したのと同様の熱処理が施されることになる。
【0128】
使い捨てられた要素のリサイクルは、材料の廃棄を少なくし、これによって、研磨要素を用いるプロセスの投棄施設への負担を低減させるという利点を有している。仕上げ処理要素を形成するための原料が最初の段階でリサイクルされたシリカガラス材料から得られているという事実も、プロセスの環境影響を低減させる上で著しい利点を有していることになる。
【0129】
図5は、約15°から約90°の範囲内の円錐角を有する本発明の実施形態による一連の仕上げ処理媒体要素を示している。約120°までの円錐角も、有用である。
【0130】
図6は、多孔構造または気泡構造を有するように形成された要素410の内部構造を示している。すなわち、要素410は、複数の細孔または空隙450を備えている。このような構造は、複数の鋭利な縁415が存在している自由面411を有する要素410が、粒子を素地に結合させることなく、便利に得られるという利点を有している。さらに、研磨要素が使用中に摩耗すると、新しい空隙が自由面に露出することを理解されたい。従って、要素が摩耗すると、新しい鋭利な表面が露出することになる。
【0131】
さらに、要素が摩耗すると、該要素から砕けたどのような材料の破片も、該要素自体の大きさと比べて、比較的小さい大きさを有している。従って、破片がフィルターおよび振動仕上げ処理工具のような関連する流体処理装置を詰まらせるおそれが、一部の周知の仕上げ処理媒体要素および研磨材料と比較して、少なくなる。
【0132】
気泡構造は、ガラス片の圧密が成型部材を形成するために加熱の前に行われる程度を変化させることによって、制御されてもよい。破片がより強く圧密されると、成型部材の空隙率がより小さくなる。さらに、いくつかの実施形態では、すり潰された小麦の殻または他の有機材料のような充填媒体の粒子が用いられてもよいし、砕かれた卵の殻が用いられてもよい。他の充填材料も、有用である。
【0133】
圧密は、破片が入れられている型を動揺させることによって、および/または破片に圧力を加えることによって、行われるとよい。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態では、仕上げ処理媒体要素は、仕上げ処理されるべき物品に対して研磨面をもたらす要素の表面に露出した結晶質材料を備えている。いくつかの実施形態では、要素の結晶質材料は、要素の外面から突出する細長の結晶の形態にある。
図7は、自由面511を有する仕上げ処理要素510の一部の断面図である。結晶質(失透)材料520,525が、自由面511に存在している。いくつかの実施形態では、結晶質材料のいくつかは、自由面511から突出する細長の結晶520の形態にある。また、空隙(または細孔)550が、要素510内に存在していることもある。
【0135】
仕上げ処理要素内に存在している結晶の大きさは、出発材料のガラスに加えられる熱処理に依存していることを理解されたい。高温におけるより長い焼きなましによって、通常、より大きい結晶が生成されることになる。
【0136】
いくつかの実施形態では、失透した材料は、結晶質材料520,525がガラス質材料530内に効率的に「埋設される」ように、ガラス質材料530の素地と組み合わさって存在していることをさらに理解されたい。このように、ガラスを熱処理するプロセスによって、別々の材料源からの粒子と素地材料とを混合することなく、粒子/素地構造が形成されることになる。これによって、製造プロセスのコストおよび複雑さが、著しく簡素化されている。
【0137】
従って、本発明のいくつかの実施形態では、研磨要素の少なくとも3つの特徴が、要素と接触する物品の磨滅または研磨に関係することになる。これらは、(i)研磨要素を形成するのに用いられるガラス屑の大きさ、(ii)ガラス屑に施される熱処理の時間/温度プロフィルによって決定される要素内に存在する材料の結晶の大きさ、および(iii)要素が内部に形成された細孔を有する程度である。
【0138】
ガラス屑のより大きい破片が型内に注入され、次いで、熱処理され、これによって、ガラス屑が焼成され、研磨要素を形成し、少なくとも部分的に失透させることによって、ガラス屑のより小さい破片を用いる場合におけるよりも、より粗い表面形態を有する要素が得られることが見出されている。従って、ガラス屑のより大きい破片は、一般的に、ガラス屑のより小さい破片よりも、より粗い表面仕上げ面を有する要素をもたらすことになる。
【0139】
従って、ガラス屑のより大きい破片を用いることによって、より粒状の構造がもたらされ、この要素の表面は、ガラス屑のより小さい破片が用いられる場合よりも長い規模の凹凸を有している。
【0140】
研磨要素内に存在している材料の結晶の大きさは、所定の熱処理の温度プロフィル(すなわち、熱処理中の時間の関数としての要素の温度)に大きく依存している。研磨要素の自由面上に露出しているより大きな結晶は、典型的には、より小さい結晶が自由面に露出している要素におけるよりも粗い表面形態を有する要素をもたらすことを理解されたい。
【0141】
いくつかの実施形態では、研磨要素は、研削砥石または研磨砥石の形態で提供されている。
図8(a)は、砥石要素610であるこのような要素を示している。砥石要素610は、砥石要素610の内周面612によって画定されている開口611を有しており、内周面612は、要素610の回転軸と同心になっている。
【0142】
図8(b)は、砥石要素610の開口611内に設けられるように構成された要素であるハブ要素620を示している。いくつかの実施形態では、砥石要素610は、ハブ要素620の周囲に形成されるように構成されている。すなわち、ガラス屑を加熱して成型部材を形成する熱処理は、ハブ要素620を用いて、現場で行われるようになっている。いくつかの実施形態では、ハブ要素620は、砥石要素が熱処理され、成型部材を形成した後、砥石要素610に連結されるようになっている。
【0143】
いくつかの実施形態では、ハブ要素620は、凹状の外周面622を有するように形作られている。この凹状の外周面622は、砥石要素610およびハブ要素620が互いから切り離されるおそれを低減させるために、砥石要素610の対応する内周面と連携するように構成されている。外周面622の他の形状も、有用である。
【0144】
図9は、砥石要素710内に埋設された(点線で示されている)支持部材730を有する本発明の実施形態による砥石要素710を示している。支持部材730は、砥石要素710の破砕に対する耐性を高めるために、配置されている。いくつかの実施形態では、支持部材730は、砥石要素710の外側に設けられている。すなわち、支持部材730は、砥石要素710内に埋設されていない。いくつかの実施形態では、支持部材730は、砥石要素710内に部分的に埋設されている。
【0145】
図9の実施形態では、支持部材730は、複数の半径方向スポーク要素731および1つまたは複数の同心リング要素732を備えている。いくつかの実施形態では、スポーク要素731または1つまたは複数のリング要素732のいずれかが設けられている。他の支持部材の構成も、有用である。
【0146】
図10は、砥石要素810が複数の均一な厚みの実質的に楔状のセグメント815を備えている実施形態を示している。他の構成も、有用である。セグメント815は、接着剤によって互いに連結されているとよい。代替的または付加的に、セグメント815は、1つまたは複数の連結要素によって互いに連結されていてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、砥石要素は、ガラス屑または破砕された研磨要素(例えば、廃棄されたまたは使用済み要素)を約850℃の温度で約4時間加熱することによって、形成されている。
【0148】
本明細書の説明および請求項の全体を通して、「〜を備えている(comprise)」および「〜を含む(contain)」およびこれらの用語の変形、例えば、「comprising」および「comprises」は、「〜を備えているが、〜に制限されるものではない」ことを意味し、他の部分、付加物、構成要素、完全体、または段階を排除しようとするものではなく(かつ排除するものではない)ことを意味している。
【0149】
本明細書の記載および請求項の全体にわたって、単数形は、文脈が他の解釈を要求していない限り、複数形も含んでいる。特に、限定されていない物品が用いられる場合、文脈が他の解釈を要求していない限り、本明細書は、単数形のみならず複数形も考慮していることを理解されたい。
【0150】
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例と関連して記載されている特徴、完全体、特性、化合物、化学部分または化学基は、矛盾しない限り、本明細書に記載されているどのような他の態様、実施形態、または実施例にも適用可能であることを理解されたい。