(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5876957
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】換気構造体及びこれを用いた換気棟
(51)【国際特許分類】
E04D 13/16 20060101AFI20160218BHJP
【FI】
E04D13/16 E
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-106942(P2015-106942)
(22)【出願日】2015年5月27日
【審査請求日】2015年5月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592114080
【氏名又は名称】株式会社ハウゼコ
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】神戸 睦史
【審査官】
仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−69138(JP,A)
【文献】
特開平8−296796(JP,A)
【文献】
特開2003−239482(JP,A)
【文献】
実開平5−17212(JP,U)
【文献】
特開平11−255157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00−15/07
E04B 1/62−1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気構造体であって、
長手方向に延びる棒形状の換気部材と、
前記換気部材がその一方面に配置される平板状の被取付体と、
前記換気部材を前記被取付体に脱着自在に固定することができる固定部材とを備え、
前記換気部材は、外殻が四角形の横断面形状を有すると共に、短手方向に対向する側面同士を連通する複数の通気路が全面に形成され、
前記固定部材は、
前記被取付体の前記一方面において、前記換気部材に対して前記短手方向に被さるように配置され、前記換気部材の前記短手方向の上面及び前記側面の各々に沿う側面視Ω形状のバンド体と、
前記被取付体を介して前記バンド体に対向する位置に配置されたベース体と、
前記バンド体と前記ベース体とを前記被取付体を貫通した状態で脱着自在に係止する係止手段とを含み、
前記バンド体は、前記換気部材の前記側面の各々に接して前記通気路の一部を塞ぐ一対の側板を有し、前記側板の一方のみに開口が形成される、換気構造体。
【請求項2】
前記バンド体は、
前記換気部材の前記側面の一方のみに接する第1バンド部品と、
前記第1バンド部品の外面の上端部と、前記換気部材の前記上面及び前記側面の他方とに接する第2バンド部品とから構成される、請求項1記載の換気構造体。
【請求項3】
換気構造体であって、
長手方向に延びる棒形状の換気部材と、
前記換気部材がその一方面に配置される平板状の被取付体と、
前記換気部材を前記被取付体に脱着自在に固定することができる固定部材とを備え、
前記換気部材は、外殻が四角形の横断面形状を有すると共に、短手方向に対向する側面同士を連通する複数の通気路が全面に形成され、
前記固定部材は、
前記被取付体の前記一方面において、前記換気部材に対して前記短手方向に被さるように配置され、前記換気部材の前記短手方向の上面及び前記側面の各々に沿う側面視Ω形状のバンド体と、
前記被取付体を介して前記バンド体に対向する位置に配置されたベース体と、
前記バンド体と前記ベース体とを前記被取付体を貫通した状態で脱着自在に係止する係止手段とを含み、
前記バンド体は、
前記換気部材の前記側面の一方のみに接する第1バンド部品と、
前記第1バンド部品の外面の上端部と、前記換気部材の前記上面及び前記側面の他方とに接する第2バンド部品とから構成され、
前記係止手段は、
前記ベース体の一方面に固定され、前記被取付体を貫通する少なくとも一対のボルト胴部と、
前記第1バンド部品に形成され、前記ボルト胴部の一方が挿通される第1の開口と、
前記第2バンド部品に形成され、前記ボルト胴部の他方が挿通される第2の開口と、
前記ボルト胴部の一方に螺合する第1のナットと、
前記ボルト胴部の他方に螺合する第2のナットとを含む、換気構造体。
【請求項4】
前記バンド体は、前記換気部材の前記側面の各々に接して前記通気路の一部を塞ぐ一対の側板を有し、前記側板の一方のみに開口が形成される、請求項3記載の換気構造体。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の換気構造体を備えた、換気棟。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は換気構造体及びこれを用いた換気棟に関し、特に、換気棟等に用いられる換気構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は特許文献1に開示されている従来の換気構造体を使用した換気棟の全体構造を示す分解斜視図である。
【0003】
図を参照して、換気棟5は、鋼板のプレス加工によって形成された換気棟本体10と、換気棟本体10上に設置された一対の換気構造体70a、70bと、図の矢印で示すように換気部材8a及び8bに被さるように設置される、鋼板のプレス加工によって形成された本体カバー20とから主に構成されている。
【0004】
換気棟本体10は、その中央部に形成された換気棟開口16a〜16cから図示しない屋根材に対してほぼ平行に幅方向に向かって斜め下方に延びる一対の平坦部11a、11bと、平坦部11a、11bの各々の外方端に接続され、ほぼ垂直下方に延びる一対の垂直部12a、12bと、垂直部12a、12bの各々の下方端に接続され、平坦部11a、11bとほぼ平行に外方に延びるフランジ部13a、13bとから構成されている。又、平坦部11a、11bの各々の外方側には、後述する固定釘等を挿通させるための取付孔46が長手方向に複数形成されている。
【0005】
換気構造体70a、70bは、一対の換気部材8a、8bと、換気部材8a、8bの各々が上面に配置されている換気棟本体10の平坦部11a、11bと、平坦部11a、11bの各々を被取付体として換気部材8a、8bを固定している複数のバンド体71a、71bとで構成されている。
【0006】
そして、換気部材8a、8bは、幅方向の断面が四角形状を有すると共に、開口部分16a〜16cに沿って長手方向に延びる棒形状に形成されている。換気部材8a、8bの詳細な構造については後述する。
【0007】
又、換気部材8a、8bの各々の内方側には、換気棟開口16a〜16cに沿って長手方向に延びると共に、幅方向の断面がL字形状の水返し部15a、15bが配置されている。更に、換気部材8a、8bの長手方向の端部付近の各々から内方側を覆うように形成された防水板25a〜25dが、平坦部11a、11bの各々にリベット等によって固定されている。
【0008】
更に、換気部材8a、8bの各々には、所定方向の断面がΩ形状である金属製のバンド体71a、71bの各々が、換気部材8a、8bの各々の一部に被さるように長手方向に所定間隔に複数設置されている。そして、バンド体71a、71bの各々の平坦部11a、11bに接する部分は、図示しないリベットによって平坦部11a、11bに固定されている。又、バンド体71a、71bの各々の上面部には、取付孔77a、77bが形成されている。バンド体71a、71bの詳細な構造については後述する。
【0009】
本体カバー20は、ほぼ山形形状に平坦部11a、11bの各々に対して平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる一対の平板部21a、21bと、平板部21a、21bの各々の外方端に接続され、設置状態において平坦部11a、11bの外方側の位置に向かって下方に延びる一対の垂下部22a、22b(図示せず)とから構成されている。又、平板部21a、21bの各々には、設置状態においてバンド体71a、71bの上面部の取付孔77a、77bの各々に対応する位置に取付孔48が複数形成されている。
【0010】
図10は換気棟を屋根材に取り付けた状態であって、本体カバーを設置した状態における
図9で示したX−Xラインの端面図である。
【0011】
図を参照して、
図1で示した取付孔46の下方側に防水パッキン37a、37bを取り付けた状態で固定釘36a、36bを挿入し、打ち込むことによって換気棟本体10は屋根材28と固定されている。
【0012】
次に、換気部材8a及び8bに被さるように設置された本体カバー20は、
図9で示した取付孔48及びバンド体71a、71bの上面に形成された取付孔77a、77bを介して、ビス55a、55bによってバンド体71a、71bの各々に固定される。即ち、剛性の高いバンド体71a、71bによって換気部材8a、8bを保護した状態で本体カバー20が取り付けられる。そのため、外方からの衝撃によって換気部材8a、8bを損傷することなく、本体カバー20が安定的に取り付けられる。
【0013】
そして、このように設置された本体カバー20においては、上述した通り垂下部22a、22bの各々は、平坦部11a、11bの各々の外方側に向かって下方に延びる。又、垂下部22a、22bの各々の下端の位置は、対向する平坦部11a、11bの各々を含む仮想平面(図において二点鎖線で示す部分)上に位置している。従って、図の一点鎖線で描いた矢印で示すような屋根材28に加わる風雨の吹込みが発生しても、風雨の吹込みが換気部材8a、8bに直接向かう虞が無い。そのため、換気棟5の防水性能の信頼性が高い。尚、換気棟本体10と屋根材28との間から風雨の吹込みが発生した場合においては、換気棟本体10はシーリング材39a、39bによって屋根材28にシール状態に設置されているため、内方側への風雨の侵入が阻止される。
【0014】
そして、通気状態にあっては、図の実線で描いた矢印で示されるように屋根材28の中央部において捨水切33a、33bの間から上昇した空気は、換気棟本体10の換気棟開口16を通過する。その後、換気部材8a、8bの各々の通気路を介して内方側から外方側に通過する。そして、換気部材8a、8bの各々を通過した空気は垂下部22a、22bの各々の下端と屋根材28との間のスペースよりなる通気口18a、18bを介して外方に排出される。
【0015】
又、本体カバー20の平板部21a、21bにおける、換気部材8a、8bが取り付けられていない本体カバー20の頂点側の下面には、断熱材9が取り付けられている。従って、本体カバー20からの結露が防止される。そのため、換気棟本体10の換気棟開口16及び屋根材28の中央部分を介しての小屋裏空間への水滴の落下が阻止される。
【0016】
次に、
図9で示した換気棟の屋根材への取り付けについて説明する。
【0017】
図11は
図9で示した換気棟の組立工程を示す端面図である。
【0018】
図を参照して、屋根材28はほぼ山形形状でその中央部が開口された形状を有している。具体的には、屋根材28は、図示しない垂木の上に設置された一対の野地板29a、29bと、野地板29a、29bの各々の上面に布設された防水紙30a、30bと、防水紙30a、30bの各々の上に設置された下葺材32a、32bと、下葺材32a、32bの各々の上に設置された平板瓦34a、34bとから構成されている。尚、捨水切33a、33bは、防水紙30a、30bの各々の上に取り付けられ、その状態で下葺材32a、32bが設置されるものである。又、捨水切33a、33bの各々の上部には、シーリング材39a、39bが設置されている。
【0019】
取り付けに際しては、まず、換気棟本体10の平坦部11a上に、内方側から水返し部15a、換気部材8aの順にこれらを設置し、これらの上方からバンド体71aを被せ、バンド体71aの外方側をリベット72aで固定し、内方側は水返し部15aと共にリベット72bで平坦部11aに固定する。すると、換気部材8a及び水返し部15aは、平坦部11a上に固定される。尚、換気部材8b及び水返し部15bについても、バンド体71bによって同様に平坦部11bに固定する。
【0020】
次に、屋根材28の上方に、換気棟開口16が屋根材28の中央部に対向するように、換気部材8a、8bを取り付けた換気棟本体10を上方から降下させる。すると、平坦部11a、11bの各々の下面がシーリング材39a、39bの各々と接すると共に、フランジ部13a、13bが屋根材28上に設置される。即ち、換気棟本体10は屋根材28の上に対してシール状態に設置されることになる。
【0021】
更に、屋根材28上に固定された換気棟本体10及び換気部材8a、8bの上方に、換気部材8a及び8bに被さるように図示しない本体カバーを上方から降下させると、上述した
図10の状態となる。
【0022】
次に、換気部材8の詳細な構造について説明する。
【0023】
図12は
図9で示した換気部材の外観形状を示す概略斜視図である。
【0024】
図を参照して、換気部材8は幅方向の断面が四角形状を有し、長手方向に対しては
図9で示した換気棟開口16aから16cまでの長手方向の長さとほぼ同一長さを有する棒形状を有している。具体的には、換気部材8は各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で切断時の熱融着によって相互に接続されて一体化されている。そして、一方の側壁から他方の側壁へ貫通する通気路26が多数形成されている。
【0025】
この従来例においては、四角断面形状の幅方向の長さAは30mmであり、高さに相当する長さBは38mmとなっている。又、通気路26はほぼ縦1mm、横4mmの長方形形状の開口寸法に設定されている。尚、このような換気部材8は、特許第2610342号において開示されている棟カバー材と基本的に同一構造である。これによって、一定条件下にあっては、換気部材8は通気路26を介しての通気を可能とすると共に、通気路26を介しての雨水の侵入を阻止する通気性能及び防水性能を発揮する。
【0026】
次に、バンド体71の詳細な構造について説明する。
【0027】
図13は
図9で示したバンド体の外観形状を示す斜視図である。
【0028】
図を参照して、バンド体71は、鋼板のプレス加工によって形成され、所定方向の断面がΩ形状であり、載置する平坦部(図示せず)と平行状態に延びる一対の載置部73a、73bと、載置部73a、73bの各々の内端に垂直状態で接続されている一対の側板74a、74bと、側板74a、74bを架け渡すように接続され、載置部73a、73bと平行状態に延びる上面部75とで構成されている。又、載置部73a、73bの各々には載置部73a、73bの各々を貫通する取付孔79が形成されており、上面部75には上面部75を貫通する取付孔77が、
図10で示したビス55a、55bの取付用に形成されている。
【0029】
次に、換気構造体の固定状態について説明する。
【0030】
図14は従来の換気構造体の構造を示す概略断面図である。
【0031】
図を参照して、バンド体71は換気部材8に被さり固定する形状である。又、上述したように、換気部材8及び水返し部15は、バンド体71を介して一対のリベット72a、72bを用いて固定されている。リベット72a、72bは上面及び下面をかしめて固定された状態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2011−69138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
従来、換気部材8は使用によって風雨に曝されるため、
図12で示した換気部材が有する複数の通気路が水分や塵の影響を受け経年使用に伴って詰まっていき、換気性能が落ちるといった問題が生じていた。
【0034】
換気部材8の交換によって上記の問題は解決するが、
図14で示したように、リベット72をかしめることによって、バンド体71を介して換気部材8は平坦部11に脱着不可能に固定されている。又、
図9で示したように換気部材8aはその長手方向の両端面に沿って防水板25a及び25cが配置されているため、換気部材8aは横方向に引き抜くように取り外すことはできず、複数のバンド体41の全てを取り外した上で、上方向にのみ取り外すことができる。従って、換気部材8を取り外して交換することは容易でないという課題があった。
【0035】
又、この課題は換気棟において用いられる換気部材に限らず、他の用途に用いられる換気部材においても同様に存在する。
【0036】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、取付状態から容易に換気部材を取り外すことのできる換気構造体及びこれを用いた換気棟を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、換気構造体であって、長手方向に延びる棒形状の換気部材と、換気部材がその一方面に配置される平板状の被取付体と、換気部材を被取付体に脱着自在に固定することができる固定部材とを備え
、換気部材は、外殻が四角形の横断面形状を有すると共に、短手方向に対向する側面同士を連通する複数の通気路が全面に形成され、固定部材は、被取付体の一方面において、換気部材に対して短手方向に被さるように配置され、換気部材の短手方向の上面及び側面の各々に沿う側面視Ω形状のバンド体と、被取付体を介してバンド体に対向する位置に配置されたベース体と、バンド体とベース体とを被取付体を貫通した状態で脱着自在に係止する係止手段とを含み、バンド体は、換気部材の側面の各々に接して通気路の一部を塞ぐ一対の側板を有し、側板の一方のみに開口が形成されるものである。
【0038】
このように構成すると、換気部材は取り外し自在に設置される。
又、バンド体は、換気部材の3つの外面に沿う。更に、側板の各々で覆われた換気部材の通気路は通気されない。
【0041】
請求項
2記載の発明は、請求項
1記載の発明の構成において、
バンド体は、換気部材の側面の一方のみに接する第1バンド部品と、第1バンド部品の外面の上端部と、換気部材の上面及び側面の他方とに接する第2バンド部品とから構成されるものである。
【0042】
このように構成すると、
第2バンド部品を取り外すだけで換気部材の交換が可能となる。
【0043】
請求項
3記載の発明は、
換気構造体であって、長手方向に延びる棒形状の換気部材と、換気部材がその一方面に配置される平板状の被取付体と、換気部材を被取付体に脱着自在に固定することができる固定部材とを備え、換気部材は、外殻が四角形の横断面形状を有すると共に、短手方向に対向する側面同士を連通する複数の通気路が全面に形成され、固定部材は、被取付体の一方面において、換気部材に対して短手方向に被さるように配置され、換気部材の短手方向の上面及び側面の各々に沿う側面視Ω形状のバンド体と、被取付体を介してバンド体に対向する位置に配置されたベース体と、バンド体とベース体とを被取付体を貫通した状態で脱着自在に係止する係止手段とを含み、バンド体は、換気部材の側面の一方のみに接する第1バンド部品と、第1バンド部品の外面の上端部と、換気部材の上面及び側面の他方とに接する第2バンド部品とから構成され、係止手段は、ベース体の一方面に固定され、被取付体を貫通する少なくとも一対のボルト胴部と、第1バンド部品に形成され、ボルト胴部の一方が挿通される第1の開口と、第2バンド部品に形成され、ボルト胴部の他方が挿通される第2の開口と、ボルト胴部の一方に螺合する第1のナットと、ボルト胴部の他方に螺合する第2のナットとを含むものである。
【0044】
このように構成すると、
換気部材は取り外し自在に設置される。又、バンド体は、換気部材の3つの外面に沿う。更に、第2バンド部品を取り外すだけで換気部材の交換が可能となる。更に、第2バンド部品を取り外してもベース体が被取付体から脱落しない。
【0045】
請求項
4記載の発明は、請求項
3記載の発明の構成において、
バンド体は、換気部材の側面の各々に接して通気路の一部を塞ぐ一対の側板を有し、側板の一方のみに開口が形成されるものである。
【0046】
このように構成すると、
側板の各々で覆われた換気部材の通気路は通気されない。
【0047】
請求項
5記載の発明は、請求項1から請求項
4のいずれかに記載の換気構造体を備えた、換気棟である。
【0048】
このように構成すると、換気棟において換気部材の交換が可能となる。
【発明の効果】
【0049】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、換気部材は取り外し自在に設置されるため、換気部材の交換が容易となる。
又、バンド体は、換気部材の3つの外面に沿うため、換気部材の固定状態が安定する。更に、側板の各々で覆われた換気部材の通気路は通気されないため、開口を通して換気部材の使用状態が目視できる。
【0051】
請求項
2記載の発明は、請求項
1記載の発明の効果に加えて、
第2バンド部品を取り外すだけで換気部材の交換が可能となるため、換気部材の交換が容易である。
【0052】
請求項
3記載の発明は、
換気部材は取り外し自在に設置されるため、換気部材の交換が容易となる。又、バンド体は、換気部材の3つの外面に沿うため、換気部材の固定状態が安定する。更に、第2バンド部品を取り外すだけで換気部材の交換が可能となるため、換気部材の交換が容易である。更に、第2バンド部品を取り外してもベース体が被取付体から脱落しないため、使用勝手が向上する。
【0053】
請求項
4記載の発明は、請求項
3記載の発明の効果に加えて、
側板の各々で覆われた換気部材の通気路は通気されないため、開口を通して換気部材の使用状態が目視できる。
【0054】
請求項
5記載の発明は、換気棟において換気部材の交換が可能となるため、コスト的に有利な換気棟となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】この発明の第1の実施の形態による換気構造体を使用した換気棟の全体構造を示す分解斜視図である。
【
図2】換気棟を屋根材に取り付けた状態であって、本体カバーを設置した状態における
図1で示したII−IIラインの端面図である。
【
図3】
図1で示したバンド体を取り外した状態の換気棟の構造を示す斜視図である。
【
図4】この発明の第1の実施の形態による換気構造体において使用されるバンド体の外観形状を示す斜視図である。
【
図5】この発明の第1の実施の形態による換気構造体の構造を示す概略断面図である。
【
図6】
図5で示したVI−VIラインから見た図であって、(1)は未使用の換気部材の状態を示すものであり、(2)は経年使用後の換気部材の状態を示すものである。
【
図7】この発明の第2の実施の形態による換気構造体の構造を示す概略断面図であって、
図5に対応するものである。
【
図8】
図7で示した換気構造体の第2バンド部品を取り外した状態を示す概略断面図である。
【
図9】従来の換気構造体を使用した換気棟の全体構造を示す分解斜視図である。
【
図10】換気棟を屋根材に取り付けた状態であって、本体カバーを設置した状態における
図9で示したX−Xラインの端面図である。
【
図11】
図9で示した換気棟の組立工程を示す端面図である。
【
図12】
図9で示した換気部材の外観形状を示す概略斜視図である。
【
図13】
図9で示したバンド体の外観形状を示す斜視図である。
【
図14】従来の換気構造体の構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1はこの発明の第1の実施の形態による換気構造体を使用した換気棟の全体構造を示す分解斜視図である。
【0057】
図を参照して、換気棟5は、
図9で示した従来の換気棟と同様に、鋼板のプレス加工によって形成された換気棟本体10と、換気棟本体10上に設置された一対の換気構造体40a、40bと、図の矢印で示すように換気部材8a及び8bに被さるように設置される、鋼板のプレス加工によって形成された本体カバー20とから主に構成されている。
【0058】
ここで、換気棟本体10及び本体カバー20の構成は従来例と基本的に同様であるため、ここでは相違点の存在する換気構造体40a、40bについて主に説明する。
【0059】
換気構造体40a、40bは、一対の換気部材8a、8bと、換気部材8a、8bの各々が上面に配置されている換気棟本体10の平坦部11a、11bと、平坦部11a、11bの各々を被取付体として換気部材8a、8bを固定している金属製の複数のバンド体41a、41bとで構成されている。
【0060】
まず、換気部材8a、8bは、外殻が四角形の横断面形状を有すると共に、換気棟本体10の換気棟開口16a〜16cに沿って長手方向に延びる棒形状を有している。又、換気部材8a、8bの構造は、
図12で示した従来の換気部材と同様の構成であり、短手方向に対向する側面同士を連通する複数の通気路が全面に形成されており、通気性能及び防水性能を有する。
【0061】
次に、バンド体41a、41bは、換気棟本体10の平坦部11a、11bの各々の上面において、換気部材8a、8bの各々に対して短手方向に被さるように配置されている。又、換気部材8a、8bの各々の短手方向の上面及び側面の各々に沿う側面視Ω形状となっており、換気部材8a、8bの各々を平坦部11a、11bの各々に脱着自在に固定している。このように、バンド体41a、41bの各々は、換気部材8a、8bの各々の3つの外面に沿うように配置されているため、換気部材の固定状態が安定している。バンド体41a、41bの詳細な構造については後述する。
【0062】
図2は換気棟を屋根材に取り付けた状態であって、本体カバーを設置した状態における
図1で示したII−IIラインの端面図である。
【0063】
図を参照して、換気棟5の断面構造は、
図10で示した従来の換気棟と基本的に同様の構成であるが、バンド体41a、41bの各々は、従来のリベットに代えて複数の留め金具部52a〜52dを用いて平坦部11a、11bの各々と脱着自在に固定されている。
【0064】
次に、換気部材を交換する際の工程について説明する。
【0065】
図3は
図1で示したバンド体を取り外した状態の換気棟の構造を示す斜視図である。
【0066】
図を参照して、換気部材8aの長手方向の両端面に沿って防水板25a及び25cが配置されているため、換気部材8aを取り外す際には、図の一点鎖線で描いた矢印で示すように換気部材8aは上方向にのみ取り外すことができる。従って、換気部材8aの交換の際には、換気部材8aを平坦部11aに固定していた複数のバンド体41を全て取り外す必要がある。
【0067】
そこで、この発明の第1の実施の形態による換気構造体において使用されるバンド体の詳細な構造について説明する。
【0068】
図4はこのバンド体の外観形状を示す斜視図である。
【0069】
図を参照して、バンド体41は、厚さ1mm程度の鋼板を成型してなり、側面視Ω形状である。又、バンド体41は、載置する平坦部(図示せず)と平行状態に延び、取付孔49が形成されている一対の載置部43a、43bと、載置部43a、43bの各々の内端中央部分に垂直状態で接続され、その一方にのみ開口51が形成されている一対の側板44a、44bと、側板44a、44bを架け渡すように接続され、載置部43a、43bと平行状態に延び、取付孔47が形成されている上面部45と、バンド体41を使用する際の係止手段である一対の留め金具部52a、52bとで構成されている。
【0070】
留め金具部52a、52bは、載置部43a、43bと平行状態に配置される一対のベース体60a、60bと、ベース体60a、60bの各々にかしめて接続され、ベース体60a、60bの各々の上面から垂直状態に延びる二対のボルト胴部59a、59b、59c、59dとから構成されている。又、ベース体60a、60bの各々におけるボルト胴部59a、59b、59c、59dの位置と個数は、載置部43a、43bの各々における取付孔49の位置と個数に対応している。そして、ボルト胴部59a、59b、59c、59dの各々は、取付孔49を貫通して固定できるように対応した断面径となっている。
【0071】
尚、この実施の形態では、ボルト胴部はベース体に対して2つ存在しているが、少なくとも1つのボルト胴部があれば良い。
【0072】
次に、留め金具部52による係止手段について説明する。
【0073】
図5はこの発明の第1の実施の形態による換気構造体の構造を示す概略断面図である。
【0074】
図を参照して、留め金具部52a、52bの各々は、被取付体である平坦部11を介してバンド体41の載置部43a、43bの各々に対向する位置に配置されたベース体60a、60bを有し、バンド体41とベース体60a、60bの各々とを平坦部11をボルト胴部59a、59bの各々によって貫通した状態で設置されている。又、ボルト胴部59a、59bの各々は、バンド体41の載置部43a、43bの各々の上面においてナット54a、54bの各々及びワッシャー53a、53bの各々によって螺合されているため、脱着自在である。更に、バンド体41の内方側においては、載置部43aと平坦部11の間に水返し部15を挟むようにして固定している。
【0075】
この換気構造体にあっては、複数のバンド体41の各々は平坦部11と脱着自在に固定されているため、複数のバンド体41を全て取り外すことにより、換気部材8は容易に交換することができる。
【0076】
このように、この換気構造体を用いた換気棟においては、経年使用によって換気性能が劣化しても、換気部材のみを交換することで換気性能を復帰させることができるため、コスト的に有利である。
【0077】
尚、この実施の形態では、バンド体及び換気部材の平坦部に対する係止手段として、ベース体の上面に2つのボルト胴部を固定した留め金具部を用いているが、バンド体とベース体とを平坦部を貫通した状態で脱着自在に係止する係止手段であれば良い。
【0078】
このバンド体41は、換気部材8の側面の各々に接して通気路の一部を塞ぐ一対の側板44a、44bを有しており、側板44bのみに開口51が形成されている。この換気構造体40を使用する際には、図の一点鎖線で描いた矢印で示す方向(外方側)から外気が流入するが、開口51の換気部材を介した対向側には側板44aが存在しているため、開口51を通して目視できる部分の換気部材8の通気路は通気されない。この開口51による効果について以下説明する。
【0079】
図6は
図5で示したVI−VIラインから見た図であって、(1)は未使用の換気部材の状態を示すものであり、(2)は経年使用後の換気部材の状態を示すものである。
【0080】
まず(1)を参照して、バンド体41の側板44bに形成された開口51から目視できる部分の換気部材8の通気路の色は、未使用であるため、側板44bで塞がれていない部分の換気部材8の通気路の色と変わりない。
【0081】
次に(2)を参照して、開口51から目視できる部分の換気部材8の通気路は通気されないため、その部分の通気路の色は経年使用後も変化していない。一方、側板44bで塞がれていない部分の換気部材8の通気路は、水分や塵の影響を受け経年使用によって詰まっていくため、色が変化する。このように、開口51を正面視する方向において、開口51から目視できる部分の換気部材8の通気路の色と、側板44bで塞がれていない部分の換気部材8の通気路の色とを対比することにより、バンド体を取り外す前に、換気部材8の交換に適した時機を目視で判断することができる。
【0082】
図7はこの発明の第2の実施の形態による換気構造体の構造を示す概略断面図であって、
図5に対応するものである。
【0083】
図を参照して、この実施の形態による換気構造体40の換気部材8、平坦部11及びこれらの位置関係は第1の実施の形態による換気構造体40と基本的に同様であるため、相違点を中心に説明する。
【0084】
まず、バンド体41は、換気部材8の側面の内方側(図において左側)のみに接する第1バンド部品56と、第1バンド部品56の外面の上端部、換気部材8の上面及び側面の外方側に接する第2バンド部品57とから構成されている。このように、バンド体41は換気部材8の上面及び一対の側面の3つの外面に沿い接するように固定されているため、換気部材8の固定状態は安定している。
【0085】
又、第2バンド部品57には開口51が形成されているため、第1の実施の形態による換気構造体と同様に、開口51を通して換気部材の使用状態が目視できる。
【0086】
次に、留め金具部52は、平坦部11の下面に接している1枚のベース体60と、ベース体60の上方面を共通として固定され、平坦部11を貫通する一対のボルト胴部59a、59bとで構成されている。又、ボルト胴部59aは、第1バンド部品56の載置部43aに形成されている第1の開口63を挿通し、載置部43aの上面において第1のナット54a及びワッシャー53aによって螺合される。ボルト胴部59bもボルト胴部59aと同様に、第2バンド部品57の載置部43bに形成される第2の開口64を挿通し、載置部43bの上面において第2のナット54b及びワッシャー53bによって螺合される。このように、ボルト胴部59a、59bの各々は螺合により固定されているため、取り外し自在である。バンド体41は平坦部11に対して脱着自在である点は第1の実施の形態と同様であるが、取り外しに関する特有の効果について以下説明する。
【0087】
そこで、この換気構造体において換気部材を取り外す際の工程について説明する。
【0088】
まず、上述したように第1バンド部品56と第2バンド部品57とは別体となっているため、第2のナット54b及びワッシャー53bを取り外すことによって、第2バンド部品57のみを取り外すことができる。
【0089】
図8は
図7で示した換気構造体の状態から第2バンド部品を取り外した状態を示す概略断面図である。
【0090】
図を参照して、第2バンド部品57は、上方に取り外されているが、第1バンド部品56は
図7で示した固定状態のまま残っている。
【0091】
これによって、換気部材8は平坦部11に対する固定状態が解除され、図の一点鎖線で描いた矢印及び換気部材が示すように、容易に取り外して交換することができる。即ち、換気部材8を取り外して交換するためには、第2のナット54b及びワッシャー53bのみ取り外せば良い。
【0092】
又、第2バンド部品57を取り外しても、留め金具部52は第1のナット54a及びワッシャー53aによって平坦部11に対する固定状態が維持されているため、ベース体60が平坦部11の下方に落下する虞が無い。そのため、使用勝手が向上する。
【0093】
尚、この実施の形態では、換気部材の側面の内方側に接する一方を第1バンド部品とし、換気部材の側面の外方側に接する他方を第2バンド部品としているが、第1バンド部品と第2バンド部品が逆であっても良い。
【0094】
尚、上記の各実施の形態では、換気構造体が、中央に換気棟開口部分を隔てて一対の部材群を有する対称構造である換気棟に用いられているが、片方の部材群のみで構成する構造である換気棟に用いられていても良い。
【0095】
又、上記の各実施の形態では、換気構造体が換気棟に用いられ、換気棟本体の平坦部を換気部材の被取付体として用いているが、被取付体は換気棟本体の平坦部でなくとも良い。
【0096】
更に、上記の各実施の形態では、換気棟と屋根材を貫通して固定する固定釘を打ち込むための取付孔が、換気棟本体の平坦部のバンド体で覆われていない部分に形成されているが、バンド体上に形成されていても良い。
【0097】
更に、上記の各実施の形態では、留め金具部が、バンド体、平坦部及び水返し部を貫通して螺合することでこれらを固定しているが、水返し部は無くても良いし、更に他の部材を固定しても良い。
【0098】
更に、上記の各実施の形態では、換気部材が、外殻が長方形の横断面形状を有しているが、他の四角形の横断面形状を有していても良い。
【0099】
更に、上記の各実施の形態では、留め金具部のベース体が、上方視において長方形形状であるが、他の形状であっても良い。
【0100】
更に、上記の各実施の形態では、留め金具部のボルト胴部が、ナットとワッシャーを用いて螺合されているが、ワッシャーが無くとも良い。
【0101】
更に、上記の各実施の形態では、バンド体の側板の外方側に正面視円形の開口が形成されているが、内方側の側板のみに開口が形成されていても良いし、正面視円形でなく他の形状の開口又は切れ込みであっても良い。
【0102】
更に、上記の各実施の形態では、バンド体が、鋼板から成型されているが、合成樹脂等の無色透明な素材でも良い。この場合、換気部材の外方側の側板のバンド体で覆われる部分の色が目視で判断できるため、バンド体の開口は無くとも良い。
【0103】
更に、上記の各実施の形態では、換気構造体が、換気棟において使用されているが、換気棟以外において使用されても良い。
【0104】
更に、上記の各実施の形態では、固定部材が、所定方向の断面がΩ形状であるバンド体等であるが、他の構成でも良い。
【0105】
更に、上記の各実施の形態では、固定部材が、換気棟に対して三対存在しているが、他の個数でも良い。
【0106】
更に、上記の各実施の形態では、開口が、バンド体の片方の側板に形成されているが、開口が無くとも良い。この場合において、バンド体は、上記の各実施の形態では換気部材の3つの外面に接しているが、3つの外面に沿う形状であれば良い。
【0107】
更に、上記の第2の実施の形態では、バンド体が、第2バンド部品が第1バンド部品の外面の上端部に接する形状を持つ構成であるが、2分割されており一方のみ取り外すことによって換気部材が取り外すことのできるものであれば他の構成でも良い。
【0108】
更に、上記の各実施の形態では、ボルト胴部が、ベース体に対して二対存在しているが、一対又は三以上の対でも良い。
【0109】
更に、上記の第1の実施の形態では、ベース体が、バンド体の2つの載置部に対応する位置に2つ存在するが、バンド体の2つの載置部を架け渡すように1枚であっても良い。
【0110】
更に、上記の第2の実施の形態では、ベース体が、バンド体の2つの載置部を架け渡すように1枚であるが、バンド体の2つの載置部に対応する位置に2つ存在しても良い。
【符号の説明】
【0111】
5…換気棟
8…換気部材
11…平坦部
26…通気路
40…換気構造体
41…バンド体
44…側板
51…開口
52…留め金具部
54…ナット
56…第1バンド部品
57…第2バンド部品
59…ボルト胴部
60…ベース体
63…第1の開口
64…第2の開口
70…換気構造体
71…バンド体
74…側板
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【要約】
【課題】 取付状態から容易に換気部材を取り外すことのできる換気構造体及びこれを用いた換気棟を提供する。
【解決手段】 留め金具部52a、52bの各々は、被取付体である平坦部11を介してバンド体41の載置部43a、43bの各々に対向する位置に配置されたベース体60a、60bを有し、バンド体41とベース体60a、60bの各々とを平坦部11をボルト胴部59a、59bの各々によって貫通した状態で設置されている。又、ボルト胴部59a、59bの各々は、バンド体41の載置部43a、43bの各々の上面においてナット54a、54bの各々及びワッシャー53a、53bの各々によって螺合されている。そのため、バンド体41は平坦部11に対して脱着自在である。従って、換気部材8は、バンド体41を取り外すことによって、容易に取り外して交換することができる。
【選択図】
図5