特許第5876958号(P5876958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5876958-渦流ブレーカを有する容器及びシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876958
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】渦流ブレーカを有する容器及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20160218BHJP
   B65D 90/00 20060101ALI20160218BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   B65D47/06 D
   B65D90/00 J
   C12M1/00 C
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-110494(P2015-110494)
(22)【出願日】2015年5月29日
(62)【分割の表示】特願2011-511606(P2011-511606)の分割
【原出願日】2009年5月18日
(65)【公開番号】特開2015-163534(P2015-163534A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2015年6月8日
(31)【優先権主張番号】61/130,349
(32)【優先日】2008年5月30日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・モリッシー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・イー・ケリー・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ・メロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ・ワイセンバッハ
【審査官】 伊達 利奈
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2001/0051371(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0062140(US,A1)
【文献】 実開昭58−183298(JP,U)
【文献】 実開昭51−145646(JP,U)
【文献】 実開昭50−082713(JP,U)
【文献】 実開平01−137361(JP,U)
【文献】 特開平07−125795(JP,A)
【文献】 特開平07−187282(JP,A)
【文献】 特開平04−227836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−3/10
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を備える使い捨ての流体容器:
可撓性の壁から形成される容積;
前記壁の1つを貫通する入口;
前記壁の1つを貫通する出口;及び
渦流ブレーカ(vortex breaker)であって、固体表面(solid surface)を備え、前記固体表面は複数の固体支持体によって底部から上方の位置に固着され、各固体支持体は互いに空離しており、その結果、流体が前記複数の固体支持体の間を流れることができ、ここで、前記固体表面と前記底部との間に空間が形成されており
前記底部は、前記出口に隣接する前記壁の1つの内表面に固着され、前記渦流ブレーカは最初に流体を前記出口と異なる方向へ向かわせ、次に前記出口を経由させるために使用され、これにより、前記出口での渦形成を最小化又は防止する渦流ブレーカ。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、前記底部が前記壁の内表面にシールされる、該容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の容器であって、前記渦流ブレーカは前記出口の一部として形成される、該容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の容器であって、前記渦流ブレーカは、前記複数の固体支持体間に形成される空間を備え、該空間を通して前記流体が前記出口に向かう、該容器。
【請求項5】
以下を備える流体処理システム:
請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器;
前記容器の下流に位置するユニットオペレーション(unit operation);及び
前記容器から前記ユニットオペレーションへの流れを起こす1つ又は複数のコンジット。
【請求項6】
請求項5に記載の流体処理システムであって、前記ユニットオペレーションがノーマルフロー濾過ユニットであり、好ましくは、浄化デプスフィルター(clarification depth filters)、プレフィルター、又はマイクロポア膜フィルターから選択される、該システム。
【請求項7】
請求項5に記載の流体処理システムの使用であって、タンパク質の生成のための使用であり、前記タンパク質は増殖細胞から誘導され、該細胞は細胞性蛋白質を放出させるために溶解される、該使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2008年5月30日に出願された米国仮特許出願番号:61/130,349の利益、即ち本明細書での言及によって取り込まれる全ての内容を享受することを宣言する。
【0002】
本発明は、出口に渦流ブレーカを有する使い捨て容器及びその容器を使用するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明以前では、流体はステンレス鋼の容器を用いたシステムで処理されてきた。これらの容器は、再使用できるように、使用後滅菌される。前記滅菌工程は、時として効果が無いだけでなく、費用がかかり煩雑である。
【0004】
製造の際により柔軟性をもたせるため、及び有効な再生をもたらすのに必要な時間を減少させるために、製造機械は、各製品バッチとともに使用される使い捨ての滅菌されたバッグを用い始めてきた。これら使い捨てバッグの使用例として、タンパク質を増殖細胞から誘導して回収する生物学的な手法によるタンパク質の生産システムが挙げられる。流体がバッグから除去される場所であるバッグの出口ではある問題が発生する。流体が除去される際、1つ又は複数の円錐形の渦が、バッグ中に存在する気体の円錐形の管から形成される。これは渦が流体と気体とを混合して望ましくない泡を生じさせるという理由から、望ましくない。また、渦はタンパク質で満ちた流体に空気を混入させるであろう。こうしたことは、空気はタンパク質を変性させ得るため、望ましくない。また、前記流れの中へ空気が混入することは、ゲージ、センサー、ポンプ及びフィルターなどの処理装置に問題をもたらすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、容器の出口での泡を最小にする又は防止するための手段を備える使い捨ての流体容器を設けることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
入口及び出口を有する使い捨ての流体容器を提供し、前記容器は出口での流体の泡を最小にする又は防止するための装置を有する。
【0007】
また、処理された流体を回収するためのノーマルフロー濾過(normal flow filtration、NFF)ユニット又はそれに類するものなどの、前記容器の下流にあるユニットオペレーション(unit operation)と共に、前記容器を使用するシステムも提供する。例えば、前記容器からの流出は、浄化デプスフィルター(clarification depth filters)、プレフィルター、又はマイクロポア膜フィルターを経由してなされることができる。特定のユニットオペレーションの例として、浄化、バッファー及び培地調製、並びにウイルス除去が含まれる。
【0008】
出口は、最初に流体を出口と異なる方向へ向かわせる固体表面(solid surface)を備える渦流ブレーカを設ける。開口部は、出口へ流体を入れることができる固体表面に隣接して設けられる。最初に出口とは異なる方向へ流体が向かうことにより、出口での1つ又は複数の渦の形成を最小にする、或いは防止する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のシステムの概念図である。
図2図2は、本発明の容器の出口に隣接している渦流ブレーカの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
超高分子量ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、若しくは低密度若しくは中密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;エチレンビニルアセテート(EVOH);塩化ポリビニル(PVC);ポリビニルアセテート(PVA);エチレンビニルアセテートコポリマー(EVAコポリマー);様々な熱可塑性物質のブレンド;異なる熱可塑性物質の共押出成形;異なる熱可塑性物質の多層ラミネート;又はそれらに類するものなどのポリマー組成物から形成される、単層又は多層である可撓性の壁から、本発明の使い捨て容器は、形成される。「異なる」とは、同一のポリマータイプだが、充填材(fillers)若しくはそれに類するものの分子量、直鎖状・分岐状ポリマーなどの特性が異なることのみならず、ポリエチレン層に1つ又は複数のEVOH層などの異なるポリマータイプも包含することを意味する。一般的には医療用、及び好ましくは動物フリーなプラスチックが用いられる。これらは通常、蒸気、エチレンオキサイド、又はβ線やγ線のような放射線などのもので滅菌することができる。たいていのものは、優れた引張強度、低いガス透過性(gas transfer)を有し、透明性又は少なくとも半透明性のいずれかを有する。容器は入口と出口を備える。出口は、該出口に隣接した渦流ブレーカを備え、該渦流ブレーカは熱シーリング又は接着剤などのもので容器の内表面に固着される。任意で、渦流ブレーカは出口構造に成形される。好ましい実施形態では、使い捨て容器は、簡単に前記液体容器を充填したり空にしたりできるように、固体支持体容器内に配置される。
【0011】
図1に関して、入口(9)を備え、流体(12)を含有する本発明の容器(10)は、出口部(11)の容器(10)内表面(16)に固着した渦流ブレーカ(14)を含む。ポンプ(18)は、流体(12)を、出口(11)を経由して、図示したフィルターユニット(20)などの下流のユニットオペレーションへ送るために設けられる。本発明のシステムを活用した処理の例として、溶解して細胞性タンパク質を放出する増殖細胞から誘導されるタンパク質の生産がある。その後タンパク質は、タンパク質から細胞の破片を分離するフィルターによって分離される。濾液は、コンジット(22)を経由して、使用又は更なる処理が行われるポイントまで送られる。
【0012】
図2に本発明の渦流ブレーカ(30)を示す。渦流ブレーカは、図に示すように円形、又は多角形を包含する如何なる形にもなり得る固体表面(32)を備えている。底部(34)は、容器(10)の内表面(16)にシールされている。渦流ブレーカ(30)は、出口(11)に隣接している。固体表面(32)は固体表面(32)及び底部(34)に取り付けられた支持体(36)によって支えられている。渦流ブレーカ(30)は最初に、矢印38及び40で示されるように、出口(11)とは異なる方向に流体を向かわせ、その後矢印37及び39で示されるように、支持体(36)の間の空間を経由して出口(11)へ向かう。この渦流ブレーカを用いた操作により、渦の形成を最小にするか又は防止する。また、渦流ブレーカは出口(11)の一部を形成してもよい。
本発明は一側面において以下の発明を包含する。
(発明1)
以下を備える使い捨ての流体容器:
可撓性の壁から形成される閉じた容積;
前記壁の1つを貫通する入口;
前記壁の1つを貫通する出口;及び
渦流ブレーカ(vortex breaker)であって、前記出口に隣接し、前記壁の内表面に固着し、前記渦流ブレーカは最初に流体を前記出口と異なる方向へ向かわせ、次に前記出口を経由させるために使用される、渦流ブレーカ。
(発明2)
以下を備える流体処理システム:
発明1に記載の容器;
前記容器の下流に位置するユニットオペレーション(unit operation);及び
前記容器から前記ユニットオペレーションへの流れを起こす1つ又は複数のコンジット。
(発明3)
発明1に記載の容器であって、前記渦流ブレーカが空離した固体支持体によって、底部に固着している固体表面(solid surface)を備える、該容器。
(発明4)
発明2に記載のシステムであって、前記渦流ブレーカが空離した固体支持体によって、底部に固着している固体表面を備える、該容器。


図1
図2