(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記犠牲熱スプレッダ材料の前記第1および第2の部分を平坦化した後、前記第1の全高は、前記第2の全高と+/−0.5ミル〜+/−1ミル内で実質的に同一平面である、請求項1に記載の方法。
前記犠牲熱スプレッダ材料の適用に先立って、前記第1の半導体デバイスの第1の部分高さであって、前記第1の部分高さは、前記回路基板の前記上部表面から前記第1の半導体デバイスの前記その第2の表面まで測定される、前記第1の半導体デバイスの第1の部分高さは、前記第2の半導体デバイスの第1の部分高さであって、前記第2の部分高さは、前記回路基板の前記上部表面から前記第2の半導体デバイスの前記その第2の表面まで測定される、前記第2の半導体デバイスの第1の部分高さとは異なる、請求項1に記載の方法。
前記犠牲熱スプレッダ材料の前記第1および第2の部分のうちの少なくとも1つは、ウエハグレードシリコン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、およびガリウムヒ素のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
前記平坦化することは、犠牲熱スプレッダ材料の前記第1および第2の部分のうちの少なくとも1つの厚さを調節することにより、前記回路基板の前記上部表面の平坦性、各それぞれの複数のはんだボールの前記全体的高さ、前記第1の半導体デバイスの前記第1および第2の対向する表面間で測定した場合の前記第1の半導体デバイスの第1の高さ、および、前記第2の半導体フリップチップの前記第1および第2の対向する表面間で測定した場合の前記第2の半導体フリップチップの第2の高さのうちの1つ以上における変動を補償するようにさらに構成されている、請求項1に記載の方法。
前記第1および第2の熱スプレッダ材料の各々は、前記第1および第2の半導体デバイスから少なくとも10ワット/メートル/ケルビン(W/m/°K)の所定の冷却の冷却を達成するために十分に高い熱伝導性を有し、前記第1および第2の厚さまで平坦化される能力を有する材料を含み、前記第1および第2の厚さの各々は、前記第1および第2の全高間に実質的な同一平面性を達成するために要求される最小厚である、請求項8に記載のアセンブリ。
前記第1および第2の熱スプレッダ材料の各々は、ウエハグレードシリコン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、および金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のアセンブリ。
前記第1および第2の熱スプレッダ材料の前記第1および第2の厚さの各々は、前記それぞれの熱スプレッダ材料、それぞれの対応する半導体デバイス、および基板間の熱間隙を2ミル未満まで最小化するように構築および配列されている、請求項8に記載のアセンブリ。
前記第1の半導体デバイスの前記第2の表面は、xおよびy方向において第1の形状を有し、前記第1の熱スプレッダ材料の対応する第1の部分の寸法は、(a)前記第1の形状に実質的に一致するように、または(b)所定の熱補償効果を前記第1の半導体デバイスに提供するように選択される形状を有するように選択される、請求項8に記載のアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
当業者が認識するように、多くの異なる技法が、電気構成要素の冷却を提供するために使用され得る。例えば、筐体内の空気の循環は、筐体内に含まれるいくつかのタイプの電気構成要素を冷却するために十分であり得る。いくつかの電気アセンブリはさらに、対流気流に暴露される表面積を増加させる、物理的特徴(例えば、冷却フィン、冷却マニホールド)を含むか、または空気を循環させるためのファンを提供し、さらに冷却を提供する。しかしながら、この空冷は、高電力回路および/または高密度に充填された回路にとって不十分であり得る。
【0003】
高電力および/または高密度に充填された回路は、電気構成要素の一部または全部をヒートスプレッダ、冷却板、冷却マニホールド、放熱器、蒸発器、または他のタイプの放熱板等の放熱部材に搭載すること等による追加の放熱を必要とし得る。放熱部材は、例えば、高熱伝導性を有する1つ以上の材料(例えば、銅およびアルミニウム等の金属)を使用して作製されることができる。放熱部材は、放熱部材と、伝導および対流を介して熱を周囲空気または液体に伝達するように設計された構造との間の接触を介して、熱を電気デバイスから、環境中に伝導させることが可能である。いくつかの事例では、一連の放熱部材が、冷却を提供するために一緒に作用することができる。
【0004】
位相配列アンテナ等のデバイスのために十分な冷却を提供することは、課題を呈し得る。当技術分野において公知のように、位相配列アンテナは、既知の距離だけ互から離間された複数のアンテナ要素を含む。アンテナ要素の各々は、典型的には、複数の移相器回路、増幅器回路、および/または他の回路を通して、送信機または受信機の一方あるいは両方に連結される。ある場合には、移相器、増幅器回路、および他の回路(例えば、ミキサ回路)が、いわゆる伝送/受信(T/R)モジュール内に提供され、送信機および/または受信機の一部と見なされる。
【0005】
移相器、増幅器、および他の無線周波数(RF)回路(例えば、T/Rモジュール)は、多くの場合、外部電力供給源(例えば、DC電力供給源)によって給電される。そのような回路は、「能動回路」または「能動構成要素」と称される。故に、能動回路を含む、位相配列アンテナは、多くの場合、「能動位相アレイ」と称される。能動回路は、熱の形態で電力を放散させる。したがって、能動回路が所望の温度範囲内で動作するように、能動位相アレイを冷却する必要がある。
【0006】
比較的に少ない電力(例えば、約2ワット(W)未満の平均RF電力)を使用する、T/Rチャネルを有する能動位相アレイでは、個々のフィン付放熱板(または、「放熱板」)が、時として、チャネル内の各能動回路に取り付けられる。すなわち、各能動回路は、そこに取り付けられた個々の放熱板を有する。本アプローチは、能動位相アレイのための冷却要件を満たし得るが、熱管理に対する本アプローチは、冷却気流内の温度上昇が、アレイを横断する温度の過剰変動をもたらし得、これは、性能に負の影響を及ぼすであろうため、比較的に低電力密度の能動位相アレイに限定される。
【0007】
T/Rチャネルあたりの比較的に高電力用途、特に、高密度のコンピュータプロセッサ(例えば、10フィートの直径アセンブリ内のインチ毎の中央処理ユニット(CPU)チップ)を伴う用途では、多くの場合、液体冷却アプローチを使用して、そのような能動回路をその正常動作温度範囲内に維持することが必要である。液体冷却アプローチは、電子機器をこれらの液体冷却された冷却板に締め付けることによって達成される。熱発生デバイス(例えば、能動回路)と放熱板デバイスとの間の機械的/熱的界面は、少なくとも部分的に、放熱板デバイスの冷却効果を決定する。
【0008】
能動位相アレイを含む、いくつかのRFシステムは、いわゆるフリップチップ搭載回路を利用する。フリップチップ、特に、パネルアレイ等の構成におけるものから熱を除去することは、困難であり得る。種々の技法が、冷却を提供するために使用されており、有利には、使用される方法は、各チップの厚さ(および、チップのタイプ)と冷却を提供する放熱板との間の累積公差を補償し、また、回路カードアセンブリ(フリップチップを含む)と冷却板との間の熱膨張係数(CTE)不整合を補償するのに役立つ、冷却解決策を提供する。フリップチップから熱を除去するために一般に使用される技法は、フリップチップの露出表面と放熱板の表面との間に、コンプライアンス性のエポキシまたは熱間隙パッド(また、熱マットとも称される)等のエラストマー材料を配置する。熱間隙パッドは、その中に、熱伝導性材料、例えば、シリコーンまたはエラストマー材料等を伴う、軟質のゴム片に類似する。
【0009】
熱間隙パッドを使用する構成の例証的実施例は、
図1に示される。
図1は、複数のフリップチップ14A−14Dが複数のはんだボール16を介して取り付けられる、ドーターカード12(例えば、基板)を含む、従来技術アセンブリ10の実施例を示す。本実施例では、熱間隙パッド18である、熱界面材料(TIM)18と、冷却マニホールド20は、チップ14A−14Dに対して圧縮される。典型的には、熱間隙パッド18は、概して、他のタイプの材料ほど高熱伝導性ではない、ポリマー材料から作製される。
図1の熱間隙パッド18の例証的寸法(すなわち、40ミル)は、そのような熱間隙パッド18が、それが囲むデバイスと比較して、比較的に厚いことを示す。冷却マニホールドおよび熱間隙パッド18が、チップ14に対して圧縮されると、熱間隙パッド18は、チップ14の周囲に形成され、熱伝導性経路を生成する。
【0010】
図1のアセンブリ10の熱伝導性経路は、概して、はんだボール16に隣接するフリップチップ14の側から、チップを上方に通って、熱間隙パッド18を通して、冷却マニホールド20まで(および、それを通して)延びる。熱伝導性経路の最大成分は、わずか約1〜3ワット/メートル/ケルビンの熱伝導性を伴う、熱間隙パッド18である。この熱性能は、いくつかの用途において、非常に限定的であり得、フリップチップ14がその一部である任意のモジュールの熱性能ならびにそのようなモジュールと使用され得る電力の量を制限する。
【0011】
図1の従来技術構成では、間隙パッド18は、圧縮および剪断にコンプライアンス性があり、フリップチップ14、回路基板12、および放熱板/冷却マニホールド20間の熱膨張係数(CTE)不整合、ならびにフリップチップ回路14が搭載される回路基板12と放熱板/冷却マニホールド20との間の振動による、チップ間および面内移動からの同一平面性公差を補償する必要がある。間隙パッド技法は、低バルク熱伝導性を有する、熱経路をもたらし得る。さらに、間隙パッドアプローチは、間隙パッドの各表面上に熱接合点(すなわち、間隙パッド18とチップ14との間に1つの熱接合点、および間隙パッド14と放熱板/冷却マニホールド12との間の1つの熱接合点)をもたらす。そのような熱接合点は、放熱板が、直接、フリップチップに搭載される場合、存在しないであろう。さらに、これらの接合点における熱抵抗は、放熱板が、直接、フリップチップに搭載された場合に生じるであろう熱抵抗と比較して、比較的に高い。
【0012】
図1の従来技術アセンブリ10の熱間隙パッド18の使用に関する別の課題は、空隙を最小限および/または低減させるように、熱間隙パッド18をフリップチップ14の周囲に形成するために要求される、有意な圧縮/締め付け力が存在し得ることである。このような大きな力は、フリップチップ14に損傷をもたらし得る。実装が、例えば、熱間隙パッドを使用する場合(従来技術において行なわれるように)、冷却マニホールドへの熱伝導性経路は、不良となり得、モジュールの熱性能ならびにそれとともに使用され得る電力の量を大幅に損なわせ得る。
【0013】
熱間隙パッド18の使用に関するさらなる課題は、熱間隙パッド18の圧縮が、放熱部材と熱発生デバイスとの間の表面間の間隙のばらつきを補償しようとすることである。したがって、熱界面における異なる厚さが、存在する。すなわち、放熱板および回路構成要素の平坦性および厚さのばらつきのため、ある回路構成要素(例えば、あるチップ)に位置する間隙パッド部分は、典型的には、別の回路構成要素に位置する間隙パッド部分と異なる厚さに圧縮される。これは、例えば、
図1に見られ得、熱間隙パッド18は、より高いフリップチップ14Aの上でより多く圧縮されるが、最も低いフリップチップ14Dの上ではほとんど圧縮されない。そのような厚さのばらつきの結果、フリップチップ14A−14Dにおける接合点温度は、場所毎に変動する。そのような厚さのばらつきは、能動回路のアレイにわたって、温度勾配をもたらし得る。能動回路14および間隙パッド18が、位相配列アンテナの一部として使用されるとき、位相配列アンテナは、温度勾配を有し、そのような温度勾配は、位相配列アンテナの性能に悪影響を及ぼす。位相配列アンテナが、レーダシステム(例えば、位相配列レーダシステム)の一部として使用されるとき、アンテナのレーダシステムは、温度勾配が摂氏3度(℃)を超えないように設計されなければならない。この熱勾配を満たすように、中から高電力密度のアンテナを設定することは、位相配列レーダ内で解決するには困難な問題である。
【0014】
フリップチップを冷却する別の方法は、熱伝導性エポキシをフリップチップに適用し、ヒートスプレッダ(典型的には、アルミニウムまたは銅の層)を熱伝導性エポキシに取り付けることを伴い、ヒートスプレッダは、次いで、冷却マニホールドまたは液体冷却された冷却板に連結される。しかしながら、異なる厚さの複数のフリップチップを含むパッケージ、および/または一貫した温度がデバイス毎に達成されることを要求する無線周波数(RF)RF MMICを含み得るパッケージの場合、これらのデバイス(RF MMIC)の機械的公差は、冷却要件を満たす熱伝導性エポキシに問題となる、熱間隙をもたらす。加えて、これらのマルチチャネルフリップチップベースのデバイスは、その放熱板側の反対側(すなわち、フリップチップの上部側)に電気界面を有し得る。その結果、フリップチップが取り付けられる各プリント配線板(PWB)の厚さおよびPWBと関連付けられた比較的に大きな公差が、追加の熱管理問題を呈し得、かつ約+/−0.013’’(インチ)の総累積公差をもたらし得、これは、容認不可能なほど厚いエポキシベースの熱界面を要求するであろう。
【0015】
フリップチップのために冷却を提供するためのさらに別の提案される方法は、はんだ等の高い熱伝導性の相変化化合物を通したものであり、熱スプレッダ/冷却板は、直接、フリップチップの裏面(すなわち、上部表面)にはんだ付けされ、次いで、2つは、良好な熱結合を達成するために一緒に締め付けられる。しかしながら、この方法は、「背面」の1つ以上のフリップチップがある電位における場合、限界を有する。この方法のこの事例用途では、短絡回路をもたらすであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、熱管理のための技法が、高熱性能をもたらし、ひいては、従来技術に勝る性能改良(改良された信頼性、放射電力の増加)をもたらす、単純製造プロセスを使用して、熱伝導性を向上させるように、熱間隙を最小限にすることができる場合、有利である。例えば、
図1の従来技術構成は、熱伝導性約1〜2ワット/メートル/ケルビン(W/m/°K)をもたらす。対照的に、本明細書の本発明の実施形態に従って説明される技法は、熱伝導性約20〜40W/m/°K以上を提供することができる。
【0017】
本明細書に説明されるように、本発明は、フリップチップMMICパッケージングアセンブリ内の熱間隙を最小限にするためのいくつかの技法および装置を提供する。
【0018】
一側面では、本発明は、半導体回路のための放熱構造を形成する方法を提供する。第1および第2の半導体集積回路(IC)チップが、提供され、第1および第2の半導体チップの各々は、第1および第2の対向する側を有し、第1および第2の半導体ICチップは、それらのそれぞれの第1の側に沿って、実質的に平面の回路基板の上部表面に固定して取り付けられるように構成される。第1および第2の半導体ICチップの各々のそれぞれの第2の対向する側は、犠牲熱スプレッダ材料の第1および第2のそれぞれの部分に連結され、犠牲熱スプレッダ材料は、熱伝導性の材料を含む。犠牲熱スプレッダ材料の第1および第2の部分は、第1の半導体チップのその第1の高さおよび第2の半導体チップのその第2の高さを実質的に等しくするように平坦化される。
【0019】
さらなる実施形態では、本方法は、それらのそれぞれの第1の側に沿って、第1および第2の半導体ICチップを実質的に平面の回路基板の上部表面に固定して取り付けることを含む。なおもさらなる実施形態では、第1および第2の半導体ICチップは、平坦化することに先立って、回路基板に連結される。別の実施形態では、各それぞれの第1および第2の半導体チップにわたって、各それぞれの第1および第2の高さは、回路基板の上部表面から、犠牲熱スプレッダ材料のそれぞれの平坦化された第1の部分および平坦化された第2の部分の上部まで測定され、第1の高さは、第2の高さと実質的に同一平面である。
【0020】
なおもさらなる実施形態では、本方法は、実質的に平坦である熱伝導性の第1の放熱部材を犠牲熱スプレッダ材料の平坦化された第1の部分および犠牲熱スプレッダ材料の平坦化された第2の部分の上部に熱的に連結することを含む。なおもさらなる実施形態では、第1および第2の高さは、犠牲熱材料の適用に先立って、異なる。なおも別の実施形態では、犠牲熱スプレッダ材料は、ウエハグレードシリコン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、およびガリウムヒ素のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
別の側面では、本発明は、半導体集積回路(IC)チップのアセンブリを含み、アセンブリは、基板と、第1および第2の半導体集積回路(IC)チップと、熱スプレッダ材料の第1および第2の部分とを備えている。基板は、上部表面を有する。第1の半導体ICチップは、対応する第1および第2の対向する表面を有し、第1の半導体ICチップの第1の表面の少なくとも一部は、基板の上部表面に連結され、第1の半導体チップは、第1の高さを有する。第2の半導体ICチップは、対応する第1および第2の対向する表面を有し、第2の半導体ICチップの第1の表面の少なくとも一部は、基板の上部表面に連結され、第2の半導体チップは、第1の高さと異なる第2の高さを有する。第1の熱スプレッダ材料の第1の部分は、第1の半導体ICチップの第2の表面に連結され、第1の部分は、第1の厚さを有し、第1の高さと第1の厚さとの組み合わせは、第1の全高をもたらす。第2の熱スプレッダ材料の第2の部分は、第2の半導体ICチップの第2の表面に連結され、第2の部分は、第2の厚さを有し、第2の高さと第2の厚さとの組み合わせは、第2の全高をもたらし、第2の全高は、第1の全高および第2の全高が、実質的に同一平面であるように、第1の全高と実質的に同一である。
【0022】
さらなる実施形態では、第1の全高および第2の全高は、+/−0.5ミル〜+/−1ミル内で実質的に同一平面である。なおもさらなる実施形態では、第1および第2の熱スプレッダ材料の各々は、第1および第2の半導体チップから少なくとも10ワット/メートル/ケルビン(W/m/°K)の所定の冷却の冷却を達成するために十分に高い熱伝導性を有し、第1および第2の厚さまで平坦化される能力を有する材料を含み、第1および第2の厚さの各々は、第1および第2の半導体ICチップ間に実質的な同一平面性を達成するために要求される最小厚である。さらなる実施形態では、第1および第2の熱スプレッダ材料の各々は、ウエハグレードシリコン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、および金属のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
なおもさらなる実施形態では、第1および第2の熱スプレッダ材料の第1および第2の厚さの各々は、それぞれの熱スプレッダ材料、対応する半導体ICチップ、および基板間の熱間隙を2ミルまで最小限にするように構築および配列される。別の実施形態では、第1の半導体ICチップの第2の表面は、xおよびy平面において、第1の形状を有し、第1の熱スプレッダ材料の対応する第1の部分のxおよびy寸法は、(a)第1の形状に実質的に一致するように、または(b)所定の熱補償効果を第1の半導体ICチップに提供するように選択される形状を有するように選択される。
【0024】
なおもさらなる実施形態では、第1および第2の熱スプレッダ材料のうちの少なくとも1つは、電気伝導性材料を含む。さらなる実施形態では、第1および第2の熱スプレッダ材料は、実質的に同一の材料を含む。別の実施形態では、第1および第2の熱スプレッダ材料は、実質的に異なる材料を含む。
【0025】
別の側面では、本発明は、複数の半導体集積回路(IC)サブアセンブリを冷却するためのシステムを提供し、本システムは、放熱部材および複数のサブアセンブリを備えている、少なくとも1つのアセンブリを備えている。放熱部材は、上側表面および実質的に平面の下側表面を有し、複数のサブアセンブリは、放熱部材の下側表面に連結される。複数のサブアセンブリのうちの少なくとも2つは、互と同一平面の上側表面を有し、少なくとも2つのサブアセンブリの各それぞれのサブアセンブリは、サブアセンブリ基板と、第1および第2の半導体集積回路(IC)チップと、それぞれの第1および第2の熱スプレッダ材料の第1および第2の部分とを備えている。
【0026】
サブアセンブリ基板は、上部表面を有する。第1の半導体ICチップは、対応する第1および第2の対向する表面を有し、第1の半導体ICチップの第1の表面の少なくとも一部は、サブアセンブリ基板の上部表面に連結され、第1の半導体チップは、第1の高さを有する。第2の半導体ICチップは、対応する第1および第2の対向する表面を有し、第2の半導体ICチップの第1の表面の少なくとも一部は、サブアセンブリ基板の上部表面に連結され、第2の半導体チップは、第2の高さを有し、第2の高さは、第1の高さと異なる。第1の熱スプレッダ材料の第1の部分は、第1の半導体ICチップの第2の表面に連結され、第1の部分は、第1の厚さを有し、第1の高さと第1の厚さとの組み合わせは、第1の全高をもたらす。第2の熱スプレッダ材料の第2の部分は、第2の半導体ICチップの第2の表面に連結され、第2の部分は、第2の厚さを有し、第2の高さと第2の厚さとの組み合わせは、第2の全高をもたらし、第2の全高は、第1の全高および第2の全高が、実質的に同一平面であるように、第1の全高と実質的に同一である。
【0027】
さらなる実施形態では、各サブアセンブリは、他のそれぞれのドーターカードアセンブリの上側表面と実質的に同一平面の上側表面と、少なくとも複数のドーターカードアセンブリが全て、マザーボードに連結されるように、マザーボードに動作可能に連結されている対応する下側表面とを有するドーターカードアセンブリを備えている。さらなる実施形態では、本システムは、複数のアセンブリを備え、各アセンブリは、第1および第2の対向する表面を有し、複数のアセンブリの少なくとも一部は全て、それらのそれぞれの第1の表面に沿って、放熱部材に動作可能に連結される。
【0028】
本発明の本および他の実施形態に関する詳細は、本明細書により完全に説明される。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
(項目1)
半導体回路のための放熱構造を形成する方法であって、前記方法は、
第1および第2の半導体集積回路(IC)チップを提供することであって、前記第1および第2の半導体チップの各々は、第1および第2の対向する側を有し、前記第1および第2の半導体ICチップは、それらのそれぞれの第1の側に沿って、実質的に平面の回路基板の上部表面に固定して取り付けられるように構成されている、ことと、
前記第1および第2の半導体ICチップの各々のそれぞれの前記第2の対向する側を犠牲熱スプレッダ材料の第1および第2のそれぞれの部分に連結することであって、前記犠牲熱スプレッダ材料は、熱伝導性の材料を含む、ことと、
前記犠牲熱スプレッダ材料の第1および第2の部分を平坦化し、前記第1の半導体チップのその第1の高さおよび前記第2の半導体チップのその第2の高さを実質的に等しくすることと
を含む、方法。
(項目2)
それらのそれぞれの第1の側に沿って、前記第1および第2の半導体ICチップを実質的に平面の回路基板の上部表面に固定して取り付けることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1および第2の半導体ICチップは、平坦化することに先立って、前記回路基板に連結される、項目2に記載の方法。
(項目4)
各それぞれの第1および第2の半導体チップにわたり、各それぞれの第1および第2の高さは、前記回路基板の上部表面から、犠牲熱スプレッダ材料の前記それぞれの平坦化された第1の部分および平坦化された第2の部分の上部まで測定され、前記第1の高さは、前記第2の高さと実質的に同一平面である、項目2に記載の方法。
(項目5)
実質的に平面の熱伝導性の第1の放熱部材を犠牲熱スプレッダ材料の前記平坦化された第1の部分および犠牲熱スプレッダ材料の前記平坦化された第2の部分の上部に熱的に連結することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第1および第2の高さは、前記犠牲熱材料の適用に先立って、異なる、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記犠牲熱スプレッダ材料は、ウエハグレードシリコン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、およびガリウムヒ素のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記平坦化することは、ウエハ薄化プロセスを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
半導体集積回路(IC)チップのアセンブリであって、前記アセンブリは、
上部表面を有する基板と、
対応する第1および第2の対向する表面を有する第1の半導体ICチップであって、前記第1の半導体ICチップの前記第1の表面の少なくとも一部は、前記基板の前記上部表面に連結され、前記第1の半導体チップは、第1の高さを有する、第1の半導体ICチップと、
対応する第1および第2の対向する表面を有する第2の半導体ICチップであって、前記第2の半導体ICチップの前記第1の表面の少なくとも一部は、前記基板の前記上部表面に連結され、前記第2の半導体チップは、前記第1の高さと異なる第2の高さを有する、第2の半導体ICチップと、
前記第1の半導体ICチップの前記第2の表面に連結されている、第1の熱スプレッダ材料の第1の部分であって、前記第1の部分は、第1の厚さを有し、前記第1の高さと前記第1の厚さとの組み合わせは、第1の全高をもたらす、第1の熱スプレッダ材料の第1の部分と、
前記第2の半導体ICチップの前記第2の表面に連結されている、第2の熱スプレッダ材料の第2の部分であって、前記第2の部分は、第2の厚さを有し、前記第2の高さと前記第2の厚さとの組み合わせは、第2の全高をもたらし、前記第2の全高は、前記第1の全高と実質的に同一であり、前記第1の全高と前記第2の全高とは、実質的に同一平面である、第2の熱スプレッダ材料の第2の部分と
を備えている、アセンブリ。
(項目10)
前記第1の全高と前記第2の全高とは、+/−0.5ミル〜+/−1ミル内で実質的に同一平面である、項目9に記載のアセンブリ。
(項目11)
前記第1および第2の熱スプレッダ材料の各々は、前記第1および第2の半導体チップから少なくとも10ワット/メートル/ケルビン(W/m/°K)の所定の冷却の冷却を達成するために十分に高い熱伝導性を有し、前記第1および第2の厚さまで平坦化される能力を有する材料を含み、前記第1および第2の厚さの各々は、前記第1および第2の半導体ICチップ間に実質的な同一平面性を達成するために要求される最小厚である、項目9に記載のアセンブリ。
(項目12)
前記第1および第2の熱スプレッダ材料の各々は、ウエハグレードシリコン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、および金属のうちの少なくとも1つを含む、項目9に記載のアセンブリ。
(項目13)
前記第1および第2の熱スプレッダ材料の前記第1および第2の厚さの各々は、前記それぞれの熱スプレッダ材料、対応する半導体ICチップ、および基板間の熱間隙を2ミル未満まで最小化するように構築および配列されている、項目9に記載のアセンブリ。
(項目14)
前記第1の半導体ICチップの前記第2の表面は、xおよびy方向において第1の形状を有し、前記第1の熱スプレッダ材料の対応する第1の部分の寸法は、(a)前記第1の形状に実質的に一致するように、または(b)所定の熱補償効果を前記第1の半導体ICチップに提供するように選択される形状を有するように選択される、項目9に記載のアセンブリ。
(項目15)
前記第1および第2の熱スプレッダ材料のうちの少なくとも1つは、電気伝導性材料を含む、項目9に記載のアセンブリ。
(項目16)
前記第1および第2の熱スプレッダ材料は、実質的に同一の材料を含む、項目9に記載のアセンブリ。
(項目17)
前記第1および第2の熱スプレッダ材料は、実質的に異なる材料を含む、項目9に記載のアセンブリ。
(項目18)
複数の半導体集積回路(IC)サブアセンブリを冷却するためのシステムであって、前記システムは、少なくとも1つのアセンブリを備え、
前記少なくとも1つのアセンブリは、
放熱部材であって、前記放熱部材は、上側表面および実質的に平面の下側表面を有する、放熱部材と、
前記放熱部材の下側表面に連結されている複数のサブアセンブリであって、前記複数のサブアセンブリのうちの少なくとも2つは、互と同一平面である上側表面を有し、前記少なくとも2つのサブアセンブリの各それぞれのサブアセンブリは、
上部表面を有するサブアセンブリ基板と、
対応する第1および第2の対向する表面を有する第1の半導体ICチップであって、前記第1の半導体ICチップの前記第1の表面の少なくとも一部は、前記サブアセンブリ基板の前記上部表面に連結され、前記第1の半導体チップは、第1の高さを有する、第1の半導体ICチップと、
対応する第1および第2の対向する表面を有する第2の半導体ICチップであって、前記第2の半導体ICチップの前記第1の表面の少なくとも一部は、前記サブアセンブリ基板の前記上部表面に連結され、前記第2の半導体チップは、第2の高さを有し、前記第2の高さは、前記第1の高さと異なる、第2の半導体ICチップと、
前記第1の半導体ICチップの前記第2の表面に連結されている、第1の熱スプレッダ材料の第1の部分であって、前記第1の部分は、第1の厚さを有し、前記第1の高さと前記第1の厚さとの組み合わせは、第1の全高をもたらす、第1の熱スプレッダ材料の第1の部分と、
前記第2の半導体ICチップの前記第2の表面に連結されている、第2の熱スプレッダ材料の第2の部分であって、前記第2の部分は、第2の厚さを有し、前記第2の高さと前記第2の厚さとの組み合わせは、第2の全高をもたらし、前記第2の全高は、前記第1の全高と実質的に同一であり、前記第1の全高と前記第2の全高とは、実質的に同一平面である、第2の熱スプレッダ材料の第2の部分と
を備えている、複数のサブアセンブリと
を備えている、システム。
(項目19)
各サブアセンブリは、他のそれぞれのドーターカードアセンブリの上側表面と実質的に同一平面の上側表面と、少なくとも複数の前記ドーターカードアセンブリが全て、前記マザーボードに連結されるように、マザーボードに動作可能に連結されている対応する下側表面とを有するドーターカードアセンブリを備えている、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記システムは、複数のアセンブリを備え、各アセンブリは、第1および第2の対向する表面を有し、前記複数のアセンブリの少なくとも一部は全て、それらのそれぞれの第1の表面に沿って、放熱部材に動作可能に連結されている、項目19に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に開示される種々の実施形態または複数の実施形態に加え、本発明は、他の実施形態も可能性であり、種々の方法で実践または実施可能である。例えば、本発明は、熱を発生させ、この熱を1つの実質的に平面の放熱板に伝導させる複数の平面表面を有する構成要素を有する、事実上、任意の電気デバイスに適用可能であり、したがって、フリップチップ、MMIC、または能動電子走査アレイ(AESA)(また、位相アレイとしても知られる)アセンブリに限定されない。本明細書に説明される本発明の実施形態のうちの少なくともいくつかは、液体および/またはファン冷却の使用が非実践的または不可能である、1つ以上のCPUチップを有する、モバイルコンピューティングデバイス等のデバイスに可用性を有する。本発明の種々の実施形態として、1つの実質的に平面の放熱板等に係合する複数のフリップチップを特徴とする、集積マイクロ電子機器モジュールが挙げられる(同様に限定ではないが)。
【0032】
有利には、本明細書に説明される本発明の実施形態は、実質的に平面の表面を有する複数の熱発生構成要素を有する、事実上、任意の電気デバイスのための放熱を改善するのに役立てるために使用されることができ、さらに、放熱を改善することによって、本明細書に説明される本発明の実施形態は、事実上、任意の放熱構成要素の動作温度を降下させ、効果的に、その構成要素の寿命を延長させるのに役立てることができる。例えば、本明細書に説明される実施形態の試験の際、本発明者らは、本明細書に説明される本発明の犠牲熱スプレッダ装置および方法の使用から生じる、改良された熱性能が、最大摂氏10度(℃)まで低減され、動作寿命をそのようなデバイスに追加することにおいて、有意な改良を有し得る、デバイスの動作温度をもたらすことを見出した。したがって、本発明は、その用途において、以下の説明に記載される、または図面に図示される、構成要素の構造および配列の詳細に限定されないことを理解されたい。
【0033】
本明細書に説明される熱界面の少なくともいくつかの実施形態は、所与の回路基板上の少なくとも1つの部分(例えば、多くのセルのうちの1つであり得る、単一「セル」)上、有利には、所与の回路基板の全ての部分、すなわち、全ての放熱デバイス上で行なわれることにより、「能動パネルアレイ」アンテナの一部である、回路基板等のより高次の電子アセンブリの各放熱デバイスにそれを適用することによって、全累積公差を除去するように説明されるが、これは、限定として見なさるべきではない。本明細書に説明される熱界面および概念はまた、他の熱発生デバイスとともに使用され得、能動パネルアレイアンテナとの併用に限定されないことを理解されたい。むしろ、熱界面および概念は、任意のタイプの放熱部材(例えば、放熱板、冷却マニホールド等)を利用する、任意のマルチチップ回路とともに使用されることができる。特に、本明細書に説明される熱界面構造、方法、および概念は、熱発生構造および放熱板の機械的または他の公差が、その間に低熱抵抗を有する界面構造の使用を助長する、任意の用途において使用されることができる。
【0034】
本明細書に説明される「パネルアレイアンテナ」(または、「パネルアレイ」またはより単純に単「パネル」)は、1つの高度集積PWB内に、アンテナ要素のアレイ(または、より単純に「放射要素」または「放射器」)、ならびにRF、論理、およびDC分配回路を含む、多層プリント配線板(PWB)を指す。パネルはまた、時として、本明細書では、タイルアレイ(または、より単純に、「タイル」)とも称される。パネルアレイアンテナは、単一パネルまたは複数のパネルから提供され得る。アレイアンテナが、複数のパネルから提供される場合、複数のパネルのうちの単一の1つは、時として、本明細書では、「パネルサブアレイ」(または、「タイルサブアレイ」)と称される。
【0035】
本明細書に説明されるアセンブリに対する放熱板界面(例えば、本明細書にさらに説明される第2の放熱部材20(例えば、冷却マニホールド20))は、単一パネル、複数のパネルを覆って、または1つ以上の部分を覆って配置され得る。したがって、放熱板界面は、それが使用されている特定の用途の必要性に従って選択されるサイズおよび形状を有するように提供され得る。
【0036】
したがって、本明細書に提供される説明は、実質的に正方形または長方形形状を有するアレイアンテナの一部である、サブアセンブリの文脈において、熱界面および関連概念を説明するが、当業者は、本概念は、他のサイズおよび形状のアンテナまたは種々の異なるサイズおよび形状を有する他の回路にも等しく適用されることを理解するであろう。特に、本明細書に説明される本発明の実施形態は、本明細書に説明されるフリップチップ回路に加え、他のタイプのチップおよび回路にも可用性を有する。本明細書に説明される本発明の実施形態は、改良された放熱が望ましい、任意の回路または構成に可用性を有することが想定される。
【0037】
本明細書に説明される熱界面の少なくともいくつかの実施形態の用途として、艦載、空挺、ミサイル、および衛星用途を含む、種々の用途のためのレーダ、電子戦(EW)、および通信システムが挙げられるが、それらに限定されない。したがって、本明細書に説明される熱界面は、レーダシステムまたは通信システムの一部として使用されることができることを理解されたい。また、本明細書にさらに説明されるように、本発明の少なくともいくつかの実施形態は、限定されないが、商業用、軍事用、空挺、海上輸送、通信、無人機(UAV)、および/または商業用無線用途に適用可能である。
【0038】
本明細書に説明されるサブアセンブリは、また、内蔵サーキュレータ、スロット連結された偏波エッグクレート放射器、単一統合モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)、および受動無線周波数(RF)回路アーキテクチャが挙げられるが、それらに限定されない、要素を利用する、パネルの一部であることができる。例えば、本明細書にさらに説明されるように、以下の本発明の譲受人に譲渡された米国特許および特許刊行物に説明される技術は、本明細書に説明されるパネル(タイルサブアレイとしても知られる)の少なくともいくつかの実施形態において、全体的あるいは部分的に使用される、および/またはそれらとともに使用されるように適合されることができる:米国特許第6,611,180号、名称“Embedded Planar Circulator”;米国特許第6,624,787号、名称”Slot Coupled, Polarized,Egg−Crate Radiator”;米国特許第6,731,189号、名称“Multilayer stripline radio frequency circuits and interconnection methods;”米国特許第7,859,835号、名称“Method and Apparatus for Thermal Management of a Radio Frequency System”;米国特許第7,742,307号、名称“High Performance Power Device”;米国出願第12/566,818号(2009年9月25日出願、名称“Heat Sink Interface Having Three−Dimensional Tolerance Compensation,”);米国出願第12/580,356号(2009年10月16日出願、名称“Cooling Active Circuits,”);および、米国出願第12/880,350号(2010年9月13日出願、名称“An Assembly to Provide Thermal Cooling,”)。前述の特許および特許出願の各々は、その全体として、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0039】
有利には、本明細書に説明される本発明の実施形態の少なくともいくつかは、放熱デバイスと、異なる高さを有するフリップチップを使用するアセンブリ、または所与のフリップチップの高さがボードに搭載されるアセンブリ内の放熱板との間の熱抵抗を最小限にするのに役立つことが意図される(例えば、フリップチップのそれぞれの高さは、フリップチップが搭載される回路基板のベースから、フリップチップの対向する側まで測定される)。熱間隙を非常に小さく保つことは、熱抵抗を大きく改善する(熱間隙が大きいほど、熱損失が大きい)。1〜3ワット/メートル/ケルビンの従来技術熱伝導性と対照的に、本明細書に説明される本発明の実施形態では、本発明者らは、これらの実施形態が、少なくとも20〜40W/M/K、潜在的に、同様に、40W/M/Kさえ上回る冷却を提供することを見出した。
【0040】
以下にさらに説明されるように、本発明の実施形態は、フリップチップのための冷却アセンブリ内の熱間隙を最小化/橋渡しするための技法および装置を含み、実施形態は、公知のアプローチと比較して、有意に改良された熱性能を提供することができる。例えば、
図1の従来技術熱間隙パッドアプローチと比較して、デバイスの累積公差は、熱間隙パッドが、その性質によって累積公差パッド厚=0.020インチ対累積公差0.0013インチと比較して、比較的に厚くなければならないため、熱間隙パッドの熱抵抗に有意な効果を有する。
図2A−2Fおよび7の例示的実施形態では、良好な熱伝導性を有する材料から作製される、犠牲熱スプレッダ材料が、フリップチップの全てに結合され、この犠牲熱スプレッダ材料は、次いで、全フリップチップの全背面(上部側)にわたって実質的に平坦な平面表面を生成するように、平坦化/ラッピングされ、実質的に平坦表面は、したがって、フリップチップの全てにわたって、回路基板の底部側から実質的に同一の高さにある。本方法は、非常に平面かつ平坦表面および非常に一貫した厚さの全体的アセンブリを生産するため、フリップチップと熱スプレッダとの間の熱間隙範囲は、最小限にされ、対応する平坦熱スプレッダへの合わさりは、非常に近接し、熱間隙を大幅に最小限にし、少なくとも20−40W/m/°Kの冷却を可能にするであろう。
【0041】
図2A−2Fは、本発明の一側面による、犠牲熱スプレッダ材料を使用して熱管理パネルを作製するための一連の製造ステップの断面図であり、
図5は、本発明のこの第2の側面を製造するためのステップを詳述する、流れ図である。
【0042】
ここで、最初に、本発明の一実施形態による、第1の製造ステップ100A(
図5のステップ410に対応する)の断面例証図である、
図2Aを参照する。複数のフリップチップデバイス14A−14Dは、複数のはんだボール16を介して、プリント配線板/カード12(例示目的のためだけに、ドーターカードとして示される)に連結される。
【0043】
回路基板/ドーターカード12は、複数のフリップチップデバイス14A−14Dが搭載される、実質的に平面のプリント回路カードまたはプリント配線板(PWB)である。当技術分野において公知のように、そのようなカード12は、多くの場合、信号搬送層と、接地層と、無線周波数(RF)電力および論理回路等とを含む、複数の層を有する。フリップチップデバイス14A−14Dは、いわゆる「フリップチップ」搭載技法を使用して、カード12の第1の表面12A上の対応するパッドに搭載される。少なくともいくつかの実施形態では、ドーターカード12は、当技術分野において公知のような多層カードであり、層は、例えば、当業者によって理解されるように、内部および外部電気相互接続と、ストリップラインと、導波路と、追加の誘電および/または伝導性層等とを含み得る。加えて、用途に応じて、ドーターカード12全体は、当技術分野において公知のように、保護コーティング(例えば、図面に示されない、ウレタン、シリコーン、アクリル、パリレン等のいわゆる「共形コーティング」)で封入されることができる。加えて、例証
図100Aは、単に、例示目的のために、随意のはんだマスク材料58が、はんだボール16に隣接する(および、それを囲むが、これは、
図2A−2Fに示されない)ことを示す。
【0044】
フリップチップデバイス14A−14Dは、単に、例示目的のために、制御論理回路(CLC)14Aと、低雑音増幅器(LNA)14Bと、ドレイン変調器(DM)14Cと、電力増幅器(PA)14Dとを含むように示される。
図2Aの例証図が示すように、種々のフリップチップデバイス14A−14Dは、異なる高さを有する。フリップチップが、最も高い高さ(例えば、14A)から最も低い高さ(例えば、14D)に配列される、
図2A−2Fに示される、異なる高さを有するフリップチップデバイス14の特定の配列は、例示目的のためだけに提供される。当業者は、フリップチップデバイス14が、事実上、任意の様式(例えば、交互高さ)で配列され得ることを理解するであろう。有利には、フリップチップデバイス14A−14Dは、類似高さを有するフリップチップ14が、実質的に互の近傍に配置されるように、ドーターカード12上に配列されるが、これは、要求されない。また、いくつかの事例では、回路基板のベースからフリップチップの対向する側まで測定される、搭載後のフリップチップの効果的高さは、累積公差におけるいくつかの他のばらつき、例えば、ドーターカード12および/またははんだボール16の高さのいくつかのばらつきが存在する場合、同一の高さを有するフリップチップでも変動し得ることに留意されたい。
【0045】
以下にさらに説明される、本発明の一実施形態によると、「ウエハ薄化」(多くの場合、電子構成要素のためのウエハレベルで使用される)の製造プロセスから適応されるいくつかの技法はさらに、マルチチップ電子アセンブリ要件における異なる本発明の使用に適応される。当業者が認識するように、種々のタイプのデバイス(特に、マイクロ波デバイス)の場合、その接地平面から上部までのデバイスの厚さは、デバイスの性能に影響を及ぼし、薄いほど、より優れている。しかしながら、デバイスの要求される薄型サイズ(例えば、約4ミル)は、製造プロセスのほとんどの際、適切に取り扱うことが困難である。したがって、これらのデバイスの製造は、多くの場合、所望の最終サイズより有意に厚いウエハから開始し(例えば、所望の最終結果としての4ミルと比較して、10ミルから開始する)、生産ステップの多くが完了すると、ビア内への定置、金属化、および接地平面前に、ウエハは、ラッピングプロセスを使用して、例えば、10ミルから4ミルに薄化される。
【0046】
本明細書に説明される実施形態の少なくともいくつかでは、熱伝導性ウエハグレードシリコン材料等のラッピング可能な熱伝導性材料が、「犠牲」熱スプレッダとして、ドーターボード等の回路カードに既に連結されている、フリップチップのそれぞれの上部側(背面側)に適用され、次いで、この追加された犠牲材料の一部が、ドーターボードから平坦化された表面の上部までの結果として生じる高さが、実質的に同一であるように、ラッピング/平坦化プロセスを通して、除去される。従来技術ウエハ薄化プロセスと異なり、実際のフリップチップ自体は、薄化されず、むしろ、熱伝導性およびラッピング可能材料の層が、チップに追加され(チップ自体は、事前に薄化され得る)、次いで、アセンブリ全体にわたって構成要素高さを効果的に「等化」し、平面ヒートスプレッダが適用され得る、実質的に平面の表面をもたらすように、フリップチップの高さに応じて変動し得る、所定の点までラッピングされる。
【0047】
フリップチップが取り付けられた例示的ボードのための
図2Aの「事前」ステップの代替図は、犠牲熱スプレッダ材料の取り付けに先立ったボード上のフリップチップ構成要素の配列を示す、本発明の第2の実施形態による、デバイストポロジの第1の例示的
図500である、
図6に示される。
図6が図示するように、フリップチップ構成要素14E、14F、および14Gの各々は、平坦化に先立って、異なる高さを有する。
【0048】
図2Bは、本発明の一実施形態による、第2の製造ステップ100B(
図5のステップ420に対応する)の断面例証図である。この製造ステップでは、熱界面材料3(TIM3)60は、各それぞれのフリップチップ14A−14Dの背面側(上部)に適用される。TIM3は、一実施形態では、高熱伝導性を有し、非常に薄い結合線を形成可能である、非電気伝導性エポキシである。一実施形態では、TIM3 60の厚さは、約1ミルである。当然ながら、電気絶縁が要求されない実施形態では、TIM3 60は、電気および熱伝導性の両方である、エポキシを使用して作製されることができる。
【0049】
図2Cは、本発明の第2の実施形態による、第3の製造ステップ100C(
図5のステップ430に対応する)の断面例証図である。
図4Cが図示するように、犠牲熱スプレッダ材料62は、TIM3 60を介して、フリップチップ14の各々に連結される。
図2Cの実施形態では、犠牲熱材料62は、ウエハグレードシリコン材料のいわゆる「チクレット」から形成される。これらの犠牲チクレット62は、ドーターカード12を組み立てるために使用されるものに非常に類似する従来の機器を使用して、持ち上げられ、設置される。すなわち、犠牲チクレット62は、別の構成要素であるかのように処理される。一実施形態では、この犠牲熱スプレッダ材料62は、最大約40ミルの厚さに適用されるが、当然ながら、構成要素高さに応じて、変動し得る。
図2Cに示されるように、シリコンチクレット62の少なくとも一部は、有利には、それが設置される構成要素とほぼ同一のサイズであるように定寸されるが、本発明は、そのように限定されない。例えば、一実施例では、チクレット62Cは、構成要素14Dより大きく、より多くの熱拡散を提供することによって、電力放散を改善するのに役立つ。加えて、犠牲熱スプレッダチクレット62は、丸みを帯びた形状62Aまたは丸みを帯びていない形状62B等の種々のタイプの形状を有することができるが、これらの例証図は、限定ではない。
【0050】
加えて、少なくとも一実施形態では、それが取り付けられるデバイスまたは構成要素の専有面積または形状と異なる専有面積または形状(すなわち、xおよびy方向に)を有する犠牲熱スプレッダチクレット62を使用することが有利であり、および/またはそのように要求され得る。例えば、一実施形態では、犠牲熱スプレッダチクレット62は、冷却板に連結された複数のユニットセルが存在し、全デバイスが同一の温度にあることを要求する(例えば、「同一の」温度を有するとは、本明細書の他の図示される実施形態のいくつかに説明するものより厳しいレベルまで要求される)用途において使用される。本実施例では、冷却板温度が、流動冷却剤の加熱によって、位置毎に異なる場合、同一の冷却板上の第1の場所/位置における第1のユニットセルの温度を調節し、第2の場所/位置における第2のユニットセルにおいて生じる温度変動を補償することが可能である。例えば、一実施形態では、これは、第1のユニットセルの温度を第2の場所/位置における第2のユニットセル(例えば、最後のユニットセル)の温度と一致させるために、犠牲熱スプレッダ部分をそれが連結されるデバイスの専有面積より小さくする等、構成要素のうちの1つ以上に取り付けられた犠牲熱スプレッダ62のサイズを変動させ、ユニットセルの1つ以上の構成要素を徐々に「より熱く」することによって達成される。したがって、犠牲熱スプレッダ62の形状は、少なくとも一実施形態では、所望の熱補償効果をそれが連結する構成要素に提供するように選択されることができる。この温度調節は、当然ながら、所与の用途の必要性に応じて、2つ以上の構成要素に対して、2つ以上の場所において行なわれることができる。
【0051】
一実施形態では、犠牲熱スプレッダ材料62は、ウエハグレードシリコン(例えば、非ドープシリコン)等の高熱伝導性を有する材料である。他の用途では、当業者によって理解されるように、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、および熱伝導性セラミック材料を含むが、それらに限定されない、良好な熱伝導性を有し、非常に薄い厚さまで形成およびラッピング、平坦化、または研削(以下に説明されるように)可能な他の材料が、使用可能である。加えて、所与の用途の構成が許容する場合、犠牲熱スプレッダチクレット62のうちの1つ以上は、金属等の熱および電気伝導性の両方である、ラッピング可能材料から作製されることができる。
図2Cの実施形態は、犠牲チクレット62が全て、同一の材料から作製されることを図示するが、全ての本発明の実施形態において、全チクレットが同一の材料から作製されることは、要求されない。例えば、用途に応じて、いくつかの実施形態では、犠牲チクレット62の一部は、電気および熱伝導性の両方である材料から形成され、チクレットの残りの部分は、熱伝導性であるが、電気伝導性ではない材料から形成される。しかしながら、
図2A−2Fの実施形態では、犠牲熱スプレッダ62は、電気構成要素14のうちの少なくとも1つの背面側が、「熱く」(すなわち、電気的に活性)、したがって、電気伝導性材料を使用することが可能ではないため、電気伝導性ではない。また、犠牲熱チクレット62の全てが、同一のタイプの熱伝導性材料から作製されることが要求されるわけではなく、また、同一の形状を有することが要求されるわけではないことに留意されたい。当業者が理解するであろうように、要求される熱伝導性、電気伝導性が要求されるかどうか、所与の構成要素14の電力密度、および使用される冷却システムに応じて、異なる犠牲熱スプレッダ62材料の混合が存在することもできる。
【0052】
ここで、本発明の一実施形態による、第5の製造ステップの断面例証
図100Dである、
図2Dと、また、
図5のステップ430とを参照する。犠牲熱スプレッダ材料62が、フリップチップデバイス14に適用されると、平坦化プロセス(また、当技術分野では、ラッピングプロセスとしても知られる)は、犠牲熱スプレッダ材料62の最上表面を、全フリップチップデバイス14の上部が実質的に同一平面であるように、各フリップチップデバイス14において、カード12から実質的に均一高さを有する、実質的に平面かつ平坦な表面に形成するために行なわれる。この平坦化プロセスのために使用される機器は、当技術分野において公知のように、実際のフリップチップウエハの製造の際(すなわち、フリップチップの製造の際、集積回路内に作製される前に)、ウエハレベルで行なわれる前述のウエハ薄化プロセスのために使用されるものと異なる。典型的には、ラッピングプロセスは、10分以下かかり得る。しかしながら、本プロセスは、従来技術と異なる。なぜなら、従来技術プロセスにおいては、ウエハ自体が、既に「厚く」、所与のプロセスを介して薄化され、ウエハ薄化を促進するために、どんな材料も、既に完成したウエハに物理的に連結されないからである。
【0053】
対照的に、
図2A−2Fおよび5の実施形態による、本明細書に説明され、図示される技法では、開始点は、1つ以上の公知のウエハ薄化プロセスを介して、各チップ上で所定の高さまで薄化されるのに適したウエハ状のウエハグレード材料の「厚い」部分を効果的に生成するように、ウエハグレード材料が連結された(TIM3 60を介して)、既に製造されたフリップチップ集積回路14であり、本薄化された部分は、高熱伝導性(実際、フリップチップ14自体と同様または同一の熱伝導性)を有する。
【0054】
種々の異なる技法が、本発明に従って、当技術分野において公知のように、研磨、化学エッチング、化学および機械的エッチングの組み合わせ(例えば、いわゆる化学機械平坦化(CMP)等のウエハ薄化のために使用可能である。そのようなラッピングプロセスは、多くの場合、高度に制御可能である。ウエハ薄化のために当技術分野において公知の例示的方法は、例えば、米国特許第5,127,984号、第6,764,573号、第6,930,023号、および第7,371,664号に説明されており、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。有利には、本発明の少なくとも一実施形態における、平坦化するために使用される方法は、高度に制御可能であり、フリップチップ14毎に+/−0.0005インチ以内の同一平面性を達成可能である。一実施形態では、精密ラッピングプロセスが、この厳重に制御された公差を達成するために示されている。当業者が理解するように、ラッピングプロセスは、基板材料、および平坦化プロセスが生じる所望の速度に応じて、種々のグリットを用いて行なわれることができる。加えて、清浄等のラッピングプロセスの一部である、他のステップも、当業者に周知であり、ここでは図示されない。
【0055】
図2Eは、犠牲熱スプレッダ62の平坦化が完了した後の本発明の実施形態の断面例証
図100Eであり、ここでは、各フリップチップ14の高さは全て、A−A線に沿って、+/−0.0005インチ(+/−0.5ミル)以内であることを示す。また、ここで、犠牲熱スプレッダ材料の取り付けおよび平坦化後のボード上のフリップチップ構成要素の配列を示す、本発明の第2の実施形態による、
図6のデバイストポロジの第2の例示的
図600である、
図7を簡単に参照する。この画像が示すように、ここでは、フリップチップデバイス14は全て、約+/−0.0005インチ(0.5ミル)以内の互と実質的に同一平面性を有する。本発明の発明者らは、本発明の少なくともいくつかの実施形態に対して、基板/カード全体およびパネル全体(例えば、1つ以上の基板/カード上の「セル」のアレイ)にわたって、これらの公差内でこの実質的な同一平面性を達成した。本発明の他の実施形態の場合、デバイス間の実質的な同一平面性は、0.5ミル〜2ミルの範囲であることができる。
【0056】
当業者が理解するように、この実質的な同一平面性は、放熱デバイス(例えば、以下にさらに説明される平坦ヒートスプレッダ)が、最小熱間隙(理想的には、1ミル未満)を伴って、各フリップチップデバイス14の上部表面(すなわち、底部)全体と均一に熱接触し、より均一放熱を確実にするのに役立つことを確実にするのに役立つ。
【0057】
加えて、ドーターボード12の底部は、少なくとも一実施形態では、これらのドーターボード12が、次いで、電気信号が伝送され行き来する別のマイクロ波ボード(例えば、RFマザーボード250)に取り付けられるため、厚さ整合のために使用される。これは、例えば、本発明の一実施形態による、RFマザーボード250に連結される
図2Fの複数のドーターカードアセンブリ200を有する、マザーボードアセンブリ252の断面例証図である、
図3に図示される。
図3が図示するように、複数のドーターカードアセンブリ200(すなわち、
図2Fのアセンブリ全体)が、RFマザーボード250ならびにさらなるヒートスプレッダ57および冷却マニホールド20に連結されることができる。複数のドーターカードアセンブリ200が、単一RFマザーボード250に合わせられるので(
図3の例証図は、4つのみを示すが、これは、限定ではない)、各ドーターカードアセンブリ200のプリント配線板の厚さ公差は、熱スプレッダ57の背面側と冷却マニホールド20との間に存在するであろう間隙のサイズに対して重要となる。したがって、プリント配線板(pwb)の底部側を位置合わせすることによって、全ドーターカードを厚さ+/−0.0005インチ(+/−0.5ミル)まで製造することが可能であるが、従来技術方法(例えば、
図1)の累積公差は、累積公差0.013インチ(13ミル)を有する。加えて、
図3のRFマザーボード250は、ドーターカードアセンブリ200の全てが取り付けられる基準平面のように効果的に作用するため、各ドーターカードの厚さが実質的に同じ(所定の容認可能公差以内)であることを確実にすることは、所望の熱性能に重要である。ドーターカードアセンブリ200のうちの1つが、他と大きく異なる厚さを有する場合、ドーターカードアセンブリ200が(または、ドーターカードアセンブリ200の他のものさえ)、冷却マニホールド20と適切な熱接触を行なうことを妨げる場合がある。
【0058】
同様に、
図3の複数のマザーボードアセンブリ252は、
図4に示されるように、より高次のアセンブリ260に組み立てられることができ、
図4は、本発明の一実施形態による、冷却マニホールド20に連結される
図3の複数のマザーボードアセンブリ252を有する、システム−レベルアセンブリの断面例証図である。
【0059】
再び、
図2Fおよび5を参照しながら、ここで、全製造ステップが完了した後の本発明の一実施形態の断面例証
図200である、
図56のステップ450−480および
図2Fを参照する。平坦化が完了後、TIM1材料52の薄層(例えば、約0.005〜0.0015インチ厚の層)が、犠牲熱スプレッダ材料62の平坦化された表面に適用される(
図5のステップ450)。種々の技法が、当技術分野において公知のように、ステンシル技法、直接堆積等、TIM1 52を適用するために使用されることができる。
【0060】
TIM1材料は、高熱伝導性を有しヒートスプレッダ57をフリップチップ14の平坦化された表面に連結可能である、材料である。本発明の一実施形態による、TIM1のために使用可能な材料として、低熱抵抗および高熱伝導性を有する材料、例えば、当業者が認識するように、Epoxy Technology,Inc.(Billerica,MA)、Creative Materials(Tyngsboro,MA)、Henkel(Dusseldorf,Germany)、および多くのその他等の製造業者から利用可能な熱グリース、熱伝導性エポキシ、相変化化合物、窒化アルミニウム充填エポキシ(AlN)、熱伝導性エポキシ等が挙げられる。有利には、少なくともいくつかの実施形態では、熱伝導性エポキシはまた、所与の用途によって要求される場合、非電気伝導性であるが、当業者は、当然ながら、いくつかの用途の場合、熱および電気伝導性の両方であるエポキシが有利であることを認識するであろう。
【0061】
また、電気伝導性が要求されるか、および/またはそれが問題ではない用途の場合、はんだおよび同様に低熱抵抗を有する他の電気伝導性材料が、TIM1のために使用可能であることを理解されたい。また、フリップチップ14の後側(すなわち、上部側)に適用されるTIM1 52の厚さは、変動し得ることを留意されたい。概して、TIM1 52の厚さは、段付きヒートスプレッダ56の対応する段が、対応するフリップチップ14(または、フリップチップ14が高さ別に配列される場合、フリップチップ14のアレイ/行)と十分に熱接触することを可能にするために要求される最小厚であろう。例えば、一実施形態では、TIM1 52の厚さは、1〜3.6ミルの範囲である。
【0062】
再び、
図2Fを参照すると、第1の放熱部材(例えば、本実施形態の場合、実質的に平面かつ平坦なヒートスプレッダ57)が、平坦ヒートスプレッダ57が犠牲熱スプレッダ材料62の対応する平坦な平坦化された表面と良好に熱接触する(したがって、フリップチップ14と良好に熱接触する)ように、TIM1 52に連結される(ステップ460)。本実施形態の平坦ヒートスプレッダ57は、実質的に平坦であり、当技術分野において公知のように、高熱伝導性材料(または、材料の組み合わせ)から作製される。
図2Fから分かるように、ここでは、高熱伝導性の熱経路は、フリップチップ14から、高熱伝導性TIM3の非常に薄い層を通り、犠牲熱スプレッダ材料62(それ自体が、有利には、フリップチップ14自体に類似する材料から作製され、これは、類似高熱伝導性を有する)を通り、TIM1を通り、平坦ヒートスプレッダ57に延びている。
【0063】
図2Fおよび
図5のステップ470−480を参照すると、随意に、少なくともいくつかの実施形態では、TIM2 54の層は、平坦ヒートスプレッダ42の上部表面に適用されることができ、第2の放熱部材20(
図2Fでは、例示目的のために、冷却マニホールドであるように示されるが、これは、限定ではない)は、TIM254に連結され、追加の冷却を提供することができる。第2の放熱部材20の追加は、本発明のために要求されないが、追加の冷却を提供するために有利である。
【0064】
第1の放熱部材57(すなわち、ヒートスプレッダ57)は、実質的に平面かつ平坦なボードに形成可能(例えば、機械加工、成形等を介して)な熱伝導性材料から作製される。使用可能材料の実施例として、金属およびセラミックが挙げられるが、それに限定されない。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、ヒートスプレッダ57の材料は、フリップチップ14より高い熱伝導性を有する。概して、ヒートスプレッダ57のための材料が、低弾力性を有し、ヒートスプレッダ57が、TIM1およびTIM1 52材料と良好かつ密接熱接触を維持するように、その実質的に平面かつ平坦な形状を維持することを確実にする場合、有利である。ヒートスプレッダ57は、
図2Fでは、単一の固体材料片から作製されるように図示されるが、本発明は、そのように限定されない。当業者が理解するように、ヒートスプレッダ57は、任意の組み合わせにおいて一緒に連結される2つ以上の熱伝導性材料を使用して形成され得る。
【0065】
ヒートスプレッダ57を冷却マニホールド20に連結するTIM2材料は、少なくとも一実施形態の場合、ろうベースの相変化材料(PCM)である。TIM2材料は、冷却マニホールド20とヒートスプレッダ57との間のわずかな空気空間も排除するために使用される、熱界面材料である。しかしながら、当業者は、他の材料も使用可能であることを理解するであろう。
【0066】
図2F(同様に、
図3および4)の第2の放熱部材20は、例示目的のために、冷却マニホールド20として示されるが、当業者が理解するように、第2の放熱部材20は、熱を放熱可能な任意のタイプの放熱部材、例えば、放熱板、冷却板、蒸発器等であることができる。第2の放熱部材20は、例えば、高熱伝導性を有する1つ以上の材料(例えば、銅およびアルミニウム等の金属)を使用して作製されることができる。
図2Fの冷却マニホールド20は、冷却マニホールド20と空気との間の接触を介して、かつ冷却マニホールドを通って流動する(伝導および対流を介して)液体を介して、あるいは冷却マニホールド20と、伝導および対流を介して、周囲空気またはさらに別の液体に熱を伝達するように設計された別の構造(図示せず)との間のさらなる接触を介して、ヒートスプレッダ57(および、フリップチップ14)から、環境中に熱を伝導させることが可能である。加えて、前述のように、第2の放熱部材20は、複数の他の「セル」を1度に冷却するように構築および配列されたより大きな放熱部材の一部であり得、複数の他のセルは、
図2Fに示されるように同一の要素または全体的に異なる要素を含み得る。これはさらに、
図3および4に図示される。
【0067】
本発明の少なくともいくつかの実施形態では、熱性能要件は、フリップチップ14、TIM1 52、および第1の放熱部材(ヒートスプレッダ57)の配列が、所望の熱冷却を提供するために十分であるため、放熱部材20が要求されないようなものである。しかしながら、さらなる実施形態では、第2の放熱部材(例えば、冷却マニホールド20)の使用は、さらなる放熱を提供することによって、熱性能を改善するのに役立つため、有利である。
【0068】
当業者が理解するように、少なくともいくつかの実施形態では、種々の製造公差が、
図2A−2F、3、および4における構成の配列、特に、フリップチップデバイス14の種々の高さのレイアウトならびに第1および第2の放熱部材の相対的厚さに考慮され得る。
【0069】
図5に詳述された製造プロセスのある側面および/または順序は、当業者が理解するように、本発明から逸脱することなく、変動し得ることに留意されたい。例えば、
図2F、3、および4の実施形態では、放熱部材20は、所与のヒートスプレッダがアセンブリの残り(すなわち、フリップチップおよびボード)に連結されるのに先立って、所与のヒートスプレッダ57に一緒に連結され得る。しかしながら、当業者は、プロセスにおけるこの変動は、放熱部材20の重量に応じて、より困難またはより容易となるであろうことを認識するであろう。加えて、
図3および4に関して前述のように、放熱部材20は、所与のボード上の複数のセルを冷却するように構築されたより大きな部材であり得る(例えば、各セルは、
図2Fまたは3に示されるものに類似する配列であることができる)。各アセンブリをその独自のそれぞれの放熱部材を有するより高次のアセンブリに連結する、類似「幾何学的な連鎖」が、当業者によって理解されるように、実現されることができる。
【0070】
少なくともいくつかの実施形態では、同一の放熱部材によって冷却される複数のセルは、本願に示されるもの以外の他のタイプのセルを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、複数のセルは、少なくとも本明細書に説明される実施形態の組み合わせを含み得る。
【0071】
加えて、少なくともいくつかの実施形態では、セルのアレイの場合、
図4−8に関して説明された平坦化プロセスが、複数のセル上で1度に行われ得る。
【0072】
図に図示される本発明の実施形態を説明する際、具体的専門用語(例えば、用語、語句、製品の商標名等)は、明確にするために使用される。これらの名称は、限定ではなく、一例として、提供されるにすぎない。本発明は、そのように選択される具体的専門用語に限定されず、各具体的用語は、少なくとも、全文法、文献、科学、技術、および機能的均等物、ならびに類似目的を達成するために同様に動作する任意のものを含む。さらに、例証図、図、およびテキストでは、具体的名称が、具体的特徴、モジュール、テーブル、ソフトウェアモジュール、オブジェクト、データ構造、サーバ等に与えられ得る。しかしながら、本明細書で使用されるそのような専門用語は、限定ではなく、説明目的のためのものである。
【0073】
本発明は、ある程度の具体性を伴って、好ましい形態において説明および図示されたが、好ましい形態の本開示は、一例として作製されるにすぎず、構造ならびに部品の組み合わせおよび配列の詳細における多数の変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、行なわれ得ることを理解されたい。
【0074】
本開示全体を通して、文脈からそうではないことが明確に示されない限り、説明されるような個々の回路要素は、単数形または複数形であり得ることを理解されるであろう。例えば、用語「回路」および「回路網」は、能動および/または受動のいずれかであって、説明される機能を提供するためにともに接続される、または別様に連結される、単一構成要素または複数の構成要素のいずれかを含み得る。加えて、用語「信号」は、1つ以上の電流、1つ以上の電圧、またはデータ信号を指し得る。図中、類似または関連要素は、類似あるいは関連アルファベット、数字、もしくは英数字指示子を有するであろう。さらに、本発明は、離散電子回路(好ましくは、1つ以上の集積回路チップの形態における)を使用する実装の文脈において論じられたが、そのような回路の任意の部分の機能は、代替として、処理されるべき信号周波数またはデータレートに応じて、1つ以上の適切にプログラムされたプロセッサを使用して実装され得る。
【0075】
本願の図では、いくつかの事例では、複数のシステム要素または方法ステップが、特定のシステム要素の例証として示され得、単一システム要素または方法ステップが、複数の特定のシステム要素または方法ステップの例証として示され得る。複数の特定の要素またはステップを示すことは、本発明に従って実装されるシステムまたは方法が、その要素またはステップのうちの2つ以上を含まなければならないことを意図するものではなく、また、単一要素またはステップを例証することによって、本発明が、それらのそれぞれの要素またはステップのうちの単一の1つのみ有する実施形態に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。加えて、特定のシステム要素または方法に対して示される要素またはステップの総数は、限定を意図するものではない。当業者は、特定のシステム要素または方法ステップの数が、いくつかの事例では、特定のユーザの必要性に対応するように選択されることができることを認識し得る。
【0076】
具体的実装を参照して本技術の原理が説明および図示されたが、本技術は、多くの他の異なる形態および多くの異なる環境において実装されることができることを認識されたい。本明細書に開示される技術は、他の技術と組み合わせて使用されることができる。
【0077】
加えて、当業者は、本明細書に説明される本発明の実施形態が、本明細書に参照された適用可能技術および規格における変更および改良に対応し、および/またはそれに準拠するように修正されることができることを理解するであろう。本明細書に説明されるものの変形例、修正、および他の実装を、請求される発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者が気づき得る。
【0078】
前述で詳細された実施形態における要素および特徴の特定の組み合わせは、例示にすぎない。これらの教示と本および参照特許/出願内の他の教示との交換および代用もまた、明示的に想定される。当業者が認識するように、本明細書に説明されるものの変形例、修正、および他の実装が、請求される発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に想起され得る。故に、前述の説明は、一例にすぎず、限定を意図するものではない。本発明の範囲は、以下の請求項およびその均等物において定義される。
【0079】
本発明の好ましい実施形態が説明されたが、ここで、その概念を組み込む他の実施形態も使用され得ることが、当業者に明白となるであろう。これらの実施形態は、開示される実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、添付の請求項の精神および範囲によってのみ限定されるべきである。