特許第5876968号(P5876968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5876968
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】再生ロータリーキルン
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/20 20060101AFI20160218BHJP
   C08J 11/12 20060101ALI20160218BHJP
   F23G 5/033 20060101ALI20160218BHJP
   F23G 5/16 20060101ALI20160218BHJP
   F27B 7/34 20060101ALI20160218BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   F23G5/20 A
   C08J11/12ZAB
   F23G5/033 B
   F23G5/16 B
   F27B7/34
   F27D17/00 101A
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-507272(P2015-507272)
(86)(22)【出願日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】JP2014076430
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008431
【氏名又は名称】高砂工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000173522
【氏名又は名称】一般財団法人ファインセラミックスセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100196759
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 雪
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 素子
(72)【発明者】
【氏名】武藤 則男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基晴
(72)【発明者】
【氏名】中村 寿樹
(72)【発明者】
【氏名】北岡 諭
(72)【発明者】
【氏名】和田 匡史
(72)【発明者】
【氏名】河合 和彦
(72)【発明者】
【氏名】林 一美
【審査官】 鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−199607(JP,A)
【文献】 特開2004−340448(JP,A)
【文献】 特開2003−334529(JP,A)
【文献】 特開2013−224357(JP,A)
【文献】 特開2013−147545(JP,A)
【文献】 特開2002−80854(JP,A)
【文献】 特開2007−54815(JP,A)
【文献】 特開平8−143873(JP,A)
【文献】 特開2011−122032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/00 − 5/50
C08J 11/12
F27B 7/34
F27D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部と、
軸周りに回転可能であって、該過熱水蒸気を供給しながら、マトリックス樹脂と炭素繊維とを有する炭素繊維強化樹脂を加熱することにより、該マトリックス樹脂から可燃性のガスを生成し、該炭素繊維強化樹脂から該炭素繊維を抽出する加熱区間を有する管体と、
該管体の外部に配置され、該加熱区間から導入される該ガスを燃焼させることにより該加熱区間を加熱する第一燃焼室と、
該第一燃焼室から導入される該ガスを燃焼させることにより、該過熱水蒸気を生成するための熱を供給する第二燃焼室と、
を備え、該炭素繊維強化樹脂から該炭素繊維を回収する再生ロータリーキルン。
【請求項2】
前記過熱水蒸気生成部は、
水を加熱し水蒸気を生成する廃熱回収ボイラと、
前記第二燃焼室を経由して、該廃熱回収ボイラと前記管体とを連結し、該水蒸気を加熱することにより前記過熱水蒸気を生成する供給管と、
を有し、
該供給管の内部の該水蒸気は、該供給管の管壁を介して伝達される該第二燃焼室の前記熱により、加熱される請求項1に記載の再生ロータリーキルン。
【請求項3】
前記廃熱回収ボイラは、前記第二燃焼室から導入される前記ガスを燃焼させることにより、前記水を加熱し前記水蒸気を生成する請求項2に記載の再生ロータリーキルン。
【請求項4】
前記廃熱回収ボイラは、前記第二燃焼室から導入される前記ガスの熱により、前記水を加熱し前記水蒸気を生成する請求項2に記載の再生ロータリーキルン。
【請求項5】
前記第二燃焼室は、前記第一燃焼室に並置されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の再生ロータリーキルン。
【請求項6】
前記管体の内部に窒素ガスを供給するガス供給部を備える請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の再生ロータリーキルン。
【請求項7】
さらに、前記管体の下流側に、該管体において抽出された前記炭素繊維を回収する回収部を備え、
前記過熱水蒸気生成部は、該回収部を加熱する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の再生ロータリーキルン。
【請求項8】
前記回収部は、前記炭素繊維を分級する分級部を有する請求項7に記載の再生ロータリーキルン。
【請求項9】
さらに、前記管体の上流側に、前記炭素繊維強化樹脂を所定の大きさに切断する切断部を備える請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の再生ロータリーキルン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維強化樹脂から炭素繊維を回収する再生ロータリーキルンに関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維がマトリックス樹脂中に分散されている炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastic 以下、適宜、「CFRP」と称す)は、軽量かつ高強度であるため、航空機、自動車、鉄道車両、その他産業用機械等、様々な用途に利用され、需要が拡大している。このため、CFRPの生産工程で生じる端材や使用後の廃棄物が増加している。現在、廃棄物は、埋立処分などにより処理されている。しかしながら、今後、CFRPの需要が増大する場合、廃棄物の処理が大きな課題となることが想定される。例えば、現在行われている埋立処分の場合、埋立地の確保や埋立費用などが課題となる。
【0003】
CFRPのマトリックス樹脂は、過熱水蒸気により加水分解、熱分解される。分解により、マトリックス樹脂からは、可燃性のガスが生成される。特許文献1には、廃棄物(CFRP)のマトリックス樹脂をガス化すると共に、廃棄物から炭素繊維を回収する方法が開示されている。同文献記載の方法によると、廃棄物を減容することができる。また、同文献記載の方法によると、当該ガスを燃焼させた熱で処理管を加熱することにより、CFRPの加熱コストを削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−199607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同文献記載の回収方法の場合、環境汚染を防止するために、余剰の可燃性のガス(詳しくは、ガスの未燃焼分)をアフターバーナで燃焼させていた。このため、ガスの燃焼熱が無駄になっていた。また、同文献記載の回収方法の場合、過熱水蒸気を生成するための加熱手段として、オイル燃焼加熱方式等を採用していた。このため、過熱水蒸気の生成コストが高くなっていた。そこで、本発明は、廃ガス中に占める可燃性のガスの割合を低減可能であり、過熱水蒸気の生成コストを削減可能な再生ロータリーキルンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するため、本発明の再生ロータリーキルンは、過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部と、軸周りに回転可能であって、該過熱水蒸気を供給しながら、マトリックス樹脂と炭素繊維とを有する炭素繊維強化樹脂を加熱することにより、該マトリックス樹脂から可燃性のガスを生成し、該炭素繊維強化樹脂から該炭素繊維を抽出する加熱区間を有する管体と、該管体の外部に配置され、該加熱区間から導入される該ガスを燃焼させることにより該加熱区間を加熱する第一燃焼室と、該第一燃焼室から導入される該ガスを燃焼させることにより、該過熱水蒸気を生成するための熱を供給する第二燃焼室と、を備え、該炭素繊維強化樹脂から該炭素繊維を回収することを特徴とする。
【0007】
本発明の再生ロータリーキルンによると、連続的に炭素繊維を回収することができる。また、管体の回転に伴って、CFRPを撹拌することができる。このため、回収した炭素繊維を、均質化することができる。
【0008】
また、加熱区間において、CFRPは、過熱水蒸気に曝された状態で、加熱される。CFRP中のマトリックス樹脂は、過熱水蒸気の水分および熱と、第一燃焼室の熱と、により、加水分解、熱分解する。 分解により、マトリックス樹脂は、低分子化し、ガス化する。当該ガスは可燃性を有している。可燃性のガスは、加熱区間から第一燃焼室へ導入され、第一燃焼室において燃焼する。ガスの燃焼熱により、管体の加熱区間を加熱することができる。このように、本発明の再生ロータリーキルンによると、マトリックス樹脂から生成された可燃性のガスを、CFRPの加熱に利用することができる。このため、CFRPの加熱コストを削減することができる。
【0009】
また、第一燃焼室で燃焼しなかった可燃性のガス(詳しくは、ガスの未燃焼分)は、第一燃焼室から第二燃焼室へ導入され、第二燃焼室において燃焼する。当該ガスの燃焼熱は、過熱水蒸気を生成するために使用される。すなわち、当該ガスの燃焼熱は、「水→沸騰水→湿り蒸気→飽和蒸気→過熱水蒸気」という過熱水蒸気生成過程の、少なくとも一部に使用される。このように、本発明の再生ロータリーキルンによると、第一燃焼室から第二燃焼室に導入されたガスを、過熱水蒸気の生成に利用することができる。このため、過熱水蒸気の生成コストを削減することができる。また、可燃性のガスの未燃焼分を低減することができる。また、再生ロータリーキルンからの廃ガス中に占める可燃性のガスの割合を低減することができる。このため、可燃性のガスによる環境汚染を抑制することができる。
【0010】
また、第一燃焼室と第二燃焼室とは、連通しているものの、互いに独立している。このため、第一燃焼室と第二燃焼室とを、互いに独立して制御することができる。例えば、第一燃焼室と第二燃焼室とで、室内温度を個別に制御することができる。
【0011】
(2)上記(1)の構成において、前記過熱水蒸気生成部は、水を加熱し水蒸気を生成する廃熱回収ボイラと、前記第二燃焼室を経由して、該廃熱回収ボイラと前記管体とを連結し、該水蒸気を加熱することにより前記過熱水蒸気を生成する供給管と、を有し、該供給管の内部の該水蒸気は、該供給管の管壁を介して伝達される該第二燃焼室の前記熱により、加熱される構成とする方がよい。
【0012】
本構成によると、廃熱回収ボイラにおいて、水から水蒸気を生成することができる。また、供給管において、第二燃焼室の熱を利用して水蒸気から過熱水蒸気を生成することができる。
【0013】
(3)上記(2)の構成において、前記廃熱回収ボイラは、前記第二燃焼室から導入される前記ガスを燃焼させることにより、前記水を加熱し前記水蒸気を生成する構成とする方がよい。
【0014】
本構成によると、廃熱回収ボイラにおいて、第二燃焼室で燃焼しなかった可燃性のガス(詳しくは、ガスの未燃焼分)の燃焼熱を利用して、水から水蒸気を生成することができる。
【0015】
(4)上記(2)の構成において、前記廃熱回収ボイラは、前記第二燃焼室から導入される前記ガスの熱により、前記水を加熱し前記水蒸気を生成する構成とする方がよい。
【0016】
本構成によると、廃熱回収ボイラにおいて、第二燃焼室で燃焼したガスの保有熱を利用して、水から水蒸気を生成することができる。
【0017】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記第二燃焼室は、前記第一燃焼室に並置されている構成とする方がよい。
【0018】
本構成によると、第一燃焼室と第二燃焼室とは、隣り合わせに配置されている。このため、第一燃焼室から第二燃焼室へガスが導入される際に、ガスの温度が下がりにくい。また、第二燃焼室のガスの燃焼熱により、第一燃焼室を加熱することができる。すなわち、第一燃焼室を介して、第二燃焼室におけるガスの燃焼熱により、加熱区間を加熱することができる。また、再生ロータリーキルンの設置スペースを小さくすることができる。
【0019】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記管体の内部に窒素ガスを供給するガス供給部を備える構成とする方がよい。
【0020】
本構成によると、管体内への空気(酸素)の侵入を抑制することができる。すなわち、管体内における炭素繊維の酸化を抑制することができる。また、過熱水蒸気中に窒素ガスを添加することにより、回収した炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性(密着性)を向上させることができる。
【0021】
(6−1)上記(6)の構成において、前記管体の上流側から該管体の内部に前記窒素ガスを供給する構成とする方がよい。
【0022】
仮に、管体の下流側から管体の内部に窒素ガスを供給すると(勿論、この場合も上記(1)の構成に含まれる)、窒素ガスの供給時に生じる気流によって、加熱区間を通過した炭素繊維が管体の内部に飛散しやすくなる。また、加熱区間を通過した炭素繊維が、管体の上流側へ押し戻される。ここで、管体の加熱区間まで押し戻された一部の炭素繊維は、さらに加熱されることになる。このため、管体から回収した炭素繊維の熱履歴に、ばらつきが生じやすくなる。したがって、回収した炭素繊維の品質に、ばらつきが生じやすくなる。
【0023】
これに対して、本構成によると、窒素ガスの供給時に生じる気流によって、加熱区間を通過した炭素繊維が管体の内部に飛散しにくい。また、加熱区間を通過した炭素繊維が、管体の上流側へ押し戻されるおそれがない。このため、管体から回収した炭素繊維の熱履歴に、ばらつきが生じにくい。したがって、回収した炭素繊維を、均質化することができる。
【0024】
また、本構成によると、加熱区間において、CFRPの処理当初から、CFRPを確実に窒素ガスに曝すことができる。このため、回収した炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性(密着性)を確実に向上させることができる。
【0025】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、さらに、前記管体の下流側に、該管体において抽出された前記炭素繊維を回収する回収部を備え、前記過熱水蒸気生成部は、該回収部を加熱する構成とする方がよい。
【0026】
本構成によると、抽出された炭素繊維および回収部の内面における結露の発生を抑制することができる。すなわち、結露により、回収部の内面に、炭素繊維が付着するのを抑制することができる。このため、炭素繊維の搬送性を向上させることができる。
【0027】
(8)上記(7)の構成において、前記回収部は、前記炭素繊維を分級する分級部を有する構成とする方がよい。
【0028】
回収後の炭素繊維のうち、繊維長が短いものは、例えば、樹脂の射出成形品などに再利用される。一方、繊維長が長いものは、例えば、不織布などに再利用される。このように、回収後の炭素繊維の再利用先は、繊維長の長短に応じて、決定される場合がある。このため、回収した炭素繊維を繊維長ごとに分級しておけば、再利用の際に便利である。この点、本構成の回収部は、分級部を備えている。本構成によると、管体から回収した炭素繊維を、繊維長ごとに分級することができる。
【0029】
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかの構成において、さらに、前記管体の上流側に、前記炭素繊維強化樹脂を所定の大きさに切断する切断部を備える構成とする方がよい。
【0030】
本構成によると、CFRPを、管体の内部に投入するのに適した大きさに、切断することができる。また、切断により、CFRPの大きさを調整することができる。例えば、CFRPの大きさを一定にすることにより、管体内での処理を均質化することができる。このため、回収した炭素繊維の品質を安定化することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、廃ガス中に占める可燃性のガスの割合を低減可能であり、過熱水蒸気の生成コストを削減可能な再生ロータリーキルンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、第一実施形態の再生ロータリーキルンの長手方向断面図である。
図2図2は、第二実施形態の再生ロータリーキルンの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の再生ロータリーキルンの実施の形態について説明する。
【0034】
<第一実施形態>
[再生ロータリーキルンの構成]
まず、本実施形態の再生ロータリーキルンの構成について説明する。図1に、本実施形態の再生ロータリーキルンの長手方向(前後方向)断面図を示す。図1に示すように、再生ロータリーキルン1は、過熱水蒸気生成部2と、管体3と、燃焼部4と、ガス供給部5と、回収部6と、供給部7と、前後二対のローラ90と、を備えている。
【0035】
(燃焼部4)
燃焼部4は、外壁40と、断熱材41と、隔壁42と、第一燃焼室43aと、第二燃焼室43bと、複数の第一バーナ44aと、複数の第二バーナ44bと、複数の第一空気供給管45aと、複数の第二空気供給管45bと、接続筒46と、を備えている。
【0036】
外壁40は、長方形箱状を呈している。断熱材41は、外壁40の内側に積層されている。隔壁42は、断熱材41の内部空間を、上下二室に仕切っている。すなわち、隔壁42は、断熱材41の内部空間を、上側の第一燃焼室43aと、下側の第二燃焼室43bと、に仕切っている。隔壁42には、複数の第二通路420が形成されている。第二通路420は、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとを、上下方向に連結している。複数の第一バーナ44aおよび複数の第一空気供給管45aは、第一燃焼室43aに配置されている。第一バーナ44aには、燃料ガス(例えばプロパンガス)と空気とが供給される。第一空気供給管45aには、空気が供給される。複数の第二バーナ44bおよび複数の第二空気供給管45bは、第二燃焼室43bに配置されている。第二バーナ44bには、燃料ガス(例えばプロパンガス)と空気とが供給される。第二空気供給管45bには、空気が供給される。接続筒46は、燃焼部4と、後述する廃熱回収ボイラ20と、を接続している。接続筒46の内部には、第三通路460が配置されている。第三通路460は、第二燃焼室43bに連通している。
【0037】
(管体3、ローラ90)
管体3は、炉心管30と、前後一対のタイヤ31と、複数の接続管32と、を備えている。炉心管30は、円筒状を呈している。炉心管30は、略水平に配置されている。炉心管30は、前側(後述するCFRP10の搬送方向における上流側)から後側(後述するCFRP10の搬送方向における下流側)に向かって下がる方向に、傾斜している。炉心管30は、燃焼部4の上側部分、具体的には第一燃焼室43aを、前後方向(軸方向)に貫通している。炉心管30(第一燃焼室43aに露出する部分)の内部(径方向内側)には、加熱区間Aが設定されている。
【0038】
複数の接続管32は、各々、L字状を呈している。接続管32は、炉心管30の側周壁を貫通している。接続管32の一端(後述するガス10Gの流動方向における上流端)は、炉心管30の径方向中心に配置されている。接続管32の一端は、後向きに開口している。接続管32の他端(後述するガス10Gの流動方向における下流端)は、炉心管30の径方向外側に配置されている。接続管32の他端は、第一燃焼室43aに開口している。接続管32の内部には、第一通路320が配置されている。第一通路320は、加熱区間Aと第一燃焼室43aとを連結している。
【0039】
前後一対のタイヤ31は、加熱区間Aを挟んで、炉心管30の前端部と後端部とに環装されている。前側のタイヤ31は、前側の左右一対のローラ90に、転動可能に載置されている。後側のタイヤ31は、後側の左右一対のローラ90に、転動可能に載置されている。前後一対のタイヤ31が転動することにより、炉心管30つまり管体3は、自身の軸周りに回転可能である。
【0040】
(供給部7)
供給部7は、スクリューフィーダ70と、ホッパ71と、切断機72と、上流端カバー73と、を備えている。切断機72は、本発明の「切断部」の概念に含まれる。上流端カバー73は、炉心管30の前端部を、炉心管30の回転を確保しながら、覆っている。スクリューフィーダ70は、前後方向に延在している。スクリューフィーダ70の後端(後述するCFRP10の搬送方向における下流端)は、管体3の内部に挿入されている。ホッパ71は、スクリューフィーダ70の前端部に、上側から接続されている。切断機72は、ホッパ71の前側(後述するCFRP10の搬送方向における上流側)に連なっている。
【0041】
(ガス供給部5、回収部6)
ガス供給部5は、ガス供給管50を備えている。ガス供給管50は、上流端カバー73を貫通している。回収部6は、タンク60と、下流端カバー61と、配管62と、サイクロンフィルタ63と、配管64と、長繊維タンク65と、バグフィルタ66と、短繊維タンク67と、ブロワ68と、を備えている。サイクロンフィルタ63は、本発明の「分級部」の概念に含まれる。
【0042】
下流端カバー61は、炉心管30の後端部を、炉心管30の回転を確保しながら、覆っている。タンク60は、下流端カバー61の下側に連なって配置されている。サイクロンフィルタ63は、配管62を介して、タンク60の下流側(後述する炭素繊維10Sの搬送方向における下流側)に連なっている。長繊維タンク65は、サイクロンフィルタ63の下端開口(後述する炭素繊維(長繊維)10Saの搬出側)に連なっている。バグフィルタ66は、配管64を介して、サイクロンフィルタ63の上端開口(後述する炭素繊維(短繊維)10Sbの搬出側)に連なっている。バグフィルタ66は、濾布66aを備えている。短繊維タンク67は、バグフィルタ66の下端開口(濾布66aの上流側。後述する炭素繊維(短繊維)10Sbの搬出側)に連なっている。ブロワ68は、バグフィルタ66の上端開口(濾布66aの下流側)に連なっている。
【0043】
長繊維タンク65、短繊維タンク67には、各々、蓋付きの開口部(図略)が配置されている。作業者は、当該開口部を介して、長繊維タンク65から炭素繊維10Saを、短繊維タンク67から炭素繊維10Sbを、各々抜き出す。
【0044】
(過熱水蒸気生成部2)
過熱水蒸気生成部2は、廃熱回収ボイラ20と、回収部加熱部21と、供給管22と、を備えている。廃熱回収ボイラ20は、燃焼部4の後側(後述するガス10Gの流動方向における下流側)に配置されている。廃熱回収ボイラ20は、ハウジング200と、配管201と、排気筒202と、を備えている。ハウジング200の内部には、加熱室200aが配置されている。加熱室200aには、複数のボイラ用バーナ200bと、複数のボイラ用空気供給管200cと、が配置されている。ボイラ用バーナ200bには、燃料ガス(例えばプロパンガス)と空気とが供給される。配管201は、加熱室200aに配置されている。配管201は、加熱室200aを蛇行している。排気筒202は、ハウジング200から突設されている。排気筒202の内部には、第四通路202aが配置されている。第四通路202aは、加熱室200aとハウジング200の外部とを連結している。排気筒202には、集塵機(具体的にはサイクロンフィルタ、図略)、吸引ブロワ(図略)が配置されている。
【0045】
回収部加熱部21は、配管210と、ジャケット211と、を備えている。配管210の一端(後述する水蒸気の流動方向における上流端)は、廃熱回収ボイラ20の配管201に連なっている。ジャケット211は、回収部6のタンク60を、下側および外側から覆っている。ジャケット211は、配管210の他端(後述する水蒸気の流動方向における下流端)に連なっている。
【0046】
供給管22の一端(後述する過熱水蒸気の流動方向における上流端)は、廃熱回収ボイラ20の配管201に連なっている。供給管22は、第二燃焼室43bを貫通している。供給管22は、第二燃焼室43bを蛇行している。供給管22の他端(後述する過熱水蒸気の流動方向における下流端)は、上流端カバー73を貫通している。
【0047】
[再生ロータリーキルンの炭素繊維回収時の動き]
次に、本実施形態の再生ロータリーキルンの炭素繊維回収時の動きについて説明する。再生ロータリーキルン1は、CFRP10を、マトリックス樹脂からなる可燃性のガス10Gと、炭素繊維10Sと、に分離することができる。このうち、炭素繊維10Sは、回収される。また、ガス10Gは、再生ロータリーキルン1において、CFRP10を加熱するために使用される。並びに、ガス10Gは、再生ロータリーキルン1において、過熱水蒸気を生成するために使用される。
【0048】
まず、再生ロータリーキルン1を起動する。具体的には、複数の第一バーナ44a、複数の第二バーナ44bに、燃料ガス、空気を供給し点火する。すなわち、第一燃焼室43a、第二燃焼室43bを加熱する。また、スクリューフィーダ70、切断機72を駆動する。また、炉心管30を、モータ(図略)により、自身の軸周りに回転させる。また、ガス供給管50から、炉心管30の前端開口(CFRP10の搬送方向における上流端開口)を介して、炉心管30の内部に、窒素ガスを導入する。
【0049】
また、廃熱回収ボイラ20を駆動する。具体的には、水を配管201に供給する。並びに、ボイラ用バーナ200bに、燃料ガス、空気を供給し点火する。すなわち、配管201の内部の水を加熱することにより、水蒸気を生成する。水蒸気は、回収部加熱部21のジャケット211に導入される。また、水蒸気は、供給管22に導入される。供給管22に導入された水蒸気は、第二燃焼室43b(第二バーナ44b点火済み)を通過する際、加熱される。この際、過熱水蒸気が生成される。生成された過熱水蒸気は、炉心管30の前端開口(CFRP10の搬送方向における上流端開口)から、炉心管30の内部に、導入される。
【0050】
次に、再生ロータリーキルン1に、CFRP10を供給する。具体的には、切断機72、ホッパ71を介して、スクリューフィーダ70に、CFRP10を供給する。CFRP10は、マトリックス樹脂と、炭素繊維と、を備えている。CFRP10は、切断機72により、所定の大きさに切断される。CFRP10は、スクリューフィーダ70により、炉心管30の内部に投入される。投入されたCFRP10は、炉心管30の回転により揺動しながら、炉心管30の傾斜により前側から後側に向かって移動する。移動中に、CFRP10(詳しくは、CFRP10の切断片)は、加熱区間Aを通過する。
【0051】
ここで、加熱区間Aは、第一燃焼室43aに収容されている。加熱区間Aは、第一燃焼室43aにより、所定の温度に保持されている。また、加熱区間Aには、供給管22を介して、前側(CFRP10の搬送方向における上流側)から、過熱水蒸気が導入されている。同様に、加熱区間Aには、ガス供給管50を介して、前側(CFRP10の搬送方向における上流側)から、窒素ガスが導入されている。このため、加熱区間Aにおいて、CFRP10は、過熱水蒸気、窒素ガスに曝された状態で、加熱される。CFRP10中のマトリックス樹脂は、過熱水蒸気の水分および熱と、第一燃焼室43aの熱と、により、加水分解、熱分解する。分解により、マトリックス樹脂は、低分子化し、ガス化する。すなわち、加熱区間Aにおいて、CFRP10は、ガス10Gと、炭素繊維10Sと、に分離する。このうち、ガス10Gは、複数の第一通路320を介して、加熱区間Aから第一燃焼室43aに導入される。一方、炭素繊維10Sは、加熱区間Aに残留する。
【0052】
残留した炭素繊維10Sは、炉心管30の後端開口(CFRP10の搬送方向における下流端開口)から、タンク60に流れ落ちる。タンク60に流れ落ちた炭素繊維10Sには、長繊維である炭素繊維10Saと、短繊維である炭素繊維10Sb(炭素繊維10Saよりも繊維長が短い)と、が混在している。炭素繊維10Sは、ブロワ68により、配管62を経由してタンク60からサイクロンフィルタ63に搬送される。サイクロンフィルタ63においては、炭素繊維10Sが、遠心力および重力により、炭素繊維10Saと、炭素繊維10Sbと、に分級される。すなわち、長繊維である炭素繊維10Saは、質量が大きい。このため、サイクロンフィルタ63の下端開口から、長繊維タンク65に落下する。一方、短繊維である炭素繊維10Sbは、炭素繊維10Saと比較して、質量が小さい。このため、ブロワ68により、配管64を経由してサイクロンフィルタ63の上端開口からバグフィルタ66に搬送される。炭素繊維10Sbは、濾布66aにより濾し取られ、短繊維タンク67に落下する。
【0053】
一方、マトリックス樹脂から生成されるガス10Gは、可燃性を有している。ガス10Gは、第一燃焼室43aにおいて燃焼する。すなわち、ガス10Gは、CFRP10を加熱する際の熱源、具体的にはマトリックス樹脂を加水分解、熱分解させる際の熱源として利用される。
【0054】
ここで、第一燃焼室43aの温度は、第一バーナ44aの燃料ガスの燃焼による熱量と、ガス10Gの燃焼による熱量と、により確保されている。ガス10Gの供給量が多くなると、その分燃料ガスの流量(第一バーナ44aの燃焼量)を、減らすことができる。例えば、複数の第一バーナ44aのうち、少なくとも一つの第一バーナ44aを、消火することができる。
【0055】
第一燃焼室43aの温度は、第一バーナ44aの燃焼量、第一空気供給管45aの空気供給量により、調整することができる。例えば、第一バーナ44aの燃焼量を多くすると、第一燃焼室43aの温度を上げることができる。反対に、第一バーナ44aの燃焼量を少なくすると、第一燃焼室43aの温度を下げることができる。
【0056】
また、第一燃焼室43aが、ガス10Gを燃焼させるのに充分な酸素濃度を確保している場合は、第一空気供給管45aの空気供給量を多くすると、第一燃焼室43aの温度を下げることができる。反対に、第一空気供給管45aの空気供給量を少なくすると、第一燃焼室43aの温度を上げることができる。
【0057】
また、第一燃焼室43aが、ガス10Gを燃焼させるのに充分な酸素濃度を確保していない場合は、第一空気供給管45aの空気供給量を多くすると、第一燃焼室43aの温度を上げることができる。反対に、第一空気供給管45aの空気供給量を少なくすると、第一燃焼室43aの温度を下げることができる。
【0058】
また、ガス10Gは、複数の第二通路420を介して、第一燃焼室43aから第二燃焼室43bに導入される。ガス10G(詳しくは、第一燃焼室43aにおけるガス10Gの未燃焼分)は、第二燃焼室43bにおいて燃焼する。すなわち、ガス10Gは、供給管22を加熱する際の熱源、具体的には水蒸気から過熱水蒸気を生成する際の熱源として利用される。
【0059】
第一燃焼室43aと同様に、第二燃焼室43bの温度は、第二バーナ44bの燃料ガスの燃焼による熱量と、ガス10Gの燃焼による熱量と、により確保されている。ガス10Gの供給量が多くなると、その分燃料ガスの流量(第二バーナ44bの燃焼量)を、減らすことができる。例えば、複数の第二バーナ44bのうち、少なくとも一つの第二バーナ44bを、消火することができる。また、第一燃焼室43aと同様に、第二燃焼室43bの温度は、第二バーナ44bの燃焼量、第二空気供給管45bの空気供給量により、調整することができる。
【0060】
また、ガス10Gは、第三通路460を介して、第二燃焼室43bから加熱室200aに導入される。ガス10G(詳しくは、第二燃焼室43bにおけるガス10Gの未燃焼分)は、加熱室200aにおいて燃焼する。すなわち、ガス10Gは、配管201を加熱する際の熱源、具体的には水から水蒸気を生成する際の熱源として利用される。
【0061】
第一燃焼室43a、第二燃焼室43bと同様に、加熱室200aの温度は、ボイラ用バーナ200bの燃料ガスの燃焼による熱量と、ガス10Gの燃焼による熱量と、により確保されている。ガス10Gの供給量が多くなると、その分燃料ガスの流量(ボイラ用バーナ200bの燃焼量)を、減らすことができる。例えば、複数のボイラ用バーナ200bのうち、少なくとも一つのボイラ用バーナ200bを、消火することができる。また、第一燃焼室43a、第二燃焼室43bと同様に、加熱室200aの温度は、ボイラ用バーナ200bの燃焼量、ボイラ用空気供給管200cの空気供給量により、調整することができる。
【0062】
廃ガスは、第四通路202aを介して、加熱室200aから再生ロータリーキルン1の外部に放出される。なお、廃ガスには、第一燃焼室43a、第二燃焼室43b、加熱室200aにおけるガス10Gの燃焼により生成される二酸化炭素などが含まれている。
【0063】
[作用効果]
次に、本実施形態の再生ロータリーキルンの作用効果について説明する。本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、連続的に炭素繊維10Sを回収することができる。また、管体3の回転に伴って、CFRP10を撹拌することができる。このため、回収した炭素繊維10Sを、均質化することができる。
【0064】
また、加熱区間Aにおいて、CFRP10は、過熱水蒸気に曝された状態で、加熱される。CFRP10中のマトリックス樹脂は、過熱水蒸気の水分および熱と、第一燃焼室43aの熱と、により、加水分解、熱分解する。 分解により、マトリックス樹脂は、低分子化し、ガス化する。当該ガス10Gは可燃性を有している。可燃性のガス10Gは、複数の第一通路320を介して、加熱区間Aから第一燃焼室43aへ導入され、第一燃焼室43aにおいて燃焼する。ガス10Gの燃焼熱により、管体3の加熱区間Aを加熱することができる。このように、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、マトリックス樹脂から生成された可燃性のガス10Gを、CFRP10の加熱に利用することができる。このため、CFRP10の加熱コストを削減することができる。
【0065】
また、第一燃焼室43aで燃焼しなかった可燃性のガス10G(詳しくは、ガスの未燃焼分)は、第一燃焼室43aから第二燃焼室43bへ導入され、第二燃焼室43bにおいて燃焼する。当該ガス10Gの燃焼熱は、過熱水蒸気を生成するために使用される。すなわち、当該ガス10Gの燃焼熱は、「水→沸騰水→湿り蒸気→飽和蒸気→過熱水蒸気」という過熱水蒸気生成過程の、少なくとも一部に使用される。このように、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、第一燃焼室43aから第二燃焼室43bに導入されたガス10Gを、過熱水蒸気の生成に利用することができる。このため、過熱水蒸気の生成コストを削減することができる。また、可燃性のガス10Gの未燃焼分を低減することができる。また、廃ガス(詳しくは、第四通路202aを介して、加熱室200aから再生ロータリーキルン1の外部に放出される廃ガス)中に占める可燃性のガス10Gの割合を低減することができる。このため、可燃性のガスによる環境汚染を抑制することができる。
【0066】
また、第二燃焼室43bにおいて、供給管22が波線状に蛇行して配置されている。このため、供給管22の水蒸気は、側周壁(管壁)を介して第二燃焼室43bの熱により加熱されやすくなる。
【0067】
また、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとは、連通しているものの、互いに独立している。具体的には、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとは、複数の第二通路420付きの隔壁42により、仕切られている。このため、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとを、互いに独立して制御することができる。例えば、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとで、室内温度を個別に制御することができる。
【0068】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、廃熱回収ボイラ20において、第三通路460を介して、第二燃焼室43bから導入されるガス10G(詳しくは、第二燃焼室43bにおけるガス10Gの未燃焼分)の燃焼熱を利用して水から水蒸気を生成することができる。また、供給管22において、第二燃焼室43bの熱を利用して水蒸気から過熱水蒸気を生成することができる。このため、過熱水蒸気の生成コストを削減することができる。また、第二燃焼室43bにおけるガス10Gの未燃焼分を低減することができる。
【0069】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとは、隔壁42を介して、隣り合わせに配置されている。このため、第一燃焼室43aから第二燃焼室43bへガス10Gが導入される際に、ガス10Gの温度が下がりにくい。また、第二燃焼室43bのガス10Gの燃焼熱により、第一燃焼室43aを加熱することができる。すなわち、第一燃焼室43aを介して、第二燃焼室43bにおけるガス10Gの燃焼熱により、加熱区間Aを加熱することができる。また、再生ロータリーキルン1の設置スペースを小さくすることができる。
【0070】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、ガス供給管50から炉心管30の内部に、窒素ガスを導入している。このため、管体3内への空気(酸素)の侵入を抑制することができる。すなわち、管体3内における炭素繊維10Sの酸化を抑制することができる。また、過熱水蒸気中に窒素ガスを添加しているため、回収した炭素繊維10Sとマトリックス樹脂との接着性(密着性)を向上させることができる。
【0071】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、加熱区間Aにおいて、CFRP10の処理当初から、CFRP10を確実に窒素ガスに曝すことができる。このため、回収した炭素繊維10Sとマトリックス樹脂との接着性(密着性)を確実に向上させることができる。
【0072】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、ガス供給管50は、炉心管30の前端開口(CFRP10の搬送方向における上流端開口)から、炉心管30の内部に、窒素ガスを導入している。このため、炉心管30の後端開口(CFRP10の搬送方向における下流端開口)から炉心管30の内部に窒素ガスを導入する場合と比較して、炭素繊維10Sが炉心管30の内部に飛散しにくい。また、窒素ガスの気流によって、加熱区間Aを通過済みの炭素繊維10Sが、炉心管30の加熱区間Aに押し戻されるおそれがない。すなわち、加熱区間Aを通過済みの炭素繊維10Sが、再び加熱区間Aで加熱されることがない。このため、回収後の炭素繊維10Sの熱履歴にばらつきが生じにくく、炭素繊維10Sを均質化することができる。
【0073】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、過熱水蒸気と、窒素ガスと、が同じ方向から供給される。このため、過熱水蒸気と、窒素ガスと、が互いに気流を妨げない。このため、加熱区間Aを通過済みの炭素繊維10Sが、炉心管30の内部に飛散しにくい。これにより、CFRP10を確実に処理することができる。よって、炭素繊維10Sの接着性(密着性)を確実に向上させることができる。
【0074】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、ジャケット211が、タンク60を、下側および外側から覆っている。このため、炭素繊維10Sおよびタンク60の内面における結露の発生を抑制することができる。すなわち、結露により、タンク60の内面に、回収する炭素繊維10Sが付着するのを抑制することができる。したがって、回収する炭素繊維10Sの搬送性を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、切断機72が、ホッパ71の前側(CFRP10の搬送方向における上流側)に配置されている。このため、CFRP10を、管体3の内部に投入するのに適した大きさに、切断することができる。また、切断により、CFRP10の大きさを調整することができる。例えば、CFRP10の大きさを一定にすることにより、管体3内での処理を均質化することができる。このため、回収した炭素繊維10Sの品質を安定化することができる。
【0076】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、回収部6がサイクロンフィルタ63を備えている。このため、管体3から回収した炭素繊維10Sを、長繊維である炭素繊維10Saと、短繊維である炭素繊維10Sbと、に分級することができる。すなわち、炭素繊維10Sを繊維長ごとに分級することができる。このため、再利用の際に、改めて炭素繊維10Sを分級する必要がない。
【0077】
<第二実施形態>
本実施形態の再生ロータリーキルンと第一実施形態の再生ロータリーキルンとの相違点は、供給管において、水から過熱水蒸気が生成される点である。また、過熱水蒸気生成部が、廃熱回収ボイラ、回収部加熱部を備えていない点である。また、第一燃焼室と第二燃焼室とが、離間して配置されている点である。また、過熱水蒸気、窒素ガスが、炉心管の後端(CFRPの搬送方向における下流端)開口から、炉心管の内部に供給されている点である。また、回収部にサイクロンフィルタが配置されていない点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0078】
図2に、本実施形態の再生ロータリーキルンの長手方向断面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。図2に示すように、燃焼部4は、第一部4aと、第二部4bと、複数の接続筒4cと、排気筒4dと、を備えている。
【0079】
第一部4aは、外壁40aと、断熱材41aと、第一燃焼室43aと、複数の第一バーナ44aと、複数の第一空気供給管45aと、を備えている。外壁40aは、長方形箱状を呈している。断熱材41aは、外壁40aの内側に積層されている。第一燃焼室43aは、断熱材41aの内側に区画されている。複数の第一バーナ44aおよび複数の第一空気供給管45aは、第一燃焼室43aに配置されている。
【0080】
第二部4bは、第一部4aの下側に、所定間隔だけ離間して、配置されている、第二部4bは、外壁40bと、断熱材41bと、第二燃焼室43bと、複数の第二バーナ44bと、複数の第二空気供給管45bと、を備えている。外壁40bは、長方形箱状を呈している。外壁40bのうち上壁の後側部分は、タンク60に当接している。断熱材41bは、外壁40b(詳しくは、上壁の後側部分以外の部分)の内側に積層されている。第二燃焼室43bは、断熱材41bの内側に区画されている。複数の第二バーナ44bおよび複数の第二空気供給管45bは、第二燃焼室43bに配置されている。
【0081】
複数の接続筒4cは、各々、第一部4aと第二部4bとの間に介装されている。接続筒4cの内部には、第二通路40cが配置されている。第二通路40cは、第一燃焼室43aと第二燃焼室43bとを上下方向に連結している。排気筒4dは、第二部4bから突設されている。排気筒4dの内部には、第三通路40dが配置されている。第三通路40dは、第二燃焼室43bと外壁40bの外部とを連結している。排気筒4dには、集塵機(具体的にはサイクロンフィルタ、図略)、吸引ブロワ(図略)が配置されている。
【0082】
過熱水蒸気生成部2は、供給管22を備えている。供給管22の一端(過熱水蒸気の流動方向における上流端)からは、水が導入されている。供給管22は、第二燃焼室43bを貫通している。供給管22は、第二燃焼室43bを蛇行している。供給管22の他端(過熱水蒸気の流動方向における下流端)は、下流端カバー61を貫通している。供給管22は、炉心管30の後端(CFRP10の搬送方向における下流端)開口から、炉心管30の内部に挿入されている。
【0083】
ガス供給部5は、ガス供給管50を備えている。ガス供給管50は、下流端カバー61を貫通している。ガス供給管50は、炉心管30の後端(CFRP10の搬送方向における下流端)開口から、炉心管30の内部に挿入されている。回収部6のタンク60には、蓋付きの開口部(図略)が配置されている。作業者は、当該開口部を介して、タンク60から、炭素繊維10Sを抜き出す。
【0084】
本実施形態の再生ロータリーキルンと、第一実施形態の再生ロータリーキルンとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の再生ロータリーキルン1のように、過熱水蒸気、窒素ガスを、炉心管30の後端(CFRP10の搬送方向における下流端)開口から、炉心管30の内部に導入してもよい。また、本実施形態の再生ロータリーキルン1のように、第一部4a(第一燃焼室43a)と第二部4b(第二燃焼室43b)とを別々に配置してもよい。こうすると、第一燃焼室43a、第二燃焼室43bの配置の自由度が高くなる。
【0085】
本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、第二燃焼室43bの熱により、タンク60を加熱することができる。このため、炭素繊維10Sおよびタンク60の内面における結露の発生を抑制することができる。すなわち、結露により、タンク60の内面に、回収する炭素繊維10Sが付着するのを抑制することができる。したがって、回収する炭素繊維10Sの搬送性を向上させることができる。また、過熱水蒸気生成部2に、図1に示す回収部加熱部21を配置する必要がない。
【0086】
また、本実施形態の再生ロータリーキルン1によると、供給管22のうち、第二燃焼室43bに収容されている区間において、水から過熱水蒸気が生成される。このため、過熱水蒸気生成部2に、図1に示す廃熱回収ボイラ20を配置する必要がない。
【0087】
<その他>
以上、本発明の再生ロータリーキルンの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0088】
本発明の再生ロータリーキルンにおいては、炉心管30の内部に窒素ガスを供給しているが、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)を供給してもよい。また、炉心管30の内部に、二酸化炭素を供給してもよい。この場合も、窒素ガスを供給する場合と同様に、炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性(密着性)を向上させることができる。なお、図1に示す排気筒202、図2に示す排気筒4dから排出される廃ガスには、二酸化炭素が含まれている。当該二酸化炭素を、炉心管30の内部に供給してもよい。こうすると、窒素ガスの供給に要するコストを削減することができる。また、ガス供給部5を配置する必要がなくなる。
【0089】
また、過熱水蒸気または窒素ガスは、炉心管30の前端(CFRP10の搬送方向における上流側)または後端(CFRP10の搬送方向における下流側)のいずれか一方向から供給するのではなく、各々両方向から供給してもよい。また、供給管22において、炉心管30の内部に延出している部分に複数の導入孔を設け、炉心管30の内部に、過熱水蒸気を導入してもよい。ガス供給管50においても、炉心管30の内部に延出している部分に複数の導入孔を設け、炉心管30の内部に、窒素ガスを導入してもよい。また、供給管22とガス供給管50とは、炉心管30の内部において、互いに前後方向(軸方向)に対向して配置してもよい。
【0090】
また、本実施形態の再生ロータリーキルンは、第一燃焼室43aを、第二燃焼室43bの上に配置しているが、第一燃焼室43aを、第二燃焼室43bの下に配置してもよい。また、第一燃焼室43aと、第二燃焼室43bと、を左右に隣接して配置してもよい。また、第二燃焼室43bを複数設けてもよい。
【0091】
また、第二燃焼室43bにより第一燃焼室43aを外側から覆ってもよい。こうすると、第二燃焼室43bの熱により第一燃焼室43aを加熱しやすくなる。また、第一燃焼室43aの保温性が向上する。
【0092】
また、再生ロータリーキルン1と、廃熱回収ボイラ20と、を別々の場所に配置してもよい。すなわち、別の設備のボイラにより生成された水蒸気を、供給管22へ導入し、過熱水蒸気を生成してもよい。
【0093】
また、第一バーナ44a、第二バーナ44b、ボイラ用バーナ200b用の燃料ガスとして、都市ガス、液化石油ガス、COG(コークス炉ガス)などを用いてもよい。
【0094】
また、図1に示す廃熱回収ボイラ20の加熱室200aに、ボイラ用バーナ200b、ボイラ用空気供給管200cを設置しなくてもよい。この場合は、第三通路460を介して第二燃焼室43bから加熱室200aに導入されるガス10Gの保有する熱により、配管201の内部の水を加熱する。こうすると、ボイラ用バーナ200b、ボイラ用空気供給管200cの設置に要するコストを削減することができる。また、廃熱回収ボイラ20の構造を簡単にすることができる。
【0095】
また、図1に示すサイクロンフィルタ63を、複数配置してもよい。例えば、配管64に、別のサイクロンフィルタ63を接続してもよい。ブロワ68は、最下流のサイクロンフィルタ63に接続すればよい。こうすると、より多くのグループに、繊維長ごとに炭素繊維10Sを分級することができる。また、分級部として、サイクロンフィルタ63以外の分級装置を配置してもよい。例えば、分級部として、網により分級を行う振動ふるい機などを配置してもよい。
【0096】
また、図1に示すジャケット211を、配管62、サイクロンフィルタ63、配管64、長繊維タンク65、バグフィルタ66、短繊維タンク67のうち、少なくとも一つに配置してもよい。こうすると、結露の発生を抑制することができる。
【0097】
また、図1に示す第二通路420、第三通路460、図2に示す第二通路40cの配置数は特に限定しない。例えば、第二通路420、40cの配置数は、一つでもよい。また、第三通路460の配置数は、複数でもよい。
【符号の説明】
【0098】
1:再生ロータリーキルン
2:過熱水蒸気生成部、20:廃熱回収ボイラ、200:ハウジング、200a:加熱室、200b:ボイラ用バーナ、200c:ボイラ用空気供給管、201:配管、202:排気筒、202a:第四通路、21:回収部加熱部、210:配管、211:ジャケット、22:供給管
3:管体、30:炉心管、31:タイヤ、32:接続管、320:第一通路
4:燃焼部、4a:第一部、4b:第二部、4c:接続筒、4d:排気筒、40:外壁、40a:外壁、40b:外壁、40c:第二通路、40d:第三通路、41:断熱材、41a:断熱材、41b:断熱材、42:隔壁、420:第二通路、43a:第一燃焼室、43b:第二燃焼室、44a:第一バーナ、44b:第二バーナ、45a:第一空気供給管、45b:第二空気供給管、46:接続筒、460:第三通路
5:ガス供給部、50:ガス供給管
6:回収部、60:タンク、61:下流端カバー、62:配管、63:サイクロンフィルタ(分級部)、64:配管、65:長繊維タンク、66:バグフィルタ、66a:濾布、67:短繊維タンク、68:ブロワ
7:供給部、70:スクリューフィーダ、71:ホッパ、72:切断機(切断部)、73:上流端カバー
10:CFRP、10G:ガス、10S:炭素繊維、10Sa:炭素繊維(長繊維)、10Sb:炭素繊維(短繊維)、90:ローラ
A:加熱区間
【要約】
廃ガス中に占める可燃性のガスの割合を低減可能であり、過熱水蒸気の生成コストを削減可能な再生ロータリーキルンを提供することを課題とする。
再生ロータリーキルン(1)は、過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部(2)と、軸周りに回転可能であって、過熱水蒸気を供給しながら、マトリックス樹脂と炭素繊維とを有する炭素繊維強化樹脂(10)を加熱することにより、マトリックス樹脂から可燃性のガス(10G)を生成し、炭素繊維強化樹脂(10)から炭素繊維(10S)を抽出する加熱区間(A)を有する管体(3)と、管体(3)の外部に配置され、加熱区間(A)から導入されるガス(10G)を燃焼させることにより加熱区間(A)を加熱する第一燃焼室(43a)と、第一燃焼室(43a)から導入されるガス(10G)を燃焼させることにより、過熱水蒸気を生成するための熱を供給する第二燃焼室(43b)と、を備えることを特徴とする。
図1
図2