特許第5876969号(P5876969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5876969
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】車両用自動変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/66 20060101AFI20160218BHJP
【FI】
   F16H3/66 A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-508099(P2015-508099)
(86)(22)【出願日】2014年1月7日
(86)【国際出願番号】JP2014050043
(87)【国際公開番号】WO2014156204
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】特願2013-64598(P2013-64598)
(32)【優先日】2013年3月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 堅一
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 祥司
(72)【発明者】
【氏名】小栗 和夫
(72)【発明者】
【氏名】有松 正夫
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 隼
(72)【発明者】
【氏名】波多野 義明
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−179561(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/140126(WO,A2)
【文献】 特開2005−069256(JP,A)
【文献】 特開平06−200998(JP,A)
【文献】 特開平04−219553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸と、
出力部材と、
静止部と、
第1サン・ギヤ、第1リング・ギヤ、第1ピニオン・キャリヤの3つの回転要素を有する第1遊星歯車組と、
第2サン・ギヤ、第3サン・ギヤ、前記第2サン・ギヤに噛み合う第2ピニオン、該第2ピニオンおよび前記第3サン・ギヤに噛み合う第3ピニオン、前記第2ピニオンおよび前記第3ピニオンを回転自在に支持する第2ピニオン・キャリヤ、および前記第3ピニオンに噛み合う第2リング・ギヤを有するラビニョ・タイプの第2遊星歯車組と、
第1クラッチ、第2クラッチ、第1ブレーキ、第2ブレーキ、および第3ブレーキの5個の摩擦締結要素と、
を備え、
前記第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
前記入力軸を、前記第2要素に常時連結するとともに、前記第1クラッチの締結により前記第2サン・ギヤに連結可能、かつ前記第2クラッチの締結により前記第3サン・ギヤに締結可能とし、
前記出力部材を、前記第2リング・ギヤに常時連結し、
前記第1要素を、前記第1ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とし、
前記第3要素を、前記第2ピニオン・キャリヤに常時連結するとともに、前記第2ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とし、
前記第3サン・ギヤを前記第3ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とした、
車両用自動変速機。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用自動変速機において、
前記第1クラッチが、第1速、第2速、第3速および第4速で締結し、
前記第2クラッチが、第3速、第5速および後進で締結し、
前記第1ブレーキが、第4速、第5速、および第6速で締結し、
前記第2ブレーキが、第1速、および後進で締結し、
前記第3ブレーキが、第2速、および第6速で締結する
車両用自動変速機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車組が、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であり、
前記第1要素が、前記第1サン・ギヤであり、
前記第2要素が、前記第1ピニオン・キャリヤであり、
前記第3要素が、前記第1リング・ギヤである、
車両用自動変速機。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車組が、ダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であり、
前記第1要素が、第1サン・ギヤであり、
前記第2要素が、第1リング・ギヤであり、
前記第3要素が、第1ピニオン・キャリヤである、
車両用自動変速機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
前記出力部材に対し駆動源から軸方向に遠い側に前記第1ブレーキおよび前記第2ブレーキを配置し、前記出力部材に対し駆動源に軸方向に近い側に前記第3ブレーキ、前記第1クラッチ、および前記第2クラッチを配置し、
前記第3ブレーキの半径方向内側に前記第2クラッチを配置し、
該第2クラッチの半径方向内側に前記第1クラッチを配置し、
前記第1遊星歯車組および前記第2遊星歯車組の半径方向外側に前記第1ブレーキおよび前記第2ブレーキを配置し、
前記第2ブレーキを前記第1ブレーキより駆動源の軸方向に近い側に配置した、
車両用自動変速機。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
前記第3ブレーキが外周側に連結されるとともに、前記第2クラッチが内周側に連結された第1連結部材を設け、該第1連結部材を前記出力部材の内周側を通して前記第1サン・ギヤに連結し、
前記第1クラッチが外周側に連結された第2連結部材を設け、該第2連結部材を前記第1連結部材の内周側を通って前記第2サン・ギヤに連結し、
前記第2クラッチが外周側に連結されるとともに、前記第1クラッチが内周側に連結された第3連結部材を設け、該第3連結部材を前記第2連結部材の駆動源の軸方向に近い側を通して入力軸に連結した、
車両用自動変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用自動変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用自動変速機としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来の車両用自動変速機は、いわゆるラビニョ・タイプの遊星歯車組および1組のシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組からなる遊星歯車組と、2個のクラッチおよび3個のブレーキの油圧作動による摩擦締結要素と、を有し、前進6速後進1速を得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−240068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用自動変速機には、以下に説明するような問題がある。
すなわち、上記従来の車両用自動変速機では、低速段での発進・登坂性能、高速段でのエンジン騒音の低減・燃費の向上に関係するレシオ・カバーレッジ(R/C:全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)が6.1と小さく、適切な段間
比を確保しながらレシオ・カバーレッジを拡大することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、好ましい段間比を確保しながら大きなレシオ・カバーレッジを確保することができるようにした車両用自動変速機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため本発明による車両用自動変速機は、
入力軸と、
出力部材と、
静止部と、
第1サン・ギヤ、第1リング・ギヤ、第1ピニオン・キャリヤの3つの回転要素を有する第1遊星歯車組と、
第2サン・ギヤ、第3サン・ギヤ、第2サン・ギヤに噛み合う第2ピニオン、この第2ピニオンおよび第3サン・ギヤに噛み合う第3ピニオン、第2ピニオンおよび第3ピニオンを回転自在に支持する第2ピニオン・キャリヤ、および第3ピニオンに噛み合う第2リング・ギヤを有するラビニョ・タイプの第2遊星歯車組と、
第1クラッチ、第2クラッチ、第1ブレーキ、第2ブレーキ、および第3ブレーキの5個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
入力軸を、第2要素に常時連結するとともに、第1クラッチの締結により第2サン・ギヤに連結可能、かつ第2クラッチの締結により第3サン・ギヤに締結可能とし、
出力部材を、第2リング・ギヤに常時連結し、
第1要素を、第1ブレーキの締結により静止部に固定可能とし、
第3要素を、第2ピニオン・キャリヤに常時連結するとともに、第2ブレーキの締結により静止部に固定可能とし、
第3サン・ギヤを第3ブレーキの締結により静止部に固定可能とした、
ことを特徴とする。
【0007】
また、好ましくは、第1クラッチが、第1速、第2速、第3速および第4速で締結し、
第2クラッチが、第3速、第5速および後進で締結し、
第1ブレーキが、第4速、第5速、および第6速で締結し、
第2ブレーキが、第1速、および後進で締結し、
第3ブレーキが、第2速、および第6速で締結する、
ことを特徴とする。
【0008】
また、好ましくは、第1遊星歯車組が、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であり、
第1要素が、第1サン・ギヤであり、
第2要素が、第1ピニオン・キャリヤであり、
第3要素が、第1リング・ギヤである、
ことを特徴とする。
【0009】
また、好ましくは、第1遊星歯車組が、ダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であり、
第1要素が、第1サン・ギヤであり、
第2要素が、第1リング・ギヤであり、
第3要素が、第1ピニオン・キャリヤである、
ことを特徴とする。
【0010】
また、好ましくは、出力部材に対し駆動源から軸方向に遠い側に第1ブレーキおよび第2ブレーキを配置し、出力部材に対し駆動源に軸方向に近い側に第3ブレーキ、第1クラッチ、および第2クラッチを配置し、
第3ブレーキの半径方向内側に第2クラッチを配置し、
この第2クラッチの半径方向内側に第1クラッチを配置し、
第1遊星歯車組および第2遊星歯車組の半径方向外側に第1ブレーキおよび第2ブレーキを配置し、
第2ブレーキを第1ブレーキより駆動源の軸方向に近い側に配置した、
ことを特徴とする。
【0011】
また、好ましくは、第3ブレーキが外周側に連結されるとともに、第2クラッチが内周側に連結された第1連結部材を設け、この第1連結部材を出力部材の内周側を通して第1サン・ギヤに連結し、
第1クラッチが外周側に連結された第2連結部材を設け、この第2連結部材を第1連結部材の内周側を通って第2サン・ギヤに連結し、
第2クラッチが外周側に連結されるとともに、第1クラッチが内周側に連結された第3連結部材を設け、この第3連結部材を第2連結部材の駆動源の軸方向に近い側を通して入力軸に連結した、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記のように自動変速機を構成したので、部品点数や重量を低減し、コンパクトにして、車両搭載性や燃費を向上させ、コストを低減させることができる。また、良好な段間比を確保しながら、大きいレシオ・カバーレッジを得ることができ、低速段で大きな駆動力を得、発進・登坂性能を向上させることができるとともに、高速段でエンジン回転数を抑えてエンジン騒音の低減、燃費の向上を図ることができる。
【0013】
また、第1クラッチ、第2クラッチ、第1ブレーキ〜第3ブレーキを上記のように締結したので、前進6段および後進の変速段を得ることができる。
【0014】
また、第1遊星歯車組をシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組にしたので、第1遊星歯車組を簡単、かつ安価な構成とすることができる。
【0015】
また、第1遊星歯車組をダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組としたので、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合とは異なったギヤ比や段間比を得ることが可能となる。
【0016】
また、第1クラッチ、第2クラッチ、第1ブレーキ〜第3ブレーキを上記のように配置したので、軸方向および半径方向にコンパクトにすることができ、車両搭載性が向上する。
【0017】
また、第1連結部材〜第3連結部材を上記のように設けたので、簡単な構造で、軸方向および半径方向にコンパクトにすることができ、車両搭載性が向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1に係る車両用自動変速機のスケルトンを示す図である。
図2】実施例1の車両用自動変速機で用いる摩擦締結要素の作動および各変速段でのギヤを示す作動表を表す図である。
図3】実施例1の車両用自動変速機における、前進第1速での共通速度線図である。
図4】実施例1の車両用自動変速機における、前進第2速での共通速度線図である。
図5】実施例1の車両用自動変速機における、前進第3速での共通速度線図である。
図6】実施例1の車両用自動変速機における、前進第4速での共通速度線図である。
図7】実施例1の車両用自動変速機における、前進第5速での共通速度線図である。
図8】実施例1の車両用自動変速機における、前進第6速での共通速度線図である。
図9】実施例1の車両用自動変速機における、後進での共通速度線図である。
図10】実施例1の車両用自動変速機の断面側面図である。
図11】本発明の実施例2に係る車両用自動変速機のスケルトンを示す図である。
図12】実施例2の車両用自動変速機で用いる摩擦締結要素の作動および各変速段でのギヤを示す作動表を表す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、実施例1の車両用自動変速機の全体構成を説明する。
この実施例1の車両用自動変速機は、エンジン前置き前輪駆動車やエンジン後置き後輪駆動車の、いわゆるエンジン横置きタイプに適用される。
図1に、実施例1の車両用自動変速機のスケルトンを示す。なお、図1では、中心軸(入力軸Iの中心軸を通る軸)から上半分を描いてあり、下半分は省略している。なお、図10に実施例1の車両用自動変速機の断面を示してある。
【0021】
同図に示すように、実施例1の車両用自動変速機は、入力軸Iと、出力部材O(図10に示す伝達歯車50であり、第2リング・ギヤ22に常時連結している)と、第1遊星歯車組1と、第2遊星歯車組2と、第1クラッチ4、第2クラッチ5、第1ブレーキ3、第2ブレーキ6、および第3ブレーキ7の2個のクラッチおよび3個のブレーキからなる油圧作動の摩擦締結要素と、自動変速機のケース(本発明の静止部に相当)8と、を備えている。
入力軸Iは、図示しないエンジン(本発明の駆動源に相当)にトルク・コンバータ等を介して連結可能であり、出力部材Oは、図10に示す差動歯車装置51を介して図示しない駆動輪に連結されている。
【0022】
第1遊星歯車組1は、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であって、3つの回転要素、すなわち、中心側に配置された第1サン・ギヤ11と、この半径方向外側に配置された第1リング・ギヤ12と、第1サン・ギヤ11および第1リング・ギヤ12の間に配置されてこれら両方に噛み合う複数の第1ピニオン13を回転自在に支持する第1ピニオン・キャリヤ14と、を有している。
ここで、第1遊星歯車組1の歯数比α1(第1サン・ギヤ11の歯数比/第1リング・ギヤ12の歯数比)は、たとえば0.563に設定してある。
【0023】
第2遊星歯車組2は、いわゆるラビニョ・タイプの遊星歯車組であって、中心側で軸方向に互いに離間されて配置された第2サン・ギヤ21および第3サン・ギヤ26と、第2サン・ギヤ21の外周側でこれと噛み合う複数の第2インナ・ピニオン23と、第2インナ・ピニオン23および第3サン・ギヤ26の半径方向外側に配置されてこれらと噛み合う複数の第2アウタ・ピニオン24と、第2インナ・ピニオン23および第2アウタ・ピニオン24を回転自在に支持する第2ピニオン・キャリヤ25と、第2アウタ・ピニオン24の半径方向外側に配置されてこれと噛み合う第2リング・ギヤ22と、を有している。
【0024】
ここで、第2遊星歯車組2は、第2サン・ギヤ21、第2リング・ギヤ22、第2インナ・ピニオン23、および第2アウタ・ピニオン24で構成したダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組と、第3サン・ギヤ26、第2リング・ギヤ22、および第2アウタ・ピニオン24で構成したシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組と、からなるとみなすことができ、その場合、それぞれの歯数比α2、α3は、たとえば0.363、0.469に設定してある。
【0025】
上記第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2の各回転要素は、以下に説明するようにそれぞれ連結、連結可能、固定可能とされる。
まず、第1遊星歯車組1にあっては、第1サン・ギヤ11が第1ブレーキ3の締結によりケース8に固定可能であり、第1リング・ギヤ12が第2ピニオン・キャリヤ25に常時連結されるとともに第2ブレーキ6でケース8に固定可能であり、第1ピニオン・キャリヤ14が入力軸Iに常時連結されている。
第2遊星歯車組2にあっては、第2サン・ギヤ21は、第1クラッチ4の締結により入力軸Iに連結可能であり、第2リング・ギヤ22が第2アウタ・ピニオン24に噛み合い、第2ピニオン・キャリヤ25が上述のように第1リング・ギヤ12に連結され、第3サン・ギヤ26が第2クラッチ5の締結により入力軸Iと連結可能であるとともに第3ブレーキ7の締結によりケース8に固定可能である。
【0026】
上記のように連結した実施例1の自動変速機における各摩擦締結要素の締結・解放を、図2の作動表に示してある。作動表は、この横方向には各速度段を第1速から第6速まで、および後進を表しており、縦方向には、各摩擦締結要素が並べられている。作動表中、〇印はその摩擦締結要素が締結状態にされることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態であることをそれぞれ示す。 なお、作動表の下方には、各変速段のギヤ比、自動変速機でのレシオ・カバーレッジ(R/C:全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)、およびリバース比/1速比(Rev/1st)を記載してある。
【0027】
また、上記各摩擦締結要素は、図示しないコントローラにより電子制御される図示しないコントロール・バルブからの圧油の供給、抜きにより、それらの締結、解放が制御される。これらのコントローラやコントロール・バルブの構成および作用はよく知られているので、ここではそれらの説明は省略する。
【0028】
次に、各変速段における動力の伝達経路を、そのときの共通速度線図を用いて説明する。なお、第2遊星歯車組2は、便宜上、上述したようにダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組およびシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組に分けて描いてある。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を第1〜第3遊星歯車組1〜3の歯数比α1〜α3の大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3つの回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
この場合、縦軸には、回転速度ゼロより上方にエンジンと同じ回転方向の回転速度をとり、回転速度ゼロより下方にエンジンと逆回転方向の回転速度をとるようにする。
共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
【0029】
また、各変速段の共通速度線図を示す図3図9にあっては、同図中、左側から右側に向けて第1遊星歯車組1、第2遊星歯車組2のダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組、第2遊星歯車組2のシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の順で配置されており、これらのサン・ギヤはS、ピニオン・キャリヤはC、リング・ギヤはRで表し、これらの添え字1、2はそれぞれが所属する遊星歯車組の番号(第1、第2)を表す。
すなわち、第1遊星歯車組1のサン・ギヤ11はS1、ピニオン・キャリヤ14はC1、リング・ギヤ12はR1で表され、これらはそれぞれ本発明の第1要素、第2要素、第3要素に相当する。また、第2遊星歯車組2の第2サン・ギヤはS2、第2リング・ギヤ22はR2、第2ピニオン・キャリヤ25はC2である。ただし、第3サン・ギヤのみはS3でそれぞれ表してある。
【0030】
したがって、共通速度線図は、図3図9すべてにおいて、同図中、左側から右側に向けて第1サン・ギヤ11(第1要素)、第1ピニオン・キャリヤ14(第2要素)、第1リング・ギヤ12(第3要素)、第2サン・ギヤ21、第2リング・ギヤ22、第2ピニオン・キャリヤ25、第3サン・ギヤ26にそれぞれ対応する速度軸S1、C1、R1、S2、R2、C2、S3、C2、R2がこれらの順に並ぶことになる。なお、図3図9の各共通速度線図において、入力は○で、また出力は△で表してある。入力軸Iの回転速度は、ギヤ比の計算を容易にするため、共通速度線図では1としてある。また、以下の各変速段でのギヤ比は、α1〜α3をそれぞれ上記のように0.563、0.363、0.469に設定した場合の値である。
【0031】
まず、自動変速機がN(ニュートラル)位置やP(パーク)位置にあるときは、すべての摩擦締結要素には締結圧が供給されないため、第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2はすべてフリーの状態にあり、これらは動力を伝えない。この結果、エンジンからの動力は、出力部材Oには伝わらない。
【0032】
ドライバーが図示しないセレクト・レバーをD(ドライブ、すなわち前進走行)位置に移動させると、車両は発進する。この発進時では車速が低いので、まず、第1速が成立する。
すなわち、第1速では、第1クラッチ4および第2ブレーキ6が締結される。
したがって、第1遊星歯車組1では、第1ピニオン・キャリヤ14が入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転する。第1リング・ギヤ12は、第2ブレーキ6の締結によりケース8に固定されて回転速度0である。したがって、第1サン・ギヤ11は、オーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2のダブル・ピニオン側では、第1クラッチ4の締結により第2サン・ギヤ21が入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転する。第2ピニオン・キャリヤ25は、第1リング・ギヤ12に連結されており、第2ブレーキ6の締結によりケース8に固定されて回転速度0である。したがって、その第2リング・ギヤ22および出力部材は、減速回転速度である第1速(ギヤ比2.759)で回転する。
なお、第2遊星歯車組2のシングル・ピニオン側の第3サン・ギヤ26は、第2リング・ギヤ22が上記減速回転速度で回転し、第2ピニオン・キャリヤ25が固定されているので、エンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
【0033】
車速が上昇すると、コントローラが第2ブレーキ6を解放するとともに第3ブレーキ7を締結して第1速から第2速にシフトする。このとき、第1クラッチ4の締結は第1速のそのままである。この状態での共通速度線図を図4に示す。
このとき、第1遊星歯車組1およびで第2遊星歯車組2のダブル・ピニオン側では、第1ピニオン・キャリヤ14が、また第1クラッチ4の締結により第2サン・ギヤ21が、入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転する。第1リング・ギヤ12は、第2ピニオン・キャリヤ25に連結されて同じ回転速度で回転する。このとき、第2遊星歯車組2のシングル・ピニオン側の第3サン・ギヤ26は、第3ブレーキ7の締結により回転速度0である。
したがって、第1サン・ギヤ11は、オーバードライブ回転速度で回転し、第1リング・ギヤ12および第2ピニオン・キャリヤ25は同じ回転速度で回転し、第2リング・ギヤ22および出力部材は、第1リング・ギヤ12および第2ピニオン・キャリヤ25の減速回転速度や第1速より早い減速回転速度である第2速(ギヤ比1.561)で回転する。
【0034】
さらに車速が上昇して、コントローラが第3ブレーキ7を解放するとともに、第2クラッチ5を締結すると、自動変速機は第2速から第3速になる。このとき、第1クラッチ4の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図5に示す。
すなわち、第3速では、第1ピニオン・キャリヤ14、第1クラッチ4の締結により第2サン・ギヤ21、第2クラッチ5の締結により第3サン・ギヤ26が、それぞれ入力軸Iに連結されて、これと同じ回転速度で回転する。第1リング・ギヤ12が第2ピニオン・キャリヤ25に連結されて、これらは同じ回転速度で回転する。
したがって、第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2のすべての回転要素は、一体となって回転する。この結果、出力部材は、直結となる第3速(ギヤ比1.000)で回転する。
【0035】
さらに車速が上昇して、コントローラが第2クラッチ5を解放するとともに、第1ブレーキ3を締結すると、自動変速機は第3速から第4速になる。このとき、第1クラッチ4の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図6に示す。
この4速では、第1遊星歯車組1は、第1ピニオン・キャリヤ14が入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転する。第1サン・ギヤ11は、第1ブレーキ3の締結によりケース8に固定されて回転速度0である。したがって、第1リング・ギヤ12は、オーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2のダブル・ピニオン側では、第1クラッチ4の締結により第2サン・ギヤ21が入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転する。第2ピニオン・キャリヤ25は、第1リング・ギヤ12に連結されているので、これと同じオーバードライブ回転速度で回転する。したがって、第2リング・ギヤ22および出力部材は、第2ピニオン・キャリヤ25より遅いオーバードライブ回転速度である第4速(ギヤ比0.736)で回転する。
なお、第2遊星歯車組2のシングル・ピニオン側の第3サン・ギヤ26は、第2ピニオン・キャリヤ25および第2リング・ギヤ22よりさらに早いオーバードライブ回転速度で回転する。
【0036】
さらに車速が上昇して、コントローラが第1クラッチ4を解放するとともに、第2クラッチ5を締結すると、自動変速機は第4速から第5速になる。このとき、第1ブレーキ3の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図7に示す。
この第4速では、第1遊星歯車組1は、第4速の場合と同じ状態であり、第1ピニオン・キャリヤ14は、入力軸Iと同じ回転速度で回転し、第1サン・ギヤ11は、第1ブレーキ3の締結により回転速度0であり、第1リング・ギヤ12は、オーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2では、第2ピニオン・キャリヤ25が第1リング・ギヤ12と同じオーバードライブ回転速度で回転し、第3サン・ギヤ26が第2クラッチ5の締結により入力軸Iと同じ回転速度で回転する。
したがって、第2リング・ギヤ22および出力部材は、第4速より早いオーバードライブ回転速度である第5速(ギヤ比0.547)で回転する。
なお、このとき、第2サン・ギヤ21は、第2リング・ギヤ22より早いオーバードライブ回転速度で回転する。
【0037】
さらに車速が上昇して、コントローラが第2クラッチ5を解放するとともに、第3ブレーキ7を締結すると、自動変速機は第5速から第6速になる。このとき、第1ブレーキ3の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図8に示す。
この第6速では、第1遊星歯車組1は、第4速および第5速の場合と同じ状態であり、第1ピニオン・キャリヤ14は、入力軸Iと同じ回転速度で回転し、第1サン・ギヤ11は、第1ブレーキ3の締結により回転速度0であり、第1リング・ギヤ12は、オーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2では、第2ピニオン・キャリヤ25が第1リング・ギヤ12と同じオーバードライブ回転速度で回転し、第3サン・ギヤ26が第3ブレーキ7の締結により回転速度となるので、第2リング・ギヤ22および出力部材は、第5速より早いオーバードライブ回転速度である第6速(ギヤ比0.435)で回転する。
なお、このとき、第2サン・ギヤ21は、第2リング・ギヤ22よりさらに早いオーバードライブ回転速度で回転する。
【0038】
以上は、D位置におけるアップシフトの作動について説明したが、D位置におけるダウンシフトは、上記とは逆方向の作動になるが、各変速段での作動はいずれでも同じであるので、それらの説明は省略する。
【0039】
次に、車両停止状態でドライバーがセレクト・レバーをR(リバース:後進)位置に移動させると、コントローラは、第2クラッチ5および第2ブレーキ6を締結する。この状態での共通速度線図を図9に示す。
この後進時には、第1遊星歯車組1は、第1速の場合と同じ状態にあり、第1ピニオン・キャリヤ14が入力軸Iと同じ回転速度で回転し、第1リング・ギヤ12が第2ブレーキ6の締結により回転速度0であるので、その第1サン・ギヤは、オーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2のシングル・ピニオン側では、第2ピニオン・キャリヤ25が第1リング・ギヤ12に連結されており第2ブレーキ6の締結により回転速度0であり、第3サン・ギヤ26が第2クラッチ5の締結により入力軸Iと同じ回転速度で回転しているので、その第2リング・ギヤおよび出力部材は、エンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度である後進段(ギヤ比−2.133、ただし−はエンジン回転速度の駆動方向とは逆回転方向を表す)で回転する。
【0040】
なお、この実施例1の自動変速機にあっては、レシオ・カバーレッジ(R/C値)は6.336となって、低速段から高速段まで幅広いギヤ比が得られる。
また、リバース比/1速比(Rev/1st)は0.773となって、発進時と後進時とにあってアクセル・ペダルの踏込量に対する出力差があまりないので、ドライバーに違和感をもたせることがない。
【0041】
次に、上記実施例1の自動変速機の詳細構造を、その断面を示す図10に基づいて、説明する。
同図において、入力軸Iは、同図中右側の図示しないエンジンにトルク・コンバータ52を介して連結される。第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2は、入力軸Iと同心上に配置される。第2遊星歯車組2は、出力部材Oとしての伝達歯車50に対して図中左側、つまりエンジンから遠い側に、伝達歯車50に隣接して配置される。第1遊星歯車組1は、第2遊星歯車組2よりもエンジンから遠い側に、第2遊星歯車2に隣接して配置される。
第2リング・ギヤ22には伝達歯車50が取り付けられる。伝達歯車50はアイドル歯車を有するアイドル軸53を介して差動歯車装置51を駆動する。差動歯車装置51は、左右の駆動軸54を介してそれぞれ左右の図示しない駆動輪を駆動する。
【0042】
伝達歯車50に対して図中右側、つまりエンジンに近い側であって、伝達歯車50とポンプ・ハウジング55との間には、第3ブレーキ7、第1クラッチ4、および第2クラッチ5が配置される。
上記各部材を連結するため、第1連結部材56、第2連結部材57、第3連結部材58が設けられる。
【0043】
第1連結部材56は、ドラム部561と連結部562と中空シャフト部563とからなる。ドラム部561は、伝達歯車50よりもエンジン側に配置され、エンジン側に開口したドラム部561の外周側に第3ブレーキ7の回転側部材がスプライン嵌合されるとともに、その内周側に第2クラッチ5のドリブン側部材がスプライン嵌合される。このドラム部561の内周側に連結部562を介して一端側が連結される中空シャフト部563は、伝達歯車50の内周側を通り、その他端側は第3サン・ギヤ26に連結される。
【0044】
第2連結部材57は、ハブ部571に中空シャフト部572からなる。ハブ部571は、第1連結部材56のドラム部561よりもエンジン側に配置され、このハブ部571は、第1連結部材56のドラム部561よりもエンジン側に配置され、このハブ部571の外周側に第1クラッチ4のドリブン側部材がスプライン嵌合される。このハブ部571の内周側に一端側が連結される中空シャフト部572は、第1連結部材56と入力軸Iとの間を通り、その他端側は第2サン・ギヤ21に連結される。
第3連結部材58は、ドラム部581と連結部582とからなる。ドラム部581は、第1連結部材56のドラム部561よりもエンジン側に、第1連結部材56のドラム部561と対向するように配置され、エンジン側とは反対側に開口したドラム部581の外周側に第2クラッチ5のドライブ側部材がスプライン嵌合されるとともに、その内周側に第1クラッチ4のドライブ側部材がプライン嵌合される。このドラム部581の内周側は、第2連結部材57のハブ部571のエンジン側を通って配置される連結部分582によって、入力軸Iと連結される。
また、第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2の外周には、軸方向でエンジン側に向かって第1ブレーキ3と第2ブレーキ6がこの順に配置される。
【0045】
以上説明したように、実施例1の自動変速機は、以下の効果を有する。 実施例1の自動変速機にあっては、第2遊星歯車組2にラビニョ・タイプの遊星歯車組を用いたので、6個の回転要素で構成される2組のシングル・ピニオン・タイプのものに比べて回転要素が4個だけで済む上、ピニオン・キャリヤも2個から1個で済む。
したがって、要素数の低減により、軸方向の寸法や重量も低減できてコンパクトになり、車両への搭載性が向上するとともにコストも低減することができる。
【0046】
また、レシオ・カバーレッジも6.366と従来のものより大きくでき、しかもこの場合、良い段間比を確保することが可能となる。したがって、低速段での大きな駆動力による発進・登坂能力を向上させることができ、高速段では、エンジン回転数を下げてエンジン騒音の低減・燃費の向上を図ることができる。
また、実施例1の自動変速機にあっては、リバース比/1速比(Rev/1st)が0.773となって、発進時と後進時とにあってアクセル・ペダルの踏込量に対する出力差がほとんどないので、ドライバーに違和感をもたせないようにすることができる。
【0047】
また、第1連結部材56〜第3連結部材58を用いて第3ブレーキ7、第1クラッチ4、第2クラッチ5を半径方向に重ねて配置したので、軸方向長さを短縮することができる。
また、第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2の外周に、第1ブレーキ3と第2ブレーキ6を配置したので、軸方向長さを短縮することができる。この場合、第1ブレーキ3と第2ブレーキ6とは軸方向に並べて配置したので、自動変速機のエンジンとは反対側の部分の半径方向寸法を小さくすることができ、車体フレームとの干渉を防止することができるようになる。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の実施例2に係る自動変速機について、以下に説明する。
なお、実施例1と同じ構成の部分には、同じ番号を付してそれらの説明を省略する。
実施例2の自動変速機は、第1遊星歯車組1が実施例1のシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車からダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組に変わったことだけである。ただし、これに伴い、ギヤ比、レシオ・カバーレッジ(R/C値)、リバース比/1速比(Rev/1st)の値も変更してある。
なお、同図では、第2ブレーキ6の位置が変更になって、第2リング・ギヤ22と第3ブレーキ7との間に移動されるが、その第1リング・ギヤ12と第2ピニオン・キャリヤ25とを固定するといった作動は変わらない。
【0049】
すなわち、第1遊星歯車組1は、第1サン・ギヤ11と、第1リング・ギヤ12と、第1サン・ギヤ11の外周でこれと第1インナ・ピニオン15と、第1ピニオン15と第1リング・ギヤ12の間でこれらに噛み合う第1ピニオン・キャリヤ14と、を有する。
第1サン・ギヤ11、第1リング・ギヤ12、および第1ピニオン・キャリヤ14は、他の部材と実施例1と同様に連結される。
なお、第1遊星歯車組1のギヤ比は0.450に、第2遊星歯車組2のダブル・ピニオン側のギヤ比は0.384に、また第2遊星歯車組2のシングル・ピニオン側のギヤ比は0.497にそれぞれ設定してある。
他の構成は、実施例1と同じである。
【0050】
実施例2の自動変速機の摩擦締結要素の作動表、各変速段のギヤ比、レシオ・カバーレッジ、リバース比/1速比を図12に示す。
実施例2の場合も、作用は共通速度線図で第1リング・ギヤ11の速度軸R1と第1ピニオン・キャリヤ14の速度軸C1とが入れ替わり、第1サン・ギヤ11の速度軸S1との間隔は変わるものの、その作用は実施例1の場合と同じであるので、その説明は省略する。
実施例2では、第1速のギヤ比が2.606、第2速のギヤ比が1.533、第3速のギヤ比が1.000、第4速のギヤ比が0.665、第5速のギヤ比が0.449、第6速のギヤ比が0.367、後進のギヤ比が-2.011となり、レシオ・カバーレッジが7.093、リバース比/1速比が0.772となる。
【0051】
実施例2の自動変速機も、実施例1と同様な効果を得ることができる。また、第1遊星歯車組1にダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組を用いたので、第1遊星歯車組1がシングル・ピニオン・タイプである場合には得ることができないギヤ比を得ることができ、各種エンジンへの適用範囲が広くなるといった効果もある。
【0052】
以上、本発明を上記実施例に基づき説明してきたが、本発明は上記実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
【0053】
たとえば、上記α1〜α3の値は、実施例の値に限られず、必要に応じて適宜変更してもよい。
【0054】
また、本発明の自動変速機は、エンジン前置き前輪駆動車やエンジン後置き後輪駆動車に限られない。
図1
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図5
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図10
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図12