特許第5876972号(P5876972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5876972硬化後柔軟性に優れる硬化性樹脂、(メタ)アクリル化硬化性樹脂、及び液晶シール剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5876972
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】硬化後柔軟性に優れる硬化性樹脂、(メタ)アクリル化硬化性樹脂、及び液晶シール剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/17 20060101AFI20160218BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20160218BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   C08G59/17
   C09K3/10 E
   C09K3/10 L
   C09K3/10 B
   G02F1/1339 505
【請求項の数】5
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-542072(P2015-542072)
(86)(22)【出願日】2015年3月31日
(86)【国際出願番号】JP2015060050
【審査請求日】2015年8月21日
(31)【優先権主張番号】特願2014-72773(P2014-72773)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000162434
【氏名又は名称】協立化学産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 健介
(72)【発明者】
【氏名】臼井 大晃
【審査官】 柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−535259(JP,A)
【文献】 特開2008−260936(JP,A)
【文献】 特開2004−269882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 59/00−59/72
C09K 3/10
G02F 1/1339
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される硬化性樹脂:
【化7】

[式中、mは、1〜7の範囲の数であり、
Xは、互いに独立に、水素原子、水酸基、グリシジルオキシ基、又はメチルグリシジルオキシ基であり、
は、それぞれ互いに独立に水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基であり、
は、それぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、
A環は、それぞれ互いに独立に炭素原子数、及びヘテロ原子数の合計が5以上であり、且つ1つ以上の芳香環、又はヘテロ芳香環を含む基であり、
Yは、下記式(1a):
【化8】

(式中、Yは、それぞれ互いに独立に炭素原子数2〜5のアルキレン基であり、nは1〜250の範囲の数である)、下記式(1b):
【化9】

(式中、Yは、それぞれ互いに独立に直接結合又は炭素数1若しくは2のアルキレン基であり、Rはそれぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、pとqはそれぞれ互いに独立に0以上の数であり、且つそれらの合計は1〜200の範囲の数である)、又は前記式(1b)中の不飽和結合の一部又は全部を水素化した構造の基であり、
前記R及びXに関して、グリシジル基又はメチルグリシジル基であるRと、グリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基であるXの合計の個数の平均xは1以上である。]を、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化物からなる群より選択される1以上の(メタ)アクリル酸系化合物と反応させる、(メタ)アクリル化硬化性樹脂の製造方法
【請求項2】
前記式(1)において、A環に含まれる炭素原子数が4〜40であり、酸素原子数が0〜5であり、窒素原子数が0〜5であり、硫黄原子数が0〜5であり、且つA環に含まれる環構造の数が1〜5である、請求項1に記載の(メタ)アクリル化硬化性樹脂の製造方法
【請求項3】
請求項1に記載の式(1)で表される硬化性樹脂、及び/又は、請求項1若しくは2に記載の(メタ)アクリル化硬化性樹脂と、光重合開始剤及び/又は硬化剤とを混合する工程を含む、液晶シール剤組成物の製造方法
【請求項4】
前記液晶シール剤組成物における、硬化性樹脂及び/又は(メタ)アクリル化硬化性樹脂の含有量が5〜95重量%である、請求項3に記載の液晶シール剤組成物の製造方法。
【請求項5】
らに、エチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有する化合物H(但し、前記硬化性樹脂及び(メタ)アクリル化硬化性樹脂を除く)を混合する工程を含む、請求項3又は4に記載の液晶シール剤組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化後にも優れた柔軟性を発現する、液晶シール剤に適した硬化性樹脂及び(メタ)アクリル化硬化性樹脂、及びこれら硬化性樹脂を含む液晶シール剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等の液晶表示装置の製造において、例えば、液晶パネルを構成する2枚の基板のいずれかの基板の外周に液晶シール剤を塗布し、いずれかの基板上に所定量の液晶を滴下し、2枚の基板を真空下で貼り合せた後に大気圧中に戻すことにより液晶を基板同士の間に充填し、液晶シール剤を硬化させる液晶滴下工法が普及している。
【0003】
液晶滴下工法では、高速硬化の観点から、エポキシアクリレート系化合物を主剤とするラジカル重合反応性化合物が液晶シール剤として広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−297470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶滴下工法では、2枚の基板のいずれかにシール剤を枠状に塗布して枠シールを形成し、いずれかの基板に液晶を滴下して、真空下で両基板を貼り合わせ、UV照射して液晶シール剤を光硬化させた後に、液晶のNI点(Nematic Isotropic point)以上の温度で熱養生し、液晶シール剤を熱硬化すると同時に液晶を配向させる。
【0006】
TVのように大型パネルの場合は、パネルが大きい為、液晶滴下箇所から枠シールまでに一定以上の距離があり、液晶を滴下してパネルを貼り合わせてからUV照射するまでに液晶と未硬化状態の液晶シール剤とが接触しない、又は接触時間が短く、主に液晶シール剤は光硬化してから液晶と接触していた。
【0007】
一方、近年スマートフォンやタブレット型端末等の普及により需要が増大している小型液晶パネルでは、液晶滴下箇所から枠シールまでの距離が短い為、貼り合わせてからUV照射するまでに、液晶シール剤が未硬化の状態で液晶と接触する、又は接触時間が長い。その為、従来よりも、液晶シール剤の未硬化状態での液晶汚染性が問題となる。
【0008】
従来のエポキシ/アクリル系化合物を含むエポキシ化合物を主剤とするラジカル重合反応性の液晶シール剤は、かかる問題の解決の要請に十分に応えているとは言い難い。
【0009】
また、近年、電子ペーパー等、安全で軽量且つ自由に折り曲げが可能なフレキシブル液晶ディスプレイの市場展開が期待されている。前記フレキシブル液晶ディスプレイは、従来の剛直なガラス基板に代わって、プラスチックフィルム等のような柔軟な基板を用いて製造される。
【0010】
液晶シール剤についても、従来のものは比較的剛直な硬化物を形成するため、ガラスのような形状変化の少ない基板の接着には適しているが、フィルム等の柔軟な基板からなるフレキシブルディスプレイにおいては、従来製品では屈曲や基板の収縮による形状変化によって破壊や剥離が発生するため、当該用途に十分に適しているとは言い難い。
【0011】
このような観点から、特にフレキシブル液晶ディスプレイに好適であるシール剤として、硬化後にも十分な柔軟性を有する液晶シール剤が要求される。
【0012】
以上に鑑み、本発明の課題は、フレキシブル液晶ディスプレイを屈曲させた場合でも問題無く接着状態を維持できる柔軟性を有する硬化物を形成し、且つ液晶汚染性が低く液晶配向性に影響を与え難い硬化性樹脂及び当該硬化性樹脂を含む液晶シール剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は以下の態様を包含する。
(1)下記式(1)で表される硬化性樹脂:
【化1】

[式中、mは、1〜7の範囲の数であり、Rは、それぞれ互いに独立に水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基であり、Rは、それぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、A環は、それぞれ互いに独立に炭素原子数、及びヘテロ原子数の合計が5以上であり、且つ1つ以上の芳香環、又はヘテロ芳香環を含む基であり、Xは、互いに独立に、水素原子、水酸基、グリシジルオキシ基、又はメチルグリシジルオキシ基であり、Yは、下記式(1a):
【化2】

(式中、Yは、それぞれ互いに独立に炭素原子数2〜5のアルキレン基であり、nは1〜250の範囲の数である)、下記式(1b):
【化3】

(式中、Yは、それぞれ互いに独立に直接結合又は炭素数1若しくは2のアルキレン基であり、Rはそれぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、pとqはそれぞれ互いに独立に0以上の数であり、且つそれらの合計は1〜200の範囲の数である)、又は前記式(1b)中の不飽和結合の一部又は全部を水素化した構造の基であり、前記R及びXに関して、グリシジル基又はメチルグリシジル基であるRと、グリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基であるXの合計の個数の平均xは1以上である。]。
(2)前記式(1)において、A環に含まれる炭素原子数が4〜40であり、酸素原子数が0〜5であり、窒素原子数が0〜5であり、硫黄原子数が0〜5であり、且つA環に含まれる環構造の数が1〜5である、(1)に記載の硬化性樹脂。
(3)(1)又は(2)に記載の硬化性樹脂のエポキシ基、水酸基及び不飽和結合の少なくとも一部と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて得られる(メタ)アクリル化硬化性樹脂。
(4)(1)又は(2)に記載の硬化性樹脂及び/又は(3)に記載の(メタ)アクリル化硬化性樹脂を含む、液晶シール剤組成物。
(5)前記液晶シール剤組成物における、硬化性樹脂及び/又は(メタ)アクリル化硬化性樹脂の含有量が5〜95重量%である、(4)に記載の液晶シール剤組成物。
(6)前記液晶シール剤組成物が、さらに、エチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有する化合物H(但し、前記硬化性樹脂及び(メタ)アクリル化硬化性樹脂を除く)を含む、(4)又は(5)に記載の液晶シール剤組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フレキシブル液晶ディスプレイを屈曲させた場合でも問題無く接着状態を維持できる柔軟性を有する硬化物を形成し、且つ液晶汚染性が低く液晶配向性に影響を与え難い硬化性樹脂及び当該硬化性樹脂を含む液晶シール剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、メタクリル及び/又はアクリルを意味し、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
【0016】
[本発明の硬化性樹脂]
本発明の硬化性樹脂は、下記式(1)で表わされる。
【0017】
【化4】
【0018】
本発明の硬化性樹脂は、mの添え字がついた括弧で括られたブロックの、エーテル部位や所定の基Yからなる柔軟部位を有しており、本発明の硬化性樹脂を硬化させて得られる硬化物は、当該柔軟部位が柔軟性やゴム弾性を発揮するものと考えられ、柔軟性に優れている。式(1)で表される通り本発明の硬化性樹脂は柔軟な高分子構造を有しており、これによって本発明の硬化性樹脂の硬化物の架橋密度が適度に低下していることも、前記の柔軟性の発揮に寄与しているものと考えられる。
【0019】
また、前記の柔軟部位を有するとともに、本発明の硬化性樹脂はA環という芳香環含有構造を有し、このような所定の構造を有する本発明の硬化性樹脂は、液晶汚染性が低い。
【0020】
(mについて)
式(1)中、mは、1〜7の範囲の数であり、本発明の硬化性樹脂の粘度やハンドリング性の観点から、1〜5の範囲の数であることが好ましく、1〜3の範囲の数であることがより好ましい。本発明の硬化性樹脂は、例えば後述する製造方法により製造することが可能で、その場合、mの数の異なる複数種類の化合物の混合物となる場合がある。
【0021】
(Xについて)
式(1)中、Xは、それぞれ互いに独立に水素原子、水酸基、グリシジルオキシ基、又はメチルグリシジルオキシ基である。Xが水酸基、グリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基である場合には、後述する通り当該部分は架橋反応を起こすことが出来、また、当該部分に(メタ)アクリル基を導入することも出来る。
【0022】
低液晶汚染性の観点からは、このようなXとしては水酸基及びグリシジルオキシ基が好ましい。
【0023】
(Rについて)
上記式(1)において、Rは、それぞれ互いに独立に水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。後述する通り、Rを含む基は架橋反応を起こすことが出来、また、当該部分に(メタ)アクリル基を導入することも出来る。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるR同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0024】
低液晶汚染性の観点からは、このようなRとしては水素原子及びグリシジル基が好ましい。
【0025】
そして、上記式(1)で表される本発明の硬化性樹脂において、グリシジル基又はメチルグリシジル基であるR及びグリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基であるX(つまりエポキシ基を有するR及びX)の合計の個数の平均xは1以上であり、好ましくは2以上である。このように硬化性樹脂が一定以上の数の架橋性基を有し、且つ上記の柔軟部位を有することによって、液晶シール剤に求められる硬化性・接着性を確保しつつ、硬化物の優れた柔軟性(以下、「硬化後柔軟性」ともいう)も達成することができる。
【0026】
前記xは、後述する本発明の硬化性樹脂を含む液晶シール剤組成物の、例えば粘度が影響する塗布性等の作業性と、例えば架橋密度が影響する硬化後の強度等の物理的特性の観点から、前記の通り好ましくは2以上であり、より好ましくは2〜16であり、さらに好ましくは2〜8である。
【0027】
なおxに関しては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)や、ゲル濾過/浸透クロマトグラフィー(GPC/GFC)によって、硬化性樹脂の平均分子量及び分子量分布を測定し、さらに硬化性樹脂のエポキシ当量を測定することによって、その測定結果から上記式(1)におけるxを算出することができる。
【0028】
(Rについて)
上記式(1)において、Rは、それぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、本発明の硬化性樹脂の低液晶汚染性の観点から好ましくは水素原子である。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるR同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
(A環について)
上記式(1)において、A環は、それぞれ互いに独立に炭素原子数、及びヘテロ原子数の合計が5以上であり、且つ1つ以上の芳香環、又はヘテロ芳香環を含む基である。炭素原子数及びヘテロ原子数の合計が5以上であるとは、A環全体をみたときの、環を構成する炭素原子及びヘテロ原子、環構成原子に炭素原子やヘテロ原子を有する基が結合しているのであれば、それらの基を含めて、全体の炭素原子及びヘテロ原子数の合計が5以上である、ということである。
【0030】
A環については、本発明の硬化性樹脂及び後述する液晶シール剤組成物の粘度、ハンドリング性の観点から、それに含まれる炭素原子数が4〜40であり、酸素原子数が0〜5であり、窒素原子数が0〜5であり、硫黄原子数が0〜5であり、且つA環に含まれる環構造の数が1〜5であることが好ましい。
【0031】
A環内に含まれる環構造(芳香環及びヘテロ芳香環)は、1種単独であっても2種以上で複数存在してもよく、前記環構造は単環構造であっても縮合環構造であってもよい。また、これらの環構造は直接結合又は連結基を介して結合して複数存在してもよい。
【0032】
この連結基の例として、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数2〜4のアルキリデン基、エーテル基、エステル基、ケト基、スルフィド基、スルホニル基等が挙げられる。また、上記式(1)において、A環に結合する酸素原子及びXとA環とは、この連結基を介して結合してもよい。
【0033】
また、これらの環構造はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。このような置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アミド基、水酸基、メルカプト基、シリル基等が挙げられる。
【0034】
A環に含まれる環構造の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、チアジン環、並びにこれらの環に前記の置換基が結合したもの等が挙げられる。
【0035】
なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるA環同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0036】
(Yについて)
次に、上記式(1)においてYは、下記式(1a)、(1b)又は当該式(1b)中の不飽和結合の一部又は全部を水素化した構造の基である。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるY同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0037】
【化5】
【0038】
式(1a)において、Yは、それぞれ互いに独立に炭素原子数2〜5のアルキレン基であり、nは1〜250の範囲の数である。前記アルキレン基の例としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基及びネオペンチル基等が挙げられる。本発明の硬化性樹脂の硬化後柔軟性及び液晶汚染性の観点からは、Yは好ましくはエチレン基又はテトラメチレン基であり、前記柔軟性及び本発明の硬化性樹脂のハンドリング性の観点からは、nは好ましくは5〜70の範囲の数であり、更に好ましくは10〜50の範囲の数である。
【0039】
なお、nが2以上の数である場合には、nの添え字がつけられた括弧で括られた個々の繰り返し単位におけるY同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0040】
さらに式(1b)において、Yは、それぞれ互いに独立に直接結合又は炭素数1若しくは2のアルキレン基であり、Rはそれぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、pとqはそれぞれ互いに独立に0以上の数であり、且つそれらの合計は1〜200の範囲の数である。なお、pやqが2以上の場合は、これらの添え字がつけられた括弧で括られた繰り返し単位が複数存在するが、それら個々の繰り返し単位におけるR同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、これらの繰り返し単位は、上記のpやqの範囲であれば、ランダムに結合していてもよい。
【0041】
pとqの合計の数は、本発明の硬化性樹脂のハンドリング性及び硬化後柔軟性の観点から、好ましくは5〜70の範囲の数であり、更に好ましくは10〜50の範囲の数である。
【0042】
(m、n、p、qについて)
以上説明した式(1)に関する、所定のブロック(繰り返し単位)の数を示すmは、後述する本発明の硬化性樹脂の合成原料の仕込量や、当該樹脂(又は後述する(メタ)アクリル化硬化性樹脂)のGPC測定結果から概算することができる。n、及びp、qの合計値は、硬化性樹脂(又は後述する(メタ)アクリル化硬化性樹脂)のGPC測定結果より概算可能であり、また、これらは硬化性樹脂の合成原料のGPC測定結果からも概算することができる。さらに、p、qそれぞれの値については、IR等により分析可能である。
【0043】
<硬化性樹脂の特性>
以上説明した本発明の硬化性樹脂の粘度は、通常1000〜2000000mPa・sである。後述する通り本発明の硬化性樹脂は液晶シール剤用途に好適であるが、当該用途に使用する場合には、液晶シール剤に適度な粘性を確保する観点から、硬化性樹脂の粘度は、好ましくは3000〜2000000mPa・sである。なお、本明細書において粘度は25℃において、E型粘度計を用いて測定された数値である。
【0044】
硬化性樹脂の粘度は、例えば、式(1)におけるm等を変えること及び/又は硬化性樹脂中の水酸基(例えばRが水素原子の場合)の存在比を変更すること等によって調整できる。
【0045】
また、硬化性樹脂を液晶シール剤に使用する場合、接着性と柔軟性を両立する観点から、そのエポキシ当量は、好ましくは400〜10000g/eqであり、より好ましくは500〜5000g/eqである。なお、硬化性樹脂のエポキシ当量は、硬化性樹脂の平均分子量と、上記式(1)におけるmの添え字のついた括弧で括られたブロック(繰り返し単位)当たりのエポキシ基(例えばグリシジル基であるR)の数で調整できる。
【0046】
さらに本発明の硬化性樹脂は、NI点変化が小さい。前記NI点とは、液晶がネマチック相からアイソトロピック相(等方相)へ相転移するときの温度である(相転移温度は、示差熱分析装置を用いて吸熱ピークトップから測定できる)。液晶のNI点は液晶の各成分の混合組成により決定され、各配合で固有の値となる。液晶汚染性が高い原料あるいはシール剤が液晶と混合されると、NI点が大きく変化し、逆に、原料あるいはシール剤の液晶汚染性が低い場合、NI点の変化は小さい。
【0047】
具体的には、本発明の硬化性樹脂はNI点変化が通常−5℃〜+5℃の範囲であり、好ましくは−3℃〜+3℃の範囲である。なお、NI点変化の測定方法の詳細は、後述の実施例で説明する。
【0048】
[(メタ)アクリル化硬化性樹脂]
本発明の硬化性樹脂は、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸無水物を反応させて(メタ)アクリル化硬化性樹脂とすることが出来る。(メタ)アクリル基のオレフィン部位は架橋反応を起こすことができ、前記(メタ)アクリル化硬化性樹脂においても、液晶シール剤に求められる接着性を担保しつつ、優れた柔軟性を達成することができる。
【0049】
本発明の硬化性樹脂への(メタ)アクリル基の導入は、より具体的には前記硬化性樹脂のエポキシ基(例えばRがグリシジル基である場合)、水酸基及び不飽和結合(例えばYが式(1b)の基である場合)の少なくとも一部に対して起こる。なお、(メタ)アクリル基の付加等によりエポキシ基が開環すると水酸基が生じるが、この水酸基に対してさらに(メタ)アクリル基の導入が起こってもよい。
【0050】
なお(メタ)アクリル基の導入は、本発明の硬化性樹脂に(メタ)アクリル酸系化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、またそれらの無水物、エステル化合物、又は酸ハロゲン化物等を反応させることによって行うことができる。
【0051】
<(メタ)アクリル化硬化性樹脂の特性>
本発明の(メタ)アクリル化硬化性樹脂は、本発明の硬化性樹脂と同様、液晶シール剤に使用するに好ましい特性を示す。
【0052】
すなわち本発明の(メタ)アクリル化硬化性樹脂の粘度は通常1000〜2000000mPa・sであり、液晶シール剤に適度な粘性を確保する観点から、好ましくは3000〜2000000mPa・sである。
【0053】
さらに本発明の(メタ)アクリル化硬化性樹脂は、NI点変化が小さく、そのNI点変化は通常−5℃〜+5℃の範囲であり、好ましくは−3℃〜+3℃の範囲である。
【0054】
[硬化性樹脂の製造方法]
次に、本発明の硬化性樹脂の製造方法について説明する。
前記硬化性樹脂の製造方法は、下記式(2)又は(3)で表される化合物Eと、下記式(4)で表される化合物Fとを反応させる工程を含む。
【0055】
【化6】
【0056】
式(2)及び(3)において、Y、n、Y、R、p及びqは上記で定義した通りであり、Rは、それぞれ互いに独立に、水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。さらに式(3)において、p又はqの添え字がついた括弧で括られた繰り返し単位における不飽和結合の一部又は全部は水素化されていてもよい。
【0057】
また、式(4)において、X及びA環は上記で定義した通りであり、Rは、水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。
【0058】
例えば化合物Eの分子末端に存在する−ORがグリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基である場合には、化合物Fにおける−OR又はXの少なくともどちらか一方は水酸基であり、これらグリシジル基又はメチルグリシジル基と水酸基との間の開環反応により、化合物Eの末端に化合物Fが連結する。そして必要に応じて、得られた化合物(後述する合成中間体G、これが分子内に一つ以上のエポキシ基を有している場合、これは本発明の硬化性樹脂である)における遊離の水酸基(例えば開環反応により新たに生じた水酸基)の少なくとも一部を後述するようにグリシジルエーテル化することで、xが1以上となるように調整して、式(1)におけるmが1である場合の本発明の硬化性樹脂が得られる。
【0059】
また化合物Fにおいて、−OR及びXが水酸基等のエポキシ基を開環しうる基である場合には、この−OR及びXのどちらも化合物Eのグリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基と反応することができる。そのようにして得られた化合物において、必要に応じて遊離の水酸基を後述の通りグリシジルエーテル化することによって、式(1)におけるmが2以上の本発明の硬化性樹脂を得ることが出来る。なお、mは化合物E及びFの仕込量によって調節することができ、−OR及びXがともにエポキシ基を開環しうる基である場合にも、仕込量の調整により、mが1の本発明の硬化性樹脂を得ることができる。
【0060】
なお、化合物E及びFは、それぞれ1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0061】
式(2)又は(3)で表される化合物Eの分子量は、好ましくは500〜10000である。なお、本明細書において分子量は、GPCで測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0062】
化合物E及びFは市販されているか、又は市販の化合物から公知の方法に従い容易に調製することができる。例えば、Rが水素原子であり、Yがエチレン基である式(2)の化合物Eは、ポリエチレングリコールとして種々の繰り返し単位数(n)を有するものが入手可能であり、所望の範囲のnを有する化合物を適宜選択すればよい。またnは、ポリエチレングリコールのGPC測定結果から概算することもできる。
【0063】
また、ポリエチレングリコールはエピクロロヒドリン等のグリシジル基又はメチルグリシジル基を導入可能な化合物(以下、「エポキシ化化合物」ともいう)と反応させることで、ポリエチレングリコールの末端にグリシジル基等を導入することができ、これはつまりRを水素原子からグリシジル基等に容易に変換できるということである。これは以下に説明する、R又はRが水素原子である化合物E及びFの他の例についてもあてはまる。
【0064】
また、Rが水素原子であり、Yがプロピレン基である式(2)の化合物Eは、ポリプロピレンエーテルグリコールとして種々の繰り返し単位数(n)を有するものが入手可能である。例えば、EXCENOL420、EXCENOL720、EXCENOL1020、EXCENOL2020(以上、旭硝子社製)等を挙げることができる。
【0065】
また、Rが水素原子であり、Yがトリメチレン基である式(2)の化合物Eは、例えば、特表2013−515144号公報に記載の方法に準じて、種々の繰り返し単位数(n)を有するポリトリメチレンエーテルグリコールとして製造可能である。
【0066】
また、Rが水素原子であり、Yがテトラメチレン基である式(2)の化合物Eは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとして種々の繰り返し単位数(n)を有するものが入手可能である。例えば、PTMG650、PTMG850、PTMG1000、PTMG1300、PTMG1500、PTMG1800、PTMG2000(以上、三菱化学社製)等を挙げることができる。
【0067】
また、Rが水素原子であり、Rが水素原子である式(3)の化合物Eは、末端水酸基導入ポリブタジエンとして種々の繰り返し単位数(p、q)を有するものが入手可能である。例えば、NISSO PB G−1000、G−2000(以上、日本曹達社製)、Poly bd R−45HT(出光興産社製)等を挙げることができる。
【0068】
また、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、p又はqの添え字がついた括弧で括られた繰り返し単位における不飽和結合の一部又は全部が水素化されている式(3)の化合物Eは、末端水酸基導入ポリブタジエンの水素化物として種々の繰り返し単位数(p、q)を有するものが入手可能である。例えば、NISSO−PB GI−1000、GI−2000(以上、日本曹達社製)等を挙げることができる。
【0069】
また、Rがメチル基であり、Rが水素原子である式(3)の化合物Eは、末端水酸基導入ポリイソプレンとして種々の繰り返し単位数(p、q)を有するものが入手可能である。例えば、Poly ip(出光興産社製)等を挙げることができる。
【0070】
また、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、p又はqの添え字がついた括弧で括られた繰り返し単位における不飽和結合の一部又は全部が水素化されている式(3)の化合物Eは、末端水酸基導入ポリイソプレンの水素化物として種々の繰り返し単位数(p、q)を有するものが入手可能である。例えば、EPOL(出光興産社製)等を挙げることができる。
【0071】
また、Rが水素原子であり、Xが水酸基であり、A環が規定の原子数及び環構造数を満たす化合物Fとしては、レゾルシノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールM、ビスフェノールP、1,6−ナフタレンジオール、2−エチル−9,10−アントラセンジオール、3,4−チオフェンジオール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。
【0072】
また、Rが水素原子であり、Xが水素原子であり、A環が規定の原子数及び環構造数を満たす化合物Fとしては、フェノール、4−α−クミルフェノール、4−メトキシフェノール、4−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
【0073】
化合物EにおけるR及び化合物FにおけるRは、それぞれ、得られる硬化性樹脂の硬化後柔軟性及び低液晶汚染性の観点から、R及びRの一方が水素原子であり、他方がグリシジル基であることが好ましい。
【0074】
化合物Eと化合物Fとは、本発明の硬化性樹脂を生成するように、例えば、化合物Eと化合物Fとをアルカリの存在下で反応させた後、必要に応じて、得られた合成中間体Gを適当な触媒の存在下で適当なエポキシ化化合物と反応させる。上述の反応は、硬化性樹脂におけるmが、1〜7、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3の範囲の数になるように仕込量を調整する。前記化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0075】
mの数については、後述の実施例の場合、合成中間体Gを合成する際に以下のようにして制御できる。例えば、合成例1において化合物E−1におけるエポキシ基とビスフェノールA(化合物Fに相当)の当量比が1.0:2.5になっているが、この比を1.0:2.0や1.0:1.5にすると、mの数は増大する。逆に1.0:10や1.0:100、1.0:1000等とした場合でも、1未満にはならない。
【0076】
なお、反応性の観点から、化合物EにおけるR及び化合物FにおけるRの一方が水素原子であり、他方がグリシジル基又はメチルグリシジル基であることが好ましい。
【0077】
上記アルカリとしては、反応の迅速な進行と合成のコストの観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩が好ましく、水酸化ナトリウム又は第四級アンモニウム塩がより好ましい。これらのアルカリは、水溶液として用いることが好ましいが、場合によっては粉末又は固形のアルカリを水と同時にあるいは別々に加えることもできる。また、これらのアルカリは、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0078】
アルカリの使用量は、反応の迅速な進行と合成のコストの観点から、Rが水素原子であり、Rがグリシジル基の場合、アルカリは水酸基の当量以上であればよく、Rがグリシジル基又はメチルグリシジル基であり、Rが水素原子の場合、触媒量でよく、化合物Fの水酸基の0.0001〜0.1当量である。
【0079】
エポキシ化化合物の使用量は、好ましくは原料化合物に含まれる水酸基に対して0.05〜20当量、より好ましくは0.05〜15当量である。この使用量は、目的の硬化性樹脂におけるエポキシ基の平均の個数xによって調整されるが、水酸基に対して大過剰量を使用しても、xは原料化合物の水酸基の平均の個数を上回ることは無い。
【0080】
触媒としては、反応時間、コスト、反応活性の観点から、トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン等の第三級アミン、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩が好ましく、第四級アンモニウム塩がより好ましい。これらは1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0081】
触媒の使用量は、副反応を抑制しつつ反応速度を適切に確保する観点から、原料化合物に含まれる水酸基に対して、好ましくは0.0001〜0.5当量、より好ましくは0.01〜0.1当量である。
【0082】
上述のアルカリとの反応は、好ましくは50〜250℃、より好ましくは70〜200℃、更に好ましくは100〜170℃で行われ、上述のエポキシ化化合物との反応は、好ましくは25〜100℃、より好ましくは30〜80℃、更に好ましくは40〜60℃で行われる。反応に際しては炭化水素、エーテル又はケトンのような反応に不活性な溶媒を用いることもできるが、エポキシ化化合物を過剰に用いた場合には当該化合物が溶媒としても機能するため、これらの溶媒は必須ではない。
【0083】
反応終了後の硬化性樹脂の精製は常法によって行うことができ、例えば、過剰のエポキシ化化合物を留去し、必要に応じて炭化水素等の非水溶性溶媒を加えた後、水洗して生成する食塩及び触媒を除去することによって目的の本発明の硬化性樹脂を得ることができる。
【0084】
本発明の硬化性樹脂の製造方法は、化合物E及び化合物Fとして汎用の原料を使用できる観点から、化合物EにおけるRがグリシジル基である化合物E1(化合物Eのジグリシジルエーテル化物;例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)であり、化合物FにおけるRが水素原子である化合物F1(例えば、ビスフェノールA)である場合、前記化合物E1と前記化合物F1とを反応させて、前記化合物E1と前記化合物F1の合成中間体Gを得る工程1と、合成中間体Gの水酸基をエポキシ化して、前記合成中間体Gの水酸基の一部又は全てがエポキシ化された硬化性樹脂を得る工程2とを含むことが好ましい。
【0085】
<(メタ)アクリル化硬化性樹脂の製造方法>
さらに、硬化性樹脂を、塩基性触媒存在下、(メタ)アクリル酸系化合物と反応させる工程3を経て、エポキシ基、水酸基、及び不飽和結合の少なくとも一部に(メタ)アクリル基が導入された本発明の(メタ)アクリル化硬化性樹脂を得ることができる。
【0086】
塩基性触媒として、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応に用いられる公知の塩基性触媒を使用することができる。また塩基性触媒をポリマーに担持させた、ポリマー担持塩基性触媒を使用することもできる。塩基性触媒としては、3価の有機リン化合物、その塩、アミン化合物及びその塩が好ましい。これらの塩基性触媒は1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、塩基性触媒の塩基性原子は、リン及び/又は窒素である。
【0087】
3価の有機リン化合物としては、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィンのようなアルキルホスフィン類及びその塩、トリフェニルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のアリールホスフィン類及びその塩、トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト等の亜リン酸トリエステル類及びその塩等が挙げられる。中でも、トリフェニルホスフィンが好ましい。
【0088】
3価の有機リン化合物の塩としては、トリフェニルホスフィン・エチルブロミド、トリフェニルホスフィン・ブチルブロミド、トリフェニルホスフィン・オクチルブロミド、トリフェニルホスフィン・デシルブロミド、トリフェニルホスフィン・イソブチルブロミド、トリフェニルホスフィン・プロピルクロリド、トリフェニルホスフィン・ペンチルクロリド、トリフェニルホスフィン・ヘキシルブロミド等が挙げられる。
【0089】
アミン化合物としては、ジエタノールアミン等の第二級アミン、トリエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリスジエチルアミノメチルフェノール等の第3級アミン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(Me−TBD)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等の強塩基性アミンが挙げられる。中でも、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)が好ましい。
【0090】
アミン化合物の塩としては、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、及び前記の強塩基性アミンの塩等が挙げられる。
【0091】
塩基性触媒を担持させるポリマーとしては、特に限定されず、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋させたポリマーやアクリル樹脂をジビニルベンゼンで架橋させたポリマー等が用いられる。これらのポリマーは、工程1又は工程1及び2を含む製造方法により得られる硬化性樹脂と(メタ)アクリル酸系化合物との反応に用いられる溶媒(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等)及び原料、生成物に不溶である。また、これらのポリマーは1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0092】
ポリマー担持塩基性触媒は、塩基性触媒を不溶性ポリマーに化学結合させるか、塩基性触媒をモノマーに導入した後、モノマーを重合し、その後、ジビニルベンゼン等の架橋モノマーで3次元的に架橋することによって製造することが出来、このような架橋によってメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等の溶媒に不溶なポリマー担持塩基性触媒となる。
【0093】
ポリマー担持塩基性触媒として、具体的には、ジフェニルホスフィノポリスチレン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンポリスチレン、N,N−(ジイソプロピル)アミノメチルポリスチレン、N−(メチルポリスチレン)−4−(メチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。これらのポリマー担持塩基性触媒は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0094】
ポリマー担持塩基性触媒としては、市販のものを用いてもよい。市販のポリマー担持塩基性触媒としては、例えばPS−PPh(ジフェニルホスフィノポリスチレン、バイオタージ社製)、PS−TBD(1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンポリスチレン、バイオタージ社製)等が挙げられる。
【0095】
本発明の(メタ)アクリル化硬化性樹脂の製造方法において、工程1又は工程1及び2を含む製造方法により得られる硬化性樹脂と(メタ)アクリル酸系化合物の反応工程における温度は、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃である。
【0096】
触媒存在下で、工程1又は工程1及び2を含む製造方法により得られる硬化性樹脂と(メタ)アクリル酸系化合物とを反応させる場合、ゲル化を防止するために反応系内及び反応系上の気相の酸素濃度を適正に保つ必要がある。例えば、積極的に反応系内に空気を吹き込む場合は、触媒の酸化を引き起こし、活性の低下を招く場合があるので注意が必要である。
【0097】
工程1又は工程1及び2を含む製造方法により得られる硬化性樹脂と(メタ)アクリル酸系化合物との反応については、この反応によって得られる(メタ)アクリル化硬化性樹脂が紫外線等の活性エネルギー線によって硬化することから、紫外線を遮光する容器内で反応を行うことが望ましい。また、工程1又は工程1及び2を含む製造方法により得られる硬化性樹脂と(メタ)アクリル酸系化合物との反応は、気相重合を防止するために、硬化性樹脂に対して良溶媒性を示す還流溶剤存在下で行なってもよいが、この場合は、反応終了後に溶媒を除去する必要がある。このため、前記の反応は無溶剤で行うことが好ましい。還流溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。
【0098】
[液晶シール剤組成物]
本発明の硬化性樹脂及び(メタ)アクリル化硬化性樹脂(以下、これらをまとめて「本発明の硬化性樹脂等」ともいう)は上記で説明した種々の特性を有し、液晶シール剤として使用するのに好ましい粘度、低液晶汚染性及び優れた硬化後柔軟性を有する。
【0099】
そのため、本発明の硬化性樹脂等を使用した液晶シール剤組成物は、ハンドリング性に優れ、液晶滴下工法で、未硬化の状態で液晶と接触した場合でも、液晶の配向性に影響を与え難いため液晶の配向性を阻害し難く、そしてフレキシブル液晶ディスプレイのようなフレキシブルデバイスにおいて使用される場合には、硬化した液晶シール剤を挟むフレキシブル基板を屈曲させても、その優れた柔軟性や応力緩和効果により、液晶シール部分の割れや、基板からの剥離等が発生し難い。
【0100】
具体的には、本発明の液晶シール剤組成物の粘度は、通常1000〜2000000mPa・sであり、好ましくは10000〜1000000mPa・sである。また、液晶シール剤組成物の粘度は、本発明の硬化性樹脂等の構造や、以下に説明する、液晶シール剤組成物の含有成分とできる成分や、溶剤の添加により調節が可能である。
【0101】
このような、本発明の硬化性樹脂等を含む本発明の液晶シール剤組成物は、それを硬化させた液晶シール剤硬化物の貯蔵弾性率が、柔軟性の観点から、通常室温(25℃)で1.0×10〜3.0×10Paであり、好ましくは1.0×10〜1.0×10Paである。なお、貯蔵弾性率の測定方法は、後述の実施例の項にて詳細に説明する。
【0102】
また、本発明の液晶シール剤組成物を硬化させて得られた液晶シール剤硬化物のガラス転移温度(Tg)は、柔軟性の観点から、通常80℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、さらに好ましくは室温(25℃)以下であり、特に好ましくは−80〜25℃である。
【0103】
本発明の液晶シール剤組成物は本発明の硬化性樹脂等を含むが、前記液晶シール剤組成物における硬化性樹脂等の含有量は、通常5〜95重量%であり、柔軟性、接着性及び液晶配向性への影響の観点から、好ましくは10〜95重量%である。
【0104】
また、本発明の液晶シール剤組成物は、当該用途に求められる各種の特性に応じて、以下に説明する各種の成分を、本発明の効果を損なわない範囲でさらに含んでいてもよい。
【0105】
<化合物H>
本発明の液晶シール剤組成物は、本発明の硬化性樹脂等の他に硬化成分を含んでいてもよく、例えば、液晶シール剤の主剤として使用される従来のエチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有する化合物H(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を(メタ)アクリレート化したオリゴマー)と共に本発明の硬化性樹脂等を配合した液晶シール剤組成物は、化合物Hだけの場合に比べて液晶シール剤硬化物の柔軟性が大きく向上する。
【0106】
エチレン性不飽和基を有する化合物Hとしては、(メタ)アクリレート化合物、脂肪族アクリルアミド化合物、脂環式アクリルアミド化合物、芳香族を含むアクリルアミド化合物やN−置換アクリルアミド系化合物が挙げられる。
【0107】
前記(メタ)アクリレート化合物としては、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートに代表される脂肪族(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0108】
また、エチレン性不飽和基を有する化合物Hとしては、一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性ラジカル重合性不飽和化合物も挙げられる。
【0109】
前記一官能性ラジカル重合性不飽和化合物としては、液晶シール剤組成物の粘度、可とう性の確保の観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の化合物がより好ましい。
【0110】
前記二官能性ラジカル重合性不飽和化合物としては、液晶シール剤組成物の粘度、可とう性の確保の観点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート(例えば、ARONIX M−6100、東亜合成社製)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、4G、新中村化学工業社製)、及びシリコンジ(メタ)アクリレート(例えば、EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート及び/又はEO若しくはPO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートがより好ましい。中でも、水酸基を持たずビスフェノールA骨格をもつ(メタ)アクリレートが好ましく、そのような(メタ)アクリレートとして、共栄社化学(株)から、ライトアクリレートBP−4EAL(ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート)、BP−4PA(ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート)等が市販されている。
【0111】
前記三官能性又は多官能性ラジカル重合性不飽和化合物としては、液晶シール剤組成物の粘度、可とう性の確保の観点から、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート(三官能)、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート(三官能)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(三官能)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(六官能)及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(四官能)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0112】
次に、エポキシ基を有する化合物Hとしては、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、これらの水素添加化合物及び脂環型エポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物及びレゾルシノール型エポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、更に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物である。
【0113】
ビスフェノールA型エポキシ化合物の具体的な例として、DIC社製EPICLON850S、860、1055、EXA−850CRP等がある。
水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物の具体的な例として、ADEKA社製KRM−2408、JER社製のYX−8034等がある。
ビスフェノールF型エポキシ化合物の具体的な例として、DIC社製EPICLON830S等がある。
ナフタレン型エポキシ化合物の具体的な例として、DIC社製EPICLON HP−4032D、HP−7200H等がある。
フェノールノボラック型エポキシ化合物の具体的な例として、DIC社製EPICLON N−740、N−770等がある。
クレゾールノボラック型エポキシ化合物の具体的な例として、DIC社製EPICLON N−660、N−670等がある。
レゾルシノール型エポキシ化合物の具体的な例として、ナガセケムテックス社製デナコールEX−201等がある。
脂環型エポキシ化合物の具体的な例として、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル社製セロキサイド2021P)、1,2:8,9−ジエポキシリモネン(ダイセル社製セロキサイド3000)、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(ダイセル社製セロキサイド2000)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(ダイセル社製EHPE3150)等がある。
【0114】
エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物Hとしては、エポキシ基含有化合物を(メタ)アクリル酸系化合物と反応させて得られる部分(メタ)アクリレート変性エポキシ化合物が挙げられ、当該化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ化合物が好ましい。
【0115】
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ化合物は、例えば、次のようにして得られる。
【0116】
まずビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を塩基性触媒、好ましくは3価の有機リン酸化合物及び/又はアミン化合物の存在下で反応させる。この際の反応比は、エポキシ基1当量に対して(メタ)アクリル酸10〜90当量%の比率とする。次いで、この反応生成物を濾過、遠心分離及び/又は水洗等の処理により塩基性触媒を除去して精製する。前記塩基性触媒として、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応に用いられる公知の塩基性触媒を使用することができる。また塩基性触媒をポリマーに担持させた、ポリマー担持塩基性触媒を使用することもできる。
【0117】
以上説明した通り、本発明の液晶シール剤組成物には各種の化合物Hを含有させることが出来るが、本発明の硬化性樹脂等にエチレン性不飽和基が含まれていない場合は、前記化合物Hとして、ラジカル重合性化合物である、上述のエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましい。
【0118】
また、以上説明した化合物Hは、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0119】
<光重合開始剤>
本発明の液晶シール剤組成物は、本発明の硬化性樹脂等、そして含有する場合には化合物Hを光重合させる際のラジカル発生源として光重合開始剤を含有することができる。光重合開始剤は特に限定されず、公知の化合物が使用でき、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0120】
前記光重合開始剤として、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、α−アシロキシムエステル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、ベンゾインエーテル類及びアントラキノン類等が挙げられ、好ましくは、液晶への溶解性が低く、また、それ自身で光照射時に分解物がガス化しないような反応性基を有するものである。
【0121】
<光増感剤>
本発明の液晶シール剤組成物は、通常光硬化させるが、その際の光への感度を高めるため、光増感剤を含有してもよい。前記光増感剤としては従来公知の各種の化合物を特に制限なく使用することができ、光増感剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0122】
前記光増感剤としては、硬化性の観点から、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
【0123】
光増感剤として、具体的には、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物等が挙げられ、また上記光重合開始剤の例として挙げたものにも、光増感剤として機能するものがある。
【0124】
<硬化剤>
本発明の液晶シール剤組成物の接着性を高める観点から、前記液晶シール剤組成物に硬化剤を含有させてもよい。前記硬化剤は特に限定されず、公知の化合物が使用できる。
【0125】
前記硬化剤としては、接着性の観点から、アミン系硬化剤、例えば、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、エポキシ変性ポリアミン、ポリアミノウレア等が好ましい。これらの硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0126】
<硬化促進剤>
本発明の液晶シール剤組成物は、硬化成分(本発明の硬化性樹脂等や、上記で説明した化合物H等)の硬化反応を促進する観点から硬化促進剤を含有でき、硬化促進剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0127】
その好ましい例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール及び2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の第3級アミン類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。
【0128】
<フィラー>
本発明の液晶シール剤組成物は、粘度制御、接着信頼性、線膨張性の抑制の観点から、フィラーを含有することができる。前記フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが使用でき、これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0129】
前記無機フィラーとして、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素等が挙げられる。
【0130】
前記有機フィラーとして、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子、及び高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアとから構成されるコアシェルタイプ粒子等が挙げられる。コアシェルタイプ粒子としては、ガンツ化成社製ゼフィアックシリーズ(F351等)等が挙げられる。
【0131】
非反応成分であるフィラーを配合することで、液晶シール剤からのアウトガスを低減する観点から、フィラーを構成する粒子の平均粒子径は、通常0.1〜3μmであり、より好ましくは0.5〜3μmである。なお、フィラーの平均粒子径は、HORIBA社製 レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、HORIBA社製Partica LA−950V2)により測定される。
【0132】
<シランカップリング剤>
本発明の液晶シール剤組成物は、本発明の効果を奏する範囲内で、シランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0133】
本発明の液晶シール剤組成物を硬化させてなる液晶シール剤硬化物の接着性及び柔軟性を両立する観点から、シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;及びジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類からなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤が好ましく、
これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種のトリアルコキシシラン系シランカップリング剤がより好ましく、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが更に好ましい。
【実施例】
【0134】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した化合物は以下のように製造した。
【0135】
[比較合成例1]部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC株式会社製)340.0g、メタクリル酸(東京化成社製)90.4g、トリフェニルホスフィン(東京化成社製)0.5g、及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)100mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色透明粘稠物の部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を418.0g得た。
【0136】
[合成例1]メタクリル化硬化性樹脂1
(1)ポリエチレングリコール#1000(LION社製)を2000.0g(4.0当量/水酸基)、エピクロロヒドリン2220.0g(6.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド74.3g(0.10当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した5リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0137】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。600.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。
【0138】
添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム3Lを加え3Lの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体の化合物E−1を1150.0g得た。
【0139】
(2)化合物E−1(950.0g(1.7当量/エポキシ基))、及びビスフェノールA(988.0g(2.5当量))をナス型フラスコにいれ、液温が150℃になるように加熱攪拌した。4%NaOH水溶液2.9gを添加し、150℃で6時間攪拌した。
【0140】
液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム2Lを加え、1%NaOH水溶液2Lで6回洗浄し、水2Lで6回洗浄した。
【0141】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−1を997.0g得た。
【0142】
(3)反応物G−1(997.0g)、エピクロロヒドリン(1423.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(47.5g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した5リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0143】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。384.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0144】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム2Lを加え2Lの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂1を982.0g得た。
【0145】
(4)樹脂1を100.0g、メタクリル酸8.6g、トリフェニルホスフィン0.5g、及びBHT20mgを混合し100℃で5時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂1を107.0g得た。
【0146】
[合成例2]メタクリル化硬化性樹脂2
(1)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)1000(三菱化学社製)を500.0g(1.0当量/水酸基)、エピクロロヒドリン555.0g(6.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド18.6g(0.10当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0147】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。150.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0148】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム1Lを加え1Lの水で4回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体の化合物E−2を459.0g得た。
【0149】
(2)化合物E−2(132.0g(0.20当量/エポキシ基))、及びビスフェノールA(114.0g(2.5当量))をナス型フラスコにいれ、液温が150℃になるように加熱攪拌した。4%NaOH水溶液0.3gを添加し、150℃で6時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム500mLを加え、1%NaOH水溶液1Lで3回洗浄し、水1Lで3回洗浄した。
【0150】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−2を140.0g得た。
【0151】
(3)反応物G−2(140.0g)、エピクロロヒドリン(195.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.5g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した1リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0152】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。53.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム500mLを加え500mLの水で4回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂2を129.0g得た。
【0153】
(4)樹脂2を48.6g、メタクリル酸4.3g、トリフェニルホスフィン0.3g、及びBHT10mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂2を50.6g得た。
【0154】
[合成例3]メタクリル化硬化性樹脂3
(1)NISSO−PB G−1000(日本曹達社製)を350.0g(0.50当量/水酸基)、エピクロロヒドリン370.0g(8.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド9.3g(0.10当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0155】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。75.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0156】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム500mLを加え500mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、透明粘稠物の化合物E−3を298.0g得た。
【0157】
(2)化合物E−3(96.5g(0.10当量/エポキシ基))、ビスフェノールA(68.5g(3.0当量))、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.9g(0.050当量)及びメチルイソブチルケトン100.0gをナス型フラスコにいれ、液温が120℃になるように加熱還流しながら20時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで5回洗浄し、水300mLで5回洗浄した。
【0158】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−3を75.5g得た。
【0159】
(3)反応物G−3(75.5g)、エピクロロヒドリン(112.5g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.8g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0160】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。23.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0161】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂3を54.4g得た。
【0162】
(4)樹脂3を50.0g、メタクリル酸3.3g、トリフェニルホスフィン0.2g、及びBHT10mgを混合し100℃で5時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂3を47.0g得た。
【0163】
[合成例4]メタクリル化硬化性樹脂4
(1)NISSO−PB GI−1000(日本曹達社製)を300.0g(0.40当量/水酸基)、エピクロロヒドリン296.0g(8.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド7.4g(0.10当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0164】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。60.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0165】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム500mLを加え500mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、透明粘稠物の化合物E−4を264.0g得た。
【0166】
(2)化合物E−4(80.0g(0.060当量/エポキシ基))、ビスフェノールA(57.1g(4.0当量))、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.9g(0.080当量)及びメチルイソブチルケトン100.0gをナス型フラスコにいれ、液温が120℃になるように加熱還流しながら20時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで5回洗浄し、水300mLで5回洗浄した。
【0167】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色粘稠物として合成中間体である反応物G−4を80.0g得た。
【0168】
(3)反応物G−4(80.0g)、エピクロロヒドリン(88.8g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.0g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0169】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。24.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0170】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂4を56.0g得た。
【0171】
(4)樹脂4を50.0g、メタクリル酸3.0g、トリフェニルホスフィン0.2g、及びBHT10mgを混合し100℃で12時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂4を47.0g得た。
【0172】
[合成例5]メタクリル化硬化性樹脂5
(1)化合物E−2(96.0g(0.15当量/エポキシ基))、4−α―クミルフェノール(30.0g(1.0当量))、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.4g(0.050当量)をナス型フラスコにいれ、液温が120℃になるように加熱還流しながら30時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、淡黄色粘稠物として合成中間体である反応物G−5を125.0g得た。
【0173】
(2)反応物G−5(125.0g)、エピクロロヒドリン(150.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.8g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0174】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。30.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0175】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム500mLを加え500mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂5を130.0g得た。
【0176】
(3)樹脂5を63.5g、メタクリル酸4.3g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びBHT13mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂5を66.0g得た。
【0177】
[合成例6]メタクリル化硬化性樹脂6
(1)化合物E−2(64.0g(0.10当量/エポキシ基))、及びレゾルシノール(27.5g(2.5当量))をナス型フラスコにいれ、液温が120℃になるように加熱攪拌した。4%NaOH水溶液0.2gを添加し、120℃で24時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、水300mLで4回洗浄した。
【0178】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−6を60.5g得た。
【0179】
(2)反応物G−6(60.5g)、エピクロロヒドリン(102.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.4g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0180】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。28.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂6を48.0g得た。
【0181】
(3)樹脂6を44.6g、メタクリル酸4.3g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びBHT10mgを混合し100℃で14時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂6を42.8g得た。
【0182】
[合成例7]メタクリル化硬化性樹脂7
(1)化合物E−2(53.0g(0.080当量/エポキシ基))、及び2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール(11.1g(1.0当量))をナス型フラスコにいれ、液温が120℃になるように加熱攪拌した。ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.0g(0.20当量))を添加し、120℃で24時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで1回洗浄し、水300mLで5回洗浄した。
【0183】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−7を59.0g得た。
【0184】
(2)反応物G−7(59.0g)、エピクロロヒドリン(93.3g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.1g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0185】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。25.2gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂7を50.5g得た。
【0186】
(3)樹脂7を47.3g、メタクリル酸5.2g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びBHT10mgを混合し100℃で7時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂7を51.0g得た。
【0187】
[合成例8]メタクリル化硬化性樹脂8
(1)化合物E−2(94.0g(0.15当量/エポキシ基))、及びフェノール(21.2g(1.5当量))をナス型フラスコにいれ、液温が120℃になるように加熱攪拌した。ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.8g(0.10当量))を添加し、120℃で24時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、メチルイソブチルケトン300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで2回洗浄し、水300mLで4回洗浄した。
【0188】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−8を90.0g得た。
【0189】
(2)反応物G−8(90.0g)、エピクロロヒドリン(130.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.6g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0190】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。21.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂8を80g得た。
【0191】
(3)樹脂8を57.6g、メタクリル酸3.5g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びBHT10mgを混合し100℃で13時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂8を59.2g得た。
【0192】
[合成例9]メタクリル化硬化性樹脂9
(1)化合物E−2(63.0g(0.10当量/エポキシ基))、及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(95.0g(2.5当量))、1−ブタノール(80.0g)をナス型フラスコにいれ、120℃で加熱還流した。ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.9g(0.050当量))を添加し、120℃で20時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで14回洗浄し、水300mLで5回洗浄した。
【0193】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−9を56.0g得た。
【0194】
(2)反応物G−9(56.0g)、エピクロロヒドリン(111.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.2g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0195】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。18.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の樹脂9を54.0g得た。
【0196】
(3)樹脂9を51.0g、メタクリル酸4.3g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びBHT10mgを混合し100℃で9時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂9を49.8g得た。
【0197】
[合成例10]メタクリル化硬化性樹脂10
(1)PEG−2000(東邦化学工業社製)を1000.0g(1.0当量/水酸基)、エピクロロヒドリン925.0g(10当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド18.6g(0.10当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した5リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0198】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。150.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。
【0199】
添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム1Lを加え1Lの水で3回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体の化合物E−5を760.0g得た。
【0200】
(2)化合物E−5(220.0g(0.20当量/エポキシ基))、及びビスフェノールA(31.0g(1.4当量))をナス型フラスコにいれ、液温が110℃になるように加熱攪拌した。ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.9gを添加し、110℃で20時間攪拌した。
【0201】
液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで3回洗浄し、水300mLで6回洗浄した。
【0202】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−10を110.0g得た。
【0203】
(3)反応物G−10(108.0g)、エピクロロヒドリン(175.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.3g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した1リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0204】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。19.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0205】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体の樹脂10を92.0g得た。
【0206】
(4)樹脂10を21.7g、メタクリル酸1.1g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.1g、トルエン50.0g、及びBHT15mgを混合し100℃で7時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム100mLを加え100mLの水で3回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体のメタクリル化硬化性樹脂10を17.0g得た。
【0207】
[合成例11]メタクリル化硬化性樹脂11
(1)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)2000(三菱化学社製)を500.0g(0.50当量/水酸基)、エピクロロヒドリン463.0g(10当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド9.3g(0.10当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0208】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。75.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。
【0209】
添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム1Lを加え1Lの水で3回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体の化合物E−6を450.0g得た。
【0210】
(2)化合物E−6(127.0g(0.10当量/エポキシ基))、及びビスフェノールA(15.0g(1.4当量))をナス型フラスコにいれ、液温が110℃になるように加熱攪拌した。ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.9gを添加し、110℃で20時間攪拌した。
【0211】
液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム300mLを加え、1%NaOH水溶液300mLで3回洗浄し、水300mLで6回洗浄した。
【0212】
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により留去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物G−11を120.0g得た。
【0213】
(3)反応物G−11(117.0g)、エピクロロヒドリン(125.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.5g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した1リットルの三口丸底フラスコに入れた。
【0214】
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。20.0gの48%NaOH水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
【0215】
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300mLを加え300mLの水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し淡黄色粘稠物の樹脂11を92.0g得た。
【0216】
(4)樹脂11を55.0g、メタクリル酸2.6g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びBHT10mgを混合し100℃で7時間撹拌した。淡黄色粘稠物のメタクリル化硬化性樹脂11を54.0g得た。
【0217】
[光重合開始剤の製造]
実施例及び比較例で使用した光重合開始剤は、以下のようにして製造した。
【0218】
<光重合開始剤1の製造>
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル ナガセケムテックス社製)26.8g(0.10当量/エポキシ基)、4−ジメチルアミノ安息香酸16.5g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.7g(0.20当量)、MIBK(メチルイソブチルケトン)25.0gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、光重合開始剤1を35.3g得た。
【0219】
<光重合開始剤2の製造>
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル ナガセケムテックス社製)26.8g(0.10当量/エポキシ基)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン22.8g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.7g(0.20当量)、MIBK40.0gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、光重合開始剤2を36.2g得た。
【0220】
[実施例1〜11及び比較例1]
合成例及び比較合成例で製造した部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、メタクリル化硬化性樹脂1〜11のそれぞれと、光重合開始剤1及び2と、硬化剤であるEH−5030S(ADEKA製(ポリアミン系化合物))とを、下記の表1に示す配合量(重量部)にて混合後、3本ロールミル(井上製作所製C−43/4×10)を用いて充分に混練して実施例1〜11及び比較例1の液晶シール剤組成物を得た。
【0221】
合成例及び比較合成例で製造した各化合物、そしてこれらそれぞれの液晶シール剤組成物について、以下の試験による評価を行った。
【0222】
[試験条件]
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、メタクリル化硬化性樹脂1〜9、及び11について、エポキシ当量、粘度及びNI点変化を測定し、
メタクリル化硬化性樹脂10について、エポキシ当量及びNI点変化を測定し、
光重合開始剤1及び2について、粘度及びNI点変化を測定し、
硬化剤(EH−5030S)について、NI点変化を測定し、
実施例1〜11及び比較例1で製造した液晶シール剤組成物の硬化物のTg及び各種温度における貯蔵弾性率を測定した。
【0223】
(1)エポキシ当量測定
JISK7236:2001記載の条件で測定した。
【0224】
(2)粘度測定
E型粘度計(東機産業社製 RE105U)を用いて、25℃で測定した。
以下のようにローター及び回転数を選択した。
【0225】
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂:3°×R7.7ローター、回転数10rpm
メタクリル化硬化性樹脂1:3°×R7.7ローター、回転数15rpm
メタクリル化硬化性樹脂2:3°×R7.7ローター、回転数15rpm
メタクリル化硬化性樹脂3:3°×R7.7ローター、回転数0.5rpm
メタクリル化硬化性樹脂4:3°×R7.7ローター、回転数0.2rpm
メタクリル化硬化性樹脂5:1°34’×R24ローター、回転数2.0rpm
メタクリル化硬化性樹脂6:3°×R14ローター、回転数5.0rpm
メタクリル化硬化性樹脂7:1°34’×R24ローター、回転数5.0rpm
メタクリル化硬化性樹脂8:1°34’×R24ローター、回転数2.0rpm
メタクリル化硬化性樹脂9:3°×R7.7ローター、回転数2.0rpm
メタクリル化硬化性樹脂11:3°×R7.7ローター、回転数15rpm
【0226】
(3)NI点変化測定
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、メタクリル化硬化性樹脂1〜11、光重合開始剤1及び2、硬化剤(EH−5030S)のそれぞれをアンプル瓶に0.1g入れ、さらに、液晶(MLC−11900−080、メルク社製)1gを加えた。この瓶を120℃オーブンに1時間投入し、その後室温で静置して室温(25℃)に戻ってから液晶部分を取り出し0.2μmフィルターによりろ過し、評価用液晶サンプルとした。
【0227】
NI点の測定は、示差走査型熱量計(DSC、パーキンエルマー社製、PYRIS6)を使用し、評価用液晶サンプル10mgをアルミサンプルパンに封入し、昇温速度5℃/分の条件で行った。なお、上記液晶10mgをアルミサンプルパンに封入し、昇温速度5℃/分の条件で測定を行った結果をブランクとした。
【0228】
ブランクの吸熱ピークトップ(相転移温度)TBと、評価用液晶の吸熱ピークトップ(相転移温度)TEの差TE−TBをNI点変化とした。液晶シール剤の含有成分の液晶への溶出を抑制し、液晶の配向を安定に確保して、表示特性を向上する観点から、NI点変化の絶対値は小さいほど好ましい。
【0229】
(4)Tg測定
実施例1〜11及び比較例1で製造した液晶シール剤組成物について、長さ5cm、幅5mm、厚さ0.5mmの型に注型し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm/365nmで30秒)を積算光量3000mJ/cmで照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、硬化物試験片を作成した。
【0230】
得られた硬化物試験片を動的粘弾性測定装置(DMA、セイコーインスツル社製、DMS6100)にて、変形モードを引張りとして、周波数1.0Hzで、−50℃〜100℃の範囲で2℃/分で昇温させながら測定を行った。得られた結果の損失正接tanδにおけるピークトップ温度をTgとした。
【0231】
(5)貯蔵弾性率測定
実施例1〜11及び比較例1で製造した液晶シール剤組成物について、Tgと同様の条件で硬化物試験片の作成及び動的粘弾性測定装置(DMA、セイコーインスツル社製、DMS6100)による測定を行った。得られた結果において各温度での貯蔵弾性率の値を抽出した。
【0232】
以上の評価の結果を、実施例1〜11及び比較例1の液晶シール剤組成物の配合組成と共に、下記表1に示す。
【0233】
【表1】
【要約】
本発明は、フレキシブル液晶ディスプレイを屈曲させた場合でも問題無く接着状態を維持できる柔軟性を有する硬化物を形成し、且つ液晶汚染性が低く液晶配向性に影響を与え難い硬化性樹脂及び当該硬化性樹脂を含む液晶シール剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される硬化性樹脂である:

(式中、X、R、R、Y、A環は所定の基であり、mは、1〜7の範囲の数である。)。