【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の粘着ラベル剥離剤組成物では、グリコールエーテル系水溶性有機溶剤を20重量%以上と、水とを含有することを特徴とする。
【0009】
上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤を含有する粘着ラベル剥離剤組成物は、粘着ラベルを除去した後に水で洗浄する際、廃液による環境への負荷が少ないうえに、低臭気である。
さらに、上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤が20重量%以上含有されていると、剥離性に優れた粘着ラベル剥離剤組成物が得られる。
【0010】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤が、下記一般式(I)及び(II)からなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましい。
(I)R
1−O−(C
mH
2mO)
n−R
2
(式中、R
1及びR
2は炭素数1〜6のアルキル基、mは2又は3の整数、nは1〜3の整数を示す。)
(II)R
3−O−(C
pH
2pO)
q−H
(式中、R
3は炭素数1〜6のアルキル基、pは2〜3の整数、qは1〜3の整数を示す。)
【0011】
上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤が、上記一般式(I)及び(II)からなる群から選択された少なくとも一種であると、粘着ラベルを除去した後に水で洗浄する際、廃液による環境への負荷が少ないだけでなく、低臭気で、剥離性に優れた粘着ラベル剥離剤組成物が得られる。
【0012】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、上記一般式(I)及び(II)で表されるR
1、R
2及びR
3の炭素数が4以下であることが望ましい。
上記一般式(I)及び(II)で表されるR
1、R
2及びR
3の炭素数が4以下であると、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系糊のような疎水性粘着剤の剥離性に特に優れた粘着ラベル剥離剤組成物が得られる。
【0013】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤が、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及び、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましい。
上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤が含有されていると、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系糊のような疎水性粘着剤の剥離性に特に優れた粘着ラベル剥離剤組成物が得られる。
【0014】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、さらに増粘剤を含むことが望ましい。
上記粘着ラベル剥離剤組成物に上記増粘剤が含まれると、上記粘着ラベル剥離剤組成物がジェル状となり定着性が良くなる。例えば、粘着ラベルが貼着されている硬質材料(例えば、プラスチック板(ポリプロピレン製)のコンテナー等)の面が垂直であっても、上記粘着ラベル剥離剤組成物が短時間で垂れ落ちることがなく、上記粘着ラベル剥離剤組成物を上記粘着ラベル部分に長時間触れさせることができる。
【0015】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、さらにアルカリビルダーを含むことが望ましい。
上記粘着ラベル剥離剤組成物に上記アルカリビルダーが含まれると、粘着ラベルを剥離するのと同時に、粘着ラベルが粘着されている硬質材料(例えば、プラスチック板(ポリプロピレン製)のコンテナー等)の有機汚れを落とすことができる。
【0016】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、さらに界面活性剤を含むことが望ましい。
上記粘着ラベル剥離剤組成物に上記界面活性剤が含まれると、上記粘着ラベル剥離剤組成物の粘着ラベルへの浸透力が上がり、上記粘着ラベルが剥離しやすくなると同時に汚れも落ちやすくなる。また、上記粘着ラベル剥離剤組成物をスプレーして使用することができる。
【0017】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、さらに消泡剤を含むことが望ましい。
自動コンテナー洗浄機に硬質材料を投入しすすぐ際、すすぎ時に自動コンテナー洗浄機内で泡が発生し、自動コンテナー洗浄機が正常に作動しない場合がある。上記粘着ラベル剥離剤組成物に上記消泡剤が含まれると、泡立ちを抑え、かつ、泡切れを良くすることができる。
【0018】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物においては、上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤の濃度が30〜60重量%であることが望ましい。
上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤の濃度が30〜60重量%であると、粘着ラベルを除去した後に水で洗浄する際、廃液による環境への負荷が少ないだけでなく、低臭気で、剥離性に優れた粘着ラベル剥離剤組成物が得られる。
【0019】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、pHが5〜9であることが望ましい。
pHが5〜9であると、万一皮膚に接触しても短時間で侵される心配がなく、危険性が少ない。
【0020】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、pHが9〜14であることが望ましい。
pHが9〜14であると、粘着ラベルを剥離するのと同時に、粘着ラベルが粘着されている硬質材料(例えば、プラスチック板(ポリプロピレン製)のコンテナー等)の有機汚れを落とすことができる。
【0021】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、粘度が1〜10000mPa・sであることが望ましい。
粘度が1〜10000mPa・sであると、上記粘着ラベル剥離剤組成物を粘着ラベル表面上に均一に塗り広げやすく、また、上記粘着ラベル剥離剤組成物を上記粘着ラベル部分に長時間触れさせることができる。
【0022】
本発明の粘着ラベル剥離剤組成物は、水溶性であることが望ましい。
粘着ラベル剥離剤組成物が水溶性であると、粘着ラベルを除去した後に水で洗浄する際、廃液による環境への負荷が少ない粘着ラベル剥離剤組成物が得られる。
ここで、水溶性とは、調製した粘着ラベル剥離剤組成物を1%の水溶液(20℃)として、スターラー(300rpm)にかけて5分間撹拌した後、2層に分離していない状態となる性質をいう。
【0023】
本発明の硬質材料の表面からの粘着ラベルの剥離方法は、硬質材料の表面に貼り付けられた粘着ラベル上に本発明の粘着ラベル剥離剤組成物を滴下し、
1〜30分経過後に擦り落す、流水ですすぐ、又は、高圧の水や空気を吹き付けることによって粘着ラベルを剥離することを特徴とする。
【0024】
上記粘着ラベル上に上記粘着ラベル剥離剤組成物を滴下し、上記粘着ラベルに充分に浸透させるため、1〜30分放置する。その後、擦り落す、流水ですすぐ、又は、高圧の水や空気を吹き付けることで、上記粘着ラベルを痕跡なく、きれいに剥離することができる。