(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態の光源制御装置1の構成)
図1を参照して、光源制御装置1について説明する。
光源制御装置1は、直流電源Viと、平滑コンデンサC1と、DC−DCコンバータ回路10と、検出回路20と、DC−ACインバータ回路30と、コイルL2と、放電灯(光源)Laと、コンデンサC3と、制御回路部40とを備えている。
【0015】
直流電源Viは、電力を供給するため、直流電圧Viをプラス側の出力端子とマイナス側の出力端子との間に出力する電源である。直流電源Viのプラス側の出力端子は、平滑コンデンサC1の一端、および、DC−DCコンバータ回路10のプラス側の入力端子に接続されている。直流電源Viのマイナス側の出力端子は、平滑コンデンサC1の他端、および、DC−DCコンバータ回路10のマイナス側の入力端子に接続されている。直流電源Viは、直流電圧Viをプラス側の出力端子に印加するものである。
ここで、平滑コンデンサC1は、光源制御装置1の設計仕様に応じて、極性の有無や種類を適宜選択できるものである。
直流電源Viが出力した直流電圧Viは、平滑コンデンサC1によって平滑化され、DC−DCコンバータ回路10に印加される。DC−DCコンバータ回路10に印加された直流電圧Viは、直流電圧Voに変換されてDC−ACインバータ回路30に印加される。DC−ACインバータ回路30に印加された直流電圧Voは、交流電圧に変換されて光源である放電灯Laに供給される。
DC−DCコンバータ回路10と検出回路20とDC−ACインバータ回路30とは、光源である放電灯Laに、PWM(Pulse Width Modulation)信号に基づくランプ電流ILaを供給する電流生成回路を構成する。
【0016】
《DC−DCコンバータ回路10》
DC−DCコンバータ回路10(直流電圧生成回路)は、n型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であるスイッチ素子Q1と、還流ダイオードD1と、チョークコイルL1と、平滑コンデンサC2とを備えている。
【0017】
DC−DCコンバータ回路10は、降圧チョッパ方式の電源回路である。DC−DCコンバータ回路10は、プラス側の入力端子とマイナス側の入力端子との間に直流電源Viによる入力電圧Viが印加され、かつ、後記する直流駆動制御回路41から制御信号が入力されると、プラス側の出力端子とマイナス側の出力端子との間に、入力された制御信号の制御情報に応じた直流電圧Voを出力するものである。なお、当該DC−DCコンバータ回路10に於いて、マイナス側の入力端子とマイナス側の出力端子とは、共にグランドである。
ここで、制御信号とはPWM信号であり、制御情報とはデューティ比である。すなわち、DC−DCコンバータ回路10は、入力されたPWM信号のデューティ比に応じた直流電圧Voを出力するものである。
【0018】
スイッチ素子Q1のドレイン端子は、当該DC−DCコンバータ回路10のプラス側の入力端子である。スイッチ素子Q1のゲート端子は、後記する直流駆動制御回路41に接続されている。スイッチ素子Q1のソース端子は、チョークコイルL1の一端および還流ダイオードD1のカソード端子に接続されている。スイッチ素子Q1は、制御信号であり、かつ、パルス幅変調(PWM)されたスイッチングパルスにより、オン・オフ制御されるものである。
【0019】
還流ダイオードD1のカソード端子は、スイッチ素子Q1のソース端子およびチョークコイルL1の一端に接続されている。還流ダイオードD1のアノード端子は、グランドに接続されている。還流ダイオードD1は、スイッチ素子Q1がオフしたときに、グランドからチョークコイルL1に電流を流す(還流する)ものである。
【0020】
チョークコイルL1は、一端がスイッチ素子Q1のソース端子および還流ダイオードD1のカソード端子に接続されている。チョークコイルL1の他端は、平滑コンデンサC2の一端に接続されている。チョークコイルL1の他端は、当該DC−DCコンバータ回路10のプラス側の出力端子でもある。チョークコイルL1は、スイッチ素子Q1を介して入力電圧Viが一端に印加されて、電磁エネルギーの蓄積と放出とを繰り返すものである。
【0021】
平滑コンデンサC2の一端は、チョークコイルL1の他端に接続されている。平滑コンデンサC2の他端は、グランドに接続されている。平滑コンデンサC2の一端は、当該DC−DCコンバータ回路10のプラス側の出力端子でもある。平滑コンデンサC2は、当該DC−DCコンバータ回路10の出力電圧Voを平滑化するものである。
なお、平滑コンデンサC2は、DC−DCコンバータ回路10の設計仕様に応じて、極性の有無や種類を適宜選択できるものである。
【0022】
DC−DCコンバータ回路10の入力端子には、直流電圧Viが印加される。当該DC−DCコンバータ回路10に入力される制御信号は、パルス幅変調されたPWM信号である。このPWM信号は、スイッチ素子Q1のゲート端子に入力され、当該スイッチ素子Q1をオン・オフ制御する。
PWM信号のオン・デューティ期間には、スイッチ素子Q1がオンする。スイッチ素子Q1がオンすると、チョークコイルL1に電流が流れ、当該DC−DCコンバータ回路10のプラス側の出力端子側にも電流が流れる。このときチョークコイルL1は、電磁エネルギーを蓄える。チョークコイルL1の他端から流れる電流は、次第に増大する。
PWM信号のオフ・デューティ期間には、スイッチ素子Q1がオフする。スイッチ素子Q1がオフすると、チョークコイルL1は、蓄えていた電磁エネルギーをチョークコイルL1の他端から放出する。これに伴い、還流ダイオードD1は、グランドからチョークコイルL1の一端に電流を流す。チョークコイルL1の他端から流れる電流は、次第に減少する。
当該DC−DCコンバータ回路10が出力する直流電圧Voは、チョークコイルL1の他端から流れる電流で発生した電圧が、平滑コンデンサC2によって平滑化される。この直流電圧Voは、PWM信号のデューティ比に応じている。すなわち、DC−DCコンバータ回路10は、直流電圧Viを、PWM信号のデューティ比に応じた直流電圧Voに変換して、チョークコイルL1の他端から検出回路20に出力する。
なお、明細書および図面に於いて、デューティのことを「Duty」と記載している場合がある。
【0023】
《検出回路20》
検出回路20のプラス側の入力端子は、DC−DCコンバータ回路10のプラス側の出力端子に接続されている。検出回路20のマイナス側の入力端子は、グランドかつDC−DCコンバータ回路10のマイナス側の出力端子に接続されている。
検出回路20のプラス側の出力端子は、DC−ACインバータ回路30のプラス側の入力端子に接続されている。検出回路20のマイナス側の出力端子は、DC−ACインバータ回路30のマイナス側の入力端子に接続されている。
【0024】
検出回路20は、抵抗R1〜R3を備えている。抵抗R1の一端は、当該検出回路20のプラス側の出力端子かつプラス側の入力端子に接続されている。抵抗R1の他端は、抵抗R2の一端と接続されていると共に、電圧Svoの出力端子に接続されている。抵抗R2の他端は、グランドかつマイナス側の入力端子に接続されている。抵抗R3の一端は、検出回路20のマイナス側の出力端子と、電圧Sioの出力端子に接続されている。抵抗R3の他端は、グランドかつマイナス側の入力端子に接続されている。
【0025】
検出回路20は、プラス側の出力端子に印加されている直流電圧Voを示す(比例する)電圧Svoと、当該検出回路20のプラス側の出力端子に流れる直流電流を示す(比例する)電圧Sioとを検出するものである。
【0026】
抵抗R1,R2は、当該検出回路20に印加されている直流電圧Voを分圧する抵抗素子であり、それぞれ、極めて高い抵抗値を有している(おおむね数百kΩ〜数MΩ程度の抵抗値を選択する)。プラス側の入力端子に印加されている直流電圧Voは、これら抵抗R1,R2によって分圧されて電圧Svoに変換され、演算回路42に出力される。これにより、DC−DCコンバータ回路10が出力電圧Voを、演算回路42が検出可能な低電圧(例えば、0〜5Vの範囲)に変換することができる。
【0027】
DC−DCコンバータ回路10のプラスの出力端子から流れる電流は、検出回路20の抵抗R1,R2の直列接続と、DC−ACインバータ回路30とに流れたのち、DC−DCコンバータ回路10のマイナスの出力端子に流れる。抵抗R1,R2の直列接続は、極めて高い抵抗値を有しているので、ここに流れる電流は極めて小さい。すなわち、DC−DCコンバータ回路10のプラスの出力端子から流れる電流に対して、抵抗R1,R2に流れる電流は極めて小さい。したがって、当該検出回路20のマイナス側の入力端子に流れる電流は、DC−DCコンバータ回路10のプラスの出力端子から流れる電流と、ほぼ等しくなる。
演算回路42は、当該検出回路20のマイナス側の出力端子から、当該検出回路20のマイナス側の入力端子に流れる電流を、抵抗R3を介して電圧Sioとして検出することにより、DC−DCコンバータ回路10のプラス側の出力端子から流れる電流を測定することができる。
【0028】
《DC−ACインバータ回路30》
DC−ACインバータ回路(交流電圧生成回路)30は、フルブリッジ方式のインバータである。DC−ACインバータ回路30のプラス側の入力端子は、検出回路20のプラス側の出力端子に接続されている。DC−ACインバータ回路30のマイナス側の入力端子は、検出回路20のマイナス側の出力端子に接続されている。DC−ACインバータ回路30の一方の出力端子は、コイルL2の一端に接続されている。DC−ACインバータ回路30の他方の出力端子は、放電灯Laの一端およびコンデンサC3の一端に接続されている。更に、放電灯Laの他端、コンデンサC3の他端、および、コイルL2の他端は、相互に接続されている。
DC−ACインバータ回路30は、入力された直流電圧Voを交流電圧に変換して、当該交流電圧によるランプ電流ILaを放電灯Laに供給するものである。
【0029】
DC−ACインバータ回路30は、例えばn型のMOSFETであるスイッチ素子Q2〜Q5を備えている。スイッチ素子Q2,Q3は、DC−ACインバータ回路30の一方のスイッチングレッグを構成している。スイッチ素子Q4,Q5は、DC−ACインバータ回路30の他方のスイッチングレッグを構成している。
DC−ACインバータ回路30の一方のスイッチングレッグに於いて、スイッチ素子Q2のドレイン端子は、当該DC−ACインバータ回路30のプラス側の入力端子に接続されている。スイッチ素子Q2のソース端子は、スイッチ素子Q3のドレイン端子に接続され、当該DC−ACインバータ回路30の一方の出力端子に接続されて、電圧Vac1を発生する。スイッチ素子Q3のソース端子は、当該DC−ACインバータ回路30のマイナス側の入力端子に接続されている。
【0030】
DC−ACインバータ回路30の他方のスイッチングレッグに於いて、スイッチ素子Q4のドレイン端子は、当該DC−ACインバータ回路30のプラス側の入力端子に接続されている。スイッチ素子Q4のソース端子は、スイッチ素子Q5のドレイン端子に接続され、当該DC−ACインバータ回路30の他方の出力端子に接続されて、電圧Vac2を発生する。スイッチ素子Q5のソース端子は、当該DC−ACインバータ回路30のマイナス側の入力端子に接続されている。
【0031】
スイッチ素子Q2〜Q5は、交流駆動制御回路43からそれぞれ入力される4つの極性反転制御信号によりオン・オフ制御される。スイッチ素子Q2,Q5がオンし、スイッチ素子Q3,Q4がオフすると、電圧Vac1=Vo[V]かつ電圧Vac2=0[V]となる。スイッチ素子Q3,Q4がオンし、スイッチ素子Q2,Q5がオフすると、電圧Vac1=0[V]かつ電圧Vac2=Vo[V]となる。この繰り返しによって、交流電圧(電圧Vac2−電圧Vac1)が生成され、生成された交流電圧は、コイルL2とコンデンサC3とで構成される共振回路を介して、駆動電圧として放電灯Laに供給される。
【0032】
放電灯Laには、交流であるランプ電流ILaが流れる。放電灯Laは、供給されたランプ電流ILaに応じた光を出射する光源である。
【0033】
《制御回路部40》
制御回路部40は、例えばDSP(Digital Signal Processor)で構成されている演算回路42と、直流駆動制御回路41と、交流駆動制御回路43とを備えている。
【0034】
直流駆動制御回路41は、制御信号であるPWM信号を生成するものである。このPWM信号は、複数色のセグメントに対応したデューティ比に基づいてパルス幅変調される。本実施形態に於いて、制御信号の制御情報は、PWM信号のデューティ比である。
直流駆動制御回路41は、生成したPWM制御信号を、DC−DCコンバータ回路10内のスイッチ素子Q1をオン・オフ制御するためのスイッチングパルスとして、スイッチ素子Q1のゲート端子に入力する。
【0035】
演算回路42は、複数色のセグメントに対応した複数の変調率を格納し、これら複数色のセグメントに対応した複数の演算手段を備えている。演算回路42は、各セグメントに同期して、複数の演算手段を選択し、当該セグメントの変調率に対応したデューティ比情報を演算して、直流駆動制御回路41に出力する。演算回路42は、電圧Sioを検出し、当該電圧Sioが一定になるようにフィードバック制御する。このフィードバック制御により、DC−DCコンバータ回路10が流す電流が一定となるので、ランプ電流ILaが一定になる。この演算回路42の詳細は、後記する。
【0036】
交流駆動制御回路43は、演算回路42によって制御される。交流駆動制御回路43は、DC−ACインバータ回路30のスイッチ素子Q2〜Q5のゲート端子に、それぞれ極性反転制御信号を出力し、スイッチ素子Q2〜Q5をオン・オフ制御する。これにより、交流駆動制御回路43は、DC−ACインバータ回路30に印加された直流電圧Voを、交流電圧に変換して放電灯Laに供給する。
【0037】
図2と
図1とを参照して、光源制御装置1の制御回路部40が備えている演算回路42について説明する。
演算回路42は、入力部50と、目標電流設定部51と、処理選択部52と、デューティ演算部53と、デューティリミッタ部54とを備えている。
入力部50は、セグメント判定部500と、出力電圧AD変換部501と、出力電流AD変換部(電流変換部)502とを備えている。
セグメント判定部500は、各セグメントに同期した外部同期信号Sextに基づいて、現在のセグメント情報を判定する。すなわち、セグメント判定部500は、光源が出射した光が、いずれのセグメントを透過しているかを判定する。セグメント判定部500の動作の詳細は、後記する
図5(a)に於いて説明する。
【0038】
出力電圧AD変換部501は、入力された電圧Svoを、デジタル値に変換するアナログ−デジタル変換器である。電圧Svoは、DC−DCコンバータ回路10が検出回路20およびDC−ACインバータ回路30に印加する直流電圧Voを分圧したものである。すなわち、出力電圧AD変換部501は、直流電圧Voを示す(比例する)デジタル値を出力する。
【0039】
出力電流AD変換部502は、入力された電圧Sioを、デジタル値に変換するアナログ−デジタル変換器である。電圧Sioは、DC−DCコンバータ回路10の出力電流に比例するものである。すなわち、出力電流AD変換部502は、DC−DCコンバータ回路10の出力電流を示す(比例する)デジタル値を出力する。
【0040】
目標電流設定部51は、変調率テーブル510と、平均電流演算部511と、目標電流演算部512と、を備えている。目標電流設定部51は、出力電流を示すデジタル値とセグメント情報とに基づき、出力電流の目標値を設定するものである。
【0041】
実際に設定する各セグメントの目標電流値は、出力平均電流値(目標値)および後記するカラーホイール70(
図3)の1周期分の各セグメントに設定された変調率から、変調率100%時の基準電流値を計算し、これに各セグメントに設定された変調率を乗じて求める。
【0042】
例えば、目標電流値が2[A]であり、各セグメントの変調率がそれぞれ100[%],120[%],100[%],150[%],200[%],250[%]の場合には、以下の式に示すように、基準電流値と各セグメントの目標電流値とが算出される。
基準電流値[A]=2÷(1+1.2+1+1.5+2+2.5)×6=1.3
セグメント0の目標電流値[A]=1.3×1.0=1.3
セグメント1の目標電流値[A]=1.3×1.2=1.56
セグメント2の目標電流値[A]=1.3×1.0=1.3
セグメント3の目標電流値[A]=1.3×1.5=1.95
セグメント4の目標電流値[A]=1.3×2.0=2.6
セグメント5の目標電流値[A]=1.3×2.5=3.25
【0043】
前記式は、各セグメントの角度が全て同一の場合の例である。第1の実施形態のように各セグメントの角度がそれぞれ異なる場合には、基準電流値の計算に当該セグメントの角度の違いを反映させる。
【0044】
変調率テーブル510は、各セグメントの変調率が格納されたテーブルを備え、入力されたセグメント情報に基づき、当該セグメントの変調率を出力する。ここでセグメントの変調率とは、プロジェクタのホワイトバランスを調整するように、各セグメントに任意に設定される係数である。変調率は、例えば100〜250%の範囲で設定される。
平均電流演算部511は、出力電流を示すデジタル値を平均し、この平均したデジタル値を出力するものである。
【0045】
目標電流演算部512は、DC−DCコンバータ回路10の出力電圧を示すデジタル値と、DC−DCコンバータ回路10の出力電流を示すデジタル値と、当該セグメントの変調率とに基づき、当該セグメントの目標電流を示すデジタル値を出力するものである。
【0046】
処理選択部52は、セグメント情報に基づいて、当該セグメントに対応した演算手段として、セグメント0用デューティ演算部531a〜セグメント5用デューティ演算部531fのいずれかを選択する。例えば、セグメント判定部500の判定結果(セグメント情報)がセグメント0であれば、セグメント0用デューティ演算部531aを選択する。
【0047】
デューティ演算部53は、出力電流を示すデジタル値が、目標電流を示すデジタル値に近づくように、DC−DCコンバータ回路10に出力する制御信号のデューティ比情報を算出するものである。デューティ演算部53は、セグメント0用デューティ演算部531a〜セグメント5用デューティ演算部531fを備えている。
【0048】
セグメント0用デューティ演算部531a〜セグメント5用デューティ演算部531fは、それぞれのセグメントに同期して、当該セグメントの変調率に対応したデューティ比情報(制御情報)を演算して出力する。
【0049】
デューティリミッタ部54は、入力したデューティ比情報が、所定範囲から外れていたとき、これを制限することにより、システムの異常動作が起きないようにするものである。デューティリミッタ部54は、例えば、直流駆動制御回路41に指定可能なデューティ比情報の範囲が0%〜95%であれば、この範囲で当該デューティ比を制限する。デューティリミッタ部54は更に、DC−DCコンバータ回路10が線形に出力電圧Voを制御可能な範囲、DC−ACインバータ回路30に印加可能な電圧(耐圧)、放電灯Laに印加可能な電圧(耐圧)などを考慮して、当該デューティ比情報を制限してもよい。
【0050】
図3を参照して、カラーホイール70について説明する。
カラーホイール70は円形であり、中心部に回転軸を有している。カラーホイール70は、当該回転軸を中心に、扇状の6つのセグメントを備えている。
セグメント0は、赤色(RED)の色フィルタを備えている。セグメント1は、緑色(GREEN)の色フィルタを備えている。セグメント2は、空色(CYAN)の色フィルタを備えている。セグメント3は、黄色(YELLOW)の色フィルタを備えている。セグメント4は、青色(BLUE)の色フィルタを備えている。セグメント5は、白色(WHITE)、すなわち透明な色フィルタを備えている。
【0051】
カラーホイール70は、放電灯Laから出射される光がセグメント0〜5の色フィルタのいずれかを透過するように設置されている。更にカラーホイール70は回転軸を中心に所定の回転速度で回転し、当該光が、全てのセグメントの色フィルタを透過するようになっている。
【0052】
ここで、放電灯Laの光がセグメント0の色フィルタを透過しはじめる時刻を、時刻T0と定義する。放電灯Laの光がセグメント1の色フィルタを透過しはじめる時刻を、時刻T1と定義する。放電灯Laの光がセグメント2の色フィルタを透過しはじめる時刻を、時刻T2と定義する。放電灯Laの光がセグメント3の色フィルタを透過しはじめる時刻を、時刻T3と定義する。放電灯Laの光がセグメント4の色フィルタを透過しはじめる時刻を、時刻T4と定義する。放電灯Laの光がセグメント5の色フィルタを透過しはじめる時刻を、時刻T5と定義する。
カラーホイール70のセグメント0が占める角度は、セグメント2の角度、セグメント4の角度と比べ、もっとも大きく設定されている。これにより、時刻T0〜T1の期間が、時刻T2〜T3の期間、時刻T4〜T5の期間のうち、もっとも長い期間となる。これにより、演算回路42は、外部同期信号Sextを解析して、セグメント0の期間を判定することができる。
【0053】
(第1の実施形態の光源制御装置1の動作)
図4を、適宜図および
図2を参照して、演算回路42が行う処理を説明する。
図4(a)は、演算回路42が外部同期信号Sextの入力を受け、セグメントに対応したデューティ演算部を選択する処理を示すフローチャートである。
処理を開始すると、ステップS10に於いて、演算回路42のセグメント判定部500は、外部同期信号Sextを解析して、セグメント番号を得る。
ステップS11に於いて、処理選択部52は、セグメント番号を判断する。処理選択部52は、セグメント番号が0ならばステップS12の処理を行い、セグメント番号が1ならばステップS13の処理を行い、セグメント番号が2ならばステップS14の処理を行い、セグメント番号が3ならばステップS15の処理を行い、セグメント番号が4ならばステップS16の処理を行い、セグメント番号が5ならばステップS17の処理を行う。
【0054】
ステップS12に於いて、処理選択部52は、セグメント0用デューティ演算部531aを選択する。処理選択部52は、ステップS12の処理の後、ステップS10の処理に戻る。
【0055】
ステップS13に於いて、処理選択部52は、セグメント1用デューティ演算部531bを選択する。処理選択部52は、ステップS13の処理の後、ステップS10の処理に戻る。
【0056】
ステップS14に於いて、処理選択部52は、セグメント2用デューティ演算部531cを選択する。処理選択部52は、ステップS14の処理の後、ステップS10の処理に戻る。
【0057】
ステップS15に於いて、処理選択部52は、セグメント3用デューティ演算部531dを選択する。処理選択部52は、ステップS15の処理の後、ステップS10の処理に戻る。
【0058】
ステップS16に於いて、処理選択部52は、セグメント4用デューティ演算部531eを選択する。処理選択部52は、ステップS16の処理の後、ステップS10の処理に戻る。
【0059】
ステップS17に於いて、処理選択部52は、セグメント5用デューティ演算部531fを選択する。処理選択部52は、ステップS17の処理の後、ステップS10の処理に戻る。
以下、演算回路42は、ステップS10〜S17の処理を繰り返すことにより、各セグメントに同期して、各セグメントに対応したセグメント0用デューティ演算部531a〜セグメント5用デューティ演算部531fを動作させることができる。以下、セグメント0用デューティ演算部531a〜セグメント5用デューティ演算部531fを特に区別しないときには、単に「デューティ演算部531」という。
【0060】
図4(b)は、セグメント0用デューティ演算部531a〜セグメント5用デューティ演算部531fの処理を示すフローチャートである。
ステップS12〜S17に於いて、処理選択部52によって当該セグメントの処理が選択されると、
図4(b)に示す処理が動作する。なお、他のセグメントの処理が選択されたときには、当該セグメントの処理は停止し、次回の選択に備える。
【0061】
処理を開始すると、ステップS20に於いて、デューティ演算部531は、当該セグメントの現在の電流値の偏差ΔE(n)を算出する。ΔE(n)は、目標電流演算部512の出力値から出力電流AD変換部502の出力値を減算して算出する。
【0062】
ステップS21に於いて、デューティ演算部531は、当該セグメントのPWM信号のデューティ比情報をPID(比例積分微分制御)演算する。PID演算の例を以下に示す。
Duty(n)=K0×ΔE(n)+K1×ΔE(n−1)+K2×ΔE(n−2)+Duty(n−1)
【0063】
nは、デューティ演算の現在の周期の信号であることを示す添字である。Dutyは、デューティ比情報を示している。Duty(n)は、新たに演算されたデューティ比情報を示している。Duty(n−1)は、デューティ演算の1周期前に於けるデューティ比情報を示している。ΔE(n−1)は、デューティ演算の1周期前に於ける電流値の偏差を示している。ΔE(n−2)は、デューティ演算の2周期前に於ける電流値の偏差を示している。K0,K1,K2は、それぞれPID演算の係数を示している。
【0064】
ステップS22に於いて、デューティ演算部531は、ΔE(n−2)に、ΔE(n−1)を設定する。すなわち、デューティ演算部531は、デューティ演算の1周期前の電流の偏差を、デューティ演算の2周期前の電流の偏差に設定する。
【0065】
ステップS23に於いて、デューティ演算部531は、ΔE(n−1)に、ΔE(n)を設定する。すなわち、デューティ演算部531は、デューティ演算の現在の電流の偏差を、デューティ演算の1周期前の電流の偏差に設定する。
【0066】
ステップS24に於いて、デューティ演算部531は、デューティリミッタ部54を介して、直流駆動制御回路41に、演算で求めたデューティ比情報を出力する。直流駆動制御回路41は、当該デューティ比情報に基づき、当該デューティ比を有するPWM信号を出力する。
ステップS25に於いて、デューティ演算部531は、次の演算の周期まで待ったのち、ステップS20の処理に戻る。
【0067】
ステップS20〜S25の処理によって、当該セグメントに対応した演算手段であるデューティ演算部531は、PWM信号のデューティ比情報を演算することができる。
【0068】
図5(a)〜(c)を、適宜
図1および
図2を参照して、光源制御装置1の各部動作を説明する。
図5(a)の縦軸は、外部同期信号Sextの電圧を示している。
図5(b)は、デューティ演算部53の動作を示している。
図5(c)の縦軸は、ランプ電流ILaの電流を示している。
図5(a)〜(c)の横軸は、共通する時間tを示している。
【0069】
図5(a)に示す外部同期信号Sextは、時刻T0〜T1、時刻T2〜T3、時刻T4〜T5に於いて、Hレベルとなる信号である。外部同期信号Sextは、カラーホイール70(
図3)のセグメント0の所定領域と、セグメント2の所定領域と、セグメント4の所定領域とを検知するセンサ(不図示)の出力信号である。
【0070】
カラーホイール70のセグメント0(
図3)が占める角度は、セグメント2、セグメント4のうち、もっとも大きな角度に設定されている。これにより、外部同期信号Sextは、時刻T0〜T1のときのHレベルの期間が、他の時刻T2〜T3の期間や、時刻T4〜T5の期間よりも長くなる。以下、本実施形態に於いて、時刻T0〜T1のときのHレベルのパルスを「インデックスパルス」と称することがある。
【0071】
演算回路42のセグメント判定部500は、3個のHレベルのパルスのうち、もっとも期間が長いものを検出することにより、前記したインデックスパルスを検出して、セグメント0を判定することができる。セグメント判定部500は更に、外部同期信号Sextのエッジを検出したときに、セグメント番号を1ずつ増加することにより、現在のセグメント番号を判定することができる。なお、カラーホイール70の1周期は、今回の時刻T0〜次の時刻T0までである。
【0072】
図5(b)は、外部同期信号Sextに基づいて(セグメント情報に基づいて)選択される各セグメント用デューティ演算部531を示している。
時刻T0〜T1では、セグメント0用デューティ演算部531aが動作する。時刻T1〜T2では、セグメント1用デューティ演算部531bが動作する。時刻T2〜T3では、セグメント2用デューティ演算部531cが動作する。時刻T3〜T4では、セグメント3用デューティ演算部531dが動作する。時刻T4〜T5では、セグメント4用デューティ演算部531eが動作する。時刻T5〜次の時刻T0では、セグメント5用デューティ演算部531fが動作する。
【0073】
図5(c)は、各セグメント用デューティ演算部531によって制御されたランプ電流ILaを示している。第1の実施形態の光源制御装置1(
図1)は、ランプ電流ILaを、セグメント毎に交互に正負の電流で出力するよう制御する。
【0074】
《比較例の光源制御装置》
以下、比較例の光源制御装置の構成と動作について説明する。比較例の光源制御装置(不図示)は、第1の実施形態の光源制御装置1の演算回路42(
図1)とは異なる演算回路82(
図8)を備えている他は、第1の実施形態の光源制御装置1(
図1)と同様に構成されている。
【0075】
図8は、比較例に於ける演算回路82の構成を示す図である。
比較例の演算回路82は、第1の実施形態と同様の入力部50と、第1の実施形態と同様の目標電流設定部51と、第1の実施形態のデューティ演算部53とは異なるセグメント共通デューティ演算部93と、第1の実施形態と同様のデューティリミッタ部54とを備えている。
【0076】
セグメント共通デューティ演算部93は、第1の実施形態のデューティ演算部53(
図2)とは異なり、各セグメントを区別せずに、出力電流を示すデジタル値が目標電流を示すデジタル値に近づくようにフィードバック制御するため、DC−DCコンバータ回路10に出力する制御信号のデューティ比情報を算出するものである。
【0077】
図9を参照して、比較例に於ける光源制御装置の各部動作を説明する。
図9(a)の縦軸は、外部同期信号Sextの電圧を示している。
図9(b)は、セグメント共通デューティ演算部93の動作を示している。
図9(c)の縦軸は、ランプ電流ILaの電流を示している。
図9(a)〜(c)の横軸は、共通する時間tを示している。
図9(a)に示す外部同期信号Sextの波形は、
図5(a)に示す外部同期信号Sextの波形と同様である。
図9(b)は、全てのセグメントは、セグメント共通デューティ演算部93によって制御されることを示している。
【0078】
図9(c)は、セグメント共通デューティ演算部93によって制御されたランプ電流ILaを示している。全てのセグメントをセグメント共通デューティ演算部93によって制御しているので、ランプ電流ILaは、セグメントの切り替わってからに制御結果が目標電流値と一致して安定するまでは、所定の時定数tdでステップ応答する。
ランプ電流ILaは、ステップ応答しているときには、目標電流値と乖離している。これにより、各セグメントの発光量は、目標発光量から乖離する。同様に、各セグメントの発光量によって制御されるプロジェクタのホワイトバランスは、目標値から乖離する。これにより、プロジェクタは、映像の品位が低下する虞がある。
【0079】
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)のような効果がある。
【0080】
(A) 演算回路42は、カラーホイール70の複数色のセグメントに対応した複数の変調率を変調率テーブル510に格納し、当該複数色のセグメントに対応したデューティ演算部531を有している。演算回路42は、各セグメントに同期して、当該セグメントに対応したデューティ演算部531を動作させてPWM信号のデューティ比情報を演算している。これにより、プロジェクタの光源制御装置1は、セグメントの切り替わりのときでも、所定の時定数tdでランプ電流ILaをステップ応答させることなく、目標電流値にすぐさま合致させることができ、プロジェクタが投影する映像品位の低下を抑止することができる。
【0081】
(第2の実施形態の光源制御装置1の構成)
第2の実施形態の光源制御装置1(不図示)は、第1の実施形態の光源制御装置1の演算回路42(
図1)とは異なる演算回路42a(
図6)を備えている他は、第1の実施形態の光源制御装置1(
図1)と同様に構成されている。
【0082】
図6を参照して、演算回路42aの構成を説明する。
第2の実施形態の演算回路42aは、第1の実施形態の演算回路42(
図2)とは異なる変調率テーブル群510aと、処理選択部52aと、デューティ演算部53aとを備えており、更に変調率モードが入力されている他は、第1の実施形態の演算回路42(
図2)と同様に構成されている。
【0083】
第2の実施形態の変調率テーブル群510aは、第1の実施形態の変調率テーブル510(
図2)とは異なり、変調率「A」のテーブルと変調率「B」のテーブルとを備えている。変調率「A」のテーブルとは、変調率「A」のモードに於ける各セグメントの変調率が格納されたテーブルである。変調率「B」のテーブルとは、変調率「B」のモードに於ける各セグメントの変調率が格納されたテーブルである。
変調率「A」のモードとは、第1のモードである。変調率「A」のテーブルとは、複数の第1の変調率である。変調率「B」のモードとは、第2のモードである。変調率「B」のテーブルとは、複数の第2の変調率である。
第2の実施形態のプロジェクタは、複数の動作モードそれぞれに応じた変調率モードで動作するよう、光源制御装置1を制御する。複数の動作モードとは、例えば、テレビ映像や映画などを投影する「映像モード」、コンピュータの画面を投影する「コンピュータモード」、消費電力を低減する「省電力モード」などである。変調率テーブル群510aは、セグメント情報と変調率モード(動作モード)とに基づき、当該セグメントの変調率を、処理選択部52aと目標電流演算部512とに出力する。
【0084】
第2の実施形態の処理選択部52aは、第1の実施形態の処理選択部52(
図2)とは異なり、現在の変調率モードに基づいてデューティ演算部「A」531またはデューティ演算部「B」532を選択する。処理選択部52aは更に、セグメント情報に基づいて、セグメント0用デューティ演算部「A」531a〜セグメント5用デューティ演算部「A」531f、または、セグメント0用デューティ演算部「B」532a〜セグメント5用デューティ演算部「B」532fのいずれかを選択する。
デューティ演算部「A」531とは、第1のモードに関する複数の第1のデューティ演算部である。デューティ演算部「B」532とは、第2のモードに関する複数の第2のデューティ演算部である。
【0085】
第2の実施形態のデューティ演算部53aは、第1の実施形態のデューティ演算部53(
図2)とは異なり、2組のデューティ演算部「A」531と、デューティ演算部「B」532とを備えている。デューティ演算部「A」531は、変調率「A」のモードに対応して動作するものである。デューティ演算部「B」532は、変調率「B」のモードに対応して動作するものである。
デューティ演算部「A」531は更に、セグメント0用デューティ演算部「A」531a〜セグメント5用デューティ演算部「A」531fを備えている。デューティ演算部「B」532は更に、セグメント0用デューティ演算部「B」532a〜セグメント5用デューティ演算部「B」532fを備えている。
【0086】
(第2の実施形態の光源制御装置1の動作)
図7を参照して、光源制御装置1の各部動作を説明する。
図7(a)の縦軸は、外部同期信号Sextの電圧を示している。
図7(b)は、デューティ演算部「A」531またはデューティ演算部「B」532の動作を示している。
図7(c)の縦軸は、ランプ電流ILaの電流を示している。
図7(a)〜(c)の横軸は、共通する時間tを示している。
図7(a)に示す外部同期信号Sextの波形は、
図5(a)に示す外部同期信号Sextの波形と同様である。
【0087】
図7(b)は、カラーホイール70の1周期目に於いて、デューティ演算部「A」531と変調率「A」のテーブルとが選択されていることを示している。このとき、プロジェクタは、変調率「A」のモードである。各セグメントに於いて、セグメント0用デューティ演算部「A」531a〜セグメント5用デューティ演算部「A」531fが、順に選択されて動作する。
このとき、プロジェクタは、図示しない操作手段によって、動作モードの切替指令を受ける。プロジェクタは、プロジェクタの光源制御装置1が有する演算回路42aに、変調率モードの切り替えを指示する。
処理選択部52aは、第1のモードである変調率「A」のモードでは、セグメント情報に基づいて第1の変調率である変調率「A」のテーブルを設定し、セグメント情報に対応する第1のデューティ演算部であるセグメント0用デューティ演算部「A」531a〜セグメント5用デューティ演算部「A」531fのいずれか1つを選択して動作させる。
【0088】
カラーホイール70の2周期目の時刻T0に於いて、デューティ演算部「B」532と変調率「B」のテーブルとが選択されていることを示している。このときプロジェクタの動作モードが切り替わり、光源制御装置1は、変調率「B」のモードで動作する。各セグメントに於いて、セグメント0用デューティ演算部「B」532a〜セグメント5用デューティ演算部「B」532fが、順に選択されて動作する。以降、デューティ演算部「B」532と変調率「B」のテーブルとが選択される。
処理選択部52aは、第2のモードである変調率「B」のモードでは、セグメント情報に基づいて第2の変調率である変調率「B」のテーブルを設定し、セグメント情報に対応する第2のデューティ演算部であるセグメント0用デューティ演算部「B」532a〜セグメント5用デューティ演算部「B」532fのいずれか1つを選択して動作させる。
以降、プロジェクタが動作モードの切替指令を受けると、プロジェクタの光源制御装置1は、次のセグメント0の開始時点に於いて、動作モード(変調率モード)を切り替える。
【0089】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(B)〜(D)のような効果がある。
【0090】
(B) 演算回路42aは、複数の変調率を備えた変調率テーブル群510aを備え、第1のモードに応じた複数の第1のデューティ演算部であるデューティ演算部「A」531と、複数の第2のデューティ演算部であるデューティ演算部「B」532とを備えているので、複数の変調率モード(動作モード)を瞬時に切り替えることができる。
【0091】
(C) 演算回路42aは、変調率モードが変化し、且つセグメント0に同期した時刻T0に於いて、この変調率モードに対応した変調率「A」のテーブル、変調率「B」のテーブルのいずれかにを切替え、同時に、この変調率モードに対応したデューティ演算部「A」531、デューティ演算部「B」532のいずれかに切り替えている。更に、変調率「A」のモードに於いては、各セグメントに同期して、デューティ演算部「A」531が備えたセグメント0用デューティ演算部「A」531a〜セグメント5用デューティ演算部「A」531fを順に選択して動作させている。これにより、制御信号であるランプ電流ILaをステップ応答させずに、ただちに目標電流値に一致させることができる。
【0092】
(D) プロジェクタが動作モードの切替指令を受けると、光源制御装置1は、次のセグメント0の開始時点に於いて動作モード(変調率モード)を切り替える。光源制御装置1は、カラーホイール70の1周期単位(時刻T0)で動作モードを切り替えているので、動作モードの切り替えに伴う色ノイズを抑止可能である。
【0093】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(j)のようなものがある。
【0094】
(a) 第1の実施形態の光源制御装置1は、ランプ電流ILaの偏差ΔEを取得し、偏差ΔEをフィードバック制御している。しかし、これに限られず、光源制御装置1は、入力部50や目標電流設定部51の構成要素や信号経路を変更して、電圧値の偏差や電力値の偏差をフィードバック制御するように構成してもよい。
【0095】
(b) 第1の実施形態の光源制御装置1は、制御対象のデューティ比をPWM信号のオン期間の比率としている。しかし、これに限られず、光源制御装置1は、制御対象のデューティ比をPWM信号のオフ期間の比率として、各部を構成してもよい。
【0096】
(c) 第1の実施形態の光源制御装置1は、制御信号としてPWM信号を使用し、制御情報としてオン・デューティ比を用いている。しかし、これに限られず、制御信号は、PFM(Pulse Frequency Modulation)信号、PPM(Pulse Position Modulation))信号、PDM(Pulse Density Modulation)信号などの他の信号形式であってもよい。更に、制御情報は、各信号形式が含んでいる制御情報であってもよい。
【0097】
(d) 第1の実施形態のDC−DCコンバータ回路10は、降圧チョッパ方式の電源には限定されない。同様に、第1の実施形態のDC−ACインバータ回路30は、フルブリッジ方式のインバータに限定されない。
【0098】
(e) 第1の実施形態の光源制御装置1は、放電灯Laで光を出射して、カラーホイール70の各セグメントの色フィルタを透過させている。しかし、これに限られず、光源制御装置1は、各セグメントの色フィルタに応じた迅速な発光量の制御が可能な光源(例えば、発光ダイオードやレーザなど)によって光を出射し、カラーホイール70の各セグメントの色フィルタを透過させてもよい。
【0099】
(f) 第1の実施形態の光源制御装置1は、PID演算でフィードバック制御している。しかし、これに限られず、光源制御装置1は、目標値にフィードバック可能であれば、PI(比例積分制御)演算、PD(比例微分制御)演算、IPD(比例・微分先行型PID制御)演算など、いずれの演算方法でフィードバック制御してもよい。
【0100】
(g) 第1の実施形態の光源制御装置1は、時刻T0〜T1のインデックスパルスによってセグメント0を判定し、以降、順次セグメント情報を判定している。しかし、セグメントの判定が可能であれば、インデックスパルスは当該期間以外の期間のパルスとしてもよい。
【0101】
(h) 第1の実施形態の光源制御装置1は、時刻T0〜T1のインデックスパルスによってセグメント0を判定し、以降、順次セグメント情報を判定している。しかし、これに限られず、如何なる方法でセグメント情報を判定してもよく、例えば、光源制御装置1は、各セグメントを示すビット情報をロータリーエンコーダで読み取ってもよい。更に、光源制御装置1は、外部同期信号Sextに加えて、所定の回転位置を示すPGパルスを用いてセグメント0を判定し、以降、外部同期信号Sextのエッジごとにセグメント番号を増加させて判定してもよい。
【0102】
(i) また、外部同期信号Sextの波形は、セグメントの判定が可能であれば、
図5や
図7に示すものに限らず、例えばセグメントの切り替わるタイミングに同期した同極性のパルスなどであってもよい。
【0103】
(j) 第1の実施形態の光源制御装置1を搭載したプロジェクタは、複数色のセグメントのカラーホイール70の色フィルタで光を透過させて、当該複数色の光に変換している。しかし、これに限られず、プロジェクタは、複数色のセグメントを有する反射型のカラーホイールで光を反射させて、当該複数色の光に変換してもよい。