(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一端に設けられた充電コネクタと、他端に設けられたプラグと、充電コネクタとプラグとの間に設けられたCCIDと、を有する充電ケーブルを収容するケーブル収容装置であり、
充電ケーブルを巻き付け可能な外周面を有するリールと、リールを回転可能に支持するホルダと、を備えており、
ホルダは、
ハウジングと、
ハウジングに対して回転可能に設けられており、充電ケーブルのプラグが着脱自在に接続される第1接続部と、
ハウジングに対して移動不能に設けられており、外部電源に接続される第2接続部と、
第1接続部と第2接続部との間に配設されており、第1接続部と第2接続部とを電気的に接続するスリップリングと、を有する、ケーブル収容装置。
第1接続部は、ハウジングに回転可能に支持される回転部材と、回転部材に形成される第1嵌合部と、回転部材に形成され、充電ケーブルのプラグが挿し込まれる挿込み部を有しており、
リールは、第1嵌合部と嵌合する第2嵌合部を有しており、
第1接続部の第1嵌合部とリールの第2嵌合部が嵌合することで、リールと第1接続部とが一体となってハウジングに対して回転する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のケーブル収容装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気自動車やプラグ・イン・ハイブリッド自動車を購入すると、通常、標準装備品の充電ケーブルが付属してくる。この標準装備品の充電ケーブルでは、一端に充電コネクタが設けられ、他端にプラグが設けられ、充電コネクタとプラグの間にはCCID(Charging Circuit Interrupt Device)が設けられている。この充電ケーブルは、例えば、トランクルーム内に収容され、外出先で充電が必要となったときに使用され、あるいは、自宅のガレージ等に収容され、自宅で充電が必要となったときに使用される。
【0005】
上記の標準装備品の充電ケーブルをトランクルーム内に収容する際、あるいは、自宅のガレージ等に収容する際は、充電ケーブルを手提げ袋等のバッグに入れて収容することが推奨されている。すなわち、充電ケーブルを束ね、その束ねた充電ケーブルをバッグに入れ、バッグごと収容することが推奨されている。しかしながら、電気自動車等への充電は、ガソリン自動車への給油とは異なり、その頻度が高く、電気自動車等を通勤に使用する場合は毎日行われることも一般的である。このため、バッグ内に充電ケーブルを入れることを推奨していても、その通りに行われることは少なく、人によっては充電ケーブルを束ねることなく乱雑に収容場所に収容していることも多い。その結果、トランクルーム内、あるいは、ガレージ内に他の物を収容する際に、充電ケーブルが邪魔になる等の問題が生じる。なお、特許文献1のケーブル収容装置は、収容装置と充電ケーブルとを専用に設計したものであって、標準装備品の充電ケーブルを収容するものではない。
【0006】
本明細書は、標準装備品の充電ケーブルを整頓した状態で収容場所に収容することができるケーブル収容装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示するケーブル収容装置は、一端に設けられた充電コネクタと、他端に設けられたプラグと、充電コネクタとプラグとの間に設けられたCCIDと、を有する充電ケーブルを収容する。このケーブル収容装置は、充電ケーブルを巻き付け可能な外周面を有するリールを備えている。
【0008】
このケーブル収容装置は、充電ケーブルを巻き付け可能な外周面を有するリールを備えている。このため、充電ケーブルをリールの外周面に巻き付けた状態とし、整頓した状態でトランクルーム内等の収容場所に収容することができる。
【0009】
上記のリールは、CCIDを保持可能な保持部を有していることが好ましい。このような構成によると、充電ケーブルのCCIDをリールの保持部に保持できるため、充電時にCCIDがケーブルから吊り下がった状態となることはなく、ケーブルやプラグに大きな引張り力が作用することを防止することができる。
【0010】
上記のケーブル収容装置では、リールを回転可能に支持するホルダをさらに備えていてもよい。このような構成によると、ホルダに対してリールを回転させることで、充電ケーブルの引出し及び巻取りを行うことができる。充電ケーブルを直接手で触れる必要がないため、充電ケーブルがほこり、雨、地面の汚れ等によって汚れていても、手が汚れてしまうことはない。
【0011】
上記のケーブル収容装置では、リールがホルダに対して着脱可能に取付けられていてもよい。このような構成では、充電ケーブルを自宅と外出先の両者で使用する場合に、充電ケーブルの取り扱いを容易に行うことができる。すなわち、このような構成では、ホルダに対して充電ケーブルが巻き付けられるリールが着脱可能となっている。このため、ホルダを充電場所(例えば、自宅のガレージ等)に設置し、充電ケーブルとリールのみを携帯することができる。従って、バッテリを自宅等で充電する際は、充電場所に設置されたホルダにリールを取付け、リールから充電ケーブルを引出して充電を行うことができる。一方、充電が終了すると、ホルダに取付けられているリールに充電ケーブルを巻き付け、次いで、ホルダからリールを取外し、充電ケーブルをリールごとトランクルーム内に収容することができる。充電ケーブルをリールに巻き付けられた状態でトランクルーム内に収容できるため、充電ケーブルがトランクルーム内で乱雑となることを防止することができる。また、リールからの充電ケーブルの引出し及び巻取りは、リールがホルダに取付けられた状態のまま行うことができるため、充電ケーブルの引出し及び巻取り作業を容易に行うことができる。
【0012】
リールがホルダに対して回転可能に取付けられている場合、ホルダは、ハウジングと、ハウジングに対して回転可能に設けられており、充電ケーブルのプラグが着脱自在に接続される第1接続部と、ハウジングに対して移動不能に設けられており、外部電源に接続される第2接続部と、第1接続部と第2接続部との間に配設されており、第1接続部と第2接続部とを電気的に接続するスリップリングを有していてもよい。
【0013】
上記の態様のケーブル収容装置では、ホルダにハウジングに対して回転可能な第1接続部が設けられている。このため、充電ケーブルのプラグを第1接続部に接続した状態のままリールを回転することができ、充電ケーブルの引出し及び巻取りを行うことができる。また、ホルダ側にスリップリングが設けられているため、携帯するリール側の重量を軽くすることができる。
【0014】
上記の態様のケーブル収容装置では、さらに、第1接続部が、ハウジングに回転可能に支持される回転部材と、回転部材に形成される第1嵌合部と、回転部材に形成され、充電ケーブルのプラグが挿し込まれる挿込み部を有していてもよい。この場合は、リールは、第1嵌合部と嵌合する第2嵌合部を有しており、第1接続部の第1嵌合部とリールの第2嵌合部が嵌合することで、リールと第1接続部とが一体となってハウジングに対して回転してもよい。このような構成によると、リールと回転部材とが一体となって回転し、両者に位置ずれは生じない。また、リールから第1嵌合部及び第2嵌合部を介して回転部材にトルクを伝達することができる。これらのため、充電ケーブルのプラグと第1接続部との間にトルクが発生することはなく、充電ケーブルの損傷を防止することができる。
【0015】
上記のケーブル収容装置の他の態様では、リールは、ホルダに対して回転可能に取付けられるようになっており、充電ケーブルのプラグが着脱自在に接続されるアダプタと、アダプタに接続されたリール側プラグを有していてもよい。ホルダは、ハウジングと、ハウジングに対して回転可能に設けられており、リール側プラグが着脱自在に接続される第3接続部と、ハウジングに対して移動不能に設けられており、外部電源に接続される第4接続部と、第3接続部と第4接続部との間に配設されており、第3接続部と第4接続部とを電気的に接続するスリップリングを有していてもよい。このような構成によると、充電ケーブルをアダプタを介してホルダに接続するため、CCIDを保持する保持部をリールの回転軸線上に設けることができる。このため、リールを小径化することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施例)
本実施例のケーブル収容装置10は、電気自動車(EV)又はプラグ・イン・ハイブリッド自動車(PHEV)に標準装備される充電ケーブルを収容するために用いられる。
図1〜3に示すように、ケーブル収容装置10は、ホルダ32と、ホルダ32に着脱可能に取付けられるリール22と、リール22に取付けられる支持プレート12を有している。
【0018】
ホルダ32は、樹脂により形成されている。ホルダ32は、充電場所(例えば、自宅のガレージ等)の壁面等に設置される。
図3に示されるように、ホルダ32は、ハウジング33を備えている。ハウジング33は、板状の部材であり、一方の表面が充電場所の壁面等に固定され、他方の表面にリール22が取付けられる(
図2を特に参照)。ハウジング33のリール22側の表面には、フック36,38が設けられている。支持プレート12がホルダ32に取付けられると、支持プレート12の貫通孔16と溝18a,18bにフック36,38がそれぞれ係合するようになっている。
【0019】
リール22は、
図3〜5に示されるように、フレーム24と、フレーム24の内周縁に取付けられた保持部材28を備えている。フレーム24は、円筒状に形成されており、その外周面24aに充電ケーブル40のケーブル本体42が巻回されるようになっている。
図3,5に示されるように、外周面24aの両端には、壁24b,24cが外周側に突出するように形成されている。壁24b,24cは、外周面24aから充電ケーブル40が脱落することを好適に防止する。すなわち、壁24b,24cのケーブル本体42と当接する側の面(すなわち、内側の面)は、
図2,3に示すように凹凸な曲面に形成されている。これによって、ケーブル本体42が壁24b,24cを越えてフレーム24から脱落すること、すなわち、ケーブル本体42が外周面24aから脱落することが防止されている。壁24bには、
図1,4に示すように、操作部23が形成されている。操作部23は、棒状の部材であり、ユーザが操作部23を把持してリール22を回転できるようになっている。一方、外周面24aのホルダ側の端部(
図3,5に示す左端)の内周側には壁25が形成されている。壁25の内周部26は、反ホルダ側(
図5の右側)に屈曲している。内周部26の先端には、保持部材(請求項でいう保持部に相当)28が取付けられている。保持部材28が内周部26に取付けられると、保持部材28によって壁25の開口が閉じられ、また、保持部材28の一部が内周部26の内側に位置する。保持部材28は、その反ホルダ側の面(
図3,5に示す右側の面)に充電ケーブル40のCCID44及びプラグ46を着脱可能に保持する。
【0020】
図1,2,3,6に示すように、支持プレート12は、板状の部材であり、一方の表面にホルダ32が当接し、他方の表面にリール22が当接する(
図2を特に参照)。支持プレート12の中央には、貫通孔13が形成され、貫通孔13の周囲には支持部14が形成されている。支持部14は、リール22側に突出している。支持部14は、リール22の内周部26と保持部材28の間の隙間に挿入され、その先端が保持部材28に係合するようになっている(
図2を特に参照)。支持部14の先端が保持部材28に係合すると、支持部14の内側に保持部材28の一部が位置し、また、支持部14に対してリール22が回転可能となる。また、支持プレート12の上端部には貫通孔16が形成され、下端部には一対の溝18a,18bが形成されている。貫通孔16は、ユーザが支持プレート12を把持する際に使用される。すなわち、ユーザは貫通孔16に指を引掛けることで、支持プレート12の上端部を把持することができる。また、貫通孔16と溝18a,18bは、リール22がホルダ32に取付けられたときに、リール22及び支持プレート12を支持するために用いられる。すなわち、
図2に示すように、リール22をホルダ32に取付けると、貫通孔16と溝18a,18bにはホルダ32のフック36,38がそれぞれ係合し、支持プレート12を支持する。
【0021】
次に、リール22に巻回される充電ケーブル40について説明する。充電ケーブル40は、電気自動車(EV)又はプラグ・イン・ハイブリッド自動車(PHEV)に標準装備される付属品の充電ケーブルである。充電ケーブル40は、ケーブル本体42と、ケーブル本体42の一端に設けられた充電コネクタ(図示しない)と、ケーブル本体42の他端に設けられたプラグ46と、ケーブル本体42の中間に設けられたCCID44を有する。充電コネクタは、電気自動車又はプラグ・イン・ハイブリッド自動車の給電口に接続可能となっている。充電コネクタが自動車の給電口に接続されると、充電ケーブル40と自動車に搭載されているバッテリとが接続される。プラグ46は、充電場所に設置されたコネクタ部(例えば、コンセント)に接続可能となっている。プラグ46が充電場所のコネクタ部に接続されると、外部電源と充電ケーブル40とが接続される。CCID44は、プラグ46の近傍に設けられている。CCID44は、充電が正常に終了したとき、又は充電異常が生じたときに、外部電源とバッテリとの接続を解除し、バッテリへの充電を停止する機能を有している。
【0022】
次に、上述したケーブル収容装置10の作用について説明する。本実施例のケーブル収容装置10では、支持プレート12にリール22が組付けられると共にリール22に充電ケーブル40が取付けられ、これら支持プレート12、リール22及び充電ケーブル40が携帯される。
【0023】
支持プレート12にリール22を組付けるには、支持プレート12の支持部14の先端を保持部材28に係合させる。支持プレート12にリール22が組付けられると、リール22は支持プレート12に対して回転可能となる。また、充電ケーブル40をリール22に取付けるには、まず、
図1,2,4,5に示すように、CCID44とプラグ46を、リール22の保持部材28に取付ける。保持部材28に取付けられたCCID44とプラグ46は、リール22の内周側に収容される。CCID44から充電コネクタに向かって伸びるケーブル本体42は、リール22の外周面24aに引出され、リール22の外周面24aに巻回される。ケーブル本体42をリール22の外周面24aに巻回する際は、ユーザはリール22の操作部23を手で掴み、リール22を支持プレート12に対して回転させる。これによって、ユーザは、ケーブル本体42を手で直接触れることなく、リール22にケーブル本体42を巻回することができる。
【0024】
充電ケーブル40を用いて車載バッテリを充電する際は、まず、リール22及び支持プレート12をホルダ32に取付ける。具体的には、
図2に示すように、ホルダ32のフック36,38を、支持プレート12の貫通孔16と溝18a,18bに係合させる。これによって、支持プレート12がホルダ32に対して回転不能に取付けられる。リール22は支持プレート12に対して回転可能となっているため、リール22はホルダ32に対して回転することができる。
【0025】
リール22及び支持プレート12がホルダ32に取付けられると、まず、充電ケーブル40の他端に設けられた充電コネクタを自動車の給電口に接続する。すなわち、充電ケーブル40を必要な長さだけリール22から引出し、その先端の充電コネクタを自動車の給電口に接続する。なお、リール22はホルダ32に対して回転可能となっているため、ユーザは充電コネクタを掴んで引くだけでリール22が回転し、リール22から充電ケーブル40が引出される。このため、充電ケーブル40を引出す際に、ケーブル本体42に手を直接触れる必要は無い。充電コネクタが自動車の給電口に接続されると、次に、保持部材28からプラグ46を外し、そのプラグ46を充電場所に設けられたコネクタ部(例えば、コンセント)に接続する。これによって、外部電源と車載バッテリとが接続され、車載バッテリの充電が開始される。
【0026】
車載バッテリへの充電が終了すると、まず、プラグ46をコネクタ部(コンセント)から外し、保持部材28に取付ける。次いで、充電コネクタを自動車の給電口から外し、操作部23を操作してリール22を回転させる。これによって、リール22に充電ケーブル40(ケーブル本体42)が巻き取られる。リール22は操作部23によって操作するため、充電ケーブル40を巻き取る際に、ケーブル本体42に手を直接触れる必要は無い。充電ケーブル40をリール22に巻き取ると、リール22及び支持プレート12をホルダ32から取り外す。すなわち、フック36,38と貫通孔16及び溝18a,18bとの係合を解除する。そして、充電ケーブル40が巻き付けられたリール22及び支持プレート12を、自動車のトランクルーム内に収容する。
【0027】
上述した説明から明らかなように、本実施例のケーブル収容装置10では、充電場所に設置されたホルダ32とリール22(詳細には支持プレート12)とが着脱可能となっており、充電ケーブル40はリール22に巻き付けられた状態でトランクルーム内に収納される。このため、充電ケーブル40がトランクルーム内で乱雑となることを防止することができる。
【0028】
また、リール22からの充電ケーブル40の引出し及び巻取りは、ホルダ32に対してリール22を回転させることで行うことができる。このため、簡易な作業で充電ケーブル40の引出し及び巻取りを行うことができる。また、リール22から充電ケーブル40を引出す際や、リール22に充電ケーブル40を巻取る際に、充電ケーブル40に直接手を触れる必要はない。このため、充電ケーブル40が汚れていても、そのことによって手が汚れてしまうということはない。
【0029】
さらに、充電時には、リール22の保持部材28にCCID44が保持されるため、CCID44がケーブル本体42から釣り下がった状態となることはない。すなわち、CCID44がリール22に保持されていない状態で、プラグ46を充電場所のコネクタ部(コンセント)に挿し込むと、CCID44がケーブル本体42から釣り下がった状態となる。その結果、ケーブル本体42に大きな引張力が作用し、充電ケーブル40の損傷の原因となる。本実施例のケーブル収容装置10では、CCID44を保持部材28に保持するため、このような問題は生じない。
【0030】
(第2実施例)
上述した第1実施例のケーブル収容装置10では、充電ケーブル40のプラグ46を充電場所に設置されたコネクタ部(コンセント)に挿し込むようにしていた。しかしながら、第2実施例のケーブル収容装置50では、充電ケーブル40のプラグ46をホルダに接続し、ホルダと充電場所に設置したコネクタ部(コンセント)とを別の電気ケーブルで接続する点で相違する。なお、その他の点については、第1実施例のケーブル収容装置10と略同様の構成を有するため、第1実施例と相違する部分を主に説明する。
【0031】
図7〜9に示すように、ケーブル収容装置50は、ホルダ70と、ホルダ70に対して着脱可能とされたリール52を有している。
図7に示すように、ホルダ70は、ハウジング72と、ハウジング72のリール側の表面に回転可能に設けられた回転プレート(請求項でいう第1接続部に相当)74を有している。
図9に示すように、回転プレート74は回転軸77に固定されており、回転軸77はハウジング72に対して回転可能に支持されている。回転プレート74の中心には、充電ケーブル40のプラグ46が挿し込まれる挿込み部76が形成されている。回転プレート74の挿込み部76の外側には、嵌合凹部(請求項でいう第1嵌合部に相当)75が形成されている。なお、ハウジング72のリール側の表面には、図示しないフックが設けられている。リール52がホルダ70に取付けられると、ハウジング72のフックは、後述するリール52の図示しない係合部(例えば、ホルダ側の面に形成された凹部)に係合するようになっている。これによって、リール52がホルダ70から脱落しないようになっている。
【0032】
図8に示すように、ホルダ70は、外部電源とホルダ70とを接続するための電気ケーブル(請求項でいう第2接続部に相当)78を有している。電気ケーブル78の先端にはプラグ80が設けられている。プラグ80は、充電場所に設置されたコネクタ部(コンセント)に挿し込まれるようになっている。なお、ホルダ70の電気ケーブル78を直接電源に接続する場合は、電気ケーブル78の先端にプラグ80を設ける必要はない。
図9に示すように、回転プレート74の挿込み部76と電気ケーブル78とは、スリップリング71を介して電気的に接続されている。すなわち、挿込み部76とスリップリング71は配線73により接続されており、電気ケーブル78とスリップリング71とは配線79によって接続されている。これによって、挿込み部76と電気ケーブル78とが電気的に接続されている。
【0033】
図7に示すように、リール52は、回転ドラム54と、回転ドラム54を回転可能に支持するケーシング56を有している。回転ドラム54の外周面には、充電ケーブル40のケーブル本体42が巻回される。充電ケーブル40の充電コネクタ48は、回転ドラム54の外周側に配設されたフック55に係止されている。回転ドラム54の内側にはCCID44及びプラグ46が保持されるようになっている。
図8に示すように、ケーシング56には、リール側の面からホルダ側の面に貫通する貫通孔64が形成されている。貫通孔64は、充電ケーブル40のプラグ46よりも大きな径を有している。ケーブル収容装置50を回転ドラム54の回転軸に沿って見ると、回転プレート74の挿込み部76と、ケーシング56の貫通孔64と、回転ドラム54の回転軸とは同一位置となっている。貫通孔64の周囲には、回転プレート74の嵌合凹部75に嵌合する嵌合凸部(請求項でいう第2嵌合部に相当)62が形成されている。なお、貫通孔64が回転ドラム54の回転軸線上に形成されるため、CCID44及びプラグ46は、回転ドラム54の回転軸線からずれた位置に保持されている。
【0034】
上記のケーブル収容装置50により充電を行う場合は、リール52をホルダ70に取付ける。すなわち、リール52のホルダ側の面に形成された嵌合凸部62を、ホルダ70のリール側の面に形成された嵌合凹部75に嵌合させる。これによって、リール52がホルダ70に取付けられる。嵌合凹部75が形成された回転プレート74は、ハウジング72に対して回転可能であるため、回転プレート74とリール52はハウジング72に対して一体となって回転することができる。次いで、充電ケーブル40のプラグ46を、ケーシング56の貫通孔64を通って回転プレート74の挿込み部76に挿し込む。電気ケーブル78のプラグ80を予め充電場所のコネクタ部(コンセント)に接続しておけば、充電ケーブル40のプラグ46を回転プレート74の挿込み部76に挿し込むだけで、充電ケーブル40と外部電源とが電気的に接続される。
【0035】
リール52をホルダ70に取付けると、ユーザは充電コネクタ48を掴んで引っ張ることで、リール52からケーブル本体42を必要な長さだけ引出す。この際、挿込み部76がリール52の回転軸線上に位置し、リール52と回転プレート74とが一体となって回転するため、充電ケーブル40が捻じれる等の問題は生じない。また、回転プレート74を回転させる回転トルクは、リール52から嵌合凸部62及び嵌合凹部75を介して回転プレート74に伝達されるため、充電ケーブル40にトルクが作用することはない。これらによって、充電ケーブル40の損傷が防止されている。次いで、充電コネクタを自動車の給電口に接続して、車載バッテリの充電を開始する。一方、車載バッテリへの充電が終了すると、まず、充電コネクタを自動車の給電口から外し、その後、リール52を回転させて、リール52に充電ケーブル40(ケーブル本体42)を巻き取る。次いで、充電ケーブル40のプラグ46を挿込み部76から取外し、リール52をホルダ70から分離する。充電ケーブル40は、リール52に巻き付けられた状態で、自動車のトランクルーム内に収容される。
【0036】
上述した説明から明らかなように、本実施例のケーブル収容装置50では、ホルダ70が電気ケーブル78によって外部電源に接続されており、充電ケーブル40のプラグ46をホルダ70の挿込み部76に挿し込むだけで、外部電源と充電ケーブル40とを電気的に接続することができる。また、充電ケーブル40のプラグ46をホルダ70の挿込み部76に挿し込んだ状態で、リール52から充電ケーブル40を引出すことができ、また、リール52に充電ケーブル40を巻き取ることができる。これらのため、充電ケーブル40の接続作業を極めて簡易に行うことができる。また、スリップリング71がホルダ70側に設けられているため、携帯されるリール52を軽量化することができる。
【0037】
なお、上述した第2実施例のケーブル収容装置50では、充電ケーブル40をリール52に巻取る際は、リール52を手動で回転させて、リール52に充電ケーブル40を巻付けていた。しかしながら、
図10に示すように、回転軸77の他端にぜんまいばね84を取付けることで、回転プレート74及びリール52を巻取り方向に付勢するようにしてもよい。すなわち、リール52から充電ケーブル40を引出す時は、ぜんまいばね84の付勢力に抗してリール52をケーブル引出し方向に回転させる。リール52に充電ケーブル40を巻き取るときは、ぜんまいばね84の付勢力によってリール52をケーブル巻取り方向に回転させる。これによって、充電ケーブル40をリール52に自動的に巻き取ることができる。なお、リール52が引出し方向に回転するときは、例えば、ラチェット機構によってリール52を任意の位置で停止できるようにしてもよい。なお、ラチェット機構を設ける場合は、ラチェット機構を解除するスイッチを別途設け、スイッチを操作することでリール52がケーブル巻取り方向に回転するようにしてもよい。さらには、
図11に示すように、モータ88によって回転軸77を回転駆動することで、リール52からの充電ケーブル40の引出しと、リール52への充電ケーブル40の巻取りを行うようにしてもよい。なお、モータ88の電源には、外部電源を用いてもよいし、内部電源(内蔵バッテリ)を用いてもよい。
【0038】
また、上述した第2実施例のケーブル収容装置50では、
図7に示すように、CCID44をリール52の回転軸線からずれた位置に配していたが、
図12に示すように、CCID44をリール52の回転軸線上に配置してもよい。CCID44をリール52の回転軸線上に配置することで、リール52の小径化を図ることができる。なお、CCID44をリール52の回転軸線上に配置すると、充電ケーブル40のプラグ46をホルダ70の挿込み部76に直接接続することが難しくなる。このため、
図12に示すケーブル収容装置では、充電ケーブル40のプラグ46をアダプタ96に接続し、アダプタ96に電気的に接続されたプラグ(請求項でいうリール側プラグに相当)96aをホルダ70の挿込み部76に接続する。これによって、充電ケーブル40をホルダ70の電気ケーブル(請求項でいう第4接続部に相当)87に接続することができる。なお、
図12に示すケーブル収容装置では、ホルダ70の回転プレート84(請求項でいう第3接続部に相当)にリール側に向かって突出する挿込み部76を形成し、また、アダプタ96が図の矢印の方向に移動可能とされている。これによって、(1)ホルダ70にリール52が取付けられ、かつ、挿込み部76とプラグ96aが接続された状態(アダプタ96がホルダ側に移動した状態)と、(2)ホルダ70にリール52が取付けられ、かつ、挿込み部76とプラグ96aが接続されていない状態(アダプタ96が反ホルダ側に移動した状態)とに切替えられるようになっている。
【0039】
さらに、
図13に示すケーブル収容装置のように、リール90の半径方向に充電ケーブル40が巻き取られていくようにしてもよい。このような構成によると、リール90の軸方向の寸法を小さくすることができる。なお、
図13に示す例では、充電ケーブル40のCCID44は、リール90の端面に設けられた保持部材94によって保持される。
【0040】
なお、上述した各実施例は、標準装備品の充電ケーブルを収容するケーブル収容装置であったが、本明細書に記載した個々の技術(例えば、ホルダがスリップリングを有すること等)は、充電ケーブルとその収容装置とを専用に設計したケーブル収容装置に適用することができる。
【0041】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0042】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。