(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の除湿装置にあっては、外部の空気がファンで供給される間、除湿剤による除湿が続いてしまう。
【0007】
このため、除湿剤で除湿された潮解液の量が容器本体の容積を超えてしまい、潮解液があふれてしまうといった問題点を有していた。したがって、投入する除湿剤の量を正確に管理する必要があった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、除湿剤の量の管理を容易とすることができる除湿装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の除湿装置にあっては、外気を導入して排出するファンを備えた除湿装置において、湿気を透過する袋体に除湿剤が収容された除湿パックと、該除湿パックを収容する収容部及び前記ファンを備えた装置本体と、該装置本体を閉鎖する蓋体と、を備え、該蓋体又は前記装置本体の少なくともいずれか一方に、外気を前記収容部の下流側から導入する導入部を開設するとともに、前記蓋体で閉鎖された前記収容部内に前記導入部より導入された外気を前記ファン側へ通流する通流部を設け、前記導入部からの外気が前記収容部及び前記ファンを介して外部へ排出されるように構成する一方、前記収容部内の前記除湿パックが潮解液で膨張した際に、該除湿パックが当該除湿パックの外周部に形成された前記通流部を閉鎖するように
前記収容部の大きさを設定した。
【0010】
すなわち、この除湿装置を使用する際には、装置本体に設けられた収容部に除湿パックを収容するとともに当該装置本体を蓋体で閉鎖して押し入れなどの所定箇所に配置する。
【0011】
すると、ファンの回転によって導入部より導入された外気が、蓋体で閉鎖された収容部内の通流部を通過するとともに、前記収容部及び前記ファンを介して外部へ排出される。
【0012】
このとき、前記収容部には、除湿パックが収容されており、この除湿パックは、湿気を透過する袋体に除湿剤が収容されて形成されている。このため、前記通流部を介して前記収容部に流入した外気は、含まれた湿気が前記除湿パックの除湿剤に吸収され除湿される。
【0013】
この状態において長期に渡って放置すると、前記除湿パック内が潮解液で満杯となり、当該除湿パックが膨張する。すると、該除湿パックが当該除湿パックの外周部に形成された前記通流部を閉鎖する。
【0014】
これにより、該通流部を介した外気の通流が阻害され、前記除湿パックが収容された前記収容部への外気の導入が阻止される。
【0015】
また、請求項2の除湿装置にあっては、外気を導入して排出するファンを備えた除湿装置において、湿気を透過する袋体に除湿剤が収容された除湿パックと、該除湿パックを収容する収容部及び前記ファンを備えた装置本体と、該装置本体を閉鎖する蓋体と
、を備え、該蓋体又は前記装置本体の少なくともいずれか一方に、外気を前記収容部の下流側から導入する導入部を開設するとともに、前記収容部と前記蓋体との間に前記導入部より導入された外気を前記ファン側へ通流する通流部を設け、前記導入部からの外気が前記収容部及び前記ファンを介して外部へ排出されるように構成する一方、前記収容部内の前記除湿パックが潮解液で膨張した際に、当該除湿パックの前記袋体が前記蓋体に接して前記通流部を閉鎖するように
前記収容部の大きさを設定した。
【0016】
すなわち、この除湿装置を使用する際には、装置本体に設けられた収容部に除湿パックを収容するとともに当該装置本体を蓋体で閉鎖して押し入れなどの所定箇所に配置する。
【0017】
すると、ファンの回転によって導入部より導入された外気が、前記収容部及び前記蓋体間に設けられた通流部を通過するとともに、前記収容部及び前記ファンを介して外部へ排出される。
【0018】
このとき、前記収容部には、除湿パックが収容されており、この除湿パックは、湿気を透過する袋体に除湿剤が収容されて形成されている。このため、前記通流部を介して前記収容部に流入した外気は、含まれた湿気が前記除湿パックの除湿剤に吸収され除湿される。
【0019】
この状態において長期に渡って放置すると、前記除湿パック内が潮解液で満杯となり、当該除湿パックが膨張する。すると、当該除湿パックの袋体が前記蓋体に接して前記通流部を閉鎖する。
【0020】
これにより、該通流部を介した外気の通流が阻害され、前記除湿パックが収容された前記収容部への外気の導入が阻止される。
【0021】
さらに、請求項3の除湿装置においては、前記除湿パックの吸湿面を無孔性フィルムで構成した。
【0022】
これにより、空気に含まれた湿気は、無孔性フィルムを透過して除湿パック内の除湿剤で吸収される一方、内部に貯留した潮解液は、外部への流出が防止される。
【0023】
加えて、請求項4の除湿装置では、前記蓋体の裏面に乱流板を設けた。
【0024】
これにより、蓋体に沿って流れる空気は、乱流板により気流が乱され、除湿パックによる吸湿効率が高められる。また、吸湿終期には、膨張した吸湿パックの上面と前記乱流板とが接して通流部が閉鎖される。
【0025】
また、請求項5の除湿装置にあっては、前記除湿パック内の物質、前記収容部、又は前記蓋体の裏面の少なくともいずれかに香料を担持させた。
【0026】
これにより、吸湿中は、ファンによる空気の通流により、除湿装置を使用している空間に香りが拡散される。
【0027】
吸湿終期には、空気の通流が止まるため、香りが拡散しなくなり、使用者に除湿効果が終了したことを知らせることができる。
【0028】
ここで、除湿パック内に収容される物質としては、香料を担持させた樹脂や薬剤を封入する方法が挙げられる。
【0029】
また、収容部又は蓋体裏面を利用する場合は、製造時に香料を担持させた樹脂で、これらを形成する。または、香料担体の入った袋を設置する方法が挙げられる。
【0030】
さらに、請求項6の除湿装置においては、前記蓋体に前記通流部を通流した外気を前記ファンに案内するガイドを設けた。
【0031】
すなわち、前記蓋体には、前記通流部を通流した外気を前記ファンに案内するガイドが設けられており、前記導入部より導入された外気は、前記ガイドに沿って前記ファンに案内される。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように本発明の請求項1の除湿装置にあっては、所定量の潮解液で除湿パックが満たされた際に、該除湿パックが膨張し、この除湿パックが当該除湿パックの外周部に形成された通流部を閉鎖するので、これを利用して外気の通流経路を閉鎖することができる。
【0033】
これにより、前記通流部を介した外気の通流を阻止することができ、前記収容部に収容された前記除湿パックでの除湿を抑制することができる。
【0034】
このため、前記除湿パック内に潮解液が満たされた状態において、さらに除湿剤による潮解が促進されてしまう場合と比較して、当該除湿パックの袋体が破れる等の不具合を確実に防止することができる。
【0035】
これにより、前記袋体が破れないように、前記除湿パック内に収容される除湿剤の量を正確に管理するといった手間が省け、除湿剤の投入量の管理が容易となるとともに、管理に要する費用を抑えることができる。
【0036】
また、請求項2の除湿装置にあっては、所定量の潮解液で除湿パックが満たされた際には、該除湿パックが膨張し、その袋体が装置本体の蓋体に接するので、これを利用して外気の通流経路を構成する通流部を閉鎖することができる。
【0037】
これにより、該通流部を介した収容部への外気の通流を阻止することができ、該収容部に収容された前記除湿パックでの除湿を抑制することができる。
【0038】
このため、前記除湿パック内に潮解液が満たされた状態において、さらに除湿剤による潮解が促進されてしまう場合と比較して、当該除湿パックの袋体が破れる等の不具合を確実に防止することができる。これにより、前記袋体が破れないように、前記除湿パック内に収容される除湿剤の量を正確に管理するといった手間が省け、除湿剤の投入量の管理が容易となるとともに、管理に要する費用を抑えることができる。
【0039】
さらに、請求項3の除湿装置においては、前記除湿パックの吸湿面を無孔性フィルムで構成したため、空気に含まれた湿気を、無孔性フィルムを透過して除湿パック内の除湿剤で吸収する一方、内部に貯留した潮解液の外部への流出を防止することができる。
【0040】
加えて、請求項4の除湿装置では、蓋体の裏面に乱流板を設けたことにより、前記蓋体に沿って流れる空気の気流を前記乱流板により乱すことができる。これにより、除湿パックによる吸湿効率を高めることができる。
【0041】
また、吸湿終期には、膨張した吸湿パックの上面と前記乱流板とが接することで、通流部を閉鎖することができる。
【0042】
また、請求項5の除湿装置にあっては、前記除湿パック内の物質、前記収容部、又は前記蓋体の裏面の少なくともいずれかに香料を担持させたので、吸湿中は、ファンによる空気の通流により、除湿装置を使用している空間に香りを拡散することができる。
【0043】
また、吸湿終期には、空気の通流が止まるため、香りが拡散しなくなり、使用者に除湿効果が終了したことを知らせることができる。
【0044】
さらに、請求項6の除湿装置においては、外気をファンに案内するガイドを、蓋体に設けることによって、前記導入部より導入された外気を、前記ガイドに沿って前記ファンに案内することができる。
【0045】
これにより、導入された外気を効率的にファンまで案内することができるため、ファンによる外気の導入効果を高めることができるとともに、除湿効果を高める事ができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
【0048】
図1は、本実施の形態にかかる除湿装置1を示す図であり、該除湿装置1は、押し入れや下駄箱等で使用され湿気をとるものである。
【0049】
この除湿装置1は、横長形状に形成されており、下部を構成する装置本体11と、該装置本体11に設けられ当該装置本体11を閉鎖する蓋体12とを備えている。なお、使用時には、前記装置本体11を下側に配置する使用形態に限定されるものではなく、当該装置本体11の長辺側を底面として使用したり、短辺を底面として立て掛けて使用しても良い。
【0050】
前記装置本体11は、
図2にも示すように、長方形容器状のケーシング21を備えており、該ケーシング21は、長方形状の底板22を備えている。該底板22は、図中左手前側に円弧状の円弧部23が形成されており、この底板22には、図中奥側の長辺に沿って起立した奥側板24と、図中手前側の長辺に沿って起立した前側板25と、図中左方の短辺に沿って起立した左側板26と、図中右方の短辺に沿って起立した右側板27とが一体形成されている。
【0051】
前記前側板25と前記左側板26との角部は、前記底板22の前記円弧部23に沿って湾曲した湾曲面31が形成されており、該湾曲面31には、排出部32が設けられている。該排出部32は、前記湾曲面31の
図2中縦方向に延設された複数のスリット33,・・・で構成されており、当該装置本体11内に供給された外気を排出できるように構成されている。
【0052】
このケーシング21の図中左方の部位には、内部を区画する仕切板41が設けられており、該仕切板41は、前記奥側板24と前記前側板25とを連結するように一体形成されている。これにより、当該ケーシング21内には、長方形容器状の収容部42が
図2中右方に形成されており、該収容部42内に、後述する除湿パック43を収容できるように構成されている(
図5参照)。
【0053】
この収容部42を包囲する前記ケーシング21壁面の一部は、製造時に香料を担持させた樹脂で形成されている。
【0054】
なお、他の方法としては、香料担体の入った袋を前記収容部42に設置する方法が挙げられる。担体としては、ケイ酸カルシウムやエチレン−酢酸共重合体樹脂などが挙げられる。
【0055】
前記ケーシング21には、前記奥側板24と、前記前側板25と、前記左側板26との上縁に側方に延出したケースフランジ51が一体形成されており、前記右側板27には、前記ケースフランジ51が未形成の切欠部52が設けられ、空気の通流が確保されている。
【0056】
前記仕切板41の図中左方側には、ファンモータユニット61が収容されている。該ファンモータユニット61は、ファンモータ62が設けられたユニット本体63と、該ユニット本体63より図中右方に延出した一対の延出部64,64とを備えており、各延出部64,64は、前記奥側板24及び前記前側板25に沿って延設されている。
【0057】
これにより、前記仕切板41の図中左方側には、前記ユニット本体63と前記両延出部64,64と前記仕切板41とで包囲された電池収容部71が設けられており、当該電池収容部71に単一の電池72を横置きにして収容できるように構成されている。
【0058】
前記ユニット本体63には、円形穴81が設けられており、該円形穴81の底部には、前記電池収容部71に収容された電池72で駆動される前記ファンモータ62が設けられている。該ファンモータ62の回転軸82には、ファン83が固定されており、該ファン83は、円形に形成された上部円形板84と、該上部円形板84の下側に離間して設けられ前記回転軸82が固定された支持板85と、該支持板85の下側に離間して設けられた円形状の下部円形板86と、前記両円形板84,86間に設けられた複数のフィン87,・・・とによって構成されている。
【0059】
これにより、当該ファン83を前記ファンモータ62で回動することで、前記円形穴81から吸入した空気を前記フィン87,・・・間を介して側方へ流出できるように構成されており、この流出した空気を前記排出部32を介して外部へ排出できるように構成されている。
【0060】
そして、前記ユニット本体63には、前記円形穴81の外周部の二つの凸条91,92が形成されており、前記円形穴81の図中右方には、二つの突起93,93が形成されている。
【0061】
前記蓋体12は、
図3にも示すように、前記装置本体11に合わせた形状に形成されており、長方形状の天板101を備えている。該天板101は、図中左手前側に円弧状に形成された円弧部102が形成されており、当該天板101の周縁には、下方に延出するフランジが形成されている。
【0062】
具体的に説明すると、この天板101には、図中奥側の長辺に沿って垂下した奥側フランジ111と、図中手前側の長辺に沿って垂下した前側フランジ112と、図中左方の短辺に沿って垂下した左側フランジ113と、図中右方の短辺に沿って垂下した右側フランジ114とが一体形成されている。前記前側フランジ112と前記左側フランジ113との角部は、前記天板の円弧部102に沿って湾曲した湾曲フランジ115が形成されており、前記右側フランジ114の長さ寸法は、他のフランジ111〜113より長く設定されている。
【0063】
前記奥側フランジ111と前記前側フランジ112と前記左側フランジ部113との先端には、
図4及び
図5に示すように、突出部121,・・・が延設されており、
図5に示したように、各フランジ111〜113を前記装置本体11のケースフランジ51に外嵌した状態で各突出部121,・・・が前記ケースフランジ51の下側に配置され、当該蓋体12の不用意な離脱を防止できるように構成されている。
【0064】
この右側フランジ114と前記天板101との角部には、
図3に示したように、導入部131が設けられており、該導入部131は、前記天板101に設けられた複数の天板スリット132,・・・と、前記右側フランジ114に設けられた複数のフランジスリット115a,・・・と、両スリット114,115a間を横断する横断部116とで構成されている。
【0065】
これにより、前記天面側101の図中上方からは、当該天面101に設けられた前記天板スリット132,・・・を介して、前記ケーシング21の前記収容部42内に外気を導入できるように構成されており、前記右フランジ114が設けられた図中右方からは、当該右フランジ114に設けられた前記フランジスリット115a,・・・及び前記ケーシング21に設けられた前記切欠部52を介して、前記ケーシング内21の前記収容部42内に外気を導入できるように構成されている。これにより、前記蓋体12又は前記装置本体11の少なくともいずれか一方に外気を前記収容部42の下流側から導入する導入部131が形成されている。
【0066】
前記天板101には、
図3及び
図5に示したように、前記各フランジ111〜114が形成された外周部より内側に、上方へ向けて膨出する膨出部141が形成されており、当該天板101には、前記膨出部141と該膨出部141の外周部を構成する一般部142とが形成されている。該一般部142は、
図5に示したように、当該蓋体12を前記装置本体11に装着した状態で、該装置本体11の前記ケーシング21に形成された前記ケースフランジ51上に配置されるように構成されている。
【0067】
これにより、前記ケーシング21の上部、すなわち前記蓋体12の前記膨出部141と前記ケーシング21との間には通流部151が形成されており、前記ファン83を回動することで、前記導入部131から当該装置本体11内に導入された外気を、前記通流部151を構成する前記収容部42の上部空間及び前記ファンモータユニット61の上部空間を介して、当該ファンモータユニット61の前記円形穴81から前記ファン83を通して前記排出部32へ排出できるうように構成されている。
【0068】
ここで、本実施の形態では、前記蓋体12の前記膨出部141と前記ケーシング21との間に通流部151が形成された場合に付いて説明するが、これに限定されるものではなく、前記蓋体12と前記収容部42を形成する壁面との内側空間であって、前記除湿パック43の外周部に形成される空間を通流部151としても良い。
【0069】
そして、前記蓋体12の前記膨出部141の裏面161には、
図4に示すように、前記通流部151を通流した外気を前記ファン83に案内するガイド162が一体形成されている。
【0070】
該ガイド162は、前記膨出部141の長辺から内側へ向けて直線状に延出した直線状延出部171,171と、両直線状延出部171,171の先端を結ぶ円弧状の円弧部172とで構成されており、該円弧部172は、当該蓋体12を前記装置本体11に装着した状態で、前記ユニット本体63に形成された前記凸条91,92の外周部に配置されるように構成されている。
【0071】
これにより、前記通流部151に沿って流入した外気を、前記ファンモータユニット61に設けられた前記支持板85の上部空間にガイドできるように構成されており、前記支持板85の上部空間を介して前記ファン83に送れるように構成されている。
【0072】
また、前記ガイド162と前記導入部131との中間部には、乱流板175が設けられている。該乱流板175は、直線状の薄肉板状に形成されており、当該蓋体12裏面161を横断するように延設されている。
【0073】
この蓋体12の裏面161の一部は、製造時に香料を担持させた樹脂で形成されている。
【0074】
なお、他の方法としては、香料担体の入った袋を前記蓋体12に設置する方法が挙げられる。担体としては、ケイ酸カルシウムやエチレン−酢酸共重合体樹脂などが挙げられる。
【0075】
そして、前記装置本体11の前記収容部42には、
図5に示したように、前記除湿パック43が交換可能に収容されるように構成されており、該除湿パック43は、袋体181
と該袋体181内に収容された粒状の除湿剤182,・・・と、香料担体183,・・・とで構成されている。
【0076】
前記除湿剤182,・・・は、塩化カルシウム等の潮解性の吸湿薬剤によって構成されており、大気中の水蒸気を吸収して溶解することで、液状になるように構成されている。
【0077】
また、前記香料担体183,・・・は、香料を担持させた樹脂または薬剤で構成されており、香り成分を揮散できるように構成されている。担体としては、ケイ酸カルシウムやエチレン−酢酸共重合体樹脂などが挙げられる。
【0078】
前記袋体181は、上面191及び下面192の周縁が接合されてなり、その周縁部には、耳部193が形成されている。少なくとも前記上面191の一部は、湿気を透過するが液体は通さないウレタン等の無孔性透湿フィルムで形成されており、使用前は、防湿シートで覆われている。
【0079】
この除湿パック43は、
図6に示すように、外気から前記除湿剤182,・・・が湿気を吸収して潮解した際に、前記袋体181が潮解液201で満たされるように構成されており、前記収容部42内の前記除湿パック43が前記潮解液201で膨張した際に、当該除湿パック43の前記袋体181の前記上面191が前記蓋体12の前記膨出部141の裏面161に接して前記通流部151を閉鎖するように構成されている。
【0080】
ここで、前記蓋体12と前記収容部42を形成する壁面との内側空間であって、前記除湿パック43の外周部に形成される空間を通流部151とした場合、前記収容部42内の前記除湿パック43が前記潮解液201で膨張した際に、当該除湿パック43の前記袋体181が前記蓋体12や前記収容部42を形成する壁面に密着して、前記除湿パック43の外周部に形成された前記通流部151を閉鎖するように構成するものとする。
【0081】
以上の構成にかかる本実施において、この除湿装置1を使用する際には、装置本体11に設けられた収容部42に除湿パック43を収容するとともに、電池収容部71に単一の電池72を収容し、ファンモータ62でファン83を回動する。そして、当該装置本体11を蓋体12で閉鎖して、例えば押し入れの隅に配置する。
【0082】
すると、前記ファン83の回転によって導入部131より導入された押し入れ内の空気が前記蓋体21の膨出部141で形成された通流部151を通過するとともに、収容部42及び前記ファン83を介して装置本体11外部へ排出される。
【0083】
このとき、前記収容部42には、除湿剤182,・・・を収容した除湿パック43が設けられており、この除湿パック43の袋体181の上面191は、湿気を透過するように構成されている。このため、前記通流部151を介して前記収容部42に流入した外気は、含まれた湿気が前記除湿パック43の前記除湿剤182,・・・で吸収され除湿される。
【0084】
この状態で放置すると、前記除湿パック43内が潮解液201と除湿剤182の充填時に混入した空気とで満杯となり、当該除湿パック43の袋体181が膨張する。すると、該袋体181の上面191が前記蓋体12の裏面161に接して前記通流部151を閉鎖する。
【0085】
これと同時に、膨張した前記除湿パック43の袋体181が、前記蓋体12や前記収容部42を形成する壁面に密着することで、前記除湿パック43の外周部に形成された空間(通流部)を閉鎖する。
【0086】
このため、これを利用して外気の通流経路を閉鎖することができる。これにより、該通流部151及び前記通流経路を介した外気の通流が阻害され、前記除湿パック43が収容された前記収容部42への外気の導入が阻止される。
【0087】
このように、前記除湿パック43内に貯留された潮解液201と除湿剤182の充填時に流入した空気とで当該除湿パック43の袋体181が満たされた際には、該袋体181が膨張し、その上面191が前記蓋体12の裏面161に接するとともに、当該袋体181の周面が前記収容部42を包囲する壁面に接するので、これを利用して外気の通流経路を構成する前記通流部151を閉鎖することができる。
【0088】
ここで、前記蓋体12と前記収容部42を形成する壁面との内側空間であって、前記除湿パック43の外周部に形成される空間を通流部151とした場合、前記収容部42内の前記除湿パック43が前記潮解液201と除湿剤182の充填時に流入した空気とで膨張した際に、当該除湿パック43の前記袋体181が前記蓋体12や前記収容部42を形成する壁面に密着して、前記除湿パック43の外周部に形成された前記通流部151を閉鎖することができる。
【0089】
これにより、該通流部151を介した前記収容部42への外気の通流を阻止することができ、該収容部42に収容された前記除湿パック43での除湿を抑制することができる。このため、前記除湿パック43内に潮解液201が満たされた状態において、さらに除湿剤182,・・・による潮解が促進されてしまう場合と比較して、当該除湿パック43の袋体181が破れる等の不具合を確実に防止することができる。
【0090】
したがって、前記袋体181が破れないように、前記除湿パック43内に収容される除湿剤182,・・・の量を正確に管理するといった手間が省け、除湿剤182,・・・の投入量の管理が容易となるとともに、管理に要する費用を抑えることができる。
【0091】
また、前記除湿パック43の吸湿面を無孔性透湿フィルムで構成したため、空気に含まれた湿気を、無孔性透湿フィルムを透過して除湿パック内の除湿剤で吸収する一方、内部に貯留した潮解液の外部への流出を防止することができる。
【0092】
加えて、前記蓋体12の裏面161に乱流板175を設けたことにより、前記蓋体12に沿って流れる空気の気流を前記乱流板175により乱し、前記除湿パック43側へ流すことができる。これにより、該除湿パック43による吸湿効率を高めることができる。
【0093】
また、吸湿終期には、膨張した前記吸湿パック43の上面191と前記乱流板175とが接することで、前記通流部151を閉鎖することができる。
【0094】
また、前記除湿パック43内の物質である香料担体183,・・・と、前記収容部42と、前記蓋体12の裏面161とに香料を担持させたので、吸湿中は、前記ファン83による空気の通流により、除湿装置1を使用している空間に香りを拡散することができる。
【0095】
また、吸湿終期には、空気の通流が止まるため、香りが拡散しなくなり、使用者に除湿効果が終了したことを知らせることができる。
【0096】
さらに、前記蓋体12の裏面161には、前記通流部151を通流した外気を前記ファン83に案内するガイド162が設けられており、前記導入部131より導入された外気は、このガイド162に沿って前記ファン83に案内される。
【0097】
これにより、導入された外気を効率的に前記ファン83まで案内することができるので、該ファン83による外気の導入効果を高めることができるとともに、除湿効果を高める事ができる。
【0098】
なお、本実施の形態では、前記蓋体12の裏面161に乱流板175を設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記乱流板175を備えない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0099】
また、本実施の形態では、前記除湿パック43内に香料担体183,・・・を設ける構成と、前記収容部42及び蓋体12の裏面161に香料を担持させた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、これらの構成を備えない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。