(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5877424
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】伸縮ロッドのイジェクト装置
(51)【国際特許分類】
F16B 7/14 20060101AFI20160223BHJP
【FI】
F16B7/14 D
F16B7/14 F
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-262999(P2012-262999)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-109306(P2014-109306A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】510114837
【氏名又は名称】▲黄▼▲漢▼▲卿▼
(74)【代理人】
【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼漢▲卿▼
【審査官】
村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−253348(JP,A)
【文献】
特開平11−164749(JP,A)
【文献】
特開2002−338096(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0080650(US,A1)
【文献】
特開2008−063760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管、内管、位置拘束機構、イジェクト装置、および、従動部材を備えた伸縮ロッドのイジェクト装置であって、
前記外管から前記内管を出し入れし、前記内管の両端間に凹部が1列設けられ、
前記位置拘束機構は、伸縮ロッドへ堅固に固定されるベースと、前記ベースに設けられた2つの立ち上げ部と、前記立ち上げ部間に接続された手動軸と、前記手動軸と同期で作動する歯車と、前記歯車に周設された複数の歯が凹凸係合される前記内管の凹部と、を有し、
前記イジェクト装置は、前記位置拘束機構に配置されるとともに前記手動軸と接続され、前記歯車を駆動し、前記外管から前記内管を延し、
前記従動部材は、前記手動軸を嵌合させる2つの支持部と、前記支持部間に掛け渡された第2の係合部材と、前記第2の係合部材から突出されたテーパ部と、を含み、
前記第2の係合部材が第1の位置へ変位すると、前記第2の係合部材の前記テーパ部が対応した歯に当接され、前記歯車の回転を手動により制御して前記外管から前記内管を延ばし、前記第2の係合部材が第2の位置へ変位すると、前記イジェクト装置により前記手動軸が駆動され、前記歯車により前記外管から前記内管を延ばす
ことを特徴とする伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項2】
第1の係合部材をさらに備え、
前記第1の係合部材は、前記立ち上げ部間に掛け渡されるとともに突出されたテーパ部を有し、
前記第2の係合部材が前記第1の位置に変位すると、前記第1の係合部材の前記テーパ部が対応した歯に当接されて前記歯車が逆回転されることを防ぎ、前記第2の係合部材が第2の位置に変位すると、前記第1の係合部材の前記テーパ部が前記歯車の前記歯に接触されなくなることを特徴とする請求項1に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項3】
前記第1の位置は、前記立ち上げ部の縁部に形成された第2のセクションであり、
前記第2の位置は、前記立ち上げ部の縁部に形成された第4のセクションであることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項4】
前記立ち上げ部の縁部には、前記第2のセクションと前記第4のセクションとの間に設けられた第3のセクションが形成され、
前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間には、傾斜した上り坂セクションが隣接されて形成され、
前記第2の係合部材が前記上り坂セクションの最高点から前記第3のセクションへ落ち込むと、その高度差により前記第2の係合部材の前記テーパ部の斜面と、前記歯車に周設された前記歯との間に発生する摩擦により、前記イジェクト装置により駆動される前記手動軸の回転速度が抑制され、前記外管から延びる前記内管の速度を減速させることを特徴とする請求項3に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項5】
前記歯車と支持部との間には、前記支持部間に歯車を設置させるために用いるスペーサが配置されることを特徴とする請求項1に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項6】
前記スペーサは、前記手動軸に外嵌させるキャップであることを特徴とする請求項5に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項7】
前記イジェクト装置は、前記ベース上に堅固に固定されるハウジングと、内端が前記手動軸に接続されるとともに、外端が動かないように前記ハウジングに固定される扁平のコイルばねと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【請求項8】
前記イジェクト装置は、前記ハウジングと前記ベースとの間に配置された板材を含み、
前記板材、前記ハウジング、前記ベースのそれぞれが互いに堅固に固定されることを特徴とする請求項7に記載の伸縮ロッドのイジェクト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮ロッドを自動的にイジェクトする伸縮ロッドのイジェクト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の伸縮ロッド構造は、その大部分が手動方式により外管から内管(又は内ロッド)の出し入れを制御して伸縮ロッドの全長を調整していたため、操作に多大な労力及び時間がかかった。
【0003】
一部の伸縮ロッドは、流体圧力を利用して外管から内管(又は内ロッド)を出し入れさせるものがあったが、手動式伸縮ロッドより製造コストが多くかかった。
【0004】
そのため、従来技術の欠点が無い上、外管から内管(又は内ロッド)を自動的に延ばすことが可能な伸縮ロッドのイジェクト装置が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外管から内管(又は内ロッド)を自動的に延ばすために用いる運動エネルギを機械構造により発生させ、構造が簡素で製造コストが安価で、市場競争力が高い伸縮ロッドのイジェクト装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、外管、内管、位置拘束機構及びイジェクト装置を備えた伸縮ロッドのイジェクト装置であって、前記外管から前記内管を出し入れし、前記内管の両端間に凹部が1列設けられ、前記位置拘束機構は、伸縮ロッドへ堅固に固定されるベースと、前記ベースに設けられた2つの立ち上げ部と、前記立ち上げ部間に接続された手動軸と、前記手動軸と同期で作動する歯車と、前記歯車に周設された複数の歯が凹凸係合される前記内管の凹部と、を有し、前記イジェクト装置は、前記位置拘束機構に配置されるとともに前記手動軸と接続され、前記歯車を駆動し、前記外管から前記内管を延ばすことを特徴とする伸縮ロッドのイジェクト装置が提供される。
【0007】
従動部材をさらに備え、前記従動部材は、前記手動軸を嵌合させる2つの支持部と、前記支持部間に掛け渡された第2の係合部材と、前記第2の係合部材から突出されたテーパ部と、を含み、前記第2の係合部材が第1の位置へ変位すると、前記第2の係合部材の前記テーパ部が対応した歯に当接され、前記歯車の回転を手動により制御して前記外管から前記内管を延ばし、前記第2の係合部材が第2の位置へ変位すると、前記イジェクト装置により前記手動軸が駆動され、前記歯車により前記外管から前記内管を延ばすことが好ましい。
【0008】
第1の係合部材をさらに備え、前記第1の係合部材は、前記立ち上げ部間に掛け渡されるとともに突出されたテーパ部を有し、前記第2の係合部材が前記第1の位置に変位すると、前記第1の係合部材の前記テーパ部が対応した歯に当接されて前記歯車が逆回転されることを防ぎ、前記第2の係合部材が第2の位置に変位すると、前記第1の係合部材の前記テーパ部が前記歯車の前記歯に接触されなくなることが好ましい。
【0009】
前記第1の位置は、前記立ち上げ部の縁部に形成された第2のセクションであり、前記第2の位置は、前記立ち上げ部の縁部に形成された第4のセクションであることが好ましい。
【0010】
前記立ち上げ部の縁部には、前記第2のセクションと前記第4のセクションとの間に設けられた第3のセクションが形成され、前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間には、傾斜した上り坂セクションが隣接されて形成され、前記第2の係合部材が前記上り坂セクションの最高点から前記第3のセクションへ落ち込むと、その高度差により前記第2の係合部材の前記テーパ部の斜面と、前記歯車に周設された前記歯との間に発生する摩擦により、前記イジェクト装置により駆動される前記手動軸の回転速度が抑制され、前記外管から延びる前記内管の速度を減速させることが好ましい。
【0011】
前記歯車と支持部との間には、前記支持部間に歯車を設置させるために用いるスペーサが配置されることが好ましい。
【0012】
前記スペーサは、前記手動軸に外嵌させるキャップであることが好ましい。
【0013】
前記イジェクト装置は、前記ベース上に堅固に固定されるハウジングと、内端が前記手動軸に接続されるとともに、外端が動かないように前記ハウジングに固定される扁平のコイルばねと、を含むことが好ましい。
【0014】
前記イジェクト装置は、前記ハウジングと前記ベースとの間に配置された板材を含み、前記板材、前記ハウジング、前記ベースのそれぞれが互いに堅固に固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の伸縮ロッドのイジェクト装置は、外管から内管(又は内ロッド)を自動的に延ばす運動エネルギを機械構造により発生させ、構造が簡素で製造コストが安価で、市場競争力が高い伸縮ロッドのイジェクト装置を提供することを課題とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置の位置拘束機構を示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、伸縮ロッドの一連の動作を示す説明図である。
【
図7】
図7は、伸縮ロッドの一連の動作を示す説明図である。
【
図8】
図8は、伸縮ロッドの一連の動作を示す説明図である。
【
図9】
図9は、伸縮ロッドの一連の動作を示す説明図である。
【
図10】
図10は、伸縮ロッドの一連の動作を示す説明図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の伸縮ロッドのイジェクト装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1を参照する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置の伸縮ロッド10は、互いに組み合わせて伸縮自在な内管11及び外管20から構成され、2つの管11,20間に取り付けられた位置拘束機構30を介して伸縮ロッド10の全長長さを調整する。
【0019】
図2を参照する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置を示す分解斜視図である。内管11の一方の端部には、連結端部12が形成される。連結端部12には、内管11に対して揺動自在な可動ブロック15が接続される。内管11の他方の端部には、外管20へ深く挿入することが可能な挿入端13が形成される。内管11の外壁には、連結端部12と挿入端13との間に凹部14が1列設けられる。
【0020】
外管20の端部には、支持端21が形成される。支持端21には、連結端部12と同様に、外管20に対して揺動自在な可動ブロック22が接続される。可動ブロック22には、地面などの支持面が接触される。外管20の他方の端部には、内管11に外嵌させる接触端23が形成される。外管20には、接触端23に隣接した箇所に位置拘束機構30が堅固に固定され、内管11の凹部14の何れかに位置拘束機構30が凹凸係合されると、可動ブロック15が当接される支持面(例えば、天井板)を支えることができる。
【0021】
図3〜
図5を参照する。
図3〜
図5に示すように、位置拘束機構30は、ベース31を含む。ベース31は、略矩形状のプレート体であり、2つの短辺がベース31に対応して外管20を囲み、互いに対向して配置されている。各短辺は、一部が折り曲げられて締付けプレート32に形成され、残部が折り曲げられて立ち上げ部34に形成されている。2つの締付けプレート32は、取り付けられた螺着アセンブリ33により2つの短辺の間隔が狭められ、ベース31が外管20に締め付けられて外管20からベース31が不用意に外れることを防ぐ。2つの立ち上げ部34の間には、第1の係合部材50が掛け渡される。第1の係合部材50は、立ち上げ部34に取り付けた固定座51によりばね52を圧縮する。第1の係合部材50は、ばね52の反作用力により押し動かされ、立ち上げ部34の竪穴35に挿設され、立ち上げ部34に挿設された手動軸41へ向けて案内される。
【0022】
手動軸41は、頭部が立ち上げ部34に係止され、軸胴部が従動部材40及び歯車53に挿設され、末端部がイジェクト装置60に連結される。
【0023】
イジェクト装置60は、扁平のコイルばね61を含む。コイルばね61は、内端が手動軸41の末端部がカットされて形成されたスリット62に挿入され、外端がハウジング63の内壁に位置決めされる。ハウジング63と板材64とは、螺着、カシメ固定、溶接などの方式により結合される。位置拘束機構30の動作は、板材64がベース31の側面へ堅固に固定されて静止されるため妨げられることがない。手動軸41によりコイルばね61を巻くとエネルギ(即ち、機械エネルギ)が蓄積され、この蓄積されたエネルギが放出されると立ち上げ部34に対して手動軸41が回転する。
【0024】
第1実施形態の従動部材40は、フィンガーグリップであり、手動軸41が嵌合される1対の薄型支持部42を有する。各支持部42の周囲には、フランジ43が形成され、フランジ43のセクションから手動軸41までの距離はそれぞれ相違する。支持部42の外側面には、3つの小さな凸部44が突設されている。各凸部44は、立ち上げ部34と点接触され、低摩擦、低磨耗などの機能を有する。また2つの支持部42間には、第2の係合部材45が掛け渡される。第2の係合部材45には、従動部材40が組み合わされ、もう一つのばね52が圧縮される。第2の係合部材45は、ばね52の反作用力により押し動かされて支持部42の竪穴46へ挿設されて案内され、立ち上げ部34の縁部に設けられた第1のセクション36に落ち込むと、ベース31に対して従動部材40が揺動しなくなる。
【0025】
歯車53と手動軸41とは同期で作動する関係にあり、歯車53の側部と支持部42との間には、スペーサ54が配置される。第1実施形態において、スペーサ54は、厚さが非常に薄いキャップであり、このキャップを手動軸41へ外嵌することにより、2つの支持部42間に歯車53が設置されるようにする。歯車53に周設された複数の歯55のうちの1つを、内管11へ形成した凹部14へ挿入させると、残りの歯55が第2の係合部材45に接触されずに、第1の係合部材50から突出されたテーパ部56と係止し、ベース31に対して歯車53が回転されないようにされ、手動軸41が静止する。
【0026】
続いて、
図6を参照する。
図6に示すように、伸縮ロッド10の第2の係合部材45に力を加えて第1のセクション36の位置拘束範囲から退避させた後、従動部材40を起こして障害物を越えると、立ち上げ部34の縁部の第2のセクション37が形成される。第2の係合部材45に加える外力が緩められると、第2の係合部材45から突出されたテーパ部47が弾性回復力により互いに隣接した2つの歯55間に入れられる。
【0027】
従動部材40が
図6の破線矢印で示されるように揺動されると、テーパ部47が斜面を介して歯55に案内され、第2の係合部材45によりばね52が圧縮される。その後、テーパ部47が歯55を越えると、ばね52の弾力の一部が開放され、第2の係合部材45を歯車53の方向へ押し動かして移動させ、テーパ部47が次の歯55に接触される。従動部材40が揺動される間は、歯車53の一部の歯55が第1の係合部材50のテーパ部56により止められているため、ベース31に対して回転することを防ぐことができる。
【0028】
従動部材40が
図6の実線矢印で示されるように揺動されると、テーパ部47が第2の係合部材45の外表面に対して平行に歯55に当接され、歯車53により手動軸41が
図9の実線矢印で示されるように自転する。歯車53に周設された歯55は、テーパ部56の斜面に沿って第1の係合部材50を押し開くとともに、凹部14の壁面を駆動させ、外管20内の内管11を外方へ移動させて伸縮ロッド10の全長長さを延ばす。
【0029】
以上述べた手動モードの場合、伸縮ロッド10を延ばす速度は非常に遅いが、以下で述べる自動モードの場合、延ばす速度は速い。
【0030】
図7を参照する。
図7に示すように、従動部材40は、
図7の破線矢印で示されるように揺動し続け、第2のセクション37に接続された上り坂セクション38の傾斜角度により第2の係合部材45が変位し、テーパ部47と歯55との接触面積が次第に小さくなる。このとき、支持部42のフランジ43により第1の係合部材50が押し開かれ、歯55からテーパ部56が徐々に遠ざかる。
【0031】
図5、
図8及び
図9を参照する。
図5、
図8及び
図9に示すように、第2の係合部材45が上り坂セクション38の最高点に達すると、テーパ部47が歯55から短時間離れ、第1の係合部材50がフランジ43により押し開かれてテーパ部56が歯55から離れる。このとき歯車53は可動自在となり、コイルばね61の弾力が開放され、手動軸41により歯車53が高速で、
図9の実線矢印で示されるように回転する。
【0032】
第2の係合部材45が上り坂セクション38の最高点を過ぎて、立ち上げ部34の縁部に形成された第3のセクション39に入ると、第3のセクション39と上り坂セクション38との高度差によりテーパ部47が歯55に僅かに触れ(約0.5〜2.5mm)、摩擦エネルギが徐々に小さくなってコイルばね61の弾力と等しくなって歯車53が静止するまで、内管11の延びる速度を摩擦作用により減速させる。
【0033】
このように伸縮ロッド10の長さを延ばす速度は、手動モードより自動モードのほうが速いが、摩擦効果により可動ブロック15が受ける衝撃を小さくすることができるため、事故によりユーザが怪我することを防いで安全性を高めることができる。
【0034】
図5及び
図10を参照する。
図5及び
図10に示すように、第2の係合部材45が障害物を越えて、立ち上げ部34の縁部に形成された第4のセクション57に入ると、テーパ部47が歯55に全く接触しなくなる。コイルばね61は、可動ブロック15が支持面に当接されて止まるまで残った弾力を開放し続け、手動軸41により歯車53が高速で、
図10の実線矢印で示されるように回転し、内管11が外管20から延びなくなる。勿論、従動部材40を第2のセクション37から退避させ、伸縮ロッド10の2つの支持面が当接される力を、人力を加えて高めてもよい。
【0035】
反対に、第2の係合部材45を第4のセクション57へ再び入れると、強制的に可動ブロック15が内管11とともに外管20内へ退避させて入り、歯車53により手動軸41を反対方向へ回転させると、コイルばね61が反対方向へ回転して弾力が高まり、次回の使用に備えることができる。
【0036】
(第2実施形態)
図11を参照する。
図11に示すように、本発明の第2実施形態に係る伸縮ロッドのイジェクト装置は、第1実施形態と異なり、伸縮ロッド70が3段式で構成され、内管71と外管72とが中間管73により接続され、中間管73の管径が内管71より大きいため、外管72を代替して前述の位置拘束機構30が結合される。
【0037】
中間管73には、V字状の係合部材74が増設される。この係合部材74は、それ自身が有する弾力により、端部から突出した2つのバンプ75が外管72及び中間管73の互いに対応した孔76に選択的に1組係合され、2つの管72,73の長さを調整することにより、伸縮ロッド70の全長長さを変えることができる。
【0038】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0039】
10 伸縮ロッド
11 内管
12 連結端部
13 挿入端
14 凹部
15 可動ブロック
20 外管
21 支持端
22 可動ブロック
23 接触端
30 位置拘束機構
31 ベース
32 締付けプレート
33 螺着アセンブリ
34 立ち上げ部
35 竪穴
36 第1のセクション
37 第2のセクション
38 上り坂セクション
39 第3のセクション
40 従動部材
41 手動軸
42 支持部
43 フランジ
44 凸部
45 第2の係合部材
46 竪穴
47 テーパ部
50 第1の係合部材
51 固定座
52 ばね
53 歯車
54 スペーサ
55 歯
56 テーパ部
57 第4のセクション
60 イジェクト装置
61 コイルばね
62 スリット
63 ハウジング
64 板材
70 伸縮ロッド
71 内管
72 外管
73 中間管
74 係合部材
75 バンプ
76 孔