特許第5877444号(P5877444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5877444海洋深層水を利用してプガク(植物性食品にもち米で作った糊を塗って干した後に油で揚げたもの)を製造する方法{Method for manufacturing fried food using deep ocean water}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5877444
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】海洋深層水を利用してプガク(植物性食品にもち米で作った糊を塗って干した後に油で揚げたもの)を製造する方法{Method for manufacturing fried food using deep ocean water}
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/10 20160101AFI20160223BHJP
   A23L 19/12 20160101ALI20160223BHJP
   A23L 19/00 20160101ALI20160223BHJP
   A23L 17/60 20160101ALI20160223BHJP
【FI】
   A23L1/01 D
   A23L1/216 A
   A23L1/212 A
   A23L1/337 B
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-227813(P2014-227813)
(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公開番号】特開2015-133951(P2015-133951A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2014年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0005452
(32)【優先日】2014年1月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514286284
【氏名又は名称】シー ワールド カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リ,ハク ド
【審査官】 柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−187287(JP,A)
【文献】 特開2003−088338(JP,A)
【文献】 特開2009−027927(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0345935(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0000015(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0075725(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 1/00−1/035
A23L 1/337
A23L 1/212−1/218
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャガイモ、唐辛子、カボチャ、昆布、レンコン、そしてゴボウのうち少なくとも一つ以上が含まれたプガク材料を洗浄する第1段階;
洗浄されたプガクの材料を1mmから2mmの厚さでスライシング(Slicing)しプガク材料に対するコーティングを準備する第2段階;
スライシングされたプガク材料を海洋深層水で24時間熟成させる第3段階;
海洋深層水で熟成させたプガクの材料、もち米、澱粉及び小麦粉を56:17:11:16の比率で混合してコーティングを遂行する第4段階;
コーティングされたプガクの材料をスチーム機で130℃で加熱処理する第5段階;及び
加熱処理されたプガク材料を乾燥台で乾燥させ海洋深層水のプガクを半製品に製造する第6段階;及び
海洋深層水を利用したプガク半製品を油で揚げてプガクを完成させる第7段階;を含み、
上記の第3段階の海洋深層水は、pHは6.52から6.68の範囲であり、塩度は0.82から3%の範囲の海洋深層水を使用し、上記の第6段階の乾燥後のコーティング膜内部のプガク材料の水分含量が49.98%から52.28%になるようにすることを特徴とする海洋深層水を利用したプガクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海洋深層水を利用してプガクを製造する方法に関するもので、具体的には、海洋深層水を利用して熟成されたプガクを製造することにおいて、海洋深層水のミネラル成分がプガクの材料に吸収された状態でプガクを製造するための海洋深層水を利用したプガクの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海洋深層水は水温が約5℃以下で1年中ほとんど変化がなく低温安定性に優れており、表層水に比べて太陽光が到達しないために光合成が起きずに植物の性長に必要な質素、リン、ケイ酸などの無機栄養塩類がたくさん含まれていて、必須微量元素と多様なミネラルがバランス良く含まれている。
【0003】
海洋深層水の有効性について詳しく調べてみると、必須4大ミネラルであるマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)以外に、亜鉛(Zn)、セレン(Se)、マンガン(Mn)などを含んでいて我々が飲料水として使用している地表水や地下水に比べてミネラルが豊富でバランス良く含まれている。
【0004】
海洋深層水には多くのミネラル成分が含まれているが、その中でも海洋深層水の主成分はマグネシウムでマグネシウムは人体に重要な栄養成分の一つであり細胞内の構成成分だ。
【0005】
そのため本明細書では該当技術分野においては概して温度が低い海洋深層水の栄養塩類、そしてミネラル成分を活用することによって、プガクを製造する方案を導入しようとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許第10−2007−0044991号公報
【特許文献2】韓国特許第10−2007−0016269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、プガクの材料を海洋深層水で熟成させることによって、苦みを除去して海洋深層水の各種ミネラルが無菌状態でスライシングされた材料にしみ込むことによってプガクの材料の色が長期間保管時にも変質がなく、洗浄及びスライシングされたプガクの材料の新鮮度が長期間保たれるようにするための海洋深層水を利用したプガク製造方法を提供するためのものである。
【0008】
しかし本発明の目的は上記で言及した目的に制限されず、言及しなかった他の目的は下記の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明の実施例に伴う海洋深層水を利用したプガク製造方法は、ジャガイモ、唐辛子、カボチャ、昆布、レンコン、そしてゴボウのうち少なくとも一つ以上が含まれたプガク材料を洗浄する第1段階;洗浄されたブガクの材料を1mmから2mmの厚さでスライシング(Slicing)しプガク材料に対するコーティングを準備する第2段階;スライシングされたプガク材料を海洋深層水で24時間熟成させる第3段階;海洋深層水で熟成させたプガクの材料、もち米、澱粉及び小麦粉を56:17:11:16の比率で混合してコーティングを遂行する第4段階;コーティングされたプガクの材料をスチーム機で130℃で加熱処理する第5段階;加熱処理されたプガク材料を乾燥台で乾燥させ海洋深層水のプガクを半製品に製造する第6段階;及び海洋深層水を利用したプガク半製品を油で揚げてプガクを完成させる第7段階;を含み、上記の第3段階の海洋深層水は、pHは6.52から6.68の範囲であり、塩度は0.82から3%の範囲の海洋深層水を使用し、上記の第6段階の乾燥後のコーティング膜内部のプガク材料の水分含量が49.98%から52.28%になるようにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例に伴う海洋深層水を利用したプガク製造方法は、海洋深層水によるプガク材料に対する熟成過程を通じてプガク材料の本来の色が長期間保管時にもそのまま保たれるようにする効果を提供する。
【0011】
また、本発明の他の実施例に伴う海洋深層水を利用したプガク製造方法は、海洋深層水に含まれた豊富なミネラルによって製造された海洋深層水プガクに対して別途に塩味を出すための塩、醤油などのような塩味を追加する必要がなく、味感のうち甘みが最大化されて人工甘味料が無くても旨味があり自然親和的な味を感じることができる効果を提供する。
【0012】
それだけでなく、本発明の他の実施例に伴う海洋深層水を利用したプガク製造方法は、油で揚げて海洋深層水を利用したプガクを完成させた場合、一般的な水を利用してプガクを完成させたものと比べて色調が明るく美感に対する視覚的効果も最大化できる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例に伴う海洋深層水を利用したプガク製造方法を表わした図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の望ましい実施例の詳細を添付された図面を参照して説明する。下記で本発明を説明することにおいて、関連した公示機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇らせることもあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0015】
図1は本発明の実施例に伴う海洋深層水を利用したプガク製造方法を表わす図面である。図1を参照すれば、ジャガイモ、唐辛子、カボチャ、昆布、レンコン、そしてゴボウのうち少なくとも一つ以上のプガク材料を洗浄する(S11)。
【0016】
段階(S11)以後、洗浄されたプガク材料を1mmから2mmの厚さにスライシング(Slicing)しプガク材料に対するコーティングを準備する(S12)。
【0017】
段階(S12)以後、スライシングされたプガク材料を海洋深層水に22時間から26時間、望ましくは24時間熟成させる(S13)。ここで、スライシングされたプガク材料を海洋深層水で熟成させれば苦みが無くなり各種ミネラルが無菌状態でスライシングされた材料にしみ込みプガク材料の色調に対する変質が無く、洗浄及びスライシングされたプガク材料の新鮮度が長期間保たれる効果がある。
【0018】
一方、ここで段階(S12)で1mmから2mmの厚さでスライシングされたプガク材料が24時間、海洋深層水熟成時、プガク材料としての海洋深層水の浸透率が極大化されるものと表われる。
【0019】
段階(S13)以後、段階(S13)で海洋深層水で熟成させたプガク材料、もち米、澱粉、小麦粉を56:17:11:16の比率で混合しコーティングを遂行する(S14)。
【0020】
段階(S14)以後、段階(S14)でコーティングされたプガク材料をスチーム機で120℃から140℃の間で、望ましくは130℃で加熱処理する(S15)。
【0021】
段階(S15)以後、(S15)で加熱処理されたプガク材料を乾燥台で乾燥させ海洋深層水プガクを半製品として製造する(S16)。
【0022】
このようなプロセスを通して段階(S13)での海洋深層水による熟成過程を通して上述したようにプガク材料の本来の色調が長期間の保管時にもそのまま保たれるだけでなく、海洋深層水に含まれた豊富なミネラルによって製造された海洋深層水プガクに対して別途に塩味を出すための塩、醤油などのような塩味を追加する必要がなく、味感のうち甘みが最大化されて人工甘味料が無くても旨味があり自然親和的な味が感じられるようにする。
【0023】
また、段階(S11)から段階(S16)に従って製造された海洋深層水を利用したプガク半製品を油で揚げてプガクを完成させた場合、一般的な水を利用してプガクを完成させたものと比べて色調が明るく美感に対する視覚的効果も最大化できる。
【0024】
一方、本発明の他の実施例において、段階(S13)での海洋深層水はpHは6.52から6.68の範囲であり、塩度は0.82から3%の範囲の海洋深層水を使用する場合、段階(S16)の乾燥後のコーティング膜内部のプガク材料の含量が49.98から52.28%と最も低い値で表われ、半製品状態での流通時、新鮮度を保つのに最も最適化するものと表われた。
【0025】
以上のように、本明細書と図面には本発明の望ましい実施例に対して掲示し、特定用語が使われてはいるものの、これは単に本発明の技術内容を簡単に説明して発明の理解を助けるための一般的な意味で使われたものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに掲示された実施例の他にも本発明の技術的思想に土台を置いた他の変形例が実施可能だということは本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者に自明であろう。
図1