【実施例1】
【0011】
最初に、
図1及び
図2を参照しながら本発明の実施例1を説明する。本実施例は、本発明のパネル固定金具を、建設現場等に設置される仮囲い鋼板を、鋼管などの支持パイプによって構成される骨組みに固定する場合に適用したものである。
図1は、本実施例のパネル固定金具による仮囲い鋼板と支持パイプの固定状態を示す外観斜視図,
図2(A)〜(C)は、本実施例の作用を示す図であって、前記
図1を矢印F1方向から見た平面図である。
図2(D)は、本実施例の変形例を示す図である。
図1に示すように、仮囲い鋼板40は、両側端部に、パネル本体に対して略直交する折り曲げ部42Aと、パネル本体に対して略平行な折り返し部42Bが連続形成されており、図示の例では、2枚の仮囲い鋼板40の側端部の折り曲げ部42A同士を突き合わせた状態で設置されている。本実施例のパネル固定金具10は、前記仮囲い鋼板40を、前記折り返し部42Bの延長方向が支持パイプ30に対して略直交するように固定するためのものである。
【0012】
パネル固定金具10は、金具本体12とレバー部14により構成されている。前記金具本体12は、前記支持パイプ30と係合可能な略U字状部を有するとともに、該略U字状部の両端に、折り曲げ形成された挟持部12Aを有している。該挟持部12Aは、前記折り返し部42Bと当接可能であって、前記仮囲い鋼板40と支持パイプ30の固定状態において、前記支持パイプ30との間に前記折り返し部42Bを挟み込むものである。前記金具本体12は、弾性を有する棒状体(例えば、金属の丸棒など)により形成されている。
【0013】
前記レバー部14は、上面16とその両側に設けられた一対の側面20,24によって、断面略コ字状に形成されている。前記上面16には、長穴18が形成されており、前記側面20,24には、レバー部14の操作を容易にするための切欠き21(側面24側の切欠きは図示せず)と、長穴22(側面24側の長穴22は図示せず)を有している。前記長穴18,22の形成方向は、支持パイプ30と仮囲い鋼板40の固定状態(
図2(B)及び(C)参照)における支持パイプ30の延長方向と概略一致するように設定されている。前記上面16の長穴18は、パネル固定金具10をロック状態にするための治具46(
図2(B)参照)を差し込むためのものである。また、前記側面20,24の長穴を、前記金具本体12が貫通している。
【0014】
ここで、支持パイプ30と仮囲い鋼板40の固定前においては、
図2(A)に示すように、レバー部14は支持パイプ30に対して略直交しており、回動時の支点は長穴22の一方の端部22A側となる。該長穴22は、回動前後において、支持パイプ30からみた端部22Aの位置が変化するように位置が設定されている。すなわち、回動の支点である長穴端部22Aと支持パイプ30との距離が、回動前よりも回動完了時点で長くなるように設定することで、金具本体12の挟持部12Aを支持パイプ30側へ引き寄せ、前記折り返し部42Bを支持パイプ30との間に挟み込んで仮囲い鋼板40を固定することができる。
【0015】
次に、
図2(A)〜(C)を参照しながら本実施例の作用を説明する。なお、
図2(A)及び(B)においては、理解を容易にするため、仮囲い鋼板40の突き合わせ部の一方のパネル側のみを図示している。まず、
図2(A)に示すように、レバー部14を起こした状態(支持パイプ30に対して略直交する状態)で、金具本体12を支持パイプ30の外側に取り付け、挟持部12Aと支持パイプ30の間に前記折り返し部42Bがくるようにする。次に、
図2(A)に矢印F2aで示すようにレバー部14を回動させると、回動の支点となる長穴端部22Aと支持パイプ30との距離が変化して、
図2(A)に示す状態よりも長くなるため、金具本体12が支持パイプ30側へ引き寄せられ、
図2(B)に示すように、仮囲い鋼板40が支持パイプ30に最適な固定力で固定される。
【0016】
本実施例では、以上のような固定後、長穴22を用いたロック機構により、固定状態を維持することができる。前記
図2(B)に示すレバー部14の回動完了後、金具本体12は、長穴22の端部22A側に位置しているが、
a,レバー部14の尾部(図の右端)を矢印F2c方向に押すか,もしくは、
b,レバー部14の上面16の長穴18に、丸棒などの治具46を差し込んで金具本体12と長穴18の端部に接触させながら、同図に矢印F2bで示す方向に動かす
ことで、レバー部14は矢印F2cに示す方向に移動し、
図2(C)に示す位置となる。この同
図2(C)に示す状態で再度レバー部14を持ち上げようとしても、長穴端部22Bを支点として回動する余地,すなわち、折り返し部42Bと支持パイプ30間の隙間がないため、ロック状態が維持される。突き合わせ側の他方の仮囲い鋼板40についても同様に固定することにより、仮囲い鋼板40の折り曲げ部42A同士を突き合わせた状態で支持パイプ30に固定される。
【0017】
支持パイプ30と仮囲い鋼板40の固定を解除するときは、
図2(C)に示す状態で、前記治具46を前記長穴18に差込み、該長穴18と金具本体12に接触させながら、治具46を前記矢印F2bと逆方向に動かすことにより、レバー部14が
図2(B)の状態に戻ってロックが解除される。その後は、レバー部14を起こすことにより、支持パイプ30と仮囲い鋼板40の間に隙間が生じて固定が解除される。
【0018】
このように、実施例1によれば、支持パイプ30が係合可能な略U字状部の両端に、前記支持パイプ40との間に仮囲い鋼板40の側端の折り返し部42Bを挟み込み可能な挟持部12Aを有しており、全体が弾性を有する棒状体で形成された金具本体12と、該金具本体12が貫通する長穴22を一対の側面20,24に有する略コ字状のレバー部14とによりパネル固定金具10を構成する。そして、前記レバー部14の回動前後における回動支点と前記支持パイプ30間の距離が変化するような位置に、前記長穴22を形成することとしたので、次のような効果がある。
【0019】
(1)作業工具を用いることなく、レバー部14の操作のみで仮囲い鋼板40を支持パイプ30に固定するため、作業者は両手を使用することができ、作業上の安全性の確保が可能になるとともに、作業時に携帯する工具が不要となるため作業者の負担が軽減できる。また、レバー部14の1動作で固定・固定解除ができるため、作業効率が向上する。
(2)レバー部14の操作により固定を行うので、誰が作業しても最適な固定力が得られ、ボルトを利用する従来技術で問題となる締め過ぎによるパネルや金具の変形・破損を防ぐとともに、締付不足による緩みや脱落を防止することができる。
(3)レバー部14の回動後に、該レバー部14を長穴22に沿って移動させることで回動をロックすることとしたので、緩みや不測の脱落などを防止できる。
【0020】
(4)金具本体12を弾性を有する材料(金属の丸棒等)を利用した立体的な構造としたため、全方向からの応力に対してスプリング効果が得られ、緩みによる脱落や破損などの発生を防ぐとともに、風や工事現場などの振動にも対応が可能である。
(5)固定位置を任意に設定できるため、製造元が異なる複数種類の仮囲い鋼板にも対応可能となる。
(6)丸棒などを利用した金具本体12と、板材などを利用したレバー部14とによりパネル固定金具10を構成しているため軽量となり、作業労働の軽減,運送コストの軽減を図ることができる。
【実施例2】
【0021】
次に、
図3を参照しながら本発明の実施例2を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には同一の符号を用いることとする(以下の実施例についても同様)。
図3(A)は、本実施例の使用状態を示す外観斜視図であり、(B-1)及び(C-1)は前記(A)を矢印F3a方向から見た本実施例の作用を示す平面図,(B-2)及び(C-2)は前記(A)を矢印F3b方向から見た本実施例の作用を示す側面図である。
図3(A)に示すように、本実施例のパネル固定金具100は、前記実施例1と同様の金具本体12とレバー部102により構成されている。前記レバー部102は、長穴18を備えた上面16と、その両側に設けられた一対の側面20,24により断面略コ字状に形成されており、これら側面20,24には、前記実施例1と同様の切欠き21が形成されている。
【0022】
本実施例でも、前記側面20には、長穴104が形成され、他方の側面24には長穴106が形成されている。これら長穴104,106の形成方向は、支持パイプ30と仮囲い鋼板40の固定状態における支持パイプ30の延長方向と概略一致している。そして、これら長穴104,106の前記延長方向の略中間部分の辺には、凸状部104C,106Cが形成されており、これら凸状部104C,106Cにより、長穴104,106の中央部が、前記金具本体12が通過可能な程度に狭められている。
【0023】
次に、本実施例の作用を説明する。なお、
図3(B-1),(B-2),(C-1),(C-2)においては、理解を容易にするため、仮囲い鋼板40の突き合わせ部の一方のパネル側のみを図示している。まず、
図3(B-2)に点線で示すように、レバー部102を起こした状態(支持パイプ30に対して略直交する状態)で金具本体12を支持パイプ30の外側に取り付け、狭持部12Aと支持パイプ30の間に折り返し部42Bがくるようにする。次に、
図3(B-2)に矢印F4で示すようにレバー部102を回動させると、前記実施例1と同様に、回動の支点となる長穴端部104A,106Aと支持パイプ30との距離が変化して回動前の状態よりも長くなるため、金具本体12が支持パイプ30側へ引き寄せられ、
図3(B-1)及び(B-2)に示すように、仮囲い鋼板40が支持パイプ30に最適な固定力で固定される。
【0024】
本実施例2においては、以上のような固定後、
図3(C-1)に矢印F5で示すように、レバー部102を捻ることにより、長穴104,106を用いたロック機構により固定状態を維持することができる。図示の例では、前記矢印F5に示す方向にレバー部102を捻ることにより、前記金具本体12が、一方の長穴104の凸状部104Cを乗り越え、回動の支点であった一方の端部104A側から他方の端部104B側へ移動する。また、他方の長穴106側においては、前記金具本体12は、回動支点とした端部106A側に位置したままである。このようにレバー部102を捻ることにより、金具本体12が、一方の長穴104の凸状部104Cの右側と、他方の長穴106の凸状部106Cの左側(
図3(A)及び(C-1),(C-2)参照)で挟まれるようになる。このような状態で再度レバー部102を持ち上げようとしても、長穴端部104B及び106Aを支点として回動する余地がないためロック状態が維持される。突き合わせ側の他方の仮囲い鋼板40についても同様に固定することにより、仮囲い鋼板40の折り曲げ部42A同士を突き合わせた状態で支持パイプ30に固定される。
【0025】
支持パイプ30と仮囲い鋼板40の固定を解除するときは、
図3(C-1)及び(C-2)に示す状態で前記レバー部102を矢印F5と逆方向に捻ることにより、レバー部102が、
図3(B-1)及び(B-2)に示す状態に戻ってロックが解除される。その後は、レバー部102を起こすことにより、支持パイプ30と仮囲い鋼板40の間に隙間が生じて固定が解除される。本実施例によれば、レバー部102を捻るという簡単な動作により、ロック状態の維持が可能となる。他の基本的な効果については、前記実施例1と同様である。
【0026】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、
図2(D)に示すパネル固定金具50のように、金具本体52を、支持パイプ30と直交する方向から見たときに湾曲した形状とすることによって、更にバネ効果を高めてもよい。
(2)前記実施例では、仮囲い鋼板40同士の突き合わせ部分を例に挙げて説明したが、これも一例であり、突き合わせ部分がない側についても、同様に固定を行うことができる。
(3)前記実施例1に示した長穴18,22,治具46を利用したロック機構も一例であり、必要に応じて設けるようにすればよい。
【0027】
(4)前記実施例2では、
図3(C-1)に矢印F5方向に捻ることで回動をロックすることとしたが、捻り方向は逆方向であってもよい。また、前記実施例2においても、上述した実施例1と同様に、レバー部102を支持パイプ30に沿って平行に移動させ、金具本体12を長穴端部104B,106B側に移動させることによりロック状態の維持を行うようにしてもよい。
(5)前記実施例1と実施例2を組み合わせて使用してもよい。例えば、仮囲い鋼板40の突き合わせ部の一方においては、実施例1のパネル固定金具10を利用し、他方においては実施例2のパネル固定金具100を利用するという具合である。
(6)前記実施例では、建設現場等に設置される仮囲い鋼板40を支持パイプ30に固定する場合を例に挙げて説明したが、これも一例であり、鋼板以外のパネル(例えば樹脂製パネル)を利用してもよい。また、仮囲い鋼板の設置のみならず、本発明は、板体をパイプに固定する用途の他、建築・土木の各種の用途に適用可能である。