【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例の範囲に限定されることはない。
【0035】
[実施例1]目的化合物1の合成
本実施例における製造方法のスキームを
図1、2に示した。
【0036】
1)中間体1の合成
アルゴン雰囲気中、氷冷下ジイソプロピルアミン(3.36 mL, 24.0 mmol)に撹拌しながらn-ブチルリチウム(1.65 M, n-ヘキサン溶液, 14.4 mL, 24.0 mmol)を10分かけて滴下した後、無水テトラヒドロフラン(50 mL)に溶解させた。-78℃に冷却後、(-)-メントン(3.09 g, 20.0 mmol)の無水テトラヒドロフラン(5 mL)溶液を滴下し同温で30分撹拌した後、3-トリメチルシリル-3-ブテン-2-オン(3.70 g, 26.0 mmol)の無水テトラヒドロフラン(7 mL)溶液を滴下し-78℃で1時間、0℃で2.5時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:酢酸エチル=7:1)で原料消失を確認後、5%塩酸(60 mL)を加え室温で30分激しく撹拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、無色アモルファスの中間体1(2.83 g, 63%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 2.62-2.51 (m, 1H), 2.41-2.29 (m, 1H), 2.13 (s, 3H), 2.10-1.97 (m, 4H), 1.90-1.73 (m, 3H), 1.58-1.28 (m, 3H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
【0037】
2)中間体2の合成
アルゴン雰囲気中、氷冷下中間体1(2.83 g, 12.6 mmol)の無水テトラヒドロフラン(110 mL)溶液に、カリウムt-ブトキシド(1.42 g, 12.6 mmol)を加え、同温で1.5時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で原料消失を確認後、飽和塩化アンモニウム水溶液で中和後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、無色結晶の中間体2(1.63 g, 63%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 5.86 (s, 1H), 2.44-2.12 (m, 3H), 2.07-1.96 (m, 2H), 1.82-1.75 (m, 4H), 1.57-1.46 (m, 1H), 1.33-1.12 (m, 2H), 1.04 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.97 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0038】
3)中間体3の合成
アルゴン雰囲気中、氷冷下ジイソプロピルアミン(0.862 mL, 6.15 mmol)に撹拌しながらn-ブチルリチウム(1.62 M, n-ヘキサン溶液, 3.80 mL, 6.15 mmol)を10分かけて滴下した後、無水テトラヒドロフラン(12 mL)に溶解させた。-78℃に冷却後、中間体2(1.15 g, 5.59 mmol)の無水テトラヒドロフラン(6 mL)溶液を滴下し同温で30分撹拌した後、N-t-ブチルベンゼンスルフィンイミドイルクロリド(1.45 g, 6.71 mmol)の無水テトラヒドロフラン(5 mL)溶液を滴下し-78℃で30分撹拌した。1%塩酸(34 mL)を加えて反応を止めた後、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=15:1)で精製し、淡黄色油状物質の中間体3(565 mg, 50%)を得ると共に、中間体2(418 mg, 36%)を回収した。
【0039】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 7.10 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 8.1, 3.0 Hz, 1H), 4.58 (s, 1H), 2.78-2.64 (m, 2H), 2.28-2.16 (m, 1H), 1.99-1.90 (m, 1H), 1.89-1.77 (m, 1H), 1.62-1.50 (m, 1H), 1.38-1.28 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.71 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0040】
4)中間体4の合成
アルゴン雰囲気中、氷冷下中間体3(538 mg, 2.63 mmol)とピリジン(0.426 mL, 5.27 mmol)の無水ジクロロメタン(5 mL)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.532 mL, 3.16 mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で原料消失を確認後、1%塩酸(13 mL)を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン)で精製し、無色油状物質の中間体4(559 mg, 63%)を得た。
【0041】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.02 (dd, J = 8.4, 2.7 Hz, 1H), 2.85-2.70 (m, 2H), 2.27-2.12 (m, 1H), 2.04-1.94 (m, 1H), 1.91-1.81 (m, 1H), 1.66-1.53 (m, 1H), 1.42-1.30 (m, 1H), 1.28 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.71 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0042】
5)中間体5の合成
アルゴン雰囲気中、中間体4(120 mg, 0.357 mmol)、(2E,4E,6Z)-3-メチル-7-トリブチルすず-2,4,6-オクタトリエン酸エチル(218 mg, 0.464 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(41.2 mg, 0.0357 mmol)、ヨウ化銅(I)(13.6 mg, 0.0714 mmol)、フッ化セシウム(108 mg, 0.714 mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.6 mL)溶液を45℃で3時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=20:1)で原料消失を確認後、ジクロロメタン(5 mL)と水(2 mL)を加えて室温下激しく撹拌した後、セライトろ過し、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1で洗い込んだ。ろ液をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(カラム担体はシリカゲル:フッ化カリウム=9:1、溶出液はn-ヘキサン:ジエチルエーテル=40:1)で精製し、黄色油状物質の中間体5(40.9 mg, 31%)を得た。
【0043】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ : 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 15.0, 10.5 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 5.74 (s, 1H), 4.15 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.84-2.72 (m, 2H), 2.30-2.22 (m, 1H), 2.172 (s, 3H), 2.170 (s, 3H), 2.01-1.95 (m, 1H), 1.89-1.81 (m, 1H), 1.67-1.59 (m, 1H), 1.42-1.34 (m, 1H), 1.30 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.74 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0044】
6)1の合成
中間体5(38.0 mg, 0.104 mmol)のエタノール(1.5 mL)溶液に、10%水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加え、50℃で5時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=7:3)で原料消失を確認後、氷冷下5%塩酸(2.5 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=7:3)で精製し、無色結晶の1(33.6 mg, 96%)を得た。
【0045】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 7.24 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.09 (br s, 1H), 7.03 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 6.82 (dd, J = 15.3, 10.8 Hz, 1H), 6.27 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.76 (s, 1H), 2.84-2.71 (m, 2H), 2.30-2.22 (m, 1H), 2.18 (s, 6H), 2.03-1.94 (m, 1H), 1.91-1.81 (m, 1H), 1.69-1.57 (m, 1H), 1.43-1.35 (m, 1H), 1.30 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.74 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
Anal. Calcd for C
23H
30O
2: C, 81.61; H, 8.93. Found: C, 81.78; H, 9.11.
ESI-HRMS Calcd for C
23H
31O
2 [M+H]
+ 339.2319. Found 339.2311.
Mp: 149-151 ℃
[α]
27D -43.5 (c 0.380, MeOH)
【0046】
7)中間体6の合成
アルゴン雰囲気中、中間体4(120 mg, 0.357 mmol)、(2E,4E,6Z)-3-メチル-7-トリブチルすず-2,4,6-ノナトリエン酸エチル(224 mg, 0.464 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(41.2 mg, 0.0357 mmol)、ヨウ化銅(I)(13.6 mg, 0.0714 mmol)、フッ化セシウム(108 mg, 0.714 mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.6 mL)溶液を45℃で3時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=20:1)で原料消失を確認後、ジクロロメタン(5 mL)と水(2 mL)を加えて室温下激しく撹拌した後、セライトろ過し、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1で洗い込んだ。ろ液をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(カラム担体はシリカゲル:フッ化カリウム=9:1、溶出液はn-ヘキサン:ジエチルエーテル=30:1)で精製し、淡黄色油状物質の中間体6(27.4 mg, 20%)を得た。
【0047】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 7.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.03 (br s, 1H), 6.98 (dd, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 15.3, 11.1 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 6.19 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 5.73 (s, 1H), 4.15 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.86-2.70 (m, 2H), 2.48 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.30-2.18 (m, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.04-1.94 (m, 1H), 1.92-1.82 (m, 1H), 1.68-1.58 (m, 1H), 1.44-1.32 (m, 1H), 1.30 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.03 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.73 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0048】
6)3の合成
中間体5(23.8 mg, 0.0625 mmol)のエタノール(1.0 mL)溶液に、10%水酸化ナトリウム水溶液(0.7 mL)を加え、50℃で5時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=7:3)で原料消失を確認後、氷冷下5%塩酸(2.5 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下にて留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:ジエチルエーテル=7:3)で精製し、淡黄色アモルファスの3(18.6 mg, 84%)を得た。
【0049】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ : 7.23 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.03 (br s, 1H), 6.97 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 15.3, 11.1 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 6.20 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 5.75 (s, 1H), 2.85-2.70 (m, 2H), 2.48 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.29-2.18 (m, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.04-1.94 (m, 1H), 1.92-1.82 (m, 1H), 1.68-1.56 (m, 1H), 1.45-1.34 (m, 1H), 1.30 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.03 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.73 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
ESI-HRMS Calcd for C
24H
32NaO
2 [M+Na]
+ 375.2295. Found 375.2296.
[α]
24D -72.2 (c 0.348, CHCl
3)
【0050】
[実施例2] RXRならびにRXRへテロダイマー活性評価
1)測定原理
核内受容体の多くは転写調節に関わる転写因子であるため、その転写活性を測定する手段としてレポーター遺伝子アッセイ(reporter gene assay)が行われる。COS-1細胞やHeLa細胞などの細胞に、RXR受容体タンパク質発現プラスミド及びレポータープラスミドを導入し、融合タンパク質(fusion protein)を過剰発現させる。そこに、RXR作動性物質(リガンド)が受容体に結合すると、転写がリガンド依存的に起こり、その下流にある融合タンパク質が生成され、下流にあるルシフェラーゼの産生が始まる。このルシフェラーゼ活性を測ることにより、RXR作動活性を測定した。また、PPARもしくはLXRとのヘテロダイマーアッセイについては、PPARまたはLXRの発現プラスミドを併用し、かつPPARまたはLXRに対応する遺伝子配列を有するレポータープラスミドを利用した。
また、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)発現プラスミドを導入し、SEAPの活性を測定することで、形質転換効率の補正を行った。
【0051】
2)宿主細胞の培養
細胞の増殖培地は、ダルベッコ変法イーグルMEM培地(DMEM)を用いた。まず、500 mLの超純水(Milli-Q
(R)にて生成)にDMEM粉末を4.75 g溶解し、高圧加熱滅菌(121℃、20分間)を行った後、室温に戻し、これを非働化したウシ胎児血清(FBS)を10 % (v/v)となるように加え、さらに高圧加熱滅菌した10 % NaHCO3を10 mL添加し、その後L‐グルタミン0.292 gを8 mLの超純水に溶解したものをろ過滅菌後添加して調製した。
【0052】
各細胞の継代は、100 mm培養シャーレで培養した細胞の培養上清を除き、トリプシン処理により細胞を回収し、4 ℃、1000 rpm、3分間遠心分離後、増殖培地を加えて細胞を分散させ、100 mm培養シャーレに細胞を分散した増殖培地を15 mL加え、37℃、5 % CO
2存在下で培養した。
形質転換はEffectene
TM Transection Reagent (QIAGEN社)を用いて行った。RXRの陽性コントロールにはLGD1069、PPARの陽性コントロールにはTIPP-703、LXRの陽性コントロールにはcarba-T0901317を用いた。これらは、DMSO溶解したものをストック溶液とし、アッセイするプレートにおいて計測した。
【0053】
3)転写活性の測定
(1日目)60 mm培養シャーレに、増殖培地5 mLとともにCOS-1細胞を50×10
4 cells播種し、一晩培養した。
(2日目)Effectene
TM Transection Reagent (QIAGEN社)を用いたリポフェクション法により形質転換を行った。形質転換には、受容体タンパク質発現プラスミド1 μg、レポータープラスミド4 μg、SEAP発現プラスミド1 μgを用いた。ヘテロダイマーアッセイの場合は、受容体タンパク質発現プラスミドとして、RXRα受容体タンパク質発現プラスミド0.5 μgに加え、PPARγ受容体タンパク質発現プラスミド0.5 μgまたはLXRα受容体タンパク質発現プラスミド0.5 μgを併用した。
(3日目)16〜18時間後、培養上清を除き、トリプシン処理により細胞を回収し、4 ℃、1000 rpm、3分間遠心分離後、増殖培地を加えて細胞を分散し、20×10
4 cells/wellとなるように96ウェルのホワイトプレートに播種した。その後、DMSO濃度が1%以下になるように各化合物を加えた。
(4日目)24時間後、上清25μLをSEAP測定に用い、残りの細胞液はルシフェラーゼ活性測定に用いた。
【0054】
SEAP測定は、Methods in molecular biology, 63, pp.49-60, 1997/ BD Great EscAPe SEAP User manual (BD bioscience)に記載の方法に従い行った。
具体的には、以下の方法で測定した。上記4日目の上清25μLに対して希釈用緩衝液を25μL加えた後、65 ℃で30分インキュベートした。その後室温に戻し、アッセイ用緩衝液 (7μL)、10×MUP (0.3 μL)、希釈用緩衝液 (2.7 μL)を加え、暗所室温で60分インキュベートした。その後、マイクロプレートリーダー(インフィニット
TM (infinite)200、TECAN社製)を用い励起波長360 nm、蛍光波長465 nmにより蛍光強度を測定した。
【0055】
アッセイ用緩衝液は、以下の方法で調製した。50 mLの超純水(Milli-Q
ョにて生成)にL-ホモアルギニン(0.45 g)と塩化マグネシウム(0.02 g)を溶解させ、ジエタノールアミン(21 mL)を加えた。その後、塩酸を用いてpHを9.8になるように調整後、超純水を用いて全量が100 mLになるようにメスアップし、それを4 ℃で保存した。
【0056】
希釈用緩衝液は、以下の方法で調製した。90 mLの超純水(Milli-Q
ョにて生成)に塩化ナトリウム(4.38 g)とTris Base(2.42g)を溶解させた。その後、塩酸を用いてpHが7.2になるように調整し、5倍濃度希釈用緩衝液を作製し、それを4 ℃で保存した。使用直前にそれを5倍希釈することで希釈用緩衝液を作製した。
【0057】
4-メチルウンベリフェリルホスフェートを25mMになるように超純水(Milli-Q
ョにて生成)に溶解させ、それを-20 ℃で保存したものを、10×MUPとした。
【0058】
ルシフェラーゼ活性は、NUNC社製の96穴ホワイトプレートを用い、発光基質(Steady-Glo
ョ Luciferase Assay System、Promega社製)との反応産物との発光強度をマイクロプレートリーダー(インフィニット
TM (infinite)200、TECAN社製)を用いて測定した。
【0059】
4)測定結果
上記の測定結果を以下の表1ならびに
図3〜4に示した。
【0060】
測定結果は、陽性コントロール(RXRには非特許文献8記載のLGD1069を、PPARには非特許文献9記載のTIPP-703を、LXRには非特許文献10記載のcarba-T0901317)を1μM反応させたときの転写活性を1とし、相対活性を調べた。その結果、化合物1について、転写活性を認めた。
【0061】
非特許文献8:Cancer Res. 1996, 56, 5566.
非特許文献9:Bioorg. Med. Chem. Lett. 2008, 18, 4525.
非特許文献10:Heterocycles 2008, 76, 137.
【0062】
表1は,化合物1および非特許文献11記載の化合物2のRXR各サブタイプに対する転写活性化能である。非特許文献11:Bioorg Med Chem. 2011,19,939.
【0063】
【表1】