(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記界面活性剤が、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のハードコート膜付基材。
前記疎水性マトリックス成分が、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n-ラウリルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、ウレタンアクリレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハードコート膜付基材。
前記疎水性金属酸化物微粒子(B)が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、五酸化アンチモン、ボリア、アンチモンドープ酸化錫、リンドープ酸化錫、スズドープ酸化インジウムおよびこれらの複合酸化物、混合物からなる金属酸化物微粒子を、
下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理したものであることを特徴とする請求項7に記載のハードコート膜付基材。
Rn−SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
前記疎水性マトリックス形成成分が、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n-ラウリルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、ウレタンアクリレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載のハードコート膜形成用塗布液。
前記疎水性金属酸化物微粒子(B)が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、五酸化アンチモン、ボリア、アンチモンドープ酸化錫、リンドープ酸化錫、スズドープ酸化インジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物、ないし2種以上の複合酸化物からなる金属酸化物粒子を、
下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理したものであることを特徴とする請求項17に記載のハードコート膜形成用塗布液。
Rn−SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、まず、本発明を実施するための形態について説明する。
[ハードコート膜付基材]
本発明に係るハードコート膜付基材は、基材と、基材上に形成されたハードコート膜からなり、ハードコート膜表面に凸部を有し、該凸部の高さ(H凸)が10〜200nmの範囲にあることを特徴としている。
【0019】
基材
本発明に用いる基材としては、従来公知のガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等を用いることができるが、なかでも屈折率が低く耐アルカリ性を要求されるトリアセチルセルロース(TAC)基材、PET等ポリオレフィン系樹脂基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリエーテルスルフォン系樹脂機材等が好適に用いられる。
基材の厚さとしては、20〜500μmの範囲にあることが望ましい。また、必要に応じて、巻回されて使用されることもある。
【0020】
ハードコート膜
ハードコート膜は、(i)界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)と、(ii)疎水性マトリックス成分とから構成される。このように界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)と疎水性マトリックス成分とから構成することによって、界面活性剤で処理された金属酸化物粒子(A)が、表面に偏在し、かつその一部がハードコート表面に露出して凸部を構成する。
【0021】
(i) 界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)
ハードコート膜中の界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)は、ハードコート膜中に均一に分散せずに、凸部を形成している。
【0022】
このため、ハードコート膜は優れたアンチブロッキング性を発揮する。なお、アンチブロッキング性とは、一般的に樹脂フィルム等の製造時あるいは使用時に、樹脂フィルムを重ね合わせた場合(ブロッキングさせた場合)、引き剥がすことが困難な程度に互いに密着したり、特有の模様が生じることがあり、このときの密着性を緩和する性質をいう。
【0023】
金属酸化物微粒子(A)の平均粒子径は30〜150nm、さらには40〜120nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径は凸部の大きさと関連し、この範囲の粒子径のものであれば、所定の凸部を形成し、アンチブロッキング性に寄与する。
【0024】
金属酸化物微粒子(A)が小さいと、凸部の高さ(H凸)が不十分となり、充分なアンチブロッキング性が得られない場合がある。また、平均粒子径が小さいほど微粒子が凝集する場合があり、ハードコート膜のヘーズが悪化したり、透明性が低下する場合がある。
平均粒子径が大きすぎても、粒子が形成する凸部で光散乱を生じたり、透明性が低下する場合があり、さらに摩擦等によりハードコート膜が損傷する場合がある。
【0025】
なお、本願出願人は特許文献5、特許文献6において、金属酸化物粒子と疎水性有機樹脂マトリックス成分を用いると互いに相溶しにくく混和性が低いことから、親水性金属酸化物粒子が膜の表面に偏在し、アンチブロッキング性を発現することを開示しているが、このとき金属酸化物粒子が凝集する場合があった。このため、耐擦傷性、透明性等が不充分となる場合があった。
【0026】
本願の界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)は金属酸化物粒子の親水性を界面活性剤が適度に抑制するためか、後述する疎水性マトリックス成分へ凝集することなく分散し、塗布液を塗布、乾燥時に界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)が凝集することなく膜表面に浮上するとともに凸部を形成し、アンチブロッキング性を発現するとともに耐擦傷性、透明性等に優れたハードコート膜が得られると考えられる。
【0027】
本発明の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について粒子径を測定し、平均値として求めることができる。
金属酸化物微粒子(A)としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、五酸化アンチモン、ボリア、アンチモンドープ酸化錫、リンドープ酸化錫、スズドープ酸化インジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種、または2種以上からなる複合酸化物が好ましい。界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)は疎水性マトリックス成分と混和性(親和性)が低いので、マトリックス中に均一に分散することなく、透明被膜表面に所定の凸部を形成できる。
【0028】
とくに、シリカを主成分とする粒子は、球状粒子が得られやすいこと、透明性に優れていること等の理由から好適に用いることができる。なお、シリカを主成分とする粒子とは少なくとも粒子中のシリカ含有量が50重量%以上の粒子を意味している。
【0029】
本発明に用いる金属酸化物微粒子としては、前記範囲の平均粒子径を有していれば特に制限はないが、例えば、本願出願人の出願による特開61−168528号公報、特開62−275005号公報、特開61−168503号公報、特開61−168520号公報、特開61−174103号公報等に開示したシリカ粒子、チタニア粒子、複合酸化物粒子等の製造方法に準じて製造することができる。
【0030】
表面処理に用いる界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なかでも陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0031】
特にエチレンオキサイド変性骨格を有する界面活性剤は、金属酸化物微粒子(A)との親和性を有し、かつ、界面活性剤で処理された金属酸化物微粒子(A)はマトリックス成分への分散性を調整できる(表面に凸部を形成できるように)ことから好ましい。
【0032】
このようなエチレンオキサイド変性骨格を有する界面活性剤として、具体的には、陽イオン性界面活性剤としては、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、バルミチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート等が挙げられる。
【0033】
陰イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリラウリルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリルニナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ニナトリウム、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリエキシアルキレン分岐デシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0034】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリエキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウルルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリエキシエチレンステアリン酸エステル、ポリエキシエチレンソルビタンモノココエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0035】
エチレンオキサイド変性骨格を有する界面活性剤の市販品としては、エチレンオキサイド変性骨格を有する陽イオン性界面活性剤としては、オクチルジメチルアンモニウムエチルサルフェート(第一工業製薬(株)製:カチオーゲンES-O)、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート(第一工業製薬(株)製:カチオーゲンD2)等が挙げられる。
【0036】
エチレンオキサイド変性骨格を有する陰イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬(株)製:プライサーフA−212E、またはプライサーフA−217E)、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム(第一工業製薬(株)製:ハイテノール330T)、ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル(第一工業製薬(株)製:プライサーフA−208F)、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬(株)製:プライサーフAL)等が挙げられる。
【0037】
エチレンオキサイド変性骨格を有する非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(第一工業製薬(株)製:ノイゲンTDS−80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(第一工業製薬(株)製:ソルゲンTW−60)等が挙げられる。
【0038】
界面活性剤の処理量は、平均粒子径によっても異なるが、該微粒子(A)に対して2〜30重量%、さらには3〜25重量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤の処理量が少ないと、後述するマトリックス形成成分、分散媒への分散性、混和性が低すぎ、塗布液において凝集するとともに、膜表面で凝集した粒子により凸部を形成、耐擦り傷性、透明性が低下するとともに充分なアンチブロッキング性が得られない場合がある。界面活性剤の処理量が多すぎても、フリーの界面活性剤が増加しハードコート膜の硬度、耐擦傷性等が不充分となる場合がある。
【0039】
界面活性剤による処理は、溶媒に金属酸化物微粒子(A)を分散させ、これに所定量の界面活性剤を添加し、界面活性剤を金属酸化物微粒子(A)に吸着させることによって調製することができる。なお、界面活性剤は予め溶媒に溶解して用いることもできる。
【0040】
ハードコート膜中の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)の含有量は、ハードコート膜の膜厚によっても異なるが、固形分として0.01〜20重量%、さらには0.1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。ハードコート膜中の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)の含有量が前記範囲より少ないと、ハードコート膜表面に形成される凸部の密度が低いために充分なアンチブロッキング性が得られない場合がある。ハードコート膜中の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)の含有量が前記範囲より多いと、膜表面に形成される凸部が過剰となるとともに、膜表面近傍にも金属酸化物微粒子(A)が存在するようになるためか、膜強度、耐擦傷性、透明性、ヘーズ等が悪化する場合がある。
【0041】
このような界面活性剤で処理されることによって、疎水性マトリックス成分との親和性が低くなり、ハードコート膜表面に、微粒子(A)が偏在し、その一部が露出して、凸部となる。なお、微粒子(A)は分離してハードコートから離脱することはなく、また、本発明で使用される微粒子(A)では、比重が高くても沈降して、ハードコート膜底部(基材側)に堆積することもない。
【0042】
疎水性金属酸化物粒子(B)
本発明では、さらに疎水性金属酸化物粒子(B)を含んでいることが好ましい。疎水性金属酸化物粒子(B)はハードコート膜の凸部に直接関与するのではなく、ハードコート膜と基材との密着性、膜強度、膜硬度等に寄与する。
【0043】
疎水性金属酸化物粒子(B)の平均粒子径は5〜300nm、さらには10〜200nmの範囲にあることが好ましい。疎水性金属酸化物粒子(B)が前記範囲よりも小さいものは、得ることが困難であり、得られたとしても疎水性マトリックス成分との親和性に拘わらず凝集する傾向がある。疎水性金属酸化物粒子(B)の平均粒子径が大きすぎると、基材との密着性が不充分となったり、ハードコート膜の透明性が不充分となる場合がある。
【0044】
このような疎水性金属酸化物粒子(B)としては、平均粒子径が前記範囲にあり、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されたものが使用される。なお金属酸化物粒子としては、平均粒子径の範囲が異なる以外は金属酸化物粒子(A)と同様の粒子が用いられる。
【0045】
かかる疎水性金属酸化物粒子(B)は、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されている。
R
n-SiX
4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
【0046】
かかる有機ケイ素化合物は、少なくも1個の炭化水素基を有するため、粒子(B)に疎水性を付与し、疎水性マトリックス成分との親和性を高める。これによって、マトリックス中に疎水性金属酸化物粒子(B)は偏在させることなく分散している。ハードコート膜に目的の特性、たとえば、基材との密着性、耐擦傷性等が付与できる。
【0047】
このような式(1)で表される有機珪素化合物としてはメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等が挙げられる。
【0048】
疎水性金属酸化物粒子(B)の表面処理は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、金属酸化物粒子(B)のアルコール分散液に前記有機ケイ素化合物を所定量加え、これに水を加え、必要に応じて有機ケイ素化合物の加水分解用触媒として酸またはアルカリを加え、有機ケイ素化合物を加水分解する。
【0049】
この時の有機ケイ素化合物の使用量は金属酸化物粒子(B)の粒子径にもよるが、R
n-SiO
(4-n)/2として金属酸化物粒子(B)の2〜50重量%、さらには5〜20重量%の範囲にあることが望ましい。
【0050】
ハードコート膜中に、疎水性金属酸化物粒子(B)を含む場合、その含有量は1〜80重量%、さらには2〜60重量%の範囲にあることが好ましい。ハードコート膜中の疎水性金属酸化物粒子(B)の含有量が少ないと、ハードコート膜の硬度が不充分であったり、耐擦傷性が不充分となることがある。ハードコート膜中の疎水性金属酸化物粒子(B)の含有量が多すぎても、ヘーズが高くなったり、疎水性マトリックス成分に対し多すぎるために、基材との密着性、耐擦傷性、スクラッチ強度、鉛筆硬度等に優れたハードコート膜を得ることが困難となる場合がある。
【0051】
疎水性マトリックス成分
ハードコート膜に含まれている疎水性マトリックス成分としては、通常、疎水性有機樹脂マトリックス成分が用いられる。
【0052】
かかる疎水性有機樹脂マトリックス成分として、具体的には塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のいずれも採用することができる。たとえば、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
【0053】
さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
このうち、疎水性官能基を有するものが好ましい。さらに具体的には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n-ラウリルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、ウレタンアクリレート等およびこれらの混合物が好適に用いられる。
【0054】
このような疎水性有機樹脂マトリックス成分を用いると、前記した界面活性剤で処理した金属酸化物粒子(A)はハードコート膜表面に凸部を形成して存在してアンチブロッキング性を発揮し、必要に応じて用いる前記した疎水性金属酸化物粒子(B)は凝集することなくハードコート膜中に均一に分散し、撥水性を有しているために耐水性に優れ、指紋付着性もなく、基材との密着性、硬度、耐擦傷性等に優れたハードコート膜付基材が得られる。
【0055】
ハードコート膜中の疎水性マトリックス成分の含有量は80〜99.99重量%、さらには90〜99.9重量%の範囲にあることが好ましい。ハードコート膜中の疎水性マトリックス成分の含有量が前記範囲にない場合は、基材との密着性、硬度、耐擦傷性等が不充分となることがある。
疎水性金属酸化物粒子(B)を含む場合、より望ましくは10〜98.9重量%、さらには、20〜70重量%の範囲にあることが望ましい。
【0056】
ハードコート膜の凸部の高さ
前記凸部の高さ(H凸)は、使用される金属酸化物粒子(A)の大きさによるが、10〜200nm、さらには20〜150nmの範囲にあることが好ましい。なお、実質的には、露出した金属酸化物粒子(A)の部分がこの凸部に相当する。露出度は、処理された界面活性剤と、疎水性マトリックス成分との親和性によるが、半分程度が露出する場合もあるがそれよりも少ない場合もある。
【0057】
凸部の高さ(H凸)が小さすぎると、充分なアンチブロッキング性が得られず、ハードコート膜付基材を積層した場合に、ハードコート膜付基材を一枚毎に剥離出来ない場合がある。凸部の高さ(H凸)が大きすぎても、光の散乱によりヘーズが発生し、ハードコート膜の透明性が損なわれる場合がある。
なお、本発明でハードコート膜の厚さは、
図1に示されるように、粒子の凸部の高さを考慮しない厚さとする。
【0058】
本発明では、ハードコート膜の厚さは、ハードコート膜の垂直断面の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影して測定する。また、凸部の高さ(H凸)は原子間力顕微鏡(AMF)(日本ビーコー(株)製:ナノスコープスリー、D3100/P)で測定し、Ra値で示される。
このようなハードコート膜の屈折率は基材の屈折率との差が0.3以下、さらには0.2以下であることが好ましい。ハードコート膜の屈折率は成分の屈折率とその量比から計算で求められる。
ハードコート膜の屈折率と基材の屈折率との差が大きいと干渉縞を生じる問題がある。
【0059】
ハードコート膜の形成
ハードコート膜の厚さは0.5〜20μm、さらには1〜15μmの範囲にあることが好ましい。ハードコート膜の厚さが前記範囲の下限未満の場合は、ハードコート膜が薄いためにハードコート膜表面に加わる応力を充分吸収することがでないために、ハードコート機能が不充分となる。ハードコート膜の厚さが前記範囲の上限を越えると、膜の厚さが均一になるように塗布したり、均一に乾燥することが困難となり、さらに収縮が大きくなるのでカーリング(ハードコート膜付基材が湾曲)が生じることがある。また、膜厚が厚すぎて透明性が不充分となることがある。
このようなハードコート膜は、後述する本発明に係るハードコート膜形成用塗布液を塗布、乾燥、硬化することによって形成することができる。
【0060】
[ハードコート膜形成用塗布液]
本発明に係るハードコート膜形成用塗布液は、前記界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)と疎水性マトリックス形成成分と有機分散媒とからなる。また必要に応じて、前記疎水性金属酸化物粒子(B)を含んでいても良い。
【0061】
塗布ができる程度であればハードコート膜形成用塗布液の固形濃度は、特に制限されないが、通常全固形分として1〜60重量%、さらには2〜40重量%の範囲に調整されることが望ましい。固形分濃度が低い場合は、1回の塗布で所望の膜厚のハードコート膜を得ることが困難な場合があり、また、繰り返し塗布、乾燥を繰り返すと、所定の凸部が形成できないことがある。また、固形分濃度が高すぎると、塗布液の粘度が高くなり、塗布性が低下したり、得られるハードコート膜のヘーズが高くなったり、耐擦傷性が不充分となる場合がある。
【0062】
塗布液中の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)の濃度は、最終的に形成されるハードコート膜中の親水性金属酸化物微粒子(A)の含有量が前記したように0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%となるように調整される。
【0063】
塗布液中の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)濃度は、固形分として0.0001〜12重量%、さらには0.001〜6重量%の範囲にあることが好ましい。また、疎水性金属酸化物微粒子(B)の濃度は、得られるハードコート膜中の疎水性金属酸化物微粒子(B)の含有量が前記したように1〜80重量%、好ましくは2〜60重量%となるように調整され、固形分として0.01〜48重量%、さらには0.02〜36重量%の範囲にあることが好ましい。
【0064】
疎水性マトリックス形成成分としては、前記した疎水性マトリックス成分を構成するものが用いられる。なお、熱可塑性樹脂の場合、疎水性マトリックス形成成分はそのまま疎水性マトリックス成分となるが、硬化性樹脂の場合、疎水性マトリックス形成成分が反応ないし重合して疎水性マトリックス成分となる。
【0065】
ハードコート膜形成用塗布液中の疎水性マトリックス形成成分の濃度は、樹脂を固形分として0.1〜58重量%、さらには0.2〜48重量%の範囲にあることが好ましい。
ハードコート膜形成用塗布液中の疎水性マトリックス形成成分が少なければ基材との密着性、硬度、耐擦傷性等が不充分となることがあり、多すぎても得られるハードコート膜の厚さが不均一になる傾向がある。
【0066】
本発明に用いる有機分散媒としては前記疎水性マトリックス形成成分、必要に応じて用いる重合開始剤を溶解あるいは分散できるとともに、前記界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A)が分散し、必要に応じて用いる疎水性金属酸化物微粒子(B)を均一に分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)などのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできる。
【0067】
また塗布液には、シリコーン系レベリング剤、重合開始剤などを添加してもよい。
このような塗布液をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で前記した基材に塗布し、乾燥し、加熱処理、紫外線照射等によって硬化させることによってハードコート膜を形成することができる。
【0068】
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0069】
[実施例1]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:ELCOM V−8901、平均粒子径120nm、SiO
2濃度20.5重量%)の金属酸化物粒子(A1)メタノール分散液(100)gに陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)2.05gを混合し、20時間撹拌して固形分濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0070】
粒子の屈折率の測定方法
(1)分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を微粒子の屈折率とする。
【0071】
ハードコート膜形成用塗布液(1)の調製
濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)メタノール分散液18.10gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)36.00gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)2.16gとPGME43.54gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(1)を調製した。
【0072】
ハードコート膜付基材(1)の製造
ハードコート膜処理前の基材およびハードコート膜組成を表1に示す。
ハードコート膜形成用塗布液(1)を、両面易接着層付きPETフィルム(東レ株式会社製ルミラー#188−U48(厚さ:188μm、屈折率:1.51))にバーコーター法(#4)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、300mJ/cm
2の紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率およびヘーズをヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により測定
した。ハードコート膜の屈折率は、界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)、マトリックス成分の各屈折率を含有量に応じて、計算によって求めた。
さらに、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度およびアンチブロッキング性を評価
、干渉縞を観察し
た結果を表2に示す。
【0073】
凸部の高さ
凸部の高さ(H凸)は、原子間力顕微鏡(AMF)(日本ビーコー(株)製:ナノスコープスリー、D3100/P)で測定した。
【0074】
アンチブロッキング性
ハードコート膜付基材(1)の一部を2枚に切断し、一方のハードコート膜付基材(基材+ハードコート膜)の上に他方のハードコート膜付基材(基材+ハードコート膜)を重ね合わせ、1cm
2当たり10kgの加重が掛かるように重りを載せ、24時間放置した後の剥離の難易度を下記の基準で評価した。
剥離が極めて容易である :◎
剥離が容易にできる :○
剥離がやや困難である :△
剥離ができないか、困難である :×
【0075】
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重1kg/cm
2で30回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条の傷が僅かに認められる :○
筋条の傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
【0076】
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
干渉縞
ハードコート膜付基材(1)の背景を黒にした状態で蛍光灯の光を透明被膜表面で反射させ、光の干渉による虹模様の発生を目視観察し、以下の基準で評価した。
虹模様が全く認められない :◎
虹模様がわずかに認められる :○
虹模様が明らかに認められる :△
虹模様が鮮明に認められる :×
【0077】
[実施例2]
疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI-30、平均粒子径12nm、SiO
2濃度30重量%)670gにイオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを添加し、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行った。ついで、イオン交換樹脂を除去した後、分散液を限外濾過膜法によりメタノールに溶媒置換するとともに濃縮して、固形分濃度20重量%のシリカ粒子(B1)メタノール分散液を得た。
【0078】
ついで、このゾル100gにγ-メ
タクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン3.0g(信越シリコ−ン株製:KBM−503、SiО
2成分81.2%)を加え、50℃で6時間加熱撹拌して疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液を得た。
ついで、ロータリーエバポレーターにてメチルイソブチルケトンに溶媒置換して濃度40重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液を得た。
【0079】
ハードコート膜形成用塗布液(2)の調製
濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)メタノール分散液18.10gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.00gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME26.63gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(2)を調製した。
【0080】
ハードコート膜付基材(2)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0081】
[実施例3]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A2)の調製
実施例1において、界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)0.41gを混合した以外は同様にして固形分濃度20.82重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A2)メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A2)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1および2に示す。
【0082】
ハードコート膜形成用塗布液(3)の調製
濃度
20.82重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A2)メタノール分散液19.21gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME25.52gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(3)を調製した。
【0083】
ハードコート膜付基材(3)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(3)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0084】
[実施例4]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A3)の調製
実施例1において、界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)6.15gを混合した以外は同様にして固形分濃度25.11重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A3) メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A3)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0085】
ハードコート膜形成用塗布液(4)の調製
濃度25.11重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A3)メタノール分散液15.93gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME28.80gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(4)を調製した。
【0086】
ハードコート膜付基材(4)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(4)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(4)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0087】
[実施例5]
ハードコート膜形成用塗布液(5)の調製
濃度22.1重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)メタノール分散液9.05gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)26.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.56gとPGME33.56gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(5)を調製した。
【0088】
ハードコート膜付基材(5)の製造
実施例1において、基材をPETフィルム(東レ株式会社製ルミラー#188−U48、厚さ:188μm、屈折率:1.51)からTACフィルム(厚さ:80μm、屈折率:1.49、基材透過率88%)に変更し、ハードコート膜形成用塗布液(5)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(5)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0089】
[実施例6]
ハードコート膜形成用塗布液(6)の調製
濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A1)メタノール分散液36.20gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)20.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.20gとPGME12.77gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(6)を調製した。
【0090】
ハードコート膜付基材(6)の製造
実施例5において、ハードコート膜形成用塗布液(6)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(6)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0091】
[実施例7]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A4)の調製
シリカゾル分散液(日揮触媒化成(株)製;SI−45P;平均粒子径45nm、SiO
2濃度40.5重量%)1000gにイオン交換水6000gを加え、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)800gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理した。
【0092】
ついで陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(製):SANUPC)400gを添加し、1時間攪拌して脱アニオン処理した。ついで、再び陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)400gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理してSiO
2濃度5重量%のシリカ粒子(A)分散液を調製した。
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度40重量%のメタノール分散液を得た。
【0093】
固形分濃度40重量%の金属酸化物粒子(A4)メタノール分散液に界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)4.05gを混合し、20時間撹拌して固形分濃度42.82重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A4)メタノールを調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A4)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0094】
ハードコート膜形成用塗布液(7)の調製
濃度42.82重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A4)メタノール分散液9.34gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME35.39gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(7)を調製した。
【0095】
ハードコート膜付基材(7)の製造
実施例5において、ハードコート膜形成用塗布液(7)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(7)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0096】
[実施例8]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A5)の調製
シリカゾル分散液(日揮触媒化成(株)製;SS−140;平均粒子径140nm、SiO
2濃度18.0重量%)1000gにイオン交換水6000gを加え、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)800gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理した。
【0097】
ついで陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(製):SANUPC)400gを添加し、1時間攪拌して脱アニオン処理した。ついで、再び陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)400gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理してSiO
2濃度5重量%のシリカ粒子(B)分散液を調製した。この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20重量%のメタノール分散液を得た。
【0098】
固形分濃度20重量%の金属酸化物粒子(A5メタノール)分散液に界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)2.05gを混合し、20時間撹拌して固形分濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A5)メタノールを調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A5)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0099】
ハードコート膜形成用塗布液(8)の調製
濃度22.1重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A5)メタノール分散液18.10gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME26.63gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(8)を調製した。
【0100】
ハードコート膜付基材(8)の製造
実施例5において、ハードコート膜形成用塗布液(8)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(8)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0101】
[実施例9]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A6)の調製
実施例1において、界面活性剤として陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA208F)2.05gを混合した以外は同様にして、固形分濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A6)メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A6)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0102】
ハードコート膜形成用塗布液(9)の調製
濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A6)メタノール分散液18.10gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME26.63gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(9)を調製した。
【0103】
ハードコート膜付基材(9)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(9)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(9)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0104】
[実施例10]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A7)の調製
実施例1において、界面活性剤として陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフAL)2.05gを混合した以外は同様にして、固形分濃度22.1重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A7)メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A7)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0105】
ハードコート膜形成用塗布液(10)の調製
濃度22.1重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(A7)メタノール分散液18.10gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME26.63gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(10)を調製した。
【0106】
ハードコート膜付基材(10)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(10)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(10)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0107】
[比較例1]
ハードコート膜形成用塗布液(R1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:ELCOM V−8901、平均粒子径120nm、SiO
2濃度20.5重量%)19.51gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME25.22gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(R1)を調製した。
【0108】
ハードコート膜付基材(R1)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(R1)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(R1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0109】
[比較例2]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA2)の調製
シリカゾル分散液(日揮触媒化成(株)製;SI−30;平均粒子径12nm、SiO
2濃度40.5重量%)1000gにイオン交換水6000gを加え、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)800gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理した。
【0110】
ついで陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(製):SANUPC)400gを添加し、1時間攪拌して脱アニオン処理した。ついで、再び陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)400gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理してSiO
2濃度5重量%のシリカ粒子(RA)分散液を調製した。
【0111】
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度40重量%のメタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度
40.5重量%のメタノール分散液100gに、界面活性剤として陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)4.05gを混合し、20時間撹拌して固形分濃度
42.82重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA2)メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA2)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0112】
ハードコート膜形成用塗布液(R2)の調製
濃度42.82重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA2)メタノール分散液9.34gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME35.39gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(R2)を調製した。
【0113】
ハードコート膜付基材(R2)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(R2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0114】
[比較例3]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA3)の調製
シリカゾル分散液(日揮触媒化成(株)製;SS−550;平均粒子径550nm、SiO
2濃度18.00重量%)1000gにイオン交換水6000gを加え、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)800gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理した。
【0115】
ついで陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(製):SANUPC)400gを添加し、1時間攪拌して脱アニオン処理した。ついで、再び陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)400gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理してSiO
2濃度5重量%のシリカ粒子(B)分散液を調製した。
【0116】
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20重量%のメタノール分散液を得た。
固形分濃度20重量%の金属酸化物粒子(RA3)メタノール分散液100gに界面活性剤として陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)2.05gを混合し、20時間撹拌して固形分濃度22.10重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA3) メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA3)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表1に示す。
【0117】
ハードコート膜形成用塗布液(R3)の調製
濃度22.1重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA3)メタノール分散液18.10gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME26.63gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(R3)を調製した
【0118】
ハードコート膜付基材(R3)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(R3)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(R3)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。
【0119】
[参考例]
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA4)の調製
実施例1において、界面活性剤として陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プ
ライサーフA212E)20.5gを混合した以外は同様にして固形分濃度34.02重
量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA4) メタノール分散液を調製した。
界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA4)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表
1に示す。
【0120】
ハードコート膜形成用塗布液(R4)の調製
濃度22.1重量%の界面活性剤処理金属酸化物微粒子(RA4)メタノール分散液11.76gと、固形分濃度
40.5重量%の疎水性金属酸化物粒子(B1)分散液29.63gと、アクリル樹脂(共栄社化学社(株)製:DPE−6A)24.0gと、シリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1711)0.20gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184)1.44gとPGME32.97gを充分に混合して固形分濃度40.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(R3)を調製した。
【0121】
ハードコート膜付基材(R4)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(R4)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(R4)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、ヘーズ、屈折率、凸部の高さ、耐擦傷性、鉛筆硬度、アンチブロッキング性、干渉縞を評価し、結果を表2に示す。