(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5877875
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】ACリアクトルを冷却する機能を備えたLCフィルタ
(51)【国際特許分類】
H02M 1/12 20060101AFI20160223BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20160223BHJP
【FI】
H02M1/12
H02M7/12 Z
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-112919(P2014-112919)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-228726(P2015-228726A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2015年6月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】白水 雅朋
【審査官】
尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−210115(JP,A)
【文献】
特開2008−259343(JP,A)
【文献】
特開2005−287183(JP,A)
【文献】
実開昭57−044521(JP,U)
【文献】
実開昭57−004216(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00− 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コア部、及び該第1コア部の一部に巻回された第1コイル部を有し、該第1コイル部の一方の端子が交流電源に接続された第1ACリアクトルと、
第2コア部、及び該第2コア部との間に第1の間隙を設けて前記第2コア部の一部に巻回された第2コイル部を有し、該第2コイル部の一方の端子が交流電圧を直流電圧に変換する電力変換部に接続され、前記第1ACリアクトルよりサイズが大きい第2ACリアクトルと、
前記第1ACリアクトルの他方の端子及び前記第2ACリアクトルの他方の端子に一方の端子が接続されたコンデンサと、
前記第1ACリアクトル、前記第2ACリアクトル、及び前記コンデンサを収める筐体と、
前記筐体の1つの面に設けられ、冷却風を導入する冷却風導入部と、
前記筐体の1つの面と対向する他方の面に設けられ、冷却風が所定の方向に流れるように冷却風を排出する冷却風排出部と、を備え、
前記第2ACリアクトルは、前記第2コイル部の外周部と前記筐体との間に第2の間隙を設けて配置され、且つ、前記第2コイル部の軸方向と、前記第2の間隙に沿って冷却風の流れる方向とが一致するように配置されている、
ことを特徴とするLCフィルタ。
【請求項2】
前記第1ACリアクトルは、前記第1コイル部の外周部と前記筐体との間に第3の間隙を設けて配置され、且つ、前記第1コイル部の軸方向と、前記第3の間隙に沿って冷却風の流れる方向とが一致するように配置されている、請求項1に記載のLCフィルタ。
【請求項3】
前記第2ACリアクトルが前記第1ACリアクトルよりも前記冷却風導入部に近接して配置されている、請求項1または2に記載のLCフィルタ。
【請求項4】
前記第1ACリアクトルの第1コイル部の軸が、前記第2ACリアクトルの第2コイル部の軸と略90度の角度をなすように配置されている、請求項1または3に記載のLCフィルタ。
【請求項5】
前記第2ACリアクトルの高さが前記第1ACリアクトルの高さと略同一である、請求項4に記載のLCフィルタ。
【請求項6】
前記第1ACリアクトルの他方の端子と、前記第2ACリアクトルの他方の端子とが、直接接続されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLCフィルタ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のLCフィルタを具備する電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源を直流電源に変換、または、直流電源を交流電源に変換する電力変換装置に用いるLCフィルタに関し、特にACリアクトルを冷却する機能を備えたLCフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ駆動装置を駆動する交流電源に対し、PWMによるスイッチング制御を行うことで負荷電流に含まれる高調波電流を抑制し、力率改善を行う装置として、PWMコンバータが知られている。
【0003】
PWMコンバータは、PWMによるスイッチング制御を行うため、交流電源との間の経路に、数kHz以上の高周波を含む矩形波の交流電圧を出力する。矩形波の交流電圧は電源周波数に含まれない高周波成分を含むため、この種のPWMコンバータでは、高周波の矩形波の交流電圧を通過させるためのローパスフィルタ(LCフィルタ)を交流電源との間に設けて高周波を除去する構成を採用することが一般的となっている。
【0004】
図1にLCフィルタの基本的な構成例を示す。
図1は、PWMコンバータ1002と3相交流電源1000の中間にLCフィルタ1001を配置した構成を示している。
【0005】
PWMコンバータ用のLCフィルタ1001は、T型フィルタと呼ばれる、コンデンサC1〜C3の両端にインダクタンスLa1〜La3及びLb1〜Lb3を備えた構成となっている。2個のインダクタンスを実現するACリアクトル1010、1020として、類似の構造(コアが同方向に配置されたもの)のものが2つ用いられることが一般的である。また、一般的にACリアクトルは自然空冷方式である(例えば、特許文献1)。
【0006】
これら2つのACリアクトル1010、1020のインダクタンスLについて、PWMコンバータ1002側から流入する高周波電流のピークを抑制する必要からPWMコンバータ1002側のLが大きく、交流電源1000側のLが小さくなる。従って、PWMコンバータ側のACリアクトルB1020は、交流電源側のACリアクトルA1010に比較して容積が大きくなることが一般的である。また、ACリアクトルの外形はコイルを巻くために直方体の外形になることが一般的である。
【0007】
また、インダクタンスで生じる損失の大部分は高周波電流が流れるPWMコンバータ側のLで生じる。従って、コンバータ側のACリアクトルB1020のみに高周波電流が流れ温度上昇がより大きくなる。
【0008】
従来は、ACリアクトルが大きく重たいことから、LCフィルタを構成する2つのACリアクトルとコンデンサ等が1つの筐体に収められることはなかった。
【0009】
これら2つのACリアクトルを同じ筐体に収めようとした場合、電源側の小さいACリアクトルの高さとコンバータ側の大きいACリアクトルの高さの違いから無駄なスペースを生じ、筐体の体積が大きくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−221858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ACリアクトルの効率的な冷却を可能とし、LCフィルタ部を収めた筐体の小型化と軽量化を実現できるLCフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施例に係るLCフィルタは、第1コア部、及び該第1コア部の一部に巻回された第1コイル部を有し、該第1コイル部の一方の端子が交流電源に接続された第1ACリアクトルと、第2コア部、及び該第2コア部との間に第1の間隙を設けて第2コア部の一部に巻回された第2コイル部を有し、該第2コイル部の一方の端子が交流電圧を直流電圧に変換する電力変換部に接続された第2ACリアクトルと、第1ACリアクトルの他方の端子及び第2ACリアクトルの他方の端子に一方の端子が接続されたコンデンサと、第1ACリアクトル、第2ACリアクトル、及びコンデンサを収める筐体と、筐体の1つの面に設けられ、冷却風を導入する冷却風導入部と、筐体の1つの面と対向する他方の面に設けられ、冷却風が所定の方向に流れるように冷却風を排出する冷却風排出部と、を備え、第2ACリアクトルは、第2コイル部の外周部と筐体との間に第2の間隙を設けて配置され、且つ、第2コイル部の軸方向と、第2の間隙に沿って冷却風の流れる方向とが一致するように配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ACリアクトルの効率的な冷却が可能となり、LCフィルタ部を収めた筐体の小型化と軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明の実施例1に係るLCフィルタの平面図及び側面図である。
【
図3】本発明の実施例2に係るLCフィルタの側面図である。
【
図4】本発明の実施例3に係るLCフィルタの側面図である。
【
図5】本発明の実施例4に係るLCフィルタの側面図である。
【
図6】本発明の実施例4の他の実施態様に係るLCフィルタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るLCフィルタについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
[実施例1]
【0016】
まず、本発明の実施例1に係るLCフィルタについて図面を用いて説明する。
図2(a)及び(b)は、本発明の実施例1に係るLCフィルタの構成を示すものであって、
図2(a)は平面図を示し、
図2(b)は側面図を示す。
【0017】
本発明の実施例1に係るLCフィルタ101は、第1コア部11、及び該第1コア部の一部に巻回された第1コイル部12を有し、該第1コイル部の一方の端子が交流電源に接続された第1ACリアクトル1と、第2コア部21、及び該第2コア部との間に第1の間隙23を設けて第2コア部の一部に巻回された第2コイル部22を有し、該第2コイル部の一方の端子が交流電圧を直流電圧に変換する電力変換部に接続された第2ACリアクトル2と、第1ACリアクトルの他方の端子16及び第2ACリアクトルの他方の端子26に一方の端子が接続されたコンデンサ3と、第1ACリアクトル1、第2ACリアクトル2、及びコンデンサ3を収める筐体4と、筐体の1つの面に設けられ、冷却風を導入する冷却風導入部5と、筐体の1つの面と対向する他方の面に設けられ、冷却風が所定の方向に流れるように冷却風を排出する冷却風排出部6と、を備え、第2ACリアクトル2は、第2コイル部の外周部24と筐体4との間に第2の間隙25を設けて配置され、且つ、第2コイル部の軸方向20と、第2の間隙に沿って冷却風の流れる方向50とが一致するように配置されている、ことを特徴とする。
【0018】
第1ACリアクトル1の第1コア部11、及び第2ACリアクトル2の第2コア部21を構成する鉄心には、フェライト等の磁性材料で構成された一個の鉄心が使用される。
【0019】
第1コア部11の一部には第1コイル部12が巻回され、第2コア部21の一部には第2コイル部22が巻回されている。また、
図2(b)に示すように、第2ACリアクトル2の第2コア部21と第2コイル部22との間には、第1の間隙23が形成されている。一方、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の外周部24と筐体4との間には第2の間隙25が設けられている。
【0020】
筐体4には冷却風導入部5及び冷却風排出部6が設けられており、筐体4の外部に設けられたファン等の冷却装置(図示せず)から送られる冷却風が冷却風導入部5から冷却風排出部6に向かって流れる。このとき、第2の間隙25においては、冷却風は
図2(b)の矢印50の方向に流れる。一方、第1の間隙23においては、冷却風は矢印51の方向に流れる。
【0021】
実施例1に係るLCフィルタ101においては、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の軸方向20と、第2の間隙25に沿って冷却風の流れる方向50とが一致するように第2ACリアクトル2が配置されている。さらに、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の軸方向20と、第1の間隙23に沿って冷却風の流れる方向51も一致している。その結果、冷却風は効率よく第2コイル部22を冷却することができる。
【0022】
また、
図2(b)において、筐体4の底面近傍に冷却風の流路50及び51が形成される様子を示しているが、これには限られず、冷却風の流路50及び51は、第2コイル部22が近接する筐体4の4つの面の全てに形成されることが好ましい。
【0023】
さらに、冷却風の流路50及び51を第1の間隙23及び第2の間隙25という限られた領域に絞り込むことによって、第1の間隙23及び第2の間隙25における冷却風の流速を高めることができる。その結果、第2コア部21及び第2コイル部22の冷却効率を高めることができ、冷却効率を向上させることができる。
【0024】
また、インダクタンスで生じる損失の大部分は高周波電流が流れる第2ACリアクトル2で生じるため、第2ACリアクトル2のみに高周波電流が流れ、第2ACリアクトル2における温度上昇が第1ACリアクトル1における温度上昇より大きくなる。そこで、第2ACリアクトル2が第1ACリアクトル1よりも冷却風導入部5に近接して配置されていることが好ましい。その結果、ACリアクトルの効率的な冷却が可能となる。
【0025】
本発明の実施例1に係るLCフィルタによれば、冷却風の流路の方向とコイル近傍の間隙方向が同一方向となるように、高温となる第2ACリアクトルを配置したため、冷却風が直接コイルおよびコア部に流れ、冷却効率を向上させることができる。
【0026】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2に係るLCフィルタについて図面を用いて説明する。
図3に本発明の実施例2に係るLCフィルタの側面図を示す。実施例2に係るLCフィルタ102が、実施例1に係るLCフィルタ101と異なっている点は、第1ACリアクトル1が、第1コイル部12の外周部14と筐体4との間に第3の間隙15を設けて配置され、且つ、第1コイル部12の軸方向10と、第3の間隙15に沿って冷却風の流れる方向52とが一致するように配置されている点である。実施例2に係るLCフィルタ102のその他の構成は、実施例1に係るLCフィルタ101の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。また、
図3においては説明を簡単にするために
図2に示したコンデンサ3を省略している。
【0027】
実施例2に係るLCフィルタ102においては、第1ACリアクトル1と筐体4との間に第3の間隙15を設けるようにして配置し、第1コイル部12の軸方向10と、第3の間隙15に沿って冷却風の流れる方向52とが一致するように配置されているため、冷却風によって第1コイル部12を効率よく冷却することが可能となる。
【0028】
さらに、冷却風の流路52を第3の間隙15という限られた領域に絞り込むことによって、第3の間隙15における冷却風の流速を高めることができる。その結果、第1コア部11及び第1コイル部12の冷却効率を高めることができ、冷却効率を向上させることができる。
【0029】
また、
図3に示すように第1ACリアクトル1は第2ACリアクトル2よりもサイズが小さいため、第1ACリアクトル1の第1コイル部12の外周部14が筐体4と近接する面は、筐体4の4つの面のうちの1つまたは2つの面に限られる。
図3においては、第1ACリアクトル1を筐体4の底面に近接させた配置を例示しているがこれには限られず、第1ACリアクトル1を筐体4の側面や上面に近接するようにしてもよい。ただし、筐体4の底面付近が上面付近に比べて低温となっている場合には、第1ACリアクトル1を筐体4の底面に近接させることが好ましい。
【0030】
さらに、第1ACリアクトル1は、第2ACリアクトル2よりも冷却風排出部6に近い領域に配置されるため、第1ACリアクトル1が配置される位置によって、第2ACリアクトル2の近傍における冷却風の流路が影響を受けることも考えられる。そこで、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の周辺で冷却風が均等に流れるように第1ACリアクトル1を配置することが好ましい。例えば、第3の間隙15を第2の間隙25(
図2(b)参照)よりも大きくすることが考えられる。このようにすることで、第3の間隙15による冷却風の流路の絞り込みを緩和することができ、第2コイル部22の周辺における冷却風の流れを均一に維持することができる。
【0031】
実施例2に係るLCフィルタによれば、第2ACリアクトルだけでなく第1ACリアクトルの冷却効率も高めることができるため、LCフィルタ全体での冷却効率を向上させることができる。
【0032】
[実施例3]
次に、本発明の実施例3に係るLCフィルタについて図面を用いて説明する。
図4に本発明の実施例3に係るLCフィルタの側面図を示す。実施例3に係るLCフィルタ103が、実施例2に係るLCフィルタ102と異なっている点は、第1ACリアクトル1の第1コイル部12の軸10’が、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の軸20と略90度の角度をなすように配置されている点である。実施例3に係るLCフィルタ103のその他の構成は、実施例2に係るLCフィルタ102の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。また、
図4においては説明を簡単にするために
図2に示したコンデンサ3を省略している。
【0033】
実施例3に係るLCフィルタにおいては、第1ACリアクトル1の第1コイル部12の軸10’が、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の軸20と略90度の角度をなすこととなり、第1ACリアクトル1を第2ACリアクトル2に近接させて配置することができるため、筐体4の冷却風の流路方向の長さを短縮することができ、無駄なスペースを廃し、LCフィルタ103の筐体4のサイズを小型化することができる。
【0034】
また、第1ACリアクトル1は冷却風排出部6の近傍に配置されるため、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の近傍での冷却風の流れが均一に維持されるように第1ACリアクトル1を配置することが好ましい。例えば、
図4に示すように第1ACリアクトル1の第1コア部11と筐体4との間の距離は、筐体4の底面と上面で均等となることが好ましい。このようにすることによって、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の近傍に流れる冷却風の流れを均一にすることができるので、第2ACリアクトル2を均等に冷却することができる。
【0035】
さらに、第2ACリアクトル2の高さが第1ACリアクトル1の高さと略同一であることが好ましい。この場合、第2ACリアクトル2と筐体4との間の距離は、第1ACリアクトル1と筐体4との間の距離と等しくなるため、第2ACリアクトル2の第2コイル部22の近傍に流れる冷却風の均一性を維持することができる。さらに、第1ACリアクトル1と第2ACリアクトルの高さを揃えるようにACリアクトルの設計を行う場合、容易に製造を行うため、コアの積み厚ができるだけ少なくなるように設計を行うことが好ましい。
【0036】
[実施例4]
次に、本発明の実施例4に係るLCフィルタについて図面を用いて説明する。
図5に本発明の実施例4に係るLCフィルタの側面図を示す。実施例4に係るLCフィルタ104が、実施例1に係るLCフィルタ101と異なっている点は、第1ACリアクトル1の他方の端子16と、第2ACリアクトル2の他方の端子26とが、端子台32によって直接接続されている点である。実施例4に係るLCフィルタ104のその他の構成は、実施例1に係るLCフィルタ101の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0037】
実施例4に係るLCフィルタによれば、第AC1リアクトル1と第2ACリアクトル2の端子同士を直結することにより、各ACリアクトルの端子間に中継するためのケーブル等が不要となり筐体の小型化を実現することができる。なお直結する際には、双方の端子に、いわゆるばか穴を開けてネジとナットを使用して締結したり、片方の端子に埋め込みナットを打ち込みネジやボルトで締結したり、端子にコネクタを取り付けることが考えられる。
【0038】
図6に示した実施例4のLCフィルタの変形例では、第1ACリアクトル1の他方の端子16と、第2ACリアクトル2の他方の端子26とが、ねじ33によって直接接続されている例を示している。
【0039】
以上、本発明の実施例に係るLCフィルタに含まれる第1ACリアクトル1及び第2ACリアクトル2は、共に三相の場合を例示したが、これには限られず、単相であっても同様にして本発明を実施できる。
【0040】
また、以上の説明においてはLCフィルタを電力変換装置とは独立したものとして説明したが、上記で説明したLCフィルタを電力変換装置が具備するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 第1ACリアクトル
2 第2ACリアクトル
3 コンデンサ
4 筐体
5 冷却風導入部
6 冷却風排出部
10 第1コイル部の軸
11 第1コア部
12 第1コイル部
14 第1コイル部の外周部
15 第3の間隙
20 第2コイル部の軸
21 第2コア部
22 第2コイル部
23 第1の間隙
24 第2コイル部の外周部
25 第2の間隙