(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、透明または半透明な組成物、透明または半透明な組成物の使用方法および製造方法に関する。該組成物は、固体、半固体またはゲルの形態をとってもよい。他の実施の形態は、透明または半透明な組成物および望ましい特性を備える付加的な原料に関連する。
【0016】
さらなる実施の形態は、既存の化粧品製造装置で製造される既知の原料の相乗的な組み合わせに関するもので、頑丈なスティック組成物が生産される。さらに具体的には、透明または半透明な組成物は、
(a)少なくとも2種のアミノ酸系ゲル化剤と、
(b)脂肪アルコールと、
(c)少なくとも1種のポリアミド樹脂と、
(d)アルキルジメチコーンと、油、ポリマーまたはこれらの組み合わせと、
を含む。
【0017】
スティック組成物の技術分野における問題の1つは、組成物強度を欠くことであって、組成物強度は、製造過程において要求される。十分な又は相当なスティック強度がないと、該組成物は、鋳型から取り出せないことが多く、あるいは外されるときに該組成物は損傷を受ける。本発明に係る組成物は、本開示の透明または半透明な組成物を形成するために、この分野でみられるものよりも特に量を増加させた、2種のアミノ酸系ゲル化剤、エチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミドとして知られるポリアミド樹脂、および1種以上のアルキルジメチコーン物質を用いるのが好ましい。本発明に係るアミノ酸系ゲル化剤は、式1の構造を有する。
【化1】
【0018】
ここで、R
1、R
2およびR
3は、C
1‐C
20の炭化水素部分であって、この部分は、直鎖、分岐、環であってもよく、酸素、窒素および硫黄から選択される1個または複数個のヘテロ原子を含んでもよい。R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立して選択されるため、同じであっても異なってもよい。好ましくは、R
1、R
2およびR
3の少なくとも1個は、C
5‐C
20の炭化水素部分であって、さらに好ましくは、R
1はC
6‐C
20の炭化水素部分である。主に、R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立して、分岐、直鎖あるいは3個から20個の炭素原子を有する環状アルキル基から選択される。例えば、R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル(例えば、n‐プロピルまたはイソプロピル)、ブチル(例えば、n‐ブチル、イソブチル、tert‐ブチル)、ペンチル(n‐ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどから選択されてもよい。1つの実施の形態では、R
1は、5個から16個の炭素原子を有する分岐または直鎖のアルキル基から選択され、R
2およびR
3は、それぞれ独立して、3個から6個の炭素原子を有する直鎖のアルキル基、すなわちプロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。好ましくは、R
1は、5個から16個の炭素原子を有する分岐または直鎖のアルキル基から選択され、R
2およびR
3は、それぞれn‐ブチル基である。1つの実施の形態では、R
1は、直鎖のウンデシル基であって、式1の化合物は、ジブチルラウロリルグルタミドである。他の実施では、R
1は、分岐のヘプチル基、より具体的には1‐エチルペンチル基であって、式1の化合物は、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドである。
【0019】
当業者が理解するように、組成物の原料および成分の全てが完全に溶けたときに溶解が起こる。しかし、アミノ酸系ゲル化剤を含む先行技術に係る組成物の完全な溶解を達成するために、温度を130℃以上に上げなければならず、次いで組成物を十分冷却し、約23℃から約25℃の温度でゲルにするために少なくとも15時間の非常に長いゲル化時間がかかる。先行技術に係る組成物で用いられるアミノ酸系ゲル化剤の量は、通常極めて少ない(ゲル化剤と油との比が1:100)が、アミノ酸系ゲル化剤は、ゲルを得るために上述したように長期間、極度の条件下でさらに製造されなければならない。特に、上記で考察され、先行技術で見られるように、約130℃から約200℃を超える範囲の温度がアミノ酸系ゲル化剤を溶液に溶かすために通常必要である。極めて高温が溶解に必要なため、ゲル化剤を必要とする先行技術に係る組成物は、かなりの高温に耐え得る、選ばれた油またはポリマーの群に限られる。
【0020】
上記のゲル化剤を用いることの他の欠点は、通常、それらをゲルにする時間がかなり長くかかることである。例えば、先行技術に係るゲルを固めるために、必要な時間と温度は、約15時間、25℃であろう。そこで、この技術分野における上記のゲル化剤の処理は、高い溶解温度のために多くのエネルギーを使用し、製品を得るために必要な非常に長い時間のために産出量を減らし、使用できる油またはポリマーを制限し、総製造コストを増加させる。
【0021】
一方、本開示の組成物における原料または成分の特定の組み合わせは、かなりの低温でも溶解が可能であり、そのため、開示された透明または半透明なゲル組成物を得るための時間が短くてすみ、該組成物は、当該技術分野でも優れた、改良された特性を備える。上述したように、本開示のアミノ酸系ゲル化剤、エチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミド、脂肪アルコール、アルキルジメチコーンおよび油またはポリマーの組み合わせは、115℃以下で、全体のバッチサイズに応じて数分間から2〜3時間で溶解する。さらに、本発明に係る組成物は、従来技術のゲルの場合が約15時間であるのに比較して、数分で固まることができる。本発明に係る組成物は、選択された装置と固体化条件に応じて、3から10分間のうちに鋳型に入れられ成形され、取り出され、容器に挿入される。
【0022】
本開示の他の実施の形態では、本発明の組成物におけるアミノ酸系ゲル化剤は、少なくとも2種のアミノ酸系ゲル化剤の混合物を含み、3種以上のアミノ酸系ゲル化剤も有用である。限定しない例は既知のあらゆるゲル化剤、例えば、N‐アセチルグルタミン酸ジラウリルアミド、N‐カプロイルグルタミン酸ジブチルアミド、N‐ラウリルグルタミン酸ジヘキシルアミド、N‐ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルアミドおよびN‐アセチルアミノ酸アミドを含む。特定の実施の形態では、アミノ酸系ゲル化剤の混合物は、N‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドとN‐2‐エチルヘキサノイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドとを含む。2種のアミノ酸系ゲル化剤の場合、その重量比は1:3から3:1であって、好ましくは2:3である。しかし、3種以上のアミノ酸系ゲル化剤の他の実施の形態では、その重量比は、例えば1:1:1である。ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド:ジブチルラウロリルグルタミドの特に好ましい比は、2:3である。
【0023】
さらに、アミノ酸系ゲル化剤の混合物、あるいはアミノ酸系ゲル化剤の総量は、上記の先行技術に係るゲル化剤よりも多い。本開示の他の実施の形態は、アミノ酸系ゲル化剤を、組成物全体の約1.5%から約6.0%の重量%、組成物全体の約2.25%から約3.0%または約3.5%から約5.0%で含む組成物に関するのに対し、この技術分野における典型的な安定性に乏しいスティック組成物はアミノ酸系ゲル化剤を、組成物全体の1重量%未満しか含んでいない。その上、この技術分野における安定性に乏しいスティック組成物は、通常1種または2種のアミノ酸系ゲル化剤を使用し、当該組成物はポリアミド樹脂、非イオンの脂肪アルコールもしくはアルキルジメチコーンまたはその誘導体を含まない。アミノ酸系ゲル化剤、エチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミドおよびアルキルジメチコーンとの相乗的な組み合わせは、より硬く、完全な状態を維持しながら極度の環境条件に耐え得る、化粧スティックの製造を可能にする。先行技術では、かなりの高温がアミノ酸系ゲル化剤の溶解に効果を及ぼすのに必要だった。しかし、ジメチコーンおよびポリアミド樹脂類はそのような高温で処理されない。さらに、ポリアミド樹脂およびジメチコーンは、2つの方法でスティックの安定化に寄与する:第1に、ポリアミド樹脂は、スティックをより硬くし、第2に、ポリアミド樹脂とジメチコーンとの組み合わせは、スティックが「汗をかく(水分を浸出させる)」のを防ぐ。組成物が、保管又は輸送中等の間、凍結条件または高温に曝された場合、組成物は濁る傾向があり、記載された極度の温度のいずれかから環境条件に戻されたときに組成物は溶媒を浸出または発散させる。しかし、本明細書で開示された原料の特別な組み合わせによって、浸出および濁りは問題とならない。
【0024】
本開示の他の実施の形態は、温度115℃以下でアミノ酸系ゲル化剤またはゲル化剤を溶解する少なくとも1種の脂肪アルコールを含む透明または半透明な組成物に関する。溶解に有用な1種以上の非イオンの不飽和脂肪アルコールは、限定されないが非イオンのモノ‐またはポリ‐不飽和脂肪アルコールを含む。本開示の有用な脂肪アルコールの限定しない例は、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、2‐ブチルオクタノール、2‐ヘキシルデカノールおよび2‐ウンデシルペンタデカノールを含む。特定の実施の形態は、オクチルドデカノールに関する。本発明に係る組成物の長鎖の不飽和脂肪アルコールは、組成物全体の約0.1重量%から約45重量%までの量で含まれる。他の実施の形態では、組成物全体の約15重量%から約30重量%、さらに約16重量%から約25.5重量%までの量で含まれる。
【0025】
脂肪アルコールの選択は、115℃以下でアミノ酸系ゲル化剤を溶解する能力に依存する。1つの実施の形態では、有用な不飽和脂肪アルコールは、不揮発性のものである。本明細書では不揮発性のものは、それら脂肪アルコールが1.0気圧で、少なくとも約200℃、少なくとも約205℃および少なくとも約210℃の沸点を有するものとして定義される。本開示におけるいくつかの脂肪アルコールは、例えば1個の二重結合(単不飽和の)を有する。それらの一般式は:CH
3(CH
2)
XCH=CH(CH
2)
y‐CH
2OHである。
【0026】
また、適切な脂肪アルコールは、直鎖の不飽和一価脂肪アルコール、分枝鎖の飽和脂肪アルコール、直鎖の飽和C8‐C12脂肪アルコールおよびそれら混合物を含む。直鎖の不飽和脂肪アルコールは、通常1の不飽和度を有する。2価および3価の不飽和アルケニル鎖が、低レベルで含まれてもよく、直鎖の不飽和脂肪アルコール全体の約5重量%未満、約2重量%未満または約1重量%未満でもよい。特定の実施の形態では、直鎖の不飽和脂肪アルコールは、長さC12‐C22、C12‐C18またはC16‐C18の範囲の脂肪鎖を有し、例えばオレイルアルコール又はパルミトレインアルコールのようなものである。非イオンの不飽和脂肪アルコールの限定しない例は、表1に記載されたものを含む。
【表1】
【0027】
付加的な実施の形態では、ポリアミド樹脂は、本発明が半固体または固形固体の形態をとる場合に、構造的完全性の実質的なレベルをもたらす。ポリアミド樹脂は、高分子量のポリマーであって、分子鎖間のアミド結合が特徴である。これらのポリマーは、ペプチド結合で結合したアミドの単量体を含み、それらは天然に存在し、および人工的に得られ、当該ポリマーは、成長重合の段階または固相合成によって合成され、ある場合には、ポリアミド樹脂の例は、ナイロンおよびアラミドである。極度の耐久性と強度のために、ポリアミド樹脂は、主として、繊維、プラスチックおよび自動車用途に用いられる。また、本発明に係る組成物において、ポリアミド樹脂は、ある程度の光沢または輝きや標的基質への接着を該組成物にもたらす。
【0028】
ポリアミド樹脂としてエチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミドが好ましいが、本発明はこのポリアミド樹脂に限定されない。当業者は適切なポリアミド樹脂を選択できるし、その開示を参照することで本明細書に援用されるCTFAハンドブック,第12版、2008年刊行に多くの適切なポリマーが開示されている。これらは、限定されないが、ポリアミド‐1、ポリアミド‐2、ポリアミド‐3、エチレンジアミン/2量体タレート(Tallate)共重合体ビス水素化タロー(Tallow)アミド、エチレンジアミン/ステアリル2量体ジリノール酸共重合体、エチレンジアミン/ステアリル2量体タレート(Tallate)共重合体などを含む。
【0029】
本開示の特定の実施の形態は、ポリアミド樹脂あるいは相溶性のポリアミド樹脂の組み合わせに関連し、その量は、組成物全体の約0.1重量%から約30重量%、約10重量%から約25重量%、および約15重量%から約20重量%の範囲である。特に好ましいポリアミド樹脂は、エチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミドである。
【0030】
他の実施の形態では、アルキルジメチコーン成分は、本開示における熱的に安定なスティック組成物を提供する。開示された組成物の構造強度を改良し、それにより鋳型から組成物の取り外しを容易にすることに加えて、アルキルジメチコーンとポリアミド樹脂は、構造的完全性をもたらし、高い温度、例えば保管または製品の輸送中における、スティック組成物が「汗をかく(水分を浸出させる)」のを防ぐのに有用である。本技術分野における透明なスティック組成物は、高い温度で1種以上の溶媒を「浸出させる」または「滴らせる」傾向がある。ここでの高温は、一般に約130℃から約200℃を超えるまでの間である。当該技術分野におけるこれらの問題を解決するために、アルキルジメチコーン類(1種以上のアルキルジメチコーンに関連する)が本開示の透明または半透明な組成物に含まれてもよい。
【0031】
本技術分野で理解されるように、アルキルジメチコーンは、以下の式のx、yおよびzの比に依存してシリコーンか又は油のどちらかに可溶性である。
【化2】
【0032】
xおよびyの値が増加する場合、アルキルジメチコーンはより硬く、シリコーン油により溶けやすくなる。zの値が増加する場合、アルキルジメチコーンは、油により溶けやすくなり、例えば植物性、鉱物性、およびエステルなどであって、ワックスの融点も上昇させる。xの値が増加し、zの値が減少する場合、アルキルジメチコーンはシリコーンにより溶けやすくなる。一方、yおよびzの値が増加する場合、アルキルジメチコーンは油により溶けやすくなる。
【0033】
製剤分野の当業者によく知られたように、x、yおよびzの比を変えることは、アルキルジメチコーンが液体、軟らかいペーストまたは硬いワックスのいずれになるか決定する。一般に、より多数のアルキル基、例えば炭素が22個のものを用いた場合、製品は、xとyとの比に応じてペーストまたは硬いワックスになる。xの値が大きくなればなるほど、製品の融点は下がる。一方、18個の炭素群を有するオレフィンでは、アルキルジメチコーンは、xとyとの比に応じて液体から硬いワックスにまでなれる。16個またはそれ未満の炭素群を有するアルキル基は、通常液体から柔らかいペーストである。アルキルジメチコーンを日焼け防止剤に加えた場合、SPF値が改善することが見出されている。そのため、当業者は、望ましい結果に関連する因子を考慮し、x、yおよびzの的確な比を決定する。その比は、構造を与えるため、あるいは望ましい効果を維持するために調整される。検討される因子は、最終製品の使用形態や望ましい形態などである。
【0034】
本開示の特定の実施の形態は、アルキルジメチコーン、あるいは相溶性のあるアルキルジメチコーンの組み合わせに関連し、その量は、組成物全体の約0.1重量%から約30重量%、約10重量%から約25重量%、および約15重量%から約20重量%の範囲である。本開示の有用なアルキルジメチコーンは、アルキルジメチコーン全体の約18重量%から65重量%の範囲でアルキルを有する一方、ジメチコーンは、アルキルジメチコーンの約35重量%から約82重量%の範囲相当である。他の実施の形態では、1個から18個の炭素を有するアルキルジメチコーン、例えば、ステアリルジメチコーンC18のアルキルジメチコーンのようなものが最も有用である。本開示のアルキルジメチコーンのさらなる限定しない例は、ベヘニルジメチコーン、C‐32アルキルジメチコーン、イソプロピルフェニルジメチコーン、セロチルジメチコーン、ヒドロキシプロピルジメチコーンベヘネート、セチル/ヘキサコシルジメチコーンあるいはSilwax(登録商標)アルキルジメチコーンのDおよびJシリーズやMulti Domain(商標)シリコーン(シルテック社;ジョージア州ダキュラ)を含む。
【0035】
付加的な実施の形態では、ポリアミド樹脂は、本発明に係るスティック組成物にさらに構造的完全性を与えるために用いられる。エチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミドは、特に好ましいポリアミド樹脂である。このポリアミド樹脂は、本発明に係る組成物において、組成物全体の約1重量%から約35重量%、または約5重量%から25重量%の量で用いられてもよい。
【0036】
さらに他の実施の形態では、本開示の透明または半透明な組成物の油またはポリマーは、油かポリマーのいずれかを含めばよいが、複数の油、複数のポリマーまたは両方の組み合わせ、例えば1種以上の油および/またはポリマーの組み合わせであってもよい。本開示の油またはポリマーは、これらに限定されないが、非極性油、極性油、液体ポリマー、ポリマー溶液またはこれらの組み合わせを含む。本開示の透明または半透明な組成物に用いられる油であって、当該組成物の目的に適するのは、加熱することでゲル化剤を十分に溶解させ、それから冷却した際、ゲルが形成されるものを含む。限定しない例は、鉱油、イソヘキサデカン、ホホバ油、C10‐C30コレステロール/ラノエステロールエステル、例えば、Super Sterol Liquid(クローダ社、ニュージャージー州エジソン)、ミンク油、カカオ油、ココナッツ油、ヤシの種の油、ツバキ油、ゴマ油、ひまし油、オリーブ油、アロエ抽出物およびシリコーン油を含む。
【0037】
より具体的には、例示的なエステル油は、トリデシルトリメリテート、クエン酸トリイソステアリル、マレイン酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリルおよびそれと同類のもののようなエステルを含む。本開示で有用な液体ポリマーまたはポリマー溶液は、これらに限定されないが、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、トリイソステアリルポリグリセリル‐3‐ダイマージリノレート、ポリグリセロールジイソステアレートおよびそれと同類のものを含む。ここで開示される組成物の油またはポリマー成分は、組成物全体の約30重量%から約70重量%の範囲の量であればよく、より詳細には、組成物全体の約32.5重量%から約47.5重量%の範囲、あるいは組成物全体の約42重量%から約65重量%である。
【0038】
理論に束縛されるものではないが、相対的に速い溶解時間およびゲル化時間、低い溶解温度およびゲル化温度という利点を有し、相対的に増加したスティック強度と減少した浸出特性を有する透明または半透明な組成物を得るために、脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノールは、アミノ酸系ゲル化剤、特にN‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドおよびN‐2‐エチル‐ヘキサノイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドと、重量比1:3から3:1、あるいはより詳細には2:3で相溶性であって、それは115℃以下で完全に溶解し、しかもそれは数分間である。
【0039】
さらに他の実施の形態では、透明または半透明な組成物は、追加の成分を含む。透明または半透明な組成物は、熱劣化から当該組成物を守るために、抗酸化剤あるいはその混合物をさらに含んでもよい。特定の実施の形態では、1種以上の抗酸化剤が組成物全体の約0.01重量%から約0.5重量%の範囲の量で用いられる。本開示の透明または半透明な組成物に有用な抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)である。しかし、発明に係る組成物の他の成分と相溶性のあらゆる抗酸化剤が用いられてもよく、これらに限定されないが、硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびそれと同類のものを含む。抗酸化剤は、劣化から組成物を守ることができる有効量であればよく、例えば、組成物全体の約0.01重量%から約0.5重量%の間、約0.06重量%から約0.5重量%の間および約0.3重量%から約0.5重量%である。実施例1と2とは、例となる透明または半透明な製剤を与える。
【0040】
従来のスティック組成物は、高い融点のワックス、例えばパラフィンワックス、蜜ろう、カルナバワックス、オゾケライトワックス、微結晶およびポリエチレンワックスを用いており、これらは組成物に構造を与えるために用いられる。このようなワックスは、高い融点をもち、構造がランダムな配向結晶からなるマトリックスを形成し、不透明な外観をもたらす。その結果、これらのワックスは、着色剤に干渉し、その結果、見える色は正確でない。従って、本開示の他の実施の形態では、透明または半透明な組成物は従来の着色剤および/または角度彩色性着色剤と組み合わされ、今までは透明な液体媒体でしか見られなかった鮮やかな「本来の色」を発色する。
【0041】
本発明の組成物が着色された化粧品、これらに限定されないがリップスティック又はリップグロスなどのような実施の形態では、組成物は、さらに1種以上の着色剤を含む。望ましい色または効果を得るために、着色剤や着色剤の組み合わせを選ぶことは、当業者の技能範囲内である。適切な従来の着色料は、顔料、レーキおよび染料を含み、当技術分野でよく知られており、C.T.F.A化粧品原料ハンドブック第1版,1988に開示されていて、ここで参照することによってその内容が本明細書に組み込まれる。有機顔料は、例えばFD&C染料、D&C赤の2、5、6、7、10、11、12、13、30や34番、D&C黄の5番、青の1番、紫の2番などのD&C染料を含む。無機顔料の例は、これらに限定されないが、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化鉄(α‐Fe
2O
3、y‐Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeO)、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニッケルや酸化亜鉛のような金属酸化物および金属水酸化物、さらにチタン酸鉄、チタン酸コバルトおよびアルミン酸コバルトのような酸化組成物を含む。他の適切な着色剤は、群青(例えば、硫黄を含むケイ酸アルミニウムナトリウム)、プルシアンブルー、マンガンバイオレット、オキシ塩化ビスマス、タルク、雲母、絹雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、チタン酸雲母、酸化鉄チタン酸雲母、オキシ塩化ビスマスなどを含む。着色剤は、例えば、着色剤の1つ以上の特性を調整するために、フッ素重合体で表面修飾されてもよく、それは、米国特許第6,471,950号、5,482,547号および4,832,944号明細書に記載されており、ここで参照することによってその内容が本明細書に組み込まれる。フッ素重合体は、顔料粒子の表面を覆うものとして本発明の開示に組み込まれてもよく、顔料粒子の表面を少なくとも部分的に覆う。適切な真珠光沢付与顔料は、これらに限定されずに、オキシ塩化ビスマス、グアニンおよびチタン成分、二酸化チタン、低次酸化チタンまたはチタン窒酸化物をチタン成分として含有するチタン複合材料物質を含み、それは、米国特許第5,340,569号明細書に開示されており、ここで参照することによってその内容が本明細書に組み込まれる。
【0042】
本開示における1つの実施の形態では、従来の着色剤は、組成物全体の約0.1重量%から約25重量%までの範囲の量で用いられる。本明細書で開示される透明または半透明な組成物と上記のあらゆる着色剤との組み合わせは、これまでの固形製剤ではめったに見られない本来の発色をもたらす。本開示のさらに他の実施の形態では、本明細書で開示された本発明に係る組成物に有用な角度彩色性着色剤は、組成物全体の約0.1重量%から約15重量%までの範囲の量である。角度彩色性着色剤は、色彩が変化する顔料としても知られるが、屈折率が高い物質または低い物質とが交互に重なった層で被覆された板状晶形状の基質を含む。角度彩色性着色剤は、見る角度に応じて異なる色を示す顔料である。
【0043】
例示的な着色剤は、Reflecks(登録商標)MultiDimensions(BASF社、ニュージャージー州フォーハムパーク)顔料を含み、該顔料は、ホウケイ酸塩顔料技術を介して多色効果を与えるために全体の可視スペクトルを変えることができるし、SpectraFXは、微小から特大のサイズで利用できる粉末状の薄片添加物である(アルサ社、カリフォルニア州バーノン)。Reflecks(登録商標)MultiDimensions顔料は、シリカで被覆されたホウケイ酸カルシウムナトリウム系基剤、二酸化チタンおよび酸化スズを含む。本開示の特定の実施の形態では、独特な色彩効果を透明または半透明な組成物に与えるために、角度彩色性着色剤が加えられた。角度彩色性着色剤の粒子サイズは、約1μmから約100μm、より具体的には、約40μmから約80μmの範囲で、それぞれSpectraFX顔料およびReflecks(登録商標)顔料で例示される。
【0044】
さらなる実施の形態は、本開示の透明または半透明な組成物に有用な角度彩色性着色剤の量に関し、それは、組成物全体の約0.1重量%から約15重量%までの範囲であって、具体的な実施の形態では、着色剤の量は、組成物全体の約0.5重量%から約5重量%までの範囲である。組成物に用いられる着色剤の粒子サイズおよび量は、該組成物の最終の視覚効果を決定する。当技術分野における当業者によって理解されるように、0.5重量%の赤銅/緑青のSpectraFX顔料は、透光性に加え、見る角度に応じて赤銅/緑青から緑への知覚色の変化をもたらす。一方で、着色剤の量を増加させると、組成物内に伝わる光が少なくなるために組成物の透光性が減少する。しかし、見る角度に応じて知覚色はさらに変化する。
【0045】
同様に、さらなる実施の形態では、透明または半透明な組成物と組み合わせて、真珠光沢タイプの着色剤が、従来の不透明なもの、ワックス系スティック組成物に見られるよりも良好な、又はさらに本来の発色効果を得るために用いられてもよい。他の実施の形態は、独特な効果を生みだすホログラフィックの光沢剤を含む透明または半透明な組成物に関する。これら光沢剤は、ホログラフ的に浮き出させた、真空金属化ポリエステル薄片であるものを含み、スペックトラテックテクノロジーズ社(カリフォルニア州ロサンジェルス)のものが利用できる。SpectraFX顔料の視覚効果が添加量に応じて変化することと同じことがホログラフィックの光沢剤に言える。組成物全体の約2重量%より少ない量を加えたとき、ホログラフィックの光沢剤と組み合わされた本発明に係る組成物は、外観は半透明になり、光沢剤は、一見それらが当該組成物内に懸濁されたようであって、個々の光沢剤粒子によって多様な色が作り出される。しかし、着色剤の添加量を増やすと、半透明性が減少する。
【0046】
さらなる実施の形態では、透明または半透明な組成物は、従来の着色剤と角度彩色性着色剤との混合物、すなわち上述のデュアルコア型でないものと組み合わされる。本発明に係る組成物が上記態様で用いられたとき、従来の着色剤の標準的な量は、組成物全体の約0.1重量%から約25重量%の範囲であって、角度彩色性着色剤は、組成物全体の約0.1重量%から約15重量%の範囲である。
【0047】
他の実施の形態は、本明細書に記載される透明または半透明な組成物を製造する方法に関する。伝統的に使用される機械装置を利用する1つの実施の形態は、全ての成分を、該成分を十分に溶解できる約115℃以下の温度で同時に混合することを含み、該成分は、
(a)少なくとも2種のアミノ酸系ゲル化剤と、
(b)脂肪アルコールと、
(c)少なくとも1種のポリアミド樹脂と、
(d)アルキルジメチコーン成分と、
(e)油、ポリマーまたはこれらの組み合わせと、
を含む。通常の溶解は、バッチサイズに応じて数分から数時間以内に起きる。溶解すると、結果的に得られる混合物は、より低温の鋳込温度まで冷却されてもよい。ゲル化または固形化温度は、溶解した組成物が自由流動性の液体からゲル、半固体または固体の組成物に変化し始める温度である。本開示で有用なゲル化または固形化温度は、約25℃から約80℃、約65℃から約80℃の範囲であって、あるいは、もっとも有用な実施の形態では、だいたい室温、または約25℃である。また、透明または半透明な組成物がゲルになるために要する時間は、分規模であって、時間規模でない。実施例2は、本開示の透明または半透明な組成物を製造する方法の例に関する。
【0048】
本開示のさらなる実施の形態では、上記方法は、成分(a)と(b)とをはじめに混合し、(a)と(b)との混合物を最大で約115℃または混合物を溶解できるさらに低い温度に加熱することに関する。その次に、成分(c)と(d)と(e)とが同時またはそれぞれ続けて添加され、同じような温度、すなわち115℃未満で溶解される。次に、成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)の混合物は、固体、半固体、または粘着性のあるゲルを形成するために冷却される。
【0049】
本開示の他の実施の形態は、本発明に係る組成物に他の利益をもたらす最適な原料の添加に関する。限定しない活性のある又は機能的な原料は、着色剤、顔料、紫外フィルター、保湿剤、香料、殺虫剤、薬剤、医薬品および化粧あるいは医薬分野で知られる他の活性のある又は機能的な原料を含む。これらの追加される原料は、成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)と、または成分(c)、(d)および(e)と同時に混合されてもよいし、あるいは成分(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)のいずれかまたは全ての混合に続けて混合されてもよい。とにかく、追加される原料は、本発明に係る組成物のパラメータに適合しなければならず、例えば、約115℃以下の温度での溶解である。任意の原料は上記物質の物理的または熱的な制限あるいは求められる最終製品の形態によって決められる、より低い温度で加えられてもよいことが留意されるべきである。さらなる実施の形態は、溶解した混合物または粘着性ゲルを鋳型に流し込む追加のステップを含む上述した任意の方法に関する。一度溶解すると、結果として得られる組成物は、所望の充填条件および最終製品の形態選択に応じて、115℃から、より低い温度まで冷却されてもよい。通常、上記組成物は、自動装置で充填され、あるいは鋳型に入れられ、ここで挿入物を鋳型に注いで成型してから取り出して容器に挿入するまでの時間は、2分から10分間の範囲である。さらに、上記自動装置の成型温度は、求められる製品形態および上記に関連する性能属性に応じて約−10℃から約40℃の範囲である。
【0050】
従って、本開示は、多くの用途がある透明または半透明な組成物に関する。特に、本発明に係る組成物は、化粧製品であって、無着色か又は着色され、顔、唇、目、頬および体への適用において特に有用である。1つの実施の形態では、透明または半透明な組成物は、スティック組成物であって、例えば下塗り、ファンデーション、目に関する製品、唇に関する製品、日焼け止め、または日焼け防止剤、制汗剤、防臭剤などに用いられるものである。固形製品は広く化粧品に使われるが、本開示は、オクチルドデカノールとして知られる脂肪アルコールの使用及びアルキルジメチコーン物質及びポリアミド樹脂の更なる添加によって特に低い温度で実行されるゲル形成ステップに特徴があり、固形、半固形あるいは粘着性ゲルの形態をとる製品が製造できる。結果的に得られる組成物は、1種以上のアミノ酸系ゲル化剤を用いる全ての先行技術よりも熱的に安定である。透明または半透明な組成物の特定の使用に応じて、追加される原料が含まれてもよい。
【0051】
本開示の他の実施の形態は、唇に関するハイブリッド製品をつくるため、本明細書に記載されたような透明または半透明な組成物と、別物としての従来の着色されたリップスティック組成物との組み合わせに関する。本開示の他の実施の形態では、透明または半透明な組成物は、従来のワックス系リップスティックあるいは着色剤を含む本開示の発明に係る組成物のいずれかと組み合わされてもよい。この組み合わせは、例えば、シリンダー状のリップスティック組成物において、上から下を見て、組成物の半分が従来のリップスティックで、もう半分が本発明に係る透明または半透明な組成物であり得る(着色剤を添加しようがしまいが)。他の実施の形態は、デュアルコア型構造に関する。例えば、本発明に係る透明または半透明な組成物が外殻を形成し、従来のリップスティックが内殻を形成し、外殻が内殻を包囲し、内殻は同心円を形成している透明または半透明な外殻を通して見ることができる。同様に、着色された本発明に係る組成物が内殻を形成してもよく、透明または半透明な外殻が内殻を包囲したとしても、内殻の色が視認できる。無限の色の組み合わせが可能であって、角度彩色性顔料を外側の透明な殻に含むことで、さらに特別な色彩効果を得ることが可能であって、その顔料は、内部コアの着色と相補的であり、あるいは、ある実施の形態では、その着色剤が内部コアに含まれる。同心の異なる部分における着色剤の添加は、使われるか保存される場合に求められる最終の視覚効果によって決められる。本開示のさらに他の実施の形態は、光源に関連し、該光源は、透明なゲルに光を伝えるために用いられ、そのため、ゲルを照らし、付加的な視覚効果をもたらす。限定しない光源の例は、白熱、赤外線、レーザー、蛍光、および自然光である。実施の形態では、本発明はパッケージ化された唇のケア製品に関連し、該製品は、唇用の組成物を保持するための容器と、使用しないときに組成物が空気にさらされることを制限するための、上記容器の蓋と、容器から該組成物を出すための容器に設けられた機構を備える。当該容器は、本発明に従って組成物を入れられたチューブと、容器本体内にLEDのような光源とを備え、該光源は、例えば、容器から蓋を外すことで、あるいは作動装置またはスイッチをオンにすることで組成物が露出したときに該組成物を照らすことができる。
【0052】
本開示のさらなる実施の形態は、組成物、好ましくは局所用固形スティック、半固形スティック又はゲルに関し、それは、美容、パーソナルケア、美容薬品もしくは医薬製剤、防虫剤または日焼け止め剤であって、当該組成物は、脂肪アルコールを含み、他の成分、例えば少なくとも2種のアミノ酸系ゲル化剤、油、ポリマー、抗酸化剤、香料などのようなものを十分に溶解する。開示される組成物は、これらに限定されないが着色用化粧品、日焼けケア用品、皮膚のケア用品、毛髪製品(シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、泡状整髪剤および染料/着色剤)、マスカラ、ネイルエナメル、口紅製品、ファンデーション、目のメイクアップ、肌のケア用品、個人衛生製品および局所用薬剤、又は活性成分伝達等の製品に用いられてもよい。
【0053】
他の実施の形態では、本開示の組成物は、この分野で通常採用される抗酸化剤、芳香剤、精油、安定化剤、化粧用活性基質、保湿剤、ビタミン類、必須脂肪酸、脂溶性の日焼け防止剤、脂溶性ポリマーや、滑らかさと伸びの良さと、耐水性および耐油性、移りにくさ、または当業者が望むその他の美容もしくは美容薬品の特性を改良するために、特にポリアルキレン、ポリアミドのような炭化水素ポリマーなどの添加剤を含むようにしてもよい。任意に加えられる原料の限定されない例は、皮膚軟化剤、増粘剤、例えば、乳白剤、粘土添加物または有機粘土添加物、シリカ、セルロース誘導体、可塑剤、ゲル、脂肪酸、脂肪、粉末、油、防腐剤、溶媒、界面活性剤;ヘクトライト;アクリルポリマーやポリウレタンタイプの会合性ポリマーのような合成ポリマー;展着剤;分散剤;保存料;消泡剤;湿潤剤;紫外線遮断剤;香料;増量剤や充填剤;結合剤;美容用または医薬用活性物質;保湿剤;これらに限定されないが粉末や油などの感触向上剤;ビタミン類およびそれらの誘導体;生体物質およびそれらの誘導体を含む。組成物の柔軟性と弾力性とをさらに増加させる場合、化粧用物質によく添加されている可塑剤を加えることも可能である。適切な物質が任意に用いられ、共溶媒に可溶であって溶解される、低分子量と高分子量の可塑剤の両方を含んでもよい。
【0054】
懸濁化剤および増粘剤は、シリカゲル、ゴム、粘土添加物、ヒュームドシリカ、脂肪酸石鹸や種々の炭化水素ゲル、及び他の原料を含み、製剤に加えられる場合ケラチン組織の表面に残るものである。本開示の組成物に好ましく用いられる、皮膚軟化剤のような原料の限定しない例は、グリセリン、プロピレングリコール、シクロメチコーン、ジメチコーンや皮膚軟化剤および参照することによって本明細書に援用されるInternational Cosmetic Dictionary and Handbook Vols. 1 and 2. Eds. Wenninger, J. A. and G. N. McEwen, Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Washington D.C., 2000に開示された他の同様の原料を含む。
【0055】
顔料は必ずしも上述の1種の角度彩色性顔料に限られず、無機または有機、白色のあるいは着色された粒子を意味すると理解されるべきである。本開示でよく用いられる着色剤は、当技術分野でよく知られ、その内容を参照することで本明細書に援用されるCosmetic Ingredient Handbook, 初版, J. M. Nikitakis, et al., Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Washington D.C., 1988に開示された顔料、媒染剤や染料を含んでもよい。組成物の用途に応じて、有色または無色にするために顔料が加えられる。
【0056】
他の実施の形態は、組成物の質感を改良し、つや消しされた又は光沢ある態様を得るために増量剤、真珠層などを含む本発明に係る組成物に関する。増量剤は、薄板状または非薄板状、無機のまたは合成の、無色または白い粒子を意味すると理解されるべきである。真珠層は、特に殻に入った特定の軟体動物によって産生されるか、その他合成される玉虫色の粒子を意味すると理解されるべきである。本開示でよく用いられる真珠色剤は、雲母、酸化鉄、二酸化チタンおよび美容分野で知られた他の真珠色剤を含む。単独または組み合わせで用いられる増量剤およびマイクロスフィアの限定しない例、例えば固形パウダー組成物プロトタイプは、滑石、コーンスターチナイロン粉末、ポリメチル・メタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、窒化ホウ素、ケイ酸カルシウムなどを含む。
【0057】
真菌、細菌あるいは微生物の増殖を防止するか抑制するために美容分野でよく用いられる化合物が本開示の組成物にも加えられる。それら化合物を含有することによって、組成物の保存可能期間が延長される。これらの抗真菌剤および抗微生物剤は限定されないがメチルバラベン、ブチルパラベン、デヒドロ酢酸ナトリウムなどを含む。抗真菌剤または抗微生物剤の量は、本発明に係る組成物の成分または求められる効果に対する不利な影響を及ぼさず、かつ増殖を抑制するのに有効な量である。
【0058】
もちろん、当業者は任意に加えられる化合物および/またはその量を、想定される添加物によって本開示によるところの組成物の有利な特性が低下しないか、あるいは実質的に低下しないように慎重に選択する。製品の展着性と滑らかさを改良するために本開示の製剤に上記物質が加えられる実施の形態では、望ましい特性が保持されるために上述の物質は、製剤において低い濃度で混入されるのが好ましい。これらの原料は、求められる特性、例えば組成物の強度、本来の色の視覚効果または時間のオーダーではなく数分のオーダーでの約115℃以下の溶解温度を備える組成物を調製するために当業者によって多様に選択されてもよい。また、加える原料およびそれらの濃度の選択は、求められる特性を変えるために調整されてもよい。1つの実施の形態では、深い意味のない目的、例えば本発明に係る組成物を消費者にさらにアピールするために、香料が加えられてもよい。
【0059】
この技術および本発明に係る組成物は、多種多様な無水かつ粉末状の製品、例えばこれらに限定されないがコンシーラー、マスカラ、頬紅、アイライナー、アイシャドウ、顔用または全身用のパウダー、および日焼け防止剤や虫除けのようなスキンケア製品に利用可能である。特に、本開示の組成物は、美容製剤を含んでもよい。本開示の1つの実施の形態は、化粧用ファンデーションに関連し、ここで化粧用ファンデーションの該製剤は、本開示の組成物に加えて、範囲を提供し、かつ求められる他の特性をもたらす量で、追加される増粘剤および皮膚軟化剤を含んでもよい。
【0060】
本開示のさらなる実施の形態は、日焼けローションあるいは日焼け防止剤を提供するために、反射体、吸収体または紫外線フィルターを含有するローション又はスティック組成物を含む。日焼け防止剤を運ぶ便利な手段は、固形のスティック製剤である。スティック製剤は、ローションに見られる欠点がない。
【0061】
さらに、本開示の他の実施の形態は、アイライナーおよびアイシャドウ製品を含む。例えば、本開示の組成物を用いるアイライナーとアイシャドウは、開示された組成物が角度彩色性顔料と共存する場合に色彩変化を増加させる。
【0062】
例えば本開示の全ての実施の形態に係る、キットあるいは製品および塗布器への本発明に係る組成物の詰め込みが一般知識に基づいて当業者によって選択されて製造され、梱包される組成物の性質に合わせられる。さらに、使用される装置のタイプは、特に組成物の粘稠度、特にその粘度に関連する。また、それは、揮発性物質のような該組成物に含まれる構成成分の性質に依存する。キットあるいは製品は、これらに限定されないが本発明に係る組成物、該組成物を利用するための装置、該組成物の使用および適用のための説明書、原料のリストおよび/または注意書きなどを含んでもよい。好ましい製品は、スティック組成物が含まれるものである。
【0063】
本明細書で引用された全ての特許、特許出願、公開されたPCT出願や論文、書籍、参照、引用したマニュアルおよび要約の内容は、本開示に関連する技術分野の水準をより十分に説明するために、それらの全体を参照することによって本明細書に援用される。
【0064】
本開示の範囲と精神から逸脱することなく、様々な変更が上述された内容に加えられ得るように、上記記載に含まれる、あるいは添付の特許請求の範囲に定義された全ての内容が本開示の記述的および実例として解釈されることが意図される。本開示の多くの変更および変形が上記教示を考慮することで可能である。
【0065】
実施例
以下の実施例は、本開示の範囲内の実施の形態をさらに記載し、説明する。実施例は、単に説明のためのものであって、本開示を限定せず、それらの多くの変更が本開示の精神と範囲から逸脱することなく可能である。以下で例示される組成物は、説明のみの目的で提供され、本開示の範囲を限定するものではない。
【0066】
実施例1
透明または半透明なスティック組成物
表2に記載された全ての原料がロータースタータ高せん断装置を用いて約500から10,000rpmの間の速度で、約115℃の温度で、約5から15分間あるいは透明な溶液が得られるまで混合された。低せん断を用いる「通常の」混合器が使用されてもよいが、工程が長時間になる。透明な溶液は、透明または半透明なスティック組成物を形成するために、鋳型に注がれた。
【表2】
【0067】
実施例2
透明または半透明なスティック組成物
表3に記載された全ての原料がロータースタータ高せん断装置を用いて約500から10,000rpmの間の速度で、約115℃の温度で、約5から15分間あるいは透明な溶液が得られるまで混合された。透明な溶液は、透明または半透明なスティック組成物を形成するために、鋳型に注がれた。
【表3】
【0068】
実施例3
透明または半透明な組成物の調製方法
透明または半透明な組成物を得るために、溶解温度とゲル化温度が、一般的に見られる温度あるいは個々の成分の性質から予想される温度よりも低くなるように成分が組み合わされた。また、成分が溶解し、ゲルを形成するまでの時間が数分から数時間規模で大幅に短くなった(100グラムから2キログラムのバッチサイズ)。
【0069】
表2の混合物が約5から15分間あるいは透明な溶液が得られるまで、温度115℃まで加熱された。得られたゲル濃縮物は、予め加熱された油またはポリマー、さらに追加の任意の原料、例えば下記の表4に示された抗酸化剤、日焼け防止剤や香料などの混合物に混ぜられた。
【表4】
【0070】
得られた溶融物は、鋳型に流し込まれ、本開示の透明または半透明なスティック組成物を形成するために、約−10℃から約40℃の温度まで約3から10分間冷却された。
【0071】
表5に挙げられた組成は、着色組成物の非限定的な例示であって、それだけで、または中央の芯となるリップスティックの場合のような多相の製品の一部として用いることができる。ここで、表5に挙げられた組成は、内側の芯を提供し、表3の組成は外側の殻を提供し、これにより、ある製剤の内部にある製剤を形成することで、内側の芯が外側の殻を通して見えるようになる。この例では、内側の芯の製剤から外側の殻への色移りを防ぐために、フッ素重合体で処理された着色剤を用いるのが好ましい。
【表5】
【0072】
(関連出願の相互参照)
本願は、2011年4月5日に出願された米国特許出願公開第13/080,034号明細書に基づく優先権を主張し、該出願は、すべての目的のために、その全体を参照することで本願に援用される。
(付記)
(付記1)
(a)少なくとも2種のアミノ酸系ゲル化剤と、
(b)脂肪アルコールと、
(c)少なくとも1種のポリアミド樹脂と、
(d)アルキルジメチコーンと、
(e)油、ポリマーまたはこれらの組み合わせと、
を含み、
約115℃以下の溶解温度を有する、
透明または半透明な組成物。
(付記2)
前記アミノ酸系ゲル化剤は、
N‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドおよびN‐2‐エチルヘキサノイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドである、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記3)
前記アミノ酸系ゲル化剤は、
1:3から3:1の範囲の重量比で含まれる、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記4)
前記アミノ酸系ゲル化剤は、
1:1の重量比で含まれる、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記5)
前記脂肪アルコールは、
組成物全体の約0.1重量%から約30重量%の範囲の量である、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記6)
前記脂肪アルコールは、
オクチルドデカノールである、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記7)
前記アルキルジメチコーンは、
炭素数1個から18個のアルキルを有する、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記8)
前記アルキルジメチコーンは、
ステアリルジメチコーンである、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記9)
前記油またはポリマーは、
極性油、非極性油、液体ポリマー、ポリマー溶液またはこれらの組み合わせである、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記10)
前記油またはポリマーは、
鉱油、イソヘキサデカン、スクアレン、植物油、ホホバ油、ひまし油、アロエ抽出物、ラノリン油、C10‐C30コレステロール、ラノエステロールエステル、ミンク油、カカオ油、ココナッツ油、ヤシ油、ツバキ油、ゴマ油、ひまし油、オリーブ油、シリコーン油、トリデシルトリメリテート、トリイソステアリルクエン酸、ジイソステアレートマレイン酸、ジイソステアリルフマル酸、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、トリイソステアリルポリグリセリル‐3‐ダイマージリノレート、ポリグリセロールジイソステアレートまたはそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記9に記載の組成物。
(付記11)
前記油またはポリマーは、
水素化ポリイソブテンを含む、
ことを特徴とする付記10に記載の組成物。
(付記12)
少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記13)
前記抗酸化剤は、
ブチル化ヒドロキシトルエンである、
ことを特徴とする付記12に記載の組成物。
(付記14)
着色剤をさらに含む、
ことを特徴とする付記1に記載の組成物。
(付記15)
前記着色剤は、
角度彩色性着色剤、アルミニウム塩、真珠光沢剤、光沢剤、またはそれらの組み合わせである、
ことを特徴とする付記14に記載の組成物。
(付記16)
前記角度彩色性着色剤は、
組成物全体の約0.5重量%から約5.0重量%の範囲の量である、
ことを特徴とする付記15に記載の組成物。
(付記17)
前記アルミニウム塩は、
アルミニウムレーキである、
ことを特徴とする付記15に記載の組成物。
(付記18)
前記光沢剤は、
ホログラフ的に浮き出させた、真空金属化ポリエステル薄片である、
ことを特徴とする付記15に記載の組成物。
(付記19)
前記着色剤は、
1種のフッ素重合体または複数種のフッ素重合体の組み合わせで表面処理された、
ことを特徴とする付記15に記載の組成物。
(付記20)
前記ホログラフ的に浮き出させた、真空金属化ポリエステル薄片は、
組成物全体の約2重量%未満の量である、
ことを特徴とする付記18に記載の組成物。
(付記21)
(a)少なくとも2種のアミノ酸系ゲル化剤と、
(b)脂肪アルコールと、
(c)少なくとも1種のポリアミド樹脂と、
(d)アルキルジメチコーンと、
(e)油、ポリマーまたはこれらの組み合わせと、
を含む成分を混合することと、
約115℃以下の温度で上記成分を溶解することによって透明または半透明な組成物を製造することと、
を含む方法。
(付記22)
前記成分(a)と(b)とが最初に混合され、約115℃以下に加熱され、続いて成分(c)と(d)と(e)とが加えられる、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。
(付記23)
前記溶解した成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)の混合は、粘着性ゲル、半固体または固体の組成物を形成する、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。
(付記24)
溶解した組成物を鋳型に流し込み、前記成形されたものの構造または見た目を損なわないように前記組成物を数分以内に取り出すことをさらに含む、
ことを特徴とする付記23に記載の方法。
(付記25)
前記アミノ酸系ゲル化剤は、
N‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドおよびN‐2‐エチルヘキサノイル‐L‐グルタミン酸ジブチルアミドである、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。
(付記26)
前記脂肪アルコールは、
オクチルドデカノールである、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。
(付記27)
前記アルキルジメチコーンは、
ステアリルジメチコーンである、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。
(付記28)
付加的な原料として、抗酸化剤、補強剤、着色剤、香料、制汗剤、防臭剤、紫外フィルター、抗真菌化合物、抗微生物化合物またはそれらの組み合わせを加えることをさらに含む、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。
(付記29)
前記油またはポリマーは、
水素化ポリイソブテンを含む、
ことを特徴とする付記10に記載の方法。
(付記30)
前記ポリアミド樹脂は、
エチレンジアミン水素化2量体ジリノール酸共重合体ビス‐ジ‐C14‐18アルキルアミドである、
ことを特徴とする付記21に記載の方法。