【文献】
Texas Instruments,Discussion on UL DM RS for SU - MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#57 R1-091843,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_57/Docs/R1-091843.zip>,2009年 5月 2日
【文献】
ETRI,Discussion on DM RS for Uplink SU-MIMO in LTE-A[online], 3GPP TSG-RAN WG1#58 R1-093436,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58/Docs/R1-093436.zip>,2008年 8月19日
【文献】
Panasonic,Views on UL DM-RS[online], 3GPP TSG-RAN WG1#59 R1-094508,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_59/Docs/R1-094508.zip>,2009年11月 2日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のレイヤ番号のうちの同一のレイヤ番号に対して、複数の巡回シフト量のうち、同一の直交系列に対応付けられた巡回シフト量の数と、前記同一の直交系列とは異なる直交系列に対応付けられた巡回シフト量の数とが等しい、
請求項1から請求項12のいずれかに記載の基地局装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
先ず、実施の形態の具体的な構成及び動作を説明する前に、本発明の着眼点について説明する。
【0026】
SU−MIMOでは、1つの端末が同時に複数のストリームでデータ信号を送信する。ここで、ストリームとは、データ信号もしくはパイロット信号に関連付けられたアンテナポートから送信される信号(またはその空間上の通信路)とする。なお、ストリームはレイヤーと呼ばれることもある。また、LTE−A上り回線の復調用パイロット信号で検討されているウェイト制御に用いるベクトル(プリコーディングベクトル)ではストリームとプリコーディングベクトルが1対1に対応する。
【0027】
一方、MU−MIMOでは、複数の端末が同時に1つ又は複数のストリームでデータ信号を送信する。
【0028】
このとき、SU−MIMOでは、1端末当たりのストリーム数が増加するに従い、パイロット信号の系列間干渉が増加し、MU−MIMOでは、1端末当たりのストリーム数又は空間多重する端末数が増加するに従い、パイロット信号の系列間干渉が増加する。
【0029】
したがって、1端末当たりのストリーム数及び空間多重する端末数が共に多い状況では、データ信号及びパイロット信号の信号間干渉が大きくなり誤り率が大きく劣化する。そのため、このような状況が実際の環境で用いられる可能性は低く(
図6参照)、また、このような状況に対して性能改善を行ってもシステム全体への性能改善量の寄与が小さいと考えられる。
【0030】
また、LTE−A上り回線では、実環境で実現可能な空間多重数として、送受信アンテナ4本ずつを用いるSU−MIMO送信、すなわち最大ストリーム数が4のMIMO送信が検討されている。SU−MIMOに基づくとMU−MIMO送信でも同様に最大ストリーム数4が実環境で実現可能な空間多重数となる。そのため、以下では、SU−MIMOにおける1端末当たりのストリーム数が最大4以下、または、MU−MIMOにおける端末のストリーム数の合計が4以下の場合を例にして検討する。
【0031】
[基地局装置の構成]
図7は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示す図である。
【0032】
符号化部101には、送信データ(下り回線データ)、誤り検出部117から入力される応答信号(ACK/NACK信号)、スケジューリング部109から入力される各端末のリソース割当情報、MCS(Modulation Coding Scheme)等を示す制御情報、送信電力・重み(ウェイト)を制御するためのウェイト制御情報、巡回シフト量に関する情報、巡回シフト量(またはストリーム番号)とウォルシュ系列との対応関係を示す情報などが入力される。ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報については、後述する。
【0033】
なお、応答信号、リソース割当情報、制御情報、ウェイト制御情報、巡回シフト量に関する情報、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報などにより、割当制御情報が構成される。そして、符号化部101は、送信データ及び割当制御情報を符号化し、符号化データを変調部102に出力する。巡回シフト量に関する情報、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報を含む割当制御情報は、スケジューリング毎に後述の送信RF(Radio Frequency)部103から送信される。
【0034】
変調部102は、符号化部101から入力される符号化データを変調し、変調後の信号を送信RF部103に出力する。
【0035】
送信RF部103は、変調部102から入力される信号にD/A(Digital to Analog)変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号を1つ以上のアンテナから各端末へ無線送信する。
【0036】
受信RF部104は、アンテナを介して受信した各端末からの信号にダウンコンバート、A/D(Analog to Digital)変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を分離部105に出力する。
【0037】
分離部105は、受信RF部104から入力される信号をパイロット信号とデータ信号とに分離する。そして、分離部105は、パイロット信号をDFT(discrete Fourier transform)部106に出力し、データ信号をDFT部111に出力する。
【0038】
DFT部106は、分離部105から入力されるパイロット信号にDFT処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換する。そして、DFT部106は、周波数領域に変換したパイロット信号をデマッピング部107に出力する。
【0039】
デマッピング部107は、DFT部106から入力される周波数領域のパイロット信号から各端末の送信帯域に対応した部分のパイロット信号を抽出する。そして、デマッピング部107は、抽出した各パイロット信号を推定部108に出力する。
【0040】
推定部108は、パイロット情報決定部110からパイロット信号の系列に関する情報として入力される巡回シフト量、及び、ウォルシュ系列(w1かw2か)に基づいて、受信するパイロット信号の系列を判定する。
【0041】
さらに、推定部108は、パイロット信号の系列に関する情報を用いて、デマッピング部107から入力されるパイロット信号から所望のパイロット信号を抽出し、周波数領域のチャネル状態(チャネルの周波数応答)の推定値及び受信品質の推定値を推定する。そして、推定部108は、チャネルの周波数応答の推定値を信号分離部113に出力し、受信品質の推定値をスケジューリング部109に出力する。
【0042】
スケジューリング部109は、推定部108から入力される受信品質の推定値に従って、各端末が送信する送信信号の送信帯域(周波数リソース)への割り当てをスケジューリングする。また、各端末が送信する送信信号の送信電力・重み(ウェイト)を決定する。そして、スケジューリング部109は、スケジューリング結果を示す割当制御情報(例えば、リソース割当情報、制御情報)、及び、送信電力・重み(ウェイト)を制御するためのウェイト制御情報を符号化部101に出力し、リソース割当情報をパイロット情報決定部110に出力する。
【0043】
パイロット情報決定部110は、スケジューリング部109から入力されるリソース割当情報を基に、パイロット信号の送信帯域を判定する。また、パイロット情報決定部110は、ストリーム番号とウォルシュ系列との複数の対応関係を記憶し、複数の対応関係の中からパイロット信号間の系列間干渉を軽減できるストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を選択する。
【0044】
図8は、パイロット情報決定部110が記憶するストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係の一例を示す図である。
図8に示す例では、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係として、パターンAとパターンBとの2つが示されている。パイロット情報決定部110は、例えば、MU−MIMOの場合、多重される端末に対してそれぞれパターンA、パターンBを割り当て、パターンA又はパターンBを示すストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報を、推定部108及び符号化部101に出力する。パターンAとパターンBとでは、同一のストリーム番号に互いに異なるウォルシュ系列が対応付けられているため、各端末のそれぞれにパターンA、パターンBを割り当てることにより、端末間での系列間干渉を小さくすることができる。
【0045】
さらに、パイロット情報決定部110は、当該対応関係に加えて、パイロット信号間の系列間干渉を軽減できる巡回シフト系列の巡回シフト量を決定する。パイロット情報決定部110は、例えば、各ストリームに、系列間干渉を軽減できる巡回シフト量の差が大きい巡回シフト系列を割り当てる。そして、パイロット情報決定部110は、決定した巡回シフト系列の巡回シフト量に関する情報を、推定部108及び符号化部101に出力する。
【0046】
一方、DFT部111は、分離部105から入力されるデータ信号にDFT処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換する。そして、DFT部111は、周波数領域に変換したデータ信号をデマッピング部112に出力する。
【0047】
デマッピング部112は、DFT部111から入力される信号から各端末の送信帯域に対応した部分のデータ信号を抽出する。そして、デマッピング部112は、抽出した各信号を信号分離部113に出力する。
【0048】
信号分離部113は、推定部108から入力されるチャネルの周波数応答の推定値を用いて、デマッピング部112から入力されるデータ信号を送信電力・重み(ウェイト)により重み付けして合成することで、各ストリームのデータ信号に分離する。そして、信号分離部113は、等化処理を施したデータ信号をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部114に出力する。
【0049】
IFFT部114は、信号分離部113から入力されるデータ信号にIFFT処理を施す。そして、IFFT部114は、IFFT処理を施した信号を復調部115に出力する。
【0050】
復調部115は、IFFT部114から入力される信号に復調処理を施し、復調処理を施した信号を復号部116に出力する。
【0051】
復号部116は、復調部115から入力される信号に復号処理を施し、復号処理を施した信号(復号ビット列)を誤り検出部117に出力する。誤り検出部117は、復号部116から入力される復号ビット列に対して誤り検出を行う。例えば、誤り検出部117は、CRC(Cyclic Redundancy Check)を用いて誤り検出を行う。
【0052】
誤り検出部117は、誤り検出の結果、復号ビットに誤りが有る場合には応答信号としてNACK信号を生成し、復号ビットに誤りが無い場合には応答信号としてACK信号を生成する。そして、誤り検出部117は、生成した応答信号を符号化部101に出力する。また、誤り検出部117は、復号ビットに誤りが無い場合は、データ信号を受信データとして出力する。
【0053】
[端末局装置の構成]
図9は、本実施の形態に係る端末200の構成を示す図である。
【0054】
受信RF部201は、アンテナを介して受信した基地局からの信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を復調部202に出力する。
【0055】
復調部202は、受信RF部201から入力される信号に等化処理及び復調処理を施し、これらの処理を施した信号を復号部203に出力する。
【0056】
復号部203は、復調部202から入力される信号に復号処理を施し、復号処理後の信号から受信データ及び割当制御情報を抽出する。ここで、割当制御情報には、応答信号(ACK信号/NACK信号)、リソース割当情報、制御情報、ウェイト制御情報、巡回シフト量に関する情報、及び、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報が含まれる。復号部203は、抽出した割当制御情報のうち、リソース割当情報、制御情報を符号化部207、変調部208及び割当部209に出力し、ウェイト制御情報を送信電力・ウェイト制御部211に出力し、巡回シフト量に関する情報及びストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報をパイロット情報決定部204に出力する。
【0057】
パイロット情報決定部204は、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係(パターン)を複数記憶し、復号部203から入力されるストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報を基にして、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を決定する。上記ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報は、パターンAかパターンBを通知する情報に限定するものではなく、ストリーム0で使用するウォルシュ系列がw1かw2を示す情報であってもよい。
【0058】
例えば、パイロット情報決定部204が、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係として、
図8に示すようなパターンA及びパターンBを記憶している場合に、復号部203から入力されるこれら対応関係を示す情報(パターンAかパターンBという情報)に基づいて、各ストリームで用いるウォルシュ系列を決定する。
【0059】
また、パイロット情報決定部204は、復号部203から入力される巡回シフト量に関する情報に従って、巡回シフト系列の巡回シフト量を決定する。そして、パイロット情報決定部204は、決定した情報をパイロット信号生成部205に出力する。
【0060】
パイロット信号生成部205は、パイロット情報決定部204から入力された巡回シフト量及びウォルシュ系列に関する情報に基づいてパイロット信号を生成し、パイロット信号を多重化部210に出力する。より具体的には、パイロット信号生成部205は、パイロット情報決定部204により設定された巡回シフト量に応じた巡回シフト系列を、パイロット情報決定部204により設定されたウォルシュ系列で拡散し、拡散後の信号を多重化部210に出力する。
【0061】
CRC部206には、送信データが分割されて入力される。そして、入力された送信データに対してCRC符号化を行ってCRC符号化データを生成し、生成したCRC符号化データを符号化部207に出力する。
【0062】
符号化部207は、復号部203から入力された制御情報を用いて、CRC部206から入力されるCRC符号化データを符号化し、符号化データを変調部208に出力する。
【0063】
変調部208は、復号部203から入力された制御情報を用いて、符号化部207から入力される符号化データを変調し、変調後のデータ信号を割当部209に出力する。
【0064】
割当部209は、復号部203から入力されるリソース割当情報に基づいて、変調部208から入力されるデータ信号を周波数リソース(RB)に割り当てる。割当部209は、RBに割り当てられたデータ信号を多重化部210に出力する。
【0065】
多重化部210は、割当部209から入力されるデータ信号とパイロット信号とを時間多重し、多重信号を送信電力・ウェイト制御部211に出力する。
【0066】
送信電力・ウェイト制御部211は、復号部203から入力されるウェイト制御情報を基に送信電力・重み(ウェイト)を決定し、多重化部210から入力される各多重信号に送信電力・重み(ウェイト)を乗算し、乗算後の多重信号を送信RF部212に出力する。
【0067】
送信RF部212は、送信電力・ウェイト制御部211から入力される多重信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナから基地局へ無線送信する。
【0068】
次に、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係について説明する。
【0069】
ここで、SU−MIMOでは、1端末が複数のストリームを送信するため、各ストリームの送信帯域幅(データ信号を送信する帯域幅)が同一に設定される。1端末に対する送信帯域幅を同一とすることにより、リソース割当の制御情報の通知量を軽減することができるからである。このように、SU−MIMOでは、系列間で送信帯域幅が同一であるため、巡回シフト系列によって系列間での直交性を維持することができ、系列間干渉の軽減効果が高く、系列間干渉が小さい。
【0070】
一方、MU−MIMOでは、各端末に対して送信帯域幅がそれぞれ通知されるため、各端末で異なる送信帯域幅を設定することが可能であり、各端末の伝搬路状況に適応した送信帯域幅を設定することができる。そのため、系列間で送信帯域幅が異なる場合には、巡回シフト系列のみでは系列間の直交性を維持することができず、系列間干渉の軽減効果が低く、系列間干渉が大きい。
【0071】
そこで、以下では、MU−MIMOにおける端末数を系列長2(LTEのサブフレーム構成で実現できる長さ)のウォルシュ系列で生成できる個数に合わせて2とする。また、MU−MIMOに加えSU−MIMOにおける系列間干渉を含めた観点から系列間干渉を低く抑えられるように、各ウォルシュ系列を2(=LTE−Aで検討される最大ストリーム数/ウォルシュ系列の個数)ストリームずつに対応付ける場合を想定する。そして、この場合におけるストリーム番号とウォルシュ系列との適切な対応関係を検討する。
【0072】
本実施の形態では、MU−MIMOにおいて、各端末が、互いに直交するウォルシュ系列を用いるようにする。ウォルシュ系列は、系列間で送信帯域幅が異なる場合においても直交性を維持することができる。
【0073】
図8は、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応例を示す図である。各端末に割り当てられるストリーム数が2以下であるMU−MIMOでは端末間で異なるウォルシュ系列を用いることができるため、系列間で直交性を維持することができる。なお、上述したように、ストリーム番号とは、データが割り当てられる順番を示す番号である。
【0074】
図8に示す対応例を用いる場合、パターンAでは、第1ストリーム(ストリーム#0)及び第2ストリーム(ストリーム#1)から構成される第1ストリームグループには、ウォルシュ系列w1が設定され、第3ストリーム(ストリーム#2)及び第4ストリーム(ストリーム#3)から構成される第2ストリームグループには、ウォルシュ系列w2が設定されることになる。また、パターンBでは、第1ストリームグループには、ウォルシュ系列w2が設定され、第2ストリームグループには、ウォルシュ系列w1が設定されることになる。
【0075】
ここで、一つの方法として、各端末はパターンAかパターンBかという制御情報に基づきパターンを決定し、SU−MIMOでは決定したパターンにおける第1ストリームグループ及び第2ストリームグループが端末に割り当てられる。MU−MIMOでは決定したパターンにおける第1ストリームグループが第1端末に割り当てられ、第2ストリームグループが第2端末に割り当てられる。このように、少なくとも一方が複数のストリームを含む第1及び第2ストリームグループに、互いに直交するウォルシュ系列が設定され、かつ、ユーザがストリームグループ単位で割り当てられる。
【0076】
また、別の方法として、各端末はパターンAかパターンBかという制御情報に基づきパターンを決定し、自局がデータ送信に用いるストリーム数が第1ストリームグループに含まれるストリーム数以下である場合は決定したパターンにおける第1ストリームグループに割り当てた前記系列のみを用い、ストリームグループに含まれるストリーム数より多い場合には第1及び第2ストリームグループに割り当てた前記系列を用いるとする。
【0077】
すなわち、
図8に示すようなストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を用いる場合、パイロット情報決定部204は、第1ストリームには基地局から通知されるウォルシュ系列(w1又はw2)を用いると決定し、第2ストリームでは第1ストリームのウォルシュ系列と同じウォルシュ系列を用いると決定し、第3及び第4のストリームでは、第1及び第2のストリームとは異なるウォルシュ系列を用いると決定する。
【0078】
一般に、ストリーム数の増加に伴い分離性能は大きく劣化するが、SU−MIMOにおいて1端末当たりのストリーム数が2以下であればウォルシュ系列を同一にして巡回シフト系列のみでストリームを分離することができるため、性能劣化は小さい。
【0079】
なお、このように、第1及び第2ストリームグループに、互いに直交するウォルシュ系列が設定される場合、下記の理由からも、互いに直交するウォルシュ系列が割り当てられる第1及び第2ストリームグループが、2ストリームから構成されるとよい。
【0080】
上述したように、LTE−A上り回線ではSU−MIMOとして、送受信アンテナ4本ずつのMIMO送信、すなわち最大ストリーム数を4として検討されている。したがって、各ストリームグループに含まれるストリーム数を2とすると、ウォルシュ系列w1、w2が2ストリームずつに対応付けられることになる。
【0081】
そして、各ストリームグループでは、各巡回シフト量の差が最も大きくなる2つの巡回シフト系列を用いることにより、各ストリーム間で発生する系列間干渉を小さくすることができる。そのため、MIMO送信における最大ストリーム数が4の場合、各ストリームグループには2(=LTE−Aで検討される最大ストリーム数/ウォルシュ系列の個数)ストリームが含まれるようにする。このようにして、各ストリームグループに異なるウォルシュ系列を割り当てることにより、各ストリーム間で発生する系列間干渉を小さくすることができる。
【0082】
そして、この結果、SU−MIMO及びMU−MIMOを同時に適用する場合に、同一端末が用いる複数のパイロット信号における系列間干渉を低く抑えつつ、端末間のパイロット信号における系列間干渉を軽減することができる。
【0083】
なお、MU−MIMO送信では、第1端末が3つのストリームを用い、第2端末が1つのストリームを用いることも想定される。
【0084】
そこで、基地局及び端末間で、互いに直交する異なるウォルシュ系列を割り当てる各ストリームグループを構成するストリーム数N
wを共有する。そして、パイロット情報決定部204は、第1〜第N
wストリームでは、基地局から通知されたウォルシュ系列(w1又はw2)を用い、第(N
w+1)ストリーム以降では、基地局が通知したウォルシュ系列と異なるウォルシュ系列を用いると決定するようにしてもよい。言い換えると、1つの端末局において、第1〜第N
wストリームでは1種類のウォルシュ系列(w1又はw2)を用い、第(N
w+1)ストリーム以降では前記ウォルシュ系列と異なる1種類のウォルシュ系列を用いるようにしてもよい。最初のストリームがw1かw2かは基地局が直接的に通知してもよいし、パターンAかパターンBかの情報として間接的に通知してもよい。例えば、端末に2ストリームを割り当てる場合、基地局及び端末間で、N
w=2を共有しておけばよく、端末に3ストリームを割り当てる場合、基地局及び端末間で、N
w=3を共有しておけばよい。
【0085】
これにより、N
w=2の場合には、例えば、
図8の対応関係を用い、N
w=3の場合には、
図10の対応関係を用いるように、N
wに応じて、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係(パターン)が切り替わることになる。なお、ストリーム数が4において、N
w=4とする場合は全てのストリームで同じウォルシュ系列を用いることになる。
【0086】
なお、MU−MIMOにおける各端末のストリーム数に応じたN
wの値をシグナリングにより通知するようにしてもよい。このとき、SU−MIMOでは、第1〜第N
wストリームまでは、第1ストリームと同じウォルシュ系列を用い、第(N
w+1)ストリーム以降は、第1ストリームのウォルシュ系列とは異なるウォルシュ系列を用いるようにする。これにより、同じウォルシュ系列を用いるストリーム数を任意に変更することができるようになる。また、シグナリングにより、上記技術と従来技術(
図3)を切り替えてもよい。
【0087】
なお、第1端末が3つのストリームを用い、第2端末が1つのストリームを用いる場合においても、3つのストリームから構成される第1ストリームグループと、1つのストリームグループから構成される第2ストリームグループに、互いに直交するウォルシュ系列w1,w2を設定する。そして、第1ストリームグループを第1端末に割り当て、第2ストリームグループを第2端末に割り当てることにより、第1端末と第2端末とは異なるウォルシュ系列を用いることになるため、端末間での系列間干渉が小さくなる。また、パターンAの第1ストリームグループを第1端末に割り当て、パターンBの第1ストリームグループを第2端末に割り当てることにより、第1端末と第2端末とは異なるウォルシュ系列を用いることになるため、端末間での系列間干渉が小さくなる。このように、各端末のストリーム数が3つ以上となるMU−MIMOを想定する場合、第3ストリームに用いるウォルシュ系列も第1ストリームと同様のウォルシュ系列を用いることにより、端末間での系列間干渉を小さくすることができる。
【0088】
N
wを切り替えるシグナリング方法としては、(a)スケジューリング毎に通知する方法、(b)スケジューリングより長い間隔で通知する方法(Higher Layer Signalingなど)がある。
【0089】
また、N
wは端末個別(UE Specific)に通知されるようにしてもよいし、セル個別(Cell Specific)に通知されるようにしてもよい。また、N
wは巡回シフト量の番号に応じて暗示的(Implicit)に通知してもよい。例えば、基地局から端末に通知される巡回シフト量として、『0,2,3,4,6,8,9,10』(すなわち、『0,2,3,4,6,8,9,10』×シンボル長/12(ms))が定義される場合、巡回シフト量『0,2,3,4』のうちのどれかが通知された場合には、N
w=2とし、巡回シフト『6,8,9,10』のうちのどれかが通知された場合には、N
w=4とする。
【0090】
例えば、N
w=2では、2つのストリームから構成される第1ストリームグループと、2つのストリームグループから構成される第2ストリームグループとに、互いに直交するウォルシュ系列w1,w2を設定する。また、N
w=4では、4つのストリームから構成される第1ストリームグループと、0個のストリームグループから構成される第2ストリームグループとに、互いに直交するウォルシュ系列w1,w2を設定する。そして、N
wを明示的又は暗示的に切り替える。すなわち、端末は、N
w=2の場合には、4つのストリームのパイロット信号をw1,w2の2種類を用いて送信し、N
w=4の場合には、4つのストリームのパイロット信号をw1又はw2のどちらか一方を用いて送信することになる。換言すると、第1ストリーム及び第2ストリームでは、同じ符号のウォルシュ系列を用い、第3ストリーム以降では、各ストリームグループを構成するストリーム数N
wによって、第1ストリームと同じ符号又は異なる符号のウォルシュ系列を用いることになる。
【0091】
このようにして、シグナリングによりN
wの値を切り替えられるので、MU−MIMOにおいて空間多重される信号分離性能に応じて設定したストリーム数N
wを用いることができ、系列間干渉を柔軟に軽減できる。
【0092】
なお、以上の説明では、ストリーム番号に対してウォルシュ系列を対応付けたが、ウォルシュ系列に加えて、ストリーム番号に対して巡回シフト量も対応付けることができる。例えば、
図11のように、同一ウォルシュ系列には、巡回シフト量の差が大きい巡回シフト系列(ここでは巡回シフト量として『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』(すなわち、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』×シンボル長/12(ms))が選択できるとする)を割り当てる。
【0093】
具体的には、基地局から第1ストリーム(ストリーム#0)に用いる巡回シフト量Δ0(Δ0<12)が通知されると、第2ストリーム(ストリーム#1)に用いる巡回シフト量Δ1を(Δ0+6)mod12として、巡回シフト量を1/2シンボル長とする(
図11のパターン1及びパターン2参照)。また、第3ストリーム(ストリーム#2)に用いる巡回シフト量Δ2を(Δ0+3)mod12として、巡回シフト量を1/4シンボル長とし、第4ストリーム(ストリーム#3)に用いる巡回シフト量Δ3を(Δ0+9)mod12として、巡回シフト量を3/4シンボル長とする(
図11のパターン1参照)。なお、第3ストリーム(ストリーム#2)に用いる巡回シフト量Δ2を(Δ0+9)mod12、第4ストリーム(ストリーム#3)に用いる巡回シフト量Δ3を(Δ0+3)mod12としてもよい(
図11のパターン2参照)。
【0094】
これにより、ウォルシュ系列w1を用いる系列間でも、ウォルシュ系列w2を用いる系列間でも、巡回シフト量の差を1/2シンボル長にすることができ、巡回シフト量の差を最も大きくできるため、系列間干渉を大きく軽減することができる。一方で、異なるウォルシュ系列(w1とw2)間では、巡回シフト量の差を1/4シンボル長とすることで、巡回シフト系列で系列間干渉を軽減しつつ、更に異なるウォルシュ系列で系列間干渉を軽減する。
【0095】
このように、SU−MIMOにおける1端末当たりのストリーム数、及び、MU−MIMOにおける端末のストリーム数の合計(これらを「使用ストリーム数」という)が4の場合に、第1〜第4ストリームに対して、巡回シフト量のオフセット量として『0,6,3,9』(又は『0,6,9,3』)を用いることにより、系列間干渉を大きく軽減することができる。
【0096】
なお、使用ストリーム数が3の場合には、第1〜第3ストリームに対して、巡回シフト量のオフセット量として『0,6,3』を用いてもよいし、『0,4,8』を用いてもよい。ここで、オフセット量『0,6,3』は、使用ストリーム数が4の場合に適用されるオフセット量『0,6,3,9』と一部が共通する。そのため、使用ストリーム数が3の場合に、巡回シフト量のオフセット量として『0,6,3』を用いることにより、使用ストリーム数が4の場合の処理の一部を用いることができる。すなわち、使用ストリーム数が3の場合と4の場合とでは、同一回路を利用できるので回路規模を低減することができる。ただし、巡回シフト量のオフセット量として『0,6,3』を用いる場合には、各ストリーム間での巡回シフト量の間隔は3となる。一方、使用ストリーム数が3の場合に、巡回シフト量のオフセット量として『0,4,8』を用いる場合には、各ストリーム間での巡回シフト量の間隔が4となり、巡回シフト量の間隔を最大限に広くできる。そのため、使用ストリーム数が3の場合には、巡回シフト量のオフセット量として『0,6,3』を用いる場合に比べ『0,4,8』を用いる場合の方が、系列間干渉の低減効果が高い。
【0097】
以上のように、パイロット情報決定部204は、割当制御情報に基づいて、少なくとも一方が複数のストリームを含む第1及び第2ストリームグループのそれぞれのウォルシュ系列を決定し、パイロット信号生成部205は、決定されたウォルシュ系列で、第1及び第2ストリームグループに含まれる各ストリームを拡散することにより、送信信号を形成する。このとき、第1及び第2ストリームグループには互いに直交するウォルシュ系列が設定され、かつ、ユーザがストリームグループ単位で割り当てられている。
【0098】
(変形例1)
上記で、MU−MIMO送信において、N
w=3の例として、第1〜第3ストリームから構成される第1ストリームグループにウォルシュ系列w1を割り当て、第4ストリームのみで構成される第2ストリームグループにウォルシュ系列w2を割り当てる場合について説明した。
【0099】
この場合、SU−MIMOでは、第1ストリームグループに含まれる第1〜第3ストリームには同一のウォルシュ系列w1が割り当てられるため、巡回シフト系列により3系列間の干渉を軽減する必要が生じる。しかし、N
w=3の場合でも巡回シフト系列間での巡回シフト量の差が十分に大きいため、系列間干渉は十分に軽減できる。
【0100】
このように、SU−MIMOでは、系列間で送信帯域幅が同一であっても、ストリーム数が増加するに従い、巡回シフト系列間での巡回シフト量の差が小さくなり、巡回シフト系列間での系列間干渉が大きくなる。すなわち、SU−MIMOでは、ストリームグループを構成するストリーム数が少ない場合には、巡回シフト量の差を大きくできるため、ウォルシュ系列が同一であっても、巡回シフト系列のみで系列間干渉を十分に軽減できるのに対し、ストリームグループを構成するストリーム数が多い場合には、巡回シフト量の差が小さくなり、系列間の系列間干渉が増加する。
【0101】
そこで、SU−MIMOにおいて、ストリームグループのストリーム数が少ない場合には、符号が同一のウォルシュ系列を適用し、ストリームグループのストリーム数が多い場合には、符号が同一及び異なるウォルシュ系列を適用してもよい。具体的には、SU−MIMOにおいて、ストリームグループのストリーム数が2以下の場合には、ウォルシュ系列w1又はw2を適用し、ストリームグループのストリーム数が3以上の場合には、ウォルシュ系列w1及びw2を適用する。そして、1端末当たりのストリーム数が3以上の場合には、ウォルシュ系列w1が割り当てられた第1ストリームグループ、及び、ウォルシュ系列w2が割り当てられた第2ストリームグループをシングルユーザに割り当てる。すなわち、この場合には、互いに直交するウォルシュ系列が設定された第1及び第2ストリームグループが、シングルユーザに割り当てられる。
【0102】
また、以上の説明では、ストリーム数が4以下の場合を例に説明したが、第5ストリーム以降では第1ストリームからの対応関係が繰り返されるとしてもよい。すなわち、第1と第5ストリーム、第2と第6ストリーム、・・・では、w1のウォルシュ系列が用いられるとしてもよい。
【0103】
なお、本発明の基地局及び端末を以下と置き換えてもよい。
【0104】
基地局は、1つの端末で定義されるストリームが第1ストリームグループと第2ストリームグループとに分類されており、各端末に対して前記第1ストリームグループ及び第2ストリームグループで用いる系列を、第1のウォルシュ系列または第2のウォルシュ系列から選択して設定する設定手段としてのパイロット情報決定部110と、前記設定された第1ストリームグループで用いる系列が第1のウォルシュ系列か第2のウォルシュ系列かを示す制御情報を生成する制御情報生成手段としてのパイロット情報決定部110と、前記制御情報を送信する送信手段としての送信RF部103と、を具備し、設定手段としてのパイロット情報決定部110は、各端末における第1ストリームグループと第2ストリームグループに異なるウォルシュ系列を割り当てる。
【0105】
端末は、1つの端末で定義されるストリームが第1ストリームグループと第2ストリームグループとに分類されており、前記第1ストリームグループで用いる系列が第1のウォルシュ系列か第2のウォルシュ系列かを示す制御情報を受信する受信手段としてのRF受信部201、復調部202及び復号部203と、前記制御情報に基づき、第1ストリームグループには前記制御情報で通知された系列を割り当て、第2ストリームグループには前記制御情報で通知された系列とは異なる系列を割り当てる設定手段としてのパイロット情報決定部204と、設定されたウォルシュ系列で送信信号を形成する形成手段としてのパイロット信号生成部205と、前記形成された送信信号を送信する送信手段としての送信RF部212と、を具備し、形成手段としてのパイロット信号生成部205は、自装置がデータ送信に用いるストリーム数が第1ストリームグループに含まれるストリーム数以下である場合は第1ストリームグループに割り当てた前記系列のみを用い、ストリームグループに含まれるストリーム数よりも多い場合には第1及び第2ストリームグループに割り当てた前記系列を用いる。
【0106】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係の情報、及び、巡回シフト系列の情報を、それぞれスケジューリング毎に通知することを想定した。具体的には、LTEでは、基地局は、巡回シフト系列の巡回シフト量を8種類(LTEで規定された巡回シフト量)の中から選択し、選択した巡回シフト量を3ビットで端末に通知する。また、LTE−Aでは、基地局は、ウォルシュ系列としてw1又はw2のどちらか選択し、1ビットで端末に通知することが検討されている。
【0107】
したがって、実施の形態1では、8種類の巡回シフト系列と2種類のウォルシュ系列との組み合わせにより、端末は16種類の組み合わせの中から、巡回シフト系列及びウォルシュ系列を選択することになる。しかしながら、LTE−A上り回線の実環境において、SU−MIMO又はMU−MIMOで用いられるストリーム数として想定されているストリーム数はたかだか4つであり、系列間干渉が少ない4つの系列がパイロット信号として選択できれば十分である。これらのことを考慮すると、符号多重される系列数(多くても4種類)に対して、パイロット信号の系列を選択する選択肢の数(16種類)が多い。
【0108】
すなわち、系列間干渉が少ない系列として4系列のみを用意すればよいことを考慮すると、パイロット信号の選択肢(自由度)を減少させた場合でも、パイロット信号の系列間干渉に対する影響は少ない。換言すると、スケジューリング毎に巡回シフト系列及びウォルシュ系列の両方を各端末に通知するほどの柔軟性(自由度)は必要ないと考えられる。
【0109】
一方で、MU−MIMOでは、スケジューリング毎に空間多重する端末が異なる。そのため、MU−MIMOでは、スケジューリング毎に異なるウォルシュ系列を設定でき、スケジューリング毎に異なる端末間で空間多重できることが望ましい。換言すると、スケジューリング毎に基地局から通知される情報で、ウォルシュ系列を調整できることが望ましい。
【0110】
そこで、本実施の形態では、第1ストリームに用いる巡回シフト系列の巡回シフト量にウォルシュ系列を対応付けておき、巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアを示す対応関係(パターン)をスケジューリングよりも長い間隔で変更する。すなわち、基地局は、巡回シフト量をスケジューリング毎に通知するとともに、巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアを示す対応関係(パターン)をスケジューリングよりも長い間隔で通知する。これにより、端末では、巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアを示す対応関係(パターン)の受信周期が、巡回シフト量の受信周期より長くなり、ウォルシュ系列の通知量の増加を抑えられる。また、端末は、基地局からスケジューリング毎に通知される巡回シフト量に関する情報に応じて、ウォルシュ系列w1又はw2を設定することができるので、スケジューリング毎にウォルシュ系列を変更できる自由度を維持しつつ、ウォルシュ系列に関する通知量の増加を抑えることができる。
【0111】
なお、上記対応関係はセル毎に異ならせる通知(Cell Specific、セルスペシフィック)としてもよいし、端末毎に異ならせる通知(User Specific、ユーザスペシフィック)としてもよい。セルスペシフィックな通知とする場合、セル内の各端末に対して共通の情報を通知すればよいので、通知量を軽減できる。一方、ユーザスペシフィックな通知とする場合、端末ごとに巡回シフト系列とウォルシュ系列との対応付けを設定できるため、端末に割り当てる系列の柔軟性が増加する。例えば、第1端末では、巡回シフト量2の巡回シフト系列にw1が対応付けられた対応関係を用い、第2端末では、巡回シフト系列量2の巡回シフト系列にw2が対応付けられた対応関係を用いる場合、第1及び第2端末に巡回シフト系列2を割り当て、ウォルシュ系列w1,w2で符号多重することもできる。また、この場合においても、各端末にウォルシュ系列を通知する従来技術と比較してウォルシュ系列の通知に用いる通知量を軽減できる。
【0112】
本発明の実施の形態2に係る基地局の構成は、実施の形態1の
図7に示した構成と同様であり、一部の機能が異なるのみなので、
図7を援用して異なる機能についてのみ説明する。
【0113】
パイロット情報決定部110は、巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアの候補が複数記憶されている使用系列特定テーブルを保持する。
【0114】
図12は、本実施の形態における使用系列特定テーブルの一例を示す図である。使用系列特定テーブルには、第1ストリームに用いる巡回シフト系列の巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアの候補として、パターン1及びパターン2の2つの対応関係(パターン)が定義されている。
【0115】
パターン1では、巡回シフト量『0,2,3,4,6,8,9,10』に対してウォルシュ系列『w2,w2,w2,w2,w1,w1,w1,w1』が対応付けられている。一方、パターン2では、巡回シフト量『0,2,3,4,6,8,9,10』に対してウォルシュ系列『w1,w1,w1,w1,w2,w2,w2,w2』が対応付けられている。
【0116】
このように、例えば、巡回シフト量0の巡回シフト系列に着目すると、使用系列特定テーブルには、パターン1又はパターン2により、巡回シフト量0とウォルシュ系列w1とのペアと、巡回シフト量0とウォルシュ系列w2とのペアとが定義されている。
【0117】
パイロット情報決定部110は、スケジューリング部109から入力されるリソース割当情報に基づいて、パイロット信号の送信帯域を判定し、これらのパイロット信号の系列間干渉を軽減できる上記対応関係(パターン)を選択する。
【0118】
パイロット情報決定部110は、選択した対応関係(パターン)を示す情報を、符号化部101及び推定部108に出力する。なお、使用系列特定テーブルが1パターンのみで構成される場合は、どのパターンを選択したか、及び、選択したパターンを通知する必要がないため、前記選択した対応関係(パターン)を示す情報の通知は不要となる。
【0119】
さらに、パイロット情報決定部110は、選択した対応関係(パターン)から、第1ストリームの巡回シフト系列とウォルシュ系列との組み合わせ(ペア)を決定する。
【0120】
なお、第2ストリーム以降に用いるパイロット信号のウォルシュ系列については、パイロット情報決定部110は、実施の形態1とほぼ同様に決定する。すなわち、パイロット情報決定部110は、上記で決定した第1ストリームのウォルシュ系列を基にして、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係(例えば、
図8に示すパターンAとパターンB)の中から第2ストリーム以降のウォルシュ系列との対応関係を決定する。例えば、第1ストリームのウォルシュ系列がw1であれば、パターンAと決定し、w2であればパターンBと決定する。
【0121】
さらに、パイロット情報決定部110は、対応関係に加えて、第2ストリーム以降の巡回シフト系列の巡回シフト量を決定する。例えば、パイロット情報決定部110は、第2ストリーム以降の巡回シフト系列の巡回シフト量を、第1ストリームの巡回シフト量に固定のオフセットを加えて決定する。又は、第2ストリーム以降の巡回シフト系列の巡回シフト量が制御情報として通知されるとし、パイロット情報決定部110は、この制御情報に基づいて第2ストリーム以降の巡回シフト系列の巡回シフト量を決定するようにしてもよい。そして、パイロット情報決定部110は、決定した巡回シフト量を示す情報及びストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を示す情報を推定部108に出力し、巡回シフト量を示す情報を符号化部101に出力する。
【0122】
そして、基地局は、第1ストリームの巡回シフト系列に用いる巡回シフト量をスケジューリング毎に通知する。
【0123】
さらに、基地局は、パターン1又はパターン2のどちらの対応関係を用いるかを示す指示情報を、スケジューリング間隔より長い間隔で端末に通知する。なお、スケジューリング間隔より長い間隔で通知するシグナリングには、MACヘッダ、RRCシグナリング、又は、報知情報などのHigher Layer Signalingなどがある。
【0124】
本発明の実施の形態2に係る端末の構成は、実施の形態1の
図9に示した構成と同様であり、一部の機能が異なるのみなので、
図9を援用して異なる機能についてのみ説明する。
【0125】
パイロット情報決定部204は、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係(パターン)が複数記憶されている使用系列特定テーブルを保持する。そして、パイロット情報決定部204は、復号部203から入力される巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係を示す情報(スケジューリングよりも長い間隔で通知される情報)を基にして、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係を決定する。
【0126】
例えば、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係として、使用系列特定テーブルには、
図12に示すように、パターン1及びパターン2が記憶されており、パイロット情報決定部204は、復号部203から入力される巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係を示す情報(パターン1かパターン2という情報)を基に対応関係を決定する。
【0127】
また、パイロット情報決定部204は、復号部203から入力される巡回シフト量に関する情報、及び、上記対応関係に従ってウォルシュ系列を決定する。そして、ここで決定した情報をパイロット信号生成部205に出力する。
【0128】
なお、第2ストリーム以降に用いるパイロット信号は、パイロット情報決定部110とほぼ同様に決定する。例えば、パイロット情報決定部204は、複数のストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係を記憶しており、前記決定した第1ストリームのウォルシュ系列(w1又はw2)を基にして、ストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係(例えば、
図8に示すパターンAかパターンB)の中から第2ストリーム以降のウォルシュ系列との対応関係を決定する。
【0129】
また、パイロット情報決定部204は、パイロット情報決定部110と同様に、復号部203から入力される第1ストリームの巡回シフト量に関する情報に従って、第2ストリーム以降の巡回シフト系列の巡回シフト量を決定する。そして、ここで決定した巡回シフト系列の巡回シフト量をパイロット信号生成部205に出力する。
【0130】
次に、本実施の形態における巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係(パターン)について詳述する。本実施の形態では、パイロット情報決定部204は、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係(パターン)が複数記憶されている使用系列特定テーブルを保持し、当該対応関係(パターン)を、スケジューリング間隔より長い間隔で切り替える。
【0131】
本実施の形態では、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係(パターン)を示す情報を、スケジューリングより長い間隔で通知することにより、通知量の増加を抑えることができる。さらに、巡回シフト量とウォルシュ系列とを対応付けることにより、巡回シフト量の選択により、ウォルシュ系列を変更できるため、スケジューリング毎にウォルシュ系列を変更できる自由度を維持できる。
【0132】
すなわち、巡回シフト系列の巡回シフト量は、スケジューリング毎に通知される情報であり、巡回シフト系列の巡回シフト量とウォルシュ系列とを対応付けることにより、スケジューリング毎に通知される巡回シフト系列の巡回シフト量を制御してウォルシュ系列を設定することができるため、スケジューリング毎にウォルシュ系列を変更することが可能となる。
【0133】
また、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係(パターン)を複数定義して、複数の対応関係(パターン)のうち1つを選択することで、各巡回シフト量に対応付けられるウォルシュ系列として、w1及びw2の両方が対応付けられる可能性が高くなり、各端末に割り当てるウォルシュ系列の柔軟性を高めることができる。例えば、
図12の2種類のパターンでは、巡回シフト量が2の巡回シフト系列に対してそれぞれw1,w2が対応付けられているので、端末に巡回シフト量2の巡回シフト系列を割り当てる場合には、ウォルシュ系列w1,w2の2種類から選択できるようになる。
【0134】
また、符号多重される系列数(多くても4種類)に対して、8種類の巡回シフト量及び2種類のウォルシュ系列を最大限に用いる場合は、パイロット信号の系列を選択する選択肢の数が16種類と多いので、パイロット信号の選択肢(自由度)を減少させた場合でも、パイロット信号の系列間干渉に対する影響は少ない。そのため、巡回シフト系列及びウォルシュ系列における選択肢が低下(柔軟性が低下)してもシステム全体への性能に与える影響は小さい。
【0135】
なお、以上の説明では、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係(パターン)を複数用意し、対応関係(パターン)を長い間隔で通知する場合について説明したが、対応関係(パターン)を、
図13に示すように1種類として固定にしてもよい。これにより、従来技術と同様に、巡回シフト量の3ビットのみの通知となり、ウォルシュ系列に関する通知量を、更に軽減することができる。また、上記同様、符号多重される系列数(多くても4種類)に対して、8種類の巡回シフト量及び2種類のウォルシュ系列を最大限に用いる場合、パイロット信号の系列を選択する選択肢の数が16種類と多いので、パイロット信号の選択肢(自由度)を減少させた場合でもパイロット信号の系列間干渉に対する影響は少ない。
【0136】
なお、LTE−A端末のみを想定する場合には、巡回シフト系列に対応付けるウォルシュ系列w1及びw2の個数を、それぞれ同数にすることで、ウォルシュ系列w1又はw2が利用される確率を同程度にすることができ、パイロット信号間の系列間干渉の発生確率を同程度にできる。
図12及び
図13に示した各パターンでは、巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアのうち、ウォルシュ系列w1とのペアの個数とウォルシュ系列w2とのペアの個数とが均等な例である。すなわち、
図12及び
図13に示した各パターンでは、8種類の巡回シフト量に対して、4個のウォルシュ系列w1が対応付けられ、4個のウォルシュ系列w2が対応付けられている。なお、ここで、LTEのように巡回シフト量として『0,2,3,4,6,8,9,10』が定義される場合には、巡回シフト量『0,2,3,4,6,8,9,10』とウォルシュ系列との対応関係を定義すればよい。また、これ以外の『1,5,7,11』が巡回シフト量として定義される場合には、全ての巡回シフト量『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』とウォルシュ系列との対応関係を定義すればよい。
【0137】
また、第1ストリームに用いる巡回シフト量Δ0(Δ0<12)が通知され、第2ストリームに用いる巡回シフト量Δ1として(Δ0+6)mod12として、巡回シフト量を1/2シンボル長として、巡回シフト量の間隔が最も離れる(巡回シフト量の差が最大となる)ように(すなわち巡回シフト量の間隔が6)する場合、巡回シフト量が最も離れる巡回シフト量同士のペア(例えば、巡回シフト量(0,6))に対し、ペアを構成する一方の巡回シフト量に対応付けるウォルシュ系列と、他方の巡回シフト量に対応付けるウォルシュ系列とを異なる系列としてもよい。
【0138】
図14は、巡回シフト量が最も離れる巡回シフト量同士のペア(例えば、巡回シフト量(0,6))に対し、ペアを構成する一方の巡回シフト量に対応付けるウォルシュ系列と、他方の巡回シフト量に対応付けるウォルシュ系列とを異なる系列とする使用系列特定テーブルの一例である。
図14に示すように、例えば、巡回シフト量『0』にウォルシュ系列w1を対応付け、巡回シフト量『6』に対し巡回シフト量が最も離れる巡回シフト量『6』にw2を対応付ける。同様に、巡回シフト量『2,3,4』にウォルシュ系列w1を対応付け、巡回シフト量『2,3,4』に対しそれぞれ巡回シフト量が最も離れる巡回シフト量『8,9,10』にw2を対応付ける。このようにして、
図14に示すように、巡回シフト量が最も離れる巡回シフト量同士のペア(0,6),(2,8),(3,9),(4,10)を構成する巡回シフト量同士には、異なるウォルシュ系列w1、w2が対応付けられている。
【0139】
図14の使用系列特定テーブルのように、第1ストリームの巡回シフト量Δ0に対し、第2ストリームの巡回シフト量Δ1を、巡回シフト量が最も離れる巡回シフト量(すなわち、Δ1=Δ0+6)に設定する場合の利点について、
図15を用いて説明する。
【0140】
図15には、第1ストリームに用いる巡回シフト系列の巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアの各候補が使用系列特定テーブルに定義されている。そして、第1ストリームの巡回シフト量Δ0に対し、第2ストリームの巡回シフト量Δ1を、最も離れる巡回シフト量(すなわち、Δ1=Δ0+6)に設定する場合について考える。このとき、第1ストリームの巡回シフト量Δ0として『0』が通知されると、第2ストリームの巡回シフト量Δ1は『6』に設定され、第1及び第2ストリームのウォルシュ系列はw1に設定される。一方、第1ストリームの巡回シフト量Δ0として『6』が通知されると、第2ストリームの巡回シフト量Δ1は『0』に設定され、第1及び第2ストリームのウォルシュ系列はw2に設定される。
【0141】
すなわち、第1及び第2ストリームの巡回シフト量のペアは、いずれも(0,6)となるが、基地局が端末に第1ストリームの巡回シフト量Δ0として『0』又は『6』のどちらを通知したかによって、第1及び第2ストリームに設定されるウォルシュ系列を切り替えることができる。
【0142】
このように、使用系列特定テーブルにおいて、第2ストリームの巡回シフト量を第1ストリームの巡回シフト量から所定のオフセット量だけ離れた巡回シフト量に設定する場合に、所定のオフセット量だけ離れた巡回シフト量同士(CS1及びCS2)に、異なるウォルシュ系列を対応付ける。これにより、基地局から端末に通知される巡回シフト量がCS1かCS2かに応じて、第1及び第2ストリームに異なるウォルシュ系列を設定することができるようになる。
【0143】
これに対し、第2ストリームの巡回シフト量を第1ストリームの巡回シフト量から最も離れた巡回シフト量に設定する場合に、巡回シフト量が最も離れた巡回シフト量同士(CS1及びCS2)に、同一のウォルシュ系列を対応付ける場合には、基地局から端末に通知される巡回シフト量がCS1であってもCS2であっても、同一のウォルシュ系列が設定されることになる。そのため、最も離れた巡回シフト量同士(CS1及びCS2)に、異なるウォルシュ系列を対応付ける場合に比べ、ウォルシュ系列の変更の自由度が減少する。また、最も離れた巡回シフト量同士(CS1及びCS2)に対応付けられるウォルシュ系列を切り替えるためには、
図12を用いて説明したように、どちらのパターンを用いるかHigher Layer Signalingで通知する必要が生じ、余分な通知ビットが必要となる。
【0144】
(変形例1)
LTE−A端末はウォルシュ系列w1又はw2を用いるのに対し、LTE端末はウォルシュ系列を想定していないため、ウォルシュ系列に関する規定がなく、常にウォルシュ系列w1を用いていることと等価である。ここで、LTE端末及びLTE−A端末が共存する環境を想定すると、LTE−A端末ではウォルシュ系列w1又はw2を利用する確率がほぼ均等であるが、LTE端末ではウォルシュ系列w1が利用される確率が高い。そのため、ウォルシュ系列w1を用いる場合、ウォルシュ系列w2を用いる場合よりもパイロット信号において系列間干渉の発生確率が高い。
【0145】
そこで、使用系列特定テーブルに記憶される対応関係(パターン)において、巡回シフト系列とウォルシュ系列とのペアのうち、ウォルシュ系列w1のペアの個数が、ウォルシュ系列w2のペアの個数より少ないようにする。なお、ここで、ウォルシュ系列w1とは、[1 1]であり、全要素が「1」で構成される系列である。
【0146】
図16は、巡回シフト系列とウォルシュ系列とのペアの候補を示す図である。
図16に示すように、例えば、巡回シフト量『0,2,3,4,6,8,9,10』に対してウォルシュ系列『w1,w1,w1,w2,w2,w2,w2,w2』をそれぞれ対応付け、ウォルシュ系列w1とのペアを3個とし、ウォルシュ系列w2とのペアを5個として、ウォルシュ系列w1とのペアの個数をウォルシュ系列w2とのペアの個数よりも少なくする。
【0147】
このようにして、ウォルシュ系列w1とのペアの個数と、ウォルシュ系列w2とのペアの個数とに差を持たせることにより、LTE端末が用いるウォルシュ系列w1に対し系列間干渉が低いウォルシュ系列w2が選択されやすくなるため、LTE端末からの系列間干渉を軽減することができる。
【0148】
例えば、LTE端末が多数存在する環境では、パターン2でw2のウォルシュ系列を利用しやすくすることでパイロット信号の系列間干渉を軽減でき、LTE端末とLTE−A端末とが同程度である環境ではパターン1でw1及びw2のウォルシュ系列を均等にすることでパイロット信号の系列間干渉を軽減できる。なお、この対応関係はスケジューリングよりも長い間隔で変更される。
【0149】
(変形例2)
巡回シフト系列では、巡回シフト量が近い巡回シフト系列間ほど系列間干渉が増加する。例えば、巡回シフト量が2の巡回シフト系列と、巡回シフト量1又は3の巡回シフト系列とでは、系列間干渉が大きい。そのため、巡回シフト量が近いほど異なるウォルシュ系列を用いて、系列間干渉を軽減することが好ましい。
【0150】
そこで、隣接する巡回シフト量が不連続の場合、同じウォルシュ系列又は異なるウォルシュ系列のどちらか一方を対応付け、隣接する巡回シフト量が連続の場合、異なる符号のウォルシュ系列を対応付ける。
【0151】
図17は、巡回シフト系列とウォルシュ系列とのペアの候補を示す図である。
図17に示すように、巡回シフト量『0,2,3,4,6,8,9,10』に対してウォルシュ系列『w2,w1,w2,w1,w2,w2,w1,w2』をそれぞれ対応付けて、連続する巡回シフト量『2,3,4』、『8,9,10』では隣接する巡回シフト量間で異なるウォルシュ系列のウォルシュ系列を対応付ける。
【0152】
このようにして、隣接する巡回シフト量とペアになるウォルシュ系列が異なるようにすることにより、最も系列間干渉が大きい隣接する巡回シフト量の巡回シフト系列間の系列間干渉を低減することができる。
【0153】
なお、(変形例1)と(変形例2)とを組み合わせることもできる。例えば、
図17において、ウォルシュ系列w1とのペアの個数を3個とし、ウォルシュ系列w2とのペアの個数を5個として、ウォルシュ系列w1とのペアの個数をウォルシュ系列w2とのペアの個数よりも少なくしている。
【0154】
(変形例3)
巡回シフト系列では、巡回シフト量が近い巡回シフト系列間ほど系列間干渉が増加する。そのたため、巡回シフト量が近い巡回シフト系列間ほど異なるウォルシュ系列を用いることが好ましい。
【0155】
そこで、奇数の巡回シフト量の巡回シフト系列とはウォルシュ系列w2をペアとし、偶数の巡回シフト量の巡回シフト系列とはウォルシュ系列w1をペアとする。
【0156】
図18及び
図19は、巡回シフト系列とウォルシュ系列とのペアの候補を示す図である。
図19に示すように、使用ストリーム数4を想定した場合においても、隣接する巡回シフト量では異なるウォルシュ系列を設定できるため、系列間干渉を低減することができる。例えば、第1端末が巡回シフト量『0,6』を用い、第2端末が巡回シフト量『3,9』を用いてMU(Multi User)−MIMOすることにより、巡回シフト量の間隔を最も離しつつ、隣接する巡回シフト量では異なるウォルシュ系列を設定できるため、系列間干渉を低減することができる。
【0157】
また、LTE−A上りMIMO送信では、LTEで通知される巡回シフト量のみではなく、全ての巡回シフト量が用いられる可能性がある。例えば、第2ストリームの巡回シフト量を第1ストリームからのオフセットで決定する場合に、オフセット量3、第1ストリームの巡回シフト量2が通知されると、第2ストリームの巡回シフト量が5と決定され、LTEで定義されない巡回シフト量5を用いることになる。この場合においても、上記対応関係を用いる場合には、隣接する巡回シフト量で異なるウォルシュ系列が用いられるようになるため、巡回シフト量が近い巡回シフト系列間における系列間干渉を低減することができる。
【0158】
なお、第2ストリーム以降は、実施の形態1と同様に、ウォルシュ系列を設定してもよいし、これに限られず、第2ストリーム以降も第1ストリームと同様にウォルシュ系列を設定してもよい。例えば、基地局が第2ストリーム以降の巡回シフト量も通知して、以上説明した第1ストリームと同様に、ウォルシュ系列の符号が巡回シフト量から導かれるとしてもよい。実施の形態2を実施の形態1とは独立に適用しても、ウォルシュ系列の通知量の増加を抑えることができる。
【0159】
(実施の形態3)
実施の形態2では、使用系列特定テーブルには、第1ストリームに用いる巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係が定義されていた。そして、第2ストリームのウォルシュ系列は、第1ストリームと同一符号のウォルシュ系列とする、第3ストリーム以降のウォルシュ系列は、第1及び第2ストリームで用いるウォルシュ系列と同一符号又は異なる符号のウォルシュ系列から選択する、又は、第1及び第2ストリームのウォルシュ系列と異なる符号のウォルシュ系列とする場合について説明した。すなわち、第2ストリーム以降のウォルシュ系列が、ストリーム番号から暗示的(Implicit)に決定される方法について説明した。
【0160】
本実施の形態では、巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係を示す1つの使用系列特定テーブルを用いて、第1ストリーム、及び、第2ストリーム以降のウォルシュ系列を、巡回シフト量によって暗示的(Implicit)に決定する方法について説明する。すなわち、本実施の形態では、ストリーム数(Rank)に依存しない使用系列特定テーブルを用いて、第1〜第4ストリームのウォルシュ系列を巡回シフト量によって暗示的(Implicit)に決定する。
【0161】
なお、本実施の形態では、基地局と端末とは、第1ストリームの巡回シフト量と第2〜第4ストリームの巡回シフト量との差であるオフセット情報を予め共有しており、基地局及び端末は、オフセット情報に基づいて、各ストリームの巡回シフト量を決定する。
【0162】
図20は、第1ストリームの巡回シフト量と第2〜第4ストリームの巡回シフト量との差を示すオフセット情報の一例を示す図である。
図20に示すオフセット情報に基づくと、基地局から第1ストリーム(ストリーム#0)に用いる巡回シフト量Δ0(Δ0<12)が通知されると、端末は、第2ストリーム(ストリーム#1)に用いる巡回シフト量Δ1を(Δ0+6)mod12、第3ストリーム(ストリーム#2)に用いる巡回シフト量Δ2を(Δ0+3)mod12、第4ストリーム(ストリーム#3)に用いる巡回シフト量Δ3を(Δ0+9)mod12とする(
図20パターン1)。または、第3ストリーム(ストリーム#2)に用いる巡回シフト量Δ2を(Δ0+9)mod12、第4ストリーム(ストリーム#3)に用いる巡回シフト量Δ3を(Δ0+3)mod12とする(
図20パターン2)。
【0163】
本発明の実施の形態3に係る基地局の構成は、実施の形態1の
図7に示した構成と同様であるため、一部の機能が異なるのみなので、
図7を援用して異なる機能についてのみ説明する。
【0164】
パイロット情報決定部110は、第2〜第4ストリームに用いる巡回シフト系列の巡回シフト量を決定する。ここで、第2ストリーム以降の巡回シフト量は、第1ストリームの巡回シフト量に固定のオフセットを加えて決定される。例えば、基地局と端末との間で、
図20のパターン1に示すオフセット情報が共有される場合に、基地局から第1ストリーム(ストリーム#0)に用いる巡回シフト量をΔ0(Δ0<12)とすると、パイロット情報決定部110は、第2ストリーム(ストリーム#1)に用いる巡回シフト量Δ1を(Δ0+6)mod12に決定し、第3ストリーム(ストリーム#2)に用いる巡回シフト量Δ2を(Δ0+3)mod12に決定し、第4ストリーム(ストリーム#3)に用いる巡回シフト量Δ3を(Δ0+9)mod12に決定する。
【0165】
また、パイロット情報決定部110は、巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアの候補が複数記憶されている使用系列特定テーブルを保持する。
【0166】
図21は、本実施の形態における使用系列特定テーブルの一例を示す図である。使用系列特定テーブルには、第1ストリームに用いる巡回シフト系列の巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアの候補が定義されている。具体的には、巡回シフト量『0,(1),2,3,4,(5),6,(7),8,9,10,(11)』に対してウォルシュ系列『w1,(w1),w2,w2,w1,(w2),w1,(w1),w2,w2,w1,(w2)』が対応付けられている。
【0167】
そして、パイロット情報決定部110は、使用系列特定テーブルに基づいて、通知された第1ストリームの巡回シフト量に対応するウォルシュ系列を第1ストリームのウォルシュ系列に設定する。さらに、第2,3,4ストリームの巡回シフト量Δ1,Δ2,Δ3に対応するウォルシュ系列をそれぞれ決定する。
【0168】
そして、パイロット情報決定部110は、各ストリームの巡回シフト量及びウォルシュ系列に関する情報を、符号化部101及び推定部108に出力する。なお、第2ストリーム以降の巡回シフト量は、第1ストリームの巡回シフト量及びオフセット情報に基づいて決定されるため、第1ストリームの巡回シフト量のみを符号化部101に入力すればよい。また、各ストリームのウォルシュ系列は各ストリームの巡回シフト量から決定されるため、各ストリームのウォルシュ系列は符号化部101に入力しなくてもよい。
【0169】
本発明の実施の形態3に係る端末の構成は、実施の形態1の
図9に示した構成と同様であるため、一部の機能が異なるのみなので、
図9を援用して異なる機能についてのみ説明する。
【0170】
パイロット情報決定部204は、復号部203から入力される第1ストリームの巡回シフト量に関する情報、及び、基地局と端末とで予め共有されるオフセット情報に基づいて、第2ストリーム以降の巡回シフト量を決定する。すなわち、第2ストリーム以降の巡回シフト量は、制御情報として通知される第1ストリームの巡回シフト量に固定のオフセットを加えて決定される。例えば、基地局と端末との間で、
図20のパターン1に示すオフセット情報が共有される場合に、基地局から第1ストリーム(ストリーム#0)に用いる巡回シフト量をΔ0(Δ0<12)とすると、パイロット情報決定部204は、第2ストリーム(ストリーム#1)に用いる巡回シフト量Δ1を(Δ0+6)mod12に決定し、第3ストリーム(ストリーム#2)に用いる巡回シフト量Δ2を(Δ0+3)mod12に決定し、第4ストリーム(ストリーム#3)に用いる巡回シフト量Δ3を(Δ0+9)mod12に決定する。
【0171】
また、基地局と端末とで共有される巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係が記憶されている使用系列特定テーブルに基づいて、パイロット情報決定部204は、各ストリームのウォルシュ系列を決定する。すなわち、パイロット情報決定部204は、前記で決定された各ストリームの巡回シフト量Δ0,Δ1,Δ2,Δ3に対応する各ストリームのウォルシュ系列を使用系列特定テーブルから選択する。そして、パイロット情報決定部204は、決定した各ストリームの巡回シフト量及びウォルシュ系列をパイロット信号生成部205に出力する。
【0172】
次に、
図21に示す、本実施の形態における使用系列特定テーブルについて説明する。
【0173】
まず、第1ストリームの巡回シフト量と第2ストリームの巡回シフト量との差であるオフセット量をΔCSとする場合に、2つの巡回シフト量の間隔が当該オフセット量ΔCSとなる巡回シフト量同士から構成されるペアを考える。例えば、オフセット量ΔCSが6の場合、(0,6)、(2,8)、(3,9)、(4,10)がペアとなる。そして、本実施の形態では、
図21に示すように、ペアを構成する巡回シフト量同士には同一のウォルシュ系列を対応付ける。
【0174】
このように、第1ストリームの巡回シフト量からオフセット量ΔCSだけ離れた巡回シフト量を第2ストリームの巡回シフト量に設定する場合に、巡回シフト量の間隔がΔCSとなる巡回シフト量同士に、同一のウォルシュ系列を対応付けることにより、第1ストリームと第2ストリームとを同一のウォルシュ系列に設定することができる。
【0175】
さらに、本実施の形態では、巡回シフト量の間隔が3(すなわち、巡回シフト量間隔の最大値「6」の1/2)である巡回シフト系列でグループ(3種類)を形成した場合に、各グループには、ウォルシュ系列w1のみ、ウォルシュ系列w2のみ、ウォルシュ系列w1及びw2の両方を、それぞれ対応付ける。例えば、
図21に示す使用系列特定テーブルでは、巡回シフト量『1,4,7,10』から形成されるグループには、ウォルシュ系列w1のみが対応付けられている。また、巡回シフト量『2,5,8,11』から形成されるグループには、ウォルシュ系列w2のみが対応付けられている。また、巡回シフト量『0,3,6,9』から形成されるグループには、ウォルシュ系列w1,w2がそれぞれ2つずつ対応付けられている。
【0176】
図22は、
図21に示す使用系列特定テーブルを用いる場合に、第2〜第4ストリームに設定される巡回シフト量及びウォルシュ系列の対応関係を示した図である。
図22から分かるように、基地局が端末に巡回シフト量『0,3,6,9』のうちのどれかを通知すると、第1〜第4ストリームには、ウォルシュ系列w1,w2の両方が対応付けられる。また、基地局が端末に巡回シフト量『1,4,7,10』のうちのどれかを通知すると、第1〜第4ストリームには、ウォルシュ系列w1のみが対応付けられる。また、基地局が端末に巡回シフト量『2,5,8,11』のうちのどれかを通知すると、第1〜第4ストリームには、ウォルシュ系列w2のみが対応付けられる。なお、LTEでは、巡回シフト量として『1,5,7,11』を通知することはできないが、『1,5,7,11』以外の巡回シフト量を通知することにより、基地局は、第1〜第4ストリームのウォルシュ系列を設定することができる。
【0177】
このように、本実施の形態では、パイロット情報決定部110及びパイロット情報決定部204は、第1ストリームに用いる巡回シフト系列の巡回シフト量とウォルシュ系列とのペアの候補が定義されている単一の使用系列特定テーブルを保持し、第1ストリームの巡回シフト量に応じて、第2ストリーム以降のウォルシュ系列を切り替えることができる。
【0178】
また、
図22から分かるように、2ストリームで送信する場合は、巡回シフト量に関わらず第1ストリームと第2ストリームとで同一ウォルシュ系列が設定される。3ストリーム以上では、通知する第1ストリームの巡回シフト量の選択により、第3ストリーム以降で用いるウォルシュ系列を、第1及び第2ストリームで用いるウォルシュ系列と同一符号のウォルシュ系列にするか異なる符号のウォルシュ系列にするかを選択できることが分かる。なお、パイロット情報決定部110及びパイロット情報決定部204は、
図21のような「巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係」を示す使用系列特定テーブルを1つだけ保持していればよい。
【0179】
以上のように、本実施の形態では、第1ストリームと第2ストリームの巡回シフト量の差であるオフセット量ΔCSを固定とした場合において、使用系列特定テーブルでは、巡回シフト量がオフセット量ΔCSだけ離れる巡回シフト量同士のペアにおいて、当該ペアを構成する一方の巡回シフト量に対応付けられるウォルシュ系列と、他方の巡回シフト量に対応付けられるウォルシュ系列とが同一である。これにより、巡回シフト量に関わらず第1ストリームと第2ストリームとで同一ウォルシュ系列が設定される。
【0180】
また、第1ストリームと第2ストリームとの巡回シフト量の差であるオフセット量ΔCSが巡回シフト量間の最大値であって、巡回シフト量の間隔がオフセット量ΔCSの1/2である巡回シフト量で巡回シフト量グループを形成した場合に、各巡回シフト量グループには、第1のウォルシュ系列のみ、第2のウォルシュ系列のみ、第1及び第2のウォルシュ系列の両方が、それぞれ対応付けられている。このように、使用系列特定テーブルでは、巡回シフト量間隔が、巡回シフト量間隔の最大値の1/2である巡回シフト量から形成される複数の巡回シフト量グループにおいて、第1巡回シフト量グループに含まれる巡回シフト量に対応付けられるウォルシュ系列は第1ウォルシュ系列であり、第2巡回シフト量グループに含まれる巡回シフト量に対応付けられるウォルシュ系列は第2ウォルシュ系列であり、第3巡回シフト量グループに含まれる巡回シフト量に対応付けられるウォルシュ系列は前記第1及び第2ウォルシュ系列である。これにより、通知する第1ストリームの巡回シフト量の選択により、第3ストリーム以降で用いるウォルシュ系列を、第1及び第2ストリームで用いるウォルシュ系列と同一符号のウォルシュ系列にするか異なる符号のウォルシュ系列にするかを選択することができる。
【0181】
このように、本実施の形態では、1つの「巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係」及び第1ストリームに対する他のストリームとの巡回シフト量のオフセット量を用いて、各ストリームにおけるウォルシュ系列を設定する。そのため、使用系列特定テーブルをストリーム数(Rank)毎に記憶する必要がなく、複数の使用系列特定テーブルに対応する処理も不要となるため、回路規模を軽減できる。すなわち、第2ストリーム以降の巡回シフト量を基地局と端末との間で取り決めておくことにより、第1ストリームの巡回シフト量を通知するのみで第2ストリーム以降の巡回シフト量が決定され、この巡回シフト量に対してストリーム数(Rank)に依存しない1つの「巡回シフト量とウォルシュ系列との対応関係」を用いて、各ストリームのウォルシュ系列を設定することができるようになる。
【0182】
なお、以上の説明では、使用ストリーム数が4であり、4ストリームを用いてパイロット信号を送信する場合を例にして説明したが、使用ストリーム数が2又は3の場合にも、第2ストリームのウォルシュ系列は第1ストリームのウォルシュ系列と同じ符号とし、第33ストリーム以降のウォルシュ系列は同一又は異なる符号とする。さらに言えば、送信アンテナ数が2以下などパイロット信号のストリーム数が2以下になる場合は、同一のウォルシュ系列でパイロット信号を送信することになる。
【0183】
また、巡回シフト系列とウォルシュ系列とを関係づけるパターンは、セル毎に異なってもよい。同一の巡回シフト系列でも、セル間でウォルシュ系列が同じ場合や異なる場合があり、セル間でパイロット信号の系列間干渉をランダマイズ化(平均化)できる。
【0184】
また、上記パターンの番号は、UE固有情報(UEIDなど)、セルIDなどに関連付けてもよい。対応関係のパターンを通知する必要がなく、基地局からの通知量を軽減できる。
【0185】
また、上記パターンの使用系列特定テーブルは、基地局が新たな使用系列特定テーブルをHigher Layer Signaling通知することで、新たな使用系列特定テーブルに更新してもよい。すなわち、規格書でテーブルが規定される必要はない。これにより、対応関係のパターンをLTE端末やLTE−A端末の割合に応じて変更することができる。
【0186】
また、以上の説明では、巡回シフト系列に加えて、ウォルシュ系列を用いる場合について説明したが、ウォルシュ系列に限られず、直交系列又は直交性の高い系列であれば同様に本発明を適用できる。例えば、ウォルシュ系列をOCC(Orthogonal Cover Code)に置き換えてもよい。
【0187】
また、ウォルシュ系列長は2に限らずその他の系列長でもよい。
【0188】
また、割当制御情報は、DCI(Downlink Control Information)又はPDCCHと呼ばれることもある。
【0189】
また、実施の形態1において、基地局は、各端末に対してストリーム番号とウォルシュ系列との対応関係(パターン)を通知するようにしたが、各端末に対して第1ストリームに使用するウォルシュ系列を通知するようにしてもよい。
【0190】
なお、上記実施の形態ではアンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
【0191】
アンテナポートとは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0192】
例えば3GPP LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0193】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0194】
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
【0195】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0196】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0197】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0198】
2009年10月1日出願の特願2009−229649及び2010年4月2日出願の特願2010−086141に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。