特許第5878819号(P5878819)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5878819
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】アクティブマウントの構造
(51)【国際特許分類】
   F16F 13/26 20060101AFI20160223BHJP
【FI】
   F16F13/26 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-107038(P2012-107038)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-61064(P2013-61064A)
(43)【公開日】2013年4月4日
【審査請求日】2015年5月1日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0092542
(32)【優先日】2011年9月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジャン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チャ,ヨン ウン
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−025219(JP,A)
【文献】 特開2004−051036(JP,A)
【文献】 特開2011−094750(JP,A)
【文献】 特開平08−159210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内で、オリフィスプレートに結合されたアクチュエーティングプレートに結合され、前記アクチュエーティングプレートをプレート面と直角方向に移動させる駆動装置が装着されたアクティブマウントの構造であって、
前記駆動装置は、
一端が前記アクチュエーティングプレートと結合されたプランジャと、
前記プランジャの他端に結合され第1モータ部によって回転される回転軸と、前記回転軸の一側が前記回転軸の直角方向に拡張されて形成された拡張部と、前記拡張部の末端に形成された回転拘束部と、を有する第1ロードと、
センターホールが形成された円盤形状であり、両側に軸突起が突出され、前記第1ロードに前記センターホールの中央を貫通され、前記回転拘束部に周囲を回転可能なように結合された斜板と、
前記斜板の一側に結合され、第2モータ部によって前記回転軸の軸方向に移動される第2ロードと、を有し、
前記斜板は、前記軸突起が前記ハウジングの内周面に回動可能に結合され、前記第2ロードの前記回転軸の軸方向の移動に応じて傾斜され、
前記第1ロードは、前記第1モータ部と前記回転軸の軸方向の移動が可能なように結合されて回転されることにより、前記回転軸の軸方向に往復移動されることを特徴とするアクティブマウントの構造。
【請求項2】
前記回転拘束部は、前記斜板の縁部が挿入されるように「コ」の字型形状で形成され、内側に摩擦抵抗を減少させる軸受けが装着されたことを特徴とする請求項1に記載のアクティブマウントの構造。
【請求項3】
前記第2ロードは、前記斜板の縁部が挿入される噛合部が端部に形成され、前記噛合部の内側には摩擦抵抗を減少させる軸受けが装着されたことを特徴とする請求項2に記載のアクティブマウントの構造。
【請求項4】
前記第1ロードは、前記回転拘束部の反対側に偏心振動を防ぐためのカウンタウエイトが突出形成されたことを特徴とする請求項2に記載のアクティブマウントの構造。
【請求項5】
段差が形成されたヘッド部が前記第1ロードの端部に形成され、前記プランジャの端部には前記ヘッド部が挿入される結合溝が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のアクティブマウントの構造。
【請求項6】
前記第1ロードは斜板の内周縁に結合され、前記第2ロードは前記斜板の外周縁に結合されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のアクティブマウントの構造。
【請求項7】
前記斜板が、2枚の円盤が間隔を置いて積層されて構成され、前記第1ロードは前記アクチュエーティングプレート側の円盤の縁部に結合され、前記第2ロードは前記駆動装置側の円盤の縁部に結合されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のアクティブマウントの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマウントの構造に係り、より詳しくは、車のエンジンルームに装着され、エンジンの荷重を支持すると共に、振動を能動的に減衰させるダンピング力を提供する駆動装置の性能が向上されたアクティブマウントの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車のエンジンは、常に振動を発生させるだけでなく、車の走行中に地面の凹凸によっても振動する。このような振動は単独に作用するだけではなく、多くの要因が絡みあって前後、上下、左右のすべての方向に向けても発生する。
更にエンジンは、車体から分離して設置されるのではなく、変速装置、空調装置などとも連結されるため、エンジンから発生する振動は車全体に影響を及ぼす。
【0003】
従って、エンジンから発生する振動を減衰させるために、エンジンはマウントを介して車体に設置される。
マウントには、材質の弾性力を利用したラバー(rubber)式と、ハイドロ液が封入され、ハイドロ液の流動による粘性を利用して振動を減衰させる液体封入式と、が主に用いられる。このうち、液体封入式マウントはハイドロマウントと呼ばれる。ハイドロマウントは、広い領域帯の振動を減衰させることができるので、多くの車種に広く用いられている。
【0004】
ハイドロマウントは、コップ状に形成されたハウジングに一定量のハイドロ液が満たされ、弾性材質からなるインシュレータ及びオリフィスプレートが結合され、オリフィスプレートによって内部が上側チャンバと下側チャンバとに区分された構造を有する。オリフィスプレートには、上下に連通し周囲に沿って環状で構成された流路(flow path)が形成され、インシュレータの弾性圧縮によってハイドロ液が上側チャンバと下側チャンバとの間を流動するように構成される。
【0005】
一方、車の走行状況及びエンジンの作動状況に応じ、車の電子制御装置がマウントのダンピング性能を更に能動的にコントロールできるように、ハイドロマウントに振動を発生させたり、チャンバの容積を調節したりできるように電子式又は電動式駆動装置を備えたアクティブマウントが開発されている。
【0006】
アクティブマウントは、エンジンの作動状態及び運転状態に関する情報及び加速度信号に基づき、予め定められたアルゴリズムに従ってダンピング力を制御するように開発されたものであって、例えば、車のアイドル時、低速走行時、高速走行時、旋回時などのような走行状況に対応して最適のダンピング力を提供できるように作動される。
【0007】
多様な構造のアクティブマウントが開発されている(例えば特許文献1を参照)が、従来技術のうちの1つを図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、従来のアクティブマウントは、一般的なハイドロマウントと同様に、オリフィスプレートによって上側チャンバと下側チャンバとに区分され、センターボルトと結合したエンジンからの振動の流入によって発生するインシュレータの弾性圧縮及び/又は振動によってハイドロ液が流動するように構成される。
【0008】
アクティブマウントには、更に、入力された振動を減衰させる振動を発生させたり、チャンバの容積を変化させたりする動力を提供する駆動装置が装着される。
即ち、オリフィスプレートに弾性材質で形成されたアクチュエーティングプレートが結合され、アクチュエーティングプレートを振動させるプランジャと、プランジャを引き寄せる電磁気力を発生させるコイルを含んで構成された駆動装置と、が順に設けられる。
【0009】
駆動装置は、マウントに入力される振動と同じ位相によってプランジャを振動させることにより、車体に伝達される振動に対する絶縁率を向上させる。このようなプランジャ振動の作動原理は、以下のとおりである。即ち、駆動装置に電源が印加されると引力が発生してプランジャが駆動装置側に移動され、印加された電源が遮断されると引力が解除され、プランジャの駆動装置側移動によって弾性変形されたアクチュエーティングプレートのゴムの復元力によってプランジャが原位置に復帰される。
【0010】
図1に示すように、駆動装置は、電流の印加によってプランジャに電磁気による引力が作用するように、プランジャ側にアマチュア及びコイルが設置される。プランジャが電磁気力によって移動されると、アクチュエーティングプレートは弾性拡張される。コイルに電流の印加と遮断とを繰り返すことによって、プランジャは電磁気力とアクチュエーティングプレートの弾性力とによって移動され、移動された後に原位置に復帰する。
【0011】
しかし、上述したような従来のアクティブマウントは、アクチュエーティングプレート材質の弾性力を復元力として利用するため、生成可能な振動数及び振幅が制限され、応答速度に限界がある。
【0012】
また、電磁気力を利用した非接触方式であるために、アクチュエーティングプレートの変位に対する細密な制御が困難である。また、アクチュエーティングプレートの弾性復元と以後の駆動装置に電源が印加される前までの期間に、アクチュエーティングプレートの自由振動などによって意図としない振動ノイズが発生することがあり、このような振動ノイズは振動絶縁性能を低下させる原因となる。更に、プランジャが本来の位置から駆動装置側に移動されて再び本来の位置に戻る構造であるため、チャンバの体積変化率が低く、制御性能に構造的限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−280407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであって、振動数、振幅及び応答速度が向上され、精密にアクチュエーティングプレートの振動を制御することができ、不必要な自由振動が発生せず、更に従来の構造と比べてチャンバの容積変化率をより大きく設定することができるアクティブマウントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる課題を解決するためになされた本発明は、ハウジング内で、オリフィスプレートに結合されたアクチュエーティングプレートに結合され、アクチュエーティングプレートをプレート面と直角方向に移動させる駆動装置が装着されたアクティブマウントの構造であって、
駆動装置は、一端がアクチュエーティングプレートと結合されたプランジャと、プランジャの他端に結合され第1モータ部によって回転される回転軸、回転軸の一側が回転軸の直角方向に拡張されて形成された拡張部、及び拡張部の末端に形成された回転拘束部を有する第1ロードと、センターホールが形成された円盤形状であり、両側に軸突起が突出され、第1ロードにセンターホールの中央を貫通され、回転拘束部に周囲を回転可能なように結合された斜板と、斜板の一側に結合され、第2モータ部によって回転軸の軸方向に移動される第2ロードと、を有し、
斜板は、軸突起がハウジングの内周面に回動可能に結合され、第2ロードの回転軸の軸方向の移動に応じて傾斜され、
第1ロードは、第1モータ部と回転軸の軸方向の移動が可能なように結合されて回転されることにより、回転軸の軸方向に往復移動されることを特徴とする。
【0016】
また本発明の回転拘束部は、斜板の縁部が挿入されるように「コ」の字型形状で形成され、内側に摩擦抵抗を減少させる軸受が装着される。
また本発明の第2ロードは、斜板の縁部が挿入される噛合部が端部に形成され、噛合部の内側には摩擦抵抗を減少させる軸受が装着される。
【0017】
また本発明の第1ロードは、回転拘束部の反対側に偏心振動を防ぐためのカウンタウエイトが突出形成される。
また本発明は、段差が形成されたヘッド部が第1ロードの端部に形成され、プランジャの端部にはヘッド部が挿入される結合溝が形成される。
【0018】
また本発明の第1ロードは斜板の内周縁に結合され、第2ロードは斜板の外周縁に結合される。
また本発明の斜板は、2枚の円盤が間隔を置いて積層されて構成され、第1ロードはアクチュエーティングプレート側の円盤の縁部に結合され、第2ロードは駆動装置側の円盤の縁部に結合される。
【発明の効果】
【0019】
上述したような構成の本発明は、プランジャが物理的な結合によって移動されるために応答速度が向上し、不必要な自由振動が発生しないために振動ノイズを抑制することができる。
また、アクチュエーティングプレートが、本来の位置基準からプレート面の直角方向に移動されることにより、従来の構造と比べてチャンバの容積変化率をより大きくセッティングすることができる。
【0020】
また、斜板の回転位置に応じてアクチュエーティングプレートの変位計測が可能であるため、更に精密にアクチュエーティングプレートの振動を制御することができる。
更に、カウンタウエイトが追加で突出形成されることによって偏心振動を防ぎ、プランジャと第1ロードとは分離可能に結合されることによって容易に組み立てることができる効果があり、第1ロードと第2ロードとは軸受け及び/又はボールジョイント(ball joint)などによって斜板に噛合されるために摩擦抵抗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のアクティブマウントの断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るアクティブマウントの断面図である。
図3】第1実施形態に係る駆動装置の分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係る駆動装置の部分拡大図である。
図5】第1実施形態に係る駆動装置が斜板の傾きによって作動する様子を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る駆動装置の分解斜視図である。
図7】第2実施形態に係る駆動装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明のアクティブマウントの構造を詳しく説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係るアクティブマウントの断面図である。
図2に示すように、本発明の駆動装置は、ハウジング内でオリフィスプレートに結合したアクチュエーティングプレートに結合され、アクチュエーティングプレートをプレート面に対して直角方向に移動させるように構成される。駆動装置は、コップ(cup)形状をなす方の一端がアクチュエーティングプレートに結合されたプランジャ40と、プランジャ40の他端に、一方の端部で結合された第1ロード30と、第1ロード30の他方の端部に結合された第1モータ部50と、によって構成される。第1ロード30は第1モータ部50によって回転される。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る駆動装置の分解斜視図であり、図4は、第1実施形態に係る駆動装置の部分拡大図である。
図3に示すように、第1ロード30は、一側が回転軸方向から直角方向に拡張され、その末端に回転拘束部31が形成される。詳細には、回転軸30aと拡張部30bとが直角をなすように交差して形成され、図3、4に示すように、拡張部30bの一端には外側に向かって開口部32が「コ」字型に折曲形成された回転拘束部31が形成される。拡張部30bの他端には、荷重偏重による偏心振動を防ぐための大きさ及び重量を有するカウンタウエイト34が突出形成される。
【0024】
また、回転軸30aのプランジャ側の一端には直径が拡張されたヘッド部35が形成され、ヘッド部35はプランジャ40の端部に形成された結合溝41に挿入される。回転軸30aのヘッド部35と対向する方の端部は、第1モータ部50に装着されたブッシュ51と結合される。ブッシュ51は、回転軸30aに、第1ロード30の回転軸30aの軸方向の移動を許容するように、例えばスプライン(spline)結合のような方式によって結合され、回転軸30aに回転力を伝達する。なお、図3において、プランジャ40、第1ロード30、第2ロード20、及びブッシュ51は、内部形状を示すように部分的に切断された部分断面形状で示した。
【0025】
第1ロード30は、中央にセンターホール12が形成された円盤形状を有する斜板10の中央に配置される。センターホール12は、斜板10の中央に所定の大きさで形成される。また、斜板10の任意の直径の両側それぞれには軸突起11が突設して形成される。斜板10は、両側に位置された軸突起11を回転軸として回動できるように、ハウジングに結合される。軸突起11は円筒形状をなし、マウントのハウジング内に形成された溝(図示せず)に挿入される。
【0026】
図4に示すように、本発明の第1実施形態に係る第1ロード30の回転拘束部31に、斜板10の内周縁が挿入され摺動可能に結合される。詳細には、「コ」字形状である回転拘束部31の開口部32に斜板10の内周縁が挿入され、開口部32の内面には摩擦抵抗を減少させる軸受けが装着される。軸受けとしては、例えばすべり軸受け33、ボールベアリング、及びボールジョイントを挙げることができる。軸受けには必要に応じて潤滑剤が塗布される。
【0027】
更に、回転拘束部31の開口部32と類似した形状の「コ」字形状の噛合部21が一端に形成され、他端が第2モータ部60(図2参照)と結合されて回転軸30aの軸方向と平行に移動されるように構成された第2ロード20が設置される。
第2ロード20の噛合部21が、斜板10の外周縁に噛合される。噛合部21の開口部22の内面に、摩擦抵抗を減少させる軸受けが装着される。
【0028】
図5は、第1実施形態に係る駆動装置が、斜板の傾きによって作動する様子を示す図である。図5に示すように、前記のように構成された駆動装置において、斜板10は、第2モータ部60の作動によって第2ロード20が回転軸30aの軸方向と平行方向に移動されるのに応じて、軸突起11を回転軸として回転され、傾斜角が形成されて傾斜される。
【0029】
このとき、斜板10の内周縁に摺動可能に結合された回転拘束部31の回転軌跡は、斜板10の傾斜の程度に応じて傾斜されるため、第1モータ部50の作動によって回転する第1ロード30は、回転位置に応じて、図5の矢印で表示されたように、回転軸30aの軸方向と平行に往復移動される。第1ロード30の動きによって、プランジャ40及びアクチュエーティングプレートが回転軸30aの軸方向に振動される。
第2ロード20の過度な移動は、第1ロード30と斜板10との間に摩擦力を増加させるため、斜板10の傾斜角は2〜10度の範囲で形成される。また、回転拘束部31の開口部32は斜板10の厚さよりも広く形成され、回転拘束部31と斜板10との間に所定の間隙が形成される。
【0030】
図6は、本発明の第2実施形態に係る駆動装置の分解斜視図である。図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る駆動装置は、第1実施形態と同じように、コップ(cup)形状のプランジャ40の一端がアクチュエーティングプレートと結合され、プランジャ40の他端には第1ロード80の一端が結合される。第1ロード80は、他端に結合された第1モータ部50及びブッシュ51によって回転軸80aの軸方向の移動が許容された状態で回転され、回転軸80aから直角方向に拡張された拡張部80bの末端に回転拘束部81が折曲形成される。
【0031】
詳細には、第1ロード80は、回転軸80aと拡張部80bとが直角をなすように形成される。拡張部80bの末端には、内側に向かって所定の大きさの開口部82が折曲形成された回転拘束部81が形成される。また、第1実施形態と同じように、拡張部80bの他側には、荷重偏重による偏心振動を防ぐために所定の大きさ及び重量を有するカウンタウエイト83が突出形成される。更に、回転軸80aのプランジャー40側の端部には、直径が拡張されたヘッド部84が形成され、プランジャ40の結合溝41に挿入される。
【0032】
図7は、第2実施形態に係る駆動装置の断面図である。図7に示すように、第2実施形態に係る斜板70は、2枚の円盤が所定の間隔を置いて積層された形態をなす。詳細には、センターホール72が形成されたパイプ形状の連結部73が2枚の円盤70a、70bの間に形成されることにより、2枚の円盤70a、70bは離隔して配置される。また、2枚の円盤70a、70bの何れかの任意の直径上の両側には軸突起71が形成される。
【0033】
本発明の第2実施形態に係る第1ロード80は、回転軸80aがセンターホール72に挿入され、回転拘束部81が2枚の円盤70a、70bの何れか一方の外周縁と摺動可能に噛合され、第1実施形態と同一又は類似する形態に構成される。第2モータ部60と結合されて回転軸80aの軸方向に移動される第2ロード90は、2枚の円盤70a、70bの何れか他方の外周縁と摺動可能に噛合される。第1ロード80の回転拘束部81は、アクチュエーティングプレート側の円盤70aに結合され、第2ロード90は第1モータ部50側の円盤70bに結合されることが好ましい。
【0034】
従って、第2ロード90が移動されるのに応じて斜板70が傾斜され、第1実施形態と同様な原理により、第1ロード80が往復運動される。第2実施形態でも、摩擦抵抗を抑制するように、回転拘束部81及び噛合部91の開口部82、92にも軸受けが装着される。更に、斜板70が傾けられるときに干渉が発生しないように、センターホール72の内径は、第1ロード80の回転軸80aよりも大きく形成される。
【0035】
本発明の他の実施形態として、噛合部91は、「コ」字形状をなす代りに、通常のジョイント方式によって構成されることができ、更に、第1ロード80と第2ロード90との結合位置は、相互の干渉が発生しない範囲で、それぞれ斜板70の内外周の任意の位置で多様な方式によって結合されることができる。
【0036】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10、70 斜板
11、71 軸突起
12、72 センターホール
20、90 第2ロード
21、91 噛合部
22、92 開口部(第2ロード)
30、80 第1ロード
30a、80a 回転軸
30b、80b 拡張部
31、81 回転拘束部
32、82 開口部(第1ロード)
33 すべり軸受け
34、83 カウンタウエイト
35、84 ヘッド部
40 プランジャ
41 結合溝
50 第1モータ部
51 ブッシュ
60 第2モータ部
70a,70b 2枚の円盤
73 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7