(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5878838
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】誘導加熱装置
(51)【国際特許分類】
H05B 6/10 20060101AFI20160223BHJP
【FI】
H05B6/10 371
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-160808(P2012-160808)
(22)【出願日】2012年7月19日
(65)【公開番号】特開2014-22227(P2014-22227A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(73)【特許権者】
【識別番号】509338994
【氏名又は名称】株式会社IHIインフラシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 正一
(72)【発明者】
【氏名】出田 武臣
(72)【発明者】
【氏名】馬場 浩史
(72)【発明者】
【氏名】山田 真吾
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−243190(JP,A)
【文献】
特開昭56−128815(JP,A)
【文献】
特開2002−341092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面の下方から上方に架けて配設され、下方から水が導かれるガイド管と、
該ガイド管内に上下方向に移動自在に収容された発熱管片と、
該発熱管片に取り付けられ、前記発熱管片を前記ガイド管内に導かれた水の水面に浮かせるためのフロートと、
前記ガイド管および前記発熱管片に挿通された絶縁電線とを備え、
前記発熱管片の材質が、前記絶縁電線に交流電流を通電した際、前記ガイド管の材質よりも誘導電流が生じ易い材質であることを特徴とする誘導加熱装置。
【請求項2】
前記発熱管片の上部および下部に、前記ガイド管の内周面と隙間を隔てて断熱材を夫々設け、該断熱材に、前記絶縁電線が上下方向に移動自在に挿通される孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
【請求項3】
前記発熱管片の下部に設けられた断熱材が、前記フロートを兼ねるものであることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
【請求項4】
前記フロートの浮力を、前記発熱管片の下端が前記ガイド管内の水面に位置するように設定したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
【請求項5】
前記ガイド管が、上下方向に沿って配置された一対の直線管と、これら直線管の下端を接続する屈曲管とからU字状に形成され、
前記直線管および前記屈曲管の少なくとも一方に、管外の水を管内に導くための導水孔を設け、
前記発熱管片が、前記一対の直線管の内部に、前記導水孔よりも上方に位置して夫々上下方向に移動自在に収容され、
前記絶縁電線が、前記一対の直線管の一方の上部から挿入され、前記発熱管片、前記屈曲管、前記発熱管片を通して前記一対の直線管の他方の上部から取り出され、
その絶縁電線の両端に、交流電源を接続したことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
【請求項6】
前記ガイド管が、水門設備の扉体が当てられる戸当板に設けられたことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
【請求項7】
前記発熱管片の材質が、前記ガイド管の材質よりも透磁率が大きい材質であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
【請求項8】
前記発熱管片の材質が磁性体であり、前記ガイド管の材質が非磁性体であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水門設備等に装備され、冬季における水の凍結を防止する誘導加熱装置に係り、特に、凍結し易い水面近傍のみを集中して加熱でき、消費電力の低減を図った誘導加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱(Induction Heating)を利用した誘導加熱装置として、発熱体となる管体と、管体に挿通された絶縁電線と、絶縁電線に接続された交流電源とを備えたものが知られている(特許文献1〜3参照)。この誘導加熱装置は、交流電源から絶縁電線に通電された交流電流の交番磁束によって管体に電磁誘導による誘導電流(渦電流)を生起させ、誘導電流が流れる管体の電気抵抗に基づくジュール熱によって管体を発熱させるものである。
【0003】
かかる誘導加熱装置を水門設備に使用する場合、発熱体となる管体を、水門設備の扉体が当てられる戸当板の裏側(扉体が当てられる側とは反対側)に、その長手方向に沿って敷設する。そして、冬季や厳冬期において、発熱する管体により戸当板を加熱することで、扉体が戸当板に氷着することを防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−243190号公報
【特許文献2】特開2009−256942号公報
【特許文献3】特開2009−287389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、冬季や厳冬期、水門設備においては水面近傍から水が凍り始める。よって、扉体の戸当板への氷着を効率よく防止するには、凍結の起点となる水面近傍の戸当板を集中的に加熱することが求められる。しかし、従来の誘導加熱装置は、管体がその全長に亘って発熱するため、管体によって戸当板全体が加熱されてしまい、無駄なエネルギーを消費することになっていた。
【0006】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、凍結し易い水面近傍を集中して加熱でき、消費電力の低減を図った誘導加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために創案された本発明に係る誘導加熱装置は、水面の下方から上方に架けて配設され、下方から水が導かれるガイド管と、ガイド管内に上下方向に移動自在に収容された発熱管片と、発熱管片に取り付けられ、発熱管片をガイド管内に導かれた水の水面に浮かせるためのフロートと、ガイド管および発熱管片に挿通された絶縁電線とを備え、発熱管片の材質が、絶縁電線に交流電流を通電した際、ガイド管の材質よりも誘導電流が生じ易い材質であることを特徴とする誘導加熱装置である。
【0008】
本発明の誘導加熱装置は、発熱管片の上部および下部に、ガイド管の内周面と隙間を隔てて断熱材を夫々設け、断熱材に、絶縁電線が上下方向に移動自在に挿通される孔を形成してもよい。
【0009】
本発明の誘導加熱装置は、発熱管片の下部に設けられた断熱材が、フロートを兼ねるものであってもよい。
【0010】
本発明の誘導加熱装置は、フロートの浮力を、発熱管片の下端がガイド管内の水面に位置するように設定してもよい。
【0011】
本発明の誘導加熱装置は、ガイド管が、上下方向に沿って配置された一対の直線管と、これら直線管の下端を接続する屈曲管とからU字状に形成され、直線管および屈曲管の少なくとも一方に、管外の水を管内に導くための導水孔を設け、発熱管片が、一対の直線管の内部に、導水孔よりも上方に位置して夫々上下方向に移動自在に収容され、絶縁電線が、一対の直線管の一方の上部から挿入され、発熱管片、屈曲管、発熱管片を通して一対の直線管の他方の上部から取り出され、その絶縁電線の両端に、交流電源を接続してもよい。
【0012】
本発明の誘導加熱装置は、ガイド管が、水門設備の扉体が当てられる戸当板に設けられてもよい。
【0013】
本発明の誘導加熱装置は、発熱管片の材質が、ガイド管の材質よりも透磁率が大きい材質であってもよい。
【0014】
本発明の誘導加熱装置は、発熱管片の材質が磁性体であり、ガイド管の材質が非磁性体であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る誘導加熱装置によれば、ガイド管および発熱管片に挿通された絶縁電線に交流電流を通電した際、発熱管片の材質がガイド管の材質よりも誘導電流が生じ易い材質となっていることから、ガイド管よりも発熱管片が高温に加熱される。
【0016】
この発熱管片は、フロートによってガイド管内の水面に浮かされているので、凍結し易い水面近傍のみを集中して加熱できる。このように、フロートによりガイド管内の水面に浮かされた発熱管片によって水面近傍を集中的に加熱できるので、管の全長に亘って発熱していた従来例と比べて、無駄なエネルギーの消費を抑制でき、消費電力の低減を図ることができる。
【0017】
また、ガイド管内の水面が昇降すると、それに伴ってフロートも昇降するので、フロートによって浮かされている発熱管片は、水面の昇降に応じて昇降し、水面の昇降に拘わらず的確に水面近傍を加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る誘導加熱装置が設けられた水門設備の説明図であり、(a)は水門設備および誘導加熱装置の平面図、(b)は水門設備および誘導加熱装置の正面図である。
【
図2】誘導加熱装置の説明図であり、(a)は
図1(a)の部分拡大図、(b)は
図2(a)のb−b線矢視図である。
【
図3】誘導加熱装置の説明図であり、
図2(b)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
(水門設備1)
図1〜
図3に、本発明の一実施形態に係る誘導加熱装置2が組み込まれた水門設備1の概略を、
図4に誘導加熱装置2の要部を示す。特に、
図1(a)は水門設備1および誘導加熱装置2の平面図、
図1(b)はそれらの正面図、
図2(a)は
図1(a)の部分拡大図、
図2(b)は
図2(a)のb−b線矢視図、
図3は
図2(b)の斜視図、
図4は誘導加熱装置2の要部を示す側断面図である。
【0021】
図1に示すように、この水門設備1は、河川の底3に所定間隔を隔てて立設された堰柱4と、堰柱4同士の間に配設されて昇降される扉体5とを備えている。堰柱4には、扉体5の側面に対向するように、戸当板6が上下方向に沿って設けられており、扉体5の側面には、戸当板6との間を止水するシール7が上下方向に沿って設けられている。冬季や厳冬期には、扉体5と戸当板6との間のシール7の部分の水面8近傍から凍結が始まる。
【0022】
(誘導加熱装置2)
本実施形態に係る誘導加熱装置2は、戸当板6の水面8近傍を集中的に加熱するものであり、これにより扉体5の戸当板6への氷着を効率よく防止している。この誘導加熱装置2は、
図1〜
図4に示すように、堰柱4内の戸当板6の裏側(扉体5が当てられる側とは反対側)に上下方向に沿って配設されたガイド管9と、ガイド管9内に上下方向に移動自在に収容された発熱管片10と、発熱管片10に取り付けられたフロート11と、ガイド管9および発熱管片10に挿通された絶縁電線12とを備えている。なお、
図1(b)、
図3においては、作図の都合上、ガイド管9の内部には発熱管片10のみを表示し、フロート11および後述する断熱材13を省略している。以下、各構成要素について説明する。
【0023】
(ガイド管9)
図2〜
図4に示すように、ガイド管9は、コンクリート製の堰柱4内に、戸当板6の裏側に接するように配設されており、下方から水が導かれて内部に水面8aが位置されるようになっている。なお、
図4にてガイド管9内のドットは水を表す。ガイド管9は、戸当板6の裏側に上下方向に沿って配設された一対の直線管9a、9bと、これら直線管9a、9bの下端を接続する屈曲管9cとからU字状に形成されている。直線管9a、9bの下部には、管外の水を管内に導くための導水孔9dが設けられている。
【0024】
図2、
図3に示すように、導水孔9dは、その開口の一方が直線管9a、9bに繋がり、他方が戸当板6を貫通して堰柱4の外の水面8下(水中)に開放されている。導水孔9dは、扉体5のシール7と干渉しないように、上方から見てシール7を挟むようにして設けられている。導水孔9dからガイド管9に導かれた水によって、ガイド管9の直線管9a、9bの内部には水面8a(
図4参照)が位置される。なお、導水孔9dは、管外の水を管内に導く機能を有していればよく、直線管9a、9bの下部および屈曲管9cの少なくとも一方に設けられていればよい。
【0025】
(発熱管片10)
図2〜
図4に示すように、発熱管片10は、円筒状に成形されており、ガイド管9を構成する一対の直線管9a、9bの内部に、導水孔9dよりも上方に位置して、夫々上下方向に移動自在に収容されている。
図4に示すように、発熱管片10の外周面と直線管9a、9bの内周面との間には、発熱管片10の昇降を許容するための隙間G1が形成されている。この隙間G1は、発熱管片10から直線管9a、9bへの伝熱性の悪化を抑えるため、出来るだけ小さく設定されている。
【0026】
発熱管片10およびガイド管9には、絶縁電線12が挿通されており、絶縁電線12に交流電流を通電した際、その交番磁束が発熱管片10およびガイド管9の双方に作用するようになっている。ここで、発熱管片10の材質は、ガイド管9の材質よりも透磁率が大きい材質が用いられる。透磁率が大きい材質の方が透磁率の小さい材質よりも交番磁束によって誘導電流が生起され易く、発熱管片10をガイド管9よりも高温に発熱させることができるからである。また、発熱管片10の材質に磁性体を用い、ガイド管9の材質に非磁性体を用いることが好ましい。磁性体には誘導電流が生起されるが、非磁性体には誘導電流が殆ど生起されないため、ガイド管9を殆ど発熱させることなく発熱管片10を集中的に発熱させることが可能となるからである。具体的には、本実施形態では、発熱管片10には、磁性体としてSGP管(鋼製)が用いられ、ガイド管9には非磁性体としてSUS管(SUS304等のオーステナイト系ステンレス製)が用いられている。
【0027】
(フロート11)
図4に示すように、発熱管片10の下部には、フロート11が取り付けられている。フロート11は、発熱管片10をガイド管9内の水面8aに浮かせるものであり、発泡スチロール等の水よりも比重の小さい材質からなる浮き部を有している。フロート11は、ガイド管9の内周面から隙間G2が隔てられた円柱状に成形されていると共に、絶縁電線12が上下方向に移動自在に挿通される孔11aを中心に上下に貫通形成されている。かかるフロート11は、ガイド管9内にて絶縁電線12に沿って上下方向に移動自在となっている。フロート11の浮力は、発熱管片10の重量および後述の断熱材13の重量を考慮して、発熱管片10の下端10aがガイド管9内の水面8aに位置するように、設定されている。
【0028】
また、
図4に示すように、発熱管片10の上部には、ガイド管9の内周面と隙間G3を隔てて断熱材(上部断熱材)13が設けられている。上部断熱材13は、発泡スチロール等の断熱機能を有する材質から成り、フロート11と同様の形状となっている。すなわち、上部断熱材13は、ガイド管9の内周面から隙間G3が隔てられた円柱状に成形されていると共に、絶縁電線12が上下方向に移動自在に挿通される孔13aを中心に上下に貫通形成されており、ガイド管9内にて絶縁電線12に沿って上下方向に移動自在となっている。この上部断熱材13は、発熱管片10に生じた熱がガイド管9内の上方に逃げることを抑制する。また、発熱管片10の下部にも、上述したフロート11とは別に、発熱管片10に生じた熱がガイド管9内の下方に逃げることを抑制するための断熱材(下部断熱材)を設けてもよいが、本実施形態ではフロート11が発泡スチロール等の断熱性を有する材質からなっているため、フロート11が下部断熱材を兼用している。
【0029】
フロート11とガイド管9との隙間G2、断熱材13とガイド管9との隙間G3は、ガイド管9内をフロート11および断熱材13がスムーズに昇降できる隙間に設定されている。これらの隙間G2、G3は、等しくても異なっていてもよい。また、発熱管片10とガイド管9との隙間G1は、隙間G2、G3よりも狭く設定されており、発熱管片10のスムーズな昇降を確保した上で、発熱管片10からガイド管9への伝熱性の悪化を極力抑えている。
【0030】
(絶縁電線12)
図2、
図4に示すように、ガイド管9および発熱管片10には、絶縁電線12が挿通されている。絶縁電線12は、ガイド管9を構成する一方の直線管9aの上部から挿入され、断熱材13、発熱管片10、フロート11、屈曲管9c、フロート11、発熱管片10、断熱材13を通し、他方の直線管9bの上部から取り出されている。この絶縁電線12の両端には、交流電源14が接続されており、絶縁電線12に交流電流が通電されるようになっている。交流電源14には、50Hzまたは60Hzの商用周波数の交流電源を用いてもよいが、これに限られるものではない。
【0031】
(作用・効果)
図4に示すように、この誘導加熱装置2においては、ガイド管9内の水面8aに位置する発熱管片10の材質(鋼)がガイド管9の材質(オーステナイト系ステンレス)よりも誘導電流が生じ易い材質となっている。よって、ガイド管9および発熱管片10に挿通された絶縁電線12に交流電流を通電した際、ガイド管9が殆ど発熱することなく発熱管片10が集中的に発熱する。
【0032】
発熱管片10は、フロート11によってガイド管9内の水面8aに浮かされているので、凍結し易い水面8a近傍のガイド管9のみが集中して加熱され、そのガイド管9の熱が伝わることでガイド管9外の水面8近傍の戸当板6(
図1〜
図3参照)が集中的に加熱される。この結果、管全長に亘って発熱して戸当板6を全長に亘って加熱していた従来例と比べて、無駄なエネルギーの消費を抑制でき、消費電力の低減を図ることができる。
【0033】
図2、
図3に示すように、ガイド管9が導水孔9dを介して堰柱4の外部の水面8下の水と繋がっており、堰柱4の外部の水面8が昇降するに応じて、ガイド管9の内部の水面8aが昇降するようになっている。ガイド管9内の水面8aが昇降すると、それに伴ってフロート11も昇降するので、フロート11により浮かされている発熱管片10によって、水面8aの昇降に拘わらず的確に水面8a近傍のガイド管9を加熱できる。この結果、堰柱4の外部の水面8の高さが変動しても、凍結し易い水面8近傍の戸当板6を的確に加熱でき、扉体5の戸当板6へ氷着を効率よく防止できる。
【0034】
図4に示すように、発熱管片10の上部に上部断熱材13が設けられ、発熱管片10の下部に設けられたフロート11が下部断熱材を兼ねるので、発熱管片10にて生じた熱がガイド管9内の上下に逃げてしまうことを抑制できる。よって、発熱管片10の熱を有効に側方のガイド管9(水面8a近傍のガイド管9)に伝えることができる。また、フロート11が下部断熱材を兼用しているので、フロート11とは別に下部断熱材を設けた場合と比べて低コスト化を図ることができる。
【0035】
図4に示すように、フロート11の浮力は、発熱管片10および断熱材13の重量を考慮して、発熱管片10の下端10aがガイド管9内の水面8aに位置するように設定されている。これにより、発熱管片10がガイド管9内の水に浸かることによる発熱管片10の熱の水への放出(放熱)を防止しつつ、発熱管片10を可及的に水面8aに近付けられるため、発熱管片10の熱を有効且つ的確に側方の水面8a近傍のガイド管9に伝えることができる。
【0036】
図2に示すように、ガイド管9が一対の直線管9a、9bとそれらの下端を接続する屈曲管9cとからU字状に成形され、各直線管9a、9bに夫々発熱管片10を収容し、絶縁電線12を、一方の直線管9aの上部から挿入し、発熱管片10、屈曲管9c、発熱管片10を通して他方の直線管9bの上部から取り出し、その絶縁電線12の両端に交流電源14を接続している。これにより、一本の絶縁電線12によって2個の発熱管片10を加熱することができると共に、交流電源14を無理なく水面8の上方に配設できる。すなわち、水が存在しないガイド管9の上方から集中して電力を供給できる。
【0037】
図4に示すように、絶縁電線12は、断熱材13に貫通形成された孔13a、フロート11に貫通形成された孔11aに挿通されることで、ガイド管9の中心に保持され、発熱管片10の内周面から離間されている。よって、発熱管片10の内周面と断熱電線12との間の空間Sが空気断熱層となり、発熱管片10が発熱しても、その熱によって絶縁電線12が劣化することを防止できる。
【0038】
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0039】
例えば、断熱材13の外周面、フロート11の外周面、発熱管片10の外周面に凹凸を形成することでガイド管9の内周面との接触面積を減らし、断熱材13、フロート11、発熱管片10がガイド管9に沿って昇降する際の摺動抵抗(摩擦抵抗)の低下を図ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、水門設備等に装備され、冬季における水の凍結を防止する誘導加熱装置において、凍結し易い水面近傍のみを集中して加熱でき、消費電力の低減を図った誘導加熱装置に利用できる。
【符号の説明】
【0041】
1 水門設備
2 誘導加熱装置
5 扉体
6 戸当板
8 水面(ガイド管外)
8a 水面(ガイド管内)
9 ガイド管
9a 直線管
9b 直線管
9c 屈曲管
9d 導水孔
10 発熱管片
10a 下端
11 フロート(下部断熱材を兼用)
11a 孔
12 絶縁電線
13 断熱材(上部断熱材)
13a 孔
14 交流電源
G1 隙間
G2 隙間
G3 隙間