(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5878860
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】排気ガス浄化機能を有するターボ過給式大型2ストロークディーゼルエンジン
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20160223BHJP
F02B 25/04 20060101ALI20160223BHJP
【FI】
F01N3/08 B
F02B25/04
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-259439(P2012-259439)
(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公開番号】特開2013-122243(P2013-122243A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2013年1月22日
(31)【優先権主張番号】PA 2011 00954
(32)【優先日】2011年12月8日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】597061332
【氏名又は名称】エムエーエヌ・ディーゼル・アンド・ターボ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー・ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー ステファン
【審査官】
永田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平3−264732(JP,A)
【文献】
特開2000−120426(JP,A)
【文献】
特開平6−117222(JP,A)
【文献】
特開2004−263661(JP,A)
【文献】
特開2007−56769(JP,A)
【文献】
特開2011−127442(JP,A)
【文献】
特開2011−236892(JP,A)
【文献】
実開昭62−726(JP,U)
【文献】
特開2011−220280(JP,A)
【文献】
特開昭61−65013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38,
B01D 46/00−46/54,53/73,53/86−53/96,
F02B 25/00−25/28,
B01J 21/00−38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスヘッド(41)を有する大型2ストロークユニフローディーゼルエンジンであって:
直列に並んだ複数のシリンダ(1)と;
前記シリンダの各々の下部に設けられる掃気ポートと;
前記シリンダの各々の頂部に設けられる排気バルブ(4)と;
排気ガスにより駆動されるタービン(6)と前記タービン(6)により駆動されるコンプレッサー(9)を有し、前記シリンダ(1)に給気を供給するターボ過給機(5)と;
前記複数のシリンダ(1)の列に沿って延びる排気ガス受け(3)であって、前記排気ガス受け内部の空洞内へと延伸すると共に該空洞に排気ガスジェットを導く排気ダクト(35)を介して前記シリンダ(1)に接続され、また出口(33)を有する排気ガス受け(3)と;
前記排気ガス受け(3)の外部に設けられる選択的触媒還元リアクター(19)であって、前記排気ガス受け(3)の出口(33)に接続される入口と、前記ターボ過給機(5)のタービン(6)の入口に接続される出口とを有する、選択的触媒還元リアクター(19)と;
還元剤投入ポイントから排気ガスに加えられる液体還元剤のソース(26)と;
を有し、
前記還元剤投入ポイントは、前記液体還元剤が前記排気ガスの流れに噴射される際に該液体還元剤を霧化するためのノズルを有する噴射弁(21)によって形成され、
個々の排気ダクトから流入する排気ガスジェットが、前記霧化された還元剤と排気ガスとの効果的な混合を引き起こすことができるように、前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受け(3)内で、前記出口(33)の上流に設けられる、エンジン。
【請求項2】
前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受け(3)において、前記還元剤投入ポイントと、前記排気ガス受け(3)の前記出口(33)との間の経路に少なくとも三つの前記排気ダクト(35)が位置するように配される、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記排気ガス受け(3)の前記出口(33)は、前記排気ガス受け(3)の長手方向の一端に位置し、前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受け(3)の長手方向の他端又はその近辺に位置する、請求項1に記載のエンジン。
【請求項4】
前記排気ガス受け(3)の前記出口(33)は、前記排気ガス受け(3)の長手方向における中央部に位置し、
それぞれ前記排気ガス受け(3)の長手方向におけるいずれかの端部又はその近辺に位置する二つの還元剤投入ポイントが設けられる、
請求項1に記載のエンジン。
【請求項5】
前記排気ガス受けは、前記還元剤を噴射し霧化するための領域を提供するために、最初の又は最後の排気ダクト(35)の領域から延伸する延長部分(37)を有する、請求項3または4に記載のエンジン。
【請求項6】
クロスヘッド(41)を有する大型多気筒2ストロークディーゼルエンジンにおいて、排気ガス流中に還元剤を投入する方法であって、
前記エンジンは、各シリンダ(1)の下部に掃気ポートを有すると共に各シリンダ(1)の上部に排気バルブ(4)を有するユニフロー型であり、
排気ガス受け(3)に、前記シリンダ(1)が、それぞれ個別に、前記排気ガス受け(3)内部の空洞内へと延伸する排気ダクト(35)を介して接続され、前記排気ガス受け(3)は出口(33)を有し、
前記エンジンは、前記排気ガス受け(3)の外部にSCRリアクター(19)を有し、該SCRリアクター(19)は、ターボ過給機(5)のタービン(6)の上流に配されると共に、前記排気ガス受け(3)の下流に配され、
前記方法は、
液体還元剤が排気ガスの流れに噴射される際に該液体還元剤を霧化するためのノズルを有する噴射弁(21)に、前記液体還元剤を届けることと;
前記噴射弁から前記排気ガス受け(3)中にスプレー状に液体還元剤を噴射することと;
前記排気ガスと混合した液体還元剤が、前記排気ガス受けの出口(33)から、前記排気ガス受け(3)の外部の前記SCRリアクター(19)の入口へと流れていくようにすることと;
を含み、ただし前記噴射することは、霧化され噴射された前記液体還元剤が、前記排気ガス受けの前記出口(33)へ向かう道中に出会う複数の排気ガスジェットと混合しうるような、前記出口(33)の上流の位置において行われ、それによって、排気ガスジェットのガス流を、還元剤と排気ガスの効果的な混合を行うために利用できるようにすることを含む、方法。
【請求項7】
前記還元剤は、前記排気ガス受け(3)内の単一のポイントから投入されるか、前記排気ガス受け(3)内において長手方向に対向する2つの投入ポイントから投入される、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクロスヘッド型ターボ過給式大型2ストローク内燃ピストン機関に関し、これは好適には排気ガス浄化システムを有するディーゼルエンジンであり、特に、排気ガスのNOxを浄化するSCR(選択的触媒還元)リアクターを有するクロスヘッド式大型2ストロークディーゼルエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
クロスヘッド式大型2ストロークエンジンは、典型的に、大型船舶の推進システムや、電力プラントの主要機関として使用される。排出に関する規制、特にモノ窒素酸化物(NOx)レベルに関する規制はこれまでも厳しく、これからもますます厳しくなることが予想されている。
【0003】
環境問題に対する公衆の関心は急速に高まっている。国際海事機関(IMO)においても、海洋における大気汚染に関する排出規制の議論が行われている。世界中の様々な場所において、当局が同様のことを行っている。例えば、米国の環境保護庁(EPA)が、現在議論されていることを制度化しようと提案している。
【0004】
排気ガス中のNOxは、一次的低減装置及び/又は二次的低減装置によって減少させることができる。一次的な手法として、エンジンの燃焼過程に直接影響を及ぼす手法がある。実際にどれくらい減少させることができるかは、エンジンのタイプや低減手法に依存するが、およそ10%から80%以上にもわたって様々に異なる。二次的な手法とは、最適化された燃料セッティングによるエンジンの性能の変化を伴うことなしに排出レベルを減少させる手段であり、エンジン自体の一部をなす装置ではない装置を用いた手法である。これまでに最も成功した二次的手法は、NOxを減少させる手法である、SCR(選択的触媒還元)法である。この手法は、排気ガスを触媒コンバーターに入れる前に、アンモニアや尿素を排気ガスに加える手法であり、NOxレベルを95%以上減少させることができる。
【0005】
SCRリアクターは複数の層の触媒を備える。触媒の体積、すなわち結果的にはリアクターのサイズは、触媒の活性や要求されるNOx減少度に応じて異なる。触媒は通常、一体構造(monolithic structure)を有するが、それは、壁面に触媒活性を有する非常に多くの並列チャネルを有する触媒の区画から構成されることを意味する。
【0006】
排気ガスは、硫黄含有量に応じて、少なくとも280−350℃の温度を有していなければならない。すなわち、NOxを効率的に窒素と水に変換するには、SCRリアクターの入り口における排気ガスの温度は、硫黄含有量が高い場合は温度が高くなければならず、硫黄含有量が低い場合は温度はそれより低くてもよい。
【0007】
ターボ過給機のタービンの高圧側における排気ガスの温度は、およそ350−450℃である。おお、ターボ過給機のタービン低圧側における排気ガスの温度は、通常、およそ250−300℃である。
【0008】
このため、ターボ過給機のタービンの高圧側にSCRリアクターを設置することは好ましいことである。しかし、SCRリアクターは非常に多くのパイプや容器を内部に有するが、これをタービンの高圧側に設置するとなると、これらのパイプや容器はおよそ4気圧の圧力に耐えることができなければならず、また20℃から400℃までもの温度変化にさらされることになる。このため、タービンの高圧側にSCRリアクターを設置するという構成には、多くの複雑な問題がある。温度による膨張や収縮は、設計上大きな問題を引き起こす。
【0009】
アンモニアや尿素のような還元剤を正しく加えることは非常に重要なことである。なぜなら、加える量が多すぎるとアンモニアスリップが生じ、加える量が少なすぎるとNOxの減少量が減り多くのNOxを環境に放出してしまうという結果になるからである。さらに、排気ガス中に存在するNOxに対応する適当な尿素を加えることは、平均的なレベルで重要なのではなく、短期的なレベルでも重要である。その意味は、短期的な投入量の変動であっても前述のような望ましくない結果を生じるため、短期的な尿素の変動も避けられるべきである。還元剤と排気ガスとは正しく混合されるべきである。エンジンは、その連続最大出力の10%から100%の範囲で運転されることがあり、したがって、投入されるべき還元剤の量の変化も広範囲にならざるを得ない。
【0010】
このような背景のため、既存のSCRシステムは、通常、洗練された、しかし高価な散布システムを使っている。この散布システムは、アンモニアや尿素を排気ガスの流れに一様に散布することができる。また既存のSCRシステムは、下流側において十分な混合がなされるようにするために、混合ユニット(mixing unit)と呼ばれる専用のユニットを用いている。これは通常、かなり大きなものである。この混合ユニットは、排気系の全体的なヘッドロス(圧力損失)をもたらすが、これはターボ過給機の効率を減少させることに等しい。このようなターボ過給機の効率の損失は、燃料効率の観点からは受け入れがたいことである。さらに、圧力損失は、(廃熱利用のために)バイパスされた排気ガス流により駆動されるパワータービンの利用可能性についても制限する。
【発明の開示】
【0011】
かかる背景の下、本発明の目的は、SCRリアクターを有するエンジンであって、上述の問題を克服するか少なくとも減少させるエンジンを提供することを目的とする。
【0012】
上述の目的は次のようなエンジンによって達成される。このエンジンは、クロスヘッドを有する大型ストロークユニフローディーゼルエンジンであって:直列に並んだ複数のシリンダと;排気ガスにより駆動されるタービンと前記タービンにより駆動されるコンプレッサーを有し、前記シリンダに給気を供給するターボ過給機と; 前記複数のシリンダの列に沿って延びる排気ガス受けであって、前記排気ガス受けの内部の空洞に高速の排気ガスジェットを導く排気ダクトを介して前記シリンダに接続され、また出口を有する排気ガス受けと;前記排気ガス受けの外部に設けられる選択的触媒還元リアクターであって、前記排気ガス受けの出口に接続される入口と、前記ターボ過給機のタービンの入口に接続される出口とを有する、選択的触媒還元リアクターと;還元剤投入ポイントから排気ガスに加えられる還元剤のソースと;を有し、個々の排気ダクトから流入する高速の排気ガスジェットが、還元剤と排気ガスとの効果的な混合を引き起こすことができるように、前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受け内で、出口の上流に設けられる。
【0013】
排気ダクトに関連受けられるシリンダの排気弁が開放すると、その排気ダクトから排気ガスのジェットが放出される。還元剤投入ポイントを、排気ガス受け内で出口の上流に配することにより、排気ガスと還元剤とを混合するために必要なエネルギーをそのジェットから得ることができる。排気ジェット中のエネルギーはいずれにせよ排気ガス受けの中で散逸するので、還元剤と排気ガスとの混合は、排気ガスの主要な流れのエネルギーを使うことなく行うことができる。SRCの上流に混合ユニットを設けることを避けることができる。または少なくとも小さくすることができ、排気ガス受けの中に設けることができる。したがって、SCRシステムの設置要件を緩和することができる。混合ユニットによる流れ抵抗(これは流れの圧力損失であるが)も取り除かれるか、少なくとも減少させることができる。尿素の投入は、それほど滑らかでなくともよく、連続的でなくともよい。その代わりに、投与は間欠的に行うことができ、それを弁の開放/閉鎖によって制御することができる。そのような制御は簡単で正確であり、広い範囲の(尿素)配送時間に亘って、タイミング制御を正確に行うことができる。このように、排気ガス受け内で還元剤投入ポイントを排気ガス受けの出口の上流の位置に配することは、簡単な噴射・投与システムを実現する。
【0014】
実施形態によっては、前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受けにおいて、前記還元剤投入ポイントと、前記排気ガス受けの前記出口との間の経路に少なくとも三つの前記排気ダクトが位置するように配される。
【0015】
還元剤投入ポイントから排気ガス受けの出口までの経路に少なくとも3つの排気ダクトが存在するように構成することにより、還元剤が出口に達するまでに少なくとも1つの排気ガスジェットに出会うことが保証される。
【0016】
実施形態によっては、前記排気ガス受けの出口はその長手方向の一端に位置し、前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受けの長手方向の他端又はその近辺に位置する
【0017】
従って、排気ガス受けの長さの全体が、還元剤を排気ガスに混合するために用いられる。
【0018】
実施形態によっては、前記排気ガス受けの出口は、該排気ガス受けの長手方向におけるほぼ中央部に位置し、それぞれ前記排気ガス受けの長手方向におけるいずれかの端部又はその近辺に位置する二つの還元剤投入ポイントが設けられる、
【0019】
この実施形態は、出口が、排気ガス受けの長手方向の中央部付近に設けられている場合に有利である。
【0020】
実施形態によっては、前記還元剤を噴射し霧化するための静かな領域を提供するために、最初の又は最後の排気ダクトの領域から延伸する延長部分を有する
【0021】
この静かな領域は、還元剤を霧化するために有利であり、また、還元剤が排気ガス受けの内壁面に接触することを防ぐためにも有利である。
【0022】
上述の目的は次のような方法によって達成される。この方法は、クロスヘッドを有する大型多気筒ストロークユニフローディーゼルエンジンにおいて、排気ガス流中に還元剤を投入する方法であって、ただし:前記エンジンにおいて、大きな直径を有する長尺の排気ガス受けに、複数のシリンダが、それぞれ個別に排気ダクトを介して接続され、前記排気ガス受けは出口を有し;前記エンジンは、前記排気ガス受けの外部にSCRリアクターを有し、該SCRリアクターは、ターボ過給機のタービンの上流に配されると共に、前記排気ガス受けの下流に配され:前記方法は、前記排気ガス受け中にスプレー状に還元剤を噴射すること、ただし前記噴射することは、前記噴射された前記還元剤が、前記排気ガス受けの前記へ向かう道中に出会う複数の排気ガスジェットと混合しうるような、前記出口の上流の位置において行われ、それによって、排気ガスジェットの高速のガス流が、還元剤と排気ガスの効果的な混合を行うために利用することと;前記排気ガスと混合した還元剤が、前記排気ガス受けの出口から、前記排気ガス受けの外部の前記SCRリアクターの入口へと流れていくようにすることと;を含む。
【0023】
前記出口の上流の位置において排気ガス受け中にスプレー状に還元剤を噴射することによって、還元剤を排気ガスと混合するために必要なエネルギーは、排気ダクトから放出される排気ガスのジェットから得ることができる。この排気ガスのジェットは、その排気ダクトに対応するシリンダの排気弁が開放するときに放出される。排気ジェット中のエネルギーはいずれにせよ排気ガス受けの中で散逸するので、還元剤と排気ガスとの混合は、エンジンのエネルギーを全く使うことなく行うことができる。また、排気ガス受けの出口の上流で排気ガス受け中にスプレー状に噴射することは、簡単な噴射・投与システムを実現する。
【0024】
実施形態によっては、排気ガス受け出口までの道中に出会う複数の排気ガスジェットによって還元剤が混合せしめられるように、排気ガス受け内の上流部で還元剤を投入することを含む。
【0025】
実施形態によっては、排気ガス受け内の単一のポイントから還元剤を投入する。
【0026】
実施形態によっては、排気ガス受け内で長手方向に対向する2つの還元剤投入ポイントから、還元剤の投入を行うことを含む。
【0027】
上述の目的はまた、次のようなエンジンによって達成される。このエンジンは、クロスヘッドを有する大型多気筒ストロークユニフローディーゼルエンジンであって:大きな直径を有する長尺の排気ガス受けと;前記排気ガス受けの外部であって、該排気ガス受けの下流の排気ガス流に設けられるSCRリアクターと;前記SCRリアクターの上流で前記排気ガス流に還元剤を投入する還元剤投入ポイントと;圧力がかけられた還元剤のソース(,,)を備える還元剤配送システムと;電子制御ユニットと;前記還元剤投入ポイントへの還元剤の流れを制御するための、オン/オフ型の電子制御弁であって、前記電子制御ユニットからの信号によって制御される、電子制御弁と;有し、前記電子制御ユニットは、前記電子制御弁の開弁時間を制御することにより、前記還元剤投入ポイントへ還元剤を間欠的に配送するようにして、前記排気ガス流に投入される還元剤の量を制御するように構成される。
【0028】
実施形態によっては、前記電子制御ユニットは、前記エンジンの実際の運転条件に応じて必要とされる還元剤の量に基づいて、前記還元剤投入ポイントへ配送される還元剤の量に関連して前記電子制御弁の開弁時間を制御するように構成されるが、当該制御において、前記エンジンのクランクシャフトの位置は考慮しない。
【0029】
実施形態によっては、前記電子制御
ユニットは、前記排気ガス中のNOx
含有量及び/又は酸素含有量の情報に基づいて、前記還元剤投入ポイントへ配送されるべき還元剤の量を決定する。
【0030】
実施形態によっては、前記還元剤投入ポイントは、前記還元剤が前記排気ガス流に噴射される際に該還元剤を霧化するためのノズルを有する噴射弁によって形成される。
【0031】
実施形態によっては、前記還元剤投入ポイントは、前記排気ガス受けの前記出口の上流に設けられる。
【0032】
実施形態によっては、
前記還元剤投入ポイントは、一つ又は二つしか設けられない。
【0033】
実施形態によっては、電子制御弁は一つしか設けられない。
【0034】
上述の目的は次のような方法によっても達成される。この方法は、クロスヘッドを有する大型多気筒ストロークユニフローディーゼルエンジンにおいて、排気ガス流に還元剤を投入する方法であって:ただし前記エンジンは、大きな直径を有する長尺の排気ガス受けと;前記排気ガス受けの外部であって、該排気ガス受けの下流の排気ガス流に設けられるSCRリアクターと;圧力がかけられた還元剤のソース(,,)を備える還元剤配送システムと;電子制御ユニットと;前記SCRリアクターの上流の還元剤投入ポイントへの還元剤の流れを制御するための、オン/オフ型の電子制御弁であって、前記電子制御ユニットからの信号によって制御される、電子制御弁と;を備え、前記方法は、前記還元剤を、前記排気ガス受けの噴射位置から該排気ガス受け内にスプレー状に噴射することと;前記電子制御弁の開弁時間を制御することにより、前記還元剤投入ポイントへ還元剤を間欠的に配送するようにして、前記排気ガス流に投入される還元剤の量を制御することと;を含む。
【0035】
本願の開示に従うエンジンや方法に関するさらなる課題や特徴、利点、性質は、後の詳細説明により明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】例示的実施形態に従う大型2ストロークディーゼルエンジンの正面図である。
【
図2】
図1の大型2ストロークエンジンの側面図である。
【
図3】
図1の大型2ストロークエンジンのダイアグラム表現である。
【
図4】
図1の大型2ストロークエンジンのシリンダ及び排気ガス受けの詳細図である。
【
図5】他の実施形態に従う大型2ストロークエンジンのシリンダ及び排気ガス受けの詳細図である。
【
図6】他の実施形態に従う大型2ストロークエンジンのシリンダ及び排気ガス受けの詳細図である。
【
図7】他の実施形態に従う大型2ストロークエンジンのシリンダ及び排気ガス受けの詳細図である。
【0037】
本明細書における以下の詳細説明部分において、本発明を、添付図面に描かれた例示的実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0038】
以下の詳細説明において、例示的実施形態を用いて大型2ストロークエンジンを説明する。
図1−3は、ターボ過給式大型低速2ストロークディーゼルエンジンを示す。このエンジンは、クランクシャフト42及びクロスヘッド43を備える。
図3は、ターボ過給式大型低速2ストロークディーゼルエンジンのダイアグラム表現であり、吸気系及び排気系が描かれている。この例示的実施形態において、エンジンは、直列に6本のシリンダ1を備える。ターボ過給式大型2ストロークディーゼルエンジンは、典型的に、直列に配された5本から16本のシリンダを有する。これらはエンジンフレーム45に支えられる。このようなエンジンは、例えば、外洋船舶のメインエンジンとして用いられる。また、発電所において発電機を回すための固定式エンジンとして用いられる。このようなエンジンの全出力は、例えば、5,000kWから110,000kWにまで及ぶ。
【0039】
このようなタイプのエンジンは、2ストロークユニフロー型であり、シリンダ1の下部領域に掃気ポートを有し、また、シリンダ1の上部には排気バルブ4を備える。給気は、給気受け2から、各シリンダ1の掃気ポート(図示されていない)へと導かれる。シリンダ1のピストン41が給気を圧縮すると、燃料が噴射されて燃焼が生じ、排気ガスが生成される。排気弁4が開くと排気ガスは、シリンダ1に対応する排気ダクト35を通って排気受け3流れ込み、さらに、SCRリアクターを含む第一の排気管18を通ってターボ過給機5のタービン6へと進み、さらにそこから排気ガスは、第二の排気管7を通って流れ出る。タービン6は、シャフト8を介して、吸気口10を介して設けられるコンプレッサー9を回す。コンプレッサー9は、圧縮された給気を、給気受け2へと続く給気管11へ供給する。
【0040】
管11の給気は、冷却のためにインタークーラー12に通される。これにより、コンプレッサーを出たときに200℃程度あった給気温度が、36−80℃まで下げられる。
【0041】
冷却された吸気は、電気モーターにより駆動される補助ブロワ16に導かれる。補助ブロワ16は、低負荷条件または部分負荷条件において、給気受け2へ導かれる吸気を圧縮する。ターボ過給機が高負荷になっている場合は、コンプレッサー9は十分な掃気を供給することができるので、補助ブロワ16は、逆止め弁15によってバイパスされる。
【0042】
図3は、SCRシステムのレイアウトを示す。このシステムはSCR(選択的触媒還元)リアクター19を備える。SCRリアクター19は、排気受け3の外部にあり、また排気受け3の下流にある。アンモニアや尿素などの還元剤は、SCRリアクター19に入る前に排気ガスに加えられる。排気ガスは、SCRリアクター19を通過する前に、アンモニアなどの還元剤と混合されなければならない。SCRリアクター19内で化学反応を促進するために、温度レベルは、排気ガス中の硫黄含有量に応じて、200℃から400℃の間になければならない。本実施形態において、アンモニアのソースは、水ベースの尿素の溶液である。
【0043】
図3に描かれる実施形態において、タンク26には尿素の水溶液が貯蔵されている。管25がタンク26をポンプ24の入口へと繋いでいる。ポンプ24は実質的に一定の圧力を提供するように構成されている。ポンプ24の出口は供給管22に接続されており、供給管22は、加圧された要素水溶液を、電子制御弁23を介して噴射弁21へと運ぶ。本実施形態における電子制御弁23は、オン/オフ型のものであるが、比例弁を用いることもできる。電子制御弁23は、電子制御ユニット(処理コンピュータ)50からの信号によって制御される。電子制御弁は油圧弁や空気圧弁であってもよく、また、純粋に電気的に動作する弁であってもよい。噴射弁21は排気受け3に設置される。噴射弁21には、ノズル孔を備えるノズルが設けられる。このノズル孔によって、排気ガス受け3に噴射される尿素水溶液が霧状にされる。噴射弁21は、圧力が閾値を超えたときのみ噴射を行うように構成される。これは、尿素水溶液を霧状にするために十分な圧力があるときのみ、噴射が行われるようにするためである。第二の排気管7にはNOx及び酸素解析機が接続されており、解析の結果が電子制御ユニット50へと伝えられる。SCRリアクター19の上流又は下流で、且つターボチャージャー6よりも上流において、センサ32が、管18中の排気ガスのNOx含有量を測定してもよい。
【0044】
排気ガスに噴射される還元剤の量は、電子制御ユニット50によって制御され、それは、実際の動作条件(負荷条件)におけるNOx生成量に基づいて行われる。動作条件(負荷条件)に対するNOx生成量の関係は、エンジンのテスト運転の際に測定された、様々な動作条件(負荷条件)におけるNOx生成量の測定から導き出される。排気ガスに噴射される還元剤の量は、また、NOx及び酸素解析機からの信号に基づいて制御され、または、実験的に求められたテーブルやセンサ32からの信号、さらにこれら全てにも基づく場合もある。還元剤を噴射するタイミングは、エンジンのクランクシャフト42の実際の位置を考慮することなく行われる。これは、その必要がないからである。排気ダクト35からは還元剤と混合されるべき排気ガスが常に流れ出しており、還元剤の噴射ポイントから出口33までの経路には、排気ガスが常に存在している。
【0045】
図4を参照し、排気ガス受け3の位置と還元剤を噴射するポイントを、政治的実施形態を使ってより詳細に説明する。排気ガス受け3は長大な円筒状をしており、大きな断面積を有する。
【0046】
排気ガス受け3は、シリンダ1の列に沿って設けられており、排気弁4や排気ダクト35が設けられているシリンダ1の上部に極めて近接して設けられている。各排気ダクト35は排気ガス受け3に開口している。多くのエンジンにおいて、排気弁3は、エンジンの直列に並んだ全てのシリンダ1を跨ぐように延設されている。しかし、排気ガス受け3を長さ方向に二つまたはそれ以上の区画に分割することもよく行われており、例えば、多くの気筒を有する非常に大きなエンジンの場合には、排気ガス受け3のサイズが製造設備に対応可能なサイズを超えないように、そのような構成になっていることがある。排気ガス受け3を長さ方向に複数に分割する別の理由は、ターボ過給機5が複数存在する場合である。この場合、個々のターボ過給機5について、分割された排気ガス受け3の区画がひとつ割り当てられる。
【0047】
通常、排気ガス受け3の断面積は、エンジンのピストン41の断面積に等しいか、それより大きい。その結果として排気ガス受け3は大きな体積を有する。シリンダ1の排気弁4が開放すると、排気ダクト35を通じて排気ガスのジェットが排気ガス受け3に流れ込んでくるが、そのジェットは圧力変動を生成することがある。排気ガス受け3の大きな体積は、この圧力変動を緩和することを可能にする。
【0048】
排気ガス受け3には出口33が設けられている。出口33は管18に接続されており、したがってSCRリアクター19に接続されている。このため排気ガス受け3に集められた排気ガスは、SCRリアクター19を介してターボ過給機5のタービンへと流れていく。本実施携帯において、出口33は、排気ガス受け3の長手方向の一端に位置している。したがって、排気ガス受け3の内部の主要な流れは一方向であり、出口33に向かっている。
【0049】
エンジンの各シリンダ1は、それぞれ個別に所定の燃焼シーケンスにしたがって燃焼する。したがって、対応する各排気弁4も同じシーケンスで開放し、また、高速の排気ガスジェットも、排気ダクト35を通じて同じシーケンスで排気ガス受け3に流れ込む。なお、排気ガスジェットの速度は、初めは100m/sを超える速度であり、排気弁の開放フェーズの後段では遅くなる。6気筒の2ストロークユニフロー型ディーゼルエンジンにおいて、これは、平均的に、どの時間においても、だいたい2つの排気ジェットが排気ガス受け3に流れ込むことを意味している。その様子が
図4,6,7に描かれている。
【0050】
本実施形態において還元剤を投入するポイントは、噴射弁21であり、それは排気ガス受けにおいて出口33に対して長手方向の反対側の端部に設けられている。尿素の水溶液は、噴射弁21のノズルの孔から、霧またはジェットのように排気ガス受け3内に噴射される。蒸発した尿素水溶液が、排気ガス受け3の長手方向の端部から排気ガス受け3の中に入る。そこでは、ガスの流れは比較的穏やかであり、還元剤投入ポイントの近くで還元剤が高度に集まった領域を形成する。この穏やかな領域から、蒸発した尿素水溶液は、排気ガス受け3の中の主要な流れに乗って、出口33へと運ばれていき、処理中の排気ガスによって希釈される。排気ガス受け3の中の排気ガスの高い温度は、尿素を、アンモニアのガスと水性の部分(噴射された尿素水溶液の水性部分で蒸発してしまう)に加水分解(熱分解)する。出口33に達するまでに、蒸発した要素水溶液及び/又はアンモニアや水の気体は、排気ダクト35からやってくる1本又はそれ以上の排気ガスジェットに出会う。高速の排気ガスジェットは、排気ガスと、蒸発した要素水溶液及び/又はアンモニアとの激しい混合を引き起こす。これによって、排気ガス及び還元剤が出口33に達するまでに、これらは十分に混合される。このように、還元剤と排気ガスを混合するために必要なエネルギーは、排気ガスのジェットによるものである。排気ガスジェットのエネルギーは、いずれにせよ、排気ガス受け3の大きな体積の中で主に失われるものであり、したがって、還元剤と排気ガスとの混合は、ターボ過給気5のタービン6へと向かう排気ガス流のエネルギーを失うことなく行うことができる。
【0051】
本実施形態において、噴射弁21は、排気ガス受けにおいて、出口33の反対側の一番端に位置している。しかしながら、他の実施形態に関して後に示されるように、還元剤の導入ポイントを、排気ガス受け3の末端部に位置させなければならないという訳ではない。還元剤が出口33に達するまでに少なくとも一つの排気ガスジェットに出会うことができる限り、還元剤の導入ポイントを出口33に近づけて設けてもよい。
【0052】
尿素水溶液は間欠的に噴射されてもよい。これは、噴射された還元剤が排気ガス受け3の中で排気ガスと混合し分散されるのに十分な時間及び機会があるためである。したがって、還元剤の噴射のタイミングはそれほど重要ではない。これは、電子制御ユニット50が電子制御弁23の開弁タイミングを制御する、タイミングベースの薬剤投入システムの使用を可能とする。タイミングの制御は投入レートの広い範囲にわたって正確なプロセスであるので、比較的シンプルで、正確且つ信頼性の高い投入システムが提供される。還元剤の投入ポイントが一点であることは、システムをシンプルにするのに役立っている。還元剤の投入をタイミングによって制御することは、噴射イベントに対して事実上一定の圧力を維持し、それぞれの噴射イベントにおいて還元剤を正しく霧化することができるようなシステムを構築することを容易にする。還元剤の噴射イベントのタイミングは、エンジンのサイクルとは独立である。すなわち、噴射された還元剤は、出口に達するまでに必ず排気ガスジェットに出会うために、排気ガスジェットが存在するか否かを待つ必要はない。しかしながら、還元剤の噴射のタイミングは、エンジンサイクルに同期して行われてもよく、それは、排気受け3の中の移ろいやすい流動場に噴射を適合させることができるという利点を有する。それ故、噴射は、近辺のガス流の速度が比較的遅いときに行われることができる。
【0053】
実施形態によっては、還元剤投入システムは、噴射圧力を調整することにより遂行される制御を用いた定常的な流れを採用したり、複数のノズルのうち所定数のものを選択的にアクティブにすることを採用したりしてもよい。
【0054】
還元剤と適切に混合された排気ガスは、出口33から、SCRリアクター19の入口へと流れていく。そして、還元剤と適切に混合された排気ガスは、SCRリアクター19の入口からその出口へと流れていく。SCRリアクター19の出口から、NOx含有量が減少した排気ガスが、ターボ過給機5のタービン6の入口へと流れていき、そこから第二の排気管7へと流れていく。第二の排気管7は、タービン6の出口からサイレンサー28の入口へと排気ガスを導く。第3の排気管29は、サイレンサー28の出口から大気中へと排気ガスを導く。
【0055】
図5は別の実施形態を示す。この実施形態は、本質的に
図4の実施形態と同じである。しかしこの実施形態では、出口33が、排気ガス受け3の長手方向におけるほぼ中央部に設けられている。したがって、排気ガス受け3の中には主要な流れが二つ存在し、それぞれ長手方向の端部から排気ガス受け3の中央部の出口33へ向かう流れであり、互いに流れの方向が逆である。この実施形態では、それぞれ排気ガス受けの長手方向の端部に二つの還元剤投入ポイントが設けられる。これら二つの還元剤投入ポイントは、二つの噴射弁21によって形成される。これら二つの噴射弁21は、単一の電子制御弁23に接続される。すなわち、これら二つの噴射弁21は、同時に噴射を行う。
【0056】
それぞれ排気ガス受け3の長手方向端部において噴射弁21によって噴射される還元剤は、出口33に向かう主要な流れの一つによって、出口33へと運ばれる。出口33へ向かう途中、還元剤は、排気ダクト35のいずれかから来る少なくとも一つの排気ガスジェットと出会い、それによって、出口33から排気ガス受け3の外に出るまでに、排気ガスと適切に混合されることができる。
【0057】
図6も別の実施形態を示すが、この実施形態も、本質的に
図4の実施形態と同じである。しかし、この実施形態では、エンジンが直列5気筒のエンジンであり、排気ガス受けが、出口33が設けられる長手方向端部の反対側の端部において、延伸せしめられている。排気ダクト35列の最後のもの(または最初のもの)を超えて延伸せしめられた部分(または引き伸ばされた部分)は、還元剤を投入・噴射し、霧化するための、静かで穏やかな領域を、排気ガス受け3の中に形成する。この領域37は、還元剤が正しく霧化し、排気ガス受け3の内壁に影響を及ぼさないことを可能にし、また、噴射ポイントの近辺に、還元剤の密度の濃い大きな領域を形成する。その他の点については、噴射弁21や還元剤の噴射方法は、
図4の実施形態のものと同様である。
図4において噴射弁21は排気ガス受け3の最端部に設けられているが、噴射弁21は、上述の静かな領域37で還元剤を霧化することのできるどのような領域に配されてもよいことを理解されたい。
【0058】
図7も別の実施形態を示すが、この実施形態も、本質的に
図4の実施形態と同じである。しかし、この実施形態では、還元剤の投入ポイントが、排気ガス受け3の最端部に設けられていない。その代わりに、還元剤の投入ポイントは、出口33の反対側から数えて2番目と3番目のシリンダの間に設けられている。噴射弁21/還元剤投入ポイントのこの位置によっても、噴射された還元剤が排気ガス受け3の出口33に達するまでに、4つのシリンダの排気ダクト35が存在する。それによって、還元剤が出口33に達するまでに、少なくとも一つの排気ガスジェットに当たることが確実となる。したがって、還元剤と排気ガスとの適当な混合が達成される。
【0059】
基本的に、投入された還元剤が出口33に達するまでに排気ガスジェットと適切に混合するためには、少なくとも三つの排気ダクト35が、投入ポイントと出口33との間に存在する必要がある。
【0060】
請求項において「備える」「有する」との表現は、さらに他の要素や処理を備える(有する)ことを除外しない。請求項において要素が単数のように記載されていても、それが複数である構成を除外しない。請求項に記載される単一の処理手段やユニットは、同じ機能を有する複数の手段でありうる。
【0061】
請求項に記載される参考符号は、技術的範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0062】
本発明を例示目的で詳細に説明してきたが、これらの詳細は純粋にこの目的のために提示されたものであり、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な変形がなされうるものであることを理解されたい。例えば本発明は、排気ガス再循環を用いる大型2ストロークエンジンにおいても実施可能である。