(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
三角形の非対称の視覚的スイングインジケータの二つの長い辺が、ボディの上面のヒール側端部の該非対称の視覚的スイングインジケータの最短の辺の対向する端部から延びて、該ボディの該上面のトウ側端部においてつながり、尖った端部として終止するように配置される、請求項3記載のゴルフクラブヘッド。
取付手段が、複数の異なる非対称の視覚的スイングインジケータのいずれかをボディの上面に固定するように、かつ該非対称の視覚的スイングインジケータの取り外しおよび該複数の異なる非対称の視覚的スイングインジケータの別のものによる交換を可能にするように構成されている、請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
様々な態様の以下の説明において、本発明を実施することができる例示的配設を示す添付図面を参照する。本発明の範囲を逸脱することなく、他の態様を利用することができ、修正を加えることができることが理解されよう。さらには、本明細書において使用される様々な用語を以下に定義する。
【0010】
図1A〜1Dは、例示的ゴルフクラブヘッド100のそれぞれ模式的上面図、トウ側端面図、ヒール側端面図および前面図である。図面から明らかなように、ゴルフクラブヘッドは、上部110、前部120、トウ側端部130、後部140、ヒール側端部150および下部(またはソール)160を含むと例示的に考えることができる。さらに、ゴルフクラブヘッド100は概して、特にゴルフクラブヘッド100のシャフト190への接続を促進するように形成されたホーゼル180を含む。ホーゼル180およびシャフト190は当技術分野において周知である。ホーゼル180はゴルフクラブヘッド100の残りの部分とともに単一のボディ部材として通常形成される。
【0011】
前面120は概して、ゴルフボールを打つように構成された打撃面125を収容する。打撃面125は、多様な特徴、構成、形状、表面および詳細のいずれかを含みうる。たとえば打撃面125は、打撃面125がゴルフボールに衝突するときにゴルフボールの所望の飛びを促進する一連の水平な溝を含みうる。これらの溝の間隔、サイズ、深さ、形状、輪郭および向きは、所望のボールの飛びの特性を実現するクラブの種類(および/または特定のクラブ製造者)に基づいて異なることがある。また、打撃面125は、打撃面がゴルフボールに衝突するように繰り返し使用されることを予想して、硬化材料で形成されうるか、またはこの材料を強化もしくは硬化するように処理されうる。硬化材料から孔、溝および波形、ならびに周知である打撃面の様々な他の材料、構造および構成までの、表面処理および装飾の多くの他の形態を、打撃面125に組み込むことができる。
図1A〜1Dに例示的に示される例示的ゴルフクラブヘッド100を「ウッドタイプ」ゴルフクラブヘッドと一般的に呼ぶことができる。ウッドタイプゴルフヘッドとしてはドライバ、フェアウェイウッド、ハイブリッドクラブおよび他のゴルフクラブヘッドを挙げることができる。しかし、「アイアンタイプ」ゴルフクラブヘッド、パターおよび任意の他のゴルフクラブヘッドを含む他のゴルフクラブヘッドが、
図1A〜1Dおよび上記の対応する例示的特徴に関して想定される。
【0012】
図2は、ゴルフクラブヘッド100を用いてゴルフボール201をアドレスするゴルファー10の例示的上平面図である。
図2に示すアドレス状態は一般に、ゴルフボール201を打つためのゴルファーのスイングの開始位置と考えられる。ゴルフクラブ199は一般に、ホーゼル180においてヘッド100に結合したシャフト190を含む。ゴルファー10がそれによってゴルフクラブ199を保持または把持するグリップ195は、ヘッド100と反対側の端部においてシャフト190に取り付けられている。グリップ195は公知であり、好み、人間工学特性、およびゴルファーの傾向、たとえばスライスまたはフェードを打つ傾向に応じて著しく異なることがある。たとえば、グリップは「グリップサイズ」および外周において異なる。それらは、グリップの外面上の特定の質感およびグリップパターンにおいても異なる。グリップは、ゴルファーが自身の手を置くことを支援するために、丸くなっていることがあるか、または下面にラインまたはリブを有することがある。他の形状も想定される。グリップは、ゴム、ポリマーおよび革をたとえば含むいくつかの材料で構成されうる。グリップの特質は、例えば、グリップをコード入りにするか、または様々な材料のいずれかをその材料の摩擦特性に基づいて選択することにより変動しうる。
【0013】
当技術分野において公知であるシャフト190はまた、長さ、材料組成、剛性、フレックスならびに他の特質および特徴において異なることがある。例えば、ゴルファーは、多様な材料の特性に照らしてそれらの材料で形成されたシャフトを選択することができる。たとえば、好ましいシャフトの剛性が、技能、強度、およびスイングスピードまたはスイング軌道を含むスイング特性に応じてゴルファー毎に異なることがあるため、フレックスおよび剛性が、特定のシャフトまたはシャフト材料を選択するときに想定されうる例示的特性として挙げられる。少なくとも一つの分類システムにおいて、特定のフレックス特性に応じて、シャフトをエクストラスティッフ、スティッフ、レギュラー、シニアおよびレディースとして分類することができる。他のゴルフクラブの特徴と同様に、シャフト190およびグリップ195は多くの場合、ゴルファーの「感覚」、ならびにゴルファーの身体構成ならびにスイング特性および傾向に関連する特質に基づいて選択される。
【0014】
図2において明らかなように、ゴルファーは概して、自身の足11を、ゴルファーがゴルフボール201を、打ちたいと望むかまたは打つことを目指す方向に通常整列された向きに配置する。しかし、ゴルファーの好みおよび使用されるクラブの特定の種類(ドライバー対5番アイアン対ウェッジ)に応じて、足の配置は、一般的な所望の移動軌道から特定の回転によって斜めになるように、当技術分野において公知のようなこの例示的配置から変動しうる。
図2の例示において、矢印202は、ゴルファー10がゴルフクラブ199の前部120(フェース)でゴルフボール201を打った後のボール201の「一般的な」所望の移動軌道を示す。矢印203が示すようなゴルファーの足の整列は、ゴルファーのスタンスを、ボール202の一般的な所望の移動軌道と一般に平行なものとして例示的に示す。公知のように、ゴルファーは様々な程度の「フェード」または「スライス」を打つことがあるため、ボール201の実際の移動軌道202は一般的な所望の移動軌道とは異なることがある。同様に、ボールの飛びはその最初の方向および一般的な飛行軌道曲線において異なることがあるが、最終的にボール202の一般的な所望の移動軌道と一般的に整列されるようにボールをカーブさせることが望まれることがある。さらには、参照のために、破線250は、ゴルフクラブヘッドのヒール側端部150に沿って、地面に垂直に(地面が平らであると仮定)伸びるヒール側端面を示す。ゴルファー10が
図2に示すような通常のアドレス状態にあるときに明らかなように、ヒール側端面250は一般的な所望の移動軌道202およびゴルファーの足の整列203に平行である。
【0015】
図3Aおよび3Bは、ゴルフクラブヘッド、ならびに例示的バックスイングおよびダウンスイングを含む様々な例示的スイング軌道の例示的上平面図である。ゴルフスイングは、アドレス状態と、それに続く、シャフト190およびホーゼル180を有するクラブヘッド110が、打たれるべきゴルフボール201より後向き(および上向き)に通常引っ張られるバックスイングとを有するものと一般に考えることができる。このバックスイング中、ゴルファーはまた概して、自身の胴体を回転させ、自身の脚を用いて「自身の体重を移動させる」。本質的に、バックスイング中のゴルファーは、ゴルフボール201に接触するダウンスイング動作を予想して、自身の身体をねじるかもしくは丸め、かつ/または空間を設ける。ゴルファー10がスイングの「トップ」に到達し、次にダウンスイング軌道に沿ってダウンスイングを始めるまで、当技術分野において公知のようにゴルファー10はバックスイングを続けることができる。
【0016】
図面において様々なスイング軌道および方向を示す上でのさらなる明確化および比較のための参照点として、ゴルフクラブヘッド100の中心155を使用する。
図3Aは、高ハンディキャッププレーヤ(たとえば、ゴルファーを、プレイおよびスコアに基づいて格付けする周知のハンディキャップシステムによるゴルファーらの「ハンディキャップ」として、より大きい数字を有するプレーヤ)のスイング傾向を示すゴルフクラブヘッド100の例示的な図である。一般的に言えば、
図3Aに示すように、高ハンディキャップゴルフプレーヤは、ゴルフクラブヘッド100を、ゴルフプロおよび通常のスイング力学が推奨するよりも内向きの(ヒール側端部150)軌道で「テイクアウェイする」傾向を有することがある。たとえば、高ハンディキャップゴルファーは、ゴルフクラブヘッド100を、アドレス状態で示されるその位置から、
図3Aに示すような最初のバックスイング軌道310Aに沿ってテイクアウェイする傾向を有することがある。この場合、テイクアウェイまたは最初のバックスイング軌道310Aは、概して内向きまたはヒール向きの軌道を有する。ゴルファー10が自身のバックスイングをこの内向きまたはヒール向きの弾道に沿ったバックスイング軌道310Aに沿って始めるとき、ゴルファーはそのバックスイング軌道を、それが当技術分野において公知のような自身のバックスイングのトップに到達するまで続ける。
【0017】
バックスイングのトップとして知られる特定の位置はゴルファー毎に異なる可能性あるが、シャフト190が地面と平行な位置に到達するときの位置であることが一般に知られている。当然、フルスイングよりむしろ様々な程度の部分スイングについて、この位置はこの平行なシャフト位置に著しく及ばないことがある。さらには、プロフェッショナルゴルファーを特に含む一部のゴルファーは、著しいパワーを生み出そうとするとき、およびたとえば特定のクラブについて最大の距離でボールを打とうとするときにこの平行位置を超えて延びるバックスイングを有することがある。
【0018】
最初のバックスイング軌道310Aを有するゴルファーは、従来望まれる軌道よりも内向きまたはヒール向きの軌道でクラブヘッドを振り始め、多くの場合、過度に内向きまたはヒール向きの弾道で自身のスイングを続ける。この内向きのバックスイング弾道を続けるために、ゴルファー10の腕は、内向きになることを強いられ、好ましいスイング力学に従って望まれるように全般的に延びたままであることが妨げられる。次にゴルファーは、最適なトップ位置から変動した位置における自身のスイングのトップに到達する(たとえば、腕はさらに内向きになり、窮屈になり、胴体の回転は完了しない)。
【0019】
バックスイングのトップに到達した後、ゴルファーはすぐにダウンスイングを始め、その後ゴルフクラブヘッド100はゴルフボール201に接触し、次にゴルファー10は「フォロースルー」でそのスイングを終了させる。ここで、誤って整列された位置にあるバックスイングのトップにゴルファーが到達することから、ゴルファーが体を伸ばし、ゴルフボール201に接触するための最初のアドレス状態に再び向かって回転する際に、ゴルファーは過剰に補償する傾向を有する。たとえば、ゴルファーは窮屈に感じると考えられ、ゴルファーの腕は、ダウンスイングによって動く際に接触時点で延びた位置に戻るには自身の身体に近くなりすぎ、またそのようにも感じると考えられる。ゴルファーはまた、ダウンスイング中に十分に速やかに整列位置に戻るのに苦労することがあり、したがってゴルファーは、ゴルフクラブのクラブフェースをオープンにしないためにスイング中に「キャッチアップする」ように急がされると感じる。最初のバックスイング軌道310Aが好ましい軌道より内向きまたはヒール向きにある結果として、ゴルファー10のダウンスイング軌道が影響を受ける。
【0020】
図3Aに示すように、ゴルファーは、好ましい位置より外向きで始まるダウンスイングを行う。
図3Aに示すように、ゴルファーがゴルフクラブヘッド100の前面120の打撃面125を用いて、外向きから内向きへの斜め方向で打撃区域を通ってボール201を打つ際に、この誤った整列が完遂される。図示するように、ゴルフクラブヘッド100は、最終のダウンスイング移動軌道320Aで移動する。さらには、ゴルフクラブヘッド100の前側フェース120は、
図2の対応する状態におけるその向きに比較して回転した向きを有しうる。したがって、ゴルフクラブヘッド100の不正確、または慣習/好みとは逆の動作軌道および向きによって、ゴルフボール201は、所望の向きおよび接触方向とは逆のゴルフクラブヘッド100の打撃面125により接触される。さらに、この変動した最終のダウンスイング軌道320Aによって、ゴルフボール201の飛行軌道は、一般的な所望の飛行軌道202から、それが打撃面125によって接触されてゴルフクラブヘッド100からの運動エネルギーがボール201に伝達された後に、変動する。結果的な変動したボール201の飛びは、所望のまたは最適なボールの飛びについていくつかの望ましくない変形を具現化しうる。距離が失われることがある。概してまっすぐなボールの飛びが望ましいとき、ボールはスライスまたはフェードの飛行軌道を有することがある。
図3Aに記載されるようなスイングによって打たれた後のゴルフボール201の飛行軌道が概してまっすぐだとしても、接触時点でのクラブヘッド運動の軌道310Aが所望の飛行軌道202に対して対角線上であることから、それは方向的に斜めでありうる。さらには、打撃面125を含むクラブヘッド前部120は、所望の「スクエア」または他の向きに対して回転することによって、さらなるスピンまたは方向の変動を結果的なボールの飛びに導入することができる。
【0021】
図3Bは、好ましい結果を実現するためのゴルファーの好ましいバックスイングおよびダウンスイング軌道のスイングを示す、ゴルフクラブヘッド100の例示的な図である。各ゴルファーはいくらかユニークで特別なスイングを有しうるが、プロフェッショナルゴルファーを含む低ハンディキャップゴルファーは概して、記載され、
図3Bに示されるスイング傾向と同様のまたは相関するスイング傾向を有する。図示するように、高ハンディキャップゴルファーのスイング傾向とは逆に、低ハンディキャップゴルファーは、概してまっすぐでアドレス状態から後向きである最初のバックスイング軌道310Bを有する。概してまっすぐである最初のテイクバックを有することによって、ゴルファーは概して、バックスイングの「トップ」に到達するまで好ましいバックスイング軌道に沿って自身のバックスイングを続ける。低ハンディキャップゴルファーは、ゴルフクラブヘッド100を概して後向きおよび上向きに引っ張り、一般に、バックスイング中に自身の脚を使用して自身の胴体を回転させ、「自身の体重を移動させる」。記載されるように、低ハンディキャップゴルファーは、ゴルフボールに接触するダウンスイング動作を予想して、身体をねじるかもしくは丸め、かつ/または空間を設ける。しかし、
図3Aに示すバックスイングとは逆に、最初のバックスイング軌道310Bを含むバックスイングは、ゴルフクラブヘッド100の最初のテイクアウェイがまっすぐであるため、適切である。したがって、最初のバックスイング軌道310Bを有するゴルファー10が適切な位置および向きでスイングのトップに到達する可能性および傾向が増大し、そのため、ゴルファーが次にダウンスイングを進行させるときに、スクエアなまたはわずかに内向きから外向きへの好ましいスイング軌道、具体的には最終のダウンスイング軌道320Bに戻る見込みがある。
【0022】
好ましい最終のダウンスイング軌道320Bが最初のバックスイング軌道310Bと異なるものであり、単に逆方向に同一の軌道であるわけではないことは明らかである。この変動は、ゴルファーが、シャフト190およびグリップ195によってゴルフクラブヘッド100につながる際のゴルフスイングの動力学および力学に基づくものとして、当技術分野において周知である。したがって、好ましい力学のゴルフスイングにおいて、ゴルフクラブは一般に、ゴルファーがスイングする際にゴルファーの手の周りで旋回する。しかし、言及され、当技術分野において公知であるように、ゴルファーの脚および胴体を含むゴルファーの下半身はまた、スムーズでかつ力強いスイングをゴルファーが生じさせることを可能にするように動き、移動しかつ/または回転する。スイング中に、シャフト190およびグリップ195によって、ゴルファー10、およびグリップ195を把持するゴルファーの手にゴルフクラブヘッド100がつながることから、ゴルフクラブヘッド100の打撃面125がゴルフボール201に衝突する際またはそのごく直前に、ゴルフクラブヘッド100は、ダウンスイング中にいくらか内向きの位置から移動して、一般的な所望の移動軌道202(ゴルファーの脚の整列と多くの場合平行である)においてゴルフボール201と整列される。ゴルフクラブヘッド100の打撃面125がスクエア位置においてゴルフボール201に衝突した結果として、ゴルフボールは、所望の移動軌道202と方向において同様のボールの飛びまたは移動の軌道を有すると考えられる。
【0023】
図3Aおよび3Bの図示および付随する記載から、ゴルファー10のダウンスイングおよびパフォーマンス、ならびにボール201の打撃を含む関連する特定のスイング全体に、最初のバックスイング軌道310A〜Bがどのようにして影響を与えるかは明らかである。
図3Aに示すように、たとえば最初のバックスイング軌道310Aの内側でゴルフクラブヘッド100をテイクバックするゴルファー10は概して、
図3Aに示すように「アウトサイド・インサイド」でクラブヘッドを振り上げて戻す。その結果、ゴルファーはボールを打撃面125のトウ側端部130で打ち(「トウ打ち」)かつ/またはボールをスライスする。対照的に、
図3Bに示すように、最初のバックスイング軌道310Bがまっすぐになるようにテイクアウェイ中にゴルフクラブヘッド100をまっすぐ後向きにまたはスクエアにするゴルファー10は、ゴルフボール201と打撃面125との間の概してスクエアな接触を「スイートスポット」で生じさせる軌道を含むインサイドアウトのダウンスイング軌道においてゴルフクラブヘッド100を戻す、より大きい可能性を有する。ゴルファー10はクラブのまっすぐなテイクアウェイが望ましいことを認識しうるが、高ハンディキャップゴルファー、頻繁にはプレイしないゴルファー、および他のゴルファーは癖、傾向または不適切な筋肉・記憶運動を示すことがあり、したがって、ゴルファーのバックスイングまたは最初のテイクアウェイに特に関連するこれらの一般的な誤りをそのようなゴルファーが絶えず繰り返すことを防ぐように促すには、さらなる支援が必要である。
【0024】
たとえば、クラブとボールとの間で接触が行われるとき、ならびにゴルフのラウンド中の時点のなかでもちょうどバックスイングおよびダウンスイングの間に、ゴルファーは「感覚」にしばしば言及する。したがって、特定のゴルファーは、不適切なスイング力学の反復を通じて自身の身体を鍛錬したことがあり、そのため、ゴルファー10がゴルフクラブヘッド100を好ましい最初のバックスイング軌道310Bで動かすとき、このテイクアウェイに違和感があり、ゴルファーは、ゴルフクラブヘッド100を所望のやり方で後向き140にしているようには感じない。同様に、ゴルフクラブヘッド100が最初のバックスイング軌道310Aを有するようにゴルファー10がゴルフクラブ199を動かすとき、ゴルファー10は、実際には自身のバックスイングが不正確であってまっすぐに後向きではないときに自身のバックスイングが適切かつまっすぐであるように感じることがある。したがって、最初のバックスイング軌道310Aに沿ってバックスイングを行う傾向を有するゴルファー10に、ゴルフの好ましい力学に従う最初のバックスイング軌道310Bを行わせるための機構が有益である。
【0025】
図4は、上面110に収容されて、ゴルファーがゴルフクラブヘッド100を「まっすぐ」または「スクエア」にテイクバックすることを支援するように構成された視覚的スイングインジケータ400の例示的な図を示す。ゴルファーの不適切な傾向にもかかわらず適切な最初のバックスイング軌道310Bを促進するために、視覚的スイングインジケータ400をゴルフクラブヘッド100の上面110に収容してゴルファー10がゴルフクラブヘッド100をよりスクエアにテイクバックすることを支援することができる。視覚的スイングインジケータ400は、様々なサイズ、形状、寸法、向きおよび外観などを含む多様な特定の構成を有しうる。ゴルファーの特定の傾向に応じて、視覚的スイングインジケータ400は特定の構成を有しうる。たとえば、バックスイング中にゴルフクラブヘッド100をまっすぐ後方というよりむしろ内向きにするという傾向による最初のバックスイング軌道310Aを有するゴルファー10を支援するために、視覚的スイングインジケータ400の向きを、視覚的スイングインジケータ400の前側がゴルフクラブヘッド100の前面120に平行になり、かつ視覚的スイングインジケータ400が後向きにトウ側端部130に向かって伸びるようにする。そのような構成において、視覚的スイングインジケータ400を、ゴルフクラブヘッド100の前部からゴルフクラブヘッド100の後部140とトウ側端部130との間の区域の方に向かうものとして記述することができる。ゴルフクラブヘッド100の上面110において下向きになるアドレス状態にあるゴルファー10は、視覚的スイングインジケータ400を、ゴルファーがアドレス状態からゴルフクラブヘッド100のテイクアウェイを始めるべき方向に関する備忘および指針として見る。したがって、ゴルファー10がゴルフクラブヘッド100のテイクアウェイを始めるとき、ゴルファーは、ゴルフクラブヘッドをまっすぐな最初のバックスイング軌道310Bより外向きにしているように「感じる」。しかし実際には、自身はまっすぐな後向きの軌道を有する最初のバックスイング軌道310Bを行っている。したがって、最初のアドレス状態からどの方向にゴルフクラブヘッド100をテイクアウェイするかに関する備忘および案内として働く、視覚的スイングインジケータ400が示す軌道に従うことによって、ゴルファーは、
図3Aの最初のバックスイング軌道310Aなどの不適切なテイクアウェイを有する傾向をより容易に克服することができる。ゴルファー10は今や、概してまっすぐに後向きである最初のバックスイング軌道310Bを有するように自身のバックスイングを修正することができたため、既に記載したように、ゴルファー10が、打撃領域を通ってゴルフクラブヘッド100を適切な軌道で戻し、最終のダウンスイング軌道320Bよりむしろ最終のダウンスイング軌道320Bを含む適切かつ好ましい様式でゴルフボール201に接触することができる可能性が増大する。
【0026】
図4に示される例示的構成において、非対称のスイングインジケータ400は三角形であり、第一、第二および第三の辺401、402、403、ならびに第一、第二および第三の角404、405および406を有する。参照のために、辺401〜403のいずれか一つおよび/または角404〜406の一つを視覚的スイングインジケータ400の「端部」と考えることができる。さらには、
図4から明らかなように、この構成の視覚的スイングインジケータ400は、視覚的スイングインジケータ400の全体的形状がアドレス状態のゴルファー10の視点から後部140およびトウ側端部130の方向を指すように向いている。視覚的スイングインジケータ400の第一の辺401は長さにおいて最短の辺である。第二の辺402は長さにおいて二番目であり、第三の辺403は最長の辺である。したがって、三つの辺401、402、403はそれぞれ異なる長さを有する。
【0027】
特定の構成の視覚的スイングインジケータ400は、第一の辺401がゴルフクラブヘッドのヒール側端部150により近く位置し、ゴルフクラブヘッド100の前面120の打撃面125に平行になるように配置可能である。記載されるように、視覚的スイングインジケータ400の他の二つの辺402、403はそこで、非対称形の視覚的スイングインジケータ400が前面120、および上面110のヒール側端部150からトウ130および後方端部140に伸びる向きを有するように伸びている。したがって、ゴルファー10がアドレス状態にあるときにトウ側端部130に最も近いボール201の部分に、視覚的スイングインジケータ400の辺402を整列させることができる。この整列において、ゴルフボールはゴルフクラブヘッド100の中心のヒール側端部150側に位置する。ゴルファーは従来よりゴルフボールをゴルフクラブヘッド100の中心、特に打撃面125の中心領域(スイートスポットと一般的に呼ばれる)に整列させようとするが、視覚的スイングインジケータ400のこの構成は、ゴルフボール201をトウ側端部130よりもヒール側端部150の方に近く整列させる。大部分のゴルファー(高ハンディキャップゴルファーを含む)は、スイングのダウンスイングの間に、自身がアドレス状態にあったときに整列した場所よりも約0.5インチまたはさらにそれ以上打撃面125のトウ側端部130に近づいた場所において、ゴルフボール201を打撃面125で打つ傾向を有することから、アドレス状態においてこの様式でゴルフボール201を配置することは、ゴルファー10のスイングおよびパフォーマンスの改善を促進および支援することにもなる。したがって、アドレス位置においてゴルフボール201を打撃面125のヒール側端部150に所与の距離だけ近づけて配置することは、最初のアドレス状態の整列位置よりもさらにクラブヘッド100のトウ側端部130の方でボールを打つという記載される傾向を考慮して、ゴルフクラブヘッドの打撃面の中心または「スイートスポット」でゴルファーがゴルフボールを打つことを容易にすることができる。視覚的スイングインジケータ400のトウ側端部側402をゴルフボール201のトウ側端部側に整列させることによって、ゴルファー10の傾向にもかかわらず適切なスイング力学を促進するスムーズな視覚表現を形成することができる。さらには、視覚的スイングインジケータ400がアドレス状態においてゴルフクラブヘッド100を整列させ、配置するための基準としても使用可能であることから、ゴルフボールの最初の整列をより容易に、より一貫して達成することができる。記載される様式でアドレス位置中にゴルフボール201を視覚的スイングインジケータ400に整列させることができるが、第一の辺401がトウ側端部130とヒール側端部150との間に中心を置いて打撃面125の中心に整列されるように視覚的スイングインジケータ400を形成することもできる。特定のゴルファーは、打撃面125上の同一位置でゴルフボール201を打つことがあり、したがって、アドレス状態における中心に置かれた整列は、ゴルファーのダウンスイング中のゴルフボールの適切な整列および打撃をより良く促進しうる。同様に、特定の構成の視覚的スイングインジケータ400は、前側401がヒール側端部150よりもトウ側端部130の方に近く位置するように配置されることさえありうる。したがって、ゴルフクラブヘッド100の上面110での配置を特に含む視覚的スイングインジケータ400の詳細が個々のゴルファー10のスイング傾向、身体特性および好みに応じて異なってもよいことが、当業者に理解されよう。
【0028】
図3A〜4に関して記載される構成に係る
図5A〜Bは、上面に収容されて、ゴルファーが従来の好ましいゴルフスイング力学に従ってゴルフスイングを行うことを支援する視覚的スイングインジケータ400を有するゴルフクラブヘッド100の一つの構成を例示的に示す。
図5Aは、従来のゴルフクラブヘッドを使用するゴルファーのバックスイングおよびダウンスイングの感覚を示す。図示されるアドレス状態において、ゴルファーはゴルフクラブヘッド100をゴルフボール201I(破線で示す)に整列させる。ここでゴルフボール201Iは一般に、地面またはティー上に存在しうるものであり、図示するようにトウ側端部130とヒール側端部150との間に中心が置かれうる。次にゴルファー10はバックスイングを始める。
図5Aは、ゴルフクラブヘッド100を内向きにする傾向を有するゴルファーが、実際にはそのゴルファーが実際のバックスイング軌道510Aに沿ってゴルフクラブヘッド100をテイクバックしているとき、バックスイング軌道515Aに沿ってゴルフクラブヘッド100をテイクバックしていると思っていることを示す。記載されるように、ゴルフクラブヘッド100のこの最初の内向きのテイクアウェイによって、ゴルファーが従来から好ましいゴルフダウンスイングに沿ってスクエアにクラブヘッド100を戻さず、代わりにダウンスイング軌道520Aが示すようなアウトイン方向から来るという見込みがより大きくなる。さらに(そして多くの場合関連して)、ゴルファーはまた、アドレス状態において、ゴルフボール201がゴルフクラブヘッド100に対して配置された位置よりもトウ側端部に近い方の位置においてゴルフボールに接触する。
【0029】
対照的に、高ハンディキャップのゴルファーを特に含む様々なゴルファーは、スイング傾向を克服し、ゴルフプロフェッショナルの、認知された好ましいスイング力学および軌道とより一致したスイングを行うことができる。
図5Bに示すように、ゴルフクラブヘッド100は非対称の視覚的スイングインジケータ400を収容する。アドレス状態において、ゴルフクラブヘッド100は、視覚的スイングインジケータ400の第二の辺402がゴルフボール201Iのトウ側端部に整列されるように配置可能である。アドレス状態のゴルファーは、クラブヘッド100の上部110を見下ろし、視覚的スイングインジケータ400を使用して、視覚的インジケータ400が最初のテイクアウェイ中に与える視覚的印象に基づいて、見かけのバックスイング軌道515Bにもかかわらず、まっすぐ後向きな実際のバックスイング軌道510Bに沿ってゴルフクラブヘッドをバックさせる。すぐにゴルファー10はバックスイングを続け、トップに到達し、次にダウンスイングを行う。論じるように、ゴルフクラブヘッドを実際のバックスイング軌道510Bに沿ってスクエアにテイクバックしたゴルファーは、打撃領域を通って、かつ最終のダウンスイング軌道520Bを通ってゴルフクラブヘッド100を戻す見込みが著しく大きくなり、したがって、適切なスイング軌道が行われて、ボール201が打撃面の中心領域にあるスイートスポットにおいて、打撃面125を含むゴルフクラブヘッド100と、適切でスクエアな向きで接触する。記載されるように、ゴルファー10は、クラブがスクエアにテイクバックされているようにスイングが「感じ」ないことがあるという事実にもかかわらず自身の最初のバックスイングまたはテイクアウェイにおいてゴルファーを導く視覚的スイングインジケータ400に依存することができる。したがって、見かけのバックスイング軌道515B(視覚的スイングインジケータ400により形成)が、実際のバックスイング軌道510Bより外向きにあることから、スクエアなテイクアウェイより内向きの最初のバックスイングを有する傾向を有するゴルファーは、視覚的スイングインジケータ400に依存して好ましいやり方でバックスイングを行うことができる。したがって、結果的な好ましいダウンスイングおよびゴルフボール201との接触が達成される。したがって、結果的なショットは、ゴルファーのスイングの改善されたスイング力学および軌道の結果としての改善された距離、コントロール、方向および他の特性を示すと考えられる。
【0030】
各ゴルファーが身体特性およびスイング傾向において異なることが理解および想定されよう。特定の視覚的スイングインジケータ400、および視覚的スイングインジケータ400を利用するゴルフクラブがある範囲のゴルファーに適していることがあるが、多様な視覚的スイングインジケータ400の構成が、本明細書に記載される原理と一致していると想定される。同様に、ウッドタイプゴルフクラブを包含する構成が使用されているが、多様なクラブの種類を包含する多様な構成が想定されている。
【0031】
図6A〜6Cは、記載される原理と一致した視覚的スイングインジケータ400を収容するゴルフクラブヘッド100のいくつかの構成を例示的に示す。以前の図は丸みのあるウッドタイプゴルフクラブヘッドを例示的に示したが、スクエアで特大のドライバを含むスクエアなクラブヘッドを有する、視覚的スイングインジケータ400を利用する構成が想定される。さらには、視覚的スイングインジケータ400を有するハイブリッドゴルフクラブヘッドの構成も想定される。さらに、アイアンタイプゴルフクラブヘッド、たとえば
図6Cに示すゴルフクラブヘッド100は、特に前部120から後部140への方向においてウッドタイプゴルフクラブヘッドよりも小さい上面110を通常有するが、記載される原理を利用するアイアンの構成も想定される。
図6A〜6Cに示すように、所望の視覚的スイング支援機能が達成されるように、視覚的スイングインジケータ400の特定の寸法設定および形状は、関連するクラブヘッド100毎にまたはゴルファーの傾向毎に異なってもよい。たとえば、より小さい視覚的スイングインジケータ400が
図6Cのゴルフクラブヘッド100の上面110に収容される。ここで、非対称の視覚的スイングインジケータ400もまた三角形であるが、三角形の視覚的スイングインジケータ400の寸法および外観は、
図6Aおよび6Bに示すそれらと異なる。特定の形状および向きの変動を、個々のゴルファーのスイング傾向に相関するように、また、アイアンタイプゴルフクラブを使用するゴルファーの通常のスイングがウッドタイプゴルフクラブを用いる同一ゴルファーのスイングとは一般に異なることから、クラブの種類によって異なることがある通常のスイング傾向の変動にも相関するように、行うことができる。したがって、ウッドタイプゴルフクラブとの組み合わせで使用される視覚的スイングインジケータ400は、アイアンタイプゴルフクラブ上の視覚的スイングインジケータ400よりも外側の向きを有しうる。というのも、ゴルファーの内向きの最初のバックスイング傾向が、アイアンタイプゴルフクラブよりもウッドタイプゴルフクラブにおいて大きいことがあり、したがってより誇張された視覚的スイングインジケータ400の向きが適切であるためである。
【0032】
さらには、向きおよびサイズが所与の場合であっても、好ましい視覚的特性、形状、ならびにゴルファーの快適さ、感覚およびパフォーマンスを最適化する属性を有するように視覚的スイングインジケータ400を形成することができる。ゴルファーが多くの他のアスリートと同様に造形を楽しむことから、視覚的スイングインジケータ400の特定の外観は、ゴルファーのスイングを支援するための意匠として役立つ一方で、何らかの表現を含みうる。
図7A〜7Dに示すように、視覚的スイングインジケータ400の数多くの構成が、記載される局面と一致すると想定される。
図7Aおよび7Bにおいて、視覚的スイングインジケータ400は、それぞれ矢印および野球バットに似せて形成、形状化およびサイズ決めされている。
図7C〜7Dにおいて、視覚的スイングインジケータ400は、内側の線が同一方向にあるストリップまたは複数のストリップに似せて形成、形状化およびサイズ決めされており、したがって、ゴルフクラブヘッド100が静止している場合と動いている場合との両方において、視覚的効果をさらに強化するため、およびゴルファーが視覚的スイングインジケータ400を視覚的に知覚することをさらに支援するために役立ちうる。
【0033】
また、視覚的スイングインジケータ400をゴルフクラブヘッド100に組み込む多くのやり方が想定される。一つの構成において、ゴルフクラブヘッドは、製造プロセス中に、ゴルフクラブヘッド100の上面の一部分として視覚的スイングインジケータ400を含むように形成可能である。そのような構成において、視覚的スイングインジケータ400は、ユニボディ部材としてのゴルフクラブヘッド100の一部として形成可能である。したがって、ゴルフクラブヘッドを形成するために使用可能な、成形もしくは鋳造または関連する製造プロセスは、鋳型が所望により視覚的スイングインジケータ400の特徴を含むように形成されるように、視覚的スイングインジケータ400を考慮しうる。また、視覚的スイングインジケータ400は、概して平滑な上面110が、上面110の全般的平面を超えて上向きに延びる視覚的スイングインジケータ400によって割り込まれるように、突出する構造であるかまたは上面から離れて上向きに延びていることがある。あるいは、視覚的スイングインジケータ400は、
図8Aに例示的に示すように視覚的スイングインジケータ400全体がゴルフクラブヘッド100の上面110内の陥凹として形成されるように形成されうる。陥凹した視覚的スイングインジケータ400は何らかの好ましい特性を示しうる。というのも、三次元の局面が視認性をさらに高めることができることが理由で、この視覚的スイングインジケータ400が創製する視認可能な印象が、アドレス状態の間、および最初のテイクアウェイ中のゴルフクラブヘッド100の最初の運動の間、ゴルファー10に視覚的により明らかになりうるためである。ゴルフクラブ199のスイング中に視覚的スイングインジケータ400をゴルファー10にさらに明らかにするためのさらなる視覚的強化、たとえば、視覚的スイングインジケータ400のコントラストもしくは着色、または陥凹した視覚的スイングインジケータ400の辺のコントラストもしくは着色を使用することができる。
【0034】
さらなる構成において、当技術分野において公知のようにゴルフクラブヘッド100を鋳造、成形または他のやり方で形成した後で、視覚的スイングインジケータ400をゴルフクラブヘッド100の上面110に適用することができる。一般的に言えば、視覚的スイングインジケータ400をコーティング(塗料を含む)、フィルム、接着剤、アップリケまたは様々な他の適用形態としてゴルフクラブヘッド100の上面110に取り付けることができる。ゴルフクラブを材料、多くの場合は金属で形成した後で、ゴルフクラブヘッド100の表面を処理およびコーティングして、金属およびゴルフクラブ199の耐久性を向上させ、かつ/またはゴルフクラブヘッド100をより訴求力あるものにする。したがって、ゴルフクラブヘッド100の製造中のこれらの塗布、コーティングおよび関連する処理プロセスの間に、視覚的スイングインジケータ400を同様に適用することもできる。視覚的スイングインジケータ400を既存のゴルフクラブヘッド100に、さらなるコーティング、フィルム、塗料などとして同様に適用することもできる。新たに製造されたクラブおよび既に製造されたまたは市販後のクラブは、視覚的スイングインジケータ400に適合しうるものであり、所望により塗布され、粘着テープとしてまたはアップリケで適用されうる。
図8は、ゴルフクラブヘッド100の上面110に設置されている粘着テープまたはアップリケの構成の視覚的スイングインジケータ400を例示的に示す。
【0035】
ゴルフプロフェッショナルは、ゴルファーの傾向を分析し、ゴルファーのスイングに対する修正に関する指示および勧告を行い、さらにはクラブの選択を含めて様々な器具を推薦することによって、スイングおよび関連するプレイを含む、ゴルファーのゴルフゲームを改善することを支援するために、ゴルファーと協働することが知られている。さらに、特定のゴルフ製造者に属するゴルフプロフェッショナルは、ゴルファーが単独でまたはゴルフプロフェッショナルの支援を受けて選択可能な特徴の選択を提供することがある。ゴルフクラブヘッド毎に異なる特徴としては、上面110に収容される特定の視覚的スイングインジケータ400を挙げることができる。各ゴルファーは、他のゴルファーと異なるスイング傾向を有しうる。したがって、一連の視覚的スイングインジケータ400が、特定のゴルファーの傾向、ニーズおよび要求に応じて取り付けおよび使用において利用可能でありうる。
【0036】
ゴルフクラブヘッド100の詳細は、視覚的スイングインジケータ400をゴルフクラブヘッドの残りの部分に取り付けるための取付手段を利用するいくつかの異なる構成のいずれかにおいて異なってもよい。視覚的スイングインジケータ400を、上面にスナップ嵌めし、滑動させ、定位置にロックすることができ、またはアップリケ、塗料などとして適用することができる。たとえば、視覚的スイングインジケータ400および上面は、当技術分野において公知のような接続を形成するための相補的なオスおよびメスコンポーネントを有しうる。スナップ、スライダ機構、トラックおよびフォロアならびに多数の他の機構が知られている。視覚的スイングインジケータ400は、ゴルフクラブヘッド100の上面110に収容された構造に取り付けられる相補的構造を用いて構成された部材上に収容可能である。他の構成において、取付機構は上面110を含みうるものであり、ゴルフクラブヘッド100が元々含んでいた上面110が視覚的スイングインジケータ400を有さないかまたは視覚的スイングインジケータ400を有するかに応じて、上面110を取り外して、視覚的スイングインジケータ400を有する上面110または別の「異なる」視覚的スイングインジケータ400を有する上面110のいずれかを含む異なる上面で交換することができる。様々な上面110を、定位置にスナップ嵌めするか、または糊などの接着剤、もしくは他の公知の固定用物質を使用して取り付けることができる。したがって、本明細書において先におよびさらに記載の原理に一致する様々な機構が、上面および視覚的スイングインジケータ400ならびに関連する代替手段の様々な構成での使用に想定される。
【0037】
図9は、取り外し可能な上面110を有するゴルフクラブヘッド100の模式図を例示的に示す分解図である。ウッドタイプゴルフクラブヘッドを特に含むゴルフクラブヘッド100の上面をゴルフクラブヘッド100の「クラウン」と呼ぶこともある。ここで、
図9は、交換可能にゴルフクラブヘッド100で使用可能な三つの上面110A、110Bおよび110Cを示す。上面110Aは、視覚的スイングインジケータ400を有さない通常の上面である。ゴルフクラブヘッドは、上面110Aを標準的な上面として備えることができる。上面110Bおよび110Cは、視覚的スイングインジケータ400を含む上面である。視覚的スイングインジケータ400Bおよび400Cは、形状、サイズおよび/または向きによって異なってもよい。したがって、特定のゴルファーは、ゴルフクラブヘッドの多様な上面110B、110Cのなかから上面110B、110Cの一つを選択することができる。一つの構成において、ゴルフフィッティングプロフェッショナルは、ゴルファーのスイングの分析中に測定されるゴルファーの傾向に基づいてゴルファーが選択可能なまたはゴルフフィッティングプロフェッショナルが推薦可能な様々な上面を収容するカートまたはディスプレイを提供することができる。
【0038】
さらには、フィッティングプロセスにおいて、ゴルファーは、自身のスイングをプロフェッショナルによって視覚的に、または当技術分野において公知であり以下にさらに記載される様々な測定装置および分析装置のいずれかを使用して分析してもらうことがある。実際の所望のスイング軌道との比較でのゴルファーのスイングおよびスイング軌道のこれらの測定および分析に基づいて、既に記載されたゴルフスイングの改善を促進するために所与の上面110Bまたは110Cを選択することができる。したがって、一連の上面110A、110B、110Cを、異なる特性、好みおよび特定のスイング軌道を有する多様なゴルファーが視覚的スイングインジケータ400を有するこの一連の異なる上面を使用することができるように、利用可能にすることができる。
図9は三つの異なるクラブ上面を含む一連の上面110を示すが、ゴルファーが所与の傾向を克服することを支援する目的で、視覚的スイングインジケータ400を有するゴルフクラブヘッド100をゴルファーにフィッティングするための所望のレベルのパーソナル化を提供するために、一連の上面は、様々な視覚的スイングインジケータ400を収容する多数(例えば6個、10個、18個など)の上面を含む可能性があるということが企図される。
【0039】
ゴルフショップにおいて一連の上面110A〜110Cの一つを有するゴルフクラブヘッドをゴルファーにフィッティングすることができるが、上面110を一体的に形成する(例えば鋳造する)には、選択された上面110A〜110Cの固定を製造場所において行う必要がありうる。あるいは、洗練された接着プロセスおよび/または材料を適用して、様々なスイングおよび関連する運動中に使用されるゴルフクラブヘッド100の残りの部分の上に選択された上面110を十分に固定するように、ゴルフクラブヘッド100の製造を行うこともできる。さらには、ゴルファーは、実物説明用のまたは例示的なゴルフクラブを使用して、一連のゴルフクラブヘッドから好ましいゴルフクラブヘッドを選択することができ、次にゴルファーは、ゴルファーが望むゴルフクラブヘッド100のバージョンを選択することができる。上面はそれぞれ、ゴルファーによる選択(おそらくは支援を受けて)の少しづつの違いによって、向きが異なる視覚的スイングインジケータ400を有する一連の上面のうち一つでありうる。特定の上面110(および関連する視覚的スイングインジケータ400)を選択した時点で、この特定モデルのゴルフクラブヘッドについて注文を出すことができ、ゴルフ製造者、または製造者の指示による他の会社は、ゴルファー/顧客が選択した向きおよび詳細で、視覚的スイングインジケータ400を有するゴルフクラブヘッド100を含むそのゴルフクラブ199のコピーを製造する。
【0040】
先に示唆したように、
図10A〜10Cは、ゴルフクラブヘッド100を含むゴルフクラブ199をフィッティングする一つのやり方を例示的に示す。公知のように、ゴルファー10は、一人または複数のゴルフプロフェッショナルまたはゴルフクラブフィッタの前で数回のスイングを行うことがある。デジタルビデオカメラのようなビデオ撮影装置を含む測定装置によって、ゴルフスイングを含む運動を目視し、記録しかつ/または測定することができる。
図10Aおよび10Bは、例示的フィッティングステーション1000においてゴルフクラブをスイングし、ゴルフボールを打つゴルファーのそれぞれ上平面図および後面図を示す。フィッティングステーション1000は、いくつかの配設および特徴のいずれかを有しうる。
図10A〜10Cに示すフィッティングステーション1000は室内フィッティングステーションである。しかし、フィッティングステーション1000は、室内でも屋外でもよく、ドライビングレンジまたは他の練習施設、プロショップ内またはその近くのゴルフコースを含むゴルフコース、および公知である様々な他の場所に位置しうる。フィッティングステーション1000は、特にフィッティングステーションが室内ステーションであるとき、またはステーションがドライビングレンジの一部であるとき、打撃マット1010を含みうる。しかし、フィッティングステーションは、草のティーボックスまたは他の屋外の自然ゴルフ環境に位置しうる。ここで、室内フィッティングステーション1000は、ゴルファー10がゴルフプロフェッショナルまたはゴルフクラブフィッタの前で自身のショット、練習スイングおよびスイングを行う際に、ボールをその中に打つことができるネット1030も含む。ネット1030は、利用可能な陸地が限られた室内、プロショップ内またはドライビングレンジ内などのより限られた空間においてフィッティングを行うことを可能にする。ネット1030の背後には、ゴルフコース上にいるかのようにゴルファーに感じさせることができる背景1040または他の構造が存在しうる。また、具体的には示されていないが、背景は、速度または力センサ、ビデオ撮影装置、およびゴルファーのフィッティングに利用可能な他の装置を含むさらなる測定装置を収容または保護することができる。
【0041】
ゴルファーのショットのボールの移動は、ボールが自然な停止点/ライに来るまでボールが移動するために十分な空間を有するドライビングレンジ上のフィッティングステーションにおいてボールの飛び全体を観察することでモニタリングすることができる。またゴルファーは、速度、弾道、スピンなどを含むショットの初期特性に基づいて移動軌道を決定可能なデジタルビデオカメラまたは他の測定装置によってモニタリングされる、制限された空間において打つこともある。さらなる測定装置を使用して、ゴルファーのスイング軌道および関連する傾向をさらに理解することができる。一つの例示的構成において、デジタルビデオカメラ装置1060を使用してゴルファーのスイングを撮影することができる。特に、ゴルファーがカメラに対してスクエアでカメラに面したスタンスをとるように、ゴルファーのスイングをトウ側端部の視点から撮影することができる。別の構成において、測定装置1061が存在するように例示的に示される位置などの位置に配置される測定装置によって、ゴルファーのスイングを代わりにまたはさらに撮影することができる。後側およびトウ側端部などのスクエアな向きからゴルファーのスイングを撮影することによって、
図10Cに示すような好ましい力学を有するゴルファーが実行および記録した画像およびスイング軌道とビデオを比較することができる。
【0042】
ゴルファーのスイングのスイング軌道、接触配向および関連する特性をモニタリングするために使用可能な装置およびテストとしては、ビデオ記録、ドップラーレーダー技術を含むレーダー追跡、動作検出装置、スピードレーダー装置、飛球追跡装置、およびモニタリングシステム、ならびに当技術分野において公知である同様のゴルフスイング分析装置がある。これらの測定装置は、例示的測定装置1060、1061が配置されていると示される通りに配置されうる。これらの装置は、ゴルファー10が測定装置に当てるようにゴルファーの前に配置することもできるし、またはゴルファーの背後のゴルファーのヒール側端部側に配置することもできる。さらには、測定装置を頭上にまたは実質的にあらゆる場所に設置することができ、これにより、測定装置は、ゴルファーの運動のビデオ画像などのデータを記録し、あるいはゴルフクラブまたはボール運動の一部分に関連するデータまたは特性、たとえば速度、方向、向き、および公知である他の特性を追跡および記録することができる。スイング中のゴルフクラブの向き、特にゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つときの打撃ゾーンを通るゴルフクラブの向きを決定することに重点を置く他の装置を利用することができる。これらの装置は、ビデオ撮影装置、レーダー装置または他の動作追跡装置と同一または同様の装置でありうるし、あるいは、その装置は、ゴルフクラブの下面が地面に接触する場所、ならびに打撃ゾーンを通るクラブの運動方向および向きを示す、ライボード装置1020と同程度に単純でありうる。また、ゴルフクラブヘッドの打撃面125の上に設置される基本的なテープ装置を使用して、ゴルフボールを打っている打撃面125の部分に関するデータを提供することにより、ボールを打っているのがスイートスポットにおいてであるか、またはオフセンターにおいてであるため、結果を最適化するための調節をスイングまたはクラブが必要としうるかを決定することができる。
【0043】
十分な数のスイングおよび「練習」または「サンプル」ショットを行って、確実なフィッティングを行うためのショットの所望のサンプリングを提供した後で、ゴルフおよび/またはフィッティングのプロフェッショナルは、収集したデータを使用して、ゴルファーが従来から好ましいスイング力学に従ってゴルフスイングをより規則的に行うことを支援する視覚的スイングインジケータ400を収容する特定のゴルフクラブヘッド100を推薦することができる。収集または測定した特性としては、スイング軌道データ、弾道、衝突時のゴルフクラブの向き、ボールのスピン、ボールの飛び、ならびにゴルファーの身体の寸法および人間工学特性をたとえば挙げることができる。スイングパターンを含むスイングの分析を使用して、要求される具体的な変化がより視覚的に目立ちうるように、所望のスイング軌道、ゴルファーのスイングの傾向、およびゴルファーの現在のスイング軌道に対する変化を決定することができる。
【0044】
図10Cは、デジタルビデオなどのビデオ撮影形態でゴルファーの二つのスイングを例示的に示す二つのそれぞれのスイング特性出力1051、1052を示すディスプレイ1050を示す。一つの配設において、表示されたスイング1051は、プロフェッショナルゴルファー、または好ましいスイング力学を有する「バーチャルゴルファー」を含む他のゴルファーの好ましいスイングのビデオ撮影画像でありうる。右側のゴルフスイング1052は、フィッティングステーション1000において現在分析中のゴルファー10の実際のスイングでありうる。ディスプレイ1050上での分割スクリーン比較によって、ゴルファーを分析して、特定のゴルフクラブの特徴、たとえば視覚的スイングインジケータ、シャフト特性および整列補助、ならびに好ましいパフォーマンスを実現するためにゴルファーが好ましいやり方でスイングすることを促進する他の特徴についてフィッティングさせることができる。たとえば、スイング1051、1052中にゴルファーのバックスイング軌道1055A、1055Bを比較することができる。同様に、ゴルフクラブヘッドの向き1056A、1056B、ゴルファーの腕および手の位置1057A、1057Bならびに頭の位置1058A、1058Bを視覚的に比較することができる。他の比較および分析を公知のように行うことができる。ディスプレイ1050はここでゴルファーのスイングに関連するビデオ撮影情報を示しているが、ゴルファー10のフィッティングに利用される様々な他の特性の出力を含むディスプレイ1050を分析の他の局面の間に利用することができる。さらに、
図10Bに示すように、ディスプレイ1050は、フィッティング経験を強化するためにも使用可能であり、フィッティングプロセス中にゴルファーに視認されうる。しかし、様々な構成の出力を使用して、スイング分析を行い、ゴルファーのスイングに関連する出力データをゴルファーまたはゴルフプロフェッショナルに提供することができる。
【0045】
本発明は、上記および添付図面において、多様な態様を参照して開示される。しかし、これらの態様の開示の目的は、本発明において具現化される様々な局面の一例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者は、添付される特許請求の範囲が定義する本発明の範囲から逸脱することなく、数多くの変形および修正をこれらの態様に加えることができることを認識するであろう。