特許第5879306号(P5879306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5879306販売処理装置およびそのプログラム、ならびに販売処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5879306
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】販売処理装置およびそのプログラム、ならびに販売処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20160223BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20160223BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20160223BHJP
【FI】
   G07G1/12 321M
   G06Q20/06 100
   G07G1/01 301D
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-125261(P2013-125261)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2014-67395(P2014-67395A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-196199(P2012-196199)
(32)【優先日】2012年9月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 育志
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−208038(JP,A)
【文献】 特開2005−316579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 5/00
G07B 1/00− 9/02
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が対価を支払うことにより得る権利に関わる証券の券面を、前記権利を有することを証明するための権利コードの全てを可視的に含んで表した券面画像を生成する第1の生成手段と、
前記券面を、前記権利コードを不可視として表したプレビュー画像を生成する第2の生成手段と、
前記プレビュー画像を表示するように表示デバイスを制御する表示制御手段と、
前記表示デバイスが表示する前記プレビュー画像が表す券面の証券の発行が要求されたことに応じて、前記券面画像をプリント媒体へとプリントするようにプリンタを制御するプリンタ制御手段とを具備したことを特徴とする販売処理装置。
【請求項2】
前記プリンタが前記券面画像を前記プリント媒体へとプリントしたことに応じて、前記証券の販売の管理に関わる処理を実行する処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の販売処理装置。
【請求項3】
前記権利コードは、サーバ管理型電子マネーの使用権利を識別するための識別情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の販売処理装置。
【請求項4】
前記第1の生成手段は、前記権利コードの他に前記顧客の個人情報を可視的に含んで表した画像として前記券面画像を生成し、
前記第2の生成手段は、前記権利コードの他に、前記個人情報を不可視として表した画像として前記プレビュー画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の販売処理装置。
【請求項5】
表示デバイスとプリンタとが接続される販売処理装置に搭載されるコンピュータを、
顧客が対価を支払うことにより得る権利に関わる証券の券面を、前記権利を有することを証明するための権利コードの全てを可視的に含んで表した券面画像を生成する第1の生成手段と、
前記券面を、前記権利コードを不可視として表したプレビュー画像を生成する第2の生成手段と、
前記プレビュー画像を表示するように前記表示デバイスを制御する表示制御手段と、
前記表示デバイスが表示する前記プレビュー画像が表す券面の証券の発行が要求されたことに応じて、前記券面画像をプリント媒体へとプリントするように前記プリンタを制御するプリンタ制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
サーバ装置と、表示デバイスおよびプリンタが接続された販売処理装置とを具備し、
前記サーバ装置は、
顧客が対価を支払うことにより得る権利に関わる証券の券面を、前記権利を有することを証明するための権利コードの全てを可視的に含んで表した券面画像を生成する第1の生成手段と、
前記券面を、前記権利コードを不可視として表したプレビュー画像を生成する第2の生成手段と、
前記プレビュー画像を前記販売処理装置へ送信する第1の送信手段とを具備し、
前記販売処理装置は、
前記第1の送信手段が送信した前記プレビュー画像を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段が受信した前記プレビュー画像を表示するように表示デバイスを制御する表示制御手段と、
前記表示デバイスが表示する前記プレビュー画像が表す券面の証券の発行が要求されたことに応じて、その旨を前記サーバ装置に通知する通知手段とを具備し、
前記サーバ装置はさらに、
前記通知手段による通知がなされたことに応じて前記券面画像を前記販売処理装置に送信する第2の送信手段を備え、
前記販売処理装置はさらに、
前記第2の送信手段が送信した前記券面画像を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段が受信した前記券面画像をプリント媒体へとプリントするように前記プリンタを制御するプリンタ制御手段とを具備したことを特徴とする販売処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売処理装置およびそのプログラム、ならびに販売処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ管理型電子マネーは、ネット上での商取引における決済手段の一つで、プリペイド方式の仮想通貨である。
【0003】
サーバ管理型電子マネーで支払いをしようとする顧客は、ユニークな識別情報であるプリペイド番号を、コンビニエンスストアなどの実店舗で予め購入する。プリペイド番号には、所定の一定金額がサーバ上で付与されている。このようなプリペイド番号は、シート状の印刷物(証票または証券)に標記されて、利用者の手元に渡る。
【0004】
そして、ネット上での商取引における決済画面に設けられた入力欄に、顧客が購入したプリペイド番号を入力する。この入力により、当該プリペイド番号に付与されているプリペイド金額は、当該商取引の支払いに充てられる。すなわち、プリペイド番号を購入することは、仮想通貨で支払う権利を購入することに等しい。
【0005】
プリペイド番号の販売時には、POS端末などの販売処理装置が、サーバからプリペイド番号を取得し、これをシート状の媒体に印字し、プリペイド番号が表記された証票(証券)を発行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−184400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
顧客は、プリペイド番号が標記された証券(証票)を見るまで、購入した権利の内容を知ることができない。このため、権利の内容が顧客の希望と異なっている場合には、何らかのトラブルの原因となる恐れがあった。
【0008】
このような事情から、証券を発行するのに先立って、証券の内容を顧客に確認させることができることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の販売処理装置は、第1の生成手段、第2の生成手段、表示制御手段およびプリンタ制御手段を備える。第1の生成手段は、顧客が対価を支払うことにより得る権利に関わる証券の券面を、前記権利を有することを証明するための権利コードの全てを可視的に含んで表した券面画像を生成する。第2の生成手段は、前記券面を、前記権利コードを不可視として表したプレビュー画像を生成する。表示制御手段は、前記プレビュー画像を表示するように表示デバイスを制御する。プリンタ制御手段は、前記表示デバイスが表示する前記プレビュー画像が表す券面の証券の発行が要求されたことに応じて、前記券面画像をプリント媒体へとプリントするようにプリンタを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るPOS端末のブロック図。
図2】受付データの構造を示す図。
図3】クーポン発行処理のフローチャート。
図4】一例としての券面画像を示す図。
図5】一例としての確認画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、販売処理装置としてPOS(point-of-sale)端末を例に説明する。
【0012】
図1はPOS端末100のブロック図である。
【0013】
POS端末100は、CPU(central processing unit)101、ROM(read-only memory)102、RAM(random-access memory)103、補助記憶ユニット104、時計ユニット105、入出力ポート(I/O)106、通信インタフェース(通信I/F)107,108,109,110,111、112,113、スキャナ114、キーボード115、オペレータ用タッチパネル116、客面タッチパネル117、内蔵プリンタ118、カードリーダ119および通信デバイス120を含む。そして、CPU101、ROM102、RAM103、補助記憶ユニット104、時計ユニット105、入出力ポート106、通信インタフェース107〜113および通信デバイス120は、バス121にそれぞれ接続されている。
【0014】
CPU101は、ROM102およびRAM103に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末100としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0015】
ROM102は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM102は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM102は、CPU101が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合も有る。
【0016】
RAM103は、CPU101が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM103は、CPU101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0017】
補助記憶ユニット104は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU101が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU101での処理によって生成されたデータを保存する。
【0018】
ROM102、RAM103または補助記憶ユニット104に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述するクーポン発行処理に関して記述したクーポン発行プログラムを含む。このクーポン発行プログラムがRAM103または補助記憶ユニット104に記憶される場合、POS端末100の譲渡は、一般的にクーポン発行プログラムがRAM103または補助記憶ユニット104に記憶された状態にて行われる。しかし、POS端末100がクーポン発行プログラムをRAM103または補助記憶ユニット104に記憶しない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡されたクーポン発行プログラムが上記の別途に譲渡されたPOS端末100のRAM103または補助記憶ユニット104に書き込まれても良い。
【0019】
時計ユニット105は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。時計ユニット105には、例えばTOD時計が利用できる。
【0020】
入出力ポート106は、CPU101からドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ200を駆動するための駆動信号をドロワ200に対して出力する。ドロワ200は、紙幣や硬貨を収容する。ドロワ200は、駆動信号を受けて自動的に開放する。
【0021】
通信インタフェース107〜112には、スキャナ114、キーボード115、オペレータ用タッチパネル116、客面タッチパネル117、内蔵プリンタ118、カードリーダ119がそれぞれ接続される。通信インタフェース113には、外付けプリンタ300が接続される。通信インタフェース107〜113は、これら接続されたデバイスとCPU101との通信をインタフェースする。通信インタフェースとしては、例えばRS(recommended standard)−232C、PS/2、USB(universal serial bus)、LVDS(low voltage differential signaling)、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1284(いわゆるセントロニクス仕様)などの周知の規格に準拠したデバイスを適宜に利用できる。典型的には、通信インタフェース107にはUSBが、通信インタフェース108にはPS/2またはUSBが、通信インタフェース109にはLVDSが、通信インタフェース110にはRS−232CまたはUSBが、通信インタフェース111,113にはIEEE1284またはUSBが、通信インタフェース112にはRS−232CまたはUSBが適用される。
【0022】
スキャナ114は、商品や伝票に印刷されたバーコードを読み取る。スキャナ114には、固定タイプおよびハンディタイプのいずれか、またはその双方を含み得る。
【0023】
キーボード115は、オペレータによる操作の内容を表したコマンドを出力する。
【0024】
オペレータ用タッチパネル116は、CPU101の制御の下に任意の画像を表示可能である。オペレータ用タッチパネル116は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。オペレータ用タッチパネル116は、その表示画面にタッチされた場合に、そのタッチ位置を表す位置情報を出力する。
【0025】
客面タッチパネル117は、例えばLCD(liquid crystal display)または蛍光管表示器であり、CPU101の制御の下に任意の画像を表示可能である。客面タッチパネル117は、顧客に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。客面タッチパネル117は、その表示画面にタッチされた場合に、そのタッチ位置を表す位置情報を出力する。
【0026】
内蔵プリンタ118は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートなどの伝票を印刷する。
【0027】
カードリーダ119は、クレジットカードなどに記録されたデータを読み取る。
【0028】
通信デバイス120は、LAN(local area network)400を介してストアサーバ500と通信する。また通信デバイス120は、LAN400およびインターネット600を介して電子マネーサーバ700と通信する。通信デバイス120としては、例えば既存のLAN通信デバイスを適用できる。
【0029】
外付けプリンタ300は、例えばレーザプリンタやインクジェットプリンタなどであり、クーポン用紙などの任意のプリント媒体に対して任意の画像をプリントする。
【0030】
ストアサーバ500は、例えばPOS端末100が設置される店舗に設置される。当該店舗には、マルチメディアステーション(MMS)800も設置される。当該店舗には、POS端末100以外のPOS端末、マルチメディアステーション800以外のマルチメディアステーション、あるいはそれ以外の端末が設置される場合もある。ストアサーバ500は、これらの端末とLAN400を介して通信しながら、各端末を管理する処理や、各端末での処理に必要なデータを各端末に与える処理などを行う。
【0031】
電子マネーサーバ700は、サーバ管理型電子マネーサービスを提供するための各種の処理を行う。なお電子マネーサーバ700は、電子マネーの発行元(電子マネーサービスの運営者)毎に設けられて複数が存在することもある。
【0032】
マルチメディアステーション800は、チケット、クーポン、あるいはデジタルコンテンツなどの購入のための手続きを顧客が行うための端末である。電子マネークーポンの購入のための申し込み手続きは、このマルチメディアステーション800にて顧客によって行われる。
【0033】
次に以上のように構成されたPOS端末100の動作について説明する。
【0034】
電子マネークーポンの購入のための申し込み手続きにおいては、電子マネーの発行元と金額とが顧客によりマルチメディアステーション800へと指定される。この発行元および金額は、マルチメディアステーション800からストアサーバ500に通知される。ストアサーバ500は、電子マネークーポンの購入のための申し込みの個々を識別するための申込IDを決定する。そしてストアサーバ500は、図2に示すように申込ID11、発行元12および金額13を互いに関連付けた受付データを作成し、内蔵する記憶デバイスにおいて記憶する。またマルチメディアステーション800は、申込IDを表すバーコードを表した受付票をプリントする。
【0035】
顧客は、当該受付票を店員に提示する。店員は、キーボード115中の所定のキーの押下により、クーポンの発行業務の開始を指示する。そして、このような指示がなされたことに応じてCPU101は、図3に示すようなクーポン発行処理をクーポン発行プログラムに基づいて実行する。
【0036】
ステップSa1においてCPU101は、申込IDを取得する。具体的には、店員は、クーポンの発行業務の開始を指示したのちに、受付票にプリントされたバーコードを読み取るようにスキャナ114を操作することとする。このような操作により、スキャナ114が受付票にプリントされたバーコードを読み取る。そこでCPU101は、スキャナ114が読み取ったバーコードを解析することによって、申込IDを得る。
【0037】
ステップSa2においてCPU101は、決済用識別コードを取得する。決済用識別コードは、電子マネーの利用権利を有することを証明するための権利コードの一例である。決済用識別コードは、プリペイドIDやPIN(personal identification number)コードなどと呼ばれることもある。以下においては、PINコードと記す。
【0038】
具体的には例えば、CPU101は上記の取得した申込IDをストアサーバ500に通知する。そうするとストアサーバ500は、当該申込IDを含む受付データに含まれた発行元に対応した電子マネーサーバ700にアクセスし、上記受付データに含まれた金額の電子マネーの発行を要求する。この要求を受けて電子マネーサーバ700は、指定された金額の電子マネーの利用権利に関するPINコードを決定し、これをストアサーバ500に通知する。ストアサーバ500は、電子マネーサーバ700から通知されたPINコードをPOS端末100に通知する。そこでCPU101は、このようにストアサーバ500が通知したPINコードを、通信デバイス120を介して取得する。なおCPU101は、取得したPINコードをRAM103または補助記憶ユニット104に保存しておく。
【0039】
なお、ここまでに説明した各種の処理の手順は、サーバ管理型電子マネーサービスを提供するシステムの構成に依存して決まるものであり、使用するシステムに応じて適宜に変更されるべきである。
【0040】
ステップSa3においてCPU101は、電子マネークーポンの券面を表した券面画像を生成する。かくしてCPU101は、第1の生成手段として機能する。
【0041】
図4は一例としての券面画像21を示す図である。
【0042】
図4に示すように券面画像21は、ステップSa2にて取得したPINコード(例えば、ABCD−1234−efgh−5678)を可視的に表した文字列21aを含む。
【0043】
ステップSa4においてCPU101は、プレビュー画像を生成する。かくしてCPU101は、第2の生成手段として機能する。
【0044】
ステップSa5においてCPU101は、上記のプレビュー画像を含んだ確認画面を表示するように客面タッチパネル117を制御する。かくしてCPU101は、表示制御手段として機能する。
【0045】
図5は一例としての確認画面30を示す図である。
【0046】
図5に示すように確認画面30は、プレビュー画像31を含む。プレビュー画像31は、券面画像21における文字列21aを、PINコードを表さない文字列31a(例えば****−****−****−****)に置き換えた画像である。この文字列31aは、PINコードの全ての文字を*に置き換えたものであり、ダミーコードの一例である。また、図5に示すように確認画面30はさらに、ボタン32,33を含む。
【0047】
ステップSa6においてCPU101は、顧客が電子マネークーポンの発行を承諾したか否かを確認する。そしてここでNOと判定したならばCPU101は、ステップSa7へ進む。
【0048】
ステップSa7においてCPU101は、顧客が電子マネークーポンの発行を取り消したか否かを確認する。そしてここでNOと判定したならばCPU101は、ステップSa6へ戻る。
【0049】
かくしてステップSa6およびステップSa7においてCPU101は、顧客が電子マネークーポンの発行を承諾するか、あるいは取り消すのを待ち受ける。
【0050】
顧客は、客面タッチパネル117が表示するプレビュー画像を目視し、自己が購入しようとしている電子マネークーポンに間違いないかを確認する。このプレビュー画像には、PINコードの替わりにダミーコードが表示されている。このときに顧客は、PINコードを確認することはできないが、ここでの確認にはPINコードは必要が無い。なぜならば、ダミーコードの桁数はPINコードのものと同じで、ダミーコードによって電子マネークーポンのレイアウトが崩れていないからである。したがって、顧客は、プレビュー画像から実際に発行される電子マネークーポンをイメージすることが容易い。そして、電子マネークーポンの発行を承諾する場合に顧客は、例えば確認画面30中のボタン32にタッチするなどの操作により、承諾する旨の意思を入力することとする。このように顧客が承諾したならば、CPU101はステップSa6にてYESと判定し、ステップSa8へと進む。
【0051】
ステップSa8においてCPU101は、上記券面画像をクーポン用のプリント媒体にプリントするよう外付けプリンタ300を制御する。これにより、ステップSa4において生成した券面画像を券面に表した電子マネークーポンが、外付けプリンタ300にて発行される。かくしてCPU101は、プリンタ制御手段として機能する。また、このように発行される電子マネークーポンは、顧客が対価を支払うことにより得る権利に関わる証券の一つである。
【0052】
ステップSa9においてCPU101は、別に行われる周知の決済処理や売り上げ管理処理のために電子マネークーポンに関する売上登録処理を行う。かくしてこの売上登録処理は、証券の販売の管理に関わる処理の一つであり、CPU101は処理手段として機能する。
【0053】
そしてこの売上登録処理を完了したことをもってCPU101は、クーポン発行処理を終了する。
【0054】
この後、店員が顧客から電子マネークーポンの対価を収受した上で、外付けプリンタ300にて発行された電子マネークーポンを店員から顧客へと手渡すこととする。当該電子マネークーポンには、ダミーコードではなくPINコードが可視的に表されている。従って顧客は、このPINコードを使用して電子マネーを利用することができる。
【0055】
さて、顧客がプレビュー画像31を目視した結果、電子マネークーポンの発行を取り消したいと考えた場合に、顧客はボタン33にタッチするなどの操作により、取消する旨の意思を入力することとする。このように顧客が取消したならば、CPU101はステップSa7にてYESと判定し、ステップSa8およびステップSa9を実行することなくクーポン発行処理を終了する。このとき、顧客の意志で発行を取消したことを後で確認することができるようにログを保存する。このログには、発行が取消された電子マネークーポンの発行元、PINコード、取消された時刻、当該POS端末を特定するコードのうち、何れか一つ、複数の組合せ、或いは全てが含まれる。
【0056】
以上のようにPOS端末100によれば、電子マネークーポンを実際に発行するのに先立って、電子マネークーポンの見た目を表したプレビュー画像を顧客に確認させることができる。そして、その確認を経て、顧客が発行に承諾した場合に、すなわち顧客が発行を要求した場合に、電子マネークーポンを発行する。
【0057】
従って、電子マネークーポンの顧客への引き渡しおよびその対価の収受に際してのトラブルが生じる危険性を大幅に減少できる。たとえば、電子マネー(仮想通貨)、電子マネーサービスの運営者(仮想通貨サービス提供者)、購入した仮想通貨の金銭的価値の何れか一つ或いは複数が、希望していたものとは違ってるなどのトラブルである。
【0058】
さて、上記の商取引は、電子マネークーポンの販売という形ではあるが、電子マネークーポン自体よりも、PINコードに価値がある。これは、電子マネークーポンを入手しなくとも、PINコードが分かれば電子マネーを利用できてしまうからである。このため、プレビュー画像においてPINコードを表示した場合、プレビュー画像を顧客がデジタルカメラなどによって撮影された場合には、電子マネークーポンの発行が取り消されたとしても、PINコードが顧客に知られてしまい、電子マネーが不正に利用されてしまう恐れが生じる。
【0059】
しかしながらPOS端末100によれば、プレビュー画像においては、ダミーコードを表示し、PINコードを表示しないので、顧客は電子マネークーポンを手にするまではPINコードを知ることができず、上記のような不正は行えない。なお、ダミーコードは、PINコードとして有効には成り得ないものであれば良い。したがって、ダミーコードは、有効なPINコードを構成する一部の桁の値をマスキングするなど様々な変形が可能である。
【0060】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0061】
プレビュー画像の表示には、POS端末100に外付けされた表示デバイスを用いても良い。客面タッチパネル117が、POS端末100に外付けされたものであっても良い。
【0062】
券面画像をプリント媒体にプリントするプリンタを、POS端末100が内蔵していても良い。
【0063】
券面画像およびプレビュー画像の生成を、ストアサーバ500または電子マネーサーバ700で行っても良い。この場合には、ストアサーバ500または電子マネーサーバ700からPOS端末100へと券面画像およびプレビュー画像を伝送し、POS端末100は受信した券面画像およびプレビュー画像を用いてステップSa5およびステップSa8を実行すれば良い。なお、券面画像およびプレビュー画像の生成を、ストアサーバ500および電子マネーサーバ700以外のサーバで行っても良い。また、券面画像およびプレビュー画像の生成を、それぞれ異なるサーバで行っても良い。さらには、券面画像をサーバで生成し、プレビュー画像をPOS端末100で生成しても良い。
【0064】
電子マネークーポンには、顧客の氏名などの個人情報を可視的に表しても良い。そしてこの場合に、これらの個人情報を不可視として表すようにプレビュー画像を生成しても良い。
【0065】
プレビュー画像の目視後に顧客が当該電子マネークーポンの発行を取消した場合に、当該クーポンの発行処理は終了するが、他の電子マネークーポンを発行する為に、他の電子マネーの申込IDを得る為に待機しても良い。
【0066】
電子マネーを利用する権利以外の権利に関わる証券の発行に際しても本願の適用が可能である。
【0067】
電子キャッシュレジスタなどのようなPOS端末以外の販売処理装置においても本願の適用が可能である。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
100…POS端末、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…補助記憶ユニット、105…時計ユニット、106…入出力ポート、107〜113…通信インタフェース、114…スキャナ、115…キーボード、116…オペレータ用タッチパネル、117…客面タッチパネル、118…内蔵プリンタ、119…カードリーダ、120…通信デバイス、121…バス、200…ドロワ、300…外付けプリンタ、400…LAN、500…ストアサーバ、600…インターネット、700…電子マネーサーバ、800…マルチメディアステーション。
図1
図2
図3
図4
図5