(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号処理部は、予め設定される期間内で前記時刻情報が付加されたデータを受信し、前記受信したデータのうち、同一の時刻情報が付加されているデータを、同一のレーザ光線が照射されることで発生したデータであると判断する請求項1記載の射撃訓練システム。
前記予め設定される期間は、前記照射器が照射するレーザ光線の1フレーム長、及び、前記照射器がレーザ光線を照射する周期に基づいて設定される請求項2記載の射撃訓練システム。
前記信号処理部は、予め設定される期間内で前記時刻情報が付加されたデータを受信し、前記受信したデータのうち、同一の時刻情報が付加されているデータを、同一のレーザ光線が照射されることで発生したデータであると判断する請求項9記載の射撃訓練システム。
前記予め設定される期間は、前記照射器が照射するレーザ光線の1フレーム長、及び、前記照射器がレーザ光線を照射する周期に基づいて設定される請求項10記載の射撃訓練システム。
前記信号処理部は、予め設定される期間内で前記オフセット値が付加されたデータを受信し、前記受信したデータのうち、取得された時刻が同一のデータを、同一のレーザ光線が照射されることで発生したデータであると判断する請求項14記載の射撃訓練システム。
前記予め設定される期間は、前記照射器が照射するレーザ光線の1フレーム長、及び、前記照射器がレーザ光線を照射する周期に基づいて設定される請求項15記載の射撃訓練システム。
前記信号処理部は、予め設定される期間内で前記オフセット値が付加されたデータを受信し、前記受信したデータのうち、取得された時刻が同一のデータを、同一のレーザ光線が照射されることで発生したデータであると判断する請求項21記載の射撃訓練システム。
前記予め設定される期間は、前記照射器が照射するレーザ光線の1フレーム長、及び、前記照射器がレーザ光線を照射する周期に基づいて設定される請求項22記載の射撃訓練システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る射撃訓練システムの機能構成を示すブロック図である。
図1に示される射撃訓練システムは、照射器10、受光器20及び処理器30を具備する。なお、
図1に示される射撃訓練システムは、受光器20を1つしか具備していないが、受光器20は1つに限定される訳ではない。射撃訓練システムは、受光器20を2つ以上具備していても構わない。
【0014】
照射器10は、射撃訓練システムを利用するユーザにより所持される。照射器10に設けられるトリガをユーザが引くと、照射器10は、レーザ光線を照射する。照射器10は、制御部11及び駆動回路12を備える。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、並びに、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のCPUが処理を実行するためのプログラム及びデータの格納領域等を含む。ユーザがトリガを引くと、制御部11は、予め設定された方式に則ってレーザ光線を生成するように、駆動回路12を制御する。
【0016】
駆動回路12は、制御部11からの制御に従い、レーザ光線を生成する。駆動回路12は、生成したレーザ光線を照射する。
図2は、照射器10から照射されるレーザ光線の例を示す図である。
図2によれば、トリガが引かれている間、50mSを1フレームとするレーザ光線が、30mS間隔で連続して照射される。なお、1フレームの時間及びフレーム間の間隔は、模擬をする火器の諸元に応じて変更される。
【0017】
受光器20は、ユーザの体の各部位に装着される。体の各部位とは、例えば、頭部、胸部、背面部及び肩等である。受光器20は、検出器21、復号処理部22、リアルタイムクロック(RTC)23、無線回路24及び制御部25を備える。なお、
図1に示される受光器20は、検出器21を1つしか具備していないが、検出器21は1つに限定される訳ではない。受光器20は、検出器21を2つ以上備えていても構わない。受光器20が検出器21を複数備える例としては、受光器20が頭部に装着され、検出器21が両側頭部に設けられる場合が挙げられる。
【0018】
検出器21は、特定の条件の光を検知すると、電気信号を発生させる。すなわち、検出器21は、照射器10から照射されるレーザ光線を受光すると、受光したレーザ光線を電気信号へ変換する。検出器21は、発生させた電気信号を復号処理部22へ出力する。
【0019】
復号処理部22は、電気信号を復号することで、電気信号に含まれるデータを抽出する。復号処理部22は、データの抽出が完了すると、抽出が完了した旨を制御部25へ通知する。復号処理部22は、RTC23から出力される時刻情報を、抽出したデータに付加する。なお、時刻情報は、例えば、タイムスタンプである。復号処理部22は、時刻情報を付加したデータを無線回路24へ出力する。
【0020】
RTC23は、時刻を計時する。RTC23は、制御部25からの指示に従い、時刻情報を復号処理部22へ出力する。
【0021】
無線回路24は、復号処理部22から出力されるデータを、予め設定される無線化方式に則った形式に変換する。無線回路24は、変換した信号をRF帯の無線信号に変換して処理器30へ送信する。
【0022】
また、無線回路24は、処理器30から送信される無線信号を受信する。無線回路24は、受信した無線信号をIF帯又はベースバンド帯の信号に変換する。無線回路24は、変換した信号を時刻同期信号に変換する。無線回路24は、時刻同期信号を制御部25へ出力する。
【0023】
制御部25は、CPU、並びに、ROM及びRAM等のCPUが処理を実行するためのプログラム及びデータの格納領域等を含む。制御部25は、復号処理部22からデータの抽出が完了した旨の通知を受けると、RTC23へ時刻情報を出力するように指示を出す。これにより、電気信号からデータを抽出した際の時刻情報が、復号処理部22にてデータに付加されることとなる。
【0024】
制御部25は、無線回路24から出力される時刻同期信号を受信すると、RTC23の時刻を時刻同期信号に含まれる時刻に同期させる。これにより、制御部25は、定期的に処理器30との同期を図ることが可能となる。
【0025】
処理器30は、ユーザの体に装着される。処理器30は、無線回路31、RTC32及び信号処理部33を備える。処理器30は、ユーザの体に装着される検出器41と、有線で接続されていても構わない。
【0026】
無線回路31は、受光器20から送信される無線信号を受信する。無線回路31は、無線信号をIF帯又はベースバンド帯の信号に変換する。無線回路31は、変換した信号を、時刻情報が付加されたデータに変換する。無線回路31は、時刻情報が付加されたデータを信号処理部33へ出力する。
【0027】
無線回路31は、信号処理部33から出力される時刻同期信号を、予め設定される無線化方式に則った形式に変換する。無線回路31は、変換した信号をRF帯の無線信号に変換して送信する。
【0028】
RTC32は、時刻を計時する。RTC32は、信号処理部33からの要求に応じて、又は、予め設定される周期で時刻情報を信号処理部33へ出力する。
【0029】
信号処理部33は、CPU、並びに、ROM及びRAM等のCPUが処理を実行するためのプログラム及びデータの格納領域等を含む。信号処理部33は、時刻情報が付加されたデータを無線回路31から受信する。また、信号処理部33は、検出器41と有線で接続される場合、検出器41から出力される電気信号を受信する。信号処理部33は、受信した電気信号を復号することで、電気信号に含まれるデータを抽出する。
【0030】
信号処理部33は、無線回路31から受信したデータ及び電気信号から抽出されたデータをイベントデータとして記録する。信号処理部33は、同一の時刻情報を付加されたイベントデータが予め設定される期間内に複数存在する場合、これらのイベントデータが同一のレーザ光線により生じたものであると判断する。予め設定される期間とは、レーザ光線の1フレーム長及びレーザ光線を照射する周期に基づいて設定される期間である。本実施形態では、
図2で示されるレーザ光線の1フレーム長及び周期に基づき、例えば、50mSの期間が設定される。
【0031】
なお、検出器41から有線を介して受信した電気信号からデータが抽出される場合、信号処理部33は、電気信号からデータを抽出した時刻から例えば50mSの期間を上記期間とする。
【0032】
また、検出器41から出力される電気信号からデータが抽出されず、時刻情報が付加されたデータが無線回路31から出力される場合、信号処理部33は、無線回路31から出力される最初のデータに付加される時刻情報により示される時刻から例えば50mSの期間を上記期間とする。
【0033】
信号処理部33は、同一の時刻情報が付加されたイベントデータが複数の期間に存在する場合、すなわち、同一の時刻情報が付加されたイベントデータが2つ以上の期間に跨がって存在する場合、最初の期間以外の期間に存在するイベントデータを破棄する。
【0034】
信号処理部33は、例えば、レーザ光線を検出した受光器20(及び/又は検出器41)の部位及びレーザ光線を受光した受光器(及び/又は検出器41)の個数と、負傷の度合いとを関係付けたテーブルを予め記録している。信号処理部33は、記録しているイベントデータに基づき、レーザ光線を検出した受光器20(及び/又は検出器41)の部位及びレーザ光線を受光した受光器(及び/又は検出器41)の個数を判定する。信号処理部33は、テーブルを参照し、ユーザの負傷の度合いを決定する。
【0035】
信号処理部33は、ユーザの負傷の度合いを表示部(図示せず)に表示させる。なお、表示部は、処理器30に設けられていても、単独で設けられていても構わない。表示部が単独で設けられる場合、処理器30と表示部とは、無線又は有線で接続されることとなる。
【0036】
信号処理部33は、RTC32から時刻情報を受け取ると、時刻情報を含む時刻同期信号を生成する。信号処理部33は、生成した時刻同期信号を無線回路31へ出力する。
【0037】
次に、以上のように構成された射撃訓練システムによる動作を詳細に説明する。
図3は、ユーザに本実施形態に係る受光器20及び処理器30を装着させた場合の例を示す図である。
図3によれば、受光器20は頭部に装着される。さらに、複数の検出器41(符号41−1〜41−3を付して示す)がユーザの胴体に装着される。検出器41−1〜41−3は、処理器30に有線で接続される。
【0038】
図4は、受光器20が無線信号を生成する際のフローチャートの例を示す図である。
【0039】
まず、検出器21は、レーザ光線を電気信号に変換する(ステップS41)。
【0040】
復号処理部22は、電気信号からデータを抽出し、データの抽出が完了すると、その旨を制御部25へ通知する(ステップS42)。
【0041】
制御部25は、通知を受けると、RTC23に時刻情報を出力させる(ステップS43)。
【0042】
復号処理部22は、RTC23から出力される時刻情報を受信すると、時刻情報をデータに付加する(ステップS44)。
【0043】
無線回路24は、時刻情報が付加されたデータを無線信号へ変換し、変換した無線信号を送信する(ステップS45)。
【0044】
図5は、処理器30がユーザの負傷の度合いを決定する際のフローチャートの例を示す図である。また、
図6は、本実施形態に係る射撃訓練システムにおいて発生する各信号の発生タイミングを模式的に示す図である。
【0045】
まず、信号処理部33は、検出器41−1〜41−3から出力される電気信号を受信する(ステップS51)。信号処理部33は、受信した電気信号からデータを抽出可能であるか否かを判断する(ステップS52)。受信した電気信号からデータを抽出可能である場合(ステップS52のYes)、信号処理部33は、抽出したデータをイベントデータとして内部メモリに記録し、経過時間の計測を開始する(ステップS53)。
【0046】
続いて、信号処理部33は、RTC32を参照し、経過時間が予め設定する待機時間以上であるか否かを判断する(ステップS54)。経過時間が待機時間以上である場合(ステップS54のYes)、信号処理部33は、経過時間の計測が開始されてから待機時間に達するまでの間に記録したイベントデータが、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであることを認定する(ステップS55)。すなわち、信号処理部33は、同一の時刻を示す時刻情報が付加されたイベントデータと、検出器41から出力される電気信号に基づくイベントデータとを、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであるとする。
【0047】
図6によれば、受光器20は、検出器21で生成される電気信号に基づき、復号処理部22でタイムスタンプ「T」が付加されたデータを作成する。受光器20は、無線回路24から作成したデータを変換した無線信号を送信する。処理器30は、無線回路31で無線信号を受信し、信号処理部33で「T」が付加されたデータに変換する。信号処理部33は、待機時間「T〜T’」に受信されたタイムスタンプ「T」が付加されたデータと、検出器41−1〜41−3からのデータとを、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであるとする。
【0048】
信号処理部33は、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータに基づき、ユーザの負傷の度合いを決定する(ステップS56)。信号処理部33は、ユーザの負傷の度合いを表示部に表示する(ステップS57)。
【0049】
ステップS52において、受信した電気信号からデータが抽出されない場合(ステップS52のNo)、信号処理部33は、無線回路31から出力されるデータを受信したか否かを判断する(ステップS58)。無線回路31からのデータを受信した場合(ステップS58のYes)、信号処理部33は、受信したデータをイベントデータとして内部メモリに記録する(ステップS59)。信号処理部33は、経過時間の計測を開始する(ステップS510)。無線回路31からのデータを受信しない場合(ステップS58のNo)、信号処理部33は、処理をステップS51へ移行させる。
【0050】
ステップS510において経過時間の計測を開始させた後、信号処理部33は、タイムスタンプにより示される時刻Tから、データを最初に受信した時刻までのオフセットtを把握し、経過時間+tが予め設定する待機時間以上であるか否かを判断する(ステップS511)。経過時間+tが待機時間以上である場合(ステップS511のYes)、信号処理部33は、処理をステップS55へ移行させる。経過時間+tが待機時間未満である場合(ステップS511のNo)、信号処理部33は、処理をステップS58へ移行させ、ステップS58〜ステップS511を繰り返す。
【0051】
ステップS54において、経過時間が待機時間未満である場合(ステップS54のNo)、信号処理部33は、無線回路31から出力されるデータを受信したか否かを判断する(ステップS512)。無線回路31からのデータを受信した場合(ステップS512のYes)、信号処理部33は、受信したデータをイベントデータとして内部メモリに記録し(ステップS513)、処理をステップS54へ移行させる。無線回路31からのデータを受信しない場合(ステップS512のNo)、信号処理部33は、処理をステップS54へ移行させる。
【0052】
以上のように、第1の実施形態では、受光器20は、電気信号から抽出したデータに、データを抽出した時刻を時刻情報として付加する。受光器20は、時刻情報を付加したデータを無線信号に変換し、処理器30へ送信する。処理器30は、時刻情報が付加されたデータをイベントデータとして記録し、記録するイベントデータのうち、同一の時刻を示す時刻情報が付加されたイベントデータを、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであると判断するようにしている。
これにより、1つのレーザ光線に基づくデータが処理器30へ到達するタイミングが同期しない場合であっても、処理器30へ到達したデータを1つのレーザ光線に基づくものであると判断することが可能となる。
【0053】
また、第1の実施形態では、処理器30は、レーザ光線の1フレーム長及びレーザ光線を照射する周期に基づいて所定の期間を設定する。処理器30は、この期間内に記録されたイベントデータが、1つのレーザ光線が照射されることで得られるイベントデータであるか否かを判断するようにしている。これにより、処理器30は、レーザ光線が照射されたことをリアルタイムでユーザに通知することが可能となる。
【0054】
また、第1の実施形態では、処理器30は、所定の周期で時刻同期信号を送信する。受光器20は、処理器30から出力される時刻同期信号に基づき、RTC23を設定する。これにより、受光器20のRTC23と、処理器30のRTC32とは定期的に同期がとられるようになる。
【0055】
したがって、第1の実施形態に係る射撃訓練システムによれば、同一のレーザ光線に基づくデータが処理器へ到達するタイミングが同期しない場合であっても、ユーザの負傷の度合いを正確に決定することができる。
【0056】
なお、第1の実施形態では、照射器10が、生成したレーザ光線を照射する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、照射器10は、
図7に示すように、ユニークなIDを生成する生成回路13を備えていても構わない。制御部11は、レーザ光線のレーザコードに含まれるデータにIDを付与するように生成回路13を制御する。なお、制御部11の内部処理により、レーザ光線にIDが付与されるようにしても構わない。
【0057】
受光器20の復号処理部22は、電気信号からデータと共に、IDを抽出する。復号処理部22は、抽出したデータに、ID及び時刻情報を付加し、無線回路24から送信する。
【0058】
処理器30の信号処理部33は、無線回路31で受信された、ID及び時刻情報が付加されたデータをイベントデータとして記録する。信号処理部33は、記録しているイベントデータのうち、同一の時刻情報が付加され、かつ、同一のIDが付加されているイベントデータを、同一のレーザ光線に基づいて発生したものであると判断する。これにより、信号処理部33は、ユーザの負傷度合いを、より正確に決定することが可能となる。
【0059】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、受光器20が、時刻情報を含む無線信号を送信する場合を例に説明した。第2の実施形態では、受光器20が、データが抽出された時刻からのオフセット値を、無線信号に含めて送信する場合を説明する。
【0060】
図8は、第2の実施形態に係る射撃訓練システムの機能構成を示すブロック図である。
図8に示す射撃訓練システムは、照射器10、受光器20及び処理器30を具備する。
【0061】
受光器20は、検出器21、復号処理部22、RTC26、無線回路27及び制御部28を備える。
【0062】
復号処理部22は、検出器21から出力される電気信号を復号することで、電気信号に含まれるデータを抽出する。復号処理部22は、データの抽出が完了すると、抽出が完了した旨を制御部28へ通知する。復号処理部22は、RTC26から出力される時刻情報を、抽出したデータに付加する。復号処理部22は、時刻情報を付加したデータを無線回路27へ出力する。
【0063】
RTC26は、時刻を計時する。RTC26は、制御部28からの指示に従い、時刻情報を復号処理部22及び無線回路27へ出力する。
【0064】
無線回路27は、制御部28から無線信号を送信する旨の指示を受けると、無線信号を送信する。
【0065】
具体的には、無線回路27は、復号処理部22から出力されるデータを受信し、制御部28からの送信指示があるまで、受信したデータを保持する。無線回路27は、制御部28から送信指示を受信すると、RTC26から出力される時刻情報と、復号処理部22から出力されるデータに含まれる時刻情報との差をオフセット値として算出する。無線回路27は、算出したオフセット値を、復号処理部22で抽出されたデータに付加する。無線回路27は、オフセット値を付加したデータを、予め設定される無線化方式に則った形式に変換する。無線回路27は、変換した信号をRF帯の無線信号に変換して処理器30へ送信する。
【0066】
制御部28は、CPU、並びに、ROM及びRAM等のCPUが処理を実行するためのプログラム及びデータの格納領域等を含む。制御部28は、復号処理部22からデータの抽出が完了した旨の通知を受けると、RTC26に対し、復号処理部22へ時刻情報を出力するように指示を出す。これにより、電気信号からデータを抽出した際の時刻情報が、復号処理部22にてデータに付加されることとなる。また、制御部28は、復号処理部22からデータの抽出が完了した旨の通知を受けた後、例えば予め設定される期間が経過すると、RTC26に対し、無線回路27へ時刻情報を出力するように指示を出すと共に、無線回路27に対し、無線信号を送信する旨の指示を出す。
【0067】
図8に示す処理器30は、無線回路34、RTC35及び信号処理部36を備える。
【0068】
無線回路34は、受光器20から送信される無線信号を受信する。無線回路34は、無線信号を受信すると、受信した旨を信号処理部36へ通知する。無線回路34は、受信した無線信号をIF帯又はベースバンド帯の信号に変換する。無線回路34は、変換した信号を、オフセット値が付加されたデータに変換する。無線回路34は、オフセット値が付加されたデータを信号処理部36へ出力する。
【0069】
RTC35は、時刻を計時する。RTC35は、信号処理部36からの要求に応じて、時刻情報を信号処理部36へ出力する。
【0070】
信号処理部36は、CPU、並びに、ROM及びRAM等のCPUが処理を実行するためのプログラム及びデータの格納領域等を含む。信号処理部36は、無線回路34から無線信号を受信した旨の通知を受けると、RTC35に時刻情報を要求する。信号処理部36は、オフセット値が付加されたデータを無線回路34から受信する。信号処理部36は、無線信号受信時の時刻から、オフセット値と、無線通信による遅延時間とを引くことで、データが抽出された時刻を取得する。なお、無線通信による遅延時間は、無線通信における転送レートに基づいて予め算出される。信号処理部36は、受信したデータに取得した時刻情報を付加し、イベントデータとして記録する。
【0071】
また、信号処理部36は、検出器41と有線で接続される場合、検出器41から出力される電気信号を受信する。信号処理部36は、受信した電気信号を復号することで、電気信号に含まれるデータを抽出する。信号処理部36は、電気信号から抽出されたデータをイベントデータとして記録する。
【0072】
信号処理部36は、同一の時刻情報を付加されたイベントデータが予め設定される期間内に複数存在する場合、これらのイベントデータが同一のレーザ光線により生じたものであると判断する。
【0073】
なお、検出器41から有線を介して受信した電気信号からデータが抽出される場合、信号処理部36は、電気信号からデータを抽出した時刻から所定の期間を上記期間とする。
【0074】
また、検出器41から出力される電気信号からデータが抽出されず、オフセット値が付加されたデータが無線回路34から出力される場合、信号処理部36は、無線回路34から出力される最初のデータに付加されるオフセット値に基づいて時刻を取得する。そして、信号処理部36は、取得した時刻から所定の期間を上記期間とする。
【0075】
信号処理部36は、同一の時刻情報が付加されたイベントデータが複数の期間に存在する場合、すなわち、同一の時刻情報が付加されたイベントデータが2つ以上の期間に跨がって存在する場合、最初の期間以外の期間に存在するイベントデータを破棄する。
【0076】
次に、以上のように構成された射撃訓練システムによる動作を詳細に説明する。
図9は、受光器20が無線信号を生成する際のフローチャートの例を示す図である。なお、本説明では、
図3に示す装着例を利用する。
【0077】
まず、検出器21は、レーザ光線を電気信号に変換する(ステップS91)。
【0078】
復号処理部22は、電気信号からデータを抽出し、データの抽出が完了すると、その旨を制御部28へ通知する(ステップS92)。
【0079】
制御部28は、通知を受けると、RTC26に時刻情報を出力させる(ステップS93)。
【0080】
復号処理部22は、RTC26から出力される時刻情報を受信すると、時刻情報をデータに付加する(ステップS94)。
【0081】
無線回路27は、制御部28から送信指示があるか否か判断する(ステップS95)。送信指示がない場合(ステップS95のNo)、無線回路27は、指示があるまで待機する。送信指示がある場合(ステップS95のYes)、無線回路27は、RTC26から出力される時刻情報と、復号処理部22からのデータに付加される時刻情報との差を、オフセット値として算出する(ステップS96)。
【0082】
無線回路27は、オフセット値を抽出されたデータに付加する(ステップS97)。無線回路27は、オフセット値が付加されたデータを無線信号へ変換し、変換した無線信号を送信する(ステップS98)。
【0083】
図10は、処理器30がユーザの負傷の度合いを決定する際のフローチャートの例を示す図である。
【0084】
まず、信号処理部36は、検出器41−1〜41−3から出力される電気信号を受信する(ステップS101)。信号処理部36は、受信した電気信号からデータを抽出可能であるか否かを判断する(ステップS102)。受信した電気信号からデータを抽出可能である場合(ステップS102のYes)、信号処理部36は、抽出したデータをイベントデータとして内部メモリに記録し、経過時間の計測を開始する(ステップS103)。
【0085】
続いて、信号処理部36は、RTC35を参照し、経過時間が予め設定する待機時間以上であるか否かを判断する(ステップS104)。経過時間が待機時間以上である場合(ステップS54のYes)、信号処理部36は、経過時間の計測が開始されてから待機時間に達するまでの間に記録したイベントデータが、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであることを認定する(ステップS105)。すなわち、信号処理部36は、同一の時刻を示す時刻情報が付加されたイベントデータと、検出器41から出力される電気信号に基づくイベントデータとを、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであるとする。
【0086】
信号処理部36は、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータに基づき、ユーザの負傷の度合いを決定する(ステップS106)。信号処理部36は、ユーザの負傷の度合いを表示部に表示する(ステップS107)。
【0087】
ステップS102において、受信した電気信号からデータが抽出されない場合(ステップS102のNo)、信号処理部36は、無線回路34から出力されるデータを受信したか否かを判断する(ステップS108)。無線回路34からのデータを受信した場合(ステップS108のYes)、信号処理部36は、無線信号受信時の時刻から、受信したデータに含まれるオフセット値と、無線通信による遅延時間とを引くことで、データが抽出された時刻を取得する(ステップS109)。信号処理部36は、取得した時刻を付加したデータをイベントデータとして内部メモリに記録する(ステップS1010)。信号処理部36は、経過時間の計測を開始する(ステップS1011)。無線回路34からのデータを受信しない場合(ステップS108のNo)、信号処理部36は、処理をステップS101へ移行させる。
【0088】
ステップS1010において経過時間の計測を開始させた後、信号処理部36は、記録したイベントデータに含まれるオフセット値と遅延時間との合計時間tを把握し、経過時間+tが予め設定する待機時間以上であるか否かを判断する(ステップS1012)。経過時間+tが待機時間以上である場合(ステップS1012のYes)、信号処理部36は、処理をステップS105へ移行させる。経過時間+tが待機時間未満である場合(ステップS1012のNo)、信号処理部36は、処理をステップS108へ移行させ、ステップS108〜ステップS1012を繰り返す。
【0089】
ステップS104において、経過時間が待機時間未満である場合(ステップS104のNo)、信号処理部36は、無線回路34から出力されるデータを受信したか否かを判断する(ステップS1013)。無線回路34からのデータを受信した場合(ステップS1013のYes)、信号処理部36は、無線信号受信時の時刻から、受信したデータに含まれるオフセット値と、無線通信による遅延時間とを引くことで、データが抽出された時刻を取得する(ステップS1014)。信号処理部36は、取得した時刻を付加したデータをイベントデータとして内部メモリに記録し(ステップS1015)、処理をステップS104へ移行させる。無線回路34からのデータを受信しない場合(ステップS1013のNo)、信号処理部36は、処理をステップS104へ移行させる。
【0090】
以上のように、第2の実施形態では、受光器20は、電気信号から抽出したデータに、データを抽出してから無線信号を送信するまでの時刻をオフセット値として付加する。受光器20は、オフセット値を付加したデータを無線信号に変換し、処理器30へ送信する。処理器30は、オフセット値に基づいてデータを抽出した時刻を取得し、取得した時刻についての時刻情報が付加されたデータをイベントデータとして記録する。そして、処理器30は、記録するイベントデータのうち、同一の時刻を示す時刻情報が付加されたイベントデータを、1つのレーザ光線が照射されることで得られたイベントデータであると判断するようにしている。これにより、1つのレーザ光線に基づくデータが処理器30へ到達するタイミングが同期しない場合であっても、処理器30へ到達したデータを1つのレーザ光線に基づくものであると判断することが可能となる。また、無線信号間における干渉を回避するため、無線回路27から無線信号を送信するタイミングを遅らせる等の処理を行う場合であっても、処理器30へ到達したデータを1つのレーザ光線に基づくものであると判断することが可能となる。また、受光器20のRTC26と、処理器30のRTC35とが同期していなくても、処理器30へ到達したデータを1つのレーザ光線に基づくものであると判断することが可能となる。
【0091】
また、第2の実施形態では、処理器30は、レーザ光線の1フレーム長及びレーザ光線を照射する周期に基づいて所定の期間を設定する。処理器30は、この期間内に記録されたイベントデータが、1つのレーザ光線が照射されることで得られるイベントデータであるか否かを判断するようにしている。これにより、処理器30は、レーザ光線が照射されたことをリアルタイムでユーザに通知することが可能となる。
【0092】
したがって、第2の実施形態に係る射撃訓練システムによれば、同一のレーザ光線に基づくデータが処理器へ到達するタイミングが同期しない場合であっても、ユーザの負傷の度合いを正確に決定することができる。
【0093】
なお、第2の実施形態では、照射器10が、生成したレーザ光線を照射する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、照射器10は、
図7に示すように、ユニークなIDを生成する生成回路13を備えていても構わない。制御部11は、レーザ光線のレーザコードに含まれるデータにIDを付与するように生成回路13を制御する。なお、制御部11の内部処理により、レーザ光線にIDが付与されるようにしても構わない。
【0094】
受光器20の復号処理部22は、電気信号からデータと共に、IDを抽出する。復号処理部22は、抽出したデータに、ID及び時刻情報を付加する。
【0095】
処理器30の信号処理部36は、無線信号受信時の時刻から、オフセット値と、無線通信による遅延時間とを引くことで、データが抽出された時刻を取得する。信号処理部36は、受信したデータに、取得した時刻情報を付加し、イベントデータとして記録する。信号処理部36は、記録しているイベントデータのうち、同一の時刻情報が付加され、かつ、同一のIDが付加されているイベントデータを、同一のレーザ光線に基づいて発生したものであると判断する。これにより、信号処理部36は、ユーザの負傷度合いを、より正確に決定することが可能となる。
【0096】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【解決手段】 射撃訓練システムは、照射器、受光器及び処理器を具備する。受光器は、検出器、計時部、復号処理部及び無線送信回路を備える。検出器は、照射器から照射されるレーザ光線を受光すると電気信号を生成する。復号処理部は、電気信号からデータを抽出し、抽出したデータに計時部から受け取った時刻情報を付加する。無線送信回路は、時刻情報が付加されたデータを無線信号に変換して送信する。処理器は、無線受信回路及び信号処理部を備える。無線受信回路は、無線信号を受信し、受信した無線信号を時刻情報が付加されたデータに変換する。信号処理部は、時刻情報が付加されたデータのうち、同一の時刻情報が付加されているデータを、同一のレーザ光線が照射されることで発生したデータであると判断する。