特許第5879423号(P5879423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5879423-破砕機の粉塵飛散防止用カバー 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5879423
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】破砕機の粉塵飛散防止用カバー
(51)【国際特許分類】
   B02C 23/00 20060101AFI20160223BHJP
   B65G 21/00 20060101ALI20160223BHJP
【FI】
   B02C23/00 C
   B65G21/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-228850(P2014-228850)
(22)【出願日】2014年11月11日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150291
【氏名又は名称】株式会社中山鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100106770
【弁理士】
【氏名又は名称】円城寺 貞夫
(74)【代理人】
【識別番号】100139789
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 光信
(72)【発明者】
【氏名】橘川 智宏
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 美信
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4578185(US,A)
【文献】 特開2001−121025(JP,A)
【文献】 特公昭38−021594(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 23/00 − 23/40
B65G 21/00 − 21/22
B09B 1/00 − 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塊状物を破砕することにより生じた破砕物を排出口から排出する破砕機と、
前記排出口から排出された破砕物を外部に搬送するコンベアと、
前記コンベアの搬送路に沿って形成され、前記搬送路を覆う粉塵飛散防止用カバーであって、
前記粉塵飛散防止用カバーには、前記コンベアの前記搬送路の途中に、前記コンベアの搬送方向に直交する方向の断面積が粉塵飛散防止用カバーの他の部位よりも広く形成された粉塵流速低減用カバー部が形成されている
ことを特徴とする破砕機の粉塵飛散防止用カバー。
【請求項2】
請求項1に記載の破砕機の粉塵飛散防止用カバーにおいて、
前記粉塵流速低減用カバー部は、前記コンベアの前記搬送路に沿って複数箇所に形成されている
ことを特徴とする破砕機の粉塵飛散防止用カバー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の破砕機の粉塵飛散防止用カバーにおいて、
前記粉塵流速低減用カバー部は、通気性の有る素材で形成されている
ことを特徴とする破砕機の粉塵飛散防止用カバー。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の破砕機の粉塵飛散防止用カバーにおいて、
前記粉塵飛散防止用カバーには、その上端が前記粉塵飛散防止用カバーから吊り下げられるとともにその下端がコンベア上の破砕物に接触して、前記コンベア上の空間を間仕切りする柔軟な素材で形成されたカーテンが取り付けられている
ことを特徴とする破砕機の粉塵飛散防止用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破砕機の粉塵飛散防止用カバーに関する。更に詳しくは、破砕機から排出された破砕物をコンベアで搬送する方式の破砕機において、破砕機から排出された粉塵を周囲に飛散させないようにした破砕機の粉塵飛散防止用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
岩石等の塊状物を破砕する破砕機は、高速で回転するロータ等で塊状物を破砕するため、そのブロア効果によって破砕機の排出口から粉塵が吹き出し、周囲に粉塵が飛散して環境に悪影響を与える。従来の破砕機は、破砕機の排出口近傍にダクトを接続し、ブロアでダクトを経由して粉塵を回収するようにしている。しかし、この集塵方法では、ブロアが必要なため設備費が高くなる不具合がある。
【0003】
特許文献1に記載された破砕機の防塵カバーは、排出口から排出された破砕物を外部に搬送するコンベアに、コンベアの搬送路を覆う防塵カバーを設置し、防塵カバーに集塵ダクトを接続して粉塵を集塵機で回収するとともに、防塵カバー内に粉塵飛散防止用の水を噴射している。特許文献2に記載された破砕機の防塵装置は、排出口から排出された破砕物を外部に搬送するコンベアに、コンベアの搬送路を覆う防塵カバーを設置し、防塵カバーの開口部からファンで粉塵を吸入管に吸い込み、吸引された粉塵に噴射ノズルで水を噴射して湿潤させ、底に水が満たされた隔壁部に堆積した粉塵をコンベアに戻している。しかし、特許文献1、特許文献2に記載の破砕機の防塵手段は、集塵機やファン等が必要なため設備費が高くなる不具合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−96209号公報
【特許文献2】特開2001−327825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造が簡単で設備費が安価な破砕機の粉塵飛散防止用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は以下の手段によって解決される。
即ち、本発明1の破砕機の粉塵飛散防止用カバーは、塊状物を破砕することにより生じた破砕物を排出口から排出する破砕機と、前記排出口から排出された破砕物を外部に搬送するコンベアと、前記コンベアの搬送路に沿って形成され、前記搬送路を覆う粉塵飛散防止用カバーであって、前記粉塵飛散防止用カバーには、前記コンベアの前記搬送路の途中に、前記コンベアの搬送方向に直交する方向の断面積が粉塵飛散防止用カバーの他の部位よりも広く形成された粉塵流速低減用カバー部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明2の破砕機の粉塵飛散防止用カバーは、本発明1において、前記粉塵流速低減用カバー部は、前記コンベアの前記搬送路に沿って複数箇所に形成されていることを特徴とする。
本発明3の破砕機の粉塵飛散防止用カバーは、本発明1又は2において、前記粉塵流速低減用カバー部は、通気性の有る素材で形成されていることを特徴とする。
本発明4の破砕機の粉塵飛散防止用カバーは、本発明1又は2において、前記粉塵飛散防止用カバーには、その上端が前記粉塵飛散防止用カバーから吊り下げられるとともにその下端がコンベア上の破砕物に接触して、前記コンベア上の空間を間仕切りする柔軟な素材で形成されたカーテンが取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の破砕機の粉塵飛散防止用カバーは、コンベアの搬送路の途中に断面積が広い粉塵流速低減用カバー部を形成して粉塵の流速を遅くして、コンベア上に粉塵を沈降し易くするため、粉塵の飛散が少なくて済み、構造が簡単で設備費が安価になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーを備えた破砕機を示す全体側面図である。
図2図2は、図1のP部拡大縦断面図である。
図3図3は、本発明の第2の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーを備えた破砕機を示す一部を断面した全体側面図である。
図4図4は、本発明の第3の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーを備えた破砕機を示す全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーを備えた破砕機を示す全体側面図、図2図1のP部拡大縦断面図である。図1から図2に示すように、本発明の第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーは竪型の破砕機に適用した例である。破砕機1は、破砕機1の上端の投入口11から岩石等の塊状物である原料を投入し、図示しない高速で回転するロータで塊状物を破砕し、破砕機1の下端の排出口12から破砕物と粉塵を同時に排出する。
【0011】
排出口12から排出された破砕物は、ベルト式のコンベア2上に落下し、コンベア2によって、図1の右側から左側に搬送されて、図示しない破砕物堆積場所に運ばれる。コンベア2には、搬送路を上部から覆う4個の粉塵飛散防止用カバー31、32、33、34が、コンベア2の搬送路に沿って、図1の右側から左側に向かって取り付けられている。図1の右端の粉塵飛散防止用カバー31の上面には、破砕機1の下端の排出口12が挿入される開口部が形成されている。この破砕機1の排出口12から排出された破砕物は、コンベア2の右端上に落下する。また、同時に、排出口12から排出された粉塵は、図1の右端の粉塵飛散防止用カバー31内に流入して、図1の二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32側に流れる。
【0012】
粉塵飛散防止用カバー31、32、33、34は、コンベア2の搬送方向に直交する方向の断面積が異なって形成されている。すなわち、図1の二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32は、図1の右端の粉塵飛散防止用カバー31よりも、コンベア2の搬送方向に直交する方向の断面積が広く形成されている。また、図1の四番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34は、図1の三番目の粉塵飛散防止用カバー33よりも、コンベア2の搬送方向に直交する方向の断面積が広く形成されている。
【0013】
従って、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32と粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34に流入した粉塵は、その流速が低下する。その結果、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32と粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34内での粉塵の滞留時間が長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。
【0014】
図2に示すように、右端の粉塵飛散防止用カバー31の上面内側には、カーテン4が吊り下げられ、カーテン4の下端が破砕物5に接触し、コンベア2上の空間を間仕切りしている。カーテン4は、ゴム等の柔軟な素材で形成されている。従って、カーテン4で粉塵の流れが妨げられるため、カーテン4を通過した粉塵の流速がさらに低下し、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32内での粉塵の滞留時間がさらに長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。
【0015】
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーを備えた破砕機を示す一部を断面した全体側面図である。本発明の第2の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーは第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーの変形例であり、第1の実施の形態と同一部品には同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図3に示すように、コンベア2には、搬送路を覆う4個の粉塵飛散防止用カバー31、62、33、34が、コンベア2の搬送路に沿って、図3の右側から左側に向かって取り付けられている。3個の粉塵飛散防止用カバー31、33、34は、第1の実施の形態と同一形状であり、二番目の粉塵飛散防止用カバー62だけが第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバー32とは形状が異なる。
【0016】
すなわち、図3の二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)62は、第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32よりも、コンベア2の搬送方向に直交する方向の断面積が広く形成されている。また、右端の粉塵飛散防止用カバー31の上面と二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)62の右側面上部をホース61で接続し、右端の粉塵飛散防止用カバー31内の粉塵を二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)62の上部に噴出させている。ホース61の噴出角度θ1は、コンベア2の傾斜角度θ2よりも大きく形成されている。
【0017】
従って、ホース61から粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)62に流入した粉塵は、ホース61から上方に噴出するため、粉塵の重力によってコンベア2上に落下し易くなる。また、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)62の断面積が広くなることによって粉塵の流速が低下するため、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)62内での粉塵の滞留時間が長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。四番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34内でも、第1の実施の形態と同様に、粉塵の滞留時間が長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。なお、ホース61の先端に通気性のある袋を取り付けて、シルト、粘土、雲母等の微細物質はコンベア2上に戻すことなく、これを回収しても良い。
【0018】
次に、本発明の第3の実施の形態を図面に基づいて説明する。図4は、本発明の第3の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーを備えた破砕機を示す全体側面図である。本発明の第3の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーは第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバーの変形例であり、第1の実施の形態と同一部品には同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図4に示すように、コンベア2には、搬送路を覆う4個の粉塵飛散防止用カバー31、72、33、34が、コンベア2の搬送路に沿って、図4の右側から左側に向かって取り付けられている。3個の粉塵飛散防止用カバー31、33、34は、第1の実施の形態と同一形状であり、二番目の粉塵飛散防止用カバー72だけが第1の実施の形態の粉塵飛散防止用カバー32とは形状が異なる。
【0019】
すなわち、図4の二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)72は、図4の右端の粉塵飛散防止用カバー31よりも、コンベア2の搬送方向に直交する方向の断面積が広く形成されている。また、二番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)72は、布等の通気性の有る素材で形成されている。
【0020】
従って、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)72に流入した粉塵は、布等の隙間から空気が外部に抜け出すため、粉塵の流速が遅くなり、かつ、布等で粉塵が濾過されるため、粉塵の重力によってコンベア2上に落下し易くなる。また、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)72の断面積が広くなることによって粉塵の流速が低下するため、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)72内での粉塵の滞留時間が長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。四番目の粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34内でも、第1の実施の形態と同様に、粉塵の滞留時間が長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。
【0021】
本発明の実施の形態では、コンベアの搬送路の途中に断面積が広い粉塵流速低減用カバー部を形成して粉塵の流速を遅くして、コンベア上に粉塵を沈降し易くするため、粉塵の飛散が少なくて済み、構造が簡単で設備費が安価になる。
【0022】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されることはない。例えば、前述した実施の形態では、コンベアの搬送路に2個の粉塵流速低減用カバー部を形成した例について説明したが、粉塵流速低減用カバー部は1個または2個以上形成してもよい。また、前述した実施の形態では、コンベア上の空間を間仕切りする柔軟な素材のカーテンを1個取り付けた例について説明したが、複数個取り付けてもよい。さらに、前述した実施の形態では、粉塵流速低減用カバー部全体を通気性の有る素材で形成した例について説明したが、粉塵流速低減用カバー部の一部を通気性の有る素材で形成してもよい。また、前述した実施の形態では、粉塵を全てコンベア上に戻しているが、別の排出口も設けて分離したものでもよいる。
【符号の説明】
【0023】
1 …破砕機
11…投入口
12…排出口
2 …コンベア
31…粉塵飛散防止用カバー
32…粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)
33…粉塵飛散防止用カバー
34…粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)
4 …カーテン
5 …破砕物
61…ホース
62…粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)
72…粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)
【要約】
【課題】構造が簡単で設備費が安価な破砕機の粉塵飛散防止用カバーを提供する。
【解決手段】粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32と粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34に浸入した粉塵は、その流速が低下する。その結果、粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)32と粉塵飛散防止用カバー(粉塵流速低減用カバー部)34内での粉塵の滞留時間が長くなるため、粉塵はコンベア2上に沈降し易くなる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4