特許第5879427号(P5879427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5879427
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20160223BHJP
   C23C 14/08 20060101ALI20160223BHJP
   C04B 35/453 20060101ALI20160223BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20160223BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20160223BHJP
【FI】
   C23C14/34 R
   C23C14/08 C
   C04B35/00 P
   H01B5/14 A
   H01B13/00 503B
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-500228(P2014-500228)
(86)(22)【出願日】2011年3月25日
(65)【公表番号】特表2014-514442(P2014-514442A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】CN2011072144
(87)【国際公開番号】WO2012129757
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2014年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】512226860
【氏名又は名称】▲海▼洋王照明科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ、ミンジエ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジシン
(72)【発明者】
【氏名】フアン、フイ
【審査官】 伊藤 光貴
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/145152(WO,A1)
【文献】 特開2009−228034(JP,A)
【文献】 特開2000−119062(JP,A)
【文献】 特開平11−236219(JP,A)
【文献】 特開平11−256320(JP,A)
【文献】 特開2011−009069(JP,A)
【文献】 特開2009−199812(JP,A)
【文献】 特表2010−519720(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0089623(US,A1)
【文献】 特開2002−363732(JP,A)
【文献】 特開2012−049218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C04B 35/453
H01B 5/14
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全質量に対して0.5%〜10%を占めるGa粉体、全質量に対して0.5%〜5%を占めるAl粉体、全質量に対して0.5%〜1.5%を占めるSiO粉体及び残部であるZnO粉体を混合し、焼結してターゲット材とする工程と、
前記ターゲット材をマグネトロンスパッタリングチャンバー内に入れ、真空にし、動作圧力を0.2Pa〜5Paに設定し、流量が15sccm〜25sccmである不活性ガスと水素ガスの混合ガスを導入し、スパッタリングパワー40W〜200Wでサブストレートにスパッタリングして多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を得る工程と、を含むことを特徴とする多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【請求項2】
前記Ga粉体が全質量に対して2%〜4%を占め、前記Al粉体が全質量に対して0.8%〜1.5%を占め、前記SiO粉体が全質量に対して0.6%〜1%を占め、残部がZnO粉体であることを特徴とする請求項1に記載の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【請求項3】
前記混合ガス流量が18sccm〜22sccmであり、前記チャンバーの動作圧力が0.8Pa〜1.2Paであることを特徴とする請求項1に記載の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【請求項4】
前記混合ガスにおける水素ガスのモル体積%含有量が1%〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【請求項5】
前記混合ガスにおける水素ガスのモル体積%含有量が3%〜6%であることを特徴とする請求項1に記載の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【請求項6】
前記サブストレートが有機フレキシブルサブストレートであることを特徴とする請求項1に記載の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【請求項7】
前記サブストレートの温度が0℃〜100℃に制御されることを特徴とする請求項1に記載の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光電材料製作分野に関し、具体的には、多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法、それによって製作される薄膜及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フレキシブルサブストレート透明導電膜は応用が有望視されているので、それに対する研究について、世界各国からの関心を得られており、ガラスサブストレート透明導電膜の特徴を有するだけではなく、更に、フレキシビリティがあること、軽量であること、耐衝撃性を有すること、量産しやすいこと、運輸が容易であること等のような独特な長所を多く有する。フレキシブル発光デバイス、プラスチック液晶ディスプレー及びプラスチックサブストレートの太陽電池等への応用が有望視されている。
【0003】
現在、応用においては、絶対多数の透明導電薄膜材料は、錫ドープ酸化インジウム(Sn−doped In:単にITO薄膜をいう)を使用している。ITO薄膜は、光電性能が現在全般的に優れており、最も広く応用されている透明導電薄膜材料である。ところが、ITO薄膜には、インジウムが毒性を有すること、高価であること、安定性が悪いこと、インジウム拡散によってデバイス性能を低下させる等の問題がある。そのため、ITOに代わる安価で性能が優れた材料に対する要望が高まっている。そのうち、ドープ酸化亜鉛系は、国内外の人気のある研究となり、酸化亜鉛は、安価で、毒性がなく、アルミニウム、ガリウム、インジウム、フッ素及びシリコン等の元素をドープされた後でITOと比べられる電気学・光学性能が得られ、最も競争力を有する透明導電薄膜材料になってきた。しかし、単一の元素をドープした酸化亜鉛薄膜について、生産において低抵抗の薄膜を製作しにくいことに加え、導電性と化学安定性が悪い。例えば、ガリウムドープ酸化亜鉛薄膜には、表面と結晶粒界に酸素が吸着して電気学性能の低下を引き起こす等の問題がある。また、アルミニウムドープ酸化亜鉛には、酸素原子が表面から溢れる傾向があり、安定性が高くない等の問題がある。
【0004】
マグネトロンスパッタリング方法で透明導電薄膜を製作することには、成長速度が高く、薄膜付着性がよく、制御しやすく、大面積成長が図れる等の長所を有するので、現在の工業化生産において最も多く研究され、プロセスが最も上達しており、最も広く応用されている方法となる。しかしながら、一般の国産のマグネトロンスパッタリング設備では、一般に結晶品質が悪い多結晶の薄膜しか製作できず、サブストレートを加熱したり後高温アニール処理を行ったりすることで結晶向上、比抵抗低下を図ることが必要である。有機フレキシブルサブストレートへの薄膜の製作を実現するには、成長温度が高過ぎてならなく、そうでないと、サブストレートを厳しく変形させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術における問題を解決して、多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法、それによって製作される薄膜及び応用を提供することを解決しようとする技術問題とする。
【0006】
本発明の実施例は、上記多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法によって得られる多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を提供することを別の目的とする。
【0007】
本発明の実施例は、上記多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の半導体光電デバイスへの応用を提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例における第1の態様で
全質量に対して0.5%〜10%を占めるGa粉体、全質量に対して0.5%〜5%を占めるAl粉体、全質量に対して0.5%〜1.5%を占めるSiO粉体及び残部であるZnO粉体を混合し、焼結してターゲット材とする工程と、
前記ターゲット材をマグネトロンスパッタリングチャンバー内に入れ、真空にし、動作圧力を0.2Pa〜5Paに設定し、流量が15sccm〜25sccmである不活性ガスと水素ガスの混合ガスを導入し、スパッタリングパワー40W〜200Wでサブストレートにスパッタリングして多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を得る工程と、を含む多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法、それによって製作される薄膜及び応用を提供することによって実現される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例は、多元素ターゲット材を製作して、マグネトロンスパッタリング法でスパッタリングした多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を得ることで、成長速度が高く、薄膜付着性に優れ、制御が容易であり、大面積成長が図れる等の長所を有する。更に、多元素をドープすることで、抵抗低下、光電性能改善が図れる。なお、スパッタリングチャンバーを通過した不活性ガスと水素ガスとを使用した混合ガスを動作ガスとして、低温であっても低い抵抗の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例に係る多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例1に係る多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の紫外−可視波長範囲での透過スペクトルを示す図である。
図3】本発明の実施例1で製作した多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を異なる使用温度で48時間使用した後の抵抗変化カーブである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、技術提案及び長所をより分かりやすくするために、以下、添付図面及び実施例を参照しながら、本発明についてより詳しく説明する。ここで述べた具体的な実施例は、本発明を解釈することだけに用いられ、本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0012】
S01:全質量に対して0.5%〜10%を占めるGa粉体、全質量に対して0.5%〜5%を占めるAl粉体、全質量に対して0.5%〜1.5%を占めるSiO粉体及び残部であるZnO粉体を混合し、焼結してターゲット材とする工程と、
S02:上記ターゲット材をマグネトロンスパッタリングチャンバー内に入れ、真空にし、動作圧力を0.2Pa〜5Paに設定し、流量が15scm〜25sccmである不活性ガスと水素ガスの混合ガスを導入し、スパッタリングパワー40W〜200Wでサブストレート上にスパッタリングして多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を得る工程と、を含む本発明の実施例の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法を示す図1を参照する。
【0013】
工程S01において、Ga粉体、Al粉体、SiO粉体及びZnO粉体を均一に混合した。このとき、ZnOをベースにした。次に、上記粉体を温度900℃〜1300℃で焼結して、スパッタリングターゲット材を得た。好ましくは、上記Ga粉体が全質量に対して2%〜4%を占め、上記Al粉体が全質量に対して0.8%〜1.5%を占め、上記SiO粉体が全質量に対して0.6%〜1%を占める。アルミニウム及びガリウムは酸化亜鉛の導電性能を向上させるとともに、シリコンは導電・化学性能を安定化させる。また、ガリウムをドープすることでは更に薄膜バンドギャップ幅を増加させ、透過光の波長範囲を拡大させることができる。工程S02において、多元素ドープ酸化亜鉛薄膜のスパッタリングには、石英サブストレート又は有機フレキシブルサブストレートを選択的に使用することができる。有機フレキシブルサブストレートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネット(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)等を含む。フレキシブルサブストレートは、柔軟性が優れ、コストが低い等の長所があるが、その平滑性が悪く、融点が低いので、多くの透明導電薄膜の製作プロセスにおいてフレキシブルサブストレートを選択することが適切ではない。サブストレートに冷却水を導入し、温度を100℃以下に制御した。サブストレートを使用する前に絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた。ターゲット材とサブストレートとの距離は、好ましくは50mm〜90mmである。ターゲット材をスパッタリングチャンバー内に入れ、真空にした後、機械ポンプ又は分子ポンプでチャンバーを1.0×10−3Pa〜1.0×10−5Pa以上の真空にし、好ましくは6.0×10−4Paの圧力にする。性能が優れた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を得るには、プロセス条件の設定が非常に重要である。スパッタリングチャンバー内の動作ガスは不活性ガスと水素ガスとの混合ガスである。このとき、水素ガスの含有量が1モル体積%〜5モル体積%であり、好ましくは、水素ガスの含有量が3モル体積%〜6モル体積%であり、更に好ましくは、水素ガスの含有量が5モル体積%である。また、ガス流量は、好ましくは18sccm〜22sccmである。また、動作圧力は、好ましくは0.8Pa〜1.2Paであり、スパッタリングパワーが好ましくは80W〜120Wである。また、薄膜の厚度は、一般に150nm〜500nmである。
【0014】
本発明の実施例は、上記の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法で製作されたものであって、0℃〜120℃の範囲で使用されて、抵抗変化率が15%より小さい多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を更に提供する。
【0015】
本発明の実施例は、上記多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の半導体光電デバイスの製作への応用、主に透明加熱素子、静電気防止・電磁波防護膜、太陽エネルギー透明電極への応用を更に提供する。
【0016】
本発明の実施例で提供した多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の製作方法は、マグネトロンスパッタリング法を採用することで、薄膜抵抗を最大限に低下させることができる。加えて、多元素をドープすることで酸化亜鉛に安定した導電・化学性能を持たせ、薄膜バンドギャップ幅を拡大するとともに、可視光領域の高透過率を保持することができる。さらに、スパッタリング過程では不活性ガスと水素ガスの混合ガスを動作ガスとして、低温で低抵抗の多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を製作できる。
【0017】
以下、具体的な実施例を参照しながら本発明の具体的な態様を詳しく説明する。
【0018】
実施例1
全質量に対して1.5%を占めるGa粉体、全質量に対して2%を占めるAl粉体、全質量に対して1%を占めるSiO粉体及び全質量に対して95.5%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温1250℃で焼結してФ50×2mmのセラミクスターゲット材とし、ターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、前後して絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を60mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを導入した。このとき、水素ガスの含有量を3%(モル体積比)、混合ガス流量を20sccm、圧力を1.0Paに調節した。スパッタリングパワー100Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が85%より大きく、比抵抗が9.3×10−4Ω・cmであった。
【0019】
実施例2
全質量に対して2.5%を占めるGa粉体、全質量に対して2%を占めるAl粉体、全質量に対して1%を占めるSiO粉体及び全質量に対して94.5%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温1250℃で焼結してФ50×2mmのセラミクスターゲット材とし、ターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を60mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを導入した。このとき、水素ガスの含有量を5%(モル体積比)に調節するとともに、混合ガス流量を20sccmに調節し、さらに、圧力を3.0Paに調節した。スパッタリングパワー120Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が78%より大きく、比抵抗が8×10−4Ω・cmであった。
【0020】
実施例3
全質量に対して2%を占めるGa粉体、全質量に対して2%を占めるAl粉体、全質量に対して1%を占めるSiO粉体及び全質量に対して95%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温1250℃で焼結してФ50×2mmのセラミクスターゲット材を得た。続いて、得たターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を60mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを導入した。このとき、水素ガスの含有量を2%(モル体積比)に調節するとともに、混合ガス流量を20sccmに調節し、さらに、圧力を2.0Paに調節した。スパッタリングパワー100Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が80%より大きく、比抵抗が9.9×10−4Ω・cmであった。
【0021】
実施例4
全質量に対して5%を占めるGa粉体、全質量に対して2%を占めるAl粉体、全質量に対して1%を占めるSiO粉体及び全質量に対して92%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温1250℃で焼結してФ50×2mmのセラミクスターゲット材を得た。続いて、得たターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を60mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを導入した。このとき、水素ガスの含有量を1%(モル体積比)に調節するとともに、混合ガス流量を20sccmに調節し、さらに、圧力を5.0Paに調節した。スパッタリングパワー90Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が88%より大きく、比抵抗が2.5×10−3Ω・cmであった。
【0022】
実施例5
全質量に対して10%を占めるGa粉体、全質量に対して2%を占めるAl粉体、全質量に対して1%を占めるSiO粉体及び全質量に対して87%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温1250℃で焼結してФ50×2mmのセラミクスターゲット材を得た。続いて、得たターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、前後して絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を60mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを導入した。このとき、水素ガス含有量を2.5%(モル体積比)に調節するとともに、混合ガス流量を20sccmに調節し、圧力を0.5Paに調節した。スパッタリングパワー80Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が82%より大きく、比抵抗が3.3×10−3Ω・cmであった。
【0023】
実施例6
全質量に対して0.5%を占めるGa粉体、全質量に対して0.5%を占めるAl粉体、全質量に対して0.5%を占めるSiO粉体及び全質量に対して98.5%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温900℃で焼結してФ50×2mmのセラミクスターゲット材を得た。続いて、得たターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、前後して絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を70mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスの混合ガスを導入した。このとき、水素ガスの含有量を8%(モル体積比)に調節するとともに、混合ガス流量を15sccmに調節し、さらに、圧力を1.0Paに調節した。スパッタリングパワー40Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が72%より大きく、比抵抗が9.2×10−3Ω・cmであった。
【0024】
実施例7
全質量に対して0.5%を占めるGa粉体、全質量に対して5%を占めるAl粉体、全質量に対して1.5%を占めるSiO粉体及び全質量に対して93%を占めるZnO粉体を均一に混合した後、高温1300℃で焼結してФ60×2mmのセラミクスターゲット材を得た。続いて、得たターゲット材を真空チャンバー内に入れた。その後、前後して絶対エチルアルコールと脱イオン水とを用いて超音波洗浄するとともに、高純窒素ガスで乾燥させた後のPETサブストレートを、真空チャンバーに入れた。ターゲット材とサブストレートとの距離を90mmに設定した。機械ポンプと分子ポンプとを用いてチャンバーを6.0×10−4Paの真空にするとともに、真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスの混合ガスを導入した。このとき、水素ガスの含有量を10%(モル比)に調節するとともに、混合ガス流量を15sccmに調節し、さらに、圧力を1.0Paに調節した。スパッタリングパワー200Wで、薄膜の成長を開始した。スパッタリングによって得られた多元素ドープ酸化亜鉛薄膜は、可視光平均透過率が70%より大きく、比抵抗が8.2×10−3Ω・cmであった。
【0025】
図2は、本発明の実施例1で製作した、PETをサブストレートとする多元素ドープ酸化亜鉛薄膜の紫外−可視光波長範囲での透過スペクトルを示す図である。図示するように、可視光透過率が85%より大きい。図3は、実施例1で製作した多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を異なる使用温度で48時間使用した抵抗変化カーブである。抵抗変化率は、多元素ドープ酸化亜鉛薄膜を図に示す温度で48時間加熱した後、4端子プローブによって測定して得られた新シート抵抗R1と元抵抗値R0の差を原抵抗R0で除いたものである。即ち、抵抗変化率R%=(R−R)/Rとなる。図においては120℃で48時間使用した抵抗変化率が15%より小さいことを示し、工業化生産の性能標準に達した。
【0026】
以上で述べたのは本発明の好ましい実施例だけであり、本発明を制限するためのものではなく、本発明の旨と原則の内に行った修正、同等な置換及び改良等がすべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3