【実施例】
【0026】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0027】
<実施例1>
坪量52.3g/m
2の模造紙の片面に、接着剤を介して、厚さ7μmのアルミ箔、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを順次積層した基材のPET面上に、下記のプライマー、ヒートシール樹脂組成物を順次塗布して撥水性包装材を作製した。
<プライマー> (乾燥後の塗布量:1g/m
2)
ポリエステル樹脂(三井化学社製、商品名「A3210」) 15質量部
イソシアネート硬化剤(三井化学社製、商品名「A3075」) 5質量部
溶媒(酢酸エチル) 205質量部
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
アクリル樹脂 5質量部
溶媒:エタノール 90質量部
シランカップリング剤(A): 0.005質量部
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(MOMENTIVE社製、商品名「A−174」)
疎水性微粒子(B):メチルシリコーン 5質量部
(日興リカ社製、商品名「MSP−S110」)
シランカップリング剤(A)/疎水性微粒子(B) 0.1質量%
【0028】
<実施例2>
ヒートシール樹脂組成物を以下の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
アクリル樹脂 5質量部
溶媒:エタノール 90質量部
シランカップリング剤(A): 0.05質量部
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(MOMENTIVE社製、商品名「A−174」)
疎水性微粒子(B):メチルシリコーン 5質量部
(日興リカ社製、商品名「MSP−S110」)
シランカップリング剤(A)/疎水性微粒子(B) 1.0質量%
【0029】
<実施例3>
ヒートシール樹脂組成物を以下の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
アクリル樹脂 5質量部
溶媒:エタノール 90質量部
シランカップリング剤(A): 0.25質量部
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(MOMENTIVE社製、商品名「A−174」)
疎水性微粒子(B):メチルシリコーン 5質量部
(日興リカ社製、商品名「MSP−S110」)
シランカップリング剤(A)/疎水性微粒子(B) 5.0質量%
【0030】
<実施例4>
シランカップリング剤(A)を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製、商品名「A−187」)に変えた以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0031】
<実施例5>
シランカップリング剤(A)をビニルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製、商品名「A−151NTJ」)に変えた以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0032】
<実施例6>
シランカップリング剤(A)を3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製、商品名「A−189」)に変えた以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0033】
<実施例7>
シランカップリング剤(A)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製、商品名「A−174」)、疎水性微粒子(B)をトリメチルシリルSiO
2(日本アエロジル社製、商品名「RX200」)に変えた以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0034】
<実施例8>
ヒートシール樹脂組成物(A)の溶媒をMEK(メチルエチルケトン)とした以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0035】
<実施例9>
ヒートシール樹脂組成物(A)の樹脂をEVA、溶媒をMEKとした以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0036】
<実施例10>
ヒートシール樹脂組成物(A)の樹脂をPE、溶媒をMEKとした以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0037】
<実施例11>
ヒートシール樹脂組成物(A)の樹脂をPP、溶媒をMEKとした以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0038】
<実施例12>
ヒートシール樹脂組成物(A)の樹脂を塩酢ビ、溶媒をMEKとした以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0039】
<実施例13>
ヒートシール樹脂組成物(A)の樹脂をSBR、溶媒をMEKとした以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
【0040】
<実施例14>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
アクリル樹脂 5質量部
シリコーン樹脂(反応性官能基:メタクリロキシ基) 0.05質量部
溶媒:MEK 90質量部
シランカップリング剤(A): 0.005質量部
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(MOMENTIVE社製、商品名「A−174」)
疎水性微粒子(B):メチルシリコーン 5質量部
(日興リカ社製、商品名「MSP−S110」)
シランカップリング剤(A)/疎水性微粒子(B) 1.0質量%
シリコーン樹脂/アクリル樹脂 1.0質量%
【0041】
<比較例1>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
アクリル樹脂 5質量部
溶媒:エタノール 90質量部
【0042】
<比較例2>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
アクリル樹脂 5質量部
溶媒:エタノール 90質量部
シランカップリング剤(A): 0.75質量部
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(MOMENTIVE社製、商品名「A−174」)
疎水性微粒子(B):メチルシリコーン 5質量部
(日興リカ社製、商品名「MSP−S110」)
シランカップリング剤(A)/疎水性微粒子(B) 15.0質量%
【0043】
<比較例3>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
EVA樹脂 5質量部
溶媒:MEK 90質量部
【0044】
<比較例4>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
PE樹脂 5質量部
溶媒:MEK 90質量部
【0045】
<比較例5>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
PP樹脂 5質量部
溶媒:MEK 90質量部
【0046】
<比較例6>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
塩酢ビ樹脂 5質量部
溶媒:MEK 90質量部
【0047】
<比較例7>
下記のヒートシール樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして撥水性包装材を作製した。
<ヒートシール樹脂組成物> (乾燥後の塗布量:3g/m
2)
SBR樹脂 5質量部
溶媒:MEK 90質量部
【0048】
<評価項目と方法>
上記実施例1〜14及び比較例1〜7で作製した撥水性包装材を用いて、ヒートシール樹脂組成物層の転落角及び粒子密着性を評価した。その結果を下記表1に示す。
・転落角〜ヒートシール樹脂組成物層の表面に水道水を滴下し、滴下液を載せた状態で前記撥水性包装材を傾け、滴下液が転がり落ちるときの角度を転落角として測定した。
転落角:10°以下を◎、10°〜30°を○、30°〜60°を△、60°以上を×
と判定。
・粒子密着性〜ヒートシール樹脂組成物層の表面に粘着テープを貼り付け、その後、剥離した時の疎水性微粒子の粘着テープ側への付着状態を評価した。
粒子密着性:粒子付着なしを○、付着ありを×と判定。
【0049】
【表1】
【0050】
<比較結果>
実施例1〜14で得られた本発明品は、いずれも転落角が10°〜30°と良好な結果を示した。また、疎水性微粒子の密着性も粘着テープ側に付着することなく、良好な結果が得られた。一方、比較例1〜7で得られた比較例品は、いずれも転落角が60°以上と撥水性の劣る結果であった。また、前記比較例品は密着性においても全てが、疎水性微粒子が粘着テープ側に付着する結果が得られた。以上のことから、本発明品は優れた撥水性を有し、かつシール強度の低下がない極めて良好な結果を示した。