(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円板状に形成された半導体基板の外周部を支持する一対の支持体を上下方向に離間する状態で複数段並べて備える収納空間、及び、前記収納空間と外部との間で前記半導体基板を出し入れする開口が設けられた搬送容器と、
検査用位置に位置する前記搬送容器に収納された前記半導体基板に前記開口から光を照射する照明手段と、前記照明手段にて光を照射された前記収納空間内の前記半導体基板を撮像する撮像手段と、が設けられ、
前記撮像手段にて撮像された画像に基づいて、前記半導体基板の前記収納空間における収納姿勢が正常であるか否かを判別する基板収納状態判別処理を実行する基板収納状態判別手段が設けられている基板収納状態検査装置を備えた基板収納設備であって、
前記照明手段が、前記検査用位置に位置する前記搬送容器の開口の前面側において、開口左右方向に離間して一対設けられ、
前記基板収納状態判別手段が、前記撮像手段により撮像された単一の検査対象画像において、前記左右一対の照明手段が照射する光により前記半導体基板の周縁部における周方向で離間した箇所に生じる高輝度部分を検出する輝点検出処理を実行し、かつ、
前記輝点検出処理により前記単一の検査対象画像上に検出される左右に離間した前記高輝度部分についての上下方向の位置の対応関係に基づいて、前記半導体基板の収納姿勢が異常であるか否かを判別する姿勢判別処理を実行するように構成され、
前記搬送容器を収納する収納部を複数備えた容器収納棚が設けられ、
前記基板収納状態検査装置が、前記容器収納棚の入庫口、又は、搬送元箇所から前記入庫口に向けて前記搬送容器を搬送する搬送装置に設けられている基板収納設備。
前記検査用位置が、前記搬送容器を搬送する搬送経路上に設けられ、前記左右一対の照明手段が、前記搬送経路における前記搬送容器の移動範囲の両側部で且つ前記移動範囲と重複しない位置に設けられ、前記撮像手段が、前記搬送経路の上方で且つ前記移動範囲と重複しない位置に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板収納設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の基板収納状態検査装置は、撮像した半導体基板の画像から、半導体基板外周部の周方向に並ぶ複数の箇所のエッジを抽出し、半導体基板夫々についての複数のエッジを結んだ直線を求め、その直線の水平方向に対する角度から半導体基板の傾きを求める、という煩雑な解析を、複数の半導体基板の全てについて行う必要がある。このため、搬送容器内において半導体基板が異常な収納状態となっているか否かを判別するにしても、その構成が複雑となっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、搬送容器内において半導体基板が異常な収納状態となっているか否かを、簡素な構成で判別することができる基板収納状態検査装
置を備えた基板収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る
基板収納設備の第1特徴構成は、円板状に形成された半導体基板の外周部を支持する一対の支持体を上下方向に離間する状態で複数段並べて備える収納空間、及び、前記収納空間と外部との間で前記半導体基板を出し入れする開口が設けられた搬送容器と、検査用位置に位置する前記搬送容器に収納された前記半導体基板に前記開口から光を照射する照明手段と、前記照明手段にて光を照射された前記収納空間内の前記半導体基板を撮像する撮像手段と、が設けられ、前記撮像手段にて撮像された画像に基づいて、前記半導体基板の前記収納空間における収納姿勢が正常であるか否かを判別する基板収納状態判別処理を実行する基板収納状態判別手段が設けられている基板収納状態検査装置
を備えた基板収納設備であって、
前記照明手段が、前記検査用位置に位置する前記搬送容器の開口の前面側において、開口左右方向に離間して一対設けられ、前記基板収納状態判別手段が、前記撮像手段により撮像された単一の検査対象画像において、前記左右一対の照明手段が照射する光により前記半導体基板の周縁部における周方向で離間した箇所に生じる高輝度部分を検出する輝点検出処理を実行し、かつ、前記輝点検出処理により前記単一の検査対象画像上に検出される左右に離間した前記高輝度部分についての上下方向の位置の対応関係に基づいて、前記半導体基板の収納姿勢が異常であるか否かを判別する姿勢判別処理を実行するように構成され
、前記搬送容器を収納する収納部を複数備えた容器収納棚が設けられ、前記基板収納状態検査装置が、前記容器収納棚の入庫口、又は、搬送元箇所から前記入庫口に向けて前記搬送容器を搬送する搬送装置に設けられている点にある。
【0008】
すなわち、検査用位置に位置する搬送容器の開口の前面側において開口左右方向に離間して一対設けられた照明手段によって搬送容器に収納された半導体基板に光を照射するものであるから、撮像手段にて撮像された検査対象画像において、収納空間内に半導体基板が収納されているときには、その周縁部の左右に離間した箇所に高輝度部分が生じる。
そして、半導体基板が収納空間における上下方向で同じ高さの一対の支持体に支持されている適正な収納状態であれば、検査対象画像において、当該一対の支持体に対応する上下方向の位置に左右一対の高輝度部分が生じることになる。ところが、半導体基板が傾斜姿勢となっている等して半導体基板が支持体に適正に支持されていないときには、当該半導体基板についての一対の高輝度部分の一方が、当該一対の支持体に対応する上下方向の位置に生じないことになる。
【0009】
したがって、検査対象画像上に検出される左右に離間した高輝度部分について、半導体基板が支持体に適正に支持されているときには、その上下方向の位置は左右で同じとなり、半導体基板が支持体に適正に支持されていないときには、その上下方向の位置が左右で異なることになる。
このため、左右の一方側の高輝度部分と同じ高さの他方側の位置に高輝度部分が生じているか否かを調べることで、収納姿勢の適否を判別することができる。このように、検査対象画像上に検出される左右に離間した高輝度部分の上下方向の位置を比較するという簡素な方法で、半導体基板が収納空間内で適正な収納姿勢で収納されているか否かを判別することができることになる。
【0010】
したがって、第1特徴構成によれば、搬送容器内において半導体基板が異常な収納状態となっているか否かを、簡素な構成で判別することができる基板収納状態検査装置を
備えた基板収納設備を得ることができる。
そして、基板収納状態検査装置が容器収納棚の入庫口、又は、搬送元箇所から入庫口に向けて搬送容器を搬送する搬送装置に設けられるから、搬送容器に収納される半導体基板の収納姿勢に異常があった場合には、使用者は、容器収納棚への保管のための入庫時に半導体基板の収納姿勢に異常があることを知得することができる。
したがって、使用者は、搬送容器を保管する時間を有効に利用して、半導体基板の収納姿勢の異常を是正するための対処を行うことが可能となる。
【0011】
本発明に係る
基板収納設備の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記左右一対の照明手段の夫々が、上下方向に長尺状に構成された光源を備えて構成されている点にある。
【0012】
すなわち、収納空間の上下方向に複数段備えられる支持体に支持される全ての半導体基板に対して、極力均一な条件で、開口から光を照射することができるから、撮像手段により撮像された検査対象画像においては、上下方向のいずれの支持体に支持された半導体基板においても適切に高輝度部分を生じさせることができる。
したがって、収納空間の上下方向の位置によらず、半導体基板に生じる高輝度部分を適切に検出することができる。
【0013】
本発明に係る
基板収納設備の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記撮像手段が、1台の撮像用カメラで構成されている点にある。
【0014】
すなわち、左右に離間した高輝度部分を撮像するに当たって、撮像手段を1台の撮像用カメラにて構成するものであるから、例えば左右一対の高輝度部分夫々に対して各別に撮像手段を備える構成に較べて、機器構成を簡素化することができる。
なお、この場合、1台の撮像用カメラの視野を、収納空間において上下方向に複数収納される半導体基板の左右一対の高輝度部分の全てを撮像可能な領域に設定しておけば、1回の撮像で検査用画像を得ることができる。
【0015】
本発明に係る
基板収納設備の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記基板収納状態判別手段の判別結果を表示する表示手段が設けられ、
前記基板収納状態判別手段が、前記輝点検出処理により前記検査対象画像上に検出される左右に離間した前記高輝度部分について、左右方向の一方側で検出されている前記高輝度部分に対応する高さの他方側の高輝度部分が存在しないと判別した場合には、当該高輝度部分が存在しない部分を前記半導体基板が存在しない異常部分と判別して、前記高輝度部分を示す高輝度シンボルと、前記異常部分を示す異常シンボルとを、前記検査対象画像における前記高輝度部分及び前記異常部分の相対位置関係に対応付ける形態で前記表示手段に表示する異常表示処理を実行自在に構成されている点にある。
【0016】
すなわち、表示手段に、検査対象画像上に検出される左右に離間した高輝度部分について、左右方向の一方側で検出されている高輝度部分を示す高輝度シンボルを表示し、かつ、左右方向の一方側で検出されている高輝度部分に対応する高さの他方側の高輝度部分が存在しない場合には、高輝度部分が存在しない部分を示す異常シンボルを表示するものであるから、使用者は、表示手段に表示されたシンボルによって、半導体基板の収納姿勢に異常が生じていること、及び、その収納姿勢の異常が収納空間のどの位置で生じているかを容易に知得することができる。
したがって、半導体基板の収納姿勢に異常が生じていることを知得した使用者は、その搬送容器内の半導体基板の搬送姿勢を是正すべく、半導体基板の収納姿勢を正すための対処を行うことができる。
このように、第4特徴構成によれば、使用者にとって使い勝手のよい基板収納状態検査装置
を備えた基板収納設備を提供できる。
【0017】
本発明に係る
基板収納設備の第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記検査用位置が、前記搬送容器を搬送する搬送経路上に設けられ、前記左右一対の照明手段が、前記搬送経路における前記搬送容器の搬送経路の両側部で且つ前記移動範囲と重複しない位置に設けられ、前記撮像手段が、前記移動範囲の上方で且つ前記移動範囲と重複しない位置に設けられている。
【0018】
すなわち、搬送容器を搬送する搬送経路上に設けられた検査用位置にて収納部に収納される半導体基板を撮像するから、搬送容器を処理のために搬送する場合において、その搬送途中に、検査対象画像を取得すべく収納空間内の半導体基板を撮像することができる。そして、左右一対の照明手段及び撮像手段が、搬送経路を移動する搬送容器の移動範囲と重複しない位置に設けられるから、左右夫々の照明手段及び撮像手段は移動する搬送容器に干渉することがない。
このため、例えば、左右一対の照明手段又は撮像手段を撮像の都度搬送容器の移動範囲と重複する搬送容器の前面に移動させ、撮像が終了すると搬送容器の移動範囲と重複しない箇所に退避させるような構成に比べ、照明手段や撮像手段を移動させるための構成を設けなくて済むことになるために構成が簡素になり、しかも、照明手段又は撮像手段を移動させずに済むため、搬送容器を検査用位置に位置させた後迅速に撮像することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明
の基板収納設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、基板収納設備は、半導体基板収納用の搬送容器Cを収納する収納部(図示なし)を複数備えた容器収納棚を内部に備えるストッカー3と、当該ストッカー3の入庫口に向けて搬送容器Cを搬送する搬送装置としてのコンベヤ1とを備えている。コンベヤ1は、ストッカー3の内部と外部との間に亘って搬送容器Cを搬入及び搬出するものである。
【0023】
コンベヤ1におけるストッカー3と逆側の端部側箇所は、ストッカー3から搬出する搬送容器Cをストッカー3外で卸す卸し移載や、ストッカー3に搬入する搬送容器Cをストッカー3外で掬う掬い移載が行われる作業者用移載箇所Pである。また、ストッカー3の内部に位置するコンベヤ1の端部側箇所は、ストッカー3から搬出する搬送容器Cをストッカー3内で掬う掬い移載や、ストッカー3に搬入する搬送容器Cをストッカー3内で卸す卸し移載が行われるストッカー内移載箇所Qである。そして、作業者は作業者用移載箇所P付近においてコンベヤ1の作業者用移載箇所Pに位置する搬送容器Cを受け取ったりコンベヤ1の作業者用移載箇所Pに搬送容器Cを供給したりする移載作業を立った姿勢で行う。
【0024】
ストッカー3及びコンベヤ1は空気浄化手段を備えたクリーンルーム内に設置されている。クリーンルームの床側には、スラブ床5から上方に間隔を隔てた状態で多孔状のグレーチング床6が設けられ、クリーンルームの天井側には天井から下方に間隔を隔ててHEPAフィルタなどからなる図外のエアーフィルタが設けられている。空気浄化手段は、グレーチング床6の下方側に形成された吸気室と、エアーフィルタの上方側に形成されたチャンバー室と、吸気室及びチャンバー室を連通する循環路とを備え、循環路には、通風ファン及びプレフィルタが備えられている。そして、空気浄化手段の通風ファンを作動させることにより天井側から床側に清浄空気のダウンブローが形成されるようになっている。
【0025】
ストッカー3の内部には、昇降式の庫内移載装置4が設置されている。庫内移載装置4は、グレーチング床6に立設された庫内昇降ガイド7に沿って昇降自在な昇降体8と、この昇降体8に旋回台9及びリンク機構10を介して取り付けられた庫内移載用載置台11とを備えている。
【0026】
ストッカー3の内部には、搬送容器Cを載置支持する複数の収納台(図示なし)が設けられており、夫々の収納台の上部空間に搬送容器Cを収納する収納部が形成されている。収納部は、上下多段に、かつ、平面視で庫内移載装置4を取り囲むように放射状に配列されている。
【0027】
そして、昇降体8の昇降作動、旋回台9の旋回作動、及び、リンク機構10の屈伸作動を組み合わせることにより庫内移載用載置台11の位置を移動させかつ平面視姿勢を変更させて、収納台にて載置支持された状態で収納部に収納されている搬送容器Cを掬い取ってコンベヤ1のストッカー内移載箇所Qに設けられた庫内コンベヤ載置台18に載置支持させる搬出用持込み作業や、庫内コンベヤ載置台18に載置支持されている搬送容器Cを掬い取って空き状態の収納部における収納台に載置支持させる搬入用持ち出し作業を行うことができるようになっている。
また、
図5に示すように、コンベヤ1及び庫内移載装置4の作動を制御する搬送制御手段Hvが設けられている。
【0028】
コンベヤ1は、グレーチング床6から作業者の腰の高さに合わせた設定高さだけ上方に設置されており、水平方向の搬送面に沿って往復移動する載置台20にて、搬送対象の搬送容器Cが作業者用移載箇所P及びストッカー内移載箇所Qとの間で載置搬送されるようになっている。
載置台20は、コンベヤ1を構成するコンベヤフレーム22の内部をその長手方向に沿って走行する走行体23の上端に備えられている。走行体23は、図示はしないが下端に走行車輪を備え、作業者用移載箇所Pとストッカー内移載箇所Qとの間で走行移動自在に構成されている。
そして、作業者用移載箇所Pやストッカー内移載箇所Qにおいて、載置台20を、その上面が搬送面に一致する搬送用上昇位置と、この搬送用上昇位置よりも下方に位置する移載用下降位置とに昇降させることにより、作業者用移載箇所Pにおいて搬送容器Cを載置台20と後述の検査用載置台1Pとの間で移載したり、ストッカー内移載箇所Qにおいて搬送容器Cを載置台20と後述のストッカー内載置台1Qとの間で移載したりすることができるようになっている。
【0029】
図1及び
図2に示すように、コンベヤ1の作業者用移載箇所Pには、検査用載置台1Pが、コンベヤフレーム22の上面板に取り付け固定されている。検査用載置台1Pは、搬送容器Cを、その前面の開口Coをストッカー3に対向させる状態で、かつ、開口Co側が上方に向けて5度傾斜する状態で支持するように設けられている。また、コンベヤ1のストッカー内移載箇所Qには、ストッカー内載置台1Qが、コンベヤフレーム22の上面板に取り付け固定されている。ストッカー内載置台1Qも、検査用載置台1Pと同様に、搬送容器Cを、搬送容器Cの開口Co側が上方に向けて5度傾斜する状態で支持するようにコンベヤフレーム22の上面板に取り付け固定されている。
【0030】
〔搬送容器の構成〕
搬送容器Cは、
図3に示すように、円板状に形成されたウェハーW(半導体基板)の外周部を支持する一対の支持体Csを上下方向に離間する状態で複数段並べて備える収納空間Sが設けられている。搬送容器Cの前面側には、収納空間Sと外部との間でウェハーWを出し入れする開口Coが設けられている。
【0031】
なお、搬送容器Cは、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)規格に準拠した合成樹脂製の気密容器、例えばFOSBやFOUPと呼称されるものであり、これらFOSBやFOUPには、通常は開口Coを閉塞するための前面蓋が設けられているが、本実施形態では、上記のようなクリーンルーム内部での使用を前提として、開口Coを前面蓋にて閉塞せずに用いている。
【0032】
搬送容器Cは、ストッカー3に収納される前、つまり、その入庫口19に向けて搬送容器Cを搬送するコンベヤ1の作業者用移載箇所Pにおいて、当該搬送容器Cの収納空間SにおけるウェハーWの収納姿勢が正常であるか否かについての検査が実行される。すなわち、本実施形態では、作業者用移載箇所Pが本発明の検査用位置に相当する。したがって、検査用位置は、搬送容器Cを搬送する搬送経路上に設けられている。
【0033】
〔基板収納状態検査装置〕
上記ウェハーWの収納姿勢が正常であるか否かについての検査を行う基板収納状態検査装置について説明する。
基板状態検査装置は、
図1、2及び4に示すように、作業者用移載箇所Pに位置する搬送容器Cに収納されたウェハーWに、搬送容器Cの開口Coから光を照射する照明手段61と、照明手段61にて光を照射された収納空間S内のウェハーWを撮像する撮像手段としての撮像用カメラ51と、を備えている。
【0034】
照明手段61は、複数の赤外線LEDを上下方向に長尺状に並ぶように配置した照明部62を搬送容器Cの開口Co左右方向に離間して一対備えている。
一対の照明部62の夫々は、検査用載置台1Pにおけるコンベヤ1の長手方向と直交する一対の側部の夫々から垂直方向に立設された垂直支持体60vと、垂直支持体60vにおける上下方向に離間した2箇所から水平方向に延出する水平支持体60hとによって、コンベヤフレーム22に固定支持されている。
【0035】
すなわち、照明手段61は、上下方向に長尺状に構成された光源を備え、作業者用移載箇所Pに位置する搬送容器Cの開口Coの前面側において、開口左右方向に離間して一対設けられている。
また、左右一対の照明手段61の夫々は、
図4に示すように、搬送経路における搬送容器Cの移動範囲Kの両側部で且つ前記移動範囲と重複しない位置に設けられている。
【0036】
撮像用カメラ51は、長手方向と直交する側部のから垂直方向に立設された垂直支持体50vと、垂直支持体50vの上端部から水平方向に延出する水平支持体50hと、水平支持体50hに取り付けられ、撮像用カメラ51を平面視でコンベヤ1と重複し、かつ、その長手方向と直交する方向で中央にて支持する支持ブラケット50bとによって、コンベヤフレーム22に固定支持されている。撮像用カメラ51は、上記赤外線LEDにて照射された赤外線による像を撮像可能なものであり、その視野は、搬送容器Cの収納空間Sに収納される全てのウェハーWを撮像可能な範囲として設定されている。
【0037】
すなわち、左右一対の照明手段61が、搬送経路における搬送容器Cの移動範囲の両側部で且つ移動範囲Kと重複しない位置に設けられ、撮像用カメラ51が、搬送経路の上方で且つ移動範囲Kと重複しない位置に設けられている。
【0038】
基板収納状態検査装置は、
図5に示すように、撮像コントローラH1と基板収納状態判別部H2とを備えて構成される判別用制御装置Hを備えている。判別用制御装置Hは、たとえば記憶装置と演算処理装置とを備えたコンピュータにて構成され、撮像コントローラH1を構成するプログラムプロセスと基板収納状態判別部H2を構成するプログラムプロセスとが、当該コンピュータの演算処理装置にて実行されている。
また、判別用制御装置Hには、制御用インタフェース又はデータ送受信用インタフェースを介して撮像用カメラ51及び照明手段61が接続され、撮像コントローラH1は、撮像用カメラ51との間で撮像指令の指令及び撮像データの受け取りが自在に構成されており、さらに、撮像指令と同期させて照明手段61への作動指令(LEDへの通電指令)を指令自在に構成されている。
そして、撮像コントローラH1は、撮像処理として、照明手段61に作動指令を指令するとともに撮像用カメラ51に撮像指令を指令し、撮像用カメラ51にて撮像した画像を検査対象画像として基板収納状態判別部H2に引き渡す。
【0039】
図示はしないが、検査用載置台1Pには搬送容器Cが載置されたことを検出する載置検出センサが備えられ、判別用制御装置Hは、載置検出センサが検査用載置台1Pに搬送容器Cが載置されたことを検出すると、上述の撮像処理を実行する。
【0040】
基板収納状態判別部H2は、撮像用カメラ51にて撮像された画像に基づいて、ウェハーWの収納空間Sにおける収納姿勢が正常であるか否かを判別する。つまり、基板収納状態判別部H2が、本発明における基板収納状態判別手段に相当する。
判別用制御装置Hには、出力インタフェースとして、画像出力が可能なディスプレイ装置Dが備えられ、判別用制御装置Hによる処理結果を表示可能に構成されている。また、判別用制御装置Hには、入力インタフェースとしてポインティングデバイス(マウス等)と文字入力装置(キーボード等)とが備えられている。
【0041】
基板収納状態判別部H2が実行する処理について、
図6のフローチャートに基づいて説明する。
基板収納状態判別部H2は、上記撮像処理にて撮像用カメラ51により撮像された検査対象画像において、左右一対の照明手段61が照射する光によりウェハーWの周縁部における周方向で離間した箇所に生じる高輝度部分を検出する輝点検出処理を実行する(#1)。
輝点検出処理は、左右一対の照明手段61の光に照射されて生じるウェハーWの左右に離間する輝点を、検査対象画像上で検出する処理である。
【0042】
続いて、輝点検出処理により検査対象画像上に検出される左右に離間した高輝度部分について、左右方向の一方側で検出されている高輝度部分に対応する高さの他方側の高輝度部分が存在する正常状態であるか、他方側の高輝度部分が存在しない異常状態であるかを判別することで半導体基板の収納姿勢が異常であるか否かを判別する姿勢判定処理を実行する(#2)。
【0043】
#2にて異常状態であると判別された場合(#2:Yes)には、基板収納状態判別部H2は、高輝度部分が存在しない部分をウェハーWが存在しない異常部分と判別して、
図7に示すように、高輝度部分を示す高輝度シンボルY1と、異常部分を示す異常シンボルY2とを、検査対象画像における高輝度部分及び異常部分の相対位置関係に対応付ける形態でディスプレイ装置Dに表示する異常表示処理を実行する(#5)。異常表示処理においては、
図7の表示領域右上に示すように、総合判定結果表示Eとして「NG」と表示する(#5)。
なお、異常表示処理の実行時には、基板収納状態判別部H2は搬送制御手段Hvへの搬送停止指令を指令する。
【0044】
また、#2にて正常状態であると判別された場合(#2:No)には、基板収納状態判別部H2は、ディスプレイ装置Dに、検査対象画像を表示し、その検査対象画像に重ねる状態で高輝度部分を示す高輝度シンボルY1の存在位置のみを表示する正常表示処理を実行する。正常表示処理については図示を省略するが、正常状態であることを示す総合判定結果表示Eとして「OK」と表示する(#3)。
【0045】
また、正常表示処理(#3)に引き続き、基板収納状態判別部H2は搬送制御手段Hvへの搬送指令を指令する。これにより、コンベヤ1及び庫内移載装置4が作動されて、搬送容器Cがストッカー3に収納されることになる。
【0046】
本実施形態では、ディスプレイ装置Dが基板収納状態判別部H2の判別結果を表示する表示手段に相当する。
そして、基板収納状態判別部H2は、輝点検出処理により検査対象画像上に検出される左右に離間した高輝度部分についての上下方向の位置の対応関係に基づいて、半導体基板の収納姿勢が異常であるか否かを判別する姿勢判別処理を実行するように構成されている。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、基板収納状態検査装置を円板状に形成されたウェハーWを収納する搬送容器C内のウェハーWの収納姿勢の検査に用いる場合を説明したが、ウェハーWの形状は、平面視真円形の円板状に限定されるものではなく、例えば、ウェハーにおける結晶軸の方向を示すためのノッチやオリエンテーションフラットが設けられものであってもよい。
また、上記実施形態では、搬送容器Cの前面蓋を取り付けずに使用する形態を説明したが、このような使用形態に限定されるものではなく、例えば前面蓋を透明な材質で形成し、前面蓋の外方から照明手段による光の照射及び撮像用カメラによる撮像を行う形態としてもよい。
【0048】
(2)上記実施形態では、撮像用カメラ51を搬送経路の上方で且つ搬送容器Cの移動範囲Kと重複しない位置に設ける構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば撮像用カメラを搬送経路の下方側で且つ搬送容器Cの移動範囲Kと重複しない位置に設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、撮像用カメラ51を1台のみ用いる構成を説明したが、撮像用カメラを搬送経路において移動範囲と重複しない位置に設けるものであれば、撮像用カメラを2台以上設ける構成としてもよい。この場合、例えば、撮像用カメラを、搬送経路において移動範囲と重複しない位置として、搬送容器Cの移動範囲Kの両側部に位置させて設けることが考えられる。
【0049】
(3)上記実施形態では、左右一対の照明手段の夫々を、上下方向に長尺状に構成された光源を備えて構成する例を説明したが、左右一対の照明手段夫々における光源の形状は上記のような構成に限定されるものではなく、収納空間S内の全ての支持体Csに支持されるウェハーWに対して搬送容器Cの前面の開口Coから光を照射可能であれば、点状光源やリング状光源等、各種の形状の光源を用いても良い。
【0050】
(4)上記実施形態では、収納状態検査装置を、搬送容器Cの搬送元箇所としてのコンベヤ1の検査用載置台1Pからストッカー3の入庫口に向けて搬送容器Cを搬送するコンベヤ1に設ける構成を例示したが、コンベヤ1を設けない場合には、ストッカー3の入庫口に収納状態検査装置を設ける構成としてもよい。
また、搬送容器Cを搬送する搬送装置は、コンベヤに限定されるものではなく、自走台車等他の搬送手段であってもよい。
【0051】
(5)上記実施形態において、
図7に示したディスプレイ装置Dへの表示は、異常表示処理の表示形態の一例であり、
図7に示したような画像表示以外にも、例えばキャラクターモード画面にて高輝度シンボルと異常シンボルとを文字のみで表示したり、異常シンボルの存在箇所周囲の画像を特に拡大表示したり、総合判定結果表示Eのみを表示する等、各種の表示形態を採用することが可能である。
また、上記実施形態では、異常表示処理として、判別用制御装置Hに備えるディスプレイ装置Dへの表示を行う構成を例示したが、異常表示処理として情報を表示する対象は、判別用制御装置Hとネットワークを介して情報の送受が可能な別のコンピュータのディスプレイ装置や、使用者が携帯する携帯型無線端末の表示画面であってもよい。
さらに、異常表示処理として、ディスプレイ装置Dへの情報の表示以外に、警告灯の点等や音声による情報出力を用いてもよく、また、これらは夫々単独で用いてもよいし、いずれか又は全てを複合的に用いてもよい。
【0052】
(6)上記実施形態では、照明手段61として赤外線LEDを使用し、撮像用カメラ51は照明手段61の赤外線LEDによる赤外線による像を撮像可能なものとするように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、照明手段61として可視光領域の光線を使用し、撮像用カメラ51として、当該可視光領域の光による像を撮像可能なものを用いてもよい。