【実施例1】
【0019】
<概要>
本実施例のLED電球は、LED駆動回路部と、収容カップと、平板状のLED基板と、導光ロッドと、ドーム状光透過キャップとからなり、導光ロッドがLED基板から発する光(LED光)を導き側方に光を出射することでLED基板水平面よりも口金方向を照らすことができるようにした点に特徴があるLED電球である。平たく言えば、導光ロッドからの光で天井付近を明るく照らすことができるようにしたものである。
【0020】
<構成>
(全般)
図1は、本実施例のLED電球の形状の一例を示す概念図であり、(a)は斜視図、(b)はその分解斜視図である。本図(a)に示すように、本実施例のLED電球0100は、LED駆動回路部(図には現れない)と、収容カップ0110(口金0111と収容カップ本体0112とからなる)と、平板状のLED基板0120と、導光ロッド0130(本図の例では5本の導光ロッドからなるが煩雑を避けるため1個にのみ符号を付した)と、ドーム状光透過キャップ0140とからなる。本図に示すLED電球は、通常配置される向き、即ち、天井に配置されたソケットに差し込むために口金を上にした向きで示したものである。本図の例では、ドーム状光透過キャップが透明であり、内部に配置された導光ロッドなどが見えている状態である。なお、本図(b)には、LED基板上に5個のLED素子(以下、単に「LED」という)0121(煩雑を避けるため1個にのみ符号を付した)が備えられている状態が示されている。
【0021】
本実施例のLED電球の特徴は、導光ロッドがLED基板から発するLED光を導き側方に光を出射することでLED基板水平面よりも口金方向、換言すれば天井方向を照らすことができるようにした点にある。このため、導光ロッドは、側方が口金方向を向くように斜めないし水平に配置される。本図では、導光ロッドは5本備えられているが、導光ロッドの数に限定はなく、単数でも複数でもよい。導光ロッドの具体的構成については後述する(なお、後述のように、導光ロッドが複数の場合は、一部の導光ロッドは側方が口金方向を向くように配置されていなくてもよい)。
【0022】
LED電球の形状、寸法には特に限定はない。
図1に示したものは一般電球型と呼ばれる白熱電球と同様の形状、寸法(外径60mm×全長110mm程度)を有するものであるが、このほか、ミニクリプトン電球と同様の形状、寸法(外径35mm×全長67mm程度)やボール電球と同様の形状、寸法(外径95mm×全長127mm程度)を有するものなどであってもよい。
【0023】
(LED駆動回路部)
次に、LED電球の各構成要素について順次説明する。
【0024】
「LED駆動回路部」は、LEDを発光させるために駆動する回路であり、公知技術を用いた回路でよい。例えば、定電流ダイオードを用いた定電流回路などを利用したものが挙げられる。
【0025】
(収容カップ)
「収容カップ」0110は、LED駆動回路部を収容するためのものであり、ソケットに差し込むための口金0111と収容カップ本体0112からなる。収容カップ本体は、LED駆動回路部を直接その内部に収容するためのものであり、一方の端部に開口を有する。典型的には
図1(b)の例のように底部(概ね破線0112aで示す範囲)から開口0112bに向かって広がったカップ形状をなしている。収容カップ本体の材料には、例えばアクリル樹脂が用いられる。
【0026】
「口金」はソケットに差し込むためのものであり、収容カップの底部に設けられる。口金の種類に特に限定はないが、白熱電球、電球型蛍光灯や従来のLED電球との互換性を保つため、一般電球型の白熱電球やボール電球と同じE26口金やミニクリプトン電球と同じE17口金とすることが望ましい。
【0027】
(LED基板)
「LED基板」0120はLED0121を配置するための平板状の部材であり、収容カップの開口を閉じるようにかぶせられる。従って、収容カップの開口と略同径を有する。LED基板に配置されるLEDは、一個でも複数でもよい。LED基板から発せられる光(厳密にいえばLED基板に配置されたLEDから発せられる光)は、次に述べる導光ロッドおよびドーム状光透過キャップを介してLED電球から照射される。このため、LEDの個数は、達成しようとする照明の明るさ(輝度、照度)、消費電力、導光ロッドの個数・配置などに応じて適切に設計される。
【0028】
(導光ロッド)
(導光ロッドの概要)
「導光ロッド」0130は、LED基板から入射された光により側面全体が明るく光る柱状の発光部材である。本発明の出願人は、先に「柱状発光体」に関する発明を出願したところである(特願2010−164334)。本発明における導光ロッドは、当該出願発明を利用するものであり、当該出願発明にいう円柱状導光体と基本的に同じものである。円柱状導光体の構成については、当該出願に係る明細書中で詳細に説明したところであるが、本明細書においては、本発明の理解に必要な範囲で以下に改めて説明する。
【0029】
図2は、導光ロッド(円柱状導光体)を含む柱状発光体の概要を説明するための概念図であり、(a)が長手方向(図中矢印A−A´方向)に沿う縦断面図、(b)が長手方向と垂直に交わる横断面図を示している。本図の例では、柱状発光体0201は、導光ロッド0230とLED0221を備えるほか、光反射層0231とレンズ層0232も備えているが、本発明では後二者はなくてもよい。また、本図の例では、(b)に示したように、導光ロッドが、中心部分であるコア0233と、このコアを被覆するクラッド0234からなる二層構造を有するが、クラッドのない単層構造であってもよい。
【0030】
導光ロッドは、上述のようにLED基板から入射された光により側面全体が明るく光る柱状の発光部材である。また、本発明では、導光ロッドのLED光入射側の端部とは反対側の端部から光を出射することで導光ロッド長手方向の前方(通常は床の方向)を明るく照らすようになっている。このため導光ロッドの材料には光の透過率が高いものが用いられる。このような材料として、例えば、透明性アクリル系樹脂、ガラス系樹脂、ゲル、石英等が挙げられる。
【0031】
LEDは導光ロッドの少なくとも一方の端部のすぐ外側に配置され、LED基板から発せられた光が導光ロッドの端部から導光ロッドに入射されるように構成される。入射した光は導光ロッド内を反射しながら導光ロッド全体に広がっていく。このようなLED光の導光ロッドへの入射を可能にするためには、LEDが導光ロッドの端部のすぐ外側にほぼ固定的に配置されている必要がある。かかる配置のための構成としては、例えば、
図2の例のように、LED基板上にLEDを収納するためのLED基板ケース0207を設け、その内部にLEDを収納するとともに、導光ロッドをこのLED基板ケースに取り付けるようにすればよい。
【0032】
本図のような二層構造の場合、コアはクラッドより屈折率が高い材料が用いられ、これによりコアとクラッドの境界面に臨界角よりも大きな入射角で進入する光は境界面で反射され、導光ロッド全体に広がっていくこととなる。導光ロッドの反対側の端部まで到達した光は、そこから導光ロッドの外部に出射されることになる。その際、当該反対側の端部に光を収束し又は発散するためのレンズを備えるようにしてもよい。かかるレンズを有する構成については、別の実施例にて後述する。一方で、臨界角よりも小さな入射角で進入する光は、導光ロッドの外側へ出射されるので、導光ロッドの側面全体が明るく光ることになる。
【0033】
単層構造の場合は、導光ロッドの構成材料は空気よりも屈折率が高いので、導光ロッド外部の空気との境界面に臨界角よりも大きな入射角で進入する光は境界面で反射され、導光ロッド全体に広がっていき、導光ロッドの反対側の端部まで到達した光は、そこから導光ロッドの外部に出射されることになる。その際、当該反対側の端部にレンズを備えるようにしてもよい点は二層構造の場合と同様である。臨界角よりも小さな入射角で進入する光は、導光ロッドの外側へ出射されるので、導光ロッドの側面全体が明るく光ることになる点も同様である。
【0034】
以上のように、導光ロッドからの光が先端(LEDからの光が入射される端部と反対側の端部)から出射されることで床方向など本来の照射方向を明るく照らすことができるとともに、導光ロッドの側面からの光はこれと異なる方向をも明るく照らすことができる。
【0035】
なお、LED基板上にLED基板ケースを設ける場合、
図2に示すように当該LED基板ケース内にゲル0208を充填してもよい。あるいは、これに代えて、LEDと導光ロッドの先端部との中間にシート状のゲルを挟み込むように圧縮してもよい。これらの場合において、導光ロッドの材料もゲルである場合、充填あるいは挟み込むゲルの材質は、導光ロッドと同じであっても異なっていてもよい。このようにゲルを充填あるいは挟み込むことの効果として、LED基板から発せられた光が導光ロッドの端部の境界面で反射されることなく、導光ロッド内に入射される光の減衰率を低下させることができる。この結果、導光ロッドの明るさを約20%以上向上させることができる。
図2(c)も(a)と同様にLED基板ケース内にゲルを充填した例であるが、(a)ではLED全体をゲルで包み込むように充填しているのに対し、(c)はLEDの照射側にのみゲルを充填したものであり、どちらであってもよい。
【0036】
(本実施例における導光ロッドの配置)
本実施例の導光ロッドの特徴は、側方に出射される光がLED基板水平面よりも口金方向を照らすことができるように配置されていることにある。これを実現するため、導光ロッドは、
図1(a)に示したように、LED電球の先端方向(本図では下方向にあたる。以下説明の簡単のため本図における上下方向で表現する)に向かって広がる形で斜めないし水平に配置される。ここで「広がる形で」とは、「平面図で見てLED電球の中心から外に向かうように」という意味である。なお、導光ロッドが複数の場合は、少なくとも一部の導光ロッドが広がる形で配置されていればよく、このように配置されない導光ロッドがあってもよい。前出の
図1に示した導光ロッドもこのような例であり、5本の導光ロッドのうち中心に配置されている1本は真下に向けて配置されている。導光ロッドをこのように配置することで、導光ロッドの出射側の端部がほぼ下向きとなり、側面が斜め上向きとなる。
【0037】
図3は、本実施例のLED電球における導光ロッドの配置の一例を示す図である。このうち
図3(a)は、上で説明した各導光ロッドからの光の照射方向を模式的に示したものである。本図でも
図1と同様に5本の導光ロッドが備えられる例を用いているが、煩雑を避けるためにそのうち中央手前寄りおよび中央奥よりの2本の図示を省略して3本の導光ロッド0330a〜0330cのみを示した。また、本図も
図1と同様に通常配置される向き(即ち、口金0311を上にした向き)で示したものである。本図では、左右に位置する導光ロッド0330b、0330cが下に向かって広がる形で斜めに配置されている。このため、これらの導光ロッドは、側面から出射する光によって斜め上方向(矢印B方向およびB´方向)を照らすことができる。即ち、破線で示すLED基板0320の水平面よりも上に向けて光を照射することができる。LED基板水平面より上には収容カップの口金が位置しているから、この方向は「LED基板水平面よりも口金の方向」ということになる。即ち、本実施例の発明にいう「LED基板水平面よりも口金方向を照らすことができる」とは、本図において「上方向を照らすことができる」という意味であり、その範囲は破線で示すLED基板水平面の3時方向を0度として時計回りに数えた場合の180度から360度までの範囲(本図に矢印Eで示す範囲)である。通常はこの方向が「天井方向」となる。
【0038】
斜めないし水平に配置される導光ロッドの傾きをどの程度にするかは、床や天井の明るさのバランスをどのようにするかなどを考慮して適切に設計されるが、一般に、あまり水平に近いと本来の照射方向である床方向が暗くなり、あまり垂直に近いと天井方向が暗くなるので、45度程度が望ましい。また、導光ロッドを複数設ける場合、その本数は、達成しようとする照明の明るさや消費電力を考慮すれば、真下に向けて中心に配置される1本を含めて4〜5本とし、斜めに配置される3〜4本を等角度間隔で配置することが望ましい。
図1の例は、斜めに配置される4本の導光ロッドが90度の等間隔で配置されている例である。このように導光ロッドを複数設ける場合でもその本数はそれほど多くなくて済むことから、これに応じて導光ロッドに光を入射するLEDの数もそれほど多くなくてよい。従って、消費電力を低く抑えることができるというLED電球の長所を生かすことができる。
【0039】
なお、導光ロッドには後述のように内側になる面に反射板を設けてもよいが、これを設けない場合には、導光ロッド0330b、0330cの側面からの光は、それぞれC方向およびC´方向にも出射される。一方、反射板を設ける場合には、この方向には光は出射されない。前者の場合は、本来の照明方向である床方向を相対的に明るく照らすことができ、後者の場合は、天井付近をより明るく照らすことができる。
【0040】
一方、本図の例において、中央に配置されている導光ロッド0330aは真下に向けて配置されている。これは導光ロッドが複数の場合に斜めないし水平に配置されない導光ロッドがあってもよいことの一例である。導光ロッドが複数の場合は、斜めないし水平に配置された導光ロッドと、このように真下に向けた導光ロッドとを組み合わせることで、導光ロッドの端部からの光を全体として下方向(通常は床方向)に照射させることができる(なお、図示は省略したが、導光ロッド0330aの側面からも光が出射される)。
【0041】
さらに、LEDからの光のうち、一部を導光ロッドを介して照射させるとともに、一部は導光ロッドを介さずに直接床に向けて照射してもよい。このような方法でも、LEDから発せられる光を全体として床方向に照射させることができる。
【0042】
(導光ロッドの取付け方のバリエーション)
既に述べたように、LED光の導光ロッドへの入射を可能にするためには、LEDが導光ロッドの端部のすぐ外側にほぼ固定的に配置されている必要がある。この場合、LEDの位置はLED基板上に固定されており、LED基板は収容カップの開口を閉じるようにかぶせられるのでやはり位置が固定されている。従って、LED電球全体におけるLEDの位置はほぼ決まった位置に固定される。そこで、導光ロッドとLEDの位置関係を上のようなものにするために、導光ロッドの位置を固定するための構成が適切に設計される必要がある。これには大別して二つのバリエーションが考えられる。一つは、導光ロッドをLED基板に固定する方法であり、上に挙げたLED基板ケースを用いる方法はこの一例である。もう一つは、導光ロッドを次に述べるドーム状光透過キャップに固定する方法である。この場合は、ドーム状光透過キャップをLED基板・収容ケースに取り付けることで自然に導光ロッドとLEDが所定の位置関係になるので、導光ロッドとLEDが直接固定されていなくてもよい。これら二つの方法については、それぞれ別の実施例において改めて後述する。
【0043】
(導光ロッドの形状:他の例)
以上では、導光ロッドの形状が略円柱状の場合の例で説明したが、導光ロッドの形状はこのようなものに限定されない。導光ロッドの形状は、要するに、LED基板から発するLED光を導き側方に光を出射することができ、かつ側方からの光を上に向かって照射できるように配置することが可能なものであれば、どのような形状であってもよい。
【0044】
図4は、本実施例のLED電球の別の形状の一例を示す概念図であり、かかる例として、導光ロッドの形状が略U字形状であるLED電球の形状の一例を示す。(a)は斜視図、(b)はその分解斜視図である。本図では、真下に向けられている中央の導光ロッド0430aのほかに両端部がLED基板の方向に向いた略U字形状をした2本の導光ロッド0430b、0430cが備えられている。これら2本の導光ロッドの両端部付近にそれぞれLEDが配置されている。例えば、本図(b)に示すように、左側の導光ロッド0430bの両端部は、それぞれ2個のLED0421bに向いている。右側の導光ロッド0430cについても同様である。本図の例の場合、これら左右の導光ロッドは好適には45度程度斜めにして180度の等間隔で配置される。いわば、本図の例は、
図1に示した例の4本の斜めの導光ロッドのうち隣接するものどうしをU字につなげた形状のものである。
【0045】
本図の例の場合、LED光は導光ロッドの両端部から入射されることになる。入射された光は、
図1の例で説明したのと同様のメカニズムにより、導光ロッド内を反射しながら導光ロッド全体に広がっていくとともに、導光ロッドの側面全体を明るく光らせることになる。ここで、本例の導光ロッドも、側方に出射される光がLED基板水平面よりも口金方向を照らすことができるように配置されている。具体的には、中央部分(湾曲部分)が両端部よりも下になるように、かつ中央部分が下に向かって広がる形で配置される。これにより、やはり導光ロッドの側方からの光で天井を明るく照らすことができる。
【0046】
本例によれば、
図1の例に比べ、導光ロッドの端部から発せられる光が少なくなる分床方向への照射が相対的に減るが、導光ロッドの側面を広く確保することができるので、天井方向への照射を相対的に増やすことが可能となる。
【0047】
(ドーム状光透過キャップ)
「ドーム状光透過キャップ」0140は、LED基板および導光ロッドにかぶせられる透明又は半透明の光透過性を有するドーム状の部材である。その材料には、例えばガラスやアクリル樹脂が用いられる。
【0048】
<効果>
本実施例の発明により、消費電力を低く抑えることができ寿命も長いといったLED電球の長所を生かしつつ、天井付近まで明るく照射することができるLED電球を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0049】
<概要>
本実施例のLED電球は、基本的に実施例1のLED電球と共通する。ただし、本実施例のLED電球は、導光ロッドがその長手方向に沿って設けられる光反射層を有し、この光反射層によって側方に光を出射するように配置されている点に特徴がある。
【0050】
<構成>
(導光ロッド:光反射層)
本実施例のLED電球は、導光ロッドがその長手方向に沿って設けられる光反射層を有し、この光反射層によって側方に光を出射するように配置されている。その余の構成は実施例1のLED電球と同様であるから説明を省略する。
【0051】
長手方向に沿って設けられる光反射層の形状の一例は、実施例1において
図2に示したとおりである。同図の例では、光反射層0231は、導光ロッド0230の一端から他端まで長手方向に沿った一定幅の帯状の層として設けられている。
【0052】
光反射層は、光を反射するための層であり、例えば、白色顔料や散乱材を導光ロッドの外側又は内側に印刷、塗布等することにより形成される。白色顔料や散乱材としては、光散乱性の強い材料、例えば、Al
2O
3、TiO
2、SiO
2等の金属酸化物粒子、BaSO
4等の硫酸塩粒子、CaCO
3等の炭酸塩粒子、ガラス微粉末やガラスバルーンなどの無機化合物粒子、微小なエアーセルを形成したマイクロ発泡体等の1種又は2種以上からなるものが用いられる。
【0053】
また、本実施例の導光ロッドは、この光反射層によって反対側の側方(本図の例では上方)に光を出射するように配置される。
【0054】
図5は、本実施例のLED電球における導光ロッドの配置の一例を示す図である。本図は
図3(b)に示したものと同様に、
図3(a)に示す左側に斜めに配置されている導光ロッド0330bを拡大して示したものである。従って、本図では、導光ロッド0530の光反射層0531が右下側に配置されているがこれはLED電球のドーム状光透過キャップ内の中心側に向いている面に光反射層が配置されていることになる。
【0055】
このように、導光ロッドのドーム状光透過キャップ内の中心側に向いている側面に光反射層を形成することにより、この側面からは光が出射されず暗くなる半面、光反射層の反射面に対向する側面からドーム状光透過キャップの外側の斜め上方に向かって出射される光束が増加する。このため、実施例1のLED電球に比べて天井付近をより明るく照らすことができる。
【0056】
<効果>
本実施例の発明により、導光ロッド側方からドーム状光透過キャップの外側の斜め上方に向かって出射される光束が増加し、天井付近をより明るく照らすことができる。
【実施例3】
【0057】
<概要>
本実施例のLED電球は、実施例1又は2のLED電球と基本的に共通する。ただし、本実施例のLED電球は、導光ロッドがその先端に光を収束し又は発散する先端レンズを有する点に特徴がある。
【0058】
<構成>
(導光ロッド:先端レンズ)
【0059】
本実施例の導光ロッドは、その先端に光を収束し又は発散する先端レンズを有する。その余の構成は実施例1又は2のLED電球と同様であるから説明を省略する。
【0060】
図6は、本実施例のLED電球の形状の一例を示す概念図である。(a)は斜視図であるが、
図1との違いは、導光ロッド0630の端部に先端レンズ0632を有する点にある。
【0061】
「先端レンズ」は、導光ロッドの端部から発せられる光を収束し又は発散するように構成されている。先端レンズの形状は、光を収束させるか発散させるかに応じて適切に設計される。
【0062】
図6(b)は、導光ロッド端部に取り付けられる先端レンズの形状の一例を示す。本図の例は光を収束させる例であり、このため導光ロッド0630の端部に凸レンズ0632aが備えられている。この場合、先端レンズを有しない場合に導光ロッドの端部から発せられる光の照射範囲が概ね破線で示した範囲であるとすると、当該先端レンズを備えることで、光の照射範囲はそれより狭い範囲である概ね実線で示した範囲となる。このように先端レンズとして凸レンズを使用することで、光が収束され、単位面積当たりに照射される光束が増加し、照度および照射距離が増すことになる。従って、より遠くまで明るく照らすことが可能となる。
【0063】
図6(c)は、導光ロッド端部に取り付けられる先端レンズの別の形状の一例を示す。本図の例は光を発散させる例であり、このため導光ロッド0630の端部に凹レンズ0632bが備えられている。この場合、先端レンズを有しない場合に導光ロッドの端部から発せられる光の照射範囲が概ね破線で示した範囲であるとすると、当該先端レンズを備えることで、光の照射範囲はそれより広い範囲である概ね実線で示した範囲となる。このように先端レンズとして凹レンズを使用することで、光が拡散され、より広い範囲にわたって明るく照らすことが可能となる。
【0064】
複数の導光ロッドが備えられる場合、すべての導光ロッドが先端レンズを有していてもよいし、先端レンズを有する導光ロッドと有しない導光ロッドが混在していてもよい。また、導光ロッドの先端レンズがすべて凸レンズ又はすべて凹レンズであってもよいし、凸レンズと凹レンズが混在していてもよい。この場合、例えば、中心付近の導光ロッドは床方向の照度を重視して凸レンズを有しており、周辺付近の導光ロッドは天井付近の照射範囲を広げるために凹レンズを有しているといった構成が考えられる。
【0065】
いずれの場合においても、レンズの材料は問わないが、例えば、ガラス系樹脂、アクリル系樹脂、ゲルレンズ等が考えられる。また、レンズの材料は導光ロッドの材質と同じであっても異なっていてもよい。
【0066】
<効果>
本実施例の発明により、導光ロッド端部から出射する光を収束させてより遠くまで明るく照らしたり、光を拡散させてより広い範囲にわたって明るく照らしたりすることが可能となる。