(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881007
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】ウエハ検出装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20160225BHJP
【FI】
H01L21/68 F
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-541913(P2011-541913)
(86)(22)【出願日】2010年11月15日
(86)【国際出願番号】JP2010070283
(87)【国際公開番号】WO2011062138
(87)【国際公開日】20110526
【審査請求日】2013年10月8日
(31)【優先権主張番号】特願2009-262020(P2009-262020)
(32)【優先日】2009年11月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】安田 克己
(72)【発明者】
【氏名】神垣 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】溝河 巧
【審査官】
今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06897463(US,B1)
【文献】
米国特許第06147356(US,A)
【文献】
米国特許第05418382(US,A)
【文献】
米国特許第05308993(US,A)
【文献】
特開2009−302392(JP,A)
【文献】
特開2005−064515(JP,A)
【文献】
特表2004−527116(JP,A)
【文献】
特開2001−093964(JP,A)
【文献】
特開平11−243130(JP,A)
【文献】
特開平06−120325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウエハを上下方向に積んで収容可能で、ウエハを前方の開口部から出し入れ可能なウエハ収容容器内に収容したウエハの収容状態を検出するウエハ検出装置であって、
前記ウエハ収容容器の前側に配置され前記ウエハからの反射光が入射される撮像装置と、
前記ウエハ収容容器内のウエハに対して上下から光を照射すべく前記ウエハ収容容器の開口部の左右両側のうちの少なくとも一方側に配置される上下方向に長い縦長状の照明装置と、
を備え、
前記一方側の照明装置が、前記ウエハの左右両側のうちの一方側に光を照射するように配置されていることを特徴とするウエハ検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のウエハを収容するウエハ収容容器内に収容された該ウエハの収容状態を検出するウエハ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のウエハをウエハ収容容器内に備えたスロットに収容し、その収容されたウエハを前方の開口を通して出し入れ可能なウエハ収容容器が用いられている。
【0003】
このようなウエハ収容容器は、ロボットなどによって搬送され、ウエハ収容容器の蓋を開閉する開閉装置(以下、ロードポートという)に載置される。このロードポートは、例えばウエハに所定の処理を施すウエハ処理装置などに取り付けられる付加的な装置である。
【0004】
ところで、前記ウエハ収容容器に収容されているウエハの収容状態には、次の3つの異常状態がある。第1に、ウエハが収容されていないスロットが存在する抜けの状態がある。また、第2に、1つのスロットに複数枚のウエハが重なって収容されている複数枚重なり状態がある。また、第3に、左右方向で段違いとなるスロットにウエハが斜めに収容されている、所謂クロススロット状態がある。
【0005】
前記3つの状態のウエハをロボットが取り出す場合に、ウエハの収容状態を把握できていないと、ロボットはウエハを取り出すことができない。そこで、従来では、ウエハの収容状態を検出するウエハ検出装置を備えたものが既に提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0006】
特許文献1のウエハ検出装置は、光透過型の装置で、ウエハの左右方向一方に光照射用のトランスミッタを配置し、他方にトランスミッタから照射される光を受光するレシーバを配置している。従って、トランスミッタからレシーバへ届く光がウエハにより遮光され、その遮光された上下方向の幅を検出することによって、複数枚重なり状態の他、クロススロット状態を確認することができる。また、全く遮光されない領域がある場合には、ウエハの抜けの状態を確認することができるようになっている。
【0007】
ところで、ウエハは、半導体製造時の熱処理によって又は自重によって撓むことや反ることがある。このように変形したウエハを特許文献1の光透過型の検出装置で検出すると、遮光される上下方向の幅が大きくなり、ウエハが一枚であるにもかかわらず前述した複数枚重なり状態であると誤検出してしまうことがある。尚、ウエハが大きくなればなる(例えば300mmから450mmになる)ほど、前記誤検出が更に増えてしまうことになる。
【0008】
そこで、前記変形したウエハを精度良く検出することができるように、前記のような透過光を検出するのではなく、ウエハの端面に当たって跳ね返ってきた反射光を検出するものとして、特許文献2の光反射型の検出装置が提案されている。この検出装置は、検出ヘッド内の上部に照明光源を備え、下部に撮像装置を備えている。従って、照明光源からの光がウエハの端面に照射され、その端面からの反射光を撮像装置により撮像することで、前述したウエハに撓みや反りが発生していても、前述したウエハの抜けの状態や複数枚重なり状態の他、クロススロット状態を確実に検出することができるようにしているが、次のような3つの不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】日本国特表2002−527897号公報
【特許文献2】日本国特開2003−282675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それら不都合を
図11〜
図13に基づいて説明する。
第1の不都合としては、
図11に示すように、検出ヘッドK内において照明光源100が撮像装置101の上方に位置しているため、照明光源100からの光軸100aが斜め下方に向いた状態になる。このとき照明光源100の光軸以外の光100bがウエハ収容容器の内壁面102に当たって反射し、その反射した光101cがウエハWの端面からの反射光101dと一緒に撮像装置101に入射してしまう。その結果、ウエハWの端面の画像を検出することができない。尚、前記撮像装置101の前方には、投影レンズ101Aが配置されている。
【0011】
また、第2の不都合としては、
図12に示すように、例えばウエハ収容容器の蓋(図示せず)を開放したときの振動等によって、重なり合っている2枚のウエハW1,W2のうちの下側のウエハW2に対して上側のウエハW1が前側(蓋側)に更に移動してしまった状態において、照明光源100からの光を上側のウエハW1の端面T1に当てることができるが、下側のウエハW2の端面T2に上側のウエハW1の前側部分が邪魔をして照明光源100からの光を当てることができない。この結果、複数枚重なり状態を検出することができない。
【0012】
また、第3の不都合としては、
図13に示すように、検出ヘッドK内にある照明光源(図示していない)がウエハWの正面からXA方向へ光照射する構成であるため、ウエハWの左右両側のXB方向及びXC方向から光照射することができない。このため、検出ヘッドK内にある撮像装置(図示していない)で撮像できる範囲は、ウエハWの左右方向中央部付近の狭い範囲になるため、ウエハWの部分的な汚れ等の影響を受け易く、またクロススロット状態の検出が困難になる。尚、クロススロット状態の検出が確実にできるように照明光源と撮像装置を
図13の左右方向に移動してウエハを左右方向において複数箇所で撮像することもできるが、装置全体の構成が複雑になるだけでなく、検出時間も多くなり、実施し難いものである。
【0013】
そこで、本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、その解決しようとするところは、ウエハの収容状態を正確に検出することができるウエハ検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
即ち、本発明のウエハ検出装置は、前述の課題解決のために、複数のウエハを上下方向に積んで収容可能で
、ウエハを
前方の開口部から出し入れ可能なウエハ収容容器内に
収容したウエハの収容状態を検出するウエハ検出装置であって、
前記ウエハ収容容器の前側に配置され前記ウエハからの反射光が入射される撮像装置と、
前記ウエハ収容容器内のウエハに対して上下から光を照射すべく前記
ウエハ収容容器の
開口部の左右両側のうちの少なくとも一方側に配置される上下方向に長い縦長状の照明装置と、を備え
、前記一方側の照明装置が、前記ウエハの左右両側のうちの一方側に光を照射するように配置されている。
【0015】
上記構成によれば、撮像装置の左右両側のうちの少なくとも一方側に照明装置を配置し、撮像装置を前記ウエハ収容容器の前側に配置することによって、照明装置の光軸と撮像装置の光軸とが同一方向になることがないから、照明装置からの光がウエハ収容容器の内壁面に当たって反射し、その反射光がウエハの端面に当たって跳ね返ってきた光と一緒に撮像装置に入射することを回避できる。つまり、
図11の不都合を解消できる。
しかも、照明装置が上下方向に長い縦長状であることから、上下方向において所定範囲に渡って光を照射することができる。このことから、重なり合っている2枚のウエハのうちの上側のウエハが前側(蓋側)に移動してしまった状態においても、これら2枚のウエハに上下から光を当てることができるから、重なっている上側のウエハの端面及び下側のウエハの端面の両方に確実に照明装置からの光を当てることができる。その結果、ウエハの複数枚重なり状態を確実に検出することができる。つまり、
図12の不都合を解消できる。
更に、撮像装置の左右両側のうちの少なくとも一方側に配置された照明装置によって、ウエハの左右両側のうちの少なくとも一方側の端面に光を照射し、ウエハの両側のうちの少なくとも一方側の端面を撮像装置にて撮像する。このようにすることによって、クロススロット状態であれば、左右中央部に比べて左右両側で水平方向における傾きが大きく異なるウエハの画像になることから、左右両側のうちの少なくとも一方側のウエハの画像によりクロススロット状態を確実に検出することができる。つまり、
図13の不都合を解消できる。
更にまた、反射型のウエハ検出装置を用いることによって、ウエハの撓みや反りに対しても何ら不具合が出ることなく、ウエハを検出することができる。
前記照明装置がウエハを照らす範囲は、上下方向において全てのウエハの端面を照射する構成であってもよいし、ウエハの複数枚重なり状態を確実に検出することができるように、少なくとも重なっている2枚のウエハの端面に光を確実に当てることができる範囲に設定してもよい。尚、一部のウエハの端面を照射する構成では、照明装置と撮像装置とが一体的に昇降しながら、撮像する構成が好ましい。また、撮像装置は、ウエハ収容容器に対して正面となる位置に配置されることが好ましいが、両側の照明装置の間であれば、必ずしも正面でなくてもよい。つまり、ウエハ収容容器の前側であれば、どの位置でもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ウエハ収容容器の前側に配置された撮像装置と、撮像装置の左右両側のうちの少なくとも一方側に配置された縦長状の照明装置とを備えさせることによって、ウエハの収容状態を正確に検出することができるウエハ検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ロードポートに載置されたウエハ収容容器内のウエハを検出する検出装置の側面図である。
【
図2】ロードポートに載置されたウエハ収容容器内のウエハを検出する検出装置の平面図である。
【
図3】照明装置を示し、(a)はそれの側面図、(b)はそれの平面図である。
【
図4】撮像装置の上下方向における撮像範囲を示す説明図である。
【
図5】(a)はウエハの収容状態が正常な状態を示す正面図、(b)は(a)を撮像した画像を示す図である。
【
図6】(a)はウエハの複数枚重なり状態を示す正面図、(b)は(a)を撮像した画像を示す図である。
【
図7】(a)はウエハのクロススロット状態を示す正面図、(b)は(a)を撮像した画像を示す図である。
【
図8】角型のウエハ収容容器内のウエハを撮像している平面図である。
【
図9】丸型のウエハ収容容器内のウエハを撮像している平面図である。
【
図10】2枚重ねのウエハのうちの上側のウエハが下側のウエハよりも前方に移動した状態で撮像している側面図である。
【
図11】従来のウエハ検出装置においてウエハ収容容器の内壁面に反射した光がウエハ端面からの反射光と一緒に撮像装置に入力される状態を示す側面図である。
【
図12】従来のウエハ検出装置において上側のウエハが下側のウエハよりも前方に位置ずれした状態で撮像している状態を示す側面図である。
【
図13】従来のウエハ検出装置においてウエハを真正面から撮像している状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び
図2は、本実施形態に係るウエハ検出装置を示している。このウエハ検出装置は、ウエハWを収容するウエハ収容容器1を載置するロードポート2の左右両側に配置された照明装置3,3と、照明装置3,3からの光がウエハWの端面に照射され、端面を反射してきた反射光が入射されて該端面を撮像するための撮像装置4とを備えている。このように、反射型のウエハ検出装置を用いることによって、ウエハの撓みや反りに対しても何ら不具合が出ることなく、ウエハを検出することができる。
【0019】
前記ウエハ収容容器1は、前方が開放された筐体11と、この筐体11内に上下方向に所定間隔を置いてウエハWを積んで収容するための多数のスロット12(
図5(a)参照)と、前記筐体11の前方からウエハWを出し入れするための開口部を閉じるための蓋13を備えている。前記筐体11及び蓋13は、内部のウエハWを透視できるように一部または全部が透明又は半透明な材料で構成されているが、透視できない材料で構成してもよい。
【0020】
前記ロードポート2は、前記ウエハ収容容器1を載置する移載台21と、前記蓋13を開閉操作する開閉部22とを備えている。
【0021】
前記搬送ロボット5は、前記ウエハ収容容器1内のウエハWを取り出して図示していない製造装置内で処理した後に該ウエハ収容容器1に戻すことができるように構成されている。具体的には、搬送ロボット5は、ウエハWを掴むためのハンド51と、このハンド51を前後方向に移動させるための伸縮アーム52,53と、ハンド51及び伸縮アーム52,53を昇降させる昇降軸54を備えている。そして、ハンド51の基端部の上面に、前記撮像装置4が取り付けられており、撮像装置4を昇降軸54により昇降操作することができる。また、前記撮像装置4は、画像処理部6に接続されており、撮像装置4により取り込んだ画像を処理して、例えば
図5(b)に示すようにウエハWの左右両側の画像を作成する。
【0022】
前記各照明装置3は、
図3(a),(b)に示すように、ウエハ収容容器1の上下方向全域に渡る長さを有する縦長状のケーシング31と、そのケーシング31内に配置された多数の赤外LED素子32とを備えている。そして、左右の照明装置3,3が、前記ロードポート2の左右両側に図示していない取付部材を介してそれぞれ取り付けられているが、独立して設置されていてもよい。前記多数の赤外LED素子32は、全部で60個の赤外LED素子32からなり、それら60個を縦横方向に格子状に配置している。前記ケーシング31の前面には、光拡散板33が取り付けられ、照明装置3が、ウエハ収容容器1の上下方向全域に渡って光を満遍なく照射することができる縦長形状を有する拡散光源に構成されている。
【0023】
図1及び
図2に戻り、前記撮像装置4は、CCDカメラ41と、CCDカメラ41の前端に一体化されたレンズ42と、レンズ42の全面に装着されたフィルタ43とを備えている。フィルタ43は、前記赤外LED素子の発光波長を透過し、可視光をカットする特性を有しており、これにより前記筐体11から差し込む外乱光(クリーンルーム内に設置されている蛍光灯の照明光など)を遮断もしくは減衰させて、ウエハ端面からの反射光の検出の障害にならないようにすることができる。
【0024】
前記のように構成されたウエハ検出装置を用いて、ウエハ収容容器1内のウエハWの収容状態を検出する手順について説明する。
【0025】
まず、ロードポート2の開閉部22が蓋13を開放した後、蓋13を保持したまま開閉部22を下方に降下させる(
図1参照)。こうすることによって、ウエハ収容容器1内に搬送ロボット5がアクセスできようになる。
【0026】
前記のように搬送ロボット5がアクセスできる状態になってから、内部のウエハWの収容状態を検出する作業を開始する。まず、左右両側の照明装置3,3の電源を入れてウエハWの左右両側に照明装置3,3の光を照射する。続いて、撮像装置4を例えば最上部に位置するウエハWから最下方に位置するウエハWに向かって所定距離だけ下降させて、撮像可能な所定範囲のウエハWを撮像する。この場合、ウエハWを一枚ずつ撮像してもよいが、撮像効率を考えて
図4に示すように複数枚(たとえば3枚)のウエハWを撮像できるように撮像装置4の撮像範囲Sを設定してもよい。
【0027】
そして、前記撮像装置4により全てのウエハWの撮像が完了する、又は撮像が完了する度に、前記画像処理部6により画像処理を行ってウエハ収容容器1内のウエハWの収容状態の検出が終了する。
【0028】
前記ウエハWの収容状態の検出結果が、
図5から
図7に示されている。
図5(b)では、
図5の(a)に示すように、ウエハWの収容状態が正常の場合の撮像画像を示し、各ウエハWの左右両側のみの端面の画像が表示画面Hに表示されている。
【0029】
図6(b)では、
図6(a)に示すように、3段目のスロット12にはウエハWが無く、2段目のスロット12に2枚のウエハW,Wが重なって配置されている状態(複数重なり状態)の撮像画像G1を示し、各ウエハWの左右両側のみの端面の画像が表示画面Hに表示されている。これは、照明装置を上下方向に長い縦長状にすることによって、ウエハW,Wに対して上からの光及び下からの光を照射することができるから、複数枚重なり状態を確実に検出することができ、撮像画像G1を表示できるのである。
【0030】
図7(b)では、
図7(a)に示すように、2段目のスロット12に載置される予定のウエハWの右側端部が3段目のスロット12に載置されている、所謂クロススロット状態になっている撮像画像G2を示し、各ウエハWの左右両側のみの端面の画像が表示画面Hに表示されている。これは、ウエハの左右両端の画像を取り込むことにより、上下方向において両側で上下方向の位置(又は水平方向における傾き)が大きく異なるウエハの画像になることから、クロススロット状態を確実に検出することができ、撮像画像G2を表示できるのである。
【0031】
前記のように照明装置3,3をロードポート2の左右両側にそれぞれ配置し、ロードポート2の前面に対してほぼ60度(角度は何度でもよい)となる斜め方向から光を当てることによって、例えば、
図8のウエハ収容容器1の筐体11が角型である場合に、次のような利点がある。つまり、照明装置3,3から光が照射されると、照射光の一部は、ウエハWに当たらず、筐体11の壁面11Aに到達し、反射することになるが、この反射光が、筐体11の壁面11Aに対向していない撮像装置4に入射されることがない。この結果、ウエハWを撮像することができないといったことがなく、確実にウエハWを撮像することができる利点がある。
【0032】
また、
図8の筐体11が曲面形状を有する場合には、
図9に示すように、一方の(図の下側の)照明装置3からの光が曲面のA点で反射し、その反射光A1と他方の(図の上側の)照明装置3からウエハWの端面B点で反射した光線B1とが重なって撮像装置4に入射されて、正確なウエハWの画像を表示することができない。この場合には、2つの照明装置3,3を交互に点灯して2回分の撮像を行えば、2本の光A1,B1が重なって撮像装置4に入ることがなく、確実にウエハWを撮像することができる。尚、照明装置3,3にLED等の応答速度の速い素子を用いることによって、撮像を2回行うことによる処理時間の増大を小さく抑えることができる。
【0033】
更に、
図10では、ウエハWが上下に重なり、しかも上側のウエハW1が下側のウエハW2に対して前方側に位置ずれしている場合を示している。しかも、その状態が上下方向で連続している(
図10では上下方向で3箇所連続している)場合である。この場合でも、本実施形態のウエハ検出装置を用いることによって、
図10において3箇所で重なり合ったウエハW,Wの端面の全てを照明装置3の上側からの光や下側からの光で確実に照射することができるから、全ての箇所で
図10のような2枚の重なり合っているウエハW1,W2があっても、それら全てのウエハW1,W2の端面を撮像装置4にて確実に撮像することができる。
図10では、撮像装置4の視野角が、実線で示す2箇所で重なり合っているウエハW1,W2、W1,W2の端面を撮像可能な角度になっている。従って、破線で示すウエハW1,W2は、実線で示す2箇所で重なり合っているウエハW1,W2、W1,W2の端面を撮像した後、破線で示すウエハW1,W2が撮像装置4の視野角に入る高さ位置まで撮像装置4を昇降(実際には下降)して撮像することになる。このように一回の撮像でその撮像する範囲を限定して複数回の検出を行うことによって、例えば一回の撮像で全てのウエハを撮像する場合においてウエハの高さ位置検出に誤差が発生することを防止できる効果がある。
【0034】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
前記実施形態では、照明装置3に赤外LED素子32を用いたが、白熱電球などの近赤外線を照射する各種の光源を用いてもよい。また、上下に長い蛍光灯などであってもよい。また、照明装置3に赤外LED素子32を用いるとともに、撮像装置4に可視光線を遮断するフィルタ43を装着することにより、ウエハ収容容器1内に入り込んだ外乱光の影響の低減を図っている。これによって、半導体工場のクリーンルームに用いられる室内照明としての蛍光灯の光は、撮像にほぼ問題にならないレベルまで低減可能であるが、太陽光などの近赤外線を含む外乱光が存在すると、フィルタ43では外乱光を除去できない場合がある。この場合には、ウエハ収容容器1を挟んで撮像装置4とは反対側に外乱光を遮断する遮光板を設けてもよい。また、この遮光板を必要に応じて昇降させるための昇降機構を備えて実施することもできる。つまり、ウエハ収容容器1が無い時には、遮光板を移載台21内に収容することができるように昇降機構で下降させ、ウエハ収容容器1が移載台21に移載されて撮像装置4により撮像が開始される前に遮光板を昇降機構で移載台21から上方に突出して外乱光の遮断ができるようにしてもよい。前記遮光板の材料としては、非透明な金属板や樹脂板等が使用可能であるが、フィルタ43で遮断できる可視光線は透過し、フィルタ43を透過する近赤外光線は遮光する材料を用いれば、外乱光の影響を受けることなく、外部から遮光板を通してロードポート2やウエハ収容容器1内のウエハWを目視確認することができる。
【0036】
また、前記実施形態では、照明装置3をウエハ収容容器1の上下方向全域に渡って照射する縦長状に構成したが、ウエハ収容容器1の上下方向の所定領域にのみ光照射する照明装置としてもよい。この場合、撮像装置4の昇降と同期して照明装置を昇降させる昇降機構を設けて実施することになる。
【0037】
また、前記実施形態では、2つの照明装置3,3を左右に備えて、ウエハWの左右2箇所の端面の画像を撮像することで、ウエハWの収容状態の検出の信頼性を高めることができたが、場合によっては、左右いずれか一方にのみ照明装置を配置して撮像してもよい。この場合、たとえば、
図7(b)の右側だけを撮像することによって、ウエハWの傾きを検出できるので、クロススロット状態であると判断できる。また、ウエハWの収容状態の検出の信頼性を更に高めるために、3つ以上の照明装置を備えさせてもよい。この場合、照明装置がウエハWの取り出しに支障が出る場合には、照明装置を邪魔にならない場所に移動させる移動機構を設けて実施することになる。尚、天井走行式の搬送装置などによりロードポート2の上方からウエハ収容容器1を移載する場合は、前記遮光板を移載台21に収納する必要はない。
【0038】
また、前記実施形態では、撮像装置4を搬送ロボット5に取り付けたが、撮像装置4を搬送ロボット5とは別の昇降機構に設けて実施してもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、単一の撮像装置4を設けたが、複数の撮像装置を設けてもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、撮像装置4の光軸を水平にした場合を示したが、光軸を下向き又は上向きになるように設定してもよい。このように設定すれば、フィルタ43で十分遮断できない強い外乱光が筐体11を通して入射しても、ウエハ端部の反射光と外乱光とが重なって撮像装置4に入射することが無いため、ウエハ検出の信頼性をより高めることができる。尚、下向きにする角度の範囲又は上向きにする角度の範囲は、前述したウエハの前方側への位置ずれした時に下側のウエハ端面が検出できないことにならない程度の範囲に設定することになる。
【符号の説明】
【0041】
1…ウエハ収容容器、2…ロードポート、3…照明装置、4…撮像装置、5…搬送ロボット、6…画像処理部、11…筐体、12…スロット、13…蓋、21…移載台、22…開閉部、31…ケーシング、32…赤外LED素子、33…光拡散板、41…カメラ、42…レンズ、43…フィルタ、51…ハンド、52,53…伸縮アーム、54…昇降軸、W…ウエハ