特許第5881023号(P5881023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881023
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/04 20060101AFI20160225BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20160225BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20160225BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   H01M2/04 A
   H01M2/30 B
   H01M2/08 A
   H01M2/06 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-186456(P2014-186456)
(22)【出願日】2014年9月12日
(62)【分割の表示】特願2013-197016(P2013-197016)の分割
【原出願日】2008年10月16日
(65)【公開番号】特開2015-38874(P2015-38874A)
(43)【公開日】2015年2月26日
【審査請求日】2014年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 丈
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 和秀
(72)【発明者】
【氏名】岡本 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】▲堤▼ 雅和
【審査官】 松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−251213(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/084883(WO,A1)
【文献】 特開2005−056649(JP,A)
【文献】 特開2003−346778(JP,A)
【文献】 特開2009−283335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/08
H01M 2/04
H01M 2/06
H01M 2/30
H01M 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素を収納し且つ開口部を有する電池容器と、
前記電池容器の開口部を塞ぐ蓋板と、
台座部と該台座部から延びるボルト部とを有する外部端子と、
前記台座部と嵌合した状態で前記蓋板の上面に配置される樹脂部材と、を備え、
前記蓋板は、複数の凸部を有し、
前記複数の凸部は、互いに略平行な突条であり、
前記樹脂部材は、前記蓋板における複数の凸部が嵌り込む凹部と該凹部の反対側に前記複数の凸部と同様の形状の部位とを有すると共に、該凹部が前記蓋板における複数の凸部が設けられた部位と凹凸嵌合し且つ前記複数の凸部と同様の形状の部位が前記台座部と前記嵌合することを特徴とする電池。
【請求項2】
発電要素を収納し且つ開口部を有する電池容器と、
前記電池容器の開口部を塞ぐ蓋板と、
台座部と該台座部から延びるボルト部とを有する外部端子と、
前記台座部と嵌合した状態で前記蓋板の上面に配置される樹脂部材と、を備え、
前記蓋板は、前記ボルト部の軸方向視において四角状の周面を有する凸部を有し、
前記樹脂部材は、前記蓋板における凸部が嵌り込む凹部と該凹部の反対側に前記凸部と同様の形状の部位とを有すると共に、該凹部が前記蓋板における凸部が設けられた部位と凹凸嵌合し且つ前記凸部と同様の形状の部位が前記台座部と前記嵌合することを特徴とする電池。
【請求項3】
前記蓋板において、前記凸部と他の部位とは、一体である、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記樹脂部材は、少なくとも、前記外部端子と、前記蓋板における複数の凸部が設けられた部位と、の間に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電要素を収納した電池容器の上端開口部を塞ぐ蓋板に端子を設けた電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7に従来の大型の非水電解質二次電池の端子の取り付け構造を示す(例えば、特許文献1の第6図〜第8図参照。)。この非水電解質二次電池は、電池容器1内に長円筒形の巻回型の発電要素2を収納し、電池容器1の上端開口部を蓋板3で塞いで密閉したものである。発電要素2には、左右の端部に電極の金属箔2a、2aが巻回された巻き束状のままはみ出していて、これらの金属箔2a、2aには集電接続体5、5が接続されている。また、蓋板3には、左右の端部に外部端子4、4が取り付けられている。
【0003】
外部端子4は、高さの低い円柱状の台座部4aの上面からボルト部4bが上方に突設されると共に、この台座部4aの下面からかしめ筒4cが下方に突設されたものである。そして、正極側と負極側の外部端子4、4のかしめ筒4c、4cは、蓋板3の左右端部の上面に配置された外部絶縁封止材6、6の貫通孔と、蓋板3の左右端部の端子引出貫通孔3a、3aと、蓋板3の左右端部の下面に配置された内部絶縁封止材7、7の貫通孔を通して、この蓋板3の上方から電池容器1内に嵌入すると共に、集電接続体5、5の上部の水平に折り曲がった接続部5a、5aに形成された貫通孔にも通して下方からかしめられる。従って、外部端子4は、かしめ筒4cがかしめによって集電接続体5に接続され、発電要素2の電極の金属箔2aにも接続されると共に、絶縁封止材6、7を介して蓋板3を挟持するので、この蓋板3に絶縁封止された状態で固着されることになる。
【0004】
ところが、このような外部端子4の取り付け構造では、非水電解質二次電池を外部機器と接続するためにリード線の圧着端子等を外部端子4のボルト部4bに嵌めてナット等で締め付けた場合、特にこのようなナット等の着脱を繰り返した場合に、締め付けトルクがかしめ筒4cのかしめ部に直接加わり、集電接続体5の接続部5aとのかしめが緩んで外部端子4だけが空転するおそれがある。そして、外部端子4が空転すると、集電接続体5との接触電気抵抗が大きくなって電池性能が低下するだけでなく、絶縁封止材6、7との間にも隙間が生じて電池容器1内の密閉が不完全になるという問題が生じる。
【0005】
しかも、非水電解質二次電池の場合、正極側の外部端子4にアルミニウム合金が用いられることが多いので、ボルト部4bをナット等で強く締め付けたり、このようなナット等の着脱を繰り返すと、このボルト部4bのねじ山が破損するという問題もあった。
【0006】
そこで、従来は、外部端子4の台座部4aを横断面が四角形や六角形等の多角柱状とし、外部絶縁封止材6にも同様の形状の外部端子凹部を設け、この外部絶縁封止材6の外部端子凹部に台座部4aを嵌合させて外部端子4の回り止めを行わせようという提案もあった(例えば、特許文献1の第1図〜第5図参照。)。
【0007】
しかしながら、このような外部端子4の取り付け構造でも、台座部4aと外部絶縁封止材6の外部端子凹部との嵌合の若干の隙間によって外部端子4が僅かな角度だけ空転するおそれがあり、かしめ筒4cと集電接続体5の接続部5aとのかしめが緩むのを完全に防ぐことはできないという問題がある。しかも、ボルト部4bをナット等で締め付けたときの締め付けトルクは、外部絶縁封止材6にも直接加わることになり、この外部絶縁封止材6に大きなストレスがかかって気密性が損なわれるおそれがあるという問題も生じる。
【0008】
このため、従来は図8に示すような外部端子4の取り付け構造も提案されていた(例えば、特許文献2参照。)。この場合の外部端子4は、台座部4aが六角柱状に形成されると共に、この台座部4aの上面からはボルト部4bが突設されるが、下面にはかしめ筒が突設されない。また、外部絶縁封止材6の上面にも同様の六角形の外部端子凹部6aを設け、この外部端子凹部6aに台座部4aを嵌合させて外部端子4の回り止めを行わせようにしている。
【0009】
上記外部絶縁封止材6の上面には、補助端子凹部6bも設けられ、この補助端子凹部6bには、補助端子8の台座部8aが嵌合するようになっている。補助端子8は、台座部8aの下面から第1かしめ筒8bが下方に突設されると共に、この台座部8aの上面から第2かしめ筒8cが上方に突設されたものである。そして、正極側と負極側の補助端子8、8の第1かしめ筒8b、8bは、外部絶縁封止材6、6の補助端子凹部6b、6bの底面に形成された貫通孔と、蓋板3の左右端部の端子引出貫通孔3a、3aと、内部絶縁封止材7、7の貫通孔を通して、この蓋板3の上方から電池容器1内に嵌入すると共に、集電接続体5、5の接続部5a、5aに形成された貫通孔にも通して下方からかしめられる。従って、補助端子8は、第1かしめ筒8bと集電接続体5の接続部5aとのかしめによる接続部を介して発電要素2の金属箔2aに接続されると共に、絶縁封止材6、7を介して蓋板3を挟持するので、この蓋板3に対して絶縁封止された状態で固着されることになる。
【0010】
また、上記補助端子8の第2かしめ筒8cと外部端子4のボルト部4bには、接続導体9が取り付けられる。接続導体9は、ほぼ長方形状の板材であり、一端部にはかしめ孔9aが形成されると共に、他端部には端子貫通孔9bが形成されている。そして、この接続導体9は、端子貫通孔9bに外部端子4のボルト部4bが下方から挿入されると共に、かしめ孔9aに補助端子8の第2かしめ筒8cが下方から挿入されて上方からかしめられる。従って、外部端子4は、外部機器との接続のためにボルト部4bをナット等で締め付けると、接続導体9を介して補助端子8に接続固定され、これによって発電要素2の電極の金属箔2aにも接続されることになる。
【0011】
このような外部端子4の取り付け構造を用いれば、ボルト部4bをナット等で締め付けても、締め付けトルクは補助端子8には直接加わらないので、集電接続体5の接続部5aとのかしめが緩むようなおそれはなくなる。しかも、非水電解質二次電池の場合であっても、正極側の補助端子8だけにアルミニウム合金を用い、外部端子4には鉄や鋼等の強度の高い金属材を用いることができるので、ナット等の締め付けによってボルト部4bのねじ山が破損するようなこともなくなる。
【0012】
なお、外部端子の台座部に凸部を設け、この凸部を樹脂製の蓋板部の凹穴に挿入して外部端子の回り止めを行う発明も従来から提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この場合は、外部端子の台座部は電池容器の内側にあり、凹穴も蓋板部の内側の下面に形成されているので、この外部端子の取り付けと凸部の凹穴への挿入を電池容器の内側で行う必要があり、電池の組み立てが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−357833号公報
【特許文献2】特開2003−346774号公報(第2頁、第3図)
【特許文献3】特開平10−125291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、発明者らがさらに検討を重ねたところ、上述したような外部端子4の取り付け構造であっても、ボルト部4bをナット等で締め付けると、締め付けトルクは外部絶縁封止材6の外部端子凹部6aに直接加わるので、補助端子8の第1かしめ筒8bをかしめることにより蓋板3との間の封止を行う外部絶縁封止材6に大きなストレスがかかって高いレベルでの気密性が損なわれるのを確実に避けることができないという問題があることを見いだした。即ち、外部絶縁封止材6は、蓋板3の上面に強く圧迫される他に、ねじれ方向の大きな力を受けるので、素材の僅かな変形によって蓋板3との界面に微小な隙間を生じて密閉が不完全になるおそれが生じるのである。また、この外部絶縁封止材6が蓋板3に対して回り止めがなされていても、この回り止めとの間の若干の隙間によって外部絶縁封止材6自体が僅かに位置ずれするおそれがあり、これによって蓋板3との界面に微小な隙間を生じて密閉が不完全になるおそれが生じるのである。
【0015】
本発明は、蓋板に突設した回り止め部によって外部端子の回り止めを行うことにより、この外部端子の締め付けトルクが気密性や導電性を損なうようなおそれのない電池を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る電池は、
発電要素を収納し且つ開口部を有する電池容器と、
前記電池容器の開口部を塞ぐ蓋板と、
台座部と該台座部から延びるボルト部とを有する外部端子と、
前記台座部と嵌合した状態で前記蓋板の上面に配置される樹脂部材と、を備え、
前記蓋板は、複数の凸部を有し、
前記複数の凸部は、互いに略平行な突条であり、
前記樹脂部材は、前記蓋板における複数の凸部が嵌り込む凹部と該凹部の反対側に前記複数の凸部と同様の形状の部位とを有すると共に、該凹部が前記蓋板における複数の凸部が設けられた部位と凹凸嵌合し且つ前記複数の凸部と同様の形状の部位が前記台座部と前記嵌合することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る電池は、
発電要素を収納し且つ開口部を有する電池容器と、
前記電池容器の開口部を塞ぐ蓋板と、
台座部と該台座部から延びるボルト部とを有する外部端子と、
前記台座部と嵌合した状態で前記蓋板の上面に配置される樹脂部材と、を備え、
前記蓋板は、前記ボルト部の軸方向視において四角状の周面を有する凸部を有し、
前記樹脂部材は、前記蓋板における凸部が嵌り込む凹部と該凹部の反対側に前記凸部と同様の形状の部位とを有すると共に、該凹部が前記蓋板における凸部が設けられた部位と凹凸嵌合し且つ前記凸部と同様の形状の部位が前記台座部と前記嵌合することを特徴とする。
【0019】
前記電池では、
前記蓋板において、前記凸部と他の部位とは、一体であってもよい。
【0021】
前記電池では、
前記樹脂部材は、少なくとも、前記外部端子と、前記蓋板における複数の凸部が設けられた部位と、の間に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外部端子に締め付けトルクが加わっても、この外部端子の回転を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の構造を示す分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の外部端子の取り付け構造を示す部分拡大縦断面正面図である。
図3】本発明の他の実施形態を示すものであって、回り止め部を額縁状とした場合の一部省略分解斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態を示すものであって、回り止め部を4本の小円筒状とした場合の一部省略分解斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態を示すものであって、外部端子の台座部と回り止め部を畝状にした場合の一部省略分解斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の構造を示す分解斜視図である。
図7】従来例を示すものであって、非水電解質二次電池の構造を示す分解斜視図である。
図8】他の従来例を示すものであって、非水電解質二次電池の構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施形態について図1図6を参照して説明する。なお、これらの図においても、図7図8に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0025】
本実施形態は、図7図8に示した従来例と同様に、大型の非水電解質二次電池について説明する。この非水電解質二次電池は、図1及び図2に示すように、電池容器1内に長円筒形の巻回型の発電要素2を収納し、電池容器1の上端開口部を蓋板3で塞いで密閉したものである。
【0026】
発電要素2は、帯状の電極である正極と負極をセパレータを介し左右の異なる方向にずらして、左右方向の回転軸を中心に上下に長円となる長円筒形に巻回したものである。正極は、アルミニウム箔の表面に正極活物質を担持させたものであり、負極は、銅箔の表面に負極活物質を担持させたものであるが、それぞれ左右のずらす方向の端縁部を活物質の未塗工部とすることによりアルミニウム箔や銅箔が露出するようになっている。従って、発電要素2の左右の端部には、これら電極の金属箔2a、2aが巻回された巻き束状のままはみ出している。
【0027】
上記発電要素2の左右の端部にはみ出した金属箔2a、2aには、それぞれ集電接続体5、5が接続されている。集電接続体5は、正極側ではアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、負極側では銅又は銅合金からなる上下に長い導電金属板であり、上部は水平に折り曲げられると共に貫通孔が形成されて接続部5aとなり、この接続部5aより下方の部分は前後に二股に分けられて下方に突出している。そして、この集電接続体5の下方の二股に分けられた部分が発電要素2の金属箔2aと共に挟持板に挟まれて超音波溶接等により接続固定される。
【0028】
電池容器1と蓋板3は、アルミニウム合金や鋼等からなり、電池容器1は左右方向に長い方形の金属容器であり、蓋板3は、左右に細長い方形の金属板である。そして、この蓋板3は、後に電池容器1の上端開口部に嵌め込まれてレーザ溶接等により内部を密閉することになる。
【0029】
上記蓋板3には、左右の端部に端子引出貫通孔3a、3a(左側の端子引出貫通孔3aは部品の陰になって見えない)が開口されると共に、これら端子引出貫通孔3a、3aの左右の外側に回り止め部3b、3b(左側の回り止め部3bは部品の陰になって見えない)が形成されている。回り止め部3bは、蓋板3の金属板をプレス加工によって上方に四角形状に突出させた凸部である。
【0030】
上記蓋板3の端子引出貫通孔3a、3aには、外部絶縁封止材6、6と内部絶縁封止材7、7を介して補助端子8、8が取り付けられる。補助端子8は、正極側ではアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、負極側では銅又は銅合金からなる導電金属部品である。この補助端子8は、高さが低い八角柱状の台座部8aの下面から第1かしめ筒8bが下方に突設されると共に、この台座部8aの上面から第2かしめ筒8cが上方に突設されている。
【0031】
外部絶縁封止材6と内部絶縁封止材7は、絶縁性と封止性を備えた合成樹脂からなる。外部絶縁封止材6は、補助端子8の台座部8aよりは一回り大きい八角柱体からなり、上面にこの台座部8aが嵌合する形状の補助端子凹部6bが設けられている。また、この外部絶縁封止材6には、補助端子凹部6bの底面に貫通孔が形成されると共に、この貫通孔の下面開口部はスリーブ状に下方に突出している(図2参照)。内部絶縁封止材7は、貫通孔が形成された板材である。
【0032】
上記外部絶縁封止材6は、蓋板3の上面に配置され、スリーブ状に突出した部分が端子引出貫通孔3aに嵌入される。また、内部絶縁封止材7は、蓋板3の下面に配置され、端子引出貫通孔3aから下方に突出する外部絶縁封止材6のスリーブ状に突出した部分が貫通孔に嵌入される。そして、補助端子8は、台座部8aを外部絶縁封止材6の補助端子凹部6bに嵌め込むと共に、第1かしめ筒8bをこの補助端子凹部6bの底面の貫通孔と蓋板3の端子引出貫通孔3aと内部絶縁封止材7の貫通孔とを介して、集電接続体5の接続部5aの貫通孔に通し、この接続部5aの貫通孔から下方に突出する部分を下方からかしめることにより蓋板3に取り付けられる。従って、この補助端子8は、第1かしめ筒8bと集電接続体5の接続部5aとのかしめによる接続部を介して発電要素2の金属箔2aに接続されると共に、絶縁封止材6、7を介して蓋板3を挟持するので、この蓋板3に対して絶縁封止された状態で固着されることになる。
【0033】
上記蓋板3の回り止め部3bの上には、端子絶縁材10を介して外部端子4が配置される。外部端子4は、非水電解質二次電池を外部機器と接続するためのものであり、鉄やステンレス鋼、クロムモリブデン鋼等の鋼、その他の強度の高い導電金属材からなる。この外部端子4は、高さの低い四角柱ではあるが、蓋板3の回り止め部3bの凸部の形状よりは一回り大きい台座部4aの上面からボルト部4bを上方に突設したものである。また、この台座部4aの下面には上方に向けて、回り止め部3bの凸部と同様の形状で少し大きい回り止め凹部4dが設けられている。端子絶縁材10は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の合成樹脂の薄板を高さの低い四角形の帽子状に成形したものであり、上面の四角形の凸部は外部端子4の回り止め凹部4dに嵌合し、下面の四角形の凹部には蓋板3の回り止め部3bが嵌合するような大きさになっている。そして、外部端子4は、蓋板3の回り止め部3bに下面の凹部を嵌合させた端子絶縁材10の上面の凸部に台座部4aの回り止め凹部4dを被せるようにして、回り止め部3bの上に載置される。従って、外部端子4は、台座部4aの回り止め凹部4dに端子絶縁材10を介して回り止め部3bが嵌合し、この台座部4aの下面は、端子絶縁材10の帽子状の縁部の上に乗るので、蓋板3に対しては絶縁される。また、端子絶縁材10に帽子状の縁部がなかったとしても、外部端子4の台座部4aの回り止め凹部4dに端子絶縁材10を介して回り止め部3bを嵌合させたときに、この台座部4aの下面が蓋板3の上面よりも上方に浮いた状態となるようにしても、外部端子4を蓋板3に対して絶縁することができる。
【0034】
上記補助端子8の第2かしめ筒8cと外部端子4のボルト部4bには、接続導体9が取り付けられる。接続導体9は、銅合金等の導電金属材からなるほぼ長方形状の板材であり、表面には防錆等の他、滑りを良くするためにニッケルメッキが施されている。この接続導体9は、一端部にかしめ孔9aが形成されると共に、他端部に端子貫通孔9bが形成されている。そして、この接続導体9は、端子貫通孔9bに外部端子4のボルト部4bが下方から挿入されると共に、かしめ孔9aに補助端子8の第2かしめ筒8cが下方から挿入されて上方からかしめられる。従って、接続導体9は、補助端子8には接続固定されるが、外部端子4はボルト部4bが端子貫通孔9bに嵌入しているだけとなる。なお、平板状の接続導体9を補助端子8にかしめによって確実に固定するためには、補助端子8の台座部8aの上面と、蓋板3の回り止め部3bの上に端子絶縁材10を介して載置した外部端子4の台座部4aの上面は、面一か外部端子4の台座部4aの上面の方が僅かに低いことが好ましい。もっとも、外部端子4が持ち上がり台座部4aの上面が接続導体9の下面に当接した際に、回り止め凹部4dと端子絶縁材10と回り止め部3bとの嵌合が外れるようでは、この回り止め部3bが外部端子4の回り止めを行うことができないので、台座部4aの上面は低すぎてはいけない。
【0035】
上記構成の非水電解質二次電池の外部端子4は、例えば図示しない外部機器のリード線の圧着端子をボルト部4bに嵌めてナットを螺着する。すると、外部端子4は、通常は僅かに持ち上がって、台座部4aの上面を接続導体9の下面に押し付け、ナットとの間でリード線の圧着端子と共にこの接続導体9を挟持圧迫するので、これら圧着端子と外部端子4と接続導体9とが接続される。従って、リード線の圧着端子は、接続導体9と補助端子8と集電接続体5とを介して発電要素2の電極(金属箔2a)に接続され、これによって外部機器が非水電解質二次電池と接続される。
【0036】
しかも、ナットをボルト部4bに締め付ける際に回転しようとする外部端子4は、回り止め凹部4dに端子絶縁材10を介して嵌合した蓋板3の回り止め部3bによって確実に回り止めされる。なお、この際、回り止め部3bと端子絶縁材10と回り止め凹部4dとの嵌合による多少の隙間によって外部端子4がある程度の角度だけ空転したとしても、接続や封止に支障が生じるおそれは全くない。
【0037】
また、このときボルト部4bに加わった締め付けトルクは、外部端子4とは分離された補助端子8にトルクとして伝わることはないので、この補助端子8が空転して集電接続体5の接続部5aとのかしめが緩み接続が損なわれたり、絶縁封止材6、7と蓋板3との間の封止が損なわれるようなおそれも生じない。なお、ナットによる締め付けトルクは、ボルト部4bの軸線を中心として接続導体9を回転させるような力も生じるが、このような力は補助端子8にとっては第2かしめ筒8cを前後方向に押す方向の力となるので、これによって接続や封止が損なわれる心配はない。特に、本実施形態では、接続導体9の表面に滑りを良くするためのニッケルメッキが施されているので、ナットによる締め付けが行われても、接続導体9を回転させるような力がほとんど生じない。
【0038】
また、蓋板3の回り止め部3bを嵌合させた端子絶縁材10は、ナットによる締め付けの際に、外部端子4の回り止めを行うので、大きな締め付けトルクを受けることになる。しかし、端子絶縁材10は、蓋板3上で外部絶縁封止材6とは分離されているので、補助端子8の封止を行う外部絶縁封止材6に締め付けトルクが加わることはなく、このため外部絶縁封止材6による封止が損なわれるおそれも生じない。
【0039】
また、ナットによる締め付けトルクは、鉄や鋼等の強度の高い導電金属材からなる外部端子4にのみ加わり、強度が弱いアルミニウム又はアルミニウム合金からなる正極側の補助端子8や強度が比較的弱い銅又は銅合金からなる負極側の補助端子8には加わらないので、ナットを強く締め付けたり、このようなナットの着脱を繰り返しても、ボルト部4bのねじ山が破損するようなおそれがなくなる。
【0040】
さらに、蓋板3の回り止め部3bは、蓋板3の金属板をプレス加工によって凸状に突出させたものなので、この蓋板3を製造する際のプレス加工時に端子引出貫通孔3a等と共に容易に一体的に形成することができ、本実施形態の場合には、図1に示す蓋板3の左右の中央部の安全弁3dのための開口部の形成なども同時に一体成形が可能となる。しかも、図7図8に示した従来例の場合には、外部絶縁封止材6を回り止めするために蓋板3の縁にちょうど嵌まり込むような形状にしなければならないので、電池サイズが異なり蓋板3の大きさも相違する電池ごとに形状の異なる外部絶縁封止材6を用意する必要があったが、本実施形態の場合には、回り止め部3bの形状や大きさが共通であれば、蓋板3の大きさが相違する電池であっても、同じ外部端子4と端子絶縁材10と接続導体9と補助端子8と外部絶縁封止材6とを共用することができ、端子構造を共通化させることができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、蓋板3の金属板をプレス加工によって上方に突出させて凸部とすることにより回り止め部3bを形成する場合を示したが、底面に凹部が形成された外部端子4の台座部4aを蓋板3上に当接させた状態で、この蓋板3の下方から凸状の金型でプレスすることにより、蓋板3の金属板を台座部4aの凹部に嵌合する形状に上方に突出させて凸部とすることにより回り止め部3bを形成することもできる。蓋板3の金属板を単にプレス加工する場合には、蓋板の上面に凹状の金型を配置しておき、下方から凸状の金型でプレスすることになるが、台座部4aの凹部を用いれば、この凹状の金型を用いる必要がなくなるので、金型作製の費用と手間を軽減できる。しかも、台座部4aの凹部に現物合わせによって凸部を成形するので、回り止め部3bが台座部4aの凹部にぴったりと嵌合することになり、プレス加工の加工精度を必要以上に高めなくても、外部端子4の回り止めを確実に行うことができるようになる。さらに、このような回り止め部3bの形成方法は、台座部4aと回り止め部3bとの間に端子絶縁材10や端子絶縁層を介在させた場合にも実施することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、蓋板3の金属板を四角形状に突出させた回り止め部3bを端子絶縁材10を介して台座部4aの回り止め凹部4dに嵌合させることにより外部端子4の回り止めを行う場合を示したが、この蓋板3の金属板の上面を部分的に凸状若しくは凹状、又は、凸状と凹状を組み合わせた凹凸状とした回り止め部3bに端子絶縁材10を介して台座部4aが係止することによりボルト部4bの軸線を中心とした外部端子4の回転を制限することができるものであれば、これら台座部4aと回り止め部3bの形状は任意である。そして、端子絶縁材10も、これら台座部4aと回り止め部3bが係止する部分に合わせた形状にすればよい。
【0043】
例えば、図3には、外部端子4の台座部4aを四角柱状とし、回り止め部3bをこの台座部4aの周囲を囲む額縁状の凸部とした場合を示す。この場合も、台座部4aが額縁状の回り止め部3bで囲まれた回り止め凹部3cに端子絶縁材10を介して嵌まり込むことにより、外部端子4の回り止めを行うことができる。図1図3に示すように回り止め部3bと台座部4aが柱体を凹部に嵌合させて回り止めを行う場合には、この柱体や凹部の横断面形状がボルト部4bの軸線を中心とした回転体ではない形状であれば、どのような形状であってもよく、四角柱状以外の任意の多角柱状を用いてもよい。
【0044】
また、例えば図4には、外部端子4の台座部4aを四角柱状とし、蓋板3の金属板を上方に突出させた4本の小円筒状の凸部を回り止め部3bとした場合を示す。この場合の回り止め部3bの4本の凸部は、図3に示した額縁状の回り止め部3bにおける四隅付近の位置に形成されることになる。この場合も、回り止め部3bにおける前後に2本ずつ並んだ凸部の左右の間に台座部4aが端子絶縁材10を介して嵌まり込んで回転が制限されるので、外部端子4の回り止めを行うことができる。さらに、例えば図5には、台座部4aの下面に畝状の凹凸を形成すると共に、蓋板3の金属板を畝状に突出させた複数本の凸部を回り止め部3bとした場合を示す。この場合も、台座部4aの畝状の凹凸と回り止め部3bの畝状の凸部が波板状の端子絶縁材10を介して互いに噛み合って外部端子4の回り止めを行うことができる。
【0045】
また、上記図3では、回り止め部3bを額縁状の凸部とし、この回り止め部3bで囲まれた内側に回り止め凹部3cを形成する場合を示したが、蓋板3の金属板の上面を凹状に窪ませた回り止め部3bを形成することもできる。この場合の外部端子4の台座部4aや端子絶縁材10は、図3に示したものと同様の形状でもよいし、回り止め部3bの凹部の形状に応じて適宜変更することもできる。さらに、上記図5では、蓋板3の金属板を畝状に突出させた回り止め部3bを示したが、例えばこの金属板に波板状の凹凸を形成して回り止め部3bとすることもできる。そして、この場合も、外部端子4の台座部4aや端子絶縁材10は、図5に示したものと同様の形状でもよいし、回り止め部3bの凹凸の形状に応じて適宜変更することもできる。
【0046】
また、上記実施形態では、合成樹脂の薄板を台座部4aと回り止め部3bが係止する部分に合わせた形状に成形した端子絶縁材10を用いる場合を示したが、この端子絶縁材10は、合成樹脂を射出成形によって所定形状に成形したものであってもよく、合成樹脂に代えて絶縁性を有しある程度以上の強度を有するものであれば、例えばセラミックス等の任意の材料を用いることができる。さらに、この端子絶縁材10は、台座部4aと回り止め部3bが係止する部分の形状に沿って変形するフレキシブルな合成樹脂シート等からなるものであってもよい。
【0047】
さらに、上記端子絶縁材10は、外部端子4の台座部4aを係止すると共に、蓋板3の回り止め部3bに係止されるようになっていてもよい。即ち、例えば端子絶縁材10が、合成樹脂製のブロックからなり、上面に台座部4aを係止する凸部や凹部等を備えると共に、下面に回り止め部3bに係止されるような凸部や凹部等を備えたものとすることもできる。ただし、例えば端子絶縁材10の上面と下面に同様の形状の凸部と凹部が形成されている場合には、上記端子絶縁材10との相違が不明瞭となることがある。
【0048】
さらに、上記のような端子絶縁材10に代えて、蓋板3の上面における少なくとも回り止め部3bの表面を覆う端子絶縁層を用いることもできる。このような端子絶縁層としては、例えば回り止め部3bの表面に射出成形された合成樹脂層、又は、塗布焼成や堆積等により形成された合成樹脂層やセラミックス層等を用いることもでき、回り止め部3bの表面に熱融着や接着等により接合された合成樹脂フィルム等の層であってもよい。
【0049】
また、上記では、外部端子4を蓋板3と絶縁するために端子絶縁材10や端子絶縁層を用いる場合を示したが、例えば外部端子4が蓋板3と導通してもよいというように、外部端子4の絶縁を考慮しなくてもよい事情があるときには、これらの端子絶縁材10や端子絶縁層を用いることなく、外部端子4の台座部4aが直接蓋板3の回り止め部3bに係止されるようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、集電接続体5と補助端子8が正極側ではアルミニウム又はアルミニウム合金からなり負極側では銅又は銅合金からなる場合を示したが、電池の種類に応じた導電金属材料であれば、これらの材料は任意である。さらに、上記実施形態では、外部端子4と接続導体9の材料についても例示したが、強度や導電性等の特性が適合する導電金属材料であれば、これらの材料も任意である。
【0051】
また、上記実施形態では、外部端子4の台座部4aの上面からボルト部4bが突設される場合を示したが、このボルト部4bの代わりに、円筒形や多角形の筒状等の適宜形状の突出部が突設され、この突出部の上端面にねじ穴が穿設されているような場合であっても、同様に実施可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、補助端子8の第2かしめ筒8cを接続導体9のかしめ孔9aに通してかしめることにより接続固定する場合を示したが、補助端子8と接続導体9の接続固定手段は任意であり、例えば補助端子8の台座部8aの上面に接続導体9の一端部を溶接等により固着して接続固定することもできる。
【0053】
また、接続導体9の他端部に形成されるのは、下方から外部端子4のボルト部を貫通させて接続するようにした端子貫通孔9bに限らず、このボルト部4bが接続されるようになった端子接続部であればどのようなものでもよく、例えば切欠き溝のようなものであってもよい。さらに、この接続導体9は、他端部に端子接続部が形成されていれば、必ずしも板状である必要はない。さらに、接続導体9が補助端子8に接続固定されるのは一端部に限らず、接続導体9の一部であればどの部位でもよく、端子接続部も、この補助端子8に接続固定される部位以外の他の部位であればどこに形成されていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、接続導体9を用いる場合を示したが、この接続導体9に代えて、補助端子8の上部から引き出され、この引き出された部分に端子接続部が形成された接続導体部を用いるようにしてもよい。この場合、接続導体部は、補助端子8と一体のものであるため、接続導体9が不要となり部品点数を削減できると共に、この接続導体9とのかしめ作業が不要となるので、組み立て作業工数も削減できる。
【0055】
また、上記実施形態では、補助端子8と発電要素2の電極との間の接続を集電接続体5を介して行う場合を示したが、この補助端子8と電極との間の接続構造は任意であり、上記実施形態とは異なる集電接続体を用いてもよいし、他の手段によって接続を行うようにしてもよい。さらに、発電要素2も、長円筒形の巻回型のものには限定されず、他の形状のものでもよく、積層型のものであってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、補助端子8の台座部8aや外部絶縁封止材6が八角柱状である場合を示したが、これら台座部8aや外部絶縁封止材6の形状は任意であり、外部絶縁封止材6にも、必ずしも補助端子凹部6bを設ける必要はない。さらに、上記実施形態では、補助端子8が台座部8aの下面から第1かしめ筒8bを突設したものである場合を示したが、上部が蓋板3上に配置され、下部が端子引出貫通孔3aを通して電池容器1内部に嵌入していれば、必ずしも台座部8aや第1かしめ筒8bを有する必要はなく、特に第1かしめ筒8bは、上記補助端子8と電極との間の接続構造に応じて任意の構成のものに変更することができる。
【0057】
また、上記実施形態では、封止材として外部絶縁封止材6と内部絶縁封止材7を用いる場合を示したが、補助端子8と蓋板3との間の封止するものであれば任意の封止材を用いることができる。例えば、補助端子8には締め付けトルクが加わらないので、ハーメチックシールによって蓋板3に封止固着してもよいし、シート状や接着剤状の封止材を用いることもできる。
【0058】
また、上記実施形態では、外部端子4と補助端子8とを別部品とする場合を示したが、図6に示すように、外部端子4が補助端子8も兼用することにより、この補助端子8や接続導体9を用いないようにすることもできる。即ち、図6に示す非水電解質二次電池は、外部端子4のかしめ筒4cが、補助端子8の第1かしめ筒8bの代わりに電池容器1内に嵌入して集電接続体5の接続部5aにかしめられるようになっている。そして、蓋板3では、上方に四角形状に突出させた凸部からなる回り止め部3bのこの凸部の中央部に端子引出貫通孔3aを開口している。さらに、外部絶縁封止材6は、端子絶縁材10を兼用するために、上面には外部端子4の回り止め凹部4dに嵌合する四角形の凸部を有し、下面には蓋板3の回り止め部3bに嵌合する四角形の凹部を有する係止部6cが設けられると共に、この係止部6cの中央部に外部絶縁封止材6の本来の貫通孔が形成されている。
【0059】
上記図6に示した非水電解質二次電池の場合も、ナットをボルト部4bに締め付ける際に回転しようとする外部端子4は、回り止め凹部4dに外部絶縁封止材6を介して嵌合した蓋板3の回り止め部3bによって確実に回り止めされる。しかも、蓋板の回り止め部は、蓋板のプレス加工時に端子引出貫通孔3aや安全弁3dと共に容易に一体的に形成することができ、サイズの異なる電池の端子構造も共通化させることができる。そして、この場合も、回り止め部3bと外部絶縁封止材6と外部端子4の形状は上記と同様に任意であり、他の構成も上記と同様に適宜変更することができる。
【0060】
また、上記実施形態では、電池容器1や蓋板3がアルミニウム合金や鋼等からなる場合を示したが、これら電池容器1や蓋板3の材質は任意であり、金属以外のものを用いてもよく、例えば絶縁性の材質を用いることもできる。さらに、これら電池容器1と蓋板3の形状や構造も、上記実施形態に限定されず任意である。
【0061】
また、上記実施形態では、大型の非水電解質二次電池について説明したが、電池の種類や大きさ(容量)も任意である。
【符号の説明】
【0062】
1 電池容器
2 発電要素
2a 金属箔
3 蓋板
3a 端子引出貫通孔
3b 回り止め部10
3c 回り止め凹部
4 外部端子
4a 台座部
4b ボルト部
4c かしめ筒
4d 回り止め凹部
5 集電接続体
5a 接続部
6 外部絶縁封止材
6a 外部端子凹部20
6b 補助端子凹部
7 内部絶縁封止材
8 補助端子
8a 台座部
8b 第1かしめ筒
8c 第2かしめ筒
9 接続導体
9a かしめ孔
9b 端子貫通孔
10 端子絶縁材30
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8