(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体は、前記多機能デバイスの外部のフラットな表面上への前記多機能デバイスの配置を促すフラットな表面を有し、前記筐体の前記フラットな表面は、前記複写アセンブリの前記フラットな透明表面と平行であり、
前記CMOS画像センサは、前記筐体の前記フラットな表面と前記複写アセンブリの前記フラットな透明表面との間の、前記印刷アセンブリが配置される前記多機能デバイスの前記筐体における領域に配置される、請求項1に記載の多機能デバイス。
前記光学光導電体は、前記カバーが前記開位置にあるときに、回転して、前記光学光導電体を周辺光に曝す度合いを低減するよう構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の多機能デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一部の実施形態で、多機能デバイスアーキテクチャの様々なコンポーネントの構成および関連する技術を記載する。以下の詳細の記載は、記載の一部を成す添付図面を参照しながら行われ、添付図面では、同様の参照番号は、全図面にわたり同様の部材を示し、添付図面は本発明を実施可能な実施形態を示す。場合によっては他の実施形態も利用可能であり、本発明の範囲を逸脱することなく構造上および論理上の変更を加えることもできる。従って、以下の詳細な記載は限定的な意味合いで捉えられるべきではなく、本発明における実施形態の範囲の定義は、添付請求項およびその均等物によってのみ行われる。
【0016】
以下の記載は、「底部」等、投影図を基にした記述を含む。この記述は説明をし易くする意図を持ち、本発明の実施形態の用途に制限を加える意図はないことを理解されたい。
【0017】
本発明において、「A/B」という言い回しは、AまたはB、という意味である。本発明において、「Aおよび/またはB」といった言い回しは、(A)、(B)、または(AおよびB)という意味である。本発明において、「A、B、およびCの少なくとも1つ」といった言い回しは、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、BおよびC)という意味である。
【0018】
「一実施形態において(in an embodiment)」、「実施形態において(in embodiments)」等の言い回しは、それぞれ同じ実施形態または異なる実施形態の1以上のことを示していてよい。さらに、「備える」「含む」「有する」等の用語は、本発明の実施形態では同義語を意図している。
【0019】
図1は、本発明の様々な実施形態における多機能デバイス(MFD)100の概略図である。MFD100においては、筐体102、レーザモジュール104、光学光
導電体(OPC)106、OPCカートリッジ108、転送メカニズム110、定着器112、エリアアレイCMOS(相補型金属酸化膜半導体)画像センサ114、光源116、透明表面118、入力トレー120、ピックメカニズム122、ガイド124、およびカバー/出力トレー126が図示されているように連結されている。様々な実施形態においては、MFD100のコンポーネントの数は、図示されているものよりも多くても少なくてもよい。
【0020】
MFD100は、MFD100の1以上のコンポーネント(例えば、印刷アセンブリまたは複写アセンブリのコンポーネント)を実質的にカバーする筐体102を含む。筐体102は、筐体102内のコンポーネントを、光、埃、その他のゴミ等の望ましくないものから実質的に保護し、さらに、MFD100の人目に触れない(unsightly)、あるいは危険なメカニズムを、ユーザから見えなくしたりユーザが触れたりしないようにする。一実施形態では、筐体102は、実質的にフラットな表面128を含み、MFD100をMFD100の外部の実質的にフラットな表面に載せさせる。
【0021】
MFD100は、筐体102内に搭載される印刷アセンブリを含んでよい。印刷アセンブリは、1以上のドキュメントを印刷するよう構成され、1以上のドキュメントの印刷に関与する様々なコンポーネントを含んでよい。印刷アセンブリコンポーネントの種類は、MFD100が用いる印刷技術に応じて決めることができる。例えば、MFD100は、レーザ技術および/またはインクジェット技術に応じた印刷アセンブリを含むことができる。他の実施形態においては他の印刷技術がサポートされてよい。
【0022】
図1に示す実施形態では、MFD100は、レーザ印刷技術用にレーザモジュール104を含む。レーザモジュール104は、レーザビーム105を生成して、有機光
導電体(OPC)106等の光
導電体に画像を投影する。OPC106は、例えば、帯電回転ドラムを含むことができる。OPC106はカートリッジ108を伴って設けられる。カートリッジ108はOPC106を保護したり、および/または、レーザ印刷に関する他の機能(スキャンまたはビームの位置合わせに利用される光学系またはミラー等)を提供したりする。
【0023】
レーザビーム105は、所望の画像に応じてOPC106の領域の電荷を変化させて、所望の画像に応じてドライインクまたはトナー等の粒子をOPC106へと静電的に引き付ける。OPC106は、転送メカニズム110の1以上のドキュメントの上に押圧される、または、その上で回転させられる。
定着器112は、ドライインクまたはトナーを1以上のドキュメントにしっかり塗布(bond)するべく熱および圧力を加える。1以上の実施形態において、1以上のドキュメントには紙が含まれてよいが、この点に限定はされず、他の実施形態では他の印刷媒体を含んでもよい。
【0024】
図1は印刷経路130を方向矢印で例示している。印刷経路130は、ドキュメントが印刷処理を受ける際に辿るMFD100の経路である。MFD100は入力トレー120を含み、入力トレー120は、1以上のドキュメントをMFD100の印刷アセンブリにより印刷するべく受け取り、保持する。ピックメカニズム122は、1以上のドキュメントを印刷経路130に沿って移動させて、例えばレーザモジュール104、OPC106、転送メカニズム110、および/または、
定着器112に関して記載する処理を含む印刷処理を施す。ガイド124は、1以上のドキュメントをカバー/出力トレー126に運ぶ。カバー/出力トレー126は、複写に利用される隣接する透明表面118をカバーするよう構成されるとともに、さらには、1以上の印刷済みドキュメント用の出力トレーとしても機能するよう構成される二重目的構造であってよい。
【0025】
MFD100は、筐体102内に設けられるエリアアレイCMOS画像センサ114および光源116を有する複写アセンブリを含む。1以上の実施形態では、複写アセンブリを印刷アセンブリと統合して、同じ領域を共有させることもできる。例えば、複写アセンブリのエリアアレイCMOS画像センサ114および光源116が、MFD100の同じ領域を、印刷アセンブリのコンポーネント(例えばレーザモジュール104、OPC106、および/または、転送メカニズム110)との間で共有することができる。
【0026】
エリアアレイCMOS画像センサ114は、携帯電話のカメラへの用途等に幅広く利用されているものを含む幅広い画像センサを表すことを意図している。エリアアレイCOMS画像センサ114は本明細書ではフルアレイ、エリアアレイ、またはCMOS画像センサ、またはこれらの組み合わせとも称される。一実施形態では、CMOS画像センサは、アクティブ画素センサ(APS)を含む。今後、エリアアレイCMOS画像センサ114のことを、「CMOS画像センサ」114と称する。本明細書で利用される「CMOS画像センサ」のなかの「CMOS」という用語は、この種類の画像センサの通常利用されている
商品名であってよく、例えばリニアアレイ接触型画像センサ(CIS)および/または電荷結合素子(CCD)センサと区別される。
【0027】
従来、「CMOS」という用語は、様々な材料からデバイスを形成する特定の製造方法のことを意味する場合もあるが、本明細書におけるCMOSという用語の意味は、特定の製造方法に限定されない。例えば、「CMOS」に含まれる「金属酸化物半導体」という用語は、従来は、半導体に形成される酸化物材料に金属ゲートが形成された電界効果トランジスタの物理構造のことを示す。しかし新興している半導体技術では、従来の金属、酸化物、および半導体以外の材料を利用して同様のデバイスを形成できることもあり、これらの物理構造も慣習上または商業取引上、同様にCMOSデバイスと称される場合がある。同様に、本明細書で利用される「CMOS」という用語は、例えばこれら異なる材料構造を利用する新興している半導体技術により形成された画像デバイスセンサを含むことが意図されている。
【0028】
CMOS画像センサ114は、1以上の画像を複写用に撮像するよう構成される。一実施形態では、CMOS画像センサ114は、1つのドキュメントの画像全体を一度に撮像するよう構成されている。例えば、CMOS画像センサ114は、リニアアレイ技術のように、画像を撮像する目的に1以上のドキュメントをスキャンする必要がない。一実施形態では、CMOS画像センサ114は、MFD100の透明表面118上に配置される1以上のオブジェクトを撮像することのできる光路132を含む。
【0029】
CMOS画像センサ114は、歪みが少なく、焦点距離が短くなるよう構成することができる。このようなCMOS画像センサ114により、透明表面118に対
してCMOS画像センサ114
を中心からずらした位置決めが可能となる。
【0030】
MFD100の複写アセンブリはさらに、CMOS画像センサ114の光路132に設けられる実質的にフラットな透明表面118を含み、この実質的にフラットな透明表面118でCMOS画像センサ114が撮像するオブジェクトを支持する。撮像用オブジェクトは、1以上のドキュメント、写真、三次元オブジェクト等の様々な物品を含むことができる。実質的にフラットな透明表面118は、ガラス、プラスチック、または任意の他の適切な材料を含むことで、実質的にフラットな透明表面を撮像/複写用に提供することができる。
【0031】
一実施形態では、複写アセンブリの実質的にフラットな透明表面118は、筐体102の実質的にフラットな表面128に対して実質的に平行である。CMOS画像センサ114は、複写アセンブリの実質的にフラットな透明表面118と、筐体102の実質的にフラットな表面128との間の、印刷アセンブリを配置する筐体102の領域内に設けられる。
【0032】
MFD100はさらに、MFD100に連結されており「開」位置と「閉」位置との間で動くことのできるカバー126を含む。開位置においてカバー126は、透明表面118を実質的に露呈し、閉位置においてカバー126は透明表面118を実質的にカバーする。カバー126はさらに、閉位置において1以上の印刷済みドキュメントの出力トレーとして機能するよう構成することができる。例えば、ガイド124は、印刷済みドキュメントをカバー126の表面に出力することができる。ユーザは、カバー126を開く前等に印刷済みドキュメントを取り除くことができる。
【0033】
MFD100はさらに、カバーと動作可能に連結され、カバー126が開位置にあるときレーザモジュール104を
無効にするよう構成された
連動装置134を含む。1以上の実施形態において、
連動装置134は、機械的または電気的な
連動装置、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
連動装置134は、メンテナンスまたは修理(カートリッジ108交換、紙詰まり解消等)のためにMFD100を開ける際にレーザモジュール104を
無効にする目的から、このメカニズムを含むことができる。1以上の実施形態では、透明表面118はさらに、レーザモジュール104のレーザ光が複写アセンブリの透明表面118から逃げないよう遮蔽するフィルタコーティングを含む。様々な実施形態においてこれら
特徴の組み合わせを実装することができる。これら
特徴は、透明表面118からレーザの漏れを防ぐまたは低減することによって、レーザ印刷モジュール104を利用する上での安全性を高めることができる。
【0034】
OPC106が光に過剰に曝さないようにするための様々な特徴をMFD100に実装することができる。一実施形態では、OPC106は、カバー126が開位置にあるときに、および/または、光源116が動作可能にされたときに、回転するよう構成されて、OPC106を周辺光または照明光に局所的に過度に曝さないようにする。MFD100はさらに、カバー126に動作可能に連結された
遮光構造136を含むことで、カバー126が開位置にあるときにOPC106が周辺光に曝されないようにする、または曝す度合いを低減することができる。例えば、連動装置134によりカバーが開かれていることを示して信号を送り、透明表面118から入ってくる光からOPC106を保護することのできる位置まで
遮光構造136を移動させることができる。
遮光構造126は、一実施形態ではシャッターメカニズムを含む。
【0035】
MFD100はさらに、筐体102内に設けられた光源116を含む。光源116は、CMOS画像センサ114の撮像を可能とする光を提供することのできる様々な光源のうち、任意のものを含むことができる。一実施形態では、光源116は、1以上の発光ダイオード(LED)および/または冷陰極蛍光ランプ(CCFL)を含み、1以上のカラー光または白色光を含んでよい。
【0036】
CMOS画像センサ114の天然の解像度を上げる目的に複数の画像処理技術を利用することができる。一実施形態では、MFD100は、CMOS画像センサ114を利用して複数の画像を撮像して、これらを組み合わせることで、有効解像度が高く、ノイズが低く、コントラストの向上した高度な画像を生成することができる。一実施形態では、MFD100は、光源116の露光時間および/または照明レベルを異ならせることで複数の画像を撮像するよう構成される。画像処理技術には、CMOS画像センサ114が撮像する複数の画像を組み合わせることで1つの画像の天然の解像度を上げる目的に公知の技術が含まれてよい。光源116は、より長い露光時間が可能になるよう構成することで、低コストの光源116にすることもできる。
【0037】
1以上の実施形態において、複数の画像は、CMOS画像センサ114の配置を僅かに変化させることで撮像することができる。このようなマイクロポジショニングは、例えば発振
変換器、固定
戻り止めアクチュエータ、または可撓性の支柱またはバネ、またはこれらの組み合わせに対してCMOS画像センサ114を搭載することで実現することができる。撮像された画像は、CMOS画像センサ114位置フィードバックを提供するためにMFD100に連結された1以上の基準部材(fiduciary)からの位置データを利用して画像処理用に位置合わせされてよい。基準部材は、撮像された画像からの所望の画像の位置の決定を促すよう構成されるマークを含み、撮像画像の組み合わせに必要なより複雑な相関関数を行う必要性を除去することができる。様々な実施形態において、CMOS画像センサ114は、固定された位置または半固定された位置に搭載することができる。
【0038】
一以上の実施形態では、画像処理技術を組み合わせることができる。例えば一実施形態では、MFD100の複写アセンブリを、露光時間および/または照明レベルを異ならせることにより、および/または、CMOS画像センサ114の配置を僅かに変化させることで、オブジェクトの複数の画像を撮像することにより、画像の解像度を上げるよう構成される。プロセッサを含むMFD100その他の外部電子デバイスは、さらに、CMOS画像センサ114位置フィードバックのために、および、複数の画像を組み合わせて高度な総合画像を生成するために、筐体102内に設けられる1以上の基準部材から取得される情報を利用して画像処理用に複数の画像を位置合わせするよう構成されてよい。
【0039】
一以上の実施形態においては、連続カラー照明技術を利用することにより画質を挙げることができる。例えば、CMOS画像センサ114のカラーモザイクフィルタを除去する、あるいは全く実装しないようにすることで、CMOS画像センサ114の光学センサエレメントの感度を上げることができる。撮像された画像を再構築する際にモザイク解除アルゴリズムを利用する必要がない場合もあるので、CMOS画像センサ114がカラーモザイクフィルタを備えなくても解像度を上げることは可能である。一実施形態では、光源114は、CMOS画像センサ114が撮像した複数の連続画像の各々に対して異なる照明カラーを提供して、各画像を撮像するのに利用された照明カラーのデータを利用することでカラー画像を再構築するよう構成される。一実施形態では、光源114は、任意の順序の緑色光、赤色光、および/または、青色光を利用して1以上の連続画像を撮像するよう構成される。
【0040】
光源116の反射を低減させる、またはなくす目的に様々な技術を実装することができる。
図3を参照して本発明の様々な実施形態における反射低減技術を説明する。
【0041】
一実施形態では、光源116は、先行する画像に対する電荷回路の感度(ゴース
トを含む)を下げるようOPC106を予め調整するよう構成される。例えば、光学系/ミラーおよび関連するメカニズムを
組み立てることで、印刷処理中に予め調整する目的から、光源116からの光をOPC106に方向付けることができる。
【0042】
図2は、本発明の様々な実施形態における多機能デバイス(MFD)200を別の角度から見た概略図である。
図2は、MFD200を別の角度から示すことで、
図1のMFD100に関して説明した構成および配置をより明らかにしている。一実施形態のMFD200においては、筐体202、レーザモジュール204、光学光
導電体(OPC)206、OPCカートリッジ208、転送メカニズム210、定着器212、CMOS画像センサ214、光源216、透明表面218、ピックメカニズム222、ガイド224、およびカバー/出力トレー226が図示されているように配置されている。
図2はさらに、CMOS画像センサ214の光路232と、MFD200の印刷経路230とを示している。MFD200のコンポーネントは、MFD100の同様のコンポーネントに関して上述した実施形態と同様のものであってよい。様々な実施形態においては、MFD200のコンポーネントの数は、図示されているものよりも多くても少なくてもよい。
【0043】
一実施形態では、筐体102を、透明表面218を含むMFD200の部分を開くことができたり、取り外し可能とすることにより、レーザモジュール204、CMOS画像センサ214、光源216、OPC206、カートリッジ208、または用紙経路230の1以上のドキュメント等の内部コンポーネントにアクセスを可能として、修理および/またはメンテナンスを行うことができる。MFD200の上部を周辺マーカ238で区切ることにより、1以上のヒンジその他の同様のメカニズムによりMFD200の底部に上部を連結することで、MFD200を開けて修理またはメンテナンスを行うことができる。
【0044】
MFD200内では、複写アセンブリが印刷アセンブリと融合および/または統合されているが、この構成は、通常複写アセンブリが印刷アセンブリの上に搭載される従来のMFDとは対照的である。このようにすることで、MFD200のアーキテクチャを従来のMFDのものより小型にすることができ、材料費を下げることができ、包装、格納、および出荷にまつわるコストも下げることができ、および/または、単一の印刷デバイスから僅かにサイズを大きくすることで複写機能を追加することができるようになるという利点を提供することができる。本明細書で記載する実施形態におけるMFD200においては、例えばスキャンデバイスが組み込まれたMFDよりも利用される移動部材を少なくすることができるので、静かな動作、および/または、信頼性の向上が期待できる。
【0045】
CMOS画像センサ214の種類のセンサを利用することで、カメラ付携帯電話の画像センサの大規模生産を促進することができるようになり、将来これらセンサの解像度が向上した際にも低コストを実現することができるようになる。1以上の実施形態におけるMFD200が提供する、一度にページ全体をスキャンする機能により、センサをページに対して動かして、あるいは、ページをセンサに対して動かして一度に1ラインのデータをスキャンする従来のスキャンデバイスよりも高速な複写が可能となる。
【0046】
図3は、光源からの反射を低減する技術を示す概略図である。光源は、各カラー光について2以上の光源316、317を含み、反射効果を低減する、または、反射効果をなくす。CMOS画像センサ314は、CMOS画像センサ114またはCMOS画像センサ214に関して記載した実施形態に適合してよく、第1の光源316および第2の光源317は、光源116または光源216に関して記載した実施形態に適合してよく、透明表面318は、透明表面118または透明表面218に関して記載した実施形態に適合してよい。
【0047】
本明細書におけるMFD内への光源の配置は、CMOS画像センサ314の様々な視野により制限される場合がある。例えば、CMOS画像センサ314の視野に入らない透明表面318の非常に近くに、または透明表面318に隣接した位置に、光源を配置してしまうと、照明角度が非常に浅くなり、照明を均一にするために大きなコストがかかったり、複雑な処理が必要となったりする場合がある。
【0048】
図3に示すように光源316、317を配置することにより、一例として領域360において反射が検知される。つまり、方向矢印が示すように第1の光源316からの光が透明表面318で反射してCMOS画像センサ314で検知される。このような反射が検知される際には、撮像された画像にはグレアが生じる場合がある。同様に、一例では、第2の光源317からの光が透明表面318で反射して、領域370で反射が検知される。
【0049】
一実施形態では、各照明カラーについて2以上の光源316、317を異なる位置に配置して、領域360、370において検知される反射を、CMOS画像センサ314により異なる位置で撮像する。各光源316、317を連続照射して各画像を撮像することにより、組み合わせた画像から領域360、370で検知される反射をなくすことができる。例えば、領域360、370で検知される反射を、アルゴリズムの利用により、または、メカニズム
上の経験に基づく
特性評価により決定することができる。画像処理を利用して公知の技術により、組み合わせた画像から既知の反射領域360、370を低減または除去することができる。
【0050】
図4は、本発明の様々な実施形態における多機能デバイス(MFD)を
組み立てる方法を示すプロセスフロー図である。方法400では、ブロック402で、MFDの1以上のコンポーネントを実質的にカバーするよう筐体を構成することと、ブロック404で1以上のドキュメントを印刷するよう筐体内の印刷アセンブリを構成することと、ブロック406で、1以上の画像を複写用に撮像するよう筐体内に配置されるCMOS画像センサを含む複写アセンブリを構成することとが含まれる。
【0051】
一実施形態では、筐体を構成することには、MFDの外部の実質的にフラットな表面へのMFDの配置を促すよう、筐体の実質的にフラットな表面を提供することが含まれる。筐体の実質的にフラットな表面は、複写アセンブリの実質的にフラットな透明表面に対して実質的に平行であるよう構成されてよく、その逆も然りである。CMOS画像センサは、複写アセンブリの実質的にフラットな透明表面と、筐体の実質的にフラットな表面との間の、印刷アセンブリを配置するMFDの筐体の領域内に設けられる。印刷アセンブリおよび複写アセンブリを統合することで、MFDの
空洞内の作業空間を共有させることができる。
【0052】
印刷アセンブリは、MFDの筐体内にレーザ印刷用のレーザモジュールを構成して、レーザモジュールに動作可能に連結された光学光
導電体(OPC)を構成することにより構成することができる。OPCのレーザモジュールへの動作可能な連結は、印刷動作中にレーザモジュールからレーザ光を受け取ることにより達成することができる。
【0053】
方法400によるMFDの
組み立てはさらに、印刷アセンブリによる印刷に備えて1以上のドキュメントを受け取る入力トレーを構成することと、1以上のドキュメントを印刷経路に沿って動かすピックメカニズムを構成することとを含む。MFDアセンブリはさらに、カバーを多機能デバイスに連結させて、カバーを開位置と閉位置との間で可動にすることを含む。カバーは、複写アセンブリの実質的にフラットな透明表面をカバーするよう構成されてよく、および/または、閉位置において1以上のドキュメントの出力トレーとして機能するよう構成されてよい。
【0054】
MFDの
組み立てはさらに、カバーが開位置にあるときにレーザモジュールを
無効にするよう
連動装置を構成すること、または、実質的にフラットな透明表面にフィルタコーティングを施して、レーザモジュールのレーザ光を遮蔽すること、またはこれらの組み合わせを含む。
連動装置を構成すること、および/または、フィルタコーティングを施すことにより、複写アセンブリの実質的にフラットな透明表面からレーザ印刷アセンブリのレーザ光の漏れを防ぐ、または、低減することができる。上述した安全性に関する
特徴により、MFDのユーザがレーザに曝される危険を減らすことができる。
【0055】
OPCは、MFDの組み立て中にカバーが開位置にあるときに、および光源が動作可能にされたときに、回転するよう構成されて、OPCを周辺光または照明光に曝す度合いを低減させる。MFDを組み立てる方法400はさらに、カバーに動作可能に連結された
遮光構造を構成することで、カバーが開位置にあるときにOPCが周辺光に曝されないようにする、または曝す度合いを低減することができる。
遮光構造は、一実施形態では、シャッターメカニズムに従って動作するよう構成されてよい。
【0056】
複写アセンブリを構成することには、光源を、レーザ印刷におけるゴーストを低減するよう光学光
導電体を予め調整するよう構成することが含まれる。光学系および/またはミラーを利用することで、例えば、印刷処理中に光源からの光をOPCに方向付けることで、印刷収差(printing aberration)を生じうるOPC上の電荷収差(charge aberration)を低減することができる。
【0057】
複写アセンブリを構成することにはさらに、機械的および/または演算的な技術を利用することで画像の解像度を上げることが含まれてよい。一実施形態では、画像の解像度の向上は、露光時間および/または照明レベルを異ならせることにより、および/または、CMOS画像センサの配置を僅かに変化させることで、オブジェクトの複数の画像を撮像して、CMOS画像センサの位置フィードバックのために筐体内に設けられる1以上の基準部材を利用して画像処理用に複数の画像を位置合わせして、これら複数の画像を組み合わせることで、解像度の向上した総合画像を生成することで、行われる。画像の組み合わせ等の画像処理は、公知の技術により行うことができる。
【0058】
複写アセンブリを構成することにはさらに、CMOS画像センサが撮像する複数の連続画像の各々に対して異なる照明カラーを提供して、各画像を撮像するのに利用された照明カラーのデータを利用することでカラー画像を再構築するように、光源を構成することが含まれてよい。CMOS画像センサは、カラーモザイクフィルタなしに設計することができる。または、1以上の実施形態でカラーモザイクフィルタをなくすこともできる。
【0059】
光源は、それぞれ異なる照明カラーについて2以上の光源を構成することにより構成することができる。それぞれ異なるカラーについての2以上の光源は、それぞれ異なる位置に配置することができ、該それぞれ異なる位置から画像を連続して撮像して、反射の低減した画像の組み合わせを生成するよう構成することができる。反射低減効果の実施形態は
図3を参照して詳述されている。方法400は、
図1−
図3に関して上述した処理および技術に適合してよい。
【0060】
請求される主題を最もよく理解させるべく、様々な処理を複数の別個の動作または処理として記載してきた。しかし、記載における順序は、これら処理が必ずしも順序に依存していることを示すとして捉えられるべきではない。特に、これら処理は提示された順序で実行されなくてもよい。記載される処理は、記載されている実施形態とは異なる順序で実行することも可能である。別の実施形態では、様々な処理を追加することもでき、および/または、記載された処理を省くこともできる。
【0061】
一部の実施形態について図示および記載してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変形例および/または均等な実施形態で、図示および記載された実施形態を置き換えることができる。本願は、説明した実施形態の変形例または変更例全てを網羅することを意図する。従って、本発明による実施形態は、請求項およびその均等物のみによる制限が意図されている。