特許第5881072号(P5881072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5881072水平電界型液晶ディスプレイ装置およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881072
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】水平電界型液晶ディスプレイ装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20160225BHJP
【FI】
   G02F1/1368
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2010-57532(P2010-57532)
(22)【出願日】2010年3月15日
(65)【公開番号】特開2010-217893(P2010-217893A)
(43)【公開日】2010年9月30日
【審査請求日】2013年2月14日
【審判番号】不服2014-22758(P2014-22758/J1)
【審判請求日】2014年11月7日
(31)【優先権主張番号】200910079953.0
(32)【優先日】2009年3月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】閔 泰▲ユプ▼
(72)【発明者】
【氏名】裴 揚
(72)【発明者】
【氏名】王 靜
(72)【発明者】
【氏名】高 文寶
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 藤本 義仁
【審判官】 吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−62798(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0263749(US,A1)
【文献】 特開平2−15241(JP,A)
【文献】 特開平10−288796(JP,A)
【文献】 特開2002−258262(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0039592(US,A1)
【文献】 特開2000−155336(JP,A)
【文献】 特開2000−250066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶層、及び前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた複数のスペーサーと、を備える水平電界型液晶ディスプレイ装置において、
前記第1の基板は、複数の薄膜トランジスターと、前記複数の薄膜トランジスターを駆動するゲートライン及びデータラインと、前記複数の薄膜トランジスター上に設けられたブラックマトリックスと、前記ブラックマトリックス上に設けられたカラー樹脂とを備え、
前記第2の基板は、複数の画像電極と、前記画像電極と対応し且つ水平電界を形成する共通電極とを備え、前記画電極と前記共通電極は前記第2の基板上のみに形成され、
前記スペーサーは、前記第2の基板上の各前記画像電極と第1の基板上の相応した各前記薄膜トランジスターをそれぞれ電気的に接続する導電スペーサーであることを特徴とする水平電界型液晶ディスプレイ装置。
【請求項2】
各前記導電スペーサーは、前記画像電極と前記薄膜トランジスターを電気的に接続するように、その一端が、対応した前記画電極上に設けられ、その他端が、対応した前記薄膜トランジスター上に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記画像電極に前記共通電極と共に水平電界を形成する複数のスリットが設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記共通電極に、前記画像電極と共に水平電界を形成する少なくとも一つのスリットが設けられたことを特徴とする請求項3に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置。
【請求項5】
水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法であって、
複数の薄膜トランジスターと、前記複数の薄膜トランジスターを駆動するゲートライン及びデータラインを設けた第1の基板を提供し、且つ、前記複数の薄膜トランジスター上にブラックマトリックスを形成し、前記ブラックマトリックス上にカラー樹脂を形成するステップ1と、
複数の画像電極、及び前記画像電極と対応し且つ水平電界を形成する共通電極を設けた第2の基板を提供し、前記画電極と前記共通電極が前記第2の基板上のみに形成されているステップ2と、
前記第1の基板上の各前記画像電極と第2の基板上の相応した各前記薄膜トランジスターをそれぞれ電気的に接続する複数の導電スペーサーを形成するステップ3と、
前記第1の基板と前記第2の基板をセル化し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を提供し、且つ前記導電スペーサーによって前記薄膜トランジスターと前記画像電極とを電気的に接続するステップ4と、
を含むことを特徴とする水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項6】
前記ステップ3において、前記導電スペーサーの一端が前記第1の基板の前記薄膜トランジスター上に形成され、且つ他端が露出され、更に前記ステップ4において、前記導電スペーサーの他端が前記第1の基板の前記画像電極と接触することを特徴とする請求項5に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ3において、前記導電スペーサーの一端が前記第2の基板の前記画像電極上に形成され、且つ他端が露出され、更に前記ステップ4において、前記導電スペーサーの他端が前記第1の基板の前記薄膜トランジスターと接触することを特徴とする請求項5に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項8】
前記画像電極上に前記共通電極と共に水平電界を形成する複数のスリットを形成することを特徴とする請求項5に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項9】
前記共通電極上に、前記画像電極と共に水平電界を形成する少なくとも一つのスリットを形成することを特徴とする請求項8に記載の水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平電界型液晶ディスプレイ装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置(Liquid Crystal Display,LCD)は、重要なパネルディスプレー(Flat Panel Display,FPD)の一つである。
【0003】
液晶を駆動する電界の方向によって、液晶ディスプレイ装置は、垂直電界型液晶ディスプレイ装置と水平電界型液晶ディスプレイ装置に分けることができる。垂直電界型液晶ディスプレイ装置はねじれネマチック(Twist Nematic,TN)型液晶ディスプレイ装置を備える。水平電界型液晶ディスプレイ装置はフリンジ電界切替(Fringe Field Switching,FFS)型液晶ディスプレイ装置とインプレイン・スイッチング(In−Plane Switching,IPS)型液晶ディスプレイ装置を備える。
【0004】
液晶ディスプレイ装置においては、普通に画像電極と共通電極との間に蓄積容量が形成され、画像電極とデータラインとの間に寄生容量が形成されている。蓄積容量は画像をディスプレイするように液晶を配列するために用いられるが、寄生容量は干渉容量であって液晶の正常な配列を妨害している。よって、液晶ディスプレイ装置を製造する過程において、寄生容量による不良を防止するために、画像電極とデータラインとの間に所定の間隔を設置することができる。ただし、これによって、ブラックマトリックスの遮蔽面積が増えるため、開口率が低くなる。開口率は液晶ディスプレイ装置を評価する主要な指標の一つであり、一般的にに開口率が高ければ高いほど、好ましい。
【0005】
開口率を向上する従来の技術として、画像電極とデータラインとの間に厚い有機絶縁層を塗布し、画像電極とデータラインとの間の直線距離を増加させることによって、寄生容量の干渉を下げる、という方法が含まれる。即ち、データラインを形成した後に、基板上に有機絶縁膜を形成し、最後に当該有機絶縁膜上に画像電極を形成する。有機絶縁膜を添加する当該方法によって、開口率を30%程度向上させることができる。
【0006】
開口率を向上するほかの従来の技術は、アレイ基板上にカラー樹脂を形成する、という方法が含まれる。
【0007】
幅広い視角は液晶ディスプレイ装置を評価する主要的指標の一つでもある。水平電界技術は幅広い視角を実現する技術において広く応用されている技術である。
【0008】
図面1は従来の水平電界型液晶ディスプレイ装置の断面概略図である。図面1に示すように、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置は、第1の基板11と第2の基板21とを備える。第1の基板11においては、共通電極13が第1の基板11に位置し、ゲート電極12が共通電極13の一側に位置し、ゲート絶縁層14がゲート電極12と共通電極13を覆い、ゲート電極12より上方に半導体層15が設けられ、半導体層15にデータライン16が設けられ、パッシベーション層17が基板の全体を覆い、画像電極18がパッシベーション層17上に形成され、画像電極18がパッシベーション層17のビアホールによってデータラインと電気的に接続する。
【0009】
ここで、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置は、第1の基板上に画像電極と共通電極を形成することにより水平電界を形成し、且つ水平電界で水平面内に液晶の配列を制御することによって、より良い広視角性能を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
水平電界型液晶ディスプレイ装置の構造は垂直電界型液晶ディスプレイ装置の構造とは異なるので、上記の、開口率を向上する二つの技術を採用することができない。
【0011】
具体的に言えば、水平電界型液晶ディスプレイ装置に第1の開口率を向上する技術が採用されるならば、画像電極と共通電極との間の直線距離が大きくなるため、有効に水平電界を形成することができない。水平電界型液晶ディスプレイ装置に第2の開口率を向上する技術が採用されるならば、カラー樹脂が水平電界領域内に位置するが、液晶が水平電界領域外に位置するので、水平電界を形成したとしても、当該水平電界で有効に液晶を配列することができない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は水平電界型液晶ディスプレイ装置を提供する。当該水平電界型液晶ディスプレイ装置は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた複数のスペーサーと、を備える。前記第1の基板は、複数の薄膜トランジスターと、前記複数の薄膜トランジスターを駆動するゲートライン及びデータラインとを備える。前記第2の基板は、複数の画像電極と、前記画像電極と対応し且つ水平電界を形成する共通電極とを備える。前記スペーサーは前記第2の基板上の各前記画像電極と、第1の基板上の相応した各前記薄膜トランジスターをそれぞれ電気的に接続する導電スペーサーである。
【0013】
本発明は水平電界型液晶ディスプレイ装置の製造方法も提供する。当該製造方法は、複数の薄膜トランジスターと、前記複数の薄膜トランジスターを駆動するゲートライン及びデータラインを設けた第1の基板を提供するステップ1と、複数の画像電極、及び前記画像電極と対応し且つ水平電界を形成する共通電極を設けた第2の基板を提供するステップ2と、前記第1の基板上の各前記画像電極と、第2の基板上の相応した各前記薄膜トランジスターをそれぞれ電気的に接続する複数の導電スペーサーを形成するステップ3と、前記第1の基板と前記第2の基板をセル化し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を提供し、且つ前記導電スペーサーによって前記薄膜トランジスターと前記画像電極とを電気的に接続するステップ4と、を含む。
【0014】
以下は、図面と実施例を通じて本発明の技術案を更に細かく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の水平電界型液晶ディスプレイ装置の断面概略図である。
図2】本発明の液晶ディスプレイ装置の第1実施例の概略図である。
図3】本発明の液晶ディスプレイ装置の第2実施例の概略図である。
図4】本発明の液晶ディスプレイ装置の第3実施例の概略図である。
図5】本発明の液晶ディスプレイ装置の第4実施例の概略図である。
図6】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第1実施例の流れ図である。
図7a】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例の流れ図である。
図7b】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。
図7c】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。
図7d】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。
図7e】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。
図7f】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において画像電極を形成する概略図である。
図7g】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
図8a】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例の流れ図である。
図8b】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。
図8c】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。
図8d】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。
図8e】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。
図8f】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において画像電極を形成する概略図である。
図8g】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
図9a】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例の流れ図である。
図9b】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。
図9c】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。
図9d】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。
図9e】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。
図9f】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において画像電極を形成する概略図である。
図9g】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
図10a】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例の流れ図である。
図10b】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。
図10c】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。
図10d】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。
図10e】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。
図10f】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において画像電極を形成する概略図である。
図10g】本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.本発明の液晶ディスプレイ装置の第1実施例について
図面2は本発明の液晶ディスプレイ装置の第1実施例の概略図である。図面2に示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置100は水平電界型液晶ディスプレイ装置であって、第1の基板11と、第2の基板21と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶層(図示しない)と、を備える。
【0017】
第1の基板11は、複数の薄膜トランジスターと、当該複数の薄膜トランジスターを駆動するゲートライン及びデータライン16とを備える。第2の基板21は、複数の画像電極18と、及び画像電極18と対応し且つ水平電界を形成する共通電極13とを備える。前記液晶ディスプレイ装置は、第2の基板21上の各前記画像電極と、第1の基板11上の相応した各前記薄膜トランジスターをそれぞれ電気的に接続する導電スペーサー24を更に備える。
【0018】
さらに、第1の基板11において、ゲート電極12が、相応したゲートラインと接続され、或いは一体的に形成され、ゲート絶縁層14がゲート電極12を覆い、ゲート電極12より上方に半導体層15が設けられ、半導体層15の両端にそれぞれドレイン電極19と、データライン16と接続或いは一体的に形成されたソース電極と、が設けられる。
【0019】
本実施例の液晶ディスプレイ装置100は、第1の基板11上に薄膜トランジスター・アレイを設け、第2基板21上に共通電極13と画像電極18を形成し、且つ導電スペーサー24によって第1の基板11上の薄膜トランジスターと第2基板21上に位置した画像電極18を電気的に接続することにより、データライン16と画像電極18との間の距離を増加させる。これによって、データライン16と画像電極18との間の直線距離を有効に増加させる。データライン16と画像電極18との間の直線距離を増加させた後に、データライン16と画像電極18との間の水平距離を短くすることができるので、画像電極18の面積を増加させることに寄与するため、開口率の向上に寄与する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置100が共通電極13と画像電極18との間に形成された水平電界に影響をしないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置100において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置100は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0020】
本実施例においては、前記画素電極18と前記薄膜トランジスターを電気的に接続するように、各導電スペーサー24の一端が、第2の基板21上に対応した画素電極18上に設けられ、他端が、第1の基板11上に対応した薄膜トランジスター上に設けられる。
【0021】
本実施例の液晶ディスプレイ装置においては、第1の基板11又は第2の基板21上に位置したカラー樹脂を更に備える。
【0022】
本実施例の液晶ディスプレイ装置においては、第1の基板11又は第2の基板21上に位置したブラックマトリックスを更に備える。
【0023】
本実施例においては、画像電極18に複数のスリットが設けられ、且つ共通電極13がスリットのない板状電極であると、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置100はフリンジ電界切替(FFS)型液晶ディスプレイ装置である。共通電極13が少なくとも一つのスリットを有すると、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置100はインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0024】
2.本発明の液晶ディスプレイ装置の第2実施例について
図面3は本発明の液晶ディスプレイ装置の第2実施例の概略図である。図面3に示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置200は水平電界型液晶ディスプレイ装置であって、第1の基板11と、第2の基板21と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶層(図示しない)と、を備える。
【0025】
第1の基板11においては、薄膜トランジスターが第1の基板11上に位置し、カラー樹脂22が前記薄膜トランジスター上に位置し、前記薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32が設けられる。第2の基板21においては、共通電極13が第2の基板21上に位置し、ブラックマトリックス23が共通電極13の間に位置する。ブラックマトリックス23は共通電極13の周縁部分と重なり、当該位置に共通電極13上に位置する。第1の絶縁層25が前記共通電極13上に位置する。画像電極18は第1の絶縁層25上に位置し、且つ少なくとも一つのスリットを有する。導電スペーサー24は画像電極18上に位置して、前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19とを電気的に接続するために用いられる。本実施例において、薄膜トランジスターは第1実施例のものと同じでも良い。
【0026】
本実施例の液晶ディスプレイ装置200は、第1の基板11上に薄膜トランジスター・アレイを設け、第2基板21上に共通電極13と画像電極18を形成し、且つ導電スペーサー24によって第1の基板11上に設けられた薄膜トランジスターと第2基板21上に位置した画像電極18を電気的に接続することにより、データライン16と画像電極18との間の距離を増加させる。これによって、データライン16と画像電極18との間の直線距離を有効に増加させる。データライン16と画像電極18との間の直線距離を増加させた後に、データライン16と画像電極18との間の水平距離を短くすることができるので、画像電極18の面積を増加させることに寄与するため、開口率の向上に寄与する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置200が共通電極13と画像電極との間に形成された水平電界を干渉しないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置200において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置200は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0027】
本実施例においては、共通電極13が少なくとも一つのスリットを有することができる。このように、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置は具体的にインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0028】
本実施例においては、薄膜トランジスター上にパッシベーション層(図示しない)を堆積することができ、且つ前記パッシベーション層上に前記カラー樹脂ビアホールと対応した位置にパッシベーション層ビアホールが設けられる。
【0029】
3.本発明の液晶ディスプレイ装置の第3実施例について
図面4は本発明の液晶ディスプレイ装置の第3実施例の概略図である。図面4に示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置300は水平電界型液晶ディスプレイ装置であって、第1の基板11と、第2の基板21と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶層(図示しない)と、を備える。
【0030】
第1の基板11においては、ブラックマトリックス23が第1の基板11上に位置し、第2の絶縁層26がブラックマトリックス23上に位置し、薄膜トランジスターが第2の絶縁層26上に位置し、カラー樹脂22が薄膜トランジスター上に位置し、薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32が設けられる。前記第2の基板21においては、共通電極13が第2の基板21上に位置し、第1の絶縁層25が共通電極13上に位置し、画像電極18が第1の絶縁層25上に位置し、且つ少なくとも一つのスリットを有する。導電スペーサー24は画像電極18上に位置し、前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19とを電気的に接続するために用いられる。本実施例において、薄膜トランジスターは第1実施例のものと同じでも良い。
【0031】
本実施例の液晶ディスプレイ装置300においては、第1の基板11上にブラックマトリックス23と薄膜トランジスター・アレイを順次設け、第2基板21上に共通電極13と画像電極18を形成し、且つ導電スペーサー24によって第1の基板11上に設けられた薄膜トランジスターと第2基板21上に位置した画像電極18を電気的に接続する。これによって、第1の基板11上にブラックマトリックス23、カラー樹脂22及び薄膜トランジスター・アレイが形成された場合でも、液晶を水平電界の外に位置させないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置300は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0032】
本実施例においては、共通電極13が少なくとも一つのスリットを有することができる。このように、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置は具体にインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0033】
本実施例においては、薄膜トランジスター上にパッシベーション層(図示しない)を堆積することができる。
【0034】
4.本発明の液晶ディスプレイ装置の第4実施例について
図面5は本発明の液晶ディスプレイ装置の第4実施例の概略図である。図面5に示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置400は水平電界型液晶ディスプレイ装置であって、第1の基板11と、第2の基板21と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶層(図示しない)と、を備える。
【0035】
第1の基板11においては、薄膜トランジスターが第1の基板11上に位置し、ブラックマトリックス23が薄膜トランジスター上に位置し、カラー樹脂22がブラックマトリックス23上に位置し、前記薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32とブラックマトリックスビアホール33が設けられる。前記第2の基板21においては、共通電極13が第2の基板21上に位置し、第1の絶縁層25が共通電極13上に位置し、画像電極18が第1の絶縁層25上に位置し、且つ少なくとも一つのスリットを有する。導電スペーサー24は画像電極18上に位置し、前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19とを電気的に接続するために用いられる。本実施例において、薄膜トランジスターは第1実施例のものと同じでも良い。
【0036】
本実施例の液晶ディスプレイ装置400においては、第1の基板11上に薄膜トランジスター・アレイとブラックマトリックス23を順に設け、第2基板21上に共通電極13と画像電極18を形成し、且つ導電スペーサー24によって第1の基板11上に設けられた薄膜トランジスターと第2基板21上に位置した共通電極13と画像電極18を電気的に接続する。これによって、第1の基板11上にブラックマトリックス23、カラー樹脂22及び薄膜トランジスター・アレイが形成された場合でも、液晶を水平電界の外に位置させないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置400は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0037】
本実施例においては、共通電極13が少なくとも一つのスリットを有することができる。このように、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置は具体的にインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0038】
本実施例においては、薄膜トランジスター上にパッシベーション層(図示しない)を堆積することができ、且つ前記パッシベーション層上に前記カラー樹脂ビアホールと対応した位置にパッシベーション層ビアホールが設けられる。このとき、ブラックマトリックスビアホール33、パッシベーション層ビアホール、及びカラー樹脂ビアホール32は同じ位置に位置し、且つ互いに貫通し合う。
【0039】
5.本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第1実施例について
図面6は本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第1実施例の流れ図である。図面6に示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法は、複数の薄膜トランジスターと、前記複数の薄膜トランジスターを駆動するゲートライン及びデータラインを設けた第1の基板を提供するステップ1と、複数の画像電極、及び前記画像電極と対応し且つ水平電界を形成する共通電極を設けた第2の基板を提供するステップ2と、前記第1の基板上の各前記画像電極と、第2の基板上の相応した各前記薄膜トランジスターをそれぞれ電気的に接続する複数の導電スペーサーを形成するステップ3と、前記第1の基板と前記第2の基板をセル化し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を提供し、且つ前記導電スペーサーによって前記薄膜トランジスターと前記画像電極とを電気的に接続するステップ4と、を含む。
【0040】
本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法は、第1の基板上に薄膜トランジスター・アレイを形成し、第2基板上に共通電極と画像電極を形成し、且つ導電スペーサーによって第1の基板上に位置した薄膜トランジスターと第2基板上に位置した画像電極を電気的に接続することにより、データラインと画像電極との間の距離を増加させる。これによって、データラインと画像との間の直線距離を有効に増加させる。データラインと画像との間の直線距離を増加させた後に、データラインと画像電極との間の水平距離を短くすることができるので、画像電極の面積を増加させることに寄与するため、開口率の向上に寄与する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置が共通電極と画像電極との間に形成された水平電界を干渉しないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0041】
本実施例においては、前記ステップ3において、前記導電スペーサーの一端が、前記第1の基板の前記薄膜トランジスター上に形成され、且つ他端が露出され、更に前記ステップ4において、前記導電スペーサーの他端が前記第2の基板の前記画像電極と接触する。即ち、導電スペーサーを第1の基板に形成してから、セル化の過程において導電スペーサーの他端を第2の基板の画像電極と接触させることができる。
【0042】
本実施例においては、若しくは、前記ステップ3において、前記導電スペーサーの一端が前記第2の基板の前記画像電極上に形成され、且つ他端が露出され、更に前記ステップ4において、前記導電スペーサーの他端が前記第1の基板の前記薄膜トランジスターと接触する。即ち、導電スペーサーを第2の基板に形成してから、セル化の過程において導電スペーサーの他端を第1の基板の薄膜トランジスターと接触させることができる。
【0043】
本実施例においては、前記画像電極上に前記共通電極と共に水平電界を形成する複数のスリットを形成することができる。画像電極に複数のスリットが形成され、且つ共通電極にスリットが形成されないと、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置はフリンジ電界切替型液晶ディスプレイ装置である。共通電極にも少なくとも一つのスリットが形成されると、当該水平電界型液晶ディスプレイ装置はインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0044】
本実施例においては、前記ステップ1は、提供された前記第1の基板に更にカラー樹脂を形成することを含む。若しくは、前記ステップ2は、提供された前記第2の基板に更にカラー樹脂を形成することを含む。二つの基板上にカラー樹脂が形成されない場合は、背光モジュールにおいて三原色を具備する光源が採用されることができる。例えば、発光ダイオードなどである。
【0045】
本実施例においては、前記ステップ1は、提供された前記第1の基板に更にブラックマトリックスを形成することを含む。若しくは、前記ステップ2は、提供された前記第2の基板に更にブラックマトリックスを形成することを含む。ブラックマトリックスが形成されないと、液晶ディスプレイ装置の輝度を最大化することができるが、データラインとゲートラインより上方に存在する光学不良が肉眼で見える可能性がある。
【0046】
6.本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例について
図7aは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例の流れ図である。図7bは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。図7cは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。図7dは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。図7eは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。図7fは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において画像電極を形成する概略図である。図7gは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
【0047】
図7a〜図7gに示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法は、以下のようなステップを含む。
【0048】
ステップ101では、図7bに示すように、第1の基板上に薄膜トランジスターを形成する。ここで、薄膜トランジスターを形成する方法は、従来の、或いは将来に開発されうる技術を採用することができるので、ここで贅言しない。薄膜トランジスターは、ゲート電極12と、ゲート絶縁層14と、半導体層15と、ドレイン電極19と、データライン16と接続し或いは一体的に形成されたソース電極と、を備える。ゲート電極12は、相応したゲートラインと接続し、或いは一体的に形成される。
【0049】
ステップ102では、図7cに示すように、前記薄膜トランジスター上にカラー樹脂22を形成し、且つ前記薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32を設ける。
【0050】
ステップ103では、図7dに示すように、前記第2の基板21上に先にブラックマトリックス23を形成してから、共通電極13を形成する。ブラックマトリックス23は共通電極13の間に形成され、ブラックマトリックス23の周辺が共通電極13の周辺と互いに重なり、且つ共通電極13の周辺はブラックマトリックス23の周辺上に位置する。
【0051】
ステップ104では、図7eに示すように、第1の絶縁層25が基板の全体表面を覆うように、前記共通電極13と前記ブラックマトリックス23上に第1の絶縁層25を堆積する。
【0052】
ステップ105では、図7fに示すように、前記共通電極13より上方に少なくとも一つのスリットを有する画像電極18を形成する。
【0053】
ステップ106では、図7gに示すように、前記画像電極18上においてカラー樹脂ビアホール32と対応した位置に前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する導電スペーサー24を形成する。
【0054】
その後に、製造された第1の基板11と第2の基板21をセル化し、且つ第1の基板11と第2の基板21により形成された液晶セル内に液晶層(図示しない)を設ける。セル化の後に、導電スペーサー24により前記画像電極18と相応した前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する。
【0055】
本実施例において、ステップ101とステップ102は第1の基板の製造方法であり、ステップ103〜106は第2の基板の製造方法である。
【0056】
本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法においては、第1の基板上に薄膜トランジスター・アレイを形成し、第2基板上に共通電極と画像電極を形成し、且つ導電スペーサーによって第1の基板上に位置した薄膜トランジスターと第2基板上に位置した画像電極を電気的に接続することにより、データラインと画像電極との間の距離を増加させる。これによって、データラインと画像との間の直線距離を有効に増加させる。データラインと画像との間の直線距離を増加させた後に、データラインと画像電極との間の水平距離を短くすることができるので、画像電極の面積を増加させることに寄与するため、開口率の向上に寄与する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置が共通電極と画像電極との間に形成された水平電界を干渉しないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0057】
本実施例においては、カラー樹脂を形成する前に、薄膜トランジスター上にパッシベーション層(図示しない)を堆積してから、パッシベーション層上に前記カラー樹脂を形成することができる。パッシベーション層上にビアホールを形成するために、パッシベーション層を堆積した後に、単独的にパッシベーション層ビアホールを形成することができ、カラー樹脂ビアホールを形成する時に同時に形成してもよい。
【0058】
本実施例においては、共通電極を形成した時に共通電極が少なくとも一つのスリットを有することができる。このように、当該液晶ディスプレイ装置の製造方法によって製造された液晶ディスプレイ装置はインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0059】
7.本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例について
図8aは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第2実施例の流れ図である。図8bは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。図8cは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。図8dは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。図8eは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。図8fは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において画像電極を形成する概略図である。図8gは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第3実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
【0060】
図8a〜図8gに示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法は、以下のようなステップを含む。
【0061】
ステップ201では、第1の基板上に薄膜トランジスターを形成する。ここで、薄膜トランジスターを形成する方法は、従来の、或いは将来に開発されうる技術を採用することができるので、ここで贅言しない。薄膜トランジスターは、図8bに示すように、ゲート電極12と、ゲート絶縁層14と、半導体層15と、ドレイン電極19と、データライン16と接続し或いは一体的に形成されたソース電極と、を備える。ゲート電極12が相応したゲートラインと接続し、或いは一体的に形成される。
【0062】
ステップ202では、図8cに示すように、前記薄膜トランジスター上にカラー樹脂22を形成し、且つ前記薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32を設ける。
【0063】
ステップ203では、前記第2の基板21上に先に共通電極13を形成してから、ブラックマトリックス23を形成する。図8dに示すように、ブラックマトリックス23は共通電極13の間に形成され、ブラックマトリックス23の周辺が共通電極13の周辺と互いに重なり、且つ共通電極13の周辺はブラックマトリックス23の周辺上に位置する。
【0064】
ステップ204では、図8eに示すように、第1の絶縁層25が基板の全体表面を覆うように、前記共通電極13と前記ブラックマトリックス23上に第1の絶縁層25を堆積する。
【0065】
ステップ205では、図8fに示すように、前記共通電極13より上方に少なくとも一つのスリットを有する画像電極18を形成する。
【0066】
ステップ206では、図8gに示すように、前記画像電極18上においてカラー樹脂ビアホール32と対応した位置に前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する導電スペーサー24を形成する。
【0067】
その後に、製造された第1の基板11と第2の基板21をセル化し、第1の基板11と第2の基板21により形成された液晶セル内に液晶層(図示しない)を設ける。セル化の後に、導電スペーサー24により前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する。
【0068】
本実施例において、ステップ201とステップ202は第1の基板の製造方法であり、ステップ203〜206は第2の基板の製造方法である。
【0069】
本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法においては、第1の基板上に薄膜トランジスター・アレイを形成し、第2基板上に共通電極と画像電極を形成し、且つ導電スペーサーによって第1の基板上に位置した薄膜トランジスターと第2基板上に位置した画像電極を電気的に接続することにより、データラインと画像電極との間の距離を増加させる。これによって、データラインと画像との間の直線距離を有効に増加させる。データラインと画像との間の直線距離を増加させた後に、データラインと画像電極との間の水平距離を短くすることができるので、画像電極の面積を増加させることに寄与するため、開口率の向上に寄与する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置が共通電極と画像電極との間に形成された水平電界を干渉しないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0070】
本実施例においては、カラー樹脂を形成する前に、薄膜トランジスター上にパッシベーション層(図示しない)を堆積してから、パッシベーション層上に前記カラー樹脂を形成することができる。パッシベーション層上にビアホールを形成するために、パッシベーション層を堆積した後に、単独的にパッシベーション層ビアホールを形成することができ、カラー樹脂ビアホールを形成する時に同時に形成してもよい。
【0071】
本実施例においては、共通電極が少なくとも一つのスリットを有することができる。このように、当該液晶ディスプレイ装置の製造方法によって製造された液晶ディスプレイ装置はインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0072】
8.本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例について
図9aは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例の流れ図である。図9bは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。図9cは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。図9dは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。図9eは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。図9fは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において画像電極を形成する概略図である。図9gは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第4実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
【0073】
図9a〜図9gに示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法は、以下のようなステップを具備する。
【0074】
ステップ301では、第1の基板上に先にブラックマトリックス23を形成してから、薄膜トランジスターを形成する。即ち、第1の基板上に先にブラックマトリックス23を形成してから、前記ブラックマトリックス23上に薄膜トランジスターを形成する。ここで、薄膜トランジスターを形成する方法は、従来の、或いは将来に開発されうる技術を採用することができるので、ここで贅言しない。図9bに示すように、薄膜トランジスターは、ゲート電極12と、ゲート絶縁層14と、半導体層15と、ドレイン電極19と、データライン16と接続し或いは一体的に形成されたソース電極と、を備える。ゲート電極12が相応したゲートラインと接続し、或いは一体的に形成される。
【0075】
ステップ302では、図9cに示すように、前記薄膜トランジスター上にカラー樹脂22を形成し、且つ前記薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32を設ける。
【0076】
ステップ303では、図9dに示すように、前記第2の基板21上に共通電極13を形成する。
【0077】
ステップ304では、図9eに示すように、第1の絶縁層25が基板の全体表面を覆うように、前記共通電極13と前記ブラックマトリックス23上に第1の絶縁層25を堆積する。
【0078】
ステップ305では、図9fに示すように、前記共通電極13より上方に少なくとも一つのスリットを有する画像電極18を形成する。
【0079】
ステップ306では、図9gに示すように、前記画像電極18上においてカラー樹脂ビアホール32と対応した位置に前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する導電スペーサー24を形成する。
【0080】
その後に、製造された第1の基板11と第2の基板21をセル化し、第1の基板11と第2の基板21により形成された液晶セル内に液晶層(図示しない)を設ける。セル化の後に、導電スペーサー24により前記画像電極18と相応した前記薄膜トランジスターのドレイン電極19とを電気的に接続する。
【0081】
本実施例において、ステップ301とステップ302は第1の基板の製造方法であり、ステップ303〜306は第2の基板の製造方法である。
【0082】
本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法においては、第1の基板上にブラックマトリックスと薄膜トランジスター・アレイを順に形成し、第2基板上に共通電極と画像電極を形成し、且つ導電スペーサーによって第1の基板上に位置した薄膜トランジスターと第2基板上に位置した画像電極を電気的に接続することにより、第1の基板上にブラックマトリックス、カラー樹脂及び薄膜トランジスター・アレイが形成された場合でも、液晶を水平電界の外に位置させないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0083】
本実施例においては、ブラックマトリックス23を形成してから、ブラックマトリックス23上に第2絶縁層を更に形成しても良い。
【0084】
本実施例においては、カラー樹脂22を形成する前に、薄膜トランジスター上にパッシベーション層(図示しない)を堆積してから、パッシベーション層上に前記カラー樹脂22を形成することができる。パッシベーション層上にビアホールを形成するために、パッシベーション層を堆積した後に、単独的にパッシベーション層ビアホールを形成することができ、カラー樹脂ビアホールを形成する時に同時に形成してもよい。
【0085】
本実施例においては、共通電極13を形成する時に少なくとも一つのスリットを形成することができる。このように、当該液晶ディスプレイ装置の製造方法によって製造された液晶ディスプレイ装置はインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0086】
9.本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例について
図10aは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例の流れ図である。図10bは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において薄膜トランジスターを形成する概略図である。図10cは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例においてカラー樹脂を形成する概略図である。図10dは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例においてブラックマトリックスと共通電極を形成する概略図である。図10eは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において第1の絶縁層を堆積する概略図である。図10fは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において画像電極を形成する概略図である。図10gは本発明の液晶ディスプレイ装置の製造方法の第5実施例において導電スペーサーを形成する概略図である。
【0087】
図10a〜図10gに示すように、本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法は、以下のようなステップを含む。
【0088】
ステップ401では、第1の基板上に先に薄膜トランジスターを形成してから、ブラックマトリックス23を形成する。即ち、第1の基板上に先に薄膜トランジスターを形成してから、前記薄膜トランジスター上にブラックマトリックス23を形成する。ここで、薄膜トランジスターを形成する方法は、従来の、或いは将来に開発されうる技術を採用することができるので、ここで贅言しない。薄膜トランジスターは、図10bに示すように、ゲート電極12と、ゲート絶縁層14と、半導体層15と、ドレイン電極19と、データライン16と接続し或いは一体的に形成されたソース電極と、を備える。ゲート電極12が相応したゲートラインと接続し、或いは一体的に形成される。
【0089】
ステップ402では、図10cに示すように、前記薄膜トランジスター上にカラー樹脂22を形成し、且つ前記薄膜トランジスターのドレイン電極19上にカラー樹脂ビアホール32を設ける。
【0090】
ステップ403では、図10dに示すように、前記第2の基板21上に共通電極13を形成する。
【0091】
ステップ404では、図10eに示すように、第1の絶縁層25が基板の全体表面を覆うように、前記共通電極13と前記ブラックマトリックス23上に第1の絶縁層25を堆積する。
【0092】
ステップ405では、図10fに示すように、前記共通電極13より上方に少なくとも一つのスリットを有する画像電極18を形成する。
【0093】
ステップ406では、図10gに示すように、前記画像電極18上においてカラー樹脂ビアホール32と対応した位置に前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する導電スペーサー24を形成する。
【0094】
その後に、製造された第1の基板11と第2の基板21をセル化し、第1の基板11と第2の基板21により形成された液晶セル内に液晶層(図示しない)を設ける。セル化の後に、導電スペーサー24により前記画像電極18と前記薄膜トランジスターのドレイン電極19を電気的に接続する。
【0095】
本実施例において、ステップ401とステップ402は第1の基板の製造方法であり、ステップ403〜406は第2の基板の製造方法である。
【0096】
本実施例の液晶ディスプレイ装置の製造方法においては、第1の基板上に薄膜トランジスター・アレイとブラックマトリックスを順に形成し、第2基板上に共通電極と画像電極を形成し、且つ導電スペーサーによって第1の基板上に位置した薄膜トランジスターと第2基板上に位置した画像電極を電気的に接続することにより、第1の基板上にブラックマトリックス、カラー樹脂及び薄膜トランジスター・アレイが形成された場合でも、液晶を水平電界の外に位置させないため、従来の技術によって水平電界型液晶ディスプレイ装置において開口率を向上する技術を採用できないという欠陥を克服する。また、本実施例の液晶ディスプレイ装置は、開口率を向上することによって液晶ディスプレイ装置の輝度を向上するため、輝度を向上する光学薄膜を適当に減少させることができるので、液晶ディスプレイ装置の製造コストを下げることができる。
【0097】
本実施例においては、ブラックマトリックス23を形成する前に、先に薄膜トランジスター上に第2絶縁層26を形成し、第2絶縁層26上にブラックマトリックス23を形成し、第2絶縁層26とブラックマトリックス23に薄膜トランジスターのドレイン電極と対応した位置に、第2絶縁層ビアホール36とブラックマトリックスビアホール33を形成する。
【0098】
本実施例においては、共通電極を形成する時に少なくとも一つのスリットを形成することができる。このように、当該液晶ディスプレイ装置の製造方法によって製造された液晶ディスプレイ装置はインプレイン・スイッチング(IPS)型液晶ディスプレイ装置である。
【0099】
最後に、以下のように説明する必要がある。即ち、上記した実施形態は、本発明の技術案を説明することのみに用いられるものであり、それを制限するものではない。前記実施例を参照して本発明を細かく説明したが、当業者は、依然として前記各実施例に記載の技術案によって修正し、或いはその中の一部の技術的特徴を均等的に切り替えることができ、この修正又は均等的な切り替えは相応した技術案の本質に本発明の各実施例の技術案の主旨と範囲から逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0100】
11 第1の基板
12 ゲート電極
13 共通電極
14 ゲート絶縁層
15 半導体層
16 データライン(ソース電極)
17 パッシベーション層
18 画像電極
19 ドレイン電極
21 第2の基板
22 カラー樹脂
23 ブラックマトリックス
24 導電スペーサー
25 第1の絶縁層
26 第2の絶縁層
32 カラー樹脂ビアホール
33 ブラックマトリックスビアホール
36 第2の絶縁層ビアホール
100、200、300、400 液晶ディスプレイ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図10g