(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワーク試験の対象であるネットワークを介して接続された第1のネットワーク試験装置及び第2のネットワーク試験装置を備えたネットワーク試験システムであって、
前記第1のネットワーク試験装置は、
前記第2のネットワーク試験装置により作業する第2の作業者へ前記ネットワーク試験の作業に必要な連絡をするための連絡メッセージの入力を第1の作業者から受ける連絡メッセージ入力部と、
前記ネットワーク試験を実施するための試験フレームに、前記連絡メッセージを含めて前記第2のネットワーク試験装置へ送信する試験フレーム送信部と、を備え、
前記第2のネットワーク試験装置は、
前記ネットワークを介して前記送信された試験フレームを受信することで前記ネットワーク試験を実施する試験フレーム受信部と、
前記受信した試験フレームに含まれる前記連絡メッセージを前記第2の作業者へ出力する連絡メッセージ出力部と、を備える、
ネットワーク試験システム。
前記第1のネットワーク試験装置は、前記試験フレーム送信部が送信した試験フレームを前記第2のネットワーク試験装置から折り返して受信し、当該受信した前記測定パターンを含む前記試験フレームを測定し、前記ネットワーク試験を実施する、
請求項4に記載のネットワーク試験システム。
ネットワーク試験の対象であるネットワークを介して接続された対向試験装置により作業する第2の作業者へ前記ネットワーク試験の作業に必要な連絡をするための連絡メッセージの入力を第1の作業者から受ける連絡メッセージ入力部と、
前記ネットワーク試験を実施するための試験フレームに、前記連絡メッセージを含めて前記対向試験装置へ送信する試験フレーム送信部と、を備えるネットワーク試験装置。
ネットワーク試験の対象であるネットワークを介して接続された対向試験装置から、前記ネットワークを介して試験フレームを受信することで前記ネットワーク試験を実施する試験フレーム受信部と、
前記受信した試験フレームに含まれる、前記対向装置により作業する第1の作業者から入力された連絡メッセージを第2の作業者へ出力する連絡メッセージ出力部と、を備える、ネットワーク試験装置。
ネットワーク試験の対象であるネットワークを介して接続された第1のネットワーク試験装置及び第2のネットワーク試験装置により実行されるネットワーク試験方法であって、
前記第1のネットワーク試験装置は、
前記第2のネットワーク試験装置により作業する第2の作業者へ前記ネットワーク試験の作業に必要な連絡をするための連絡メッセージの入力を第1の作業者から受け、
前記ネットワーク試験を実施するための試験フレームに、前記連絡メッセージを含めて前記第2のネットワーク試験装置へ送信し、
前記第2のネットワーク試験装置は、
前記ネットワークを介して前記送信された試験フレームを受信することで前記ネットワーク試験を実施し、
前記受信した試験フレームに含まれる前記連絡メッセージを前記第2の作業者へ出力する、
ネットワーク試験方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(本発明の特徴)
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明のネットワーク試験システム1は、試験対象であるネットワーク30を介して接続された第1のネットワーク試験装置10及び第2のネットワーク試験装置20を備えている。そして、第1のネットワーク試験装置10は、第2のネットワーク試験装置20により作業する第2の作業者23へネットワーク試験の作業に必要な連絡をするための連絡メッセージ41の入力を第1の作業者13から受ける連絡メッセージ入力部12と、ネットワーク試験を実施するための試験フレーム40に、連絡メッセージ41を含めて第2のネットワーク試験装置20へ送信する試験フレーム送信部11と、を備えることを主要な特徴としている。
【0019】
また、第2のネットワーク試験装置20は、ネットワーク30を介して送信された試験フレーム40を受信することでネットワーク試験を実施する試験フレーム受信部21と、受信した試験フレーム40に含まれる連絡メッセージ41を第2の作業者23へ出力する連絡メッセージ出力部22と、を備えることを主要な特徴としている。
【0020】
本発明によれば、ネットワーク試験装置が、作業者間の意思疎通のための連絡メッセージを試験フレームに含めて送受信することから、携帯電話等の通信手段の使用が禁止された遠隔の2拠点間においてネットワーク試験を行う場合であっても、遠隔の対向作業者とネットワーク試験前・試験中に限らずネットワーク試験やその試験結果に影響を与えることなく定型メッセージによる意思の疎通が可能となる。
【0021】
(本発明の実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態1に係るネットワーク試験システムの構成を示している。
図2に示されるように、このネットワーク試験システム200では、HUB局100aと携帯電話基地局100bがそれぞれネットワーク機器120a,120bを介し伝送路130で接続されている。ネットワーク試験機(ネットワーク試験装置)110aはHUB局100aの、ネットワーク試験機110bは携帯電話基地局100bの、それぞれネットワーク機器120a,120bに接続されている。
図2は、伝送路130の疎通確認と回線品質測定を行う場合の構成例である。
【0023】
HUB局100aと携帯電話基地局100bは、通信設備が接地される通信局100(100aもしくは100bのいずれかを100とも称する)の一例である。例えば、HUB局100aは、携帯電話基地局100bと、バックボーン等の他のネットワーク(不図示)とを接続して通信を中継する中継局である。携帯電話基地局100bは、アンテナを介して携帯電話(不図示)と無線通信するとともに、HUB局100aと有線接続することで、携帯電話とHUB局100aとを接続して通信を中継する基地局(中継局)である。
【0024】
伝送路130は、ネットワーク試験システムが試験対象とするネットワークの一例である。伝送路130は、例えば、光ケーブルで構成されているが、その他の有線伝送路でもよいし、無線伝送路であってもよい。また、伝送路130は、1本の伝送路(回線)として図示されているが、1本に限らず、複数の伝送路や複数の中継装置を介した種々のネットワークであってもよい。
【0025】
ネットワーク機器120(120aもしくは120bのいずれかを120とも称する)は、伝送路130に接続されるとともに、HUB局100aまたは携帯電話基地局100bにおいて、伝送路130を介した通信を可能にする装置である。例えば、伝送路130が光ケーブルであるとして、ネットワーク機器120は、光ケーブルの光信号と、銅線ケーブルの電気信号とを変換する、メディアコンバータである。
【0026】
ネットワーク試験機110(110aもしくは110bのいずれかを110とも称する)は、伝送路130の品質(帯域、遅延、損失、ゆらぎ)の測定や疎通確認等のネットワーク試験を行う試験機である。ネットワーク試験機110は、ネットワーク機器120及び伝送路130と着脱可能であり、試験を開始する際に、ネットワーク機器120を介して伝送路130に物理的に接続し、試験終了後に、ネットワーク機器120及び伝送路130から物理的に切り離す。ネットワーク試験では、ネットワーク試験機110を測定対象の回線(伝送路130)の両端に接続し、相互に測定用のイーサネット(登録商標)フレーム(測定フレーム)を送受信しあうことで品質を測定し、測定結果をリアルタイムで画面表示する。また、後述のように、ネットワーク試験機110は、作業者の意思疎通を可能にするために連絡メッセージの送受信も行う。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態1に係るネットワーク試験機110の構成を示している。
図3に示されるように、ネットワーク試験機110は、ネットワークインタフェース111、測定フレーム送受信部112、試験制御部113、連絡制御部114、ユーザインタフェース115を備えている。
図1との対応関係を説明すると、例えば、
図3の測定フレーム送受信部112及び試験制御部113が、
図1の試験フレーム送信部11及び試験フレーム受信部21に対応し、
図3の連絡制御部114及びユーザインタフェース115が、
図1の連絡メッセージ入力部12及び連絡メッセージ出力部22に対応している。
【0028】
ユーザインタフェース115は、ネットワーク試験機110を操作する作業者(ユーザ)との間で入力/出力を行うインタフェースである。ユーザインタフェース115は、例えば、ユーザへ画面表示により出力する表示装置やユーザから入力を受ける操作ボタン等で構成される。ユーザインタフェース115は、画面表示されたGUIをユーザが選択操作することで、操作に応じた試験の開始や連絡メッセージの送信等を、試験制御部113、連絡制御部114に指示する。
【0029】
試験制御部113は、ユーザインタフェース115を介したユーザの操作に従って、伝送路130を試験するための試験データ(測定パターン)を生成し、試験データの送信・受信、試験の開始・終了を制御する。生成した試験データは、測定フレーム送受信部112により測定フレーム(試験フレーム)に含まれて送信される。また、受信した試験データを含む測定フレームを測定し、測定結果をユーザインタフェース115を介してユーザへ出力する。
【0030】
連絡制御部114は、ユーザインタフェース115を介したユーザの操作に従って、試験作業のために必要な情報である連絡メッセージを生成し、連絡メッセージの送信・受信を制御する。連絡制御部114は、後述のように連絡メッセージとメッセージIDとの関連づけを行う。生成した連絡メッセージは、測定フレーム送受信部112により測定フレームに含まれて送信される。また、受信した連絡メッセージの内容は、ユーザインタフェース115を介してユーザへ出力する。
【0031】
測定フレーム送受信部112は、ネットワーク試験のための測定フレームを伝送路130を介して対向するネットワーク試験機110へ送信し、また、伝送路130を介して測定フレームを受信する。測定フレーム送受信部112は、試験制御部113が生成した試験データを測定フレームに含めるとともに、連絡制御部114が生成した連絡メッセージ(メッセージID)を測定フレームに含めて、一つの測定フレームとして送信する。また、測定フレーム送受信部112は、受信した測定フレームを解析して、測定フレームに含まれている試験データを試験制御部113へ通知し、測定フレームに含まれている連絡メッセージを連絡制御部114へ通知する。
【0032】
ネットワークインタフェース111は、ネットワーク機器120を介して伝送路130に接続するためのインタフェースである。例えば、ネットワークインタフェース111は、イーサネットインタフェースであり、対抗接続されるネットワーク試験機110との間でイーサネットフレームの送受信を可能にする。
【0033】
図4は、ネットワーク試験機110が伝送路130を介して送受信する測定フレーム(試験フレーム)300のフォーマットを示している。この測定フレーム300は、ネットワークのベアラ品質を測定するためのフレームである。
【0034】
測定フレーム300は、イーサネットフレームのフォーマットで構成され、フレームヘッダ領域301、データ領域302、FCS(Frame Check Sequence)領域303を有している。フレームヘッダ領域301には、宛先アドレスを格納するDA、送信元アドレスを格納するSA、VLANIDを格納するVLAN1、VALN2、データの種類を格納するTYPEの領域が含まれている。
【0035】
データ領域302には、オリジナルヘッダ領域310とペイロード領域320が含まれている。
【0036】
ペイロード領域320には、ネットワーク試験を行うための試験データ(測定パターン)が格納される。試験データには、任意のビットパターンが使用できる。例えば、全てのビット値を0とするALL0パターン、全てのビット値を1とするALL1パターン、PN15などの疑似ランダムパターンである。
【0037】
オリジナルヘッダ領域310は、ID領域311、ST領域312、M領域(メッセージID通知フィールド)311、SN領域314、Delay領域315が含まれている。ID領域311には、このフレームが測定フレーム(試験データを含む試験フレーム)であることを示すIDが設定される。
【0038】
ST領域312には、このフレームが試験フレーム、非試験フレームを含むか否かを示すRE情報、遅延測定を行うか否かを示すDE情報が設定される。例えば、RE情報が試験フレームを含めば、ペイロードの試験データが有効であり、RE情報が非試験フレームを含めば、次のM領域311の連絡メッセージが有効である。
【0039】
M領域(メッセージID通知フィールド)311は、連絡メッセージのメッセージIDを通知するための領域である。メッセージIDは、試験作業に必要となる連絡メッセージ毎に割り当てられている。例えば、メッセージ「Hello!」には「01」が割り当てられており、M領域311に「01」が設定されたフレームは、「Hello!」メッセージのフレームであることを示している。例えばネットワーク試験機110は、メッセージIDとメッセージ文字列とを対応付けたメッセージテーブルを記憶しており、このメッセージテーブルを参照することで、メッセージに対応するIDを送信し、受信したIDに対応するメッセージを出力する。測定フレーム300には、メッセージの文字列の代わりにメッセージIDを格納することで、オリジナルヘッダの長さが無駄に長くなることを防ぐことができる。なお、任意のメッセージを送受信するために、測定フレーム300にメッセージ文字列を格納したり、文字列を圧縮などで変換したデータを格納してもよいし、複数のフレームに分割して送信してもよい。
【0040】
SN領域314には、フレームのシーケンス番号が格納される。Delay領域315には、遅延測定用のデータが格納される。
【0041】
次に、
図5〜
図12を用いて、本発明の実施の形態1に係るネットワーク試験システムにより実施されるネットワーク試験方法について説明する。
図5、
図6は、ネットワーク試験の流れを示しており、
図7〜
図12は、
図5、
図6の各ステップでネットワーク試験機に表示される画面表示のイメージを示している。
【0042】
まず、ステップS400において、作業者は、それぞれHUB局100a、携帯電話基地局100bに入局し、手順書に従いネットワーク試験機110a、110bを、試験対象の伝送路130に接続されているネットワーク機器120a、120bに物理的に接続する。
【0043】
図7は、この接続が完了した時点で、ネットワーク試験機110に表示される試験画面500の画面イメージである。試験画面500は、測定データ502や品質判定503を含む測定表示領域501、MSG通知アイコン511やメッセージ表示フィールド512を含む連絡メッセージ領域510、送信開始アイコン521やループONアイコン522を含む測定操作領域520を有している。ステップS400の時点では、
図7の測定表示領域501の測定データ502のように、測定項目が全て0の状態となっている。
【0044】
次いで、ステップS401において、対向試験機であるネットワーク試験機110bがネットワーク(伝送路130)への接続を完了したか確認するため、ネットワーク試験機110aは、メッセージ「Hello!」を送信する。
【0045】
図7の試験画面500で、作業者がMSG通知アイコン511を選択すると、
図8の試験画面500に遷移する。試験画面500は、
図7では測定表示領域501であった領域が、連絡メッセージ選択領域530に切り替わる。連絡メッセージ選択領域530に表示された定型文の中から送信したいメッセージを選択することで、所望のメッセージを送信できる。
【0046】
連絡メッセージ選択領域530には、確認メッセージ用タブ531、依頼メッセージ用タブ532、応答メッセージ用タブ533が表示されている。そして、確認メッセージ用タブ531を作業者が選択すると、対向試験機に確認するための確認メッセージ一覧534が表示され、送信するメッセージの文字列534a〜534fが選択可能となる。ここでは、表示されている「Hello!」の文字列534aを選択し、メッセージ「Hello!」を送信する。
【0047】
ネットワーク試験機110aがメッセージ「Hello!」を送信すると、送信したことが試験画面500のメッセージ表示フィールド512に表示される。
図9に示すように、ネットワーク試験機110aが自ら送ったメッセージの内容は「自>>」の後に続けて、メッセージ表示フィールド512に表示される。「自>>」の表示に限らず、その他の文字列や記号等で自らの送信であることが理解できればよい。なお、メッセージ表示フィールド512にメッセージを表示する際に時刻やその他の情報を表示してもよい。
【0048】
メッセージの送信は、ネットワーク試験機110a(100bも同様)が、
図4で示したように送信する測定フレーム300の全てにあらかじめオリジナルヘッダ領域310を設け、オリジナルヘッダ領域310の中のメッセージID通知フィールド(M領域313)の部分を、選択したメッセージに対応した数値に置き換え送信することで実現している。
【0049】
次いで、ステップS402において、ネットワーク試験機110bは、対向試験機であるネットワーク試験機110aからメッセージ「Hello!」を受信し、ネットワーク試験機110bからも返事としてメッセージ「Hello!」を送信する。
【0050】
メッセージ「Hello!」を受信したネットワーク試験機110bでは、受信したしたことが試験画面500のメッセージ表示フィールド512に表示される。
図10に示すように、ネットワーク試験機110bは、対抗するネットワーク試験機110aから受信したメッセージの内容は「対>>」に続けて、メッセージ表示フィールド512に表示される。「対>>」の表示に限らず、アドレスやその他の文字列や記号等で対抗試験機の送信であることが理解できればよい。自試験機と対抗試験機とで文字列の色を変えて表示してもよい。また、メッセージの内容の他に、オリジナルヘッダの他の情報や測定フレームの他の情報を表示してもよい。
【0051】
メッセージの受信は、ネットワーク試験機110b(100aも同様)が、受信した測定フレーム300のオリジナルヘッダ領域310内のメッセージID通知フィールド(M領域313)を参照し、その通知されたIDに対応したメッセージを、試験画面500のメッセージ表示フィールド512に表示することで実現している。
【0052】
また、ネットワーク試験機110bは、ネットワーク試験機110aと同様に、
図8の試験画面500で、作業者が確認メッセージ用タブ531と「Hello!」の文字列534aを選択すると、メッセージ「Hello!」を送信する。
【0053】
次いで、ステップS403において、ネットワーク試験機110aは、対向試験機であるネットワーク試験機110bからメッセージ「Hello!」による応答を受信したため、ネットワーク試験機110bの接続を認識する。そして、ネットワーク試験機110aは、ネットワーク試験を開始してよいか確認するため、ネットワーク試験機110bへメッセージ「測定を開始してもいいですか?」を送信する。
【0054】
ネットワーク試験機110aは、
図8の試験画面500で、作業者が確認メッセージ用タブ531と「測定を開始してもいいですか?」の文字列534bを選択すると、メッセージ「測定を開始してもいいですか?」を送信する。
【0055】
次いで、ステップS404において、ネットワーク試験機110bは、対向試験機であるネットワーク試験機110aからメッセージ「測定を開始してもいいですか?」を受信し、試験の準備が整ったら、メッセージ「送信を開始して下さい。」を送信する。
【0056】
図11に示すように、試験画面500で依頼メッセージ用タブ532を作業者が選択すると、対向試験機に依頼するための依頼メッセージ一覧535が表示され、送信するメッセージの文字列535a〜535fが選択可能となる。ネットワーク試験機110bは、作業者が依頼メッセージ用タブ532と「送信を開始して下さい。」の文字列535aを選択すると、メッセージ「送信を開始して下さい。」を送信する。
【0057】
次いで、ステップS405において、ネットワーク試験を開始する。このネットワーク試験では、ステップS405〜S410で対抗試験を行い、ステップS414〜S419でループバック試験を行う。対向試験では、ネットワーク試験機110aからネットワーク試験機110bへ一方向に測定フレームを送信し、受信したネットワーク試験機110bで品質測定を行う。
【0058】
ネットワーク試験機110aは、ネットワーク試験機110bからメッセージ「送信を開始して下さい。」を受信したため、
図7の試験画面500の送信開始アイコン521を選択し試験データ(測定パターン)を含む測定フレームの送信を開始する。ネットワーク試験機110bでは、受信する測定フレームを測定し、測定結果を試験画面500に表示する。測定データ502に測定フレームの受信数やビットエラー等を表示する。また、ビットエラー数などに応じて品質を判定し、品質判定503に品質が良いことを示す「○」や品質が悪いことを示す「×」を表示する。
【0059】
次いで、ステップS406において、ネットワーク試験機110aは、試験終了後、対抗試験機であるネットワーク試験機110bの測定結果を確認するため、メッセージ「測定結果は良好ですか?」を送信する。
【0060】
ネットワーク試験機110aは、
図8の試験画面500で、作業者が確認メッセージ用タブ531と「測定は良好ですか?」の文字列534eを選択すると、メッセージ「測定は良好ですか?」を送信する。ステップS406〜S409では、試験実施中であるため、試験データ(測定パターン)と連絡メッセージのメッセージIDを含む測定フレーム300が送信される。
【0061】
次いで、ステップS407において、ネットワーク試験機110bは、対向試験機であるネットワーク試験機110aからメッセージ「測定結果は良好ですか?」を受信し、測定結果が良好かどうか判断し、良好な場合、メッセージ「はい」を送信する。
【0062】
ここでは、ネットワーク試験機110bでは、試験画面500の品質判定503に「○」が表示されており、品質が良好であるとする。
図12に示すように、試験画面500の応答メッセージ用タブ533を作業者が選択すると、対向試験機に応答するための応答メッセージ一覧536が表示され、送信するメッセージの文字列536a〜536dが選択可能となる。ネットワーク試験機110bは、作業者が応答メッセージ用タブ533と「はい」の文字列536aを選択すると、メッセージ「はい」を送信する。
【0063】
次いで、ステップS408において、ネットワーク試験機110aは、測定中の対向試験を終了する場合、ネットワーク試験機110bに試験の終了を確認するため、メッセージ「測定を終了してもいいですか?」を送信する。
【0064】
ネットワーク試験機110aは、
図8の試験画面500で、作業者が確認メッセージ用タブ531と「測定を終了してもいいですか?」の文字列534bを選択すると、メッセージ「測定を終了してもいいですか?」を送信する。
【0065】
次いで、ステップS409において、ネットワーク試験機110bは、対向試験機であるネットワーク試験機110aからメッセージ「測定を終了してもいいですか?」を受信し、このメッセージに応答するため、メッセージ「はい」を送信する。
【0066】
ネットワーク試験機110bは、
図12の試験画面500で、作業者が応答メッセージ用タブ533と「はい」の文字列536aを選択すると、メッセージ「はい」を送信する。
【0067】
次いで、ステップS410において、ネットワーク試験を終了する。ネットワーク試験機110aは、ネットワーク試験機110bからメッセージ「はい」を受信したため、作業者が
図7の試験画面500の送信開始アイコン521を再度選択すると、測定フレームの送信を停止する。これにより、対抗試験が終了する。
【0068】
続けてループバック試験を開始する場合、ステップS411〜S413のように、ループバック試験の準備を行う。ステップS411において、ネットワーク試験機110aは、対抗試験機であるネットワーク試験機110bをループバック設定にする必要があるため、メッセージ「ループバックを設定して下さい。」を送信する。
【0069】
ネットワーク試験機110aは、
図11の試験画面500で、作業者が依頼メッセージ用タブ532と「ループバックを設定して下さい。」の文字列535dを選択すると、メッセージ「ループバックを設定して下さい。」を送信する。
【0070】
次いで、ステップS412において、ネットワーク試験機110bは、対抗試験機であるネットワーク試験機110aからメッセージ「ループバックを設定して下さい。」を受信し、このメッセージに応答するため、メッセージ「了解しました。」を送信する。
【0071】
ネットワーク試験機110bは、
図12の試験画面500で、作業者が応答メッセージ用タブ533と「了解しました。」の文字列536cを選択すると、メッセージ「了解しました。」を送信する。
【0072】
次いで、ステップS413において、ネットワーク試験機110bは、自試験機であるネットワーク試験機110bにループバックの設定をした後、対向試験機であるネットワーク試験機110aにメッセージ「送信を開始して下さい。」を送信する。
【0073】
ネットワーク試験機110bは、
図11の試験画面500で、作業者がループONアイコン522を選択することでループバックを設定し、作業者が依頼メッセージ用タブ532と「送信を開始して下さい。」の文字列535aを選択すると、メッセージ「送信を開始して下さい。」を送信する。
【0074】
次いで、ステップS414において、ネットワーク試験(ループバック)を開始する。ループバック試験では、ネットワーク試験機110aからネットワーク試験機110bへ測定フレームを送信し、ネットワーク試験機110bで測定フレームを折り返してネットワーク試験機110aに送信し、折り返し受信したネットワーク試験機110aが品質測定を行う。
【0075】
ネットワーク試験機110aは、ネットワーク試験機110bからメッセージ「送信を開始して下さい。」を受信したため、
図7の試験画面500の送信開始アイコン521を選択し試験データ(測定パターン)を含む測定フレームの送信を開始する。ネットワーク試験機110bでは、ループバックを設定しているため、測定フレームを折り返して送信し、折り返された測定フレームをネットワーク試験機110aが測定し、測定結果を試験画面500に表示する。対向試験と同様に、測定データ502に測定フレームの送信数、受信数やビットエラー等を表示する。また、品質を判定して品質判定503に「○」や「×」を表示する。
【0076】
次いで、ステップS415において、ネットワーク試験機110bは、対抗試験機であるネットワーク試験機110aの測定結果を確認するため、メッセージ「測定結果は良好ですか?」を送信する。ここでは、ネットワーク試験機110bは、ステップS406と同様に試験画面500を選択しメッセージ「測定は良好ですか?」を送信する。ステップS415〜S418では、試験実施中であるため、試験データ(測定パターン)と連絡メッセージのメッセージIDを含む測定フレーム300が送信される。
【0077】
次いで、ステップS416において、ネットワーク試験機110aは、対抗試験機であるネットワーク試験機110bからメッセージ「測定結果は良好ですか?」を受信し、測定結果が良好かどうか判断し、良好な場合、メッセージ「はい」を送信する。ここでは、ネットワーク試験機110aは、ステップS407と同様に試験画面500を選択して、メッセージ「はい」を送信する。
【0078】
次いで、ステップS417において、ネットワーク試験機110aは、判断した測定結果に問題がなければ、試験を終了するため、ネットワーク試験機110bへメッセージ「測定を終了してもいいですか?」を送信する。ここでは、ネットワーク試験機110aは、ステップS408と同様に試験画面500を選択しメッセージ「測定を終了してもいいですか?」を送信する。
【0079】
次いで、ステップS418において、ネットワーク試験機110bは、対抗試験機であるネットワーク試験機110aからメッセージ「測定を終了してもいいですか?」を受信し、このメッセージに応答するため、メッセージ「はい」を送信する。ここでは、ネットワーク試験機110bは、ステップS409と同様に試験画面500を選択しメッセージ「はい」を受信する。
【0080】
次いで、ステップS419において、試験を終了する。ネットワーク試験機110aは、ネットワーク試験機110bからメッセージ「はい」を受信したため、
図7の試験画面500の送信開始アイコン521を再度選択して、測定フレームの送信を停止する。これにより、ループバック試験が終了し、全てのネットワーク試験が終了する。
【0081】
図5では、ステップS405〜S410、S414〜S419のように対向でネットワーク試験を実施している最中でも、試験フレームのオリジナルヘッダ領域内のメッセージIDを変更することで試験を中断したり試験結果に影響を与えることなく連絡メッセージの送受信が可能である。
【0082】
以上のように、本実施形態では、連絡メッセージにより意思疎通可能な意思疎通機能をネットワーク試験機に搭載するようにした。そして、このネットワーク試験機では、ネットワーク試験機から送信されるフレーム全てにあらかじめオリジナルヘッダ領域を設け、その領域に定型メッセージのメッセージIDを埋め込み、受信側のネットワーク試験機でメッセージIDを読みとることで、連絡メッセージの送受信を行うようにした。これにより作業者の意思の疎通が可能となる。あらかじめ送信される全てのフレームにオリジナルヘッダ領域を設けていることで、フルワイヤレートでのネットワーク試験中も連絡メッセージの送受信が可能であり、またその試験結果に影響を与えることはない。
【0083】
すなわち、試験の開始前〜終了後まで遠隔の対向作業者との合図・確認作業や意思の疎通を試験対象機器の前から離れることなく実施することができる。このため、作業効率の向上・作業時間の短縮、情報セキュリティに多大な効果がある。
【0084】
また、定型メッセージを採用していることにより必要以上の情報を流すことがなく、高い情報セキュリティレベルが得られる。
【0085】
(本発明の他の実施の形態)
ネットワーク試験では、対象ネットワークや経路中のネットワーク機器がビットエラーを正しく処理できるか試験するために意図的にビットエラーを挿入する試験をすることがある。
【0086】
図2、
図3で示したネットワーク試験機110でも、測定フレーム300に意図的に疑似ビットエラーを挿入することができる。そして、ネットワーク試験機110は、この擬似ビットエラーを含む測定フレーム300を受信したときのみ、
図7のメッセージ表示フィールド512に擬似ビットエラーを受信した旨を表示する。
【0087】
これにより、試験対象ネットワークや経路中のネットワーク機器によって引き起こされたビットエラーなのか、意図的に挿入した擬似ビットエラーなのかをその場で判断する事が出来るという利点があり、作業効率の向上・試験結果の信頼性の向上に効果がある。
【0088】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記の例では、対抗する2台のネットワーク試験機で試験を行ったが、3台以上のネットワーク試験機により試験を行ってもよい。この場合には、メッセージを送信する際に、送信先の試験機を指定してメッセージを送信する。