【文献】
「パラディエンジェル」,パチスロ必勝ガイド2004年3月号,株式会社白夜書房,2004年 3月 1日,p.92-93,受入日は2004年1月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
≪第1実施形態≫
<遊技機10の外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機10の外観構成を示す斜視図である。
【0021】
本実施形態に係る遊技機10は、スロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれる、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体の増減を楽しむ機会を遊技者に提供するための機械である。遊技媒体としては、メダル及びパチンコ玉のうちどちらが用いられても構わないが、以降の説明では、便宜的に遊技媒体はメダルであるとして説明する。
【0022】
本実施形態に係る遊技機10は、収納箱11、前面上扉12、及び前面下扉13を含む筐体1を備えている。前面上扉12の中央近傍には、表示窓14が配置されている。また、前面上扉12の上部には、演出部15が配置されており、前面上扉12の下部には、遊技情報表示部18及び3つのランプ5、6、7が配置されている。
【0023】
また、前面下扉13の上部には、メダル投入部(ベット部の一部)19、ベットボタン(ベット部の一部)20、スタートレバー(回転開始操作部)21、第1のストップボタン(左ボタン:停止操作部)3a、第2のストップボタン(中ボタン:停止操作部)3b、及び第3のストップボタン(右ボタン:停止操作部)3cが配置されている。さらに、前面下扉13の下部には、メダル払出口22、メダル受け皿23が配置されている。
【0024】
遊技機10の筐体1の内部には、第1のリール4a、第2のリール4b及び第3のリール4cを有するリールユニット75(
図6参照)が収納されている。また、筐体1の内部において、リールユニット75の下側の位置には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット77(
図6参照)が収納されている。また、筐体1の内部には、メイン制御基板30及びサブ制御基板50(
図6参照)も収納されている。
【0025】
リール4a、4b、4cは、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマには複数種類の図柄のうちいずれかの図柄が配列されている。なお、本明細書中においては、リール4a、4b、4cのうちいずれか1つのリールを指す場合にリール4と表記することとする。
【0026】
リール4a、4b、4cは、それぞれステッピングモータの出力軸に支持されており、ステッピングモータの駆動に応じて回転可能とされている。ステッピングモータは、ロータと、複数のコイルを有するステータとを備えている。ステッピングモータは、メイン制御部31(
図5参照)から供給される駆動パルスに応じてリール4a、4b、4cを回転させ、駆動パルスの供給の停止に応じてリール4a、4b、4cを停止させる。なお、ステッピングモータの駆動パルス数やパルス幅を調整することによって、リール4a、4b、4cのコマ単位での停止制御が可能とされている。
【0027】
本実施形態においては、ステッピングモータは、基本ステップ角度が1.43度に設定されている4相のコイル(つまり、4つのコイル)を有する。また、ステッピングモータのパルスの出力方式として、1−2相励磁方式が採用されている。ここで、1−2相励磁方式とは、1相励磁方式(1つのコイルに電流を流す方式)及び2相励磁方式(2つのコイルに電流を流す方式)を交互に切り換える方式である。
【0028】
リール4a、4b、4cには、それぞれ1つずつインデックス(被検出部)が設けられている。このインデックスは、例えば、突片であり、リール4a、4b、4cの一部を構成する回転ドラムの内側に設けられている。対応して、リールユニット75には、インデックスの通過を検出するインデックス検出装置76(
図6参照)が設けられている。
【0029】
インデックス検出装置76は、リール4a、4b、4cに1つずつ設けられたインデックスの通過をそれぞれ検出する合計で3つのインデックスセンサ(検出部)を有している。この3つのインデックスセンサは、例えば、リールユニット75の枠体に対して固定的に取り付けられている。
【0030】
3つのインデックスセンサは、例えば、発光部と受光部を有するフォトインタラプタにより構成されており、リール4a、4b、4cに設けられたインデックスがリール4a、4b、4cの回転に応じて発光部と受光部との間を通過したときに、検出信号を出力可能に構成されている。
【0031】
前面上扉12及び前面下扉13は、それぞれ幅方向の一端部側に設けられたヒンジを介して収納箱11に対して開閉可能に設けられている。前面上扉12及び前面下扉13は、それぞれ個別に開閉可能とされている。
【0032】
表示窓14は、この表示窓14を介して遊技者が回転又は停止しているリール4a、4b、4cを観察可能なように構成されている。リール4a、4b、4cが停止されているとき、リール4a、4b、4cにそれぞれ配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓14を介して観察可能とされている。すなわち、リール4a、4b、4cの停止状態においては、表示窓14を介して3×3の9つの図柄が観察可能とされている。
【0033】
表示窓14を介して観察可能な図柄の停止位置について、リール4a、4b、4cにおいて、上段、中段、下段が設定されている。そして、第1のリール4aにおける上段、中段又は下段と、第2のリール4bにおける上段、中段又は下段と、第3のリール4cにおける上段、中段又は下段との組合せに応じて有効ライン2が設定されている。
【0034】
本実施形態では、有効ライン2は、第1のリール4aの中段、第2のリール4bの下段及び第3のリール4cの中段によって構成されている(小型のV字形状)。この有効ライン2上において、役に対応する図柄組合せが表示されたかどうかが判定される。本実施形態では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数に相当するメダルが投入されると有効ライン2が有効化される。
【0035】
メダル投入部19は、遊技者により把持されたメダルが投入(ベット)されるメダル投入口を有する。筐体1の内部において、メダル投入口の下側の位置には、メダルセレクタが設けられている。
【0036】
メダルセレクタは、メダルの投入が無効とされる無効状態においてメダルが投入された場合や、規格外のメダルが投入された場合に、そのメダルをメダル払出口22へと導くブロッカを有する。また、メダルセレクタは、メダルの投入が有効とされる有効状態において投入された規格内のメダルの投入を検出するメダル投入スイッチ71(
図6参照)を有する。
【0037】
なお、規定投入数を超える数のメダルが遊技者によって投入されると、規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を限度として、遊技機10に対して電子的にクレジット(貯留)される。
【0038】
ベットボタン20は、クレジットされたメダルを投入(ベット)する操作を行うための操作部であり、このベットボタン20には、ベットボタン20への操作を検出するベットスイッチ72(
図6参照)が設けられている。
【0039】
本実施形態に係る遊技機10においては、遊技者がメダルをメダル投入口に投入するか、又は、ベットボタン20を操作することで、リール4a、4b、4cの回転を開始することが可能な準備状態にセットされる。
【0040】
スタートレバー21は、リール4a、4b、4cを回転させる(遊技を開始させる)契機となる操作を行うための操作部であり、このスタートレバー21には、スタートレバー21への操作を検出するスタートスイッチ73(
図6参照)が設けられている。なお、スタートレバー21への操作は、乱数値及び内部抽選テーブルを用いた内部抽選の抽選契機とされている。
【0041】
ストップボタン3a、3b、3cは、それぞれリール4a、4b、4cを停止させる操作を行うための操作部であり、このストップボタン3a、3b、3cには、それぞれストップスイッチ74(
図6参照)が設けられている。ストップボタン3a、3b、3cは、リール4a、4b、4cの回転速度が定常回転速度(80回転/分)まで上昇したとき、操作が許可(有効化)される。なお、本明細書中においては、ストップボタン3a、3b、3cのうちいずれか1つのストップボタンを指す場合にストップボタン3と表記することとする。
【0042】
ストップボタン3a、3b、3cが操作されると、ストップスイッチ74がオンの状態となり、リール停止信号がオフの状態からオンの状態へ切り換わる。このリール停止信号のオン/オフの切り換えに基づいて、内部抽選の結果に応じた停止態様でリール4a、4b、4cが停止される。
【0043】
演出部15は、表示装置16及び音響装置17を有する。
図1に示す例では、表示装置16の液晶ディスプレイが前面上扉12から露出している様子が示されており、また、音響装置17の2つのスピーカが前面上扉12から露出している様子が示されている。
【0044】
表示装置16は、遊技の進行に伴って遊技を盛り上げたり、小役の入賞を補助したりするための各種の画像を液晶ディスプレイ上に表示させる。
【0045】
演出部15は、LED(Light Emitting Diode)により構成された演出用ランプ(図示せず)を有していてもよい。この演出用ランプは、役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたときや、遊技状態がボーナス状態(後述)にあるとき、演出状態がAT状態(後述)にあるときなどに点灯(点滅)する。
【0046】
音響装置17は、メダルが投入されたときの投入音や、スタートレバー21が操作されたときの操作音(スタート音)、ストップボタン3a、3b、3cの操作音など発生させる。さらに、音響装置17は、液晶ディスプレイと連動して、遊技を盛り上げたり、小役の入賞を補助したりするための各種の音声を発生させる。
【0047】
遊技情報表示部18は、7セグメント表示器などにより構成されており、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数、ボーナス状態でのメダルの払い出し数の合計等の各種遊技情報を表示する。
【0048】
遊技情報表示部18の右側には3つのランプ5、6、7が配置されている。
図2は、3つのランプ5、6、7を示す拡大図である。
図2に示すように、3つのランプ5、6、7は、「Start」の文字の横に配置されたスタートランプ5と、「Insert」の文字の横に配置された投入ランプ6と、「Replay」の文字の横に配置されたリプレイランプ7とを含む。
【0049】
スタートランプ5は、遊技が開始可能な状態において点灯状態とされ、遊技が開始不能な状態において消灯状態とされる。具体的には、スタートランプ5は、1回の遊技に必要とされる数のメダルが投入(リプレイ処理における自動投入を含む)されると点灯し、その後にスタートレバー21が操作されて遊技が開始されると消灯する。
【0050】
投入ランプ6は、メダルが投入可能な状態において点灯状態とされ、メダルが投入不能な状態において消灯状態とされる。具体的には、投入ランプ6は、遊技が終了すると点灯し、その後にスタートレバー21が操作されて遊技が開始されると消灯する。
【0051】
リプレイランプ7は、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された遊技の次の遊技において点灯状態とされ、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示された遊技の次の遊技において消灯状態とされる。
【0052】
具体的には、リプレイランプ7は、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると点灯し、それ以降の遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示されると消灯する。なお、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せとは、リプレイ以外の役(小役、ボーナス(RBB))に対応する図柄組合せ、あるいは、いずれの役にも対応しない図柄組合せ(ハズレ目)を意味する。
【0053】
<リール配列及び役に対応する図柄組合せ>
図3は、リール4a、4b、4cの外周面に配列されている図柄の一例を示す図である。
図4及び
図5は、役と、その役に対応する図柄組合せとの関係を示す図である。なお、
図4及び
図5においては、小役と、その小役が入賞したときの配当との関係も示されている。
【0054】
図3に示すように、リール4a、4b、4cの各コマに対しては、7図柄、BAR図柄A(☆なし)、BAR図柄B(☆あり)、リプレイ図柄A(☆なし)、リプレイ図柄B(☆あり)、ベル図柄A(☆なし)、ベル図柄B(☆あり)、スイカ図柄A(☆なし)、スイカ図柄B(☆あり)、チェリー図柄のうちいずれかの図柄が配列されている。
【0055】
本実施形態においては、
図4に示すように、ボーナス(役の一種)として、RBB(ビックボーナス)が用意されており、リプレイ(役の一種)として、通常リプレイ、チェリーリプレイ及び7揃いリプレイが用意されている。また、本実施形態においては、
図4及び
図5に示すように、小役(役の一種)として、上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベル、1枚役A〜P、及びレア1枚役が用意されている。
【0056】
なお、本実施形態の説明では、上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベルの総称を単に「ベル」と呼ぶこととする。また、通常リプレイ、チェリーリプレイ、7揃いリプレイの総称を単に「リプレイ」と呼ぶこととする。
【0057】
RBB、リプレイ及び小役に対応する図柄組合せは、
図4及び
図5に示す通りである。なお、
図4及び
図5において、1つの枠に対して複数の図柄が配置されている場合には、これらの図柄のうちいずれかの図柄であることを意味している。
【0058】
下段ベルを一例に挙げて具体的に説明すると、下段ベルに対応する図柄組合せは、スイカ図柄A又はチェリー図柄と、ベル図柄A又はベル図柄Bと、リプレイ図柄Aとの図柄組合せとされている。
【0059】
なお、図柄組合せにおける各図柄については、第1のリール4aにおける図柄、第2のリール4bにおける図柄、第3のリール4cにおける図柄の順番で記載する。これは、以降の説明において同様である。
【0060】
ここで、通常リプレイについては、通常リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2(小型のV字形状)上に表示されると、リプレイ図柄Aと、リプレイ図柄A又はリプレイ図柄Bと、リプレイ図柄Aとの図柄組合せが、見た目上、中段ライン(各リール4a、4b、4cの中段を結ぶライン)上に表示される。
【0061】
また、チェリーリプレイについては、チェリーリプレイに対応する図柄組合せのうち特定の図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、見た目上、第1のリール4aの下段にチェリー図柄が停止される。
【0062】
また、7揃いリプレイについては、7揃いリプレイに対応する図柄組合せのうち特定の図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、7図柄と、7図柄と、7図柄との図柄組合せが、見た目上、中段ライン上に表示される。
【0063】
また、上段ベルについては、上段ベルに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bとの図柄組合せが、見た目上、上段ライン(各リール4a、4b、4cの上段を結ぶライン)上に表示される。
【0064】
また、右下がりベルについては、右下がりベルに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bとの図柄組合せが、見た目上、右下がりライン(第1のリール4aの上段、第2のリール4bの中段、第3のリール4cの下段を結ぶライン)上に表示される。
【0065】
また、下段ベルについては、下段ベルに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bとの図柄組合せが、見た目上、下段ライン(各リール4a、4b、4cの下段を結ぶライン)上に表示される。
【0066】
また、右上がりベルについては、右上がりベルに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bと、ベル図柄A又はベル図柄Bとの図柄組合せが、見た目上、右上がりライン(第1のリール4aの下段、第2のリール4bの中段、第3のリール4cの上段を結ぶライン)上に表示される。
【0067】
なお、1枚役A〜P及びレア1枚役は、それぞれ入賞時の配当が1枚に設定されており、上段ベル、右下がりベル、下段ベル及び右上がりベルは、それぞれ入賞時の配当が7枚に設定されている。
【0068】
<機能ブロック構成>
図6は、本実施形態に係る遊技機10の機能ブロック図である。
【0069】
図6に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、メイン制御基板30と、サブ制御基板50とを備えている。メイン制御基板30上には、メイン制御部31、メイン記憶部43、及びメイン乱数発生部44が搭載されている。また、サブ制御基板50上には、サブ制御部51、サブ記憶部55及びサブ乱数発生部56が搭載されている。
【0070】
メイン制御部31及びサブ制御部51は通信可能とされている。なお、不正防止等の観点から、メイン制御部31からサブ制御部51への通信は許可されているが、サブ制御部51からメイン制御部31への通信は制限(不可)されている。メイン制御部31及びサブ制御部51は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成されている。
【0071】
メイン制御部31は、投入判定部32、内部抽選部33、リール制御部34、表示判定部35、払出制御部36、リプレイ処理部37、遊技状態移行制御部38、フリーズ制御部(遊技進行停止部)39、疑似遊技実行抽選部40、疑似遊技抽選部41及び信号出力部42を有している。
【0072】
一方、サブ制御部51は、演出制御部52、疑似ボーナス抽選部53及び上乗せ遊技数抽選部54を有している。
【0073】
メイン記憶部43は、メイン制御部31の作業領域として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))と、メイン制御部31の処理に必要な各種プログラムや各種データが固定的に記憶された不揮発性のメモリ(例えば、ROM(Read Only Memory))とを有している。同様に、サブ記憶部55は、サブ制御部51の作業領域として用いられる揮発性のメモリと、サブ制御部51の処理に必要な各種プログラムや各種データが固定的に記憶された不揮発性のメモリとを有している。
【0074】
メイン記憶部43には、内部抽選テーブル、停止制御テーブル、表示判定テーブル(入賞判定テーブル)、疑似遊技実行抽選テーブル及び疑似遊技抽選テーブルが記憶されている。一方、サブ記憶部55には、演出データ、疑似ボーナス抽選テーブル及び上乗せ遊技数抽選テーブルが記憶されている。
【0075】
ここで、本実施形態に係る遊技機10は、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態(ボーナス内部中)、ボーナス状態(RBB作動中)を有しており(
図13参照)、これらの各遊技状態の移行がメイン制御部31によって制御される。なお、詳細については後述するが、遊技機10は、通常状態、ボーナス状態で遊技される時間よりもボーナス成立状態で遊技される時間の方が長くなるように設計されており、遊技者は、通常、ボーナス成立状態で遊技を行うことになる。
【0076】
また、本実施形態における遊技機10においては、後述のように、ストップボタン3a、3b、3cの操作順(操作態様の一例。操作態様は、操作順、操作タイミング及びこれらの組合せを含む)が正解である場合にはベル(上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベル)が入賞するが、操作順が不正解である場合にはベルが入賞しないように設定されている複数の操作順ベルA〜Xが用意されている。
【0077】
これらの複数の操作順ベルA〜Xは、正解であるストップボタン3a、3b、3cの操作順がそれぞれ異なっている。そして、所定の条件下でこれらの操作順ベルA〜Xのうち何れかの操作順ベルが当選したとき、ベルの入賞を補助するための演出(ストップボタン3a、3b、3cの正解操作順を示唆する演出)がサブ制御部51によって行われる。
【0078】
この補助演出が行われるサブ制御部51の演出状態は、いわゆる、AT状態(AT:アシストタイム)である。そして、本実施形態においては、このAT状態によって、RBB等の本来のボーナス状態が疑似的に再現される。以降では、AT状態によって疑似的に再現されたボーナス状態を疑似ボーナス状態と呼ぶ。
【0079】
本実施形態では、AT状態は、疑似ボーナス待機状態(第1のAT状態)と、疑似ボーナス状態(第2のAT状態)とを含む(
図13参照)。疑似ボーナス待機状態は、疑似ボーナス状態が開始される前に滞在し、疑似ボーナス状態が開始されるまで継続する演出状態である。
【0080】
また、疑似ボーナス状態は、演出状態が疑似ボーナス待機状態である場合に、所定の開始条件を満たすことによって開始され、所定の終了条件を満たすことによって終了する演出状態である。なお、疑似ボーナス状態の開始条件及び終了条件については後述する。
【0081】
[メイン制御基板30における各部]
図6を参照しつつ、メイン制御基板30における各部について具体的に説明する。
【0082】
「投入判定部32」
投入判定部32は、メダル投入スイッチ71、ベットスイッチ72から出力される信号に応じて遊技毎にメダルの投入数を判定する。そして、投入判定部32は、規定投入数に相当するメダルが投入された場合に、スタートレバー21による遊技の開始操作を有効化する処理を行う。なお、本実施形態においては、規定投入数が3枚(3枚がけ専用)に設定されている。
【0083】
「内部抽選部33」
内部抽選部33は、スタートレバー21の操作に応じてスタートスイッチ73から出力されたスタート信号に基づいて、役の抽選を行う。
【0084】
具体的には、内部抽選部33は、スタートスイッチ73からのスタート信号に基づいて、1遊技毎にメイン乱数発生部44から乱数値(0〜65535のいずれか)を取得する。そして、内部抽選部33は、取得した乱数値と、内部抽選テーブルとを比較して役に当選したかどうかを判定する。なお、内部抽選部33は、現在の遊技状態が通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態の何れであるかに応じて、異なる内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行う。
【0085】
また、内部抽選部33は、内部抽選の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定し、この抽選フラグの設定情報をメイン記憶部43に記憶する。なお、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定され、この抽選フラグの設定情報がメイン記憶部43に記憶される。
【0086】
ここで、本実施形態に係る遊技機10では、持越可能フラグと、持越不可フラグとが用意されている。持越可能フラグは、対応する図柄組合せが表示されるまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグである。一方、持越不可フラグは、対応する図柄組合せが表示されたかどうかにかかわらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグである。
【0087】
本実施形態において、RBBは、持越可能フラグとされており、一方で、小役及びリプレイは、持越不可フラグとされている。
【0088】
(内部抽選において参照される内部抽選テーブル)
図7は、本実施形態に係る遊技機10において参照される複数の内部抽選テーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、本実施形態では、3種類の遊技状態に対応して、3種類の内部抽選テーブルが用意されている。
【0089】
各内部抽選テーブルのうち第1の内部抽選テーブル、第2の内部抽選テーブル、第3の内部抽選テーブルは、それぞれ順番に通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態において参照される内部抽選テーブルである。各内部抽選テーブルでは、全当選領域(0〜65535)のうち、特定の領域に対して、小役、リプレイ及びRBBなどの各種の役や不当選(ハズレ)に対応する当選領域が設定されている。
【0090】
まず、通常状態において参照される第1の内部抽選テーブルについて説明する。第1の内部抽選テーブルにおいては、小役の当選領域として操作順ベルA〜Xの当選領域及びレア1枚役の当選領域が設定されている。また、リプレイの当選領域として通常リプレイの当選領域が設定されており、ボーナスの当選領域としてRBBの当選領域が設定されている。また、第1の内部抽選テーブルにおいては、いずれの役にも当選しない不当選(ハズレ)の当選領域が設定されている。
【0091】
第1の内部抽選テーブルにおいては、通常リプレイが当選する確率が約1/7.3に設定されており、従って、通常状態においては、リプレイが約1/7.3で当選する。さらに、第1の内部抽選テーブルにおいては、RBBが当選する確率が比較的高い確率(例えば、1/17)に設定されており、従って、通常状態においては、RBBが比較的高い確率で当選する。
【0092】
各操作順ベルA〜Xの当選領域は、1回の内部抽選で複数種類の小役が重複して当選するように同一の当選領域に対して複数種類の小役が対応づけられていることを意味している。各操作順ベルA〜Xは、その当選確率がそれぞれ同じ確率に設定されている。
【0093】
図8は、各操作順ベルA〜Xの当選領域において重複して当選する小役の種類を示す図である。
図8では各操作順ベルA〜Xの欄において「+」の記号でつながれた各小役が重複して当選することを意味している(「+」の記号の意味については
図7においても同様)。
【0094】
重複して当選する小役について操作順ベルAを一例に挙げて具体的に説明すると、操作順ベルAの当選領域においては、上段ベル、1枚役A、1枚役D、1枚役K及び1枚役Nが重複して当選する。なお、各操作順ベルA〜Xにおいては、重複して当選する小役の1つとして、上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベルのうちいずれかのベルが含まれている。
【0095】
次に、ボーナス成立状態において参照される第2の内部抽選テーブルについて説明する。第2の内部抽選テーブルにおいては、第1の内部抽選テーブルと同様に、小役の当選領域として操作順ベルA〜Xの当選領域及びレア1枚役の当選領域が設定されている。
【0096】
第2の内部抽選テーブルにおける操作順ベルA〜Xの当選領域及びレア1枚役の当選領域は、第1の内部抽選テーブルにおける操作順ベルA〜Xの当選領域及びレア1枚役の当選領域と同じとされている。従って、ボーナス成立状態においては、通常状態と同じ確率で小役が当選する。
【0097】
また、第2の内部抽選テーブルにおいては、リプレイの当選領域として、通常リプレイの当選領域、重複リプレイの当選領域及びチェリーリプレイの当選領域が設定されている。
【0098】
重複リプレイの当選領域では、通常リプレイ及び7揃いリプレイが重複して当選する。詳細は後述するが、この重複リプレイは、疑似ボーナス状態が開始される遊技において、ストップボタン3a、3b、3cの操作順に応じて遊技者に7図柄と、7図柄と、7図柄との図柄組合せを中段ライン上に表示させるために用意されている。
【0099】
第2の内部抽選テーブルでは、第1の内部抽選テーブルにおけるリプレイの当選確率よりもリプレイの当選確率が高くなるようにリプレイの当選領域が設定されている。従って、第2の内部抽選テーブルが用いられるボーナス成立状態では、第1の内部抽選テーブルが用いられる通常状態よりも高い確率でリプレイが当選する。
【0100】
第2の内部抽選テーブルにおいては、第1の内部抽選テーブルとは異なり、RBBの当選領域が設定されていない。従って、ボーナス成立状態においては、RBBの抽選は行われない(ボーナス成立状態においては、既にRBBが当選している状態であるため)。
【0101】
さらに、第2の内部抽選テーブルでは、不当選(ハズレ)に対応する当選領域が設定されていない。従って、ボーナス成立状態においては、小役又はリプレイが必ず当選することになる。なお、第2の内部抽選テーブルにおいては、極めて低い確率(例えば、1/65536)でハズレが発生してもよい。
【0102】
ここで、ボーナス成立状態においては、RBBの抽選フラグが持ち越された状態で、第2の内部抽選テーブルによる小役、リプレイの抽選が行われる。この場合、抽選フラグ設定処理では、既に当選しているRBBの抽選フラグと、内部抽選で当選した小役又はリプレイの抽選フラグとを含む2種類以上の役に対応する抽選フラグが当選状態に設定される。
【0103】
次に、ボーナス状態において参照される第3の内部抽選テーブルについて説明する。この第3の内部抽選テーブルにおいては、小役の当選領域として、全小役が当選する当選領域と、全1枚役が当選する当選領域とが設定されている。また、第3の抽選テーブルにおいては、不当選(ハズレ)に対応する当選領域が設定されている。
【0104】
ここで、全小役に対応する当選領域においては、上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベル、1枚役A〜P及びレア1枚役が重複して当選する。また、全1枚役に対応する当選領域においては、1枚役A〜P及びレア1枚役が重複して当選する。
【0105】
ここで、ボーナス状態における各小役の当選確率は、通常状態、ボーナス成立状態における各小役の当選確率よりも低くなく、かつ、各小役のうち少なくとも1つの小役(どの小役であってもよい)のボーナス状態における当選確率が、通常状態、ボーナス成立状態における当選確率よりも高くなるようにその確率が設定されている。
【0106】
1枚役Aを一例に挙げて具体的に説明する。
図7及び
図8に示すように、通常状態及びボーナス成立状態(第1の内部抽選テーブル、第2の内部抽選テーブル)においては、1枚役Aは、操作順ベルA〜F、M〜Rに対応する当選領域において当選する。一方、
図7に示すように、ボーナス状態(第3の内部抽選テーブル)においては、1枚役Aは、全小役及び全1枚役に対応する当選領域において当選する。
【0107】
そして、ボーナス状態における全小役及び全1枚役の当選領域において1枚役Aが当選する確率の合算確率が、通常状態及びボーナス成立状態における操作順ベルA〜F、M〜Rの当選領域において1枚役Aが当選する確率の合算確率以上の確率となるようにその確率が設定されている。これについては、上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベル、1枚役B〜P及びレア1枚役についても同様のことが言える。
【0108】
「リール制御部34」
再び
図6を参照して、リール制御部34は、スタートレバー21の操作に応じてスタートスイッチ73から出力されるスタート信号に基づいて、ステッピングモータによりリール4a、4b、4cの回転を開始させる。具体的には、リール制御部34は、規定投入数に相当するメダルが投入されていること、及び、前回の遊技におけるリール4a、4b、4cの回転の開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウェイト時間)が経過していることを条件に、リール4a、4b、4cの回転を開始させる。
【0109】
リール4a、4b、4cが回転されると、リール4a、4b、4cが1回転する度に、インデックス検出装置76のインデックスセンサによって、インデックスの通過が検出され、インデックスセンサから検出信号が出力される。リール制御部34は、この検出信号に基づいて、リール4a、4b、4cの現在の回転速度を監視する。
【0110】
リール制御部34は、リール4a、4b、4cの回転速度が定常回転速度(約80回転/分)に達したことを検知し、ストップボタン3a、3b、3cによる停止操作を有効化する。そして、リール制御部34は、ストップボタン3a、3b、3cのストップスイッチ74から出力される停止信号に基づいて、抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた停止態様でリール4a、4b、4cを停止させる制御を行う。
【0111】
このとき、リール制御部34は、ストップボタン3a、3b、3cが操作される度に、操作されたストップボタン3a、3b、3cに対応するリール4a、4b、4cの停止位置を決定して、決定された停止位置でリール4a、4b、4cを停止させる制御を行っている。
【0112】
なお、リール制御部34は、ストップボタン3a、3b、3cが操作された時点から190ms以内に、操作されたストップボタン3a、3b、3cに対応する回転中のリール4a、4b、4cを停止させる。このため、ストップボタン3a、3b、3cが操作されてからリール4a、4b、4cが回転する(滑る)ことができる最大のコマ数(最大滑りコマ数)は、4コマとされている。
【0113】
また、リール制御部34は、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を、可能な限り有効ライン2上に表示するように回転中のリール4a、4b、4cを停止させる制御(引き込み制御)を行っている。一方で、リール制御部34は、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄組合せを有効ライン2上に表示させることがないようにリール4a、4b、4cを停止させる制御(蹴飛ばし制御)を行っている。
【0114】
具体的には、リール制御部34は、メイン記憶部43に記憶された停止制御テーブルを参照することによって回転中のリール4a、4b、4cの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)を行っている。
【0115】
停止制御テーブルにおいては、抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて、ストップボタン3a、3b、3cの操作時点で有効ライン2上に位置するコマと、このコマから実際に停止されるコマまでの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、ストップボタン3a、3b、3cの操作時点で有効ライン2上に位置するコマと、実際に停止されるコマとの対応関係が設定されていてもよい。
【0116】
なお、リール制御部34は、ロジック演算により回転中のリール4a、4b、4cの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)を実行してもよい。ロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従って、リール4a、4b、4cの停止位置の候補に対して優先度が求められる。そして、各停止位置の候補のうち最も優先度の高い停止位置の候補が実際の停止位置として決定される。ロジック演算処理において、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置が決定される。
【0117】
なお、本実施形態に係る遊技機10では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。従って、ボーナス成立状態において、リプレイ、小役が当選した場合には、ボーナスよりもリプレイ、小役に対応する図柄組合せが優先的に有効ライン2上に表示される。
【0118】
ここで、操作順ベルA〜Xが当選したときの、ストップボタン3a、3b、3cの操作順と、有効ライン2上に表示される小役の種類との関係について説明する。
図9は、操作順ベルA〜Xが当選したときの、ストップボタン3a、3b、3cの操作順と、有効ライン2上に表示される小役の種類との関係を示す図である。
【0119】
図9に示すように、各操作順ベルA〜Xについては、操作順1(左→中→右:順押し)、操作順2(左→右→中:挟み打ち)、操作順3(中→左→右)、操作順4(中→右→左)操作順5(右→左→中:逆挟み打ち)、操作順6(右→中→左:逆押し)のうちいずれかの操作順が正解操作順(灰色参照)に設定されている。そして、正解操作順とは異なる順序が不正解操作順として扱われる。
【0120】
図9の説明では、操作順ベルAを代表的に説明する。操作順ベルAは、操作順1が正解操作順に設定されており、操作順ベルAが当選した遊技において操作順1でストップボタン3a、3b、3cが操作されると上段ベルに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示され、このとき7枚の払出しが行われる。なお、上段ベルは、リール配列上、取りこぼし(0枚)は発生しない(取りこぼしが発生しないのは、右下がりベル、下段ベル、右上がりベルにおいて同様)。
【0121】
一方、操作順ベルAでは、操作順2〜6が不正解操作順に設定されている。操作順ベルAが当選した遊技において操作順2、3でストップボタン3a、3b、3cが操作されると、1枚役A又は一枚役Dに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されて1枚の払出しが行われるか、あるいは、取りこぼしとなる。また、操作順ベルAが当選した遊技において操作順4〜6でストップボタン3a、3b、3cが操作されると、1枚役K又は一枚役Nに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されて1枚の払出しが行われるか、あるいは、取りこぼしとなる。
【0122】
なお、不正解操作順である操作順2〜6でストップボタン3a、3b、3cが操作された場合に、いずれかの1枚役が有効ライン2上に表示されて1枚の払出しが行われる確率は、1/2に設定されている(
図9において各1枚役の下側に示されたカッコ内の数字は、1枚役の取得確率を示している)。
【0123】
次に、全小役、全1枚役が当選した場合について説明する。全小役が当選した場合、ストップボタン3a、3b、3cの操作順にかかわらず、上段ベル、右下がりベル、下段ベル、右上がりベルのうちいずれかのベルに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示され、7枚の払出しが行われる。また、全1枚役が当選した場合、ストップボタン3a、3b、3cの操作順にかかわらず、1枚役A〜P及びレア1枚役のうちいずれかの1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示され、1枚の払出しが行われる。
【0124】
次に、重複リプレイ(通常リプレイ及び7揃いリプレイ)が当選したときの、ストップボタン3a、3b、3cの操作順と、有効ライン2上に表示されるリプレイの種類との関係について説明する。
図10は、この関係を示す図である。
【0125】
図10に示すように、重複リプレイが当選した遊技において操作順1〜4でストップボタン3a、3b、3cが操作されると、通常リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。一方でストップボタン3a、3b、3cが操作順5、6で操作されると、7揃いリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。なお、通常リプレイ及び7揃いリプレイは、リール配列上、取りこぼしは発生しない(取りこぼしが発生しないのはチェリーリプレイも同様)。
【0126】
「表示判定部35」
再び
図6を参照して、表示判定部35は、有効ライン2上に役に対応する図柄組合せが表示されたかどうかを判定する処理を行う。具体的には、表示判定部35は、メイン記憶部43に記憶された表示判定テーブルを参照し、全てのリール4a、4b、4cが停止した時点で有効ライン2上に表示されている図柄組合せが、役に対応する図柄組合せであるかどうかを判定する。表示判定テーブルでは、
図4及び
図5に示すような、役と、その役に対応する図柄の組合せとの関係が関連付けられている。
【0127】
「払出制御部36」
払出制御部36は、表示判定部35において小役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたと判定された場合に、その小役が入賞したと判定し、入賞した小役の配当に応じてメダルを払い出すための処理を行う。
【0128】
具体的には、払出制御部36は、入賞した小役に対応する配当分のメダルを払い出させるように、ホッパーユニット77を制御する。あるいは、メダルのクレジットが許可されている場合には、払出制御部36は、ホッパーユニット77によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メイン記憶部43に記憶されているクレジット数に対して払い出し数を加算し、仮想的にメダルを払い出す。
【0129】
なお、ホッパーユニット77には、払い出されたメダルの数を検出する払出メダル検出スイッチ78が設けられている。払出制御部36は、ホッパーユニット77の払出メダル検出スイッチ78からの出力される信号に基づいてホッパーユニット77から実際に払い出されたメダルの数を管理する。
【0130】
「リプレイ処理部37」
リプレイ処理部37は、表示判定部35においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたと判定された場合に、メダルを消費することなく次回の遊技を行われるためのリプレイ処理を実行する。具体的には、リプレイ処理部37は、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された場合に、リプレイが表示された遊技において投入されたメダル数と同数のメダルを自動的に投入(ベット)する処理を実行する。
【0131】
「遊技状態移行制御部38」
遊技状態移行制御部38は、通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態の間で遊技状態の移行を制御する(
図13参照)。
【0132】
通常状態は、初期状態に相当する遊技状態である。ボーナス成立状態は、通常状態においてRBBが当選したきに、通常状態から移行される遊技状態である。具体的には、通常状態においてRBBが当選し、かつ、RBBが当選したその遊技(つまり成立ゲーム)においてRBBに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されなかった場合に、遊技状態が通常状態からボーナス成立状態へと移行される。このボーナス成立状態は、RBBに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されるまで継続される。
【0133】
ボーナス状態は、通常状態又はボーナス成立状態においてRBBが有効ライン2上に表示されたときに、通常状態又はボーナス成立状態から移行される遊技状態である。具体的には、通常状態においてRBBが当選し、かつ、RBBが当選したその遊技においてRBBに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された場合に、遊技状態が通常状態からボーナス状態へと移行される。また、ボーナス成立状態においてRBBの当選フラグが持ち越されている状態で、RBBに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された場合に、遊技状態がボーナス成立状態からボーナス状態へと移行される。
【0134】
ボーナス状態においては、払い出されたメダルの合計数がボーナス払出枚数カウンタによってカウントされる。そして、所定枚数(例えば、360枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態がボーナス状態から通常状態へと移行される。
【0135】
「フリーズ制御部39」
次に、フリーズ制御部39の制御について説明するが、ここでは、フリーズ制御部39による制御に加えて、リール制御部34による回胴演出の制御についても説明する。
【0136】
フリーズ制御部39は、基本遊技の進行を一時的に停止させる演出であるフリーズ演出の実行を制御する。
【0137】
ここで、基本遊技とは、メダルの投入(ベット)に応じてスタートレバー21を有効化し、スタートレバー21の操作に応じて役の抽選を行ってリール4a、4b、4cの回転を開始させ、ストップボタン3a、3b、3cの操作に応じて、役の抽選結果に応じた停止態様でリール4a、4b、4cを停止させ、役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたかどうかを判定し、小役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された場合にメダルを払い出し、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された場合にリプレイ処理を実行するといった一連の動作によって行われる遊技のことを意味する。
【0138】
なお、本明細書中において、単に遊技と表記した場合には、特に明示した場合を除き基本遊技のことを指し、また、特に必要がない場合には、基本遊技を遊技と表記することとする。なお、本明細書中において、基本遊技という用語は、特に疑似遊技との対比で使用される。
【0139】
フリーズ演出は、スタートレバー21が操作されて遊技が開始されるときに遊技の進行を一時的に停止させるスタートフリーズ演出と、ストップボタン3a、3b、3cが操作されて全てのリール4a、4b、4cが停止された後に遊技の進行を一時的に停止させるリール停止後フリーズ演出とを含む。
【0140】
スタートフリーズ演出は、スタートレバー21の操作に応じてリール4a、4b、4cの回転が開始されるとき、ウェイト時間とは別に、スタートフリーズ期間を設定し、このスタートフリーズ期間内は、遊技の進行を一時的に停止するといった演出である。
【0141】
リール停止後フリーズ演出は、例えば、ボーナス(RBB)に対応する図柄組合せが表示された場合、ボーナス状態(RBB)が終了した場合、所定役の当選時に所定の操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された場合などに、その遊技におけるリール4a、4b、4cの停止後(小役が入賞した場合には小役の配当に対応する数のメダルの払出し後)に、メダルの投入が無効となる期間(リール停止後フリーズ期間)を設定し、この期間内はメダルの投入を無効化するといった演出である。
【0142】
本実施形態においては、スタートフリーズ演出状態として、スタートフリーズ低確率状態と、スタートフリーズ高確率状態とが用意されている。スタートフリーズ低確率状態は、スタートフリーズ演出が発生する確率が低い状態であり、スタートフリーズ高確率状態は、スタートフリーズ演出が発生する確率がスタートフリーズ低確率状態よりも高い状態である。なお、本実施形態では、スタートフリーズ高確率状態においてスタートフリーズ演出が発生し得るようにスタートフリーズ演出が制御され、スタートフリーズ低確率状態においてスタートフリーズ演出が発生し得ないようにスタートフリーズ演出が制御される。
【0143】
フリーズ制御部39は、スタートフリーズ低確率状態と、スタートフリーズ高確率状態との間で、スタートフリーズ演出状態の移行を制御する。具体的には、フリーズ制御部39は、スタートフリーズ低確率状態において以下の条件が満たされた場合に、スタートフリーズ演出状態をスタートフリーズ低確率状態からスタートフリーズ高確率状態へと移行させる。
【0144】
(1)操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した遊技において正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された。(2)上述の(1)の条件が満たされた後、その次にいずれかの操作順ベルA〜Xが当選した遊技において、再び正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された。(3)上述の(2)の条件が満たされた後、重複リプレイが当選した遊技において、操作順5、6でストップボタン3a、3b、3cが操作された。
【0145】
一方、フリーズ制御部39は、スタートフリーズ高確率状態において、以下の条件が満たされた場合に、スタートフリーズ演出状態をスタートフリーズ高確率状態からスタートフリーズ低確率状態へと移行させる。
【0146】
(1)操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した遊技において不正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された。(2)上述の(1)の条件が満たされた後、その次にいずれかの操作順ベルA〜Xが当選した遊技において、再び不正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された。
【0147】
また、フリーズ制御部39は、現在のスタートフリーズ演出状態がスタートフリーズ高確率状態である場合に、疑似遊技実行抽選部40により疑似遊技を実行すると決定された場合、スタートフリーズ期間を設定し、スタートフリーズ演出を実行する。
【0148】
本実施形態においては、スタートフリーズ期間において、リール制御部34によって、回胴演出が行われる。特に、本実施形態では、この回胴演出によって、上記基本遊技を疑似的に再現した疑似遊技が実行される。
【0149】
この疑似遊技は、スタートフリーズ期間において、リール4a、4b、4cの回転を開始させ、ストップボタン3a、3b、3cの操作に応じて、操作されたストップボタン3a、3b、3cに対応するリール4a、4b、4cを順次停止させるといった一連の動作によって行われる。
【0150】
本実施形態では、1回の基本遊技におけるスタートフリーズ期間において、1回目の疑似遊技、2回目の疑似遊技、3回目の疑似遊技のように、疑似遊技が3回分繰り返して実行される。なお、疑似遊技が繰り返して実行される回数については、特に制限はなく、この回数は、1回、2回、4回以上であってもよい。また、疑似遊技が実行される回数が予め決定されているのではなく、次の疑似遊技が実行されるかどうかが継続抽選によって決定されてもよい。
【0151】
ここで、疑似遊技においては、リール制御部34は、ウェイト時間の経過前にリール4a、4b、4cの回転を開始させてもよく、ウェイト時間の経過後にリール4a、4b、4cの回転を開始させてもよい。
【0152】
基本遊技におけるリール4a、4b、4cの停止制御の場合、リール4a、4b、4cの滑りコマ数は最大で4コマとされている。一方、疑似遊技は、あくまで演出の一態様であるため、最大滑りコマ数(4コマ)の制限を受けずに設計が可能である。なお、本実施形態では、リール4a、4b、4cの最大滑りコマ数は、基本遊技と同様に4コマとされている。
【0153】
疑似遊技においては、基本遊技とは異なり、リール4a、4b、4cが仮停止(疑似遊技においてリール4a、4b、4cが一時的に停止されること)されたとしても、役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたかどうかは判定されない。また、役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとしてもその役が表示されたときに行われる処理(リプレイ処理等)は実行されない。
【0154】
リール制御部34は、疑似遊技が終了した場合(つまり、スタートフリーズ期間における回胴演出が終了した場合)、一時的に進行が停止されていた基本遊技を再開させる。この場合、疑似遊技において仮停止されているリール4a、4b、4cの回転が開始されることになるが、このとき、リール制御部34は、リール4a、4b、4cの回転開始までの時間をランダムに遅延させるランダム遅延処理と呼ばれる処理を実行する。
【0155】
このランダム遅延処理は、所定の図柄の組合せが直線上に揃っている状態でリール4a、4b、4cが回転してしまうことで、遊技者による目押し(遊技者が回転中のリール4a、4b、4cの図柄を見ながらタイミングを取ってストップボタン3a、3b、3cを操作すること)の補助となってしまうことを防止するための処理である。
【0156】
例えば、リール制御部34は、ランダム遅延処理において、以下の様な処理を実行する。まず、リール制御部34は、第1の遅延時間、第2の遅延時間、第3の遅延時間の抽選を行う。次に、リール制御部34は、第1のリール4aの回転を開始させ、第1のリール4の回転が開始されてから第1の遅延時間の経過後に、第2のリール4bの回転を開始させる。次に、リール制御部34は、第2のリール4bの回転が開始されてから第2の遅延時間経過後に、第3のリール4cの回転を開始させる。そして、リール制御部34は、第3のリール4cの回転が開始されてから第3の遅延時間の経過後に基本遊技におけるストップボタン3a、3b、3cの停止操作を有効化する。
【0157】
ここで、疑似遊技においては、ストップボタン3a、3b、3cが長時間操作されないと、いつまで経っても疑似遊技が終了しないことになってしまう。
【0158】
このため、リール制御部34は、スタートフリーズ期間が開始されてからストップボタン3a、3b、3cが操作されずに所定時間(例えば、30秒)が経過した場合には、ストップボタン3a、3b、3cが操作されたこととみなし、強制的にリール4a、4b、4cを停止させる処理を実行する。その後、リール制御部34は、ランダム遅延処理を実行しつつ、リール4a、4b、4cの回転を開始させ、基本遊技を再開させる。
【0159】
ここで、疑似遊技は、基本遊技の進行が停止している期間において基本遊技があたかも進行しているように見せかけるといった回胴演出である。このため、疑似遊技において全てのリール4a、4b、4cが仮停止されたときに、基本遊技が未だ終了していないにもかかわらず、遊技者が、基本遊技が終了したと勘違いしてしまい、基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうおそれがある。この場合、遊技者は、基本遊技におけるメダルの払出しなどの利益を受けることなく遊技を止めてしまうことになる。
【0160】
このため、本実施形態に係る遊技機10においては、リール制御部34が、以下の様な処理を実行する。すなわち、リール制御部34は、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示される疑似遊技を実行する。これにより、後述の「リプレイランプ判別」(リプレイランプ7の挙動の違いによって疑似遊技と基本遊技とを識別すること)が可能となり、基本遊技の途中で遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。なお、このリプレイランプ判別については、
図17を参照して、後に詳述する。
【0161】
なお、本実施形態では、疑似遊技が実行される度に、基本遊技におけるリプレイ(通常リプレイ、チェリーリプレイ、7揃いリプレイ)に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。ここで、基本遊技におけるリプレイは、メダルを消費することなく、次の基本遊技を行うことができるという役である。従って、遊技者は、疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組み合わせが表示されれば、次の遊技が保証されていると理解することができ、遊技機100において遊技を続けることになる。従って、疑似遊技毎に、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せを有効ライン2上に表示させることによって、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。つまり、本実施形態では、リプレイランプ判別による方法と、疑似遊技毎に基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せを表示するといった方法との2つの方法の組み合わせによって、基本遊技の途中で遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうこと2重に防止している。
【0162】
ここで、一般的な遊技機10の場合、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めてしまうことを防止するために、疑似遊技において、リール4a、4b、4cを仮停止させているときに、リール4a、4b、4cを継続的に揺らすといった処理が行われることが多い。このようにリール4a、4b、4cを継続的に揺らすことによって、その遊技が基本遊技ではなく、疑似遊技であると遊技者に認識させることができるため、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。
【0163】
しかしながら、リール4a、4b、4cが仮停止している状態でこのような継続的なリール4a、4b、4cの揺れを行ってしまうと、遊技者が不快と感じてしまうおそれがある。
【0164】
一方、本実施形態においては、「リプレイランプ判別」によって、疑似遊技と基本遊技とを識別可能であるため、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうといった問題は解消されている。
【0165】
従って、本実施形態においては、疑似遊技においてリール4a、4b、4cが仮停止している状態で、リール4a、4b、4cを継続的に揺らすといった処理は実行しない。すなわち、リール制御部34は、疑似遊技においてリール4a、4b、4cを仮停止させているとき、リール4a、4b、4cが継続的に揺れないようにリール4a、4b、4cの停止状態を維持する。これにより、本実施形態では、遊技者が不快と感じてしまうことを防止することができる。
【0166】
ここで、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうことを防止するための他の方法として、現在実行されている遊技が疑似遊技であると演出制御部52により告知する方法が用いられる場合がある。一方、本実施形態では、「リプレイランプ判別」によって、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうことを防止しているため、演出制御部52による疑似遊技の告知についても実行されない。
【0167】
なお、以降の説明では、リール4a、4b、4cが継続的に揺れないようにリール4a、4b、4cの停止状態が維持されることを、便宜的に「完全停止状態」と呼ぶ。
【0168】
リール4a、4b、4cを完全停止状態とするための方法について説明する。
(1)基本遊技と同様にしてリール4a、4b、4cを停止させる。この場合、リール制御部34は、駆動パルスの供給を停止することによってリール4a、4b、4cを停止させ、リール4a、4b、4cが一旦停止された後は、駆動パルスを供給しない(つまり、ステッピングモータの4相のコイルの開放状態を維持する)。
【0169】
(2)リール4a、4b、4cが停止された後、ステッピングモータの4相のコイル(全てのコイル)に対して、所定の周期で4相励磁、開放を繰り返す。(3)ステッピングモータの4相のコイルのうち、リールが停止されたときに最後に励磁された1つのコイルに対して、所定の周期で1相励磁、開放を繰り返す。
【0170】
(4)ステッピングモータの4相のコイルのうち、リール4a、4b、4cが停止されたときに最後に励磁された1つのコイルと、そのコイルの両隣に位置する2つのコイルとを含む3つのコイルに対して、所定の周期で3相励磁、開放を繰り返す。(5)ステッピングモータの4相のコイルのうち、リール4a、4b、4cが停止されたときに最後に励磁された2つのコイルに対して、所定の周期で2相励磁、開放を繰り返す。
【0171】
(2)〜(5)の方法では、コイルの励磁、開放が繰り返されるがリール4a、4b、4cは回転しない(揺れない)ため、リール4a、4b、4cを完全停止状態とすることができる。
【0172】
「疑似遊技実行抽選部40」
疑似遊技実行抽選部40は、疑似遊技を実行するかどうかの抽選を行う。本実施形態では、疑似遊技実行抽選部40は、現在の遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ、スタートフリーズ演出状態がスタートフリーズ高確率状態である場合(つまり、演出状態が疑似ボーナス状態である場合)において、レア1枚役が当選したときに、疑似遊技を実行するかどうかの抽選を行う。
【0173】
本実施形態では、レア1枚役が当選したときに疑似遊技を実行するかどうかの抽選が行われるが、この抽選は、レア1枚役以外の役が当選したときに行われてもよいし、内部抽選による当選役とは関係なく遊技毎に一定の確率で行われてもよい。また、疑似遊技実行抽選部40は、一定の周期(例えば、50ゲーム)で疑似遊技を実行するかどうかの抽選を行ってもよく、この場合、周期を短縮する抽選を行ってもよい。
【0174】
疑似遊技を実行するかどうかの抽選には、疑似遊技実行抽選テーブルが用いられる。
図11は、疑似遊技実行抽選テーブルを示す図である。
図11に示すように、疑似遊技実行抽選テーブルにおいては、全当選領域(0〜65535)のうち、特定の領域に対して、疑似遊技に当選する当選領域と、疑似遊技には当選しない不当選(ハズレ)の当選領域とが設定されている。
【0175】
「疑似遊技抽選部41」
疑似遊技抽選部41は、疑似遊技実行抽選部40によって疑似遊技を実行すると決定された場合に、疑似遊技において表示される役の抽選を行う。この抽選には、疑似遊技抽選テーブルが用いられる。
【0176】
図12は、疑似遊技抽選テーブルを示す図である。
図12に示すように、疑似遊技実行抽選テーブルにおいては、全当選領域(0〜65535)のうち、特定の領域に対して、通常リプレイに当選する当選領域と、チェリーリプレイが当選する当選領域と、7揃いリプレイが当選する当選領域とが設定されている。
【0177】
なお、本実施形態では、1回の基本遊技におけるスタートフリーズ期間において疑似遊技が3回分繰り返して実行されるが、疑似遊技抽選部41は、これらの疑似遊技が開始される度(スタートレバー21が操作される度)に、疑似遊技抽選テーブルを参照して、疑似遊技において表示される役の抽選を行う。
【0178】
「信号出力部42」
信号出力部42は、サブ制御部51に対して信号を出力する処理を行う。具体的には、信号出力部42は、メダルの投入や、ベットボタン20、スタートレバー21、ストップボタン3a、3b、3cの操作などが検出されると、メダルが投入されたこと、ベットボタン20、スタートレバー21、ストップボタン3a、3b、3cが操作されたことを示す信号をサブ制御部51に対して出力する。
【0179】
また、信号出力部42は、内部抽選部33による役の抽選が行われると、その抽選結果を示す信号をサブ制御部51に対して出力し、役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、役に対応する図柄組合せが表示されたことを示す信号をサブ制御部51に対して出力する。
【0180】
さらに、信号出力部42は、疑似遊技抽選部41により疑似遊技において表示される役の抽選が行われると、その抽選結果を示す信号をサブ制御部51に対して出力し、疑似遊技において役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、役に対応する図柄組合せが表示されたことを示す信号をサブ制御部51に対して出力する。
【0181】
「メイン乱数発生部44」
メイン乱数発生部44は、内部抽選部33による役の抽選に用いられる乱数値と、疑似遊技実行抽選部40による疑似遊技を実行するかどうかの抽選に用いられる乱数値と、疑似遊技抽選部41による役の抽選に用いられる乱数値とを発生させる。メイン乱数発生部44は、これらの抽選に用いられる乱数値として、0〜65535までの65536個の乱数値のうちいずれかの乱数値を発生させる。
【0182】
なお、乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値を加算しながらカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、乱数値としては、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミングが不規則であるために実質的に乱数値となる値も含まれる。なお、これについては、サブ乱数発生部56における乱数値においても同様である。
【0183】
[サブ制御基板50における各部]
次に、サブ制御基板50における各部について説明する。
【0184】
「疑似ボーナス抽選部53」
疑似ボーナス抽選部53は、疑似ボーナス状態を実行させるかどうかの抽選を行う。本実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選は、遊技状態がボーナス成立状態である場合にのみ行われる。但し、疑似ボーナス状態の抽選は、遊技状態がボーナス成立状態である場合に加えて、さらに、通常状態、ボーナス状態において行われてもよい。
【0185】
本実施形態では、疑似ボーナス抽選部53は、チェリーリプレイが当選したときに、所定の確率(例えば、1/2)で疑似ボーナス状態が当選するようにその抽選を行っている。なお、この抽選は、チェリーリプレイ以外の役が当選したときに行われてもよいし、内部抽選による当選役とは関係なく一定の確率で行われてもよい。
【0186】
疑似ボーナス状態の抽選においては、疑似ボーナス抽選テーブルが参照される。この疑似ボーナス抽選テーブルは、0〜32767までの値について、疑似ボーナス状態が当選する当選領域と、疑似ボーナス状態が当選しない不当選(ハズレ)の当選領域とが設定されている。
【0187】
疑似ボーナス抽選部53は、チェリーリプレイが当選したときに、サブ乱数発生部5661から0〜32767までの32768個の乱数値の何れかを取得する。そして、疑似ボーナス抽選部53は、取得した乱数値と、サブ記憶部55に記憶されている疑似ボーナス抽選テーブルとを比較し、乱数値が疑似ボーナス状態の当選領域に対応する値である場合に、疑似ボーナス状態に当選したと判定する。
【0188】
また、疑似ボーナス抽選部53は、疑似ボーナス状態が既に当選している状態において、さらに次の疑似ボーナス状態の抽選を行う。また、1度の抽選で2以上の疑似ボーナス状態が当選する場合もある(この場合には、疑似ボーナス状態が2以上当選する当選領域が疑似ボーナス抽選テーブルに設定される)。このため、疑似ボーナス抽選部53は、まだ開始されていない疑似ボーナス状態の数をストック数として管理している。
【0189】
具体的には、疑似ボーナス抽選部53は、疑似ボーナス状態に当選したと判定された場合に、ストック数カウンタに1(1度の抽選で2以上の疑似ボーナス状態が当選した場合には、2以上の値)を加算する処理を実行する。そして、疑似ボーナス抽選部53は、疑似ボーナス状態が開始されたと判定されたときに、ストック数カウンタから1を減算する処理を実行する。
【0190】
「演出制御部52」
演出制御部52は、サブ記憶部55に記憶された演出データ及びメイン制御部31の信号出力部42から出力された各種の信号に基づいて種々の演出を演出部15に実行させる。例えば、演出制御部52は、メダルが投入されたこと、ベットボタン20、スタートレバー21、ストップボタン3a、3b、3cが操作されたことを示す信号を受信すると、メダルの投入音や、ベットボタン20、スタートレバー21、ストップボタン3a、3b、3cの操作音などを音響装置17から発生させる。
【0191】
また、演出制御部52は、有効ライン2上に役に対応する図柄組合せが表示されたことを示す信号を受信すると、その役の表示音(小役の入賞音、リプレイの表示音、RBBの表示音)を音響装置17から出力させる。
【0192】
さらに、演出制御部52は、メイン制御部31の信号出力部42から出力された各種の信号に基づいて、演出用ランプ、スタートランプ5、投入ランプ6及びリプレイランプ7の点灯状態を制御する。
【0193】
ここで、後述の
図13に示されているように、本実施形態では、演出制御部52における演出状態として、第1のサブ通常状態と、ボーナス演出状態と、第2のサブ通常状態と、前兆演出状態と、疑似ボーナス待機状態と、疑似ボーナス状態とが用意されている。
【0194】
第1のサブ通常状態は、メイン制御部31における遊技状態が通常状態である場合に、演出制御部52が演出データに基づいて所定の演出を実行する演出状態である。この第1のサブ通常状態は、非AT状態(ベルの入賞を補助する演出が実行されない状態)とされる。第1のサブ通常状態においては、例えば、物語の登場人物が様々なアクションを行うといった演出が実行される。
【0195】
ボーナス演出状態は、メイン制御部31における遊技状態がボーナス状態である場合に、演出制御部52が演出データに基づいて所定の演出を実行する演出状態である。このボーナス演出状態は、非AT状態とされる。なお、ボーナス状態は、AT状態とすることも可能である。このボーナス状態においては、遊技をさらに盛り挙げるための演出(例えば、物語の内容を紹介する演出や、物語に関連する音楽を流すといった演出)が実行される。
【0196】
第2のサブ通常状態、前兆演出状態、疑似ボーナス待機状態及び疑似ボーナス状態は、メイン制御部31における遊技状態がボーナス成立状態である場合に、演出制御部52が演出データに基づいて所定の演出を実行する演出状態である。
【0197】
第2のサブ通常状態は、メイン制御部31における遊技状態が通常状態からボーナス成立状態に移行されたときに最初に滞在する演出状態であり、この第2のサブ通常状態は、非AT状態とされる。この第2のサブ通常状態では、第1のサブ通常状態と同様の演出(例えば、物語の登場人物が様々なアクションを行うといった演出)が実行される。
【0198】
前兆演出状態は、第2のサブ通常状態において、疑似ボーナス状態が当選すると、疑似ボーナス状態の当選に応じて、第2のサブ通常状態から移行される演出状態である。この前兆演出状態は、非AT状態とされる。前兆演出状態では、疑似ボーナス状態が当選しているかどうかについての期待感を向上させる演出(例えば、物語の登場人物が第1のサブ通常状態及び第2のサブ通常状態とは異なる大げさなアクションを行うといった演出)が実行され、最終的に疑似ボーナス状態の当選を示す演出が実行される。
【0199】
疑似ボーナス待機状態(第1AT状態)は、前兆演出状態から移行される演出状態であり、この疑似ボーナス待機状態は、後述の疑似ボーナス状態の開始条件を満たすまで継続される演出状態である。なお、本実施形態では、この疑似ボーナス待機状態は、疑似ボーナス状態の終了時に疑似ボーナス状態のストック数が残っている場合には、疑似ボーナス状態の終了時に疑似ボーナス状態から移行される。疑似ボーナス待機状態では、疑似ボーナス状態の開始が待機されていること、つまり、疑似ボーナス状態がこれから開始されることを示す演出が実行される。
【0200】
疑似ボーナス待機状態は、AT状態であり、操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した場合に、当選した操作順ベルの正解操作順を告知する演出が実行される。さらに、疑似ボーナス待機状態においては、操作順ベルA〜Xの正解操作順を告知する演出に加えて、重複リプレイが当選した場合に、7揃いリプレイに対応する図柄組合せを有効ライン2上に表示せるための演出が実行される。
【0201】
この場合、演出制御部52は、重複リプレイが当選した遊技において、表示装置16の画面上で、ストップボタン3a、3b、3cを操作順5、6で操作することを示唆する演出を実行し、かつ、各リール4a、4b、4cにおいて7図柄を狙うことを示唆する演出を実行する。
【0202】
なお、この演出は、疑似ボーナス待機状態において、以下の条件が満たされた場合に実行される。(1)操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した遊技において正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された。(2)上述の(1)の条件が満たされた後、その次にいずれかの操作順ベルA〜Xが当選した遊技において、再び正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作された。
【0203】
疑似ボーナス状態(第2AT状態)は、AT状態であり、操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した場合に、当選した操作順ベルの正解操作順を告知する演出が実行される。
【0204】
疑似ボーナス状態は、疑似ボーナス待機状態において上記(1)、(2)が満たされた後、重複リプレイが当選し、かつ、ストップボタン3a、3b、3cが操作順5、6で操作されることが開始条件とされている。一方、疑似ボーナス状態は、疑似ボーナス状態において消化された遊技数が規定数に達することが終了条件とされている。なお、本実施形態では、疑似ボーナス状態において消化される遊技数は、基本遊技のみの遊技数であり、疑似遊技は含まれない。但し、この遊技数は、基本遊技及び疑似遊技の合算の遊技数であってもよい。
【0205】
本実施形態においては、疑似ボーナス状態の終了条件が遊技数によって規定されているが、疑似ボーナス状態の終了条件は、ベルの入賞を補助する補助演出回数によって規定されていてもよいし、ベルの入賞回数によって規定されていてもよい。あるいは、疑似ボーナス状態の終了条件は、メダルの払出し枚数の合計によって規定されていてもよいし、メダルの純増枚数(払出し枚数の合計−投入枚数の合計)によって規定されていてもよい。
【0206】
演出制御部52は、疑似ボーナス遊技数カウンタによって疑似ボーナス状態での遊技数(基本遊技のみ)をカウントする処理を実行する。具体的には、演出制御部52は、疑似ボーナス状態の開始条件が満たされた遊技において、疑似ボーナス遊技数カウンタに初期値(例えば、50)を設定し、その遊技の次の遊技から、基本遊技が開始される度(スタートレバー21が操作される度)に、カウンタの値から1を減算する処理を実行する。
【0207】
なお、演出制御部52は、上乗せ遊技数抽選部54により上乗せ遊技数(疑似ボーナス状態の終了条件を延長させるための遊技数)が決定されると、決定された上乗せ遊技数を現在の疑似ボーナス遊数カウンタに加算する処理を実行する。この処理によって、上乗せ遊技数分、疑似ボーナス状態での遊技数が延長される。
【0208】
また、演出制御部52は、第2の通常状態において疑似ボーナス状態が当選すると、前兆遊技数を決定する処理を実行する。さらに、演出制御部52は、前兆遊技数カウンタによって前兆遊技数をカウントする処理を実行する。
【0209】
具体的には、演出制御部52は、第2の通常状態において疑似ボーナス状態が当選すると、0〜32の値のうちいずれかの値を前兆遊技数として決定する。そして、演出制御部52は、疑似ボーナス状態が当選した遊技において、前兆遊技数カウンタに前兆遊技数を設定し、その遊技の次の遊技から、遊技が開始される度(スタートレバー21が操作される度)に、カウンタの値から1を減算する処理を実行する。
【0210】
「上乗せ遊技数抽選部54」
上乗せ遊技数抽選部54は、疑似遊技の実行に応じて、疑似ボーナス状態の終了条件を変更するための上乗せ遊技数を抽選により決定する。具体的には、上乗せ遊技数抽選部54は、メイン制御部31において疑似遊技が実行されると、疑似遊技において表示された役の種類に応じて上乗せ遊技数を決定する。
【0211】
本実施形態では、上乗せ遊技数抽選部54は、通常リプレイ<チェリーリプレイ<7揃いリプレイの順番で上乗せ遊技数の期待値が大きくなるように上乗せ遊技数の抽選を行う。この上乗せ遊技数の抽選には、上乗せ遊技数抽選テーブルが用いられる。上乗せ遊技数抽選テーブルは、3種類のリプレイにそれぞれ対応する3つの上乗せ遊技数抽選テーブルが用意されている。この上乗せ遊技数抽選テーブルは、0〜32767までの値について、10ゲームの上乗せ遊技数が当選する当選領域や、20ゲームの上乗せ遊技数が当選する当選領域などが設定されている。
【0212】
「サブ乱数発生部56」
サブ乱数発生部56は、疑似ボーナス抽選部53による疑似ボーナス状態の抽選に用いられる乱数値(0〜32767)と、上乗せ遊技数抽選部54による上乗せ遊技数の抽選に用いられる乱数値(0〜32767)とを発生させる。
【0213】
<遊技の一連の流れ>
次に、本実施形態に係る遊技機10における遊技の一連の流れについて説明する。
図13は、遊技の一連の流れを説明するための図である。なお、
図13において、白の矢印は、メイン制御部31における、3つの遊技状態(通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態)の移行を示しており、黒の矢印は、サブ制御部51における演出状態の移行を示している。
【0214】
[通常状態]
まず、遊技状態が通常状態である場合について説明する。なお、遊技機10は、初期状態においては、通常状態に滞在している。メイン制御部31における遊技状態が通常状態である場合には、演出制御部52は、演出状態を、第1のサブ通常状態(非AT状態)としている。
【0215】
遊技状態が通常状態である場合、内部抽選部33は、第1の内部抽選テーブルを参照して、1遊技毎に役の抽選を行う。通常状態においては、操作順ベルA〜X、レア1枚役、通常リプレイ、RBBが当選する可能性がある。また、通常状態においては、不当選(ハズレ)となる可能性もある。
【0216】
通常状態において、RBBが当選したとする。なお、第1の内部抽選テーブルでは、比較的高い確率でRBBが当選するようにRBBの当選領域が設定されている。このため、本実施形態に係る遊技機10では、通常状態に滞在しにくくなっている。
【0217】
RBBが当選したその遊技(つまり、成立ゲーム)において、RBBに対応する図柄組合せ(BAR図柄A、スイカ図柄B、7図柄の図柄組合せ)が有効ライン2上に表示された場合、遊技状態移行制御部38は、遊技状態を通常状態からボーナス状態へ移行させる。
【0218】
遊技状態が通常状態からボーナス状態に移行された場合、サブ制御部51の演出制御部52は、演出状態を、第1のサブ通常状態からボーナス演出状態に移行させる。
【0219】
ここで、
図3を参照して、RBBに対応する図柄組合せ(BAR図柄A、スイカ図柄B、7図柄の図柄組合せ)について、第1のリール4aにBAR図柄Aは1つ、第2のリール4bにスイカ図柄Bは1つ、第3のリール4cに7図柄は1つしか配置されていない。このため、RBBの成立ゲームにおいて、遊技者は容易にRBBに対応する図柄組合せを表示させることはできない。従って、遊技状態は、通常状態からボーナス状態へは移行しにくくなっている。
【0220】
基本的には、RBBは成立ゲームで有効ライン2上には表示されず、RBBは取りこぼしとなる。RBBが取りこぼされた場合、遊技状態移行制御部38は、遊技状態を通常状態からボーナス成立状態へと移行させる。すなわち、本実施形態では、遊技状態が通常状態からボーナス成立状態へ移行しやすくなっている。
【0221】
遊技状態が通常状態からボーナス成立状態へと移行されると、演出制御部52は、演出状態を第1のサブ通常状態から第2のサブ通常状態へと移行させる。
【0222】
[ボーナス状態]
ボーナス状態(RBB作動中)においては、内部抽選部33は、第3の内部抽選テーブルを参照して、1遊技毎に役の抽選を行う。ボーナス状態においては、全小役、全1枚役が当選する可能性がある。また、ボーナス状態においては、不当選(ハズレ)となる可能性もある。
【0223】
ボーナス状態においては、ボーナス状態において払い出されたメダルの合計数が規定数(例えば、360枚)に達したかどうかが判断される。そして、規定数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御部38は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態をボーナス状態から通常状態へと移行させる。
【0224】
遊技状態がボーナス状態から通常状態へと移行されると、演出制御部52は、演出状態をボーナス演出状態から第1のサブ通常状態へと移行させる。
【0225】
ここで、ボーナス状態における出玉率(メダルの投入数に対するメダルの払い出し数の期待値)は、100%未満に設定されている。すなわち、ボーナス状態においては、メダルが減ることになる。このようにボーナス状態において出玉率を100%未満とすることによって、遊技状態の全体を通じてのメダルの獲得率が高まりすぎて射倖心を煽ってしまうことを防止することができる。
【0226】
[ボーナス成立状態]
遊技状態がボーナス成立状態である場合、内部抽選において、第2の内部抽選テーブルが参照される。ボーナス成立状態では、操作順ベルA〜X、レア1枚役、通常リプレイ、重複リプレイ、チェリーリプレイが当選する可能性がある。なお、ボーナス成立状態においては、RBBの抽選フラグが持ち越された状態で、第2の内部抽選テーブルによる役の抽選が行われる。
【0227】
第2の内部抽選テーブルにおけるリプレイの当選確率(通常リプレイ、重複リプレイ、チェリーリプレイの合算確率)は、第1の内部抽選テーブルにおけるリプレイ(通常リプレイ)の当選確率よりも高く設定されている。このため、ボーナス成立状態では、通常状態よりもリプレイが当選し易くなっている。
【0228】
ボーナス成立状態では、通常状態と異なり、RBB、ハズレは当選する可能性がない。つまり、ボーナス成立状態においては、小役かリプレイが必ず当選することになる。さらに、上述のように、本実施形態においては、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
【0229】
このため、本実施形態では、一旦ボーナス成立状態に移行すると、RBBを有効ライン2上に表示させることが困難な状況となっている。従って、本実施形態では、通常状態よりもリプレイ確率が高い状態であるボーナス成立状態において長期に亘って遊技者に遊技を提供することができる。
【0230】
遊技状態移行制御部38は、ボーナス成立状態においてRBBに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された場合には、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
【0231】
遊技状態がボーナス成立状態からボーナス状態へと移行されると、サブ制御部51の演出制御部52は、演出状態を第2のサブ通常状態、前兆演出状態、疑似ボーナス待機状態、疑似ボーナス状態からボーナス演出状態へと移行させる。
【0232】
なお、AT状態(疑似ボーナス待機状態、疑似ボーナス状態)において、遊技状態がボーナス成立状態からボーナス状態へと移行された場合、演出制御部52は、AT状態を強制的に終了させる。なお、AT状態が強制的に終了された場合、そのボーナス状態が消化され、通常状態を経てボーナス成立状態へと復帰したときに、AT状態を復帰させる処理が実行されてもよい。
【0233】
遊技状態が通常状態からボーナス成立状態へと移行された直後の演出状態は、第2のサブ通常状態である。演出状態が第2のサブ通常状態である場合に、疑似ボーナス抽選部53による抽選によって疑似ボーナス状態が当選したとする。この場合、疑似ボーナス抽選部53は、ストック数カウンタに1(1度の抽選で2以上の疑似ボーナス状態が当選した場合は2以上の値)を加算する。
【0234】
また、第2のサブ通常状態において疑似ボーナス状態が当選すると、演出制御部52は、疑似ボーナス状態が当選した遊技の次の遊技において、演出状態を第2のサブ通常状態から前兆演出状態へと移行させる。
【0235】
また、第2のサブ通常状態において疑似ボーナス状態が当選すると、演出制御部52は、前兆遊技数を決定し、その遊技において前兆遊技数カウンタに前兆遊技数を設定する。そして、演出制御部52は、次の遊技から1遊技毎に前兆遊技数カウンタから1を減算する処理を実行する。
【0236】
演出状態が前兆演出状態である場合にも、疑似ボーナス抽選部53は、疑似ボーナス状態の抽選を行っているため、前兆演出状態においてストック数カウンタの値にさらに1(あるいは、2以上の値)が加算される場合がある。これについては、演出状態が疑似ボーナス待機状態、疑似ボーナス状態である場合においても同様である。
【0237】
演出制御部52は、前兆遊技数カウンタの値が0となった場合に、その遊技の次の遊技において、演出状態を前兆演出状態から疑似ボーナス待機状態へと移行させる。
【0238】
疑似ボーナス待機状態においては、操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した場合、演出制御部52によって、当選した操作順ベルにおける正解操作順が告知される。
【0239】
ここで、疑似ボーナス待機状態において、操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した遊技において正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作され、かつ、その次にいずれかの操作順ベルA〜Xが当選した遊技において、再び正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作されたとする。そして、その後、重複リプレイが当選したとする。
【0240】
この場合、演出制御部52は、表示装置16の画面上において、ストップボタン3a、3b、3cを操作順5、6で操作することを示唆する演出を実行し、かつ、各リール4a、4b、4cにおいて7図柄を狙うことを示唆する演出を実行する。
【0241】
このとき、遊技者がストップボタン3a、3b、3cを操作順5、6で操作したとする。この場合、遊技者の目押しが正確であれば、中段ライン上に3つの7図柄の組合せが表示される。ストップボタン3a、3b、3cが操作順5、6で操作された場合(中段ライン上に3つの7図柄が表示されたかどうかは関係ない)、演出制御部52は、疑似ボーナス状態の開始条件が満たされたと判定し、その遊技の次の遊技において、演出状態を疑似ボーナス待機状態から疑似ボーナス状態へと移行させる。これにより、疑似ボーナス状態が開始される。
【0242】
また、メイン制御部31のフリーズ制御部39は、遊技者によりストップボタン3a、3b、3cが操作順5、6で操作されると、スタートフリーズ演出状態をスタートフリーズ低確率状態からスタートフリーズ高確率状態へと移行させる。これにより、疑似ボーナス状態が開始されたことに合わせて、スタートフリーズ演出状態がフリーズ低確率状態からスタートフリーズ高確率状態へと移行される。
【0243】
なお、本実施形態では、スタートフリーズ低確率状態は、スタートフリーズ演出が発生し得ない状態とされているので、疑似ボーナス状態が開始されてスタートフリーズ演出状態がスタートフリーズ低確率状態からスタートフリーズ高確率状態へと移行することによって初めてスタートフリーズ演出(疑似遊技)が発生し得る状態となる。
【0244】
疑似ボーナス抽選部53は、疑似ボーナス状態が開始されたと判定されると、ストック数カウンタの値から1を減算する処理を実行する。また、演出制御部52は、疑似ボーナス状態が開始されたと判定されると、疑似ボーナス遊技数カウンタに、初期値を設定する。そして、演出制御部52は、疑似ボーナス遊技数カウンタに設定されている値を、スタートレバー21が操作される度に1ずつ減算する処理を実行する。
【0245】
疑似ボーナス状態においては、操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した場合、演出制御部52によって、当選した操作順ベルA〜Xにおける正解操作順が告知される。
【0246】
疑似ボーナス状態(スタートフリーズ高確率状態)においてレア1枚役が当選した場合、疑似遊技が実行される場合がある。そして、この疑似遊技の実行に応じて、疑似ボーナス状態における遊技数の上乗せ抽選が行われる。なお、疑似遊技が実行されるときの動作については、
図14及び
図15を参照して、後に詳述する。
【0247】
疑似ボーナス遊技数カウンタの値が0となると、演出制御部52は、その遊技において全てのリール4a、4b、4cが停止された後、疑似ボーナス状態において取得することができたメダルの合計を告知する演出を実行する。また、疑似ボーナス遊技数カウンタの値が0となると、演出制御部52は、その遊技の終了時に、ストック数カウンタの値が0であるかどうかを判定する。ストック数カウンタの値が0である場合、演出制御部52は、演出状態を疑似ボーナス状態から第2のサブ通常状態へと移行させる。
【0248】
一方、演出制御部52は、疑似ボーナス状態が終了された場合に、ストック数カウンタの値が1以上であるとき、演出状態を疑似ボーナス状態から疑似ボーナス待機状態へと移行させる。疑似ボーナス状態終了後に疑似ボーナス待機状態が開始された場合、非AT状態を経由せずに、次の疑似ボーナス状態が開始される。
【0249】
演出状態が疑似ボーナス状態から第2のサブ通常状態へと移行されると、操作順ベルA〜Xの正解操作順を告知する演出が実行されなくなる。演出状態が第2のサブ通常状態へ転落した後、操作順ベルA〜Xのうちいずれかの操作順ベルが当選した遊技において不正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作されたとする。
【0250】
また、その次にいずれかの操作順ベルA〜Xが当選した遊技において、再び不正解操作順でストップボタン3a、3b、3cが操作されたとする。この場合、フリーズ制御部39は、スタートフリーズ演出状態をスタートフリーズ高確率状態からスタートフリーズ低確率状態へと移行させる。これにより、スタートフリーズ演出(つまり、疑似遊技)が発生し得ない状態となる。
【0251】
<疑似遊技>
次に、疑似遊技について具体的に説明する。
図14及び
図15は、疑似遊技を説明するための図である。
【0252】
疑似遊技実行抽選部40は、現在のスタートフリーズ演出状態がスタートフリーズ高確率状態である場合(つまり、現在の演出状態が疑似ボーナス状態である場合)に、内部抽選によりレア1枚役が当選したとき、疑似遊技実行抽選テーブルを参照して疑似遊技を実行するかどうかの抽選を行う。
【0253】
図14を参照して、スタートレバー21の操作時に、レア1枚役が当選し、このとき、疑似遊技実行抽選部40により疑似遊技を実行すると決定されたとする。この場合、フリーズ制御部39は、その遊技(レア1枚役が当選した遊技)においてスタートフリーズ期間を設定する。
【0254】
また、疑似遊技を実行すると決定された場合、疑似遊技抽選部41は、疑似遊技抽選テーブルを参照して、1回目の疑似遊技において表示される役(通常リプレイ、チェリーリプレイ、7揃いリプレイ)の抽選を行う。この抽選結果は、信号出力部42によってサブ制御部51(上乗せ遊技数抽選部54)に伝えられる。
【0255】
スタートフリーズ期間が設定されると、
図14(A)に示すように、リール制御部34は、リール4a、4b、4cの回転を開始させる。これにより、1回目の疑似遊技が開始される。
【0256】
図14(B)〜(D)に示すように、ストップボタン3a、3b、3cが操作されると、リール制御部34は、操作されたストップボタン3a、3b、3に対応するリール4a、4b、4cを順次仮停止させる。このとき、リール制御部34は、疑似遊技抽選部41による役の抽選結果(通常リプレイ、チェリーリプレイ、7揃いリプレイ)に応じた停止態様で、各リール4a、4b、4cを仮停止させる。
【0257】
本実施形態では、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せが疑似遊技毎に有効ライン2上に表示されるため、仮に遊技者が疑似遊技を基本遊技と勘違いしていたとしても、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。
【0258】
また、リール制御部34は、疑似遊技においてリール4a、4b、4cを仮停止させているとき、リール4a、4b、4cが継続的に揺れないようにリール4a、4b、4cの停止状態を維持する。すなわち、リール制御部34は、リール4a、4b、4cを仮停止させているとき、リール4a、4b、4cを完全停止状態とする。これにより、本実施形態では、リール4a、4b、4cの揺れにより遊技者が不快と感じてしまうことを防止することができる。
【0259】
なお、疑似遊技では、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとしてもリプレイ処理は実行されない。
【0260】
上乗せ遊技数抽選部54は、疑似遊技抽選部41による役の抽選結果を受信すると、上乗せ遊技数抽選テーブルを参照して、上乗せ遊技数を抽選により決定する。上乗せ遊技数が決定されると、演出制御部52は、1回目の疑似遊技が終了した後(すべてのリール4a、4b、4cの停止後)に、1回目の疑似遊技において取得された上乗せ遊技数を告知する演出を実行する(例えば、表示装置16の画面上に「+20ゲーム」と表示させる)。
【0261】
また、演出制御部52は、上乗せ遊技数が決定されると、疑似ボーナス遊技数カウンタの現在の値に、上乗せ遊技数を加算する処理を実行する。
【0262】
全てのリール4a、4b、4cが仮停止されて1回目の疑似遊技が終了した後、スタートレバー21が操作されると、疑似遊技抽選部41は、疑似遊技抽選テーブルを参照して、2回目の疑似遊技において表示される役(通常リプレイ、チェリーリプレイ、7揃いリプレイ)の抽選を行う。そして、1回目の疑似遊技と同様にして2回目の疑似遊技が実行される(
図14(A)〜(D))。3回目の疑似遊技においても、1回目、2回目の疑似遊技と同様の処理が実行される(
図14(A)〜(D))。
【0263】
図15には、1回目、2回目、3回目の疑似遊技において、順番に、通常リプレイ、7揃いリプレイ、チェリーリプレイに対応する図柄組合せが表示された場合の一例が示されている。なお、各疑似遊技においては、図柄組み合わせが表示されるラインは、有効ライン2でなくてもよい。
【0264】
3回目の疑似遊技が終了した後、スタートレバー21が操作されると、フリーズ制御部39は、スタートフリーズ期間を終了させる。このとき、リール制御部34は、ランダム遅延処理を実行しつつ、リール4a、4b、4cの回転を開始させる(
図14(E))。これにより一時的に停止されていた基本遊技が再開される。
【0265】
基本遊技が再開された後、
図14(F)〜(H)に示すように、ストップボタン3a、3b、3cが操作されると、リール制御部34は、操作されたストップボタン3a、3b、3cに対応するリール4a、4b、4cを順次停止させる。なお、このとき、リール制御部34は、内部抽選部33における役の抽選結果(つまり、レア1枚役)に応じた停止態様で各リール4a、4b、4cを停止させる。
【0266】
<疑似遊技及びリプレイランプ7の関係>
次に、疑似遊技及びリプレイランプ7の関係について説明する。ここでの説明では、まず、基本遊技においてリプレイランプ7がどのように点灯、消灯するかについて説明する。
【0267】
図16は、これを説明するための図である。なお、
図16では、1ゲーム目の基本遊技の1ゲーム前の基本遊技(0ゲーム目)において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されていたとして説明する。
【0268】
1ゲーム目の基本遊技では、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されていないので、1ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は消灯状態とされている。その後、1ゲーム目の基本遊技においてリプレイ(通常リプレイ、チェリーリプレイ、7揃いリプレイ)に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されると、リプレイに対応する図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が点灯する。
【0269】
2ゲーム目の基本遊技においては、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたので、2ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は点灯状態とされる。その後、2ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示されると、リプレイランプ7の点灯状態が維持される。なお、2ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組み合わせが表示されたとき(つまり、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組み合わせが表示され、今回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組み合わせが表示されたとき)、リプレイランプ7が短い期間(例えば、0.1秒程度)消灯した後に、再びリプレイランプ7が点灯されてもよい。
【0270】
3ゲーム目の基本遊技においては、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたので、3ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は点灯状態とされる。その後、3ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されると、この図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が消灯する。
【0271】
4ゲーム目の基本遊技においては、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されていないので、4ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は消灯状態とされる。その後、4ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されると、リプレイランプ7の消灯状態が維持される。
【0272】
すなわち、リプレイランプ7は、その基本遊技の前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが表示されていれば、その基本遊技が実行されている間は点灯状態とされる。一方、その基本遊技の前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されていれば、その基本遊技が実行されている間は消灯状態とされる。
【0273】
また、リプレイランプ7は、消灯状態とされているときにリプレイに対応する図柄組合せが表示されれば点灯し、点灯状態とされているときにリプレイに対応する図柄組合せが表示されれば点灯状態が維持される。
【0274】
また、リプレイランプ7は、点灯状態とされているときにリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されると消灯し、消灯状態とされているときにリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されると消灯状態が維持される。
【0275】
次に、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組み合わせが表示される疑似遊技を実行する場合(第1の疑似遊技パターン)について説明する。
図17は、これを説明するための図である。
【0276】
図17に示すように、1ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとする。
【0277】
このとき、0ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示されていれば、1ゲーム目の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が消灯する。一方、0ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されていれば、リプレイランプ7の消灯状態が維持される。なお、
図18では、前者の例が示されている。
【0278】
その後、2ゲーム目の基本遊技における内部抽選においてレア1枚役が当選し、疑似遊技を実行すると決定されたとする。この場合、2ゲーム目の基本遊技におけるスタートフリーズ期間において、1回目の疑似遊技、2回目の疑似遊技、3回目の疑似遊技が実行され、各疑似遊技において基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。
【0279】
3回目の疑似遊技が終了した後、基本遊技が再開され、レア1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。
【0280】
ここで、2ゲーム目の基本遊技においては、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示されたので、2ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は消灯状態とされる。
【0281】
なお、各疑似遊技は、リール制御部34による単なる回胴演出であるため、各疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが表示されたとしてもリプレイランプ7の点灯、消灯とは関係がない。つまり、各疑似遊技が実行されている期間は、リプレイランプ7は消灯したままである。
図17に示す例では、2ゲーム目の基本遊技においてリプレイランプ7の点灯、消灯と関係があるのは、3回目の疑似遊技の終了後に実行される基本遊技のみである。ここでの例では、3回目の疑似遊技が終了した後の基本遊技において、レア1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示され、リプレイランプ7の消灯状態が維持される。
【0282】
各疑似遊技が実行されるときのリプレイランプ7の挙動は、基本遊技が実行されるときのリプレイランプ7の挙動とは異なっている。すなわち、各疑似遊技が実行されてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとき、リプレイランプ7の消灯状態が維持されている。この各疑似遊技が仮に基本遊技であるとすると、リプレイに対応する図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が点灯するはずである。
【0283】
従って、遊技者は、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとき、リプレイランプ7を確認すれば、その遊技が基本遊技であるか、疑似遊技であるかを判別することができる。
【0284】
具体的には、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたタイミングでリプレイランプ7が点灯すれば、その遊技が基本遊技であると判断することができる。一方、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたタイミングでリプレイランプ7が点灯しなければ、その遊技が疑似遊技であると判断することができる。
【0285】
なお、このようなリプレイランプ7の挙動の違いによって疑似遊技と基本遊技とを識別することを、本明細書中において便宜的に「リプレイランプ判別」と呼ぶ。
【0286】
このようなリプレイランプ判別を可能とするために、本実施形態では、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示される疑似遊技を実行させることとしている。このようなリプレイランプ判別によって現在の遊技が基本遊技であるか疑似遊技であるかを外見上識別することができるようにすることで、遊技者は、現在の遊技が疑似遊技であれば、まだ基本遊技が終わっていないと判断することができる。従って、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。
【0287】
ここで、本実施形態では、疑似遊技が実行されるタイミングが、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技とされている。以降では、このようなタイミングで疑似遊技を実行するための方法について説明する。
【0288】
疑似遊技実行抽選部40により疑似遊技が実行されると決定されたとする。この場合、フリーズ制御部39は、その基本遊技(疑似遊技の実行が決定された基本遊技)の前回の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されていたかどうかを判定する。
【0289】
前回の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示されていなかった場合、フリーズ制御部39は、その基本遊技(疑似遊技の実行が決定された遊技)において、スタートフリーズ期間を設定する。そして、リール制御部34は、スタートフリーズ期間において各疑似遊技を実行する。
【0290】
一方、前回の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示されていた場合、フリーズ制御部39は、その基本遊技(疑似遊技の実行が決定された遊技)においては、スタートフリーズ期間の設定せずに、スタートフリーズ期間の設定を延長する。
【0291】
この場合、フリーズ制御部39は、基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示されるまで待ち、その基本遊技の次の基本遊技において、スタートフリーズ期間を設定する。そして、リール制御部34は、スタートフリーズ期間において各疑似遊技を実行する。
【0292】
なお、他の方法として、疑似遊技実行抽選部40が、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技においてのみ疑似遊技を実行するかどうかを抽選するといった方法が挙げられる。
【0293】
ここで、本実施形態においては、疑似遊技が実行されるかどうかの抽選がメイン制御部31側において実行されているが、この抽選はサブ制御部51側において実行することも可能である。疑似遊技が実行されるかどうかの抽選がサブ制御部51側において実行される場合、サブ制御部51は、疑似遊技を実行すると決定した後、ストップボタン3a、3b、3cの操作順を介してメイン制御部31に疑似遊技を実行させるように指示を出す。
【0294】
なお、サブ制御部51がストップボタン3a、3b、3cの操作順を介してメイン制御部31に疑似遊技の実行を指示しているのは、サブ制御部51からメイン制御部31への信号の送信が規制されているためである。
【0295】
例えば、サブ制御部51は、疑似遊技を実行すると決定した後、通常リプレイが当選した遊技において、所定の操作順(例えば、操作順3、4)でストップボタン3a、3b、3cを操作させるための告知を行う。そして、サブ制御部51は、その次に通常リプレイが当選した遊技において所定の操作順(例えば、操作順5、6)でストップボタン3a、3b、3cを操作させるための告知を行う。
【0296】
メイン制御部31は、通常リプレイが当選したときのストップボタン3a、3b、3cの操作順が所定の規則に従っていれば(例えば、操作順3、4→操作順5、6の順番)、疑似遊技を実行するように指示が出されたと判断する。指示が出されたと判断すると、メイン制御部31は、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技において、スタートフリーズ期間を設定し、スタートフリーズ期間において各疑似遊技を実行する。
【0297】
<作用等>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技機10においては、リール制御部34が、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示される疑似遊技を実行する。これにより、基本遊技と疑似遊技とでリプレイランプ7の挙動が異なることになり、遊技者は、リプレイランプ7の挙動を確認することにより基本遊技及び疑似遊技を識別することができる。
【0298】
このように、本実施形態では、リプレイランプ判別によって現在の遊技が基本遊技であるか疑似遊技であるかを遊技者が外見上識別することができるため、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。
【0299】
さらに、本実施形態では、疑似遊技が実行される度に、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。ここで、基本遊技におけるリプレイは、メダルを消費することなく、次の基本遊技を行うことができるという役である。従って、疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組み合わせが表示されれば、遊技者は、次の遊技が保証されていると認識し、遊技機100において遊技を続けることになる。従って、疑似遊技毎に、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せを有効ライン2上に表示させることによって、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。つまり、本実施形態では、リプレイランプ判別による方法と、疑似遊技毎に基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せを表示するといった方法との2つの方法の組み合わせによって、基本遊技の途中で遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうこと2重に防止している。
【0300】
さらに、本実施形態では、上述のような方法によって、基本遊技の途中で席を離れてしまうことを防止しているため、疑似遊技においてリール4a、4b、4cが仮停止されているときに、リール4a、4b、4cを継続的に揺らすといった処理を実行しない。すなわち、本実施形態においては、疑似遊技においてリール4a、4b、4cが完全停止状態とされる。これにより、本実施形態では、リール4a、4b、4cの揺れにより遊技者が不快と感じてしまうことを防止することができる。
【0301】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態以降の説明では、上述の第1実施形態と同一の構成及び機能を有する各部については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0302】
第2実施形態では、「リプレイランプ判別」が可能である点において上述の第1実施形態と共通しているが、その実現方法が異なっている。ここで、上述の第1実施形態では、疑似遊技が実行されるタイミングが、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技とされていた。一方、第2実施形態では、疑似遊技が実行されるタイミングが、リプレイに対応する図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技とされている。
【0303】
さらに、上述の第1実施形態では、疑似遊技において表示される図柄組合せが、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せとされていた。一方、第2実施形態では、疑似遊技において表示される図柄組合せが、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せとされている。
【0304】
すなわち、第2実施形態では、リール制御部34が、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示される疑似遊技を実行する(第2の疑似遊技パターン)。
【0305】
なお、第2実施形態では、チェリーリプレイの代わりに、小役としてチェリーが用意される(例えば、配当が2枚)。チェリーに対応する図柄組合せとしては、例えば、
図4に示すチェリーリプレイと同じ図柄組合せが使用される。
【0306】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、1回の基本遊技におけるスタートフリーズ期間内において、疑似遊技が複数回繰り返して実行される(但し、疑似遊技の回数は、1回、2回、4回以上であってもよく、その回数が継続抽選により決定されてもよい)。一方、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、疑似遊技毎に、基本遊技における小役に対応する図柄組合せ(チェリー、ベルに対応する図柄組み合わせ等)が有効ライン2上に表示される。
【0307】
第2実施形態に係るリプレイランプ判別について説明する。
図18は、リプレイに対応する図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組み合わせ以外の図柄組合せが表示される疑似遊技が実行される場合の一例を示す図である。
【0308】
図18に示すように、1ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとする。
【0309】
このとき、0ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されていれば、1ゲーム目の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が点灯する。一方、0ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示されていれば、リプレイランプ7の点灯状態が維持される。なお、
図18では、前者の例が示されている。
【0310】
その後、2ゲーム目の基本遊技における内部抽選においてレア1枚役が当選し、疑似遊技を実行すると決定されたとする。この場合、2ゲーム目の基本遊技におけるスタートフリーズ期間において、1回目の疑似遊技、2回目の疑似遊技、3回目の疑似遊技が実行され、各疑似遊技において基本遊技における小役に対応する図柄組合せ(例えば、チェリー、ベルに対応する図柄組合せ等)が有効ライン2上に表示される。
【0311】
3回目の疑似遊技が終了した後、基本遊技が再開され、レア1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。
【0312】
ここで、2ゲーム目の基本遊技においては、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたので、2ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は点灯状態とされる。
【0313】
なお、各疑似遊技は、リール制御部34による単なる回胴演出であるため、各疑似遊技において小役に対応する図柄組合せが表示されたとしてもリプレイランプ7の点灯、消灯とは関係がない。つまり、各疑似遊技が実行されている期間は、リプレイランプ7は点灯したままである。
図18に示す例では、2ゲーム目の基本遊技においてリプレイランプ7の点灯、消灯と関係があるのは、3回目の疑似遊技の終了後に実行される基本遊技のみである。ここでの例では、3回目の疑似遊技が終了した後の基本遊技において、レア1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示され、このタイミングで点灯状態のリプレイランプ7が消灯される。
【0314】
各疑似遊技が実行されるときのリプレイランプ7の挙動は、基本遊技が実行されるときのリプレイランプ7の挙動とは異なっている。すなわち、各疑似遊技が実行されて小役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとき、リプレイランプ7の点灯状態が維持されている。この各疑似遊技が仮に基本遊技であるとすると、小役に対応する図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が消灯するはずである。
【0315】
従って、遊技者は、小役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとき、リプレイランプ7を確認すれば、その遊技が基本遊技であるか、疑似遊技であるかを判別することができる。
【0316】
具体的には、小役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたタイミングでリプレイランプ7が消灯すれば、その遊技が基本遊技であると判断することができる。一方、小役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたタイミングでリプレイランプ7が消灯しなければ、その遊技が疑似遊技であると判断することができる。
【0317】
このように、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、リプレイランプ判別によって現在の遊技が基本遊技であるか疑似遊技であるかを遊技者が外見上識別することができる。従って、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。
【0318】
さらに、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、各疑似遊技が実行されている間は、リプレイランプ7が点灯状態とされており、各疑似遊技において全てのリール4a、4b、4cが仮停止されたとき、リプレイランプ7は点灯状態とされる。ここで、各疑似遊技において全てのリール4a、4b、4cが仮停止されたときに、リプレイランプ7が点灯していれば、遊技者は、次の遊技が保証されていると認識し、遊技機100において遊技を続けることになる。このように、各疑似遊技が実行されている間、リプレイランプ7が点灯状態とされれば、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めてしまうようなことはなくなる。つまり、第2実施形態では、リプレイランプ判別による方法と、各疑似遊技が実行されている間はリプレイランプ7を点灯状態とするといった方法との2つの方法の組み合わせによって、基本遊技の途中で遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうこと2重に防止している。
【0319】
さらに、第2実施形態では、上述のような方法によって、基本遊技の途中で席を離れてしまうことを防止しているため、第1実施形態と同様に、疑似遊技においてリール4a、4b、4cが仮停止されているときに、リール4a、4b、4cを継続的に揺らすといった処理を実行しない。すなわち、疑似遊技においてリール4a、4b、4cが完全停止状態とされる。これにより、リール4a、4b、4cの揺れにより遊技者が不快と感じてしまうことを防止することができる。
【0320】
ここで、第2実施形態では、疑似遊技が実行されるタイミングが、リプレイに対応する図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技とされている。このようなタイミングで疑似遊技を実行させるための考え方については、上述の第1実施形態と同様の考え方を適用することができるため、ここでの詳細な説明については省略する。
【0321】
なお、第2実施形態では、疑似遊技において表示される図柄組合せが小役に対応する図柄組合せであるとして説明した。一方、疑似遊技において表示される図柄組合せは、ボーナス(RBB等)に対応する図柄組合せであってもよく、いずれの役にも対応しない図柄組合せ(ハズレ目)であってもよい。
【0322】
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり(第2実施形態と同様に)、疑似遊技が実行されるタイミングが、リプレイに対応する図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技とされている。一方、第1実施形態と同様に(第2実施形態とは異なり)、疑似遊技において表示される図柄組合せが、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せとされている。
【0323】
すなわち、第3実施形態では、リール制御部34が、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示される疑似遊技を実行する(第3の疑似遊技パターン)。
【0324】
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、1回の基本遊技におけるスタートフリーズ期間内において、疑似遊技が複数回繰り返して実行される(但し、疑似遊技の回数は、1回、2回、4回以上であってもよく、その回数が継続抽選により決定されてもよい)。
【0325】
図19は、リプレイに対応する図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示される疑似遊技が実行される場合の一例を示す図である。
【0326】
図19に示すように、1ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたとする。
【0327】
このとき、0ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されていれば、1ゲーム目の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが表示されたタイミングでリプレイランプ7が点灯する。一方、0ゲーム目の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示されていれば、リプレイランプ7の点灯状態が維持される。なお、
図19では、前者の例が示されている。
【0328】
その後、2ゲーム目の基本遊技における内部抽選においてレア1枚役が当選し、疑似遊技を実行すると決定されたとする。この場合、2ゲーム目の基本遊技におけるスタートフリーズ期間において、1回目の疑似遊技、2回目の疑似遊技、3回目の疑似遊技が実行され、各疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。
【0329】
3回目の疑似遊技が終了した後、基本遊技が再開され、レア1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示される。
【0330】
ここで、2ゲーム目の基本遊技においては、前回の基本遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示されたので、2ゲーム目の基本遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は点灯状態とされる。
【0331】
なお、疑似遊技は、リール制御部34による単なる回胴演出であるため、各疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが表示されたとしてもリプレイランプ7の点灯、消灯とは関係がない。つまり、各疑似遊技が実行されている期間は、リプレイランプ7は点灯したままである。
図19に示す例では、2ゲーム目の基本遊技においてリプレイランプ7の点灯、消灯と関係があるのは、3回目の疑似遊技の終了後に実行される基本遊技のみである。ここでの例では、3回目の疑似遊技が終了した後の基本遊技において、レア1枚役に対応する図柄組合せが有効ライン2上に表示され、このタイミングで点灯状態のリプレイランプ7が消灯される。
【0332】
ここで、各疑似遊技におけるリプレイランプ7の挙動は、基本遊技におけるリプレイランプ7の挙動と同じである(
図16参照)。すなわち、各疑似遊技においては、基本遊技と同様に、リプレイに対応する図柄組合せが表示されたとき、リプレイランプ7の点灯状態が維持されている。
【0333】
このため、第3実施形態では、リプレイランプ判別によって、その遊技が基本遊技であるか疑似遊技であるかを遊技者が識別することができない。しかしながら、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、各疑似遊技が実行されている間は、リプレイランプ7が点灯状態とされており、各疑似遊技において全てのリール4a、4b、4cが仮停止されたとき、リプレイランプ7は点灯状態とされる。各疑似遊技において全てのリール4a、4b、4cが仮停止されたときに、リプレイランプ7が点灯していれば、遊技者は、次の遊技が保証されていると認識し、遊技機100において遊技を続けることになる。
【0334】
このように、各疑似遊技が実行されている間、リプレイランプ7が点灯状態とされれば、基本遊技と疑似遊技とを外見上識別することができなくても、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めてしまうようなことはなくなる。さらに、第3実施形態では、疑似遊技毎に、基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せが表示される。疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組み合わせが表示されれば、遊技者は、次の遊技が保証されていると認識し、遊技機100において遊技を続けることになる。
【0335】
従って、第3実施形態では、疑似遊技が実行されている間はリプレイランプ7を点灯状態とするといった方法と、疑似遊技毎に基本遊技におけるリプレイに対応する図柄組合せが表示されるといった方法との2つの方法の組み合わせによって、基本遊技の途中で遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうこと2重に防止することができる。
【0336】
さらに、第3実施形態では、このような方法により基本遊技の途中で遊技者が席を離れてしまうことを防止しているため、第1実施形態と同様に、疑似遊技においてリール4a、4b、4cを継続的に揺らす必要がない。つまり、第3実施形態においても、疑似遊技において、リール4a、4b、4cが完全停止状態とされる。これにより、リール4a、4b、4cの揺れにより遊技者が不快と感じてしまうことを防止することができる。
【0337】
ここで、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、疑似遊技が実行されるタイミングが、リプレイに対応する図柄組合せが表示された基本遊技の次の基本遊技とされている。このようなタイミングで疑似遊技を実行させるための考え方については、上述の第1実施形態と同様の考え方を適用することができるため、ここでの詳細な説明については省略する。
【0338】
≪各種変形例≫
以上の説明では、疑似遊技が上乗せ遊技数を決定するために用いられる場合について説明した。一方、疑似遊技は、他の用途に用いることも可能である。例えば、疑似遊技は、疑似ボーナス状態の開始を告知することに用いられてもよいし、疑似ボーナス状態の当選を告知することに用いられてもよい。あるいは、疑似遊技は、疑似ボーナス状態を実行させるかどうかの抽選の契機とされてもよい。
【0339】
さらに、疑似遊技が終了した後において、次の疑似遊技が実行されるとき(あるいは、基本遊技が再開されるとき)、ベットボタン20の操作が介在されてもよい。特に、疑似遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示される場合において、このようなベットボタン20の操作が介在される。
【0340】
以上の説明では、サブ制御部51側において、疑似ボーナス状態及び上乗せ遊技数の抽選を行う場合について説明した。一方、このようなAT状態に関する抽選については、メイン制御部31側において実行することもできる。さらに、サブ制御部51における演出制御部52による処理をメイン制御部31側において実行することも可能である。この場合、サブ制御基板50を設ける必要はなく、メイン制御基板50のみで遊技機100における各種処理が実行されてもよい。
【0341】
以上の説明では、リール制御部34が、第1の疑似遊技パターン(前回の基本遊技:リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せ。疑似遊技:リプレイに対応する図柄組合せ)、第2の疑似遊技パターン(前回の基本遊技:リプレイに対応する図柄組合せ。疑似遊技:リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せ)及び第3の疑似遊技パターン(前回の基本遊技:リプレイに対応する図柄組合せ。疑似遊技:リプレイに対応する図柄組合せ)のうちいずれか1つの疑似遊技パターンを実行する場合について説明した。一方、リール制御部34が、これらの3つの疑似遊技パターンのうち2つ以上の疑似遊技パターンを実行してもよい。すなわち、本発明に係る遊技機100において、リール制御部34は、第1の疑似遊技パターン、第2の疑似遊技パターン及び第3の疑似遊技パターンのうち少なくとも1つの疑似遊技パターンを実行可能であればよい。
【0342】
ここで、リール制御部34が、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン2上に表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示される疑似遊技を実行する場合について説明する。このパターンを便宜的に第4の疑似遊技パターンと呼ぶ。この第4の疑似遊技パターンでは、各疑似遊技が実行されている間は、リプレイランプ7は、消灯状態とされる。各疑似遊技において、全てのリール4a、4b、4cが仮停止されたとき、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されるが、このとき、リプレイランプ7は消灯したままである。このリプレイランプ7の挙動は、基本遊技におけるリプレイランプ7の挙動と同じである(
図16参照)。
【0343】
このため、第4の疑似遊技パターンの場合、リプレイランプ判別によって、その遊技が基本遊技であるか疑似遊技であるかを遊技者が識別することができない。さらに、第4の疑似遊技パターンでは、各疑似遊技が実行されている間、リプレイランプ7が消灯状態とされ、かつ、各疑似遊技において表示される図柄組合せもリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せとされている。従って、第4の疑似遊技パターンでは、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまう恐れがある。
【0344】
一方、第4の疑似遊技パターンの場合、表示装置16の画面上において、リール3a、3b、3cが疑似的に再現された疑似リールが表示されてもよい。この疑似リールは、例えば、3つのストップボタン3a、3b、3cに対応して横方向に並べられた3つの表示領域によって構成される(縦×1横×3)。なお、疑似リールは、横方向に並べられた3つの領域が縦方向に繰り返して配置されていてもよい(縦×2横×3、縦×3横×3等)。各領域には、各図柄のうちいずれか1つの図柄が表示される。なお、ここでの説明では、疑似リールとの区別のために、リール4a、4b、4cのことを便宜的にメインリール4a、4b、4cと呼ぶ。
【0345】
遊技機100に疑似リールが採用される場合、例えば、前面上扉12の中央に表示装置16が配置され、表示装置16よりも小さいメインリール4a、4b、4cが、表示装置16の下側、上側などに配置される。疑似リールは、基本遊技及び疑似遊技においてメインリール4a、4b、4cの回転が開始されると、疑似的にリールの回転が開始されるように表示が制御される。また、疑似リールは、基本遊技及び疑似遊技においてメインリール4a、4b、4cの回転が停止されると、疑似的にリールが停止されるように表示が制御される。
【0346】
基本遊技においては、メインリール4a、4b、4cにおいて役に対応する図柄組合せが表示されると、表示された役に対応する図柄組合せが疑似リールにおいて表示される。一方、各疑似遊技において、メインリール4a、4b、4cにリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されると、リプレイに対応する図柄組合せが疑似リールにおいて表示される。これにより、疑似遊技において、メインリール4a、4b、4cでリプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されても、疑似リールにおいて、リプレイに対応する図柄組合せが表示されることになる。
【0347】
一般的に、遊技者はメインリール4a、4b、4cよりも疑似リールを見ながら遊技を進めることになるため、疑似リールにおいてリプレイに対応する図柄組合せが表示されれば、遊技者は次の遊技が保証されていると認識し、遊技を続けることになる。従って、第4の疑似遊技パターンにおいても、例えば、疑似遊技において疑似リール上でリプレイに対応する図柄組合せを表示する方法等によって、画面上で現在の遊技が疑似遊技であることを明示していれば、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。なお、第1の疑似遊技パターン、第2の疑似遊技パターン及び第3の疑似遊技パターンのうち少なくとも1つと、画面上で現在の遊技が疑似遊技であることが明示される第4の疑似遊技パターン(例えば、第4の疑似遊技パターン+疑似リール)との組み合わせも考えられる。
【0348】
以上の説明では、疑似遊技が実行されるタイミングが、基本遊技においてスタートレバー21が操作されてから最初のリール4(最初に操作されたストップボタン3に対応するリール4)が停止されるまでの間である場合について説明した。しかしながら、疑似遊技が実行されるタイミングは、これに限られない。
【0349】
このタイミングは、基本遊技において、最初のリール4が停止されてから、2番目のリール4(2番目に操作されたストップボタン3に対応するリール4)が停止されるまでの間であってもよいし、2番目のリール4が停止されてから、最後のリール4(最後に操作されたストップボタン3に対応するリール4)が停止されるまでの間であってもよい。また、疑似遊技が実行されるタイミングは、基本遊技において、最後のリール4が停止されてからメダルが投入されるまでの間であってもよく、メダルが投入されてからスタートレバー21が操作されるまでの間であってもよい。
【0350】
以上の説明では、一例としてAT状態が採用された遊技機10に本発明を適用した場合について説明した。一方、本発明は、リプレイ確率が高く設定されているRT状態(RT:リプレイタイム)が採用された遊技機10に適用されてもよく、RT状態及びAT状態の組合せであるART状態(ART:アシストリプレイタイム)が採用された遊技機10に適用されてもよい。また、これらを使用しておらず、RBB、RBなどのボーナスのみによってメダルを獲得するタイプの遊技機10に採用されてもよい。
【課題】疑似遊技におけるリプレイランプの挙動及び疑似遊技において表示される図柄組合せの種類によって、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを適切に防止することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る遊技機においては、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン上に表示された基本遊技の次の基本遊技において、リプレイに対応する図柄組合せが表示される疑似遊技が実行される。この場合、疑似遊技においてリプレイに対応する図柄組合せが表示されても、リプレイランプは点灯しない。従って、疑似遊技と基本遊技とでリプレイランプの挙動が異なることになり、遊技者は、リプレイランプの挙動を確認することで、現在の遊技が疑似遊技であるか基本遊技であるかを識別することができる。従って、遊技者が基本遊技の途中で遊技を止めて席を離れてしまうことを防止することができる。