(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連通孔は、前記第3の収容部の内部と外部とを連通して形成されるとともに、前記第3の収容部の前記第1の収容部側の端部に形成されたバスバー側連通孔と、前記第3の収容部の前記第2の収容部側の端部に形成された電線側連通孔と、を有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の電池接続体。
前記第1の収容部と前記第3の収容部との境界部には、該第1の収容部と該第3の収容部とを連通する収容部連通孔が形成されているとともに、前記収容部連通孔の下方に近接して前記バスバー側連通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電池接続体。
前記電池の内部から前記第1の収容部の内部に漏れ出した前記液体を前記収容部連通孔に向けて集める液体収集部が前記境界部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電池接続体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、これまでの電池接続体を用いた蓄電装置においては、蓄電池の内部から漏れ出した電解液によって外部の電線等が腐食されて、周辺機器へ悪影響を及ぼすおそれが高かった。そして、この蓄電池からの液漏れに起因する問題は、前述した車両駆動用の電源装置に限られず、同様の構造若しくは構成から成る電源装置であれば、同様に起こり得るものである。
【0008】
本願発明は、以上説明した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電池内部から漏れ出した液体が外部の導電体に伝わり難い電池接続体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項1に係る電池接続体は、内部に液体を有する複数個の電池のうち隣接する2個の電池の互いに極性の異なる電極同士を電気的に接続するバスバーと、前記バスバーに直接接触して電気的に接続されるバスバー接続部、及び該バスバー接続部に電気的に接続されるとともに電線が電気的に接続される電線接続部を有する端子と、前記端子のバスバー接続部及び前記バスバーを収容する第1の収容部、該第1の収容部から離間されて設けられて前記端子の電線接続部を収容する第2の収容部、及び前記端子のバスバー接続部と電線接続部とを接続する方向に沿って前記第1の収容部と前記第2の収容部とを接続して設けられた第3の収容部を有する筺体と、を備え、前記筺体の内部と外部とを連通する連通孔が前記第1の収容部及び前記第3の収容部の少なくとも一方に形成されており、前記バスバーを介して前記電池の内部から前記筺体の内部に漏れ出した前記液体を前記連通孔を通して前記筺体の外部に排出可能に構成されたことを特徴とするものである。
【0010】
このような構成から成る本願請求項1に係る電池接続体によれば、第1の収容部に収容されたバスバーを介して電池の内部から筺体の内部に漏れ出した液体を、第1及び第3の各収容部の少なくとも一方に形成された連通孔を介して筺体の外部に排出することができる。これにより、電池の内部から筺体の内部に漏れ出した液体を、電線が接続される端子の電線接続部を収容する第2の収容部の内部に入り込み難くすることができる。
【0011】
また、本願の請求項2に係る電池接続体は、請求項1に記載の電池接続体において、前記連通孔は、前記第3の収容部の内部と外部とを連通して形成されるとともに、前記第3の収容部の前記第1の収容部側の端部に形成されたバスバー側連通孔と、前記第3の収容部の前記第2の収容部側の端部に形成された電線側連通孔と、を有して構成されることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成から成る本願請求項2に係る電池接続体によれば、電池の内部から筺体の第1の収容部に漏れ出し、さらに第1の収容部から第3の収容部の内部に流れ込んだ液体を、バスバー側連通孔及び電線側連通孔を介して筺体の外部に排出することができる。すなわち、電池の内部から筺体の内部に漏れ出した液体を2段階に分けて筺体の外部に排出することができる。従って、バスバー側連通孔では排出し切れなかった第3の収容部内の残存液を、電線側連通孔を介して筺体の外部に排出することができ、電池の内部から筺体の内部に漏れ出した液体を筺体の外部に徹底して排出することができる。
【0013】
また、本願の請求項3に係る電池接続体は、請求項2に記載の電池接続体において、前記第1の収容部と前記第3の収容部との境界部には、該第1の収容部と該第3の収容部とを連通する収容部連通孔が形成されているとともに、前記収容部連通孔の下方に近接して前記バスバー側連通孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成からなる本願請求項3に係る電池接続体によれば、電池の内部から筺体の第1の収容部に漏れ出した液体を、収容部連通孔を介して第3の収容部の上端部に形成されたバスバー側連通孔に向けて導くことができる。
【0015】
また、本願の請求項4に係る電池接続体は、請求項3に記載の電池接続体において、前記電池の内部から前記第1の収容部の内部に漏れ出した前記液体を前記収容部連通孔に向けて集める液体収集部が前記境界部に形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
このような構成からなる本願請求項4に係る電池接続体によれば、電池の内部から筺体の第1の収容部に漏れ出した液体を、液体収集部を介して収容部連通孔に向けて積極的に導くことができる。ひいては、収容部連通孔の下側に配置されたバスバー側連通孔に向けて積極的に導くことができる。
【0017】
さらに、本願の請求項5に係る電池接続体は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池接続体において、前記各電極に接続される前記バスバーの電極接続部と、前記バスバーに接続される前記端子のバスバー接続部と、がそれぞれ平板形状に形成されており、前記バスバー接続部が、前記電極接続部に重ねられて面接触するとともに該電極接続部を介して前記電極に電気的に接続されており、前記端子には、前記端子の前記バスバー接続部と前記電線接続部とを電気的に接続するとともに、前記バスバー接続部が接触する前記バスバーの接触面と前記筺体の内面とに対して隙間を空けられて設けられ、該隙間に前記液体を保持して案内するガイド部と、前記バスバー接続部から外側に張り出されて前記バスバーの電極接続部と面接触しつつ前記バスバー接続部と前記ガイド部とを接続するとともに、前記バスバーの前記電極接続部よりも上方に設けられて該バスバーと前記バスバー接続部との間に入り込んだ前記液体を毛細管現象により前記ガイド部に向けて導き出すガイド接続部と、が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
このような構成からなる本願請求項5に係る電池接続体によれば、バスバーを介して電池の内部から第1の収容部の内部に漏れ出した液体のうち、バスバーと端子のバスバー接続部との間に入り込んだ液体を、その外側に向けてガイド接続部の毛細管現象を利用して積極的に導き出すことができる。そして、バスバーと端子のバスバー接続部との間からその外側に導出された液体を、ガイド部で保持して案内することができる。これにより、電池から漏れ出した液体によってバスバー及び端子が腐食され難くすることができるとともに、導出した液体を筺体の内部で散乱し難くすることができる。また、ガイド接続部をバスバーの電極接続部よりも上方に設けることにより、バスバーと端子のバスバー接続部との間に入り込んだ液体を電池接続体の上側に向けて導くことができる。これにより、バスバーと端子のバスバー接続部との間に入り込んだ液体が、バスバー及び端子のバスバー接続部を収容する第1の収容部の下方に位置する第2の収容部に向けて流れ落ち難くすることができる。この結果、電池の内部から筺体の第1の収容部の内部に漏れ出した液体を、電線が接続される端子の電線接続部を収容する第2の収容部の内部にさらに入り込み難くすることができる。
【発明の効果】
【0019】
前述したように、本願請求項1に係る発明によれば、電池の内部から筺体の内部に漏れ出した液体を、電線が接続される端子の電線接続部を収容する第2の収容部の内部に入り込み難くすることができる。したがって、本願請求項1に係る発明によれば、電池内部から漏れ出した液体が外部の導電体に伝わり難い電池接続体を提供することができる。
【0020】
また、本願請求項2〜4に係る発明によれば、電池の内部から筺体の内部に漏れ出した液体を筺体の外部に効率良く排出して、電線が接続される端子の電線接続部を収容する第2の収容部の内部により入り込み難くすることができる。したがって、電池内部から漏れ出した液体が外部の導電体により伝わり難い電池接続体を提供することができる。
【0021】
さらに、本願請求項5に係る発明によれば、電池から漏れ出した液体によってバスバー及び端子が腐食され難くすることができるとともに、バスバーと端子のバスバー接続部との間から導出した液体を筺体の内部で散乱し難くすることができる。また、電池の内部から筺体の第1の収容部の内部に漏れ出した液体を、電線が接続される端子の電線接続部を収容する第2の収容部の内部にさらに入り込み難くすることができる。したがって、本願請求項7に係る発明によれば、電池内部から漏れ出した液体が外部の導電体にさらに伝わり難く、その上、筺体内のバスバーや端子が腐食され難い電池接続体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願発明の一つの実施形態に係る電池接続体について、
図1〜
図9を参照しつつ説明する。
【0024】
本実施形態に係る電池接続体1は、
図1に示すように、複数個の単電池2の集合体としての電池パック3に組み合わされて車両駆動用の電源装置4の一部を構成する。この電源装置4は、図示を伴う具体的且つ詳細な説明は省略するが、動力の少なくとも一部若しくは全てに電動モーター等の電動機を用いる車両に搭載されて、電動機に電力を供給する動力源となる。そのような車両としては、例えば、エンジンと電動モーターとを併用して走行するいわゆるハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle:HV)や、電動モーターのみを用いて走行する電気自動車(Electric Vehicle:EV)等が挙げられる。
【0025】
電池パック3は、
図1に示すように、複数個の単電池2を電気的に一体化して構成される。各単電池2は、それぞれが単体で独立した1個のバッテリーとして機能する。各単電池2は、具体的には、それぞれの内部に電解液等の液体を有する二次電池若しくは蓄電池である。本実施形態においては、単電池2として電極の材料にニッケル(Ni)を用いたニッケル水素蓄電池(Ni−MH電池)を採用する。したがって、本実施形態の電池パック3とは、具体的には複数個のニッケル水素蓄電池2の集合体のことである。ひいては、本実施形態の車両駆動用電源装置4とは、具体的には複数個のニッケル水素蓄電池2を電気的に一体化させた、バッテリーの集合体としてのニッケル水素蓄電装置のことである。各ニッケル水素蓄電池2は、電池接続体1を用いて直列接続される。
【0026】
各ニッケル水素蓄電池2は、
図1に示すように、それぞれの本体2aの外形を直方体形状に形成されている。また、各蓄電池2には、それらの幅方向における一対の端面からそれぞれ1本ずつ、電池極柱6が突設されている。それら各電池極柱6は、各蓄電池2の幅方向の両端面である一方及び他方の各側面において、共に同じ側の端部に寄せられて設けられている。
【0027】
具体的には、各電池極柱6は、各蓄電池2の両側面において、共に各蓄電池2の幅方向と直交する高さ方向に沿って一方の側に寄せられて同じ位置に設けられている。そして、各蓄電池2が備える2本の電池極柱6のうち、一方は正極又はプラス(+)極の電極6aとなり、他方は負極又はマイナス(−)極の電極6bとなる。また、これら正極6a及び負極6bは、それぞれ導電性を有する金属を用いて円柱形状に形成されていると共に、それらの外周面にはネジ溝及びネジ山が形成されている。これにより、正極6a及び負極6bは共に、単に電極6として機能するのみならず、後述する電池接続体1を取り付けるためのボルトとしての機能も兼ねる。
【0028】
また、各ニッケル水素蓄電池2は、
図1に示すように、それらの幅方向及び高さ方向の両方向と直交する厚さ方向に沿って互いに隙間なく接して並べられる。この際、各蓄電池2は、それぞれの電極6が各蓄電池2の両側面の高さ方向の上側端部に位置する姿勢で配置される。それとともに、各蓄電池2は、それらの一方及び他方の各側面における各電極6の極性が、各蓄電池2が並べられる方向に沿って交互に入れ替わる姿勢で配置される。そして、厚さ方向に沿って並べられた各蓄電池2は、固定枠等の固定部材5を用いて一体に固定される。これにより、
図1に示すように、複数個のニッケル水素蓄電池2のパックから成るバッテリーの集合体としてのニッケル水素蓄電池パック3が構成される。
【0029】
なお、
図1中両向き矢印Xは、各ニッケル水素蓄電池2の厚さ方向、各ニッケル水素蓄電池2の配列方向、及びニッケル水素蓄電池パック3の長手方向のいずれかを示す。また、
図1中両向き矢印Xと直交する両向き矢印Yは、各ニッケル水素蓄電池2の幅方向、すなわちニッケル水素蓄電池パック3の幅方向を示す。さらに、
図1中両向き矢印X及びYと直交する両向き矢印Zは、各ニッケル水素蓄電池2の高さ方向、すなわちニッケル水素蓄電池パック3の高さ方向を示す。
【0030】
通常、ニッケル水素蓄電池パック3は、その高さ方向を鉛直方向である車両の高さ方向に沿わされた姿勢で図示しない自動車等に搭載される。この際、蓄電池パック3が、例えばその長手方向を水平方向の一方向である車両の左右方向に沿わされた姿勢で自動車等に搭載されたとする。この場合、
図1中両向き矢印Zは、車両の高さ方向を指すこととなる。また、
図1中両向き矢印Xは、車両の左右方向を指すこととなる。さらに、
図1中両向き矢印Yは、前述した水平方向の一方向と直交する水平方向の他方向である車両の前後方向を指すこととなる。なお、蓄電池パック3が、その長手方向を車両の前後方向に沿わされた姿勢で自動車等に搭載される場合には、矢印Xが指す方向と矢印Yが指す方向とが互いに入れ替わる。すなわち、矢印Xが車両の前後方向を指すとともに、矢印Yが車両の左右方向を指すこととなる。
【0031】
そして、ニッケル水素蓄電池パック3の前後両側面には、
図1に示すように、電池接続体1がそれぞれ1個ずつ取り付けられる。各電池接続体1は、その長手方向を蓄電池パック3の正負各電極6a,6bの並びに沿わされた姿勢で蓄電池パック3に取り付けられる。各電池接続体1は、ボルトとなる正負各電極6a,6bにナット7を螺合させて締め付けることにより、各ニッケル水素蓄電池2に電気的に接続されて蓄電池パック3に固定される。なお、
図1においては、ニッケル水素蓄電装置4全体の構成及び構造を理解し易くするために、電池接続体1の構成及び構造を簡略化して描いた。また、
図2中両向き矢印X及びZがそれぞれ指し示す方向は、先に
図1において定義した両向き矢印X及びZがそれぞれ指し示す方向と同様である。
【0032】
電池接続体1は、
図2に示すように、ニッケル水素蓄電池パック3の前後各側面において、互いに隣接し合う各ニッケル水素蓄電池2の正極6aと負極6bとを直列に接続する。これにより、蓄電池パック3を構成する複数個の蓄電池2を全て直列接続する。各電池接続体1は、
図2及び
図3に示すように、バスバー(Bus Bar)8、端子9、及び筺体10等をそれぞれ少なくとも1つずつ備えている。このため、電池接続体1は、バスバーモジュール(Bus Bar Module:BBM)若しくはバッテリー接続モジュールとも称される。
【0033】
バスバー8は、
図4に示すように、例えば導電体としての金属板等に所定の金型を用いてプレス加工等を施すことにより、薄肉の平板形状に形成されている。また、バスバー8は、その平面視又は正面視における外形が概ね長円形状若しくは小判形状に形成されている。そして、このバスバー8の長手方向両端部には、プレス加工により打ち抜かれて一対の貫通孔11が形成されている。この一対の貫通孔11は、ニッケル水素蓄電池2が有する電池極柱6が挿通される電極挿通孔となる。ここでは、
図2に示すように、互いに極性の異なる2個の電極6a,6bをそれぞれ1個ずつ、1個のバスバー8に形成された各電極挿通孔11に挿通させる。これにより、1個のバスバー8を介して互いに隣接し合う2個のニッケル水素蓄電池2同士を電気的に直列接続する。このように電池極柱6に接続されたバスバー8の各電極挿通孔11の周囲の部分がバスバー8の電極接続部12となる。
【0034】
端子9は、
図5及び
図6に示すように、一方向に沿って延ばされた長尺形状に形成されるとともに、その長手方向において内側の略半分が中空形状に形成されている。このような構造により、端子9は、その作製に必要とされる原材料の量が大幅に低減されている。このような形状からなる端子9は、前述したバスバー8と同様に、例えば導電体としての金属板等に所定の金型を用いてプレス加工等を施すことにより形成される。また、端子9は、その内側に残された長手方向の略半分の部分13が、略平板且つ略四角形状に形成されている。そして、この残された部分13が、端子9の長手方向の一端部13となる。
【0035】
端子9は、その一端部13がバスバー8の一方の主面である表面8a上に重ねられてバスバー8と直接面接触する。これにより、端子9はバスバー8に電気的に接続される。端子9の一端部13は、バスバー接続部若しくはバスバー接触部と称される。このバスバー接続部13は、バスバー8が有する2箇所の電極接続部12のうちのどちらか一方の電極接続部12の表面を覆って、バスバー8の表面8a上に重ねられる。ここでは、
図2に示すように、ニッケル水素蓄電池2の正極6aが挿通されている側の電極接続部12の表面を覆って、バスバー接続部13をバスバー8の表面8a上に配置する。これにより、バスバー8の長手方向においてその中央部から蓄電池2の正極6aが挿通されている側の略半分が、端子9のバスバー接続部13により覆われる。なお、バスバー接続部13は、前述したバスバー8と同程度の薄肉形状に形成されている。
【0036】
また、端子9は、
図2及び
図3に示すように、その長手方向をバスバー8の長手方向と直交させてバスバー8の表面8a上に重ねられる。すなわち、端子9及びバスバー8は、その正面視又は平面視において略L字形状を成して配置される。このため、バスバー8のニッケル水素蓄電池2の負極6bが挿通されている側の電極接続部12と、端子9の長手方向の他端部14とは、互いに非接触である。したがって、バスバー8の長手方向においてその中央部からニッケル水素蓄電池2の正極6aが挿通されている側の略半分は、端子9とは重ならずに露出されている。
【0037】
端子9のバスバー接続部13の中央部には、
図5及び
図6に示すように、プレス加工により打ち抜かれて1個の貫通孔15が形成されている。この貫通孔15は、前述したバスバー8に形成された電極挿通孔11と同様に、ニッケル水素蓄電池2が有する電池極柱6が挿通される電極挿通孔となる。この端子9の電極挿通孔15には、1個のバスバー8に電気的に接続された2個の蓄電池2のうちのどちらか一方の蓄電池2の電極6が挿通される。ここでは、
図2に示すように、バスバー8の各電極挿通孔11に挿通された正負各電極6a,6bのうちの正極6aを、端子9の電極挿通孔15に挿通させる。これにより、バスバー8に電気的に接続された2個の蓄電池2のうち正極6aが接続された蓄電池2が、端子9に直接電気的に接続される。ただし、端子9は、実質的には、互いに隣接し合う2個の蓄電池2の両方にバスバー8を介して電気的に接続される。
【0038】
また、端子9の長手方向の他端部14には、
図2に示すように、電線16が電気的に接続される。すなわち、端子9の長手方向の他端部14は電線接続部となっている。この電線接続部14は、
図2、
図3、
図5、及び
図6に示すように、端子9の長手方向の一端部であるバスバー接続部13から離間されて設けられている。しかし、電線接続部14とバスバー接続部13とは、後述する2本のガイド部19を介して一体構造に形成されていると共に、互いに電気的に接続されている。
【0039】
電線接続部14は、その内側に一本の電線16をその長手方向に沿って保持して収容できる程度の細長い長尺形状に形成されている。そして、
図5に示すように、電線接続部14は、その長手方向を端子9全体の長手方向に直交する端子9全体の幅方向に沿わされて設けられている。したがって、電線16は、その長手方向が端子9全体の長手方向に対して直交する姿勢で電線接続部14に保持される。また、電線接続部14及び電線16は、それらの長手方向が端子9全体の長手方向に直交して配置されているバスバー8の長手方向に沿わされて配置されることとなる。
【0040】
電線接続部14は、
図5及び
図6に示すように、主に第1、第2、及び第3の3枚の側板17a,17b,17cから構成されている。これら第1〜第3の各側板17a〜17cは、電線16の長手方向に沿いつつ電線16の外周部をその外側の三方向から囲んで保持する構造に形成されている。具体的には、第1の側板17aは、端子9のバスバー接続部13の一方の主面である表面13aに対して平行になる姿勢で形成されている。これに対して、第2の側板17b及び第3の側板17cは、バスバー接続部13の表面13aに対して直交する姿勢で形成されている。これら第2及び第3の各側板17b,17cは、第1の側板17aの長手方向に直交する第1の側板17aの幅方向の両側部から、共に同じ向きに略直角に折り曲げられている。これにより、第2及び第3の各側板17b,17cは、電線接続部14の長手方向に直交する電線接続部14の幅方向において互いに平行な姿勢で対向し合っている。このように、電線接続部14は、その長手方向両端部及び端子9のニッケル水素蓄電池2と対向する側とは反対側の側部を開放された構造となっている。
【0041】
図2に示すように、端子9は、その長手方向を
図2中両向き矢印Zが示す鉛直方向に沿わされた姿勢で配置される。このため、電線16は、その長手方向を
図2中両向き矢印Xが示す水平方向に沿わされた姿勢で電線接続部14に接続されて保持される。この際、電線16は、第1の側板17aによって水平方向における位置を規定される。それとともに、電線16は、一対をなす第2及び第3の各側板17b,17cによって鉛直方向における位置をその両外側から規定される。そして、電線16は、その外周部を端子9のニッケル水素蓄電池2と対向する側とは反対側の側方を除く三方向から第1〜第3の各側板17a〜17cによって覆われる。
【0042】
また、
図2、
図3、
図5、及び
図6に示すように、第2及び第3の各側板17b,17cからは、それらの内側に向けて突出して二対の圧接刃18a,18bが設けられている。これら二対の圧接刃18a,18bは、第2及び第3の各側板17b,17cをそれぞれ部分的に切り起こして形成されている。また、各圧接刃18a,18bは、電線接続部14の長手方向において一方の端部の側に寄せられた位置に形成されている。具体的には、各圧接刃18a,18bは、
図2中両向き矢印Xが示す左右方向において電線接続部14の右側端部に寄せられた位置に形成されている。それとともに、各圧接刃18a,18bは、電線接続部14の長手方向において互いに所定の間隔を空けられて配置されている。さらに、各圧接刃18a,18bは、電線接続部14の幅方向において、それぞれ対をなす相手と所定の間隔を空けられて互いに相対し合う位置に配置されている。この各圧接刃18a,18bのそれぞれの対の相手との間隔は、電線接続部14に接続される電線16の太さや構造等に応じて適正な大きさに設定される。
【0043】
本実施形態では、電線16として、いわゆる丸型被覆電線を用いる。この丸型被覆電線16は、図示は省略するが、導電性の芯線が絶縁性の被膜によって覆われていると共に、その長手方向に垂直な断面の形状が丸形状である構造を有している。このような構造からなる丸型被覆電線16を、電線接続部14の内側に押し込んで各圧接刃18a,18bの内側に圧入する。すると、各圧接刃18a,18bが丸型被覆電線16の外側の絶縁被膜を突き破って芯線まで達する。これにより、丸型被覆電線16が電線接続部14に電気的に接続される。それとともに、丸型被覆電線16は、その外側被膜に各圧接刃18a,18bが食い込むことにより、電線接続部14の長手方向に沿った位置ずれを抑制されて適正に保持される。
【0044】
なお、図示を伴う具体的且つ詳細な説明は省略するが、電線接続部14に接続された丸型被覆電線16は、その端部を電圧検出回路に接続されている。この電圧検出回路は、具体的には、端子9が電気的に接触しているバスバー8に電気的に接続されているニッケル水素蓄電池2の電圧を検出するための装置である。このため、端子9は、電圧検出用端子とも称される。
【0045】
また、
図2、
図3、
図5、及び
図6に示すように、電圧検出用端子9には、その幅方向両側部において、バスバー接続部13と電線接続部14とに亘って2本のガイド部19が設けられている。これら各ガイド部19は、それぞれ電圧検出用端子9の長手方向に沿って延ばされた長尺形状且つ薄肉形状に形成されている。また、各ガイド部19は、前述した電線接続部14の第2及び第3の各側板17b,17cと同様に、バスバー接続部13の表面13aに対して直交する姿勢で形成されている。すなわち、各ガイド部19は、バスバー接続部13に対して、その裏面13bから表面13aに向かう向きに沿って共に略直角に折り曲げられて形成されている。これにより、各ガイド部19は、電圧検出用端子9の長手方向に直交する電圧検出用端子9の幅方向において、互いに平行な姿勢で対向し合っている。
【0046】
各ガイド部19は、
図5に示すように、それぞれ所定の厚さTを有して形成されている。また、各ガイド部19は、電圧検出用端子9のバスバー接続部13の幅方向両側部からそれぞれ所定の間隔D1,D2ずつ外側に離間されて形成されている。さらに、各ガイド部19は、バスバー8の表面8a及び後述する筺体10の内面30aに対して、液体を保持して案内することができる隙間を空けられて形成されている。具体的には、
図7に示すように、各ガイド部19は、それらの側面視における形状を、バスバー接続部13と電線接続部14とを橋渡しするアーチ形状に形成されている。
【0047】
より具体的には、各ガイド部19は、それらの長手方向両端部19a,19bが、バスバー接続部13に直交してその裏面13bから表面13aに向かう向きに沿って延ばされて形成されている。それとともに、各ガイド部19は、それらの長手方向両端部19a,19b同士を接続する長手方向中間部19cが、バスバー接続部13の表面13aに対して平行な向きに沿って延ばされて形成されている。そして、
図7に示すように、各ガイド部19の長手方向中間部19cは、バスバー接続部13の表面13aに直交する方向に沿って所定の高さHを有して形成されている。すなわち、各ガイド部19の長手方向中間部19cは、それらの幅方向両側部19d,19eのうちバスバー接続部13に近い側の側部19dからバスバー接続部13の裏面13bまでの間隔がHに設定されている。
【0048】
以下の説明においては、各ガイド部19の長手方向両端部19a,19bのうち、バスバー接続部13に近い側の端部19aのことを、単にバスバー接続部側端部と称することとする。これに対して、各ガイド部19の長手方向両端部19a,19bのうち、電線接続部14に近い側の端部19bのことを、単に電線接続部側端部と称することとする。また、各ガイド部19の長手方向中間部19cの幅方向両側部19d,19eのうち、バスバー接続部13に近い側の側部19dのことを、単にガイド内側部と称することとする。
【0049】
前述したように、電圧検出用端子9のバスバー接続部13の裏面13bはバスバー8の表面8aと面接触する。このため、各ガイド部19の長手方向中間部19cは、それらのガイド内側部19dからバスバー8の表面8aまでの間隔もHに設定されていることとなる。また、前述したように、バスバー8は薄肉形状に形成されている。そして、バスバー8及び電圧検出用端子9のバスバー接続部13は、後述するように、筺体10の第1収容部41に収容される。したがって、各ガイド部19の長手方向中間部19cの高さHは、ガイド内側部19dから第1収容部41の内面30aまでの間隔と実質的に等しいとみなすことができる。
【0050】
なお、以上説明した各寸法T,D1,D2,Hは、各ガイド部19が液体を保持して案内できる大きさに設定される。このため、各寸法T,D1,D2,Hのそれぞれの大きさは、液体の成分、密度、比重、粘性等々、液体の特性や性質を決定する様々な要素を勘案して決定されることが好ましい。
【0051】
また、
図2、
図5、及び
図6に示すように、各ガイド部19は、それぞれバスバー側ガイド接続部20a,20bを介して電圧検出用端子9のバスバー接続部13に電気的に接続されている。これら各バスバー側ガイド接続部20a,20bは、バスバー接続部13からその幅方向両外側に張り出されてバスバー8の電極接続部12と直接面接触している。また、各バスバー側ガイド接続部20a,20bは、電圧検出用端子9の電極6bとの接続部よりも上方に設けられている。前述したように、本実施形態においては、電圧検出用端子9の電極6bとの接続部とは、電圧検出用端子9のバスバー接続部13の中央部のことである。そして、各バスバー側ガイド接続部20a,20bは、バスバー8と電圧検出用端子9のバスバー接続部13との間に入り込んだ液体を毛細管現象により各ガイド部19に向けて積極的に導き出すことができる大きさに形成されている。
【0052】
さらに、
図2、
図5、及び
図6に示すように、各ガイド部19は、それぞれ電線側ガイド接続部21a,21bを介して電圧検出用端子9の電線接続部14に電気的に接続されている。これら各電線側ガイド接続部21a,21bは、電線接続部14からその幅方向両外側に張り出されて形成されている。また、各電線側ガイド接続部21a,21bは、各ガイド部19と電線接続部14とを一直線上に結ばないように、電圧検出用端子9の長手方向と直行する方向に向けて一箇所屈折して形成されている。
【0053】
なお、本実施形態の電圧検出用端子9には、そのバスバー接続部13の電線接続部14側とは反対側の端部に係止部22が設けられている。係止部22の中央部には矩形状の係止孔22aが形成されている。この係止孔22aの内部に後述する筐体10の第1の収容部に形成されている係止突起を差し込むことにより、電圧検出用端子9を第1の収容部に仮固定して取り付け作業を行い易くすることができる。
【0054】
筺体10は、
図1〜
図3に示すように、ニッケル水素蓄電池パック3の側面に沿って位置する底壁30と、この底壁30からニッケル水素蓄電池パック3と反対側の側方に立設された周壁31と、を備えて側方に開口した箱型に形成され、周壁31で囲まれた底壁30の内面30aに沿ってバスバー8及び端子9を保持する。周壁31は、
図2,3に示すように、上面部31aと、上面部31aの一方(図中左側)の端部から立ち下がる第1側面部31bと、上面部31aの他方(図中右側)の端部から立ち下がる第2側面部31cと、第1側面部31bの下端部から第2側面部31cに向かって延びる第1底面部31dと、第1底面部31dの他方(図中右側)の端部から立ち下がる第3側面部31eと、第2側面部31c及び第3側面部31eの下端部に連続する第2底面部31fと、第2底面部31fと平行に延びる第3底面部31gと、を備えて形成されている。このような筺体10は、底壁30と、第2底面部31f及び第3底面部31gが連続することで、ニッケル水素蓄電池パック3の長手方向(
図1の矢印X方向)に沿って同一形態が繰り返し並列して設けられている。
【0055】
底壁30には、
図1に示すように、正負の各電極6a,6bを1本ずつ挿通させる挿通孔32と、
図2,3に示すように、端子9の係止孔22aに挿通される係止突起33とが設けられている。さらに、筺体10には、
図2,3に示すように、第2側面部31cと第3側面部31eとの間に位置して底壁30から立設された矩形壁34が設けられている。矩形壁34は、第1底面部31dと略同じ高さ位置にて左右に延びる上辺部34aと、上辺部34aの左右端部から下方に延びる一対の側辺部34bと、側辺部34bの下端部を結び第2底面部31fと略同じ高さ位置にて左右に延びる下辺部34cと、を有して正面視矩形枠状に形成されている。上辺部34aには、端子9のバスバー接続部13下端縁に当接して上下方向に位置決めする位置決め部35aと、バスバー接続部13を係止して端子9及びバスバー8を底壁30に向かって位置決めする係止突起35bと、係止突起35bの周囲にて上辺部34aを貫通する貫通孔35cと、が設けられている。上辺部34aの下面に沿った貫通孔35cの直下には、底壁30を貫通して筺体10の内部と外部とを連通する連通孔36が形成され、下辺部34cの上面に沿った高さ位置には、底壁30を貫通して筺体10の内部と外部とを連通する連通孔37が形成されている。
【0056】
以上の筺体10の内部には、上面部31aと第1側面部31bと第2側面部31cと第1底面部31dと矩形壁34の上辺部34aとによって周囲を囲まれた第1収容部(第1の収容部)41と、第2底面部31fと第3底面部31gと矩形壁34の下辺部34cとによって上下を囲まれて左右に延びる第2収容部(第2の収容部)42と、第2側面部31cと第3側面部31eとで左右を挟まれて第1収容部41と第2収容部42とを接続する第3収容部(第3の収容部)43と、が形成されている。第1収容部41には、バスバー8と、端子9のバスバー接続部13が収容され、第2収容部42には、端子9の電線接続部14が収容され、第3収容部43には、端子9のガイド部19が第2側面部31cと第3側面部31eとに沿って収容されている。
【0057】
すなわち、連通孔36は、第3収容部43における第1収容部41側の端部に形成され、この連通孔36によってバスバー側連通孔が構成され、連通孔37は、第3収容部43における第2収容部42側の端部に形成され、この連通孔37によって電線側連通孔が構成されている。また、貫通孔35cは、第1収容部41と第3収容部43との境界部である矩形壁34の上辺部34aを貫通し、第1収容部41と第3収容部43とを連通させるものであり、この貫通孔35cによって収容部連通孔が構成されている。さらに、矩形壁34の上辺部34a上面には、貫通孔35cに向かって下がり勾配が形成されており、この上辺部34aによって、当該上辺部34a上面の液体を貫通孔35cに向かって集める液体収集部が構成されている。
【0058】
以上の筺体10は、電池パック3の電池集合体1の側面に取り付けられ、一対の挿通孔32に正極6a及び負極6bが通された状態で、
図1に示すように、第1収容部41が第2収容部42よりも重力方向の上側に配置される。そして、筺体10内部にバスバー8が配置され、このバスバー8の貫通孔11に正極6a及び負極6bを挿通させてから、バスバー8に重ねて端子9が筺体10内部に配置され、この端子9の電極挿通孔15に正極6aを挿通させ、その後、正負各電極6a,6bにナット7を螺合させて締め付けることにより、各ニッケル水素蓄電池2にバスバー8及び端子9が電気的に接続されるとともに、電池接続体1が蓄電池パック3に固定される。
【0059】
上述した構成の本発明の電池接続体1によれば、第1収容部41に収容されたバスバー8を介してニッケル水素蓄電池2の内部から筺体10の内部に電解液(液体)が漏れ出したとしても、この電解液を連通孔36,37から筺体10の外部に排出可能に構成されている。具体的には、
図8(a)に示すように、互いに面接触したバスバー8と端子9のバスバー接続部13との間に電解液が漏れ出した場合、この電解液を、バスバー接続部13の裏面13bとバスバー8の表面8aとの毛細管現象により外側に導き出す。このようにバスバー接続部13の外側に導き出された電解液は、
図8(b)に示すように、バスバー接続部13の周縁に沿って下方に移動し、矩形壁34の上辺部34a上面に落下するとともに、貫通孔35cに向かって集められ、貫通孔35cから矩形壁34の内部、すなわち第3収容部43に導かれる。貫通孔35cから第3収容部43に導かれた電解液は、連通孔(バスバー側連通孔)36によって筺体10の外部に排出される。
【0060】
また、連通孔36によって排出し切れなかった第3収容部43内の残存電解液は、
図8(c)に示すように、矩形壁34の内部を伝って下方へ移動し、下辺部34c上面に落下するとともに、連通孔37に向かって集められ、この連通孔37から筺体10の外部に排出される。なお、バスバー8及びバスバー接続部13の裏側に位置する筺体10の底壁30、すなわち第1収容部41にも連通孔を設けておけば、バスバー接続部13の外側に導き出した電解液を連通孔を通して筺体10の外部に排出することができる。また、
図8(a)に示すように、バスバー接続部13の外側に導き出された電解液の一部は、
図9に示すように、バスバー側ガイド接続部20a,20bを介してガイド部19に導かれる。ここで、バスバー側ガイド接続部20a,20bとバスバー8の表面8a又は筺体10の内面30aとが近接して設けられていることから、の毛細管現象を利用して電解液をガイド部19に向かって積極的に導き出すことができる。このようにガイド部19に導かれた電解液は、ガイド部19の幅方向両側部19dと筺体10の内面30aとの隙間(
図7に示す高さHの隙間)に保持されつつ、下方に向かって移動する。このように移動した電解液は、電線側ガイド接続部21a,21bを介して電線接続部14の裏面(筺体10の内面30a側)に導かれた後に、第3底面部31gに形成された図示しない連通孔を介して筺体10の外部に排出される。
【0061】
以上のように端子9のガイド部19に電解液を導くバスバー側ガイド接続部20a,20bが電極6との接続位置よりも上方に設けられているので、バスバー8と端子9のバスバー接続部(バスバー接触部)13との間に入り込んだ電解液は、重力に逆らってバスバー側ガイド接続部20a,20bへ移動する必要がある。すなわち、電解液は、電極接続部12からバスバー側ガイド接続部20a,20bまで到達するために必要なエネルギーを消費しなければならない。これにより、筺体10の内部に残存する電解液が移動するために使うことができるエネルギーを減少させて、電解液が移動し難くすることができ、電解液が筐体10内で散乱しにくくすることができる。また、電線側ガイド接続部21a,21bが屈折形成されているので、電解液がガイド部19に沿って下に流れ落ちてきても、この電解液が直接的に電線接続部14の内側に侵入しにくくできる。さらに、電線接続部14が筺体10の内面30aと反対側に開口して形成されているので、電線16を取り付け易いとともに、電解液がガイド部19から外れて落下してきても、この電解液が電線接続部14の内側に浸入しにくくでき、第3底面部31gの連通孔を介して筺体10の外部に排出することができる。
【0062】
以上のように本実施形態の電池接続体1によれば、電池2の内部から筺体10の内部に漏れ出した電解液を、電線16が接続される端子9の電線接続部14を収容する第2収容部42の内部に入り込み難くすることができる。さらに、電解液によってバスバー8及び端子9が腐食され難くすることができるとともに、バスバー8と端子9のバスバー接続部13との間から導出した電解液を筺体10の内部で散乱し難くすることができる。従って、電池2の内部から漏れ出した電解液が外部の導電体に伝わり難くできる上、筺体10内のバスバー8や端子9が腐食され難い電池接続体1を提供することができる。
【0063】
なお、本願発明に係る電池接続体は、前述した一実施形態には限定されない。本願発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、その構成や形状、設定、あるいは工程等々を種々様々に変更したり、あるいは組み合わせたりして実施して構わない。
【0064】
例えば、電源装置が搭載される車両は、四輪の自動車には限定されない。電動スクーター等の自動二輪車や、自動三輪車にも適用できるのはもちろんである。さらには、電動モーターを使って動く鉄道車両や、車両のみならず、同じく電動モーターを使って動く船舶等にも適用できるのはもちろんである。また、蓄電池はニッケル水素電池には限定されない。また、筺体の内部と外部とを連通する連通孔は、第3収容部43に設けた連通孔(バスバー側連通孔)36及び連通孔(電線側連通孔)37のみに限らず、第1収容部41に連通孔を設けてもよいし、第2収容部42に連通孔を設けてもよい。