(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881245
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】ダンプ車両用バンパ
(51)【国際特許分類】
B60R 19/38 20060101AFI20160225BHJP
B60R 19/24 20060101ALI20160225BHJP
B60R 19/02 20060101ALI20160225BHJP
B60P 1/04 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
B60R19/38 B
B60R19/24 R
B60R19/02 D
B60P1/04 S
B60P1/04 Z
B60R19/38 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-76342(P2012-76342)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-203311(P2013-203311A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡本 斉
【審査官】
田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】
実開平07−037827(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3137224(JP,U)
【文献】
特開平06−305380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/38
B60R 19/24
B60R 19/02
B60P 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる車両フレームに対して傾動可能に搭載された荷箱の下方において、前記車両フレームの後部に上下回動可能にバンパステーが軸支され、当該バンパステーに取付けられたダンプ車両用バンパであって、
前記バンパステーには、前記車両フレームとの軸支部を回動中心とする回動片が設けられており、
前記回動片は、一端部が前記荷箱に連結された連結手段に対して移動可能に連結されるとともに、前記連結手段に対する移動を規制して当該連結手段との相対位置を保持又は当該保持の解除が可能な保持手段が連結され、
前記バンパステーが上側に回動されて前記回動片が前記連結手段の前記一端部側に移動した状態において、前記回動片が前記保持手段によって保持されることで、前記連結手段との相対位置を保持したまま前記荷箱の傾動動作が可能とされ、
前記保持手段による保持が解除されて前記バンパステーが前記上側に回動された状態から下側に回動された状態において、前記荷箱の傾動動作によって、前記回動片が前記連結手段に対して移動可能とされる
ことを特徴とするダンプ車両用バンパ。
【請求項2】
前記連結手段は、略一方向に延びるプレート部材であり、
前記連結手段の一端部は前記荷箱に軸支され、
前記連結手段の他端部には、前記回動片が摺動可能に連結されている
ことを特徴とする請求項1に記載のダンプ車両用バンパ。
【請求項3】
前記連結手段には、前記略一方向を長手方向とする長孔が設けられており、
前記連結手段及び前記回動片は、前記長孔に挿通された係合ピンを介して連結されるとともに、前記係合ピンが前記連結手段を摺動する構成を有し、
前記保持手段は、前記係合ピンの摺動を規制する固縛部材である
ことを特徴とする請求項2に記載のダンプ車両用バンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプ車両に備えられたバンパに関する。
【背景技術】
【0002】
ダンプ車両は、油圧シリンダを利用して車両フレーム等に搭載された荷箱を後ろ下がりに傾動させ、荷箱内に収容された土砂や廃棄物等を排出する。この場合、車両後方のバンパ等は、排出物の集積箇所に近いため、ダンプ排出の影響を受けることがある。そこで、ダンプ排出の作業効率向上のために、バンパやその周辺部材の構成にも色々な工夫がなされている。
【0003】
例えば、アスファルト舗装工事でアスファルトフィニッシャ装置を用いる場合、位置変更可能なバンパを用いた構成が知られている(特許文献1)。当該装置はダンプ車両と一体的に使用され、ダンプ車両を後ろから押して前進し、ダンプ車両の荷箱からアスファルトの補給を受けながら舗装工事を進行させる。排出されるアスファルトは上記装置のホッパーに収容されるが、バンパとホッパーの干渉を防ぐために、ダンプ車両の車両フレームにバンパステーを上下回動可能に取り付け、バンパステーごとバンパを前方に跳ね上げる構成とされている。
【0004】
また、同様にアスファルトフィニッシャ装置のホッパーとの干渉防止のため、バンパステーを後方回転させて持ち上げる構成も知られている(特許文献2、特許文献3)。
【0005】
これらの技術によって、バンパは、車両走行時には所定の位置に固定され、ダンプ排出時には上記ホッパー等のように荷箱下方に入る障害物との干渉を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3315514号公報
【特許文献2】特開2010−228520号公報
【特許文献3】特開2011−031862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バンパと上記障害物との干渉を単に回避するだけでは、ダンプ排出性能を向上させる点において未だ改善の余地が有る。
【0008】
第1に、バンパを車両前方に回動させる場合、手動操作は荷箱下方に潜り込んで行う必要があり非常に困難となる。そのため、実用上はシリンダ等の駆動装置が必須となって大きなコストアップを招く。
【0009】
第2に、バンパがダンプ排出の際に集積された排出物に埋もれることや、再度ダンプ排出をしようと車両を後進させる際に集積された排出物に干渉することがある。そこで、こうした排出物との干渉を回避するためにバンパをできるだけ上側に回動させると、ダンプ排出時に荷箱はその後端部が下降するため、上側に回動されたバンパと干渉する恐れが高くなる。
【0010】
第3に、排出場所をできる限り車両の後方側に移動させたい。一般廃棄物等を運ぶダンプ車両の場合、一般には廃棄物集積場でダンプ排出が行われる。ダンプ排出を行う場所には、車両後進を停止させる車輪止めが設けられており、車輪止めと廃棄物が集積される箇所とは一定の距離があり、ダンプ車両の種類や大きさが限定される。そこで、ダンプ車両の適用種類を拡大できることが好ましく、後輪から荷箱後端までの水平距離を大きくして排出位置を後方に移動したい。しかし、単に排出位置の後方移動だけを実現しても、荷箱の重心位置が車両後方側に移動してしまう。荷箱は、油圧シリンダの伸長によって後ろ下がりに傾動状態となり、荷箱の自重等で油圧シリンダが収縮されて水平状態に戻る。このため、荷箱は、その重心位置が車両後方側に移動すると、水平状態に戻るまでの時間が長くなる。
【0011】
本発明は、これらの点を鑑みてなされており、簡易な構成を有し、荷箱下方の障害物との干渉を回避しつつダンプ排出性能の向上にも寄与することのできるダンプ車両用バンパの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では以下の手段を用いて上記課題を解決することができる。
【0013】
前後方向に延びる車両フレームに対して傾動可能に搭載された荷箱の下方において、前記車両フレームの後部に上下回動可能にバンパステーが軸支され、当該バンパステーに取付けられたダンプ車両用バンパであって、前記バンパステーには、前記車両フレームとの軸支部を回動中心とする回動片が設けられており、前記回動片は、一端部が前記荷箱に連結された連結手段に連結され、前記バンパステーが上側に回動された状態における前記回動片と、前記一端部との相対位置が保持される構成となっている。
【0014】
また、前記連結手段は、略一方向に延びるプレート部材であり、前記連結手段の一端部は前記荷箱に軸支され、前記連結手段の他端部には、前記回動片が摺動可能に連結されている構成が好ましい。
【0015】
そして、前記連結手段の他端部及び前記回動片は、係合ピンの挿通によって連結されるとともに、前記係合ピンが前記連結手段を摺動する構成を有し、前記保持手段は、前記係合ピンの摺動を規制する固縛部材である構成とするとさらに好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のように、バンパステーが車両フレームに対して上下回動可能に構成されていることでバンパが荷箱下方の障害物との干渉を回避することができる。また、バンパステーに設けられた回動片が連結手段によって荷箱と連結され相対位置が保持されていることで、荷箱が傾動すると回動片も回動する。したがって、荷箱の傾動動作に伴ってバンパステー及びバンパも下方に回動し、荷箱がバンパと干渉することもない。
【0017】
これらの構成は、回動片が連結部材によって荷箱と連結されることで実現するものであり、簡易な構成によって成されてコストアップを抑制することができる。さらに、障害物を回避した状態で車両を後進させることができ、バンパを回動させない状態よりも荷箱を車両後方側に位置する状態にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るダンプ車両用バンパの側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るダンプ車両のダンプ排出動作を示す側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るダンプ車両がバンパを上げない状態でのダンプ排出動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態の一例について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、荷箱1を後ろ下がりに傾動させるダンプ車両100の後部を示す側面図である。ダンプ車両100は、荷箱1と、荷箱1が搭載される車両フレーム2と、車両フレーム2の後部に連結されたバンパステー3と、バンパステー3の先端部に取付けられたバンパ4とを備えている。
【0021】
荷箱1は、床部とその四方に立設する煽戸とで形成されている。荷箱1の下部には、油圧シリンダを有するリフト装置5の一端が連結されている。リフト装置5の他端は車体フレーム2に連結されている。油圧シリンダが伸長すると、車体フレーム2に対して荷箱1が一点鎖線で示すように車両の後ろ下がりに傾動する。車両後方側の煽戸(テールゲート)11は車両側方側の煽戸(サイドゲート)12に対して連結部(不図示)を介して互いのゲート11、12の上部同士が連結されている。この連結部分を中心にして、テールゲート11は、その下端部が荷箱1の傾動に伴って離着自在に回動動作(下開き動作)する。荷箱1内に収容された土砂や廃棄物等の収容物は、荷箱1が傾動されると、下開きしたテールゲート11との開口部から外方に排出(ダンプ排出)される。
【0022】
車両フレーム2は、車両前後方向に延びるシャシフレーム21と、そのフレーム21に積載されて溶着されたサブフレーム22とで構成されている。サブフレーム22後部にはヒンジ部6が設けられており、このヒンジ部6を介して荷箱1は上記の傾動が可能となるように搭載されている。
【0023】
バンパステー3とバンパ4は、図示する状態から反時計回りに回動可能となっている。バンパステー3は、シャシフレーム21後端部に設けられている。バンパステー3は、図示のとおり、略「く」字状であり、中間部31で軸支され、シャシフレーム21に対して上下方向に回動自在になっている。図示する下端側部分32には車両幅方向を長手方向とするバンパ4が固定された状態で取付けられている。図示する上端側部分33は、中間部31における軸支部31aを中心に上下に回動するバンパステー3の一片部であり、以下では単に「回動片」と記す。
【0024】
回動片33は、荷箱1が水平状態のときには図示のようにシャシフレーム21の後端部から車両後方側に突出した状態となっている。回動片33の近傍には車両内側となる位置に連結アーム7が配されている。連結アーム7は、一方向に延びて荷箱1と回動片33との連結手段となるプレート部材であって、一端部で荷箱1の床部13に連結され、他端部で回動片33と連結されている。連結アーム7の他端部側には、その長手方向に沿った長孔71が設けられている。この長孔71には、連結アーム7と回動片33とを係合する第1ピン7aが挿通されている。第1ピン7aは長孔71を摺動自在であり、長孔71によって第1ピン7aの摺動がガイドされる。連結アーム7の一端部側には、床部13と連結アーム7とを連結する第2ピン7bが挿通されており、第2ピン7bによって連結アーム7が床部13に対して図示の状態から車両前方側に回動可能となっている。
【0025】
ダンプ車両100のダンプ排出は
図2のとおりとなる。
図2には、排出物集積場8内のダンプ車両100が示されており、排出物集積場にはダンプ車両100の走行部分81と、ダンプ車両100の車輪止め82と、排出物の集積部83とが設けられている。
【0026】
図2(a)では、ダンプ車両100が走行可能状態で停止している。このとき、バンパ4の地上高H1は車輪止め82の高さH2よりも低い。ダンプ車両100を後進(図中の右方向に移動)させて集積部83に荷箱1の収容物をダンプ排出するとき、作業者が手動でバンパ4を持って反時計周り(矢印A1方向)に回動させる。バンパ4を持ち上げるとバンパステー3は拡大図中の一点鎖線部のように倒伏状態となる。この際、回動片33は実線部から一点鎖線部のように反時計回りに車両前方側へ移動する。回動片33の移動によって、連結アーム7は第2ピン7bを中心に実線部から一点鎖線部のように時計回りに回動し、同時に第1ピン7aは長孔71を下側から上側に向かって移動する。第1ピン7aには蝶螺子(不図示)が取付けられており、上側に移動した際に手動で蝶螺子を締めることで第1ピン7aが長孔7a内を移動することができないように固縛される。第1ピン7aが固縛されることで回動片33も移動することができないので、バンパ4は上側に回動された状態(一点鎖線部)で保持される。なお、蝶螺子は、第1ピン7aの摺動を規制して、第1ピン7aと第2ピン7bとの相対位置を保持する保持手段であり、同様の機能を有するものであれば他の固縛部材を用いた構成や、長孔71に別途の係合ピン等を挿通させて第1ピン7aの摺動を規制する構成としても構わない。
【0027】
バンパ4が上側に回動されて、第1ピン7aと第2ピン7bとの距離がL1の大きさで保持されると、
図2(b)で示すようにダンプ車両100を後進させる。このとき、バンパ4の地上高H3は車輪止め82の高さH2よりも高く設定されており、後輪RTを車輪止め82に当接又は近接する位置までダンプ車両100を後進させても、バンパ4は車輪止め82に干渉することなく、車輪止め82よりさらに後方側に移動することができる。
【0028】
ダンプ車両100が後進し、後輪RTが車輪止め82に近接した状態となった後に、
図2(c)のようにダンプ排出が行われる。荷箱1の傾動によってテールゲート11が下開きし、集積部83に排出物9が集積される。荷箱1が傾動する際には、第2ピン7bもヒンジ部6を中心にして時計回りに回動される。第1ピン7aは蝶螺子によって第2ピン7bとの相対位置が距離L1を保ったまま保持されているので、第2ピン7bとともに時計回りに回動される。第1ピン7aの回動によって、回動片33も時計回りに回動されるので、バンパステー3及びバンパ4も時計回りに回動される。つまり、荷箱1の傾動に伴って、一旦上側に持ち上げられたバンパ4も下方側に回動する。
【0029】
その結果、バンパ4は傾動する荷箱1と干渉することがない。また、バンパ4を持ち上げた状態でダンプ車両100を後進させた(
図2(b))ので、バンパ4が車輪止め82を超えてさらに後方まで移動しており、バンパ4が車輪止め82の前方に位置する状態と比較してダンプ排出の場所を後方側に移動させることができる。また、後輪RTから車両後端部までの長さ(リヤオーバーハング)を不要に大きく設定する必要もない。したがって、荷箱1が傾動状態のときの重心位置が車両後方側に移動することもないので、傾動状態から水平状態に荷箱が自重で戻る時間が伸びることもない。さらに、荷箱1の重心位置が変わらないので、安定したダンプ排出を行うことができる。
【0030】
ダンプ排出した後は、荷箱1が傾動状態から水平状態に自重によって戻る。この際、バンパ4も荷箱1が反時計回りに回動する動作に伴って同様に反時計回りに回動する(上昇する)。バンパ4が高さH3の状態に再度戻るのでダンプ車両100が前進されればバンパ4が車輪止め82と干渉することなく前方に移動させることができる。つまり、
図2(c)の状態から
図2(b)となる。その後、上に持ち上げられた状態のバンパ4を下側に回動させて車両走行可能状態とする(
図2(a))。
【0031】
次に、本実施形態に係るダンプ車両100は、荷箱下方に障害物等が無い場合にはバンパ4を持ち上げない状態(車両走行可能状態)でダンプ排出を行うこともできる。この場合は、
図3で示す状態となる。
【0032】
車両走行可能状態では、バンパステー3及びバンパ4は、シャシフレーム21に対して図示する姿勢で固定されている。図示する状態での固定は、バンパステー3に対して車両幅方向に挿通された第3ピン7cによって行われている。シャシフレーム21にはその後端部において下方に延びるブラケット(不図示)が、図示するバンパステー3と対向するように設けられている。バンパステー3及び上記ブラケットには第3ピン7cが挿通される孔部が互いに設けられており、これらの孔部に第3ピン7cが挿通されることでバンパステー3はシャシフレーム21に対して固定された状態となる。
【0033】
このとき、第1ピン7aは蝶螺子で固縛されていない状態なので、荷箱1が傾動されると、第1ピン7aが連結アーム7の長孔71を摺動して上側に移動する。つまり、第1ピン7aと第2ピン7bとの相対位置は保持されていないので、荷箱1が傾動されてもバンパ4は位置が変動しない。バンパ4の位置は変動しなくても、ダンプ排出の前にバンパ4は上側に持ち上げられていないので、傾動する荷箱1と干渉することもない。
【0034】
このように、本実施形態に係るダンプ車両100に設けられるバンパ4は、ダンプ排出に求められる状況によって、荷箱1の傾動に伴って回動する状態と、回動しない状態とを適宜選択可能な構成となっているが、同様に選択可能な構成であれば以下の実施形態でも適用可能である。
【0035】
本実施形態では、連結アーム7に長孔71を設けて第1ピン7aのガイド部としたが、一方向に延びる形状だけに限定せずに、回動片33の軌跡に合わせた形状の孔部が連結アーム7に設けられていても良い。
【0036】
また、長孔71を第1ピン7aが摺動する構成を用いて、
図2の各状態でバンパステー3が複数の姿勢に変更可能としているが、バンパステー3が複数の姿勢変更を可能とすればこの構成以外の連結手段が設けられた構成でも構わない。例えば、上記連結アーム7よりも短尺な短アームと、バネ部材とを組み合わせた構成でも良い。この場合、短アームは一端部が第2ピン7bによって荷箱1の床部13に対して回動自在に連結される。バネ部材は一端が回動片33に連結され、他端が短アームに連結され、回動片33を上側に付勢するようにする。この構成によって、車両走行可能状態からバンパ4をバネ部材の付勢力に抗してバンパ4を上側に持ち上げることができる。さらに、上述した第3ピン7cと同様にピン等を用いて、バンパ4が上側に持ち上げられた状態で、バンパステー3やバンパ4の姿勢を固縛することができる。固縛することで、バネ部材の一端部(回動片33との連結部分)と第2ピン7bとの相対位置が変動しない。よって、荷箱1が傾動されるとバンパステー3も回動してバンパも回動する。なお、荷箱1の傾動に伴ってバンパステー3も良好に回動する構成であれば上記の短アーム等を介さないでバネ部材の他端を荷箱1の床部13に連結させても構わない。
【0037】
なお、連結アーム7等の連結手段は、荷箱1と回動片33とを連結する構成としたが、上述した効果を同様に奏していれば他の構成でも構わない。つまり、バンパステー3又はバンパ4が車両フレーム2に対して上下回動可能な構成で、バンパ4が上側に持ち上げられた姿勢に変更でき、さらにバンパ4が持ち上げられた姿勢において荷箱1の傾動に伴ってバンパ4も回動できれば、連結手段の一端が回動片33ではなくバンパ4又はバンパステー3の先端部32に連結された構成でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、ダンプ排出を行う全てのダンプ車両用バンパに対して有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 荷箱
2 車両フレーム
3 バンパステー
4 バンパ
5 リフト装置
6 ヒンジ部
7 連結アーム(連結手段)
8 排出物集積場
9 排出物
11 テールゲート(荷箱)
12 サイドゲート(荷箱)
13 床部(荷箱)
21 シャシフレーム
22 サブフレーム
31 先端部(バンパステー)
32 中間部(バンパステー)
33 回動片(バンパステー)
71 長孔(連結手段)
7a 第1ピン
7b 第2ピン
7c 第3ピン
81 車両走行部(排出物集積場)
82 車輪止め(排出物集積場)
83 集積部(排出物集積場)
100 ダンプ車両用バンパ